文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「わたしたちは、長年培ってきた「はかる」技術を社会に提供することを通じて、科学技術の発展、産業の高度化、人々の健康な生活に寄与し、豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献する企業グループを目指します。」を経営理念として掲げております。
当社グループの事業は、様々なアナログ情報を計測し、エレクトロニクス技術によりデジタル変換(数値化)して表示することが基本であり、A(アナログ)/D(デジタル)・D(デジタル)/A(アナログ)変換技術が当社創業のコア技術で社名の由来でもありますが、A/D・D/A変換技術や高速デジタル信号処理技術を磨き上げることで、お客様の知の拡大を可能にするツールを提供してゆくことを企業使命としております。
お客様が使用することで価値が生まれるツールを提供し、新しい価値の創出に取り組む産業や健康な生活を願う人々を継続的に支援することで、社会に貢献していきたいと考えております。
中期経営計画(連結)の基本方針
成長堅持と利益率改善継続の方針を掲げ、2025年3月期を最終年度とする連結経営計画を修正いたしました。
組織再編によるグループ経営管理態勢を構築し、産業構造の変化に対応することで社会課題解決へ貢献すると共に、経営体質を強化することで成長を実現することを目指します。
また、各本部と事業単位ごとの連携強化、グローバル連携の強化、連携強化のための仕組みの充実を目標とします。
なお、各担当部門はそれぞれ次の施策を推進してまいります。
営業施策 変化に対応し成長する組織づくり
開発施策 社会課題に向けたものづくり
生産施策 生産性改善とコストダウン活動の徹底推進
管理施策 管理体制の高度化
当社グループは、新技術による新製品の投入、原価低減、経費削減等を通じて高い収益を得ることが重要な経営課題であります。いかなる状況においても利益を確保できる体質を目指し、「売上高営業利益率14%以上」を中長期的に目指すべき目標として掲げております。
当社グループは、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)から電子計測機器、計量機器、血圧計等、「はかる」を軸に事業を展開し、様々な製品を取り扱っております。近年のCOVID-19の流行は、社会的価値観と産業構造の変化をもたらし、AI、IoT、RPAといったデジタル技術の革新を促しました。また同時に気候変動問題に対する取り組みとしてカーボンニュートラル社会への移行が社会的な課題となっております。
これに伴い産業界では5G(第5世代移動通信システム)や自動車のEV化・エレクトロニクス化などへの取り組みが加速し、当社グループにおいても産業界の変化に対応する高度な計測技術の開発が課題となっております。そこで当社グループでは、ICT(情報通信技術)対応健康機器の充実を通じた遠隔地医療への貢献や、DSPシステムによる自動車のEV化促進の支援、半導体の微細化に伴う半導体検査装置の高精密化等の取り組みを進めております。
このような状況下、当社は、2022年4月1日付の株式会社エー・アンド・デイと株式会社ホロンとの経営統合により、商号を「株式会社A&Dホロンホールディングス」に変更し、持株会社体制に移行いたしました。統一された経営戦略の下、両社がそれぞれの強みを活かしながら、これまで以上にグループの方向性を合わせ、変化する事業環境に迅速に対応できる体制を構築し、課題解決を図ることが可能になると考えております。また、持株会社体制を構築することで、グループ戦略機能の強化、グループ経営資源の有効活用および利害関係者の価値最大化を図り、成長を加速してまいります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「はかる」技術を通じて豊かで持続的な社会づくりにグローバルに貢献していくことをグループ企業理念としており、気候変動をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応について、収益機会にも繋がる重要な経営課題であるという認識のもと取り組みを進めてまいります。
持続可能な社会・環境の実現に向けた取り組みを通して、社内外のステークホルダーに貢献し、当社グループの存続及び中長期的な企業価値向上を図ることを目的とし、2023年4月に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。管理担当取締役を委員長とし、社内取締役と主管部門長等で構成される同委員会はサステナビリティ経営を実践する上での基本方針の決定、並びに課題への対策を審議し、活動の管理・監督を行います。
なお、当社のコーポレート・ガバナンス体制図は
(2)戦略
当社グループは、気候変動を含む環境問題への対応及び人的資本の充実を経営上の重要な課題として認識しております。環境問題への対応に関してはTCFDが提唱するフレームワークに基づき、事業において気候変動が及ぼすリスクと機会についてシナリオ分析を行っております。分析結果については、今後開示を行う予定です。
また、当社グループの人材の育成及び社内環境整備に関する方針は以下の通りです。
<人材に対する基本的な考え方>
当社グループは、「はかる」を通じて社会に貢献していくことを経営の基本方針としており、日々変わり続ける社会から必要とされ、お客様より選ばれる「はかる」ツールを提供していくため、人材こそが競争力の源泉であり、最も重要な財産であると考えております。
<人材育成方針>
当社グループは、人材の多様化とそれら人材の育成が中長期的な企業価値向上に繋がるものと考え、女性・外国人・中途社員の採用について積極的に取り組み、体系的かつ効果的な教育訓練を実施します。また企業の持続的な成長には、環境変化に素早く柔軟に対応していくことが求められることから「自立性高く、変化に対して積極的に自己変革できる人材」の育成を目指しております。
<社内環境整備方針>
人権の尊重を基本理念とする企業文化の下、安全衛生および健康増進活動を推進し、安心して働くことができる職場環境を整備するとともに、高い意欲で仕事に取り組むための施策を講じ、一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮し、働きがいを実感できる職場環境づくりを行います。
当社グループではリスク管理に関する統括責任者としてリスク管理担当役員を任命し、リスク管理の総括部門は総務部とし、それぞれのリスクに応じて個別に責任部門を定めております。また、全社的なリスク管理推進に関わる課題を審議するため、「リスク管理委員会」を設置するとともに、「リスク管理規程」に基づき総括管理を行い、各部門においてはそれぞれのリスクを管理するための体制を構築しております。
当社グループは経営戦略に気候変動関連リスクを考慮するため、気候変動をもたらす原因とされる温室効果ガス(GHG)、特に二酸化炭素(CO₂)の排出量を指標としており、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを最終的な目標としております。第1段階として排出量の算出に取り組んでおり、2021年度の当社グループのScope1、Scope2の排出量は合わせて8,783.2tでした。今後、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに基づく気候関連の情報開示を予定しており、中期的な削減目標の設定についても検討を行ってまいります。
また、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針にかかる指標及び目標については、サスティナビリティ委員会にて検討を行ってまいります。
(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクは以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの海外での事業活動については、中国、韓国、ベトナムに生産拠点を有し、また、販売については米国、ロシアを中心に世界各国へ展開しており、当連結会計年度における海外売上高比率は64.5%となっております。当社グループが事業活動を行うこれらの国々において、予期しない法律や規制の変更、自然災害、戦争、テロ、感染症の拡大、その他経済的、政治的要因等による混乱が生じた場合は、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞等を余儀なくされ、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、ウクライナ・ロシア情勢については、経済制裁や各国規制に基づき営業活動への影響が考えられ当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
為替レートの変動は、当社グループ間または顧客との外貨建取引価額が変動することにより、売上高や損益等の業績に影響を与えます。また、外貨建て輸出入のバランスを図るなど為替ヘッジに努めておりますが、急激に為替レートが変動した場合は、外貨建債権・債務の換算において、損益等に影響を与える可能性があります。なお、為替レートの変動は、連結財務諸表作成における海外連結子会社等の外貨建財務諸表の円換算額が変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、設備資金及び運転資金を主として借入金によって調達しております。当連結会計年度末における長期借入金及び短期借入金の合計額は20,143百万円で、社債を含めた有利子負債依存度は29.7%となっております。当社グループは、今後有利子負債の削減に努めてまいりますが、金利を始めとする金融市場の動向が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが手掛ける「はかる」技術は「産業のマザーツール」と言われており、常に最新の高度技術が要求され、それに対応するために研究開発を続ける必要があります。当連結会計年度における研究開発費の総額は5,004百万円、連結売上高に対する比率は8.5%であり、研究開発主導型企業として研究開発に積極的に資源を投入しております。当社グループにおける研究開発は計測・計量機器分野、半導体関連分野及び医療・健康機器分野に展開し、全て事業化を目的としておりますが、事業化に至らない可能性、事業化までに時間を要する可能性もあります。
当社グループの事業は国内においては計量法及び医薬品医療機器等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)、海外においてはEU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)、FDA/QSR(Food and Drug Administration/Quality System Regulation:米国厚生省食品医薬品局品質システム規則)及びHealth Canada(カナダ保健省)等による規制を受けております。
計量法は適正な計量の実施を確保するために種々の規制を設けております。特に検定制度は取引又は証明に使用する特定計量器を製造、修理又は輸入する場合、その構造(性能及び材料の性質を含む)等が法で定める基準に適合しているかを1台ずつ検査し合否を確認するものであります。
また、型式の同一な計量器を製造するときには、構造についての検査項目を事前に試験し、合格したものは、検定時に構造検査を省略できる型式承認制度や最終の検定を製造事業者の自主検査に任せる指定製造事業者制度があります。指定製造事業者は、製造した特定計量器が法で定める基準に適合することを自ら判定できますが、厳重な管理体制が求められます。当社グループでは質量計第一類、血圧計第一類の認証を取得しております。
医薬品医療機器等法では、医療機器の製造販売を行おうとするものは製造販売業の許可を都道府県知事より受けなければなりません。医薬品医療機器等法は市場での安全性をより高めるため、厚生労働省令により製造販売業に安全管理体制(GVP省令)の設置を求めております。また、製造販売業及び製造業には製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令)により品質システムの構築が要求されています。当社グループでは㈱エー・アンド・デイの開発・技術センターに製造販売業を置き、医療機器の販売拠点である本社・営業所には販売業、開発・技術センターおよびグループ企業における医療機器製造部門並びに修理部門では製造業及び修理業を取得しております。更に海外生産拠点においては、厚生労働大臣認定の外国製造業者を取得しております。なお、品目ごとの販売許可は(独)医薬品医療機器総合機構や第三者認証機関による審査を受け取得しております。
EU指令(EU Directives:欧州連合閣僚理事会指令)は、欧州連合加盟国によって定められた地域法の一つであります。当社グループの製品はEU指令のうち低電圧指令、EMC(電磁両立性)指令、RoHS指令及びMDD(医用機器)指令により規制を受けておりますが、該当する製品については、これらの安全規制に適合させCEマークを添付しております。なおMDDクラスⅡaに対するMDR(医療機器規則)への移行期間は2028年12月31日まで延期されましたが、MDR及び、英国のUKCAマークの適用に向けて対応してまいります。
FDA/QSR及びCMDCAS(Canadian Medical Device Conformity Assessment System:カナダ医療機器適合評価システム)は米国内及びカナダ国内で医療機器を販売するために医療機器製造事業者が遵守しなくてはならない米国及びカナダの法律であり、米国及びカナダ国内外の製造事業者及び輸入業者に適用されます。当社グループではA&D ENGINEERING, INC.が米国及びカナダでの販売窓口になりFDA/QSR及びMDSAP(Medical Device Single Audit Program:医療機器単一調査プログラム)の認可を受けております。
今後も日本および諸外国/地域の様々な規制に従って事業活動を行っていく中で、これらの法規制が従来よりも厳格になることにより、当社グループの事業活動が制限を受けたり、法規制等に適合するための費用が増加する可能性があります。また、高度で複雑な技術を利用した製品が増加することに伴い、重大な品質問題が発生する頻度が高まり、予想し得ない品質上の欠陥や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。重大な品質問題が発生した場合、信頼性の低下により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの国内における販売は、一般消費者向けの医療・健康機器を除き設備として購入されるものが大部分であり、その最終ユーザは官公庁、法人、病院等いずれも物品購入に際し予算制度が導入されている場合が多く、予算執行の関係上、特に年度末(3月)に販売が集中する傾向があります。
また、医療・健康機器のうち売上の大きな割合を占める家庭用血圧計につきましては、血圧値が高くなる傾向を見せる冬季、特に海外におきましては12月のクリスマス商戦に販売が集中する傾向があります。
このため、上半期及び下半期ほぼ均等に発生する販売費及び一般管理費の影響により営業利益及び経常利益が上半期(4月~9月)よりも下半期(10月~3月)に偏重する傾向にあります。
(7) 自然災害等について
大地震や津波、台風、大雨による洪水や河川氾濫などの自然災害、火災等の事故、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等により、当社グループや調達先、販売先等の事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における国内外の経済は、新型コロナウイルス感染症対策の各種行動制限が段階的に緩和され、経済活動が正常化に向かいつつある一方、ウクライナ情勢の長期化等による原材料価格の高止まりや、エネルギー価格上昇の継続、物価上昇を抑えるために各国がとった金融引き締め政策による景気後退懸念、大幅な為替相場の変動もあり、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは2022年4月1日より新たなグループ編成をスタートし、改編効果を最大限に創出すべく複数の分科会を設置し活動しております。また、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応するため、積極的な研究開発投資を行うことで他社との差別化を図ってまいりました。
事業ごとの概況としては、計測・計量機器事業は、世界経済の回復を背景に堅調に推移し、医療・健康機器事業では、米州をはじめとした世界的なインフレ懸念から消費者の購買意欲に陰りが見える状況下、米州を中心に現地通貨建てでは前期並みの売上を維持しました。これらに加え、円安の影響により円換算後の売上は米州・欧州とも増加しました。また、グループ改編に伴い計測・計量機器事業より分離された半導体関連事業は、前年度来の堅調な受注に支えられ増収増益となりました。また、第2四半期連結累計期間において生じていた棚卸資産の未実現利益消去に係る売上原価の増加は、円安のピークアウトにより軽減されております。当該影響については、為替の影響を最小限に留めるよう、在庫水準の適正化に向け継続的に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の売上高は59,028百万円(前連結会計年度比14.1%増)、営業利益は7,475百万円(前連結会計年度比36.0%増)、経常利益は7,643百万円(前連結会計年度比36.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,524百万円(前連結会計年度比54.6%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,096百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△1,364百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが452百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が117百万円発生した結果、14,315百万円(前連結会計年度比30.0%増)となりました。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.実績には商品仕入を含んでおります。
当社グループは、原則として見込生産を行っておりますが、製品の一部には受注生産を行っているものがあります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。なお、セグメント間の取引は、相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引は、相殺消去しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の当社グループの売上高は、前連結会計年度に比べ14.1%増収の59,028百万円となりました。
計測・計量機器事業につきましては、日本においては、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)が堅調だった一方、試験機、計量機器等の一部で部材が不足し、予定した生産が出来ず売上が伸び悩みましたが、コストダウン、生産効率化に努めたことにより、利益は増加しております。米州においては、主力の計量機器が、汎用天秤の特需もあり引き続き好調に推移し、売上を伸ばしました。また、昨年度受注したDSPシステムの生産が進んだことにより、売上、利益ともに大きく増加しております。アジア・オセアニアにおいては、豪州・韓国における計量機器や、インドにおける金属検出器・ウェイトチェッカの売上の伸長により、売上、利益ともに増加しました。この結果、計測・計量機器事業の売上高は27,600百万円(前連結会計年度比9.9%増)となりました。
グループ改編に伴い計測・計量機器事業より分離された半導体関連事業においては、旺盛な半導体市場の需要を背景に受注・引合いが増加し、売上に結び付けることが出来ました。この結果、半導体関連事業の売上高は6,916百万円(前連結会計年度比36.1%増)となりました。
医療・健康機器事業につきましては、日本においては、家庭用血圧計等の需要は好調に推移した一方、病院向けの看護用血圧計需要が一服したこと等により、売上は若干の減少となりましたが、経費の抑制に努めたことにより、利益は増加しました。米州においては、米国における大口案件の継続や、カナダにおける一般消費者向けの売上が伸長したことに加え、円安の影響もあり売上は増加しました。しかしながら、航空便を含む米国向け輸送費の高騰が影響し利益は減少しております。欧州においては、一部の地域において販売台数の減少が見られるものの円安の影響が大きく円換算後の売上、利益ともに増加しました。この結果、医療・健康機器事業の売上高は24,511百万円(前連結会計年度比13.8%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価率については、ウクライナ情勢の長期化等による原材料価格の高止まりや、エネルギー価格の上昇等により材料費が増加した一方、前連結会計年度において、コストを押し上げたサプライチェーンの混乱による運送コストの増加が一服したことや、継続的な生産工場の効率化及び材料費のコストダウン等の原価低減活動が原価率低減に寄与しました。この結果、前連結会計年度に比べ0.4%減少し、55.4%となりました。
販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症拡大を機に開始したテレワークやWeb会議、Webを活用したマーケティング活動の継続により、引き続き営業活動費が抑制された一方、米国を中心としたインフレ等に起因する人件費の増加や、半導体関連事業における次世代製品開発に係る開発費の増加等により、前連結会計年度と比べ8.3%増加の18,827百万円となりました。研究開発費は高水準にありますが、これは当社グループの継続的な発展に不可欠な将来を見据えた投資と考えております。グループ全体の方針としては、開発効率の向上に努め、研究開発費の伸び率を売上高の伸び率以下に抑えつつ売上高を毎年伸ばしていくことにより、中長期的に対売上高比率での抑制を図ってまいります。
(営業利益)
営業利益は、7,475百万円(前連結会計年度比36.0%増)となりました。計測・計量機器事業の営業利益は、米州における汎用天秤の特需等により売上高が増加したことに加え、開発効率の改善等、経費抑制に努めた結果、前連結会計年度比33.3%増益の2,539百万円となりました。半導体関連事業の営業利益は、旺盛な市場需要による受注好調で、前連結会計年度比43.4%増益の2,339百万円となりました。医療・健康機器事業の営業利益は、日本、アジア・オセアニアにおける売上が減少した一方、営業費用の削減、欧州、米州を中心に売上が堅調だったことを主要因として、前連結会計年度比19.5%増益の4,675百万円となりました。また、上記のセグメント別の営業損益の他、全社費用等として2,079百万円が発生しております。
売上高営業利益率は12.7%となり、前連結会計年度より2.0%上昇しました。引き続き新技術や顧客のニーズを踏まえた高付加価値製品の投入、原価低減、経費削減等、利益率の上昇につながる施策に努めてまいります。
(経常利益)
営業外収益は、金利の上昇による受取利息の増加及び為替差益の増加を主要因とし、前連結会計年度比141百万円増加の499百万円となりました。営業外費用は、主に金利上昇により支払利息が増加した結果、前連結会計年度比81百万円増加の331百万円となりました。これらの結果、経常利益は7,643百万円(前連結会計年度比36.4%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、多額の特別利益や特別損失の発生はなく、税金等調整前当期純利益は7,571百万円になりました。また法人税、住民税及び事業税を2,500百万円、法人税等調整額を△467百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を13百万円計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は5,524百万円(前連結会計年度比54.6%増)となりました。
(包括利益)
当期純利益は5,538百万円となった他、為替換算調整勘定を中心にその他の包括利益が797百万円となったことにより、包括利益は6,335百万円(前連結会計年度比41.0%増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、52,660百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,713百万円増加いたしました。これは、主に部材供給状況の逼迫に対応するため、材料の先行手配を行ったこと等により、棚卸資産が増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は16,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,464百万円増加いたしました。個々の要因は以下のとおりであります。
有形固定資産については、愛安徳電子(深圳)有限公司の工場の契約更新やA&D RUS CO., LTD.における本社オフィス賃貸借契約の更新に伴う使用権資産の増加を中心に、前連結会計年度末に比べ885百万円増加いたしました。
無形固定資産についてはソフトウエアへの新規投資による増加があった一方、過去の投資に伴うのれんの償却が進んだため、前連結会計年度末に比べ8百万円減少いたしました。
投資その他の資産については棚卸資産の未実現利益等に係る繰延税金資産の増加を主要因として、前連結会計年度末に比べ587百万円増加いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は31,202百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,000百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が増加したこと、及び顧客からの前受金により契約負債が増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は5,640百万円となり、前連結会計年度末に比べ354百万円減少いたしました。これは、主に賃貸借契約の更新によりリース債務が増加した一方で、長期借入金や社債が減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は32,574百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,533百万円増加いたしました。これは主に、非支配株主持分が2,812百万円減少した一方、当期純利益等により利益剰余金が4,775百万円増加したこと、為替換算調整勘定の増加によりその他の包括利益累計額が793百万円増加したこと、2022年4月1日の㈱ホロンとの経営統合等により、資本剰余金が1,905百万円増加したこと、自己株式が871百万円減少したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,096百万円(前連結会計年度比129.9%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が7,571百万円、減価償却費が1,701百万円あった一方で、部材供給状況の逼迫に対応するため、材料の先行手配を行い、棚卸資産の増加額が3,037百万円あったことに加え、法人税等の支払額が1,871百万円、売上債権の増加額が823百万円、仕入債務の減少額が492百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,364百万円(前連結会計年度比43.1%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が885百万円、無形固定資産の取得による支出が639百万円あったことによるものであります。
フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したもの)は2,732百万円のプラスとなっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は452百万円(前連結会計年度は741百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の純増額2,498百万円、長期借入れによる収入1,750百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出が2,713百万円、配当金の支払額が746百万円あったことによるものであります。
必要運転資金及び設備投資を含む投資資金は、基本的には内部資金又は金融機関からの借入金により対応しております。外部資金は、その使途の実態に合わせ、長期及び短期での調達となっております。当連結会計年度末では、社債500百万円(1年内償還予定分)、長期借入金5,411百万円(1年内返済予定分含む)、短期借入金14,731百万円の構成となっており、合わせて20,643百万円を計上しております。当連結会計年度末の社債及び借入金残高の売上高に対する比率は35.0%(前連結会計年度末は36.5%)となっております。また、緊急時の資金調達手段の確保を目的として、一部の取引銀行と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、資金流動性を確保しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当社経営陣は決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎としております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社の連結子会社である株式会社A&Dマニュファクチャリング(旧会社名:研精工業株式会社)、リトラ株式会社及び株式会社オリエンテックは、2022年7月20日開催の取締役会において、株式会社A&Dマニュファクチャリングを存続会社とし、リトラ株式会社及び株式会社オリエンテックを消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で合併契約を締結、2023年1月1日付で合併いたしました。
詳細は「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しております。
当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。
研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約16.3%の407名、当連結会計年度における研究開発費の総額は
当事業における研究開発スタッフは286名、当連結会計年度における研究開発費は
DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析を様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、世界的にカーボンニュートラルへの対応の流れが進む中で、顧客の投資方針も変化しており、当連結会計年度はその流れにも対応した注力開発製品の選択や優先順位を踏まえた開発効率の向上に取り組みました。また、主要顧客である自動車産業では、「CASE(Connected:コネクティッド、Autonomous:自動化、Shared:シェアリング、Electric:電動化)」への対応が加速している状況は続いており、MBD(Model-Based Development)を活用した開発プロセスの効率改善は業界全体に広がっております。この開発プロセスの効率改善に寄与できるソリューションについて、昨年度に市場投入しましたトヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)との共同開発による業界最大規模のFPGA(Field Programmable Gate Array)デバイスを搭載し高度なシミュレーションが可能なモーターHILS(Hardware in the Loop Simulation)製品を活用したソリューションの提供を進めると共に、強みである台上試験制御や高度なシミュレーションの実行が可能なハードウェアの技術と、知見や得意分野を補完しあえるパートナーを得て共同でより良いソリューションを提供する活動を、前連結会計年度に引き続き推し進めました。
DSP応用試験機では、フラット路面タイヤ試験機とドラム路面タイヤ試験機を中心に製品展開を行っております。フラット路面タイヤ試験機では最高速度320km/h以上でのブレーキング特性を評価するスリップ率試験の制御精度を向上した高速型機種を市場投入しました。
また、ドラム路面タイヤ試験機も販売は堅調で、主力のタイヤ転がり抵抗試験機と合わせてインサイドタイプなど特殊仕様の試験機の開発にも取り組んでおります。
計測機器では、引張試験機のアプリケーションとして高精度ビデオ式伸び計の製品化に取り組み、3機種同時に販売を開始しました。この伸び計は一方向の伸び計測以外にもポアソン比やひずみ分布測定、後解析機能など様々なアプリケーションへの対応が可能なものとなっております。また、物性試験機では、エアコン部品の試験要求にこたえるため、2MPaの高圧冷媒環境下で使用可能な摩擦試験機を開発し、納品いたしました。
計量機器では、使用環境に対応した堅牢で外部機器とシームレスに接続できる製品ラインナップを強化致しました。食品業界でニーズの高い丸洗い可能なオールステンレス構造、防塵・防水等級IP67の防水台秤を開発し、発売を開始しました。生産現場で活用されている個数計については、目的の測定物を瞬時に検索・表示可能にし、ユーザーの利便性を向上したGCシリーズを開発し、発売を開始しました。また、インライン計量ネットワークシステム構築に適したEtherNet/IPコンバータ及びA&D製の計量器(天びん、はかり)とスマートフォン/タブレットを無線(Bluetooth)接続して、計量データの受信とコマンド送信を可能にするスマートフォン、タブレットに対応したアプリ『A&D Weive(A&D Weigh View)』を公開しました。
ライン検査装置では、標準機では対応できなかった多様な顧客要求を迅速に対応できるようにユニット化を進め、小型・中型タイプの検査機が対応できるようになりました。X線検査機では、大きな大型開口タイプを開発し、食品の陳列箱や段ボール箱などのケース単位で検査に貢献できるようになりました。
当事業における研究開発スタッフは38名、当連結会計年度における研究開発費は
電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)では、㈱エー・アンド・デイ製のアナログユニットを㈱ホロンへ供給し、完成品が顧客に納品されました。現在は、より高精度が求められる次世代機用DACAMP(デジタルアナログ変換増幅器)の基礎実験への取組みが開始しております。
一方、電子ビームユニットにおきましては、荷電ビーム用高精度大電流高圧電源の試作を終えて出荷に至りました。今後は信頼性の向上に加えて安定度の向上、低ノイズ化を目指した改良を進めてまいります。電子銃ユニットでは㈱エー・アンド・デイと㈱ホロンの共同で、高安定電子ビームを作り出す電子銃・ビーム走査再現性の良い鏡筒の試作を進めております。
当事業における研究開発スタッフは83名、当連結会計年度における研究開発費は
医療用電子血圧計では、従来モデルから測定可能腕周を拡大した全自動血圧計と軽量・コンパクトを追求した、設置場所を選ばない省スペース型の製品で、出張検診など持ち運びが必要な場面でも手軽に移動することが可能な自動血圧計を開発し、発売しました。医療機関のみならず、薬局、スポーツ施設、公共機関、健康診断など、幅広い場所でご使用いただける商品になっています。
多項目モニタでは、シンプルな操作と見やすい大画面を搭載し、不安を和らげる優しいフォルムのモニタを3モデル開発し、販売を開始しました。
医療用計量器では、透析市場向け新型液晶・バックアップ機能を追加したデジタルスケールベッドおよび大幅に応答速度を改善したベビースケールを開発し、販売を開始しました。
家庭用電子血圧計では、持続可能な社会の実現(SDGs)を視野に入れた健康機器「A&D ECO シリーズ」の上腕式血圧計および手首式血圧計を開発し、販売を開始しました。健康機器「A&D ECO シリーズ」は、「ECOnomy & ECOlogy」をコンセプトに、持続可能な社会の実現に向けた社会問題の解決を目指す取り組みの一つとして、環境負荷低減のためシンプルな梱包と必要最低限の同梱内容としました。
スマートフォンの使用が困難な環境における遠隔/在宅医療の先駆けになることを目指して、セルラー通信機能を搭載した血圧計(以下「セルラー血圧計」という。)を開発し、国内の医療機器認証を取得いたしました。セルラー血圧計の開発は、自治医科大学との産学共同研究にて実施しました。セルラー血圧計には、LPWA(Low Power Wide Area:低消費電力広域ネットワーク)モジュールが搭載され、KDDIの通信インフラ技術が活用されております。
家庭用超音波吸入器では、健康機器「A&D ECO シリーズ」として2モデルの販売を開始しました。
パルスオキシメータでは、肺炎重症化の指標となる動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定する医療機器であるパルスオキシメータの販売を開始しました。操作も簡単で持ち運びに便利な軽量小型のパルスオキシメータです。