文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「自然界の情報を捉え活かすためのアナログとデジタルの変換技術を原点に、計測・制御技術を駆使したツールの提供によってお客様による新しい価値の創出を支援し、産業の発展と健康な生活に貢献します。」を経営理念として掲げております。
当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示することが基本であり、A(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術が当社創業のコア技術で社名の由来でもありますが、A/D・D/A変換技術や高速デジタル信号処理技術を磨き上げることで、お客様の知の拡大を可能にするツールを提供してゆくことを企業使命としております。
お客様が使用することで価値が生まれるツールを提供し、新しい価値の創出に取り組む産業や健康な生活を願う人々を継続的に支援することで、社会に貢献していきたいと考えております。
変化に柔軟に対応し、未来に向けてエー・アンド・デイを持続的に発展させ、さらなる企業価値を創造してゆく為に次の施策を講じてまいります。
成長戦略
企業の将来を見据え、安定的な成長を続ける為には、常に新しい市場を開拓してゆかねばなりません。当社は以下の4つの成長分野に注力し、積極的に事業の拡大を図ってまいります。
・自動車・タイヤ業界向け計測器、シミュレータ及び試験用システム
・工業計測機器
・ウェイトチェッカ/金属異物検出装置
・ラボラトリ(研究・分析)
自己資本の有効活用
有形・無形の資産の圧縮を行い、自己資本をより有効に活用する体制を構築します。経営効率を高めることにより収益性の向上に努め、より積極的な企業運営を可能とする環境を整えてまいります。
コーポレートガバナンス・コードへの対応
「コーポレートガバナンス・ コード」の趣旨を踏まえ、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を 図る為の指針とします。
中期経営計画(連結)について
2019年5月10日に、2022年3月期を最終年度とする中期経営計画を公表しておりましたが、昨今の情勢を踏まえて一旦取り下げております。基本方針には大きな変更はないものの、数値目標について再検討を要するため、数値の算定が可能となった状態で新中期経営計画を公表する予定です。
当社グループは、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等を通じて高い収益を得ることが重要な経営課題であります。いかなる状況においても利益を確保できる体質を目指し、「売上高営業利益率10%以上」を中長期的に目指すべき目標として掲げております。
当社グループは、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、「はかる」を軸に事業を展開し、様々な製品を取り扱っております。この度の新型コロナウイルス感染症の流行は、社会的価値観と産業構造の変化をもたらし、今後、AI、IoT、RPAといったデジタル技術の革新が加速するものと思われます。これに伴い当社におきましても、5G(第5世代移動通信システム)、自動車業界におけるCASE(Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化))などの技術革新や、IoT、AI等普及に伴う高精度・高速データ計測要求への対応が求められ、そのための技術開発が必要となっておりますが、その実現には産業界が保有する以上の高度な計測技術を開発する必要がある一方、「はかる」マーケットは個々には大きくないため、各マーケットに対応したアプリケーションを開発しシェアを確保することで収益を上げ、継続的な開発投資を行う必要があります。
当社グループにおきましては、2021年3月期は以下の3つの基本方針を定めました。
Ⅰ.顧客志向の徹底
顧客要求を徹底的に追い求め要求の先の先まで考える
Ⅱ.先端技術の追求
産業界が要求する精度の1桁高い精度に挑戦
Ⅲ.日本品質の追求
性能・品質のみならず納期遵守やサービス品質まで
当社グループは、これまでの開発投資により多くの差別化された技術を蓄積しております。これらの技術を効果的に活用しながら、上記基本方針に基づく施策を推進することで、持続的な事業の成長を図ってまいります。
(5)新型コロナウイルス感染症の影響
当社グループの各法人は様々な形で新型コロナウイルス感染症の影響を受けております。それぞれの法人が所在する国や地域における感染状況及び事業活動に係る制約は多岐に渡るため、その全てを記述することは困難ですが、概ね以下のような影響を受けております。
販売・出荷業務については、ロックダウンが行われていた国又は地域において一切の事業活動が禁止されていたため製品の出荷が一切できない期間がありましたが、現在は一部の国を除いてほぼ制約を受けていない状況です。 ただし、納品に伴って設置・据付が必要なDSPシステムや試験機に係る大型機械の出荷及びメンテナンス業務については少なからず支障が生じております。一方で、健康への関心の高まり及び外出禁止や自粛の影響から、血圧計や非接触型の体温計を中心とした医療・健康機器が特にeコマースのチャネルを通じて好調な売れ行きを見せています。
営業活動については、外出の制限あるいは自粛要請を受けてテレワーク等の手段も活用しながら限定的に行われております。また展示会等の活動については軒並み中止となっております。
生産活動について、中国において感染拡大が見られた時期は政府当局より工場の操業が許可されず、許可された後も限定的に操業が行われた時期もありましたが、現在においてはその他の国に所在する工場も含め通常の操業を行っており、サプライチェーンの状況に注視しつつ稼働を維持していきたいと考えております。
従来、グループ各社のトップを集めて定期的に各種の会議を行っておりましたが、当面はこれらの会議についても中止あるいはリモートでの開催に切り替えております。
引き続き、グループ全社の従業員の安全と健康を最優先に考えつつ、お客様のご要望に応えていくように努めて参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクは以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの海外での事業活動については、中国、韓国、ベトナムに生産拠点を有し、また、販売については米国、ロシアを中心に世界各国へ展開しており、当連結会計年度における海外売上高比率は55.5%となっております。当社グループが事業活動を行うこれらの国々において、予期しない法律や規制の変更、自然災害、戦争、テロ、感染症の拡大、その他経済的、政治的要因等による混乱が生じた場合は、生産活動の縮小や停止、また販売活動の停滞等を余儀なくされ、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
為替レートの変動は、当社グループ間または顧客との外貨建取引価額が変動することにより、売上高や損益等の業績に影響を与えます。また、外貨建て輸出入のバランスを図るなど為替ヘッジに努めておりますが、急激に為替レートが変動した場合は、外貨建債権・債務の換算において、損益等に影響を与える可能性があります。なお、為替レートの変動は、連結財務諸表作成における海外連結子会社等の外貨建財務諸表の円換算額が変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、設備資金及び運転資金を主として借入金によって調達しております。当連結会計年度末における長期借入金及び短期借入金の合計額は18,421百万円で、社債を含めた有利子負債依存度は38.4%となっております。当社グループは、今後有利子負債の削減に努めてまいりますが、金利を始めとする金融市場の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが手掛ける「はかる」技術は「産業のマザーツール」と言われており、常に最新の高度技術が要求され、それに対応するために研究開発を続ける必要があります。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、当連結会計年度における研究開発費の総額は5,000百万円、連結売上高に対する比率は10.2%であり、研究開発主導型企業として研究開発に積極的に資源を投入しております。当社グループにおける研究開発は計測・計量機器分野及び医療・健康機器分野に展開し、全て事業化を目的としておりますが、事業化に至らない可能性、事業化までに時間を要する可能性もあります。
当社グループの事業は国内においては計量法及び医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、海外においてはEU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)、FDA/QSR(Food and Drug Administration/Quality System Regulation:米国厚生省食品医薬品局品質システム規則)及びHealth Canada(カナダ保健省)等による規制を受けております。
計量法は適正な計量の実施を確保するために種々の規制を設けております。特に検定制度は取引又は証明に使用する特定計量器を製造、修理又は輸入する場合、その構造(性能及び材料の性質を含む)等が法で定める基準に適合しているかを1台ずつ検査し合否を確認するものであります。
また、型式の同一な計量器を製造するときには、構造についての検査項目を事前に試験し、合格したものは、検定時に構造検査を省略できる型式承認制度や最終の検定を製造事業者の自主検査に任せる指定製造事業者制度があります。指定製造事業者は、製造した特定計量器が法で定める基準に適合することを自ら判定できますが、厳重な管理体制が求められます。当社グループでは質量計第一類、血圧計第一類の認証を取得しております。
医薬品医療機器等法では、医療機器の製造販売を行おうとするものは製造販売業の許可を都道府県知事より受けなければなりません。医薬品医療機器等法は市場での安全性をより高めるため、厚生労働省令により製造販売業に安全管理体制(GVP省令)の設置を求めております。また、製造販売業及び製造業には製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)により品質システムの構築が要求されています。当社グループでは当社の開発・技術センターに製造販売業を置き、医療機器の販売拠点である本社・営業所には販売業、開発・技術センターおよびグループ企業における医療機器製造部門並びに修理部門では製造業及び修理業を取得しております。更に海外生産拠点においては、厚生労働大臣認定の外国製造業者を取得しております。なお、品目ごとの販売許可は(独)医薬品医療機器総合機構や第三者認証機関による審査を受け取得しております。
EU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)は、欧州連合加盟国によって定められた地域法の一つであります。当社グループの製品はEU指令のうち低電圧指令、EMC(電磁両立性)指令、RoHS指令及びMDD(医用機器)指令により規制を受けておりますが、該当する製品については、これらの安全規制に適合させCEマークを添付しております。なおMDD指令は、今後MDR(医療機器規則)になることから対応を進めています。
FDA/QSR及びCMDCAS(Canadian Medical Device Conformity Assessment System:カナダ医療機器適合評価システム)は米国内及びカナダ国内で医療機器を販売するために医療機器製造事業者が遵守しなくてはならない米国及びカナダの法律であり、米国及びカナダ国内外の製造事業者及び輸入業者に適用されます。当社グループではA&D ENGINEERING, INC.が米国及びカナダでの販売窓口になりFDA/QSR及びMDSAPの認可を受けております。
今後も日本および諸外国/地域の様々な規制に従って事業活動を行っていく中で、これらの法規制が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、高度で複雑な技術を利用した製品が増加することに伴い、重大な品質問題が発生する頻度が高まり、予想し得ない品質上の欠陥や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。重大な品質問題が発生した場合、信頼性の低下により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社の国内における販売は、一般消費者向けの医療・健康機器を除き設備として購入されるものが大部分であり、その最終ユーザは官公庁、法人、病院等いずれも物品購入に際し予算制度が導入されている場合が多く、予算執行の関係上、特に年度末(3月)に販売が集中する傾向があります。
また、医療・健康機器のうち売上の大きな割合を占める家庭用血圧計につきましては、血圧値が高くなる傾向を見せる冬季、特に海外におきましては12月のクリスマス商戦に販売が集中する傾向があります。
このため、上半期及び下半期ほぼ均等に発生する販売費及び一般管理費の影響により営業利益及び経常利益が上半期(4月~9月)よりも下半期(10月~3月)に偏重する傾向にあります。
(7) 自然災害等について
大地震や津波、台風、大雨による洪水や河川氾濫などの自然災害、火災等の事故、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等により、当社グループや調達先、販売先等の事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が継続・拡大した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性がありますが、今後の感染拡大の規模や収束の時期の見通しは立っておらず、現時点で業績に与える影響を予測することは困難であります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては当初こそ企業業績や設備投資が堅調に推移したものの、秋に相次いだ台風災害や10月からの消費増税に伴う景気の減速に加え、年明け以降は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の縮小が見られました。海外においては従来から見られた米中貿易摩擦の影響により需要が減退していたところに加えて、年明け以降は当社グループが所在する各国においても新型コロナウイルスの感染拡大に伴いロックダウン等による事業活動の停止あるいは縮小を余儀なくされました。新型コロナウイルスについては、感染の収束や事業活動再開の時期についても明確な見通しが立てられないため、全世界的に不安な状況のまま期末を迎えることになりました。
このような状況の中、当社グループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応してまいりました。また、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで、他社との差別化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は49,197百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業利益は3,700百万円(前連結会計年度比34.5%増)、経常利益は3,432百万円(前連結会計年度比27.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,576百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,309百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△1,100百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△1,308百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△321百万円発生した結果、9,105百万円(前連結会計年度比21.0%増)となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.実績には商品仕入を含んでおります。
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ1.8%増収の49,197百万円となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社ホロンの扱う半導体機器関連を中心に大きく売上を伸ばした他、温度計類が売上を伸ばしております。また試験機やパワートレインベンチ等が好調で、前年同期比で売上を微増としております。米州においては、計量機器のうち金属検出機・ウェイトチェッカの売上が伸び悩んだものの、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)で利益率の良い案件を獲得できたため、売上・利益とも改善しました。アジア・オセアニアにおいては、豪州や韓国において前年同期にあった金属検出機・ウェイトチェッカや試験機の特需が一段落したことから売上、利益ともに減少しております。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ2.8%増収の30,742百万円となりました。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、家庭用健康機器については前年同期に特需のあった活動量計を中心に、医療機器については全自動血圧計を中心に売上を大きく落としました。米州においては、米国において大口案件の出荷が継続している他、カナダにおいても血糖計等の販売が好調で売上を大きく伸ばしたことに加え、経費削減の効果もあり利益が改善しました。欧州においては、ロシアにおける家庭用血圧計を中心に売上・利益ともに伸ばしました。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、概ね前連結会計年度並みの18,455百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率については、資産の効率的な運用に努めた結果、グループ内で保有するたな卸資産が減少し、それに伴い連結上消去される未実現利益の額も減少したこと等から、前連結会計年度に比べ1.2%減少し55.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、売上増に伴う販売費の増加に加え、研究開発費も増加傾向にあったものの、一部の子会社において人員配置の見直しを行ったことに加え、得意先の信用状況の改善により貸倒引当金の引当額が減少したことから、概ね前連結会計年度並みの18,085百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、3,700百万円(前連結会計年度比34.5%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は前連結会計年度に大きく業績を落とした北米の子会社A&D Technology Inc.において利益率の高い案件を獲得でき、かつ人員配置の見直しを行い業績を回復できたことが主要因となり、前連結会計年度比2.2%増益の2,545百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、北米の子会社A&D ENGINEERING, INC.において費用の削減に努めたこと、得意先の信用状況の改善により貸倒引当金の引当額が減少したことから、前連結会計年度比8.3%増益の2,129百万円となりました。なお、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として974百万円が発生しております。
売上高営業利益率は7.5%となり、前連結会計年度より1.8%上昇しました。引き続き当社が中長期的な目標としている売上高営業利益率10%を目指し、新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
営業外収益は224百万円発生しました。当連結会計年度の途中でA&D SCIENTECH TAIWAN LIMITEDが持分法適用会社から連結子会社になったため持分法による投資利益が減少しております。営業外費用は493百万円発生しました。前連結会計年度に比べさらに円高傾向で推移したことから為替差損の額が増加しております。これらの結果、経常利益は3,432百万円(前連結会計年度比27.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
大きな企業結合により多額の特別利益と特別損失が発生した前連結会計年度と異なり、多額の特別利益や特別損失の発生はなく、税金等調整前当期純利益は3,423百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税930百万円の発生に加えたな卸資産に係る未実現利益に対する繰延税金資産の取り崩しを主要因として法人税等調整額を417百万円計上し、また非支配株主に帰属する当期純利益を499百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,576百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
(包括利益)
当期純利益は2,075百万円となりましたが、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益累計額が△1,228百万円となった結果、包括利益は847百万円(前連結会計年度比51.9%減)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、36,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ871百万円減少いたしました。これは資産の効率的な運用に努めた結果、受取手形及び売掛金、たな卸資産等の残高削減が進んだことが主要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は13,033百万円となり、前連結会計年度末に比べ807百万円減少いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
有形固定資産については新規設備投資と減価償却がほぼバランスしております。
無形固定資産については、ソフトウェアの償却額が新規投資額を上回ったこと、過去の投資に伴うのれんや商標権の償却が進んだため、前連結会計年度末に比べ393百万円減少いたしました。
投資その他の資産については従来投資有価証券に含めていたA&D SCIENTECH TAIWAN LIMITEDの連結子会社化により同社の株式が連結相殺消去の対象となったために減少したこと、棚卸資産の未実現利益に係る繰延税金資産の減少を主要因として、前連結会計年度末に比べ416百万円減少いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は23,869百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,924百万円減少いたしました。これは短期借入金の一部を長期借入金で借り替えたことに加えて資産の効率的な運用に努めたために短期借入金を削減できたこと、前連結会計年度と異なり期末日が休日でなかったことに加え期末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響から一部原材料の調達が遅れた影響もあり支払手形及び買掛金等が減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は6,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ761百万円増加いたしました。これは主に短期借入金の一部を長期借入金で借り替えたこと、在外子会社について新しい会計基準が適用された結果リース債務が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は18,576百万円となり、前連結会計年度末に比べ485百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定の減少によりその他の包括利益累計額が1,218百万円減少した一方で親会社株主に帰属する当期純利益等により株主資本が1,290百万円増加したこと、非支配株主持分が413百万円増加したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,309百万円(前連結会計年度比92.6%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が3,423百万円、減価償却費が1,804百万円あった一方で、法人税等の支払額が1,046百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,100百万円(前連結会計年度比24.3%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が619百万円、無形固定資産の取得による支出が461百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は3,208百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,308百万円(前連結会計年度比297.5%増)となりました。これは主に短期借入金の純増減額が△668百万円だったこと、配当金の支払額が416百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債505百万円(1年内償還予定分含む)、長期借入金7,285百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金11,136百万円の構成となっており、合わせて18,926百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は38.5%(前連結会計年度末は40.7%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響を考慮されていない時点で作成された予算案を踏まえつつ、2021年3月期のうち概ね第2四半期終了時点までは新型コロナウイルス感染症に伴うロックダウンをはじめとする事業活動への制約により売上及び利益が一定の割合で減少するものと想定し、それ以降の期間については影響が限定的なものであるとの前提で見積りを行っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。
現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約14.8% 390名、当連結会計年度における研究開発費の総額は
当事業における研究開発スタッフは319名、当連結会計年度における研究開発費は
DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析等が必要な様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度は前期に引き続き製品ラインナップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。
産業界では、技術課題の多様化・高度化が進んでおり、限られたリソースでの対応が求められています。自動車産業では、100年に一度の変革の時期と言われ、CASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)領域の新技術の導入が急速に進んでいます。当社におきましても特に電動化関連の引き合いは増加傾向にあり、バッテリ、インバータ、モータの台上試験や、これらのコンポーネントの仮想シミレーションを行うHILS(Hardware in the Loos Simulation)の開発業務に注力しております。技術課題の多様化・高度化に伴いお客様における試験・開発業務が増大する中、当社はお客様の業務効率化をサポートするための試験自動化ソフトウェアOrion/iTestや、台上試験のリモート監視ソフトウェアLabWorXを新型コロナウイルス感染症の拡大で増加した在宅勤務の支援に適用するための開発を推進しました。
宇宙航空産業向け大型試験装置分野では、2018年度に引き続き宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発中の次期基幹ロケットH3の第一段ロケットシステムの地上燃焼試験計測装置である「H3ロケット1段CFT IST用計測装置」を受注し開発を行いました。また、防衛省向けではエンジン開発用「風洞計測装置」を受注し開発を行いました。更に、発電所など社会インフラの安全監視装置も開発・納品いたしました。DSP事業で蓄積した分散計測技術や音振動解析技術を様々な分野で応用し、お客様に貢献しております。
DSP応用試験機では、タイヤ素材の全自動摩耗試験機を開発し、複数台を納入いたしました。また、ムービングベルト式タイヤ試験機では、最高時速350km/hでの試験を可能とした高速型タイヤ試験機を開発し、受注しました。併せて自動車メーカを対象として、サスペンション開発に用いることが可能なツインベルトを持つサスペンションベルト試験機を開発し、一号機を社内設備として配備しました。これを用いて自動車メーカーからの受託試験要望にお応えするとともに、新たなムービングベルト試験機のラインナップが増加しました。
計測機器では、引張・圧縮試験機テンシロンシリーズの新型機種として、0.3%精度を実現し、タッチパネルや無線接続によるデータ閲覧などを可能とした、新型テンシロンRTH,RTIシリーズを開発、市場投入しました。
電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)につきましては、EOL(使用部品の製造終了)に伴う代替デバイスの評価と性能向上に取組みました。さらに顧客要求によるコンパクト化、低消費電力化、空冷方式から水冷方式へ転換するための開発に取り組んでおります。また、子会社である㈱ホロン向けのアナログユニットも開発に取り組んでおります。
一方、ビームユニットにおきましては、荷電ビーム用の高電圧、鏡筒、制御電源などのユニットの信頼性の向上をめざした生産技術や設備の見直しを行いました。さらに安全性能基準や環境性能基準を満たした電気ユニットの開発を目指しました。また、㈱ホロンとの技術面での情報交換を密にして新しい市場や検査技術についての装置調査及び検討を行いました。
計量機器につきましては、当社の汎用電子天秤の中心機種であるGXシリーズの新製品で、最小表示0.1mgの分析用電子天びん「GX-A/GF-Aシリーズ」9モデルを開発し、市場投入いたしました。また、元素分析、質量分析などの前処理に最適な、1μgからの高精度計量が可能なマイクロ(ミクロ)電子天びん「BM-5」「BM-5D」(無風イオナイザーと卓上風防(M)を標準装備)を開発し、市場投入しました。
水に浸して洗える安心の防塵・防水等級IP67のデジタルはかり「SH-AWP/SJ-AWPシリーズ」を開発し、市場投入しました。検定付きモデル、ワイヤレス通信モデルも含めて、全16モデルをラインナップしています。検定付きはかり「HV-C-Kシリーズ」のひょう量300kg、600kgの大型モデルを新発売し、取引・証明用検定付きはかりの製品ラインナップをさらに充実させました。
商品検査機シリーズでは、昨年度販売開始したX線検査機AD4991シリーズに関連し、大きな製品の検査に対応可能な高出力モデル「AD-4991-3530」を開発し、市場投入を行いました。また、マルチ周波数対応など多数の特長を活かして、食品などに混入した金属異物を高感度で検出することができる金属検出機「AD-4976シリーズ」を開発し、市場投入しました。表示部が7インチカラータッチパネルで、最大1,000品種の被計量物を登録できるウェイトチェッカ用インジケータ「AD4412-CW」を開発し、市場投入しました。これにより、食品検査機のラインナップをさらに充実させました。
当事業における研究開発スタッフは71名、当連結会計年度における研究開発費は
医療用血圧計につきましては、Bluetooth Low Energy内蔵の医用電子血圧計UM-212BLEの開発を行い、国内での販売を開始いたしました。高血圧ガイドライン(JSH2019)推奨の複数回平均測定モードを搭載しており、病院やクリニックの外来、病棟、介護施設など医療現場でのご使用に最適な電子血圧計です。
また、全自動血圧計を中心に各国の医療機器認証を取得し、市場投入を順次進めております。
医療用計量器につきましては、2017年度に市場投入いたしました、AD-6107Rと同じハニカム構造により大幅な軽量化を実現したバリアフリースケールAD-6106R,AD-6106RLを開発し、市場投入いたしました。
② 健康機器
健康機器につきましては、Bluetooth Low Energyを内蔵した上腕式ホースレス血圧計を開発し、日本市場に投入いたしました。本体とカフをつなぐわずらわしいホースがなくなり、測定時のストレスが軽減され、持ち運びも容易になり日々の管理を行うのに最適な製品です。同時に血圧測定の開始から終了までスマートフォンの操作のみで行い、測定データの管理を行うことができるスマートフォンアプリもリリースいたしました。
また、システムインテグレータ向け製品のNFC通信機能付き活動量計UW-204NFCを開発し、市場投入いたしました。ICT活用による健康増進システムに活用できる製品です。
その他血圧計を中心に、グローバルに多機種のOEM、ODMの製品展開を行うための開発に取り組み、販売の拡大につなげることができました。