文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「わたしたちは、長年培ってきた「はかる」技術を社会に提供することを通じて、科学技術の発展、産業の高度化、人々の健康な生活に寄与し、豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献する企業グループを目指します。」を経営理念として掲げております。
当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示することが基本であり、A(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術が当社創業のコア技術で社名の由来でもありますが、A/D・D/A変換技術や高速デジタル信号処理技術を磨き上げることで、お客様の知の拡大を可能にするツールを提供してゆくことを企業使命としております。
お客様が使用することで価値が生まれるツールを提供し、新しい価値の創出に取り組む産業や健康な生活を願う人々を継続的に支援することで、社会に貢献していきたいと考えております。
中期経営計画(連結)の基本方針
成長堅持と利益率改善継続の方針を掲げ、直近3年度(2023年3月期~2025年3月期)の連結経営計画を立案しました。
組織再編によるグループ経営管理態勢を構築し、産業構造の変化に対応することで社会課題解決へ貢献すると共に、経営体質を強化することで成長を実現することを目指します。
また、各本部と事業単位ごとの連携強化、グローバル連携の強化、連携強化のための仕組みの充実を目標とします。
なお、各担当部門はそれぞれ次の施策を推進してまいります。
営業施策 変化に対応し成長する組織づくり
開発施策 社会課題に向けたものづくり
生産施策 生産性改善とコストダウン活動の徹底推進
管理施策 管理体制の高度化
当社グループは、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等を通じて高い収益を得ることが重要な経営課題であります。いかなる状況においても利益を確保できる体質を目指し、「売上高営業利益率10%以上」を中長期的に目指すべき目標として掲げております。
当社グループは、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、「はかる」を軸に事業を展開し、様々な製品を取り扱っております。昨今の新型コロナウイルス感染症の流行は、社会的価値観と産業構造の変化をもたらし、AI、IoT、RPAといったデジタル技術の革新が加速化しているように思われます。また同時に気候変動問題に対する取り組みとしてカーボンニュートラル社会への移行が必要となっております。
これに伴い産業界では5G(第5世代移動通信システム)や自動車のEV化・エレクトロニクス化などへの取り組みが加速し、当社においても産業界の変化に対応する高度な計測技術の開発が課題となっております。そこで当社では、ICT(情報通信技術)対応健康機器の充実を通じた遠隔地医療への貢献や、DSPシステムによる自動車のEV化促進の支援、半導体の微細化に伴う半導体検査装置の高精密化等の取り組みを進めております。
このような状況下、当社は、2022年4月1日付の株式会社エー・アンド・デイと株式会社ホロンとの経営統合により、商号を「株式会社A&Dホロンホールディングス」に変更し、持株会社体制に移行いたしました。統一された経営戦略の下、両社がそれぞれの強みを活かしながら、これまで以上にグループの方向性を合わせ、変化する事業環境に迅速に対応できる体制を構築し、課題解決を図ることが可能になると考えております。また、持株会社体制を構築することで、グループ戦略機能の強化、グループ経営資源の有効活用および利害関係者の価値最大化を図り、成長を加速してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクは以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの海外での事業活動については、中国、韓国、ベトナムに生産拠点を有し、また、販売については米国、ロシアを中心に世界各国へ展開しており、当連結会計年度における海外売上高比率は58.6%となっております。当社グループが事業活動を行うこれらの国々において、予期しない法律や規制の変更、自然災害、戦争、テロ、感染症の拡大、その他経済的、政治的要因等による混乱が生じた場合は、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞等を余儀なくされ、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、ウクライナ・ロシア情勢については、経済制裁や各国規制に基づく営業活動への影響はあるものの当社グループの業績及び財政状態に与える影響は軽微と見込んでおります。
為替レートの変動は、当社グループ間または顧客との外貨建取引価額が変動することにより、売上高や損益等の業績に影響を与えます。また、外貨建て輸出入のバランスを図るなど為替ヘッジに努めておりますが、急激に為替レートが変動した場合は、外貨建債権・債務の換算において、損益等に影響を与える可能性があります。なお、為替レートの変動は、連結財務諸表作成における海外連結子会社等の外貨建財務諸表の円換算額が変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、設備資金及び運転資金を主として借入金によって調達しております。当連結会計年度末における長期借入金及び短期借入金の合計額は18,386百万円で、社債を含めた有利子負債依存度は31.9%となっております。当社グループは、今後有利子負債の削減に努めてまいりますが、金利を始めとする金融市場の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが手掛ける「はかる」技術は「産業のマザーツール」と言われており、常に最新の高度技術が要求され、それに対応するために研究開発を続ける必要があります。現在の研究開発は主として㈱エー・アンド・デイの設計開発本部において推進しておりますが、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,874百万円、連結売上高に対する比率は9.4%であり、研究開発主導型企業として研究開発に積極的に資源を投入しております。当社グループにおける研究開発は半導体関連分野、計測・計量機器分野及び医療・健康機器分野に展開し、全て事業化を目的としておりますが、事業化に至らない可能性、事業化までに時間を要する可能性もあります。
当社グループの事業は国内においては計量法及び医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、海外においてはEU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)、FDA/QSR(Food and Drug Administration/Quality System Regulation:米国厚生省食品医薬品局品質システム規則)及びHealth Canada(カナダ保健省)等による規制を受けております。
計量法は適正な計量の実施を確保するために種々の規制を設けております。特に検定制度は取引又は証明に使用する特定計量器を製造、修理又は輸入する場合、その構造(性能及び材料の性質を含む)等が法で定める基準に適合しているかを1台ずつ検査し合否を確認するものであります。
また、型式の同一な計量器を製造するときには、構造についての検査項目を事前に試験し、合格したものは、検定時に構造検査を省略できる型式承認制度や最終の検定を製造事業者の自主検査に任せる指定製造事業者制度があります。指定製造事業者は、製造した特定計量器が法で定める基準に適合することを自ら判定できますが、厳重な管理体制が求められます。当社グループでは質量計第一類、血圧計第一類の認証を取得しております。
医薬品医療機器等法では、医療機器の製造販売を行おうとするものは製造販売業の許可を都道府県知事より受けなければなりません。医薬品医療機器等法は市場での安全性をより高めるため、厚生労働省令により製造販売業に安全管理体制(GVP省令)の設置を求めております。また、製造販売業及び製造業には製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)により品質システムの構築が要求されています。当社グループでは㈱エー・アンド・デイの開発・技術センターに製造販売業を置き、医療機器の販売拠点である本社・営業所には販売業、開発・技術センターおよびグループ企業における医療機器製造部門並びに修理部門では製造業及び修理業を取得しております。更に海外生産拠点においては、厚生労働大臣認定の外国製造業者を取得しております。なお、品目ごとの販売許可は(独)医薬品医療機器総合機構や第三者認証機関による審査を受け取得しております。
EU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)は、欧州連合加盟国によって定められた地域法の一つであります。当社グループの製品はEU指令のうち低電圧指令、EMC(電磁両立性)指令、RoHS指令及びMDD(医用機器)指令により規制を受けておりますが、該当する製品については、これらの安全規制に適合させCEマークを添付しております。なおMDD指令は2021年5月26日よりMDR(医療機器規則)が適用され、英国はUKCAマークの適用となりますので対応してまいります。
FDA/QSR及びCMDCAS(Canadian Medical Device Conformity Assessment System:カナダ医療機器適合評価システム)は米国内及びカナダ国内で医療機器を販売するために医療機器製造事業者が遵守しなくてはならない米国及びカナダの法律であり、米国及びカナダ国内外の製造事業者及び輸入業者に適用されます。当社グループではA&D ENGINEERING, INC.が米国及びカナダでの販売窓口になりFDA/QSR及びMDSAP(Medical Device Single Audit Program:医療機器単一調査プログラム)の認可を受けております。
今後も日本および諸外国/地域の様々な規制に従って事業活動を行っていく中で、これらの法規制が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、高度で複雑な技術を利用した製品が増加することに伴い、重大な品質問題が発生する頻度が高まり、予想し得ない品質上の欠陥や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。重大な品質問題が発生した場合、信頼性の低下により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内における販売は、一般消費者向けの医療・健康機器を除き設備として購入されるものが大部分であり、その最終ユーザは官公庁、法人、病院等いずれも物品購入に際し予算制度が導入されている場合が多く、予算執行の関係上、特に年度末(3月)に販売が集中する傾向があります。
また、医療・健康機器のうち売上の大きな割合を占める家庭用血圧計につきましては、血圧値が高くなる傾向を見せる冬季、特に海外におきましては12月のクリスマス商戦に販売が集中する傾向があります。
このため、上半期及び下半期ほぼ均等に発生する販売費及び一般管理費の影響により営業利益及び経常利益が上半期(4月~9月)よりも下半期(10月~3月)に偏重する傾向にあります。
(7) 自然災害等について
大地震や津波、台風、大雨による洪水や河川氾濫などの自然災害、火災等の事故、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等により、当社グループや調達先、販売先等の事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が継続・拡大した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては昨年秋に4回目の緊急事態宣言が解除されたことにより、企業活動や経済活動は緩やかに持ち直し、製造業では設備投資が回復基調となり、海外においても、欧米や中国で経済活動の回復が見られ、特に米国の景気回復は高水準となりました。しかしながら、半導体不足等を背景とするサプライチェーンの混乱や材料価格高騰、コンテナ不足による物流停滞や輸送費用の高騰は十分に改善されておらず、さらに、ロシア・ウクライナ情勢が悪化したことも加わり、経済環境は引き続き予断を許さない状況が継続しております。
このような状況の中、当社グループは、感染症拡大防止を目的に開始したテレワークやWeb会議、Webを活用したマーケティング活動を継続し、材料費価格や輸送費用高騰等が見込まれる中、製品のコストダウン活動を推進するとともに、固定費の抑制に努めて参りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は51,736百万円(前連結会計年度比6.8%増)、営業利益は5,496百万円(前連結会計年度比24.8%増)、経常利益は5,604百万円(前連結会計年度比22.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,573百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)(以下「収益認識会計基準」という)等の適用により、当連結会計年度の経営成績は従来の会計処理方法に比べ、売上高は402百万円増加し、営業利益、経常利益はそれぞれ97百万円増加しております。主な変更内容は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等) セグメント情報2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」をご参照ください。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,782百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,395百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△741百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が237百万円発生した結果、11,012百万円(前連結会計年度比9.2%減)となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.実績には商品仕入を含んでおります。
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部(半導体関連製品におけるA/D・D/A変換器等)には受注生産を行っているものがあります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、計測・計量機器事業において、旺盛な半導体業界の需要を背景に、半導体関連装置の受注が増加したことや、コロナ禍からの回復基調による設備投資需要の拡大に伴い、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)の受注が回復したことによるものであります。
3.前期比が1000%を超えている箇所については「―」で表示しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ6.8%増収の51,736百万円となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、経済活動が再開され設備投資の回復が見られる中、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)において前年比で受注は増加しておりますが、売上は減少しております。一方で、計量機器及び半導体関連装置においては、設備投資需要の回復・促進に伴い売上を大きく伸ばしました。これらに加え経費抑制に努めた結果、利益も前年に比べ大きく増加しました。米州においては、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)において、日本と同様受注は回復しましたが、材料の供給遅延等により売上への寄与が遅れ、売上は減少しております。一方主力の計量機器の需要回復や新規市場参入による伸長の他、金属検出機・ウェイトチェッカも伸長し、売上、利益ともに増加しております。欧州においては、計量機器の販売地域の拡大および販売網の整備が進み、売上は堅調、利益は大きく伸長しております。アジア・オセアニアにおいては、インドのジュエリー市場の特需に加え、豪州、韓国でも経済活動が回復し、売上、利益ともに増加しました。その結果、計測・計量機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ13.3%増収の30,201百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、日本においては売上高が422百万円増加しております。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、新型コロナウイルス感染症の拡大により特需となった非接触型体温計に落ち着きがみられ、さらに一部製品ではサプライチェーンの混乱の影響を受けたことにより、売上、利益ともに減少しております。米州においては、米国において大口案件の出荷が継続している他、遠隔医療の需要に伴う通信機能付き血圧計及び体重計の売上は堅調で売上は増加したものの、輸送費高騰の影響を大きく受けたことにより利益は減少しております。欧州においては、英国でのeコマースが引き続き好調を維持したことに加え、24時間携帯型血圧計の大型案件があり、ロシアにおいては血圧計の他、体温計も好調に推移したことにより、売上、利益ともに増加しております。アジア・オセアニアにおいては、規模は小さいながらも、売上、利益ともに堅調な結果となっています。その結果、医療・健康機器事業の売上高は、前連結会計年度に比べ1.0%減収の21,534百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、日本においては売上高が19百万円減少しております。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率については、生産工場の効率化及び材料費のコストダウン等の原価低減活動を継続して行った一方、特に海外事業において、サプライチェーンの混乱に伴う運送コストの増加が大きく影響しました。この結果、前連結会計年度に比べ0.5%増加し、55.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により前連結会計年度に引き続き営業活動費が抑制された一方、売上原価同様、運送コストが増加したこと等により、前連結会計年度と比べ0.9%増加の17,386百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、5,496百万円(前連結会計年度比24.8%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は、コロナ禍からの回復基調により売上高が大きく増加したことに加え、経費抑制に努めた結果、前連結会計年度比108.9%増益の3,536百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、日本においては営業利益が98百万円増加しております。医療・健康機器事業の営業利益は、欧州、米州を中心に売上が堅調だった一方、日本における売上の減少、及びサプライチェーンの混乱に伴う運送コストの増加を主要因として、前連結会計年度比15.1%減益の3,911百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、日本においては営業利益が0百万円減少しております。また、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として1,951百万円が発生しております。
売上高営業利益率は10.6%となり、前連結会計年度より1.5%上昇しました。引き続き新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
営業外収益は前連結会計年度同様、新型コロナウイルス感染拡大に伴う補助金の受給があった一方、円に対する露ルーブルの価値が一時的に下落したことにより為替差益が前年同期に比べて減少したことを主要因とし、前連結会計年度比89百万円減少の358百万円となりました。営業外費用は、主に支払利息が減少した結果、前連結会計年度比37百万円減少の250百万円となりました。これらの結果、経常利益は5,604百万円(前連結会計年度比22.8%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、多額の特別利益や特別損失の発生はなく、税金等調整前当期純利益は5,532百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税を1,475百万円、法人税等調整額を81百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を401百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は3,573百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。
(包括利益)
当期純利益は3,975百万円となった他、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益が518百万円となったことにより、包括利益は4,493百万円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、43,946百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,918百万円増加いたしました。これは、主にサプライチェーンの混乱に伴う部材供給状況の逼迫に対応するため、材料の先行手配を行ったこと等により、棚卸資産が大幅に増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は15,292百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,201百万円増加いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
有形固定資産については株式会社ホロン及びA&D SCALES CO., LTD.における新本社工場建設による建物および構築物の増加を中心に、前連結会計年度末に比べ1,196百万円増加いたしました。
無形固定資産についてはソフトウエアの償却額が新規投資額を上回ったこと、過去の投資に伴うのれんや商標権の償却が進んだため、前連結会計年度末に比べ161百万円減少いたしました。
投資その他の資産については棚卸資産の未実現利益に係る繰延税金資産の増加を主要因として、前連結会計年度末に比べ166百万円増加いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は26,202百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,614百万円増加いたしました。これは主に、材料の先行手配を行ったことにより、支払手形及び買掛金、短期借入金がそれぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は5,995百万円となり、前連結会計年度末に比べ148百万円減少いたしました。これは、主にリース債務の返済が進んだことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は27,041百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,653百万円増加いたしました。これは主に当期純利益等により利益剰余金が2,860百万円増加したこと、為替換算調整勘定の増加によりその他の包括利益累計額が510百万円増加したこと、及び非支配株主持分が270百万円増加したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,782百万円(前連結会計年度比65.7%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が5,532百万円、減価償却費が1,604百万円、仕入債務の増加額が458百万円あった一方で、部材供給状況の逼迫に対応するため、材料の先行手配を行い、棚卸資産の増加額が3,154百万円あったことに加え、法人税等の支払額が1,597百万円、売上債権の増加額が1,397百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,395百万円(前連結会計年度比7.8%増)となりました。これは主に株式会社ホロン及びA&D SCALES CO., LTD.における新本社工場の建設等により有形固定資産の取得による支出が2,071百万円、無形固定資産の取得による支出が493百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は613百万円のマイナスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は741百万円(前連結会計年度比188.2%増)となりました。これは主に長期借入れによる収入が2,823百万円、長期借入金の返済による支出が3,081百万円、配当金の支払額が524百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債500百万円、長期借入金6,357百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金12,029百万円の構成となっており、合わせて18,886百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は36.5%(前連結会計年度末は38.3%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、2021年11月29日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、㈱ホロンを株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)に係る株式交換契約(以下「本株式交換契約」という。)の締結を決議し、本株式交換契約を締結いたしました。その後、両社の臨時株主総会における承認を受け、2022年4月1日付で、株式交換を実施いたしました。また、2021年12月21日開催の取締役会において、2021年12月15日に当社の完全子会社として設立した㈱エー・アンド・デイ分割準備会社(以下、「新エー・アンド・デイ」という。)に対して当社グループの経営管理事業及び資産管理事業を除く一切の事業に関する権利義務を承継させる会社分割に係る吸収分割契約の締結を決議し、同日付で新エー・アンド・デイとの間で吸収分割契約を締結いたしました。その後、両社の臨時株主総会における承認を受け、2022年4月1日付で、吸収分割を実施いたしました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載しております。
当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。
現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約15.5%の402名、当連結会計年度における研究開発費の総額は
当事業における研究開発スタッフは325名、当連結会計年度における研究開発費は
DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析を様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度も前期に引き続き製品ラインナップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。
自動車産業では、「CASE(Connected:コネクティッド、Autonomous:自動化、Shared:シェアリング、Electric:電動化)」時代を迎え、中でも特に電動化への対応を加速する必要性の高まりを受け、MBD(Model-Based Development)を活用した開発プロセスの効率改善がますます求められています。それに寄与するためのソリューションとして、台上試験やシミュレーションを行う各種ツールやサービスを提供していますが、知見や得意分野を補完しあえるパートナーを得て、共同でより良いソリューションを提供できるよう活動を推し進めました。昨年度の株式会社ユビキタスAIとの共同開発によるSILS(Software In the Loop Simulation)ツールの市場提供に続き、本年度は、業界最大規模のFPGA(Field Programmable Gate Array)デバイスを搭載し高度なシミュレーションが可能なモーターHILS(Hardware in the Loos Simulation)製品をトヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)との共同開発により市場投入し、多くの反響をいただいております。
DSP応用試験機では、かねてより開発を進めていた、タイヤHILS試験機の初号機を受注、納入を果たしました。さらに、今後の需要増大を見込み、タイヤ試験機の分野で「三種の神器」の1つとされるタイヤ静荷重試験機の開発を進め、シリーズ化を目指します。このシリーズは国内のみならず、海外への展開も行ってまいります。
計測機器につきましては、引張試験機においてテンシロンRTHシリーズでは、高容量タイプを新規に追加リリースしました。同シリーズは、コロナ禍前の出荷台数を超え、販売は好調に推移しました。また、卓上タイプの小型引張試験機MCTシリーズについても、新規追加したMCT2140Wが予想を超える販売台数となり、MCTシリーズ全機種にわたり、eコマースをはじめ多くの販売チャネルで好調に推移しました。
電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)につきましては、顧客要求によるコンパクト化、低消費電力化、空冷方式から水冷方式へ転換するための開発が、試作段階を経て出荷に至りました。現在は装置としての評価中です。また、経営統合した㈱ホロン向けのアナログユニットも試作段階から装置に組み込んでの評価を行い、性能の確認を終えることが出来ました。今後は、さらに踏み込んだ性能評価を実施予定です。
一方、ビームユニットにおきましては、荷電ビーム用の高精度の大電流高圧電源を継続して開発を進めております。また、鏡筒制御用の高精度低ノイズの電流源、電圧源を開発しました。電子銃ユニットでは高安定の電子ビームを作り出す電子銃・鏡筒の試作を㈱ホロンと共同で進めております。
計量機器につきましては、元素分析やHPLC(High Performance Liquid Chromatography:高速液体クロマトグラフ)分析に適したマイクロ天びん/分析天びんBA-Tシリーズ/BAシリーズを新製品として開発、市場投入を行い製品ラインナップを強化しました。
開閉ドアは新規開発の静音・高耐久の自動ドア機構を採用し、また無風イオナイザーにより静電気を帯びた測定物も正確に測ることができます。なお、BA-Tシリーズでは、タッチパネル付きカラー液晶表示を採用し、設定・操作性を向上させました。
商品検査機シリーズでは、国内の計量制度見直しに伴い2024年度からの自動補足式はかりの検定開始に向け、AD4963シリーズがすでに型式承認を取得しております。AD4963とほぼ同じ構成で、従来機と同様の高分解能の非型式承認モデルであるAD4961Aシリーズを先行して市場投入し、取引証明に使用しない国内ユーザーおよび海外ユーザーへの拡販を進めております。さらに、課題となっていた選別機のラインナップに、ベルト幅350mmの検査機用のフリッパー選別機AD4981-3585を追加しました。今後も商品シリーズ、選別機のラインナップを増やしていき、総合的に販売できるようにしたいと考えております。
当事業における研究開発スタッフは77名、当連結会計年度における研究開発費は
医療用電子血圧計につきましては、ガイドライン推奨の複数回血圧測定機能を追加した「全自動血圧計TM-2657VP(音声ガイド・プリンタ内蔵)」の販売を開始しました。「全自動血圧計TM-2657シリーズ診之助Slim」は、軽量・コンパクトを追求した、設置場所を選ばない省スペース型の製品である為、出張検診など持ち運びが必要な場面でも手軽に移動することが可能です。医療機関のみならず、薬局、スポーツ施設、公共機関、健康診断など、幅広い場所でご使用いただける自動血圧計です。
パルスオキシメータにつきましては、持ち運びに便利な軽量小型のクリップタイプの「パルスオキシメータTM-1111(Pulse Pro J)」の販売を開始しました。血液中の酸素量(動脈酸素飽和度)を手軽に計測できます。
医療用計量器につきましては、介護を含む市場向けにベッド形状、椅子形状どちらも可変する「リクライニングスケールAD-6042」、新型液晶の採用とバックアップ機能を追加した「デジタルスケールベッドWAK-820」の2種を販売開始しました。
② 健康機器
自動電子血圧計につきましては、「Bluetooth Low Energy内蔵血圧計UA-651BLE Plus」、「音声機能付き血圧計UA-1030T Plus」などPlusシリーズとして5モデルの血圧計を日本市場向けに販売を開始しました。Bluetooth Low Energy内蔵の製品群は、アプリと血圧計を連携させることで、簡単にスマートフォンで血圧データ管理ができます。
家庭用超音波吸入器につきましては、携帯に便利なポケットサイズの「ポータブル型超音波吸入器UN-302(ポケットシャワー)」の販売を開始しました。生理食塩水が使用でき、むせずにスムーズな吸入が可能な超音波方式を採用しています。
その他、血圧計を中心にグローバルに多機種の自社ブランド、OEM、ODMの製品展開を行い、販売の拡大に繋げることができました。