文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「自然界の情報を捉え活かすためのアナログとデジタルの変換技術を原点に、計測・制御技術を駆使したツールの提供によってお客様による新しい価値の創出を支援し、産業の発展と健康な生活に貢献します。」を経営理念として掲げております。
当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示することが基本であり、A(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術が当社創業のコア技術で社名の由来でもありますが、A/D・D/A変換技術や高速デジタル信号処理技術を磨き上げることで、お客様の知の拡大を可能にするツールを提供してゆくことを企業使命としております。
お客様が使用することで価値が生まれるツールを提供し、新しい価値の創出に取り組む産業や健康な生活を願う人々を継続的に支援することで、社会に貢献していきたいと考えております。
変化に柔軟に対応し、未来に向けてエー・アンド・デイを持続的に発展させ、さらなる企業価値を創造してゆく為に次の施策を講じてまいります。
成長戦略
企業の将来を見据え、安定的な成長を続ける為には、常に新しい市場を開拓してゆかねばなりません。当社は以下の4つの成長分野に注力し、積極的に事業の拡大を図ってまいります。
・自動車・タイヤ業界向け計測器、シミュレータ及び試験用システム
・工業計測機器
・ウェイトチェッカ/金属異物検出装置
・ラボラトリ(研究・分析)
自己資本の有効活用
有形・無形の資産の圧縮を行い、自己資本をより有効に活用する体制を構築します。経営効率を高めることにより収益性の向上に努め、より積極的な企業運営を可能とする環境を整えてまいります。
コーポレートガバナンス・コードへの対応
「コーポレートガバナンス・ コード」の趣旨を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を 図る為の指針とします。
中期経営計画(連結)の基本方針
・将来における売上高営業利益率10%の達成を視野に、直近3年度(2020年3月期~ 2022年3月期)の連結
経営計画を立案しました。
・連携強化により成長を実現することを目指し、各本部と事業単位ごとの連携強化、グローバル連携の強化、
連携強化のための仕組みの充実を目標とします。
また、各担当部門はそれぞれ次の施策を推進してまいります。
営業施策 ITツール活用による営業力強化
開発施策 グローバル対応への取り組み強化
生産施策 コストダウン活動の徹底推進
管理施策 管理体制の高度化
当社グループは、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等を通じて高い収益を得ることが重要な経営課題であります。いかなる状況においても利益を確保できる体質を目指し、「売上高営業利益率10%以上」を中長期的に目指すべき目標として掲げております。
当社グループは、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、「はかる」を軸に事業を展開し、様々な製品を取り扱っております。近年のAI、IoT、RPAといったデジタル技術革新は産業の高度化をもたらし、これに伴い、「より正確にはかる」「これまで測れなったものをはかる」ことが求められ、そのための技術開発が必要となっておりますが、その実現には産業界が保有する以上の高度な計測技術を開発する必要がある一方、マーケットはそれほど大きくはないため、技術開発にあたってのリスクマネジメントや、グローバル指向の事業展開が必要となります。
当社グループにおきましては、2017年度より「グループ総合力の強化」を基本方針として経営改革を行っておりますが、上記の課題を踏まえ、事業別マネージメントの深化・推進を図り、効果的なリソースの配分により更に効率を高めてまいります。また、各担当部門はそれぞれ次の施策を推進してまいります。
・営業施策 ITツール活用による営業力強化
・開発施策 グローバル対応への取り組み強化
・生産施策 コストダウン活動の徹底推進
・管理施策 管理体制の高度化
当社グループは、これまでの開発投資により差別化された多くの技術蓄積を効果的に活用しながら、上記の取り組みを推進することで、持続的な事業の成長を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの海外での事業活動については、中国、韓国、ベトナムに生産拠点を有し、また、販売については米国、ロシアを中心に世界各国へ展開しており、当連結会計年度における海外売上高比率は52.7%となっております。当社グループが事業活動を行うこれらの国々において、予期しない法律や規制の変更、自然災害、戦争、テロ、その他経済的、政治的要因等による混乱が生じた場合は、生産活動の縮小や停止、また販売活動の停滞等を余儀なくされ、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
為替レートの変動は、当社グループ間または顧客との外貨建取引価額が変動することにより、売上高や損益等の業績に影響を与えます。また、外貨建て輸出入のバランスを図るなど為替ヘッジに努めておりますが、急激に為替レートが変動した場合は、外貨建債権・債務の換算において、損益等に影響を与える可能性があります。なお、為替レートの変動は、連結財務諸表作成における海外連結子会社等の外貨建財務諸表の円換算額が変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、設備資金及び運転資金を主として借入金によって調達しております。当連結会計年度末における長期借入金及び短期借入金の合計額は19,179百万円で、社債を含めた有利子負債依存度は38.6%となっております。当社グループは、今後有利子負債の削減に努めてまいりますが、金利を始めとする金融市場の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが手掛ける「はかる」技術は「産業のマザーツール」と言われており、常に最新の高度技術が要求され、それに対応するために研究開発を続ける必要があります。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,898百万円、連結売上高に対する比率は10.1%であり、研究開発主導型企業として研究開発に積極的に資源を投入しております。当社グループにおける研究開発は計測・計量機器分野及び医療・健康機器分野に展開し、全て事業化を目的としておりますが、事業化に至らない可能性、事業化までに時間を要する可能性もあります。
当社グループの事業は国内においては計量法及び医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、海外においてはEU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)、FDA/QSR(Food and Drug Administration/Quality System Regulation:米国厚生省食品医薬品局品質システム規則)及びHealth Canada(カナダ保健省)等による規制を受けております。
計量法は適正な計量の実施を確保するために種々の規制を設けております。特に検定制度は取引又は証明に使用する特定計量器を製造、修理又は輸入する場合、その構造(性能及び材料の性質を含む)等が法で定める基準に適合しているかを1台ずつ検査し合否を確認するものであります。
また、型式の同一な計量器を製造するときには、構造についての検査項目を事前に試験し、合格したものは、検定時に構造検査を省略できる型式承認制度や最終の検定を製造事業者の自主検査に任せる指定製造事業者制度があります。指定製造事業者は、製造した特定計量器が法で定める基準に適合することを自ら判定できますが、厳重な管理体制が求められます。当社グループでは質量計第一類、血圧計第一類の認証を取得しております。
医薬品医療機器等法では、医療機器の製造販売を行おうとするものは製造販売業の許可を都道府県知事より受けなければなりません。医薬品医療機器等法は市場での安全性をより高めるため、厚生労働省令により製造販売業に安全管理体制(GVP省令)の設置を求めております。また、製造販売業及び製造業には製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)により品質システムの構築が要求されています。当社グループでは当社の開発・技術センターに製造販売業を置き、医療機器の販売拠点である本社・営業所には販売業、開発・技術センターおよびグループ企業における医療機器製造部門並びに修理部門では製造業及び修理業を取得しております。更に海外生産拠点においては、厚生労働大臣認定の外国製造業者を取得しております。なお、品目ごとの販売許可は(独)医薬品医療機器総合機構や第三者認証機関による審査を受け取得しております。
EU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)は、欧州連合加盟国によって定められた地域法の一つであります。当社グループの製品はEU指令のうち低電圧指令、EMC(電磁両立性)指令、RoHS指令及びMDD(医用機器)指令により規制を受けておりますが、該当する製品については、これらの安全規制に適合させCEマークを添付しております。なおMDD指令は、今後MDR(医療機器規則)になることから対応を進めています。
FDA/QSR及びCMDCAS(Canadian Medical Device Conformity Assessment System:カナダ医療機器適合評価システム)は米国内及びカナダ国内で医療機器を販売するために医療機器製造事業者が遵守しなくてはならない米国及びカナダの法律であり、米国及びカナダ国内外の製造事業者及び輸入業者に適用されます。当社グループではA&D ENGINEERING, INC.が米国及びカナダでの販売窓口になりFDA/QSR及びMDSAPの認可を受けております。
今後も日本および諸外国/地域の様々な規制に従って事業活動を行っていく中で、これらの法規制が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、高度で複雑な技術を利用した製品が増加することに伴い、重大な品質問題が発生する頻度が高まり、予想し得ない品質上の欠陥や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。重大な品質問題が発生した場合、信頼性の低下により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社の国内における販売は、一般消費者向けの医療・健康機器を除き設備として購入されるものが大部分であり、その最終ユーザは官公庁、法人、病院等いずれも物品購入に際し予算制度が導入されている場合が多く、予算執行の関係上、特に年度末(3月)に販売が集中する傾向があります。
また、医療・健康機器のうち売上の大きな割合を占める家庭用血圧計につきましては、血圧値が高くなる傾向を見せる冬季、特に海外におきましては12月のクリスマス商戦に販売が集中する傾向があります。
このため、上半期及び下半期ほぼ均等に発生する販売費及び一般管理費の影響により営業利益及び経常利益が上半期(4月~9月)よりも下半期(10月~3月)に偏重する傾向にあります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当財政状態に関する説明については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては生産年齢人口の減少に伴う労働力不足や物流費用の上昇、さらには自然災害の頻発等のマイナス材料も少なくなかったものの、堅調な企業収益や設備投資に支えられて緩やかな回復基調が続きました。
一方、海外においては米国トランプ政権の保護主義的な通商政策による米中貿易戦争、中国経済の減速、欧州における英国のEU離脱問題や移民排斥問題など懸念材料が多い中で推移しました。
このような状況の中、当社グループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応してまいりました。また、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで、他社との差別化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は48,344百万円(前連結会計年度比9.6%増)、営業利益は2,751百万円(前連結会計年度比15.7%増)、経常利益は2,683百万円(前連結会計年度比15.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,900百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが2,237百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△1,454百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△329百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△117百万円発生した結果、7,527百万円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.実績には商品仕入を含んでおります。
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、37,141百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,566百万円増加いたしました。これは株式会社ホロンを連結子会社化したことにより、同社の有する現金及び預金、受取手形及び売掛金、仕掛品を中心とするたな卸資産等が加わったことが主要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は13,840百万円となり、前連結会計年度末に比べ366百万円増加いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
有形固定資産については新規設備投資と減価償却がほぼバランスしたところに株式会社ホロンの有する工具、器具及び備品をはじめとする有形固定資産280百万円が加わったため、前連結会計年度末に比べ272百万円増加いたしました。
無形固定資産については主にソフトウェアへの投資と、株式会社ホロンの有するソフトウェア等の無形固定資産58百万円が加わったため、前連結会計年度末に比べ76百万円増加いたしました。
投資その他の資産については従来投資有価証券に含めていた株式会社ホロンの株式が連結相殺消去の対象となったために減少した一方で、繰延税金資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ16百万円増加いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は26,794百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,143百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が減少したものの、賞与引当金や未払法人税等が増加し、株式会社ホロンの有する支払手形及び買掛金等が加わったことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は6,096百万円となり、前連結会計年度末に比べ638百万円増加いたしました。これは主に社債の増加と株式会社ホロンの有する長期借入金や退職給付に係る負債が加わったことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は18,090百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,151百万円増加いたしました。これは主に当期純利益等により利益剰余金が1,608百万円増加したこと、株式会社ホロンの連結子会社化に伴い、非支配株主持分が822百万円増加したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,237百万円(前連結会計年度比45.6%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が2,711百万円、減価償却費が1,712百万円あった一方、たな卸資産の増加が1,238百万円、法人税等の支払額が742百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,454百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が955百万円、無形固定資産の取得による支出が521百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は782百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は329百万円(前連結会計年度比76.5%減)となりました。これは主に長期借入れによる収入が3,475百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が3,587百万円、配当金の支払額が292百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債515百万円(1年内償還予定分含む)、長期借入金7,198百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金11,980百万円の構成となっており、合わせて19,694百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は40.7%(前連結会計年度末は43.7%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ9.6%増収の48,344百万円となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、電子ビーム関連ユニットの受注が大幅増となったことに加え株式会社ホロンの子会社化により半導体機器関連が、自動車業界における活発な設備投資等を背景に計測・制御シミュレーションシステム(DSPシステム)がそれぞれ売上を伸ばした他、計量機器においても金属検出機や工業計測機器を中心に堅調に推移しました。米州においては、計量機器は金属検出機・ウェイトチェッカや工業計測機器の売上が寄与し前期比で微増となったものの、DSPシステムは、前期にあった規模での受注が獲得できなかったことから売上を落としました。アジア・オセアニアにおいては、韓国で秤業界のシェア拡大に成功し幅広い品目で売上を伸ばした他、豪州では金属検出機・ウェイトチェッカの特需があり売上を伸ばしました。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ12.1%増収の29,896百万円となりました。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、医療機器は全体として概ね堅調に推移したことに加え、健康機器では前年同期に落ち込んでいた大口顧客向けの需要が回復したため売上を伸ばしました。米州においては、米国で血圧計等の大口受注等があったため売上を伸ばしました。欧州においては、英国での販売体制見直しが功を奏し売上を伸ばしました。またロシアでは競合他社の参入により血圧計市場の競争が激化しているものの積極的な販促活動を展開することで現地通貨ベースでは売上を伸ばしましたが、円に対する露ルーブルの価値が前期比で円高であったため、円換算での売上高は概ね前年並みに留まりました。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ5.7%増収の18,448百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率は前連結会計年度に比べ0.3%増加し56.9%となりました。
販売費及び一般管理費は、売上増に伴う販売費の増加に加え、積極的な広告宣伝活動や研究開発活動を行ったこと、新たに連結子会社となった株式会社ホロンの費用も加わったことから前連結会計年度に比べ7.8%増加した18,079百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、2,751百万円(前連結会計年度比15.7%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は株式会社ホロンを連結子会社化したことによる影響が大きく、前連結会計年度比47.4%増益の2,491百万円となりました。一方、医療・健康機器事業の営業利益は、競争の激化や利益率の低い大型案件への対応から、前連結会計年度比7.4%減益の1,965百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として1,706百万円が発生しております。
売上高営業利益率は5.7%となり、前連結会計年度より0.3%上昇しました。引き続き当社が中長期的な目標としている売上高営業利益率10%を目指し、新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
持分法による投資利益や受取利息を中心に営業外収益が355百万円発生した一方、支払利息や為替差損を中心に営業外費用が423百万円発生した結果、経常利益は2,683百万円(前連結会計年度比15.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
株式会社ホロンを連結子会社化したことに伴い段階取得に係る差益が生じ特別利益が517百万円発生した一方で、同じく株式会社ホロンの連結子会社化に伴い発生したのれんについて回収可能見込額まで減損処理を行ったこと等により特別損失が489百万円発生し、税金等調整前当期純利益は2,711百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税が874百万円発生した一方、法人税等調整額を△226百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,900百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。
(包括利益)
当期純利益は2,063百万円となりましたが、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益合計額が△301百万円となった結果、包括利益は1,761百万円(前連結会計年度比24.3%増)となりました。
該当事項はありません。
当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。
現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約14.5% 390名、当連結会計年度における研究開発費の総額は
当事業における研究開発スタッフは323名、当連結会計年度における研究開発費は
DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析等が必要な様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度は前期に引き続き製品ラインアップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。
自動車産業においては、電動化で高まる静粛性や燃費性能の向上の実現のため、車両の動特性試験やタイヤの性能試験に対しての要求がより高いレベルのものとなっております。一般的な試験機としては、ドラム型の試験機が使用されていますが、当社の先進のセンサー技術により実現した小型の3分力センサー(Force Matrix Sensor:FMS)と制御技術の組み合わせにより、動的接地力試験機(Dynamic Contact Force testing Rig :DCFR)を開発しました。この製品は、動的なタイヤ接地圧分布を計測できる新世代の試験機で、これまで把握できなかった物理現象の計測を可能にする装置として国内外で高い評価を得ております。
また、自動車産業では、CASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)に代表される新規技術と、環境規制など対応すべき技術課題が増加している状況で、限られた設備と人員での対応が迫られていることもあり、外部委託を進める傾向が強くなってきております。このニーズに応えるため、2013年に株式会社MBSを設立し、自動車関連技術の受託試験・コンサルティング業務を開始しましたが、当社開発部門におきましてもこの事業を支援すべく新たな試験機器の提供や技術支援を行いました。近年においては当事業に対して高評価をいただき、今後の発展が期待できる状況となっております。
DSP応用試験機では、前年度に発表したムービングベルト式タイヤ試験機が好評で複数台の受注納入を行ったこともあり、タイヤ試験機のラインナップの充実を図りました。タイヤの基本的な特性試験である静剛性試験機の開発を行い、アプリケーション開発が広がる前述の動的接地力試験機と併せて、タイヤ試験機の分野に広がりを見せています。
計測機器では、引張・圧縮試験機テンシロンの2019年度発売品の準備を行いました。また、併せて各種試験治具の販売資料の充実を行いました。その結果、付加価値の高い省力化機器として、フィルム、布、繊維など、対象物に特化した自動引張試験機の販売に繋がりました。さらに、自動車業界向けの摩擦摩耗試験機におきましても、付加価値の高い、高速、高機能の製品の売上が可能になりました。
電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)につきましては、EUにおける電子機器に含まれる特定有害物質の使用規制であるRoHS10への取組みを開始しました。また、近年ますます厳しくなってきた廃止保守デバイスに関連して、ベアチップを使用した出力AMPの実験と評価と性能向上(耐ノイズ、セトリング、耐負荷)を目指しての開発に取り組みました。
一方、ビームユニットにおきましては、これまで開発を継続してきた高電圧、鏡筒、電源などのビーム生成・制御のユニットの性能向上を目指すとともに、顧客へ提供するための信頼性の向上、生産技術の蓄積を進めました。また、これまでに蓄えてきた技術と、新たに子会社化した株式会社ホロンが有する技術との連携によって、半導体分野の新しい検査技術や装置の検討を行いました。
計量機器につきましては、電子台秤のお客様の選択肢を増やすために、当社の主力台秤シリーズであるHV/W-Cシリーズに新たに防水タイプのHV/W-CWPシリーズ、防爆タイプのHVW-CEPシリーズを追加し、計量器の使用環境範囲を広げました。これにより水を使う場所での計量、爆発性ガスを使う環境での計量と、悪環境下でHV/Wシリーズ電子台秤を使うことができるようになりました。
化学・薬品関係の研究室で汎用的に使用されている道具であるピペットシリーズにつきましては、今までの電子シングルタイプピペットに追加して、マルチヘッド(8チャンネル)のピペットを開発し市場に投入しました。今まではシングルタイプのピペットしかありませんでしたが、これにより商品レンジが増え、お客様の要求によりお応えできると考えております。
重量インジケータ部門では、トラックスケールインジケータにつながる端末機器で、トラックの運転台から直接操作できる、カードリーダープリンターAD4385をモデルチェンジし、ユーザーの利便性を高めるためICカードが利用できるAD4385Aを開発いたしました。
商品検査機シリーズでは、当社にとって新しい製品であるX線検査機AD4991シリーズを開発し、市場投入を行いました。X線検査機は、商品等の中にある異物をX線を使って検出を行うものであります。当社が既に販売している金属検出器では非金属の異物の検出はできませんでしたが、X線を使うことにより金属・非金属の異物を両方検出することができるようになりました。一般的にX線検査機は金属検出機に比べると価格が高いという難点がありましたが、当社では自社で保有しているハードウエア・ソフトウエアの技術を多用し、コストパフォーマンスに優れた製品の開発に成功いたしました。食品の安全を守るだけでなく、食品以外の製品の品質劣化も防止できる異物検出機器は、これからも市場規模の増大が見込まれます。当社は、この市場に対して商品シリーズを増やして行きたいと考えております。
当事業における研究開発スタッフは67名、当連結会計年度における研究開発費は
医療用血圧計につきましては、2016年度に日本で発売した、外来、看護・介護ケア向け医療用電子血圧計UM-211の海外モデルを開発・市場投入しました。
前年度に国内で発売した携帯型自動血圧計(ABPM)TM-2441については、グローバルな販売の展開を目指し欧州で市場投入を行い、併せてTM-2441からBLE(Bluetooth Low Energy)通信機能、液晶表示などを除いた低価格版であるTM-2440を新たに欧州向けに開発・市場投入いたしました。
日本ではTM-2441に対応した、解析ターミナルDr,Pro Touch2を開発・市場投入しました。これは血圧計で取得した血圧データの各種解析、レポート作成を可能にする製品です。
医療用計量器につきましては、海外への展開を目指し海外モデルとしてベビースケールAD6020、デジタル身長計AD6400, ベッドサイドスケールAD6121を開発・市場投入いたしました。
健康機器は、BLE通信モデルを含む上腕血圧計と手首血圧計について、グローバルに多機種のOEM、ODMの製品展開を行い、販売の拡大につなげることができました。
そのほかに、内閣府プロジェクトであるImPACTのヘルスセキュリティプロジェクトの心臓関連疾患リスクシミュレータ開発SPに自治医大と共に参加し、当社は脈波形・身体活動が取得できるリストバンド型活動量計と環境データの無線収集システム・解析プラットフォームの開発を行いました。当連結会計年度が最終年度となりますが、引き続き開発を継続し、今後はこの成果を社会実装していく予定です。