第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は、医療分野での知的価値の高い製品・サービスの提供を通じて社会に貢献すべく、独自性のあるOnly Oneの製品・サービスの提供を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略等

 国内市場においては、信頼性および品質の向上と、開発技術の創造により売上増収を目指します。海外市場においては、ニッチマーケット市場に特化し、当社の技術力を活かした製品の拡販を目指します。

 また、開発技術の向上によりヘルスケア分野での存在感のある企業を目指し、採血管準備装置・検体検査装置に続く第三の柱を作り、ニッチマーケットでの安定的な成長を目指してまいります。

 

(3) 経営環境

 雇用や所得の改善により緩やかな国内景気の回復基調が続くことが予想される一方、世界経済においては、米国の金融政策、通商政策をめぐる先行き不透明感や、東アジア地域をはじめとした地政学的リスクに対する懸念も依然として残り、予断を許さない状況が続くものと予想されます。

 また、医療費を含めた社会保障費の抑制が必要とされ続ける中で、医療機関においても一層の効率化、合理化が求められており、医療機器業界は引き続き厳しい競争環境が続くものと予想されます。

 

(4) 事業上および財務上の対処すべき課題

 少子化・高齢化の速度が速いわが国では、医療費の増大が国家財政上の大きな負担となり、医療保険財政の悪化に対応するための医療財政の緊縮化、医療費適正化政策の維持・強化等、政府の医療費抑制政策が継続して推進されております。

 臨床検査医療費は、医療保険制度のもと、診療体系による支払制度が基準となっておりますため、制度改革論議のもとにおいて恒常的に2年毎におこなわれる診療報酬の改定は、医療機関の収入に影響し、必然的に当社が主要なターゲットとしている臨床検査市場全体へと響くことが予想されます。

 また医療施設では、臨床検査装置の自動化、ブランチラボ(受託先の検査センターが、病院内のスペースに新たに検査室を作る仕組み。)やFMS(Facility Managed Systemの略。臨床検査を担当する技師・スペースを病院が提供し、設備、試薬等のランニングコストや検査部運営のためのノウハウを受託先の検査センターが負担する仕組み。)方式による検査の外注・委託の増加、医療施設の統廃合が引続きおこなわれ、今後益々の値下げ要請及びメーカー間の競争が激しくなると予想されます。

 医療施設におけるコスト削減および効率化がおこなわれていく一方、医療の安全への関心の高まり、質の向上、QOL(Quality Of Life)を重視する風潮は強まり、病気の診断治療から予防へ、治療技術からQOL重視へと医療の質が転機を迎えつつある現在、医療機器メーカーについても新たな視座に立ち、その有り方を検討することが必要とされております。

 このような見通しの中、医療財政やQOLの観点からも、長期療養を要する生活習慣病やストレス診断等のセルフケア、プライマリーケアを実施できるよう、今後も保険点数の影響に左右されにくい検体検査装置やヘルスケア製品の研究開発に引続き注力をしてまいります。

 医療施設でのコスト削減および業務効率化に寄与する採血管準備装置については、付加価値の高い新製品の積極的な営業活動を展開してまいります。

 一方で、医療費抑制政策が推進される中で、国内市場における案件数は飽和状態に達しつつあることから、海外ニッチマーケットへの進出による販路の拡大を図るべく、世界市場で競争できる製品の開発を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)わが国の医療保険財政が臨床検査市場に及ぼしている影響について

 わが国の国民医療費は、平成27年度には42兆3,644億円、前年度に比べ1兆5,573億円(3.8%)の増加となり、医療費の増大が国家財政上の大きな問題となっております。一方で、人口の減少傾向が続く現状にあって経済成長は限定的(国民所得は前年度比2.7%増加)であり、医療保険財政の悪化に歯止めをかけることが大きな課題となっております。

 平成30年4月1日からの診療報酬改定では、ネット改定率はマイナス1.19%となり、医療機関の経営環境は、引き続き厳しい状況にあります。

 

(2)当社の事業戦略及び事業展開上内包するリスクについて

① 採血管準備装置事業の市場規模、市場シェア及び同事業の新市場開拓について

 採血管準備装置事業は、当社が市場ニーズを掘り起こし、製品化をおこなった事業であります。当社の総売上高のうち、採血管準備装置事業と関連消耗品の売上高合計が占める割合は、70%前後に達しております。その依存の大きさからも医療財政の緊縮化などの外的要因による市場規模の収縮、及び次世代機において市場動向やニーズを的確に捉えることができず収益性が低下した場合、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 当社は今後、検体検査装置事業における新製品の拡充を図ることにより、採血管準備装置事業への依存を低下させていく方針であります。

 しかしながら、新製品の研究開発と製品化及び販売計画は、当社の想定どおりに拡大するかは不透明であり、将来においても当社売上高における採血管準備装置事業への依存が大きい可能性があります。

 また、採血管準備装置の当社製品の累計設置施設は2,021施設(平成30年3月期末)であり、市場シェアも当社調べでは累計設置施設数ベース90%前後で推移しております。当社が主な導入のターゲットとしている病床数200床以上の大規模一般病院数を踏まえると、今後、新規の設置台数は伸び悩み若しくは減少に転ずる可能性があります。

 このため、これまでターゲットとしてきた大規模一般病院に限らず、大規模病院の入院病棟や小規模病院をターゲットとした小型の装置開発・販売強化を図ってきております。さらに、治験業務等を受注する検査機関向けに直接販売の拡大を図っておりますが、小型製品については販売単価が低い一方、大型装置販売と同様の営業コストを要することから、潜在需要にもかかわらず、十分な採算を確保できない可能性があります。

② 採血管準備装置事業における顧客との継続的関係強化について

 当社は、主力事業である採血管準備装置事業を取巻く環境を踏まえ、累計設置台数の伸びに応じて、経常的に売上を見込める関連消耗品の売上や保守管理サービス収入により、既納入先との継続的取引の拡大を図っております。一方、これらの消耗品に対し、他メーカーが当社ハード製品に対応しうる非純正品を当社純正品に比し、廉価で販売する動きがあるため、当社は保守管理サービス業務の強化やハード新製品開発時における仕様変更等により、純正品の使用徹底を図っております。

 また、採血管準備装置の法定耐用年数は5年でありますが、第三・第四世代機が設置後10年以上経過し、その間の物理的陳腐化に加え、製品仕様の向上による旧世代機の技術的陳腐化により、当社ハード製品の更新需要の取込みをはかり、予想される純新規需要の減少を補完する計画であります。しかしながら、更新はユーザー側が決定しており、当該ユーザー側の事情により更新が後ろ倒しになる傾向があります。

③ 採血管装置事業における競合等の影響及び対応策について

 採血管準備装置事業については、当社製品の市場シェアは90%前後を占めておりますが、競合他社の新製品の仕様、販売価格等の動向を注意深く見守りながら、当社の新製品上市戦略に反映する必要があります。当社製品の販売単価は競合他社に比し、高めに設定されておりますが、機能や処理能力における相違、操作の簡素化、省スペース化、デザイン等のきめ細やかなユーザーニーズが製品へ反映されていることを如何に認知してもらうかということと共に、こうした継続的な製品開発・改良努力による製品差別化、ブランド構築・維持が販売価格維持の上で不可欠であります。しかしながら、ユーザーニーズも多様であり、競合他社の値引き攻勢による、当社の販売予定価額の引下げや受注断念等の販売上の影響を被る可能性があります。

 また、医療施設全体の経営環境の悪化により、装置の新設の中止・延期やスペック・ダウン等の影響があり、当社は採血管準備装置単体に対し、自動搬送採血台、検体搬送システム、RFID機能等のオプション製品を付加し、パッケージとして販売することにより、ユーザーの多様なニーズの吸収による販売単価の拡大を図っておりますが、これらの成否によっては当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 更に、電子カルテやオーダリングシステム導入等、医療施設業務全体のIT化の一環で採血管準備装置が導入されるケースも多くなってきておりますが、医療施設側による採血管準備装置を制御する上位システムの導入遅延

が散見されております。また、臨床検査業務の一層の外注・委託化が進展する中、医療施設側における同業務の委託先の決定遅延が生じる場合があります。これらの要因によっては、当社の採血管準備装置の年間販売計画にも影響を及ぼす可能性があります。

④ 採血管準備装置の売上に至るまでに通常長期に亘る営業期間を要することについて

 主力製品である採血管準備装置の導入は、医療機関にとって大規模投資となるため、最終的な決定に至るまでは、2~3年程度の間の情報収集、内部での検討を要するケースが一般的であります。

 このため、当社は可能な限り初期段階から医療機関とのコンタクトを持ち、当社製品の導入をおこなうことのメリットを理解して頂くことが、販売戦略上不可欠であります。

 医療施設における外注委託を含めた臨床検査形態により、装置導入の意思決定プロセスが異なる場合があります。これらの形態変更は装置販売上のキーパーソンの変化に繋がるため、留意が必要であります。また、装置販売候補先における医療施設の人事異動等によるキーパーソンの交代は、有力販売見込先である当該医療施設への販売計画に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(3)研究開発型企業として、研究開発期間と製品化に時間を要することについて

 当社は、研究開発を重要な事業戦略としております。研究開発テーマの策定は市場ニーズの緊急度、技術的ハードル、他社の研究開発動向も踏まえ策定し、案件の開発期間は、基本的に2年として設定しております。しかしながら、技術的なハードルや市場に受入れられる明確な商品コンセプトが設定できない等のケースが生じた場合には、開発の中断を余儀なくされ、現在実施中の研究開発及び今後の研究開発計画に影響を及ぼす可能性があります。

(4)製造委託を中心とする当社の生産体制について

 採血管準備装置事業及び検体検査装置事業における装置の生産については、製造工程の大半を協力会社に委託しております。採血管準備装置BC・ROBO-8001RFIDについては、東芝産業機器システム株式会社と基本契約を締結の上、製造委託をおこない、ロット生産をおこなっております。
 当社は、同社との長期に亘る取引関係及び同社には複数の協力会社があることから、同社を通じた安定的な製品供給が確保されると判断しておりますが、仮に製造委託先に重大な問題が発生した場合には、当社が製品の供給を受けられなくなる可能性があります。
 当社は、製造委託先との連携及び受入検査の強化を通じて、製品の品質確保を図っておりますが、採血管準備装置は、法制度上医療機器ではないものの医療関連機器であり、万が一製品の不具合が生じた場合、当社製品に対する信用失墜等に直面する可能性があります。

    (5)検体検査装置事業及び新規事業分野における長期的事業戦略について

 長期的視点を見据え、採血管準備装置事業及びその関連事業以外の事業育成の視点も重要になってきております。現在、売上に占める比率では大きくはないものの検体検査装置事業における研究開発に注力しておりますが、検体検査装置事業においては採血管準備装置事業に比し、海外メーカーを含め競争力のある既存の競合先も多く、また非医療分野への参入についても当社ブランドの構築、販路の開拓等の課題も多く、これらの分野が当社事業の主力事業若しくは重要な柱になるかどうかは現段階では不透明であります。

 

(6)海外への輸出について

 海外への輸出については、展示会等でコンタクトのあった販売先と販売独占契約を締結の上、L/C発行等による直接取引、若しくは国内商社経由による販売をおこなっております。
 採血管準備装置については、代理店を通じて輸出もおこなっており、輸出先としては、日本と同様の採血システムを採っているアジア、欧州、中南米地域等であります。平成30年3月期における海外売上高は846,254千円(前期比5.2%減少)、総売上高に占める海外売上高の割合は約9.8%となっており、今後の海外展開によっては、為替リスク、海外代理店との契約、保守管理上のリスク等に直面する可能性があります。

(7)主な特許権等について

 当社は、採血管準備装置に関連するバーコードラベル自動貼付・移送等にかかる特許権、及び検体検査装置事業に関連する特許権を登録済みであります。これらの登録済特許権は、事業実施にあたり、競合他社等から当社の知的財産権を保護するために必要不可欠なものであります。当社が登録済の特許権と類似の特許権を競合他社

が保有しているケースもあるため、製品開発にあたっては、訴訟対策もあり、今後新たに研究開発をおこなったものについての知的財産権保護と併せ、これらの動向にも十分留意していくことが不可欠となっております。

(8)下期への業績偏重について

 当社の主力事業である採血管準備装置事業等の装置関係の売上は、その主要納入先である医療施設からの受注及び納入要請タイミングとの関係上、下期、第4四半期に集中する傾向があります。また、医療施設側の設置する採血管準備装置を制御する上位システムの導入が当初想定した時期よりも遅延した場合には、翌期に売上が計上されることになり、一定期間毎に区切った場合の当社の経営成績に、期間毎の変動が生じる可能性があります。一方、これらの装置を稼動するための試薬、ラベル等の消耗品については恒常的に需要が発生いたします。

 (9)法的規制について

 当社は、各種の医療機器及び体外診断用医薬品の関連製品の製造、販売を行っております。医療機器及び体外診断用医薬品の製造販売業と製造業は、薬事法(昭和35年8月10日 法律第145号)をはじめとして、医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(QMS省令:Quality Management System:平成16年12月17日 厚生労働省令第169号)及びそれに関連する各種法令により規制を受けております。

 薬事法は、医療機器を含め、それらの品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行っており、また許可は“5年をくだらない政令で定める期間ごとに、その更新を受けること”とされております。QMSは、品質の良い医療機器等を供給するために、製造時の管理、遵守事項を定めております。

 当社は、薬事法やQMS省令に基づく許可を受け、(第2種医療機器製造販売業許可番号 14B2X00034、有効期間平成25年9月11日から平成30年9月10日まで;医療機器製造業許可番号 14BZ000484、有効期間平成29年2月24日から平成34年2月23日まで;14BZ005014、有効期間平成25年9月11日から平成30年9月10日まで;体外診断用医薬品製造業許可番号 14E1X80023、有効期間平成28年7月18日から平成33年7月17日まで;体外診断用医薬品製造業許可番号 14EZ280108、有効期間平成29年9月18日から平成34年9月17日まで)厚生労働省及び神奈川県の監督を受けております。

(10)採血管準備装置事業及び検体検査装置事業等の当社製品の販売経路及び最終販売先について

 両事業を通して、当社の最大の最終販売先は医療施設でありますが、主に医療品・医療機器卸会社経由で販売をおこなっております。これは、最終販売先である医療施設が機材調達先の絞込みをおこなっており、既存取引先である医療卸会社経由での取引を望んでいるケースが多いこと、また卸会社経由での顧客ニーズ情報の提供を受け、当該卸会社を活用すること等の当社側の販売戦略上の要因によるものであります。この他、医療メーカーの製品と当社製品をセットで販売する際には、当該医療メーカー経由での取引も最近は増加傾向にあります。

 主要最終販売先として医療施設の他、検査機関が挙げられます。医療施設による臨床検査業務の外注・委託化の進展に伴い、医療施設に設置する当社装置製品の直接かつ最終販売先として検査機関が一定割合を占めるようになったためであります。検査機関は様々な医療機器等に対するノウハウを背景に、医療施設の機器選定に対して一定の影響力を有していることから、最終販売先如何にかかわらず検査機関に対しても販売戦略上、十分なフォローアップが必要となっております。

 海外については、展示会等でコンタクトのあった販売先と販売独占契約を締結の上、L/C発行等による直接取引、若しくは国内商社経由による販売をおこなっております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績

当事業年度におけるわが国経済は、雇用情勢や企業収益の改善を背景に、緩やかな景気回復基調で推移しました。海外経済についても、米国経済が好調を維持したほか、中国をはじめとする新興国経済にも持ち直しの動きが見られるなど、全体として景気の回復基調を維持しました。

 

医療機器業界では、平成30年4月に行なわれた診療報酬と介護報酬のいわゆる「ダブル改定」において、手術や検査などに係る本体部分の改定率は0.55%のプラス改定となったものの、薬価や材料価格のマイナス改定により、診療報酬全体としては1.19%の引き下げとなるなど、政府の掲げる「経済・財政再生計画」のもとで、社会保障費の抑制に向けた取り組みは一段と進んでおり、医療施設においては一層の経営効率化が求められております。

 

このような経営環境の中で、当社では、より円滑で効率的な採血業務をサポートするための機能を強化した「BC・ROBO-8001RFID」の販売を開始いたしました。また、検体検査装置分野においては、メンテナンス機能の充実や運用コストの低減を実現した、血液ガス分析装置の最新モデル「GASTAT-700Modelシリーズ」の販売活動を強化するなど、医療施設の経営効率化に寄与する製品ラインナップを取り揃え、医療の現場に新しい価値を提案するための製品づくりや販売活動に引き続き注力してまいりました。

 

この結果、当事業年度の売上高は8,654,247千円(前期比2.3%増加)となりました。なお、総売上高に対する海外売上高の占める割合は、前期比0.8ポイント減少し9.8%となりました。

利益面に関しては、仕入原価の増加や旧型製品の在庫の評価減があったこと等により、売上総利益は4,002,722千円(前期比2.8%減少)となり、販売費及び一般管理費については、前期には採血管準備装置の最新モデルの開発等があったことから研究開発費が前期比で減少し、2,511,080千円(前期比7.0%減少)となり、営業利益は1,491,641千円(前期比5.1%増加)、経常利益は1,490,631千円(前期比6.8%増加)、当期純利益は、前期には決算修正に係る特別損失があったことから、1,308,516千円(前期比185.6%増加)となりました。

 

なお、当社は医療機器及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる事業とする単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すため品目別に業績を記載いたします。

 

<採血管準備装置>

当事業年度における採血管準備装置の売上高は3,523,176千円(前期比2.7%減少)となりました。

期中に最新モデルを市場投入して販売の拡大を図ってまいりましたが、更新需要の谷間の時期に差し掛かって販売台数が伸び悩み、国内市場での売上高は3,106,832千円(前期比2.8%減少)、海外市場での売上高は416,343千円(前期比2.2%減少)となりました。

 

<検体検査装置>

当事業年度における検体検査装置の売上高は517,704千円(前期比3.2%減少)となりました。

主力製品である血液ガス分析装置について、競争力の高い海外メーカーとの競合の中でシェア拡大に努めてまいりましたが、国内市場における売上高は406,961千円(前期比0.1%減少)、海外市場での売上高は110,742千円(前期比13.2%減少)となりました。

 

<消耗品等>

当事業年度における消耗品等の売上高は4,613,367千円(前期比7.3%増加)となりました。

国内市場においては、装置の累計販売台数の増加に伴って安定的に売上を伸ばし、売上高は4,294,199千円(前期比8.4%増加)となりました。海外市場においても堅調な販売を維持しましたが、受注および売上計上のタイミングにより、売上高は前期比において減少となる319,167千円(前期比5.9%減少)となりました。

 

②キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、7,129,237千円(前期比978,559千円増加)となりました。

なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、営業活動により得られた資金は1,517,084千円(前期比821,622千円増加)となりました。

これは主に、税引前当期純利益が1,670,791千円、仕入債務の増加額が528,206千円であった一方、売上債権の増加額が507,077千円であったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、投資活動により支出した資金は168,635千円(前期比2,665千円増加)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出53,320千円があったほか、定期預金の預入による支出110,176千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、財務活動により支出した資金は369,890千円(前期比484千円減少)となりました。

これは主に、配当金の支払額369,890千円があったことによるものであります。

 

③生産実績

 当事業年度の生産実績を単一セグメント内の品目別に示すと、次のとおりであります。

単一セグメント内品目別

当事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

採血管準備装置(千円)

3,267,947

26.8

検体検査装置(千円)

312,054

△53.3

消耗品等(千円)

4,678,379

7.5

合計(千円)

8,258,381

8.7

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

④受注実績

 見込生産をおこなっておりますので、該当事項はありません。

⑤販売実績

 当事業年度の販売実績を単一セグメント内の品目別に示すと、次のとおりであります。

単一セグメント内品目別

当事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

採血管準備装置(千円)

3,523,176

△2.7

検体検査装置(千円)

517,704

△3.2

消耗品等(千円)

4,613,367

7.3

合計(千円)

8,654,247

2.3

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

⑥財政状態

(資産の部)

当事業年度末の総資産の残高は15,493,152千円となり、前事業年度末比1,377,424千円増加しました。

これは主に、売上と利益の増加により現金及び預金が1,088,735千円増加、最終四半期における採血管準備装置の販売が前年同期を大きく上回ったことなどから、売掛金が671,482千円増加した一方、債権の回収方法の変更等により受取手形の額が223,663千円減少、商品及び製品が182,698千円減少したことによるものであります。

 

(負債の部)

当事業年度末の負債の残高は2,475,432千円となり、前事業年度末比528,503千円増加しました。

これは主に、最終四半期における売上増に伴う仕入の増加などにより買掛金が528,206千円増加、未払消費税が76,053千円増加した一方、研究開発費の減少等により未払金が140,709千円減少したことによるものであります。

 

(純資産の部)

当事業年度末の純資産の残高は13,017,720千円となり、前事業年度末比848,920千円増加しました。

これは主に、利益剰余金が933,636千円増加したこと、自己株式の増加84,716千円があったことによるものであります。なお、自己資本比率は84.0%となり、前事業年度末比2.2ポイント減少しました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当事業年度末日現在において当社が判断したものであります。

 

①経営成績等

当事業年度の経営成績は、売上高8,654,247千円(前期比2.3%増加)、営業利益1,491,641千円(前期比5.1%増加)、経常利益1,490,631千円(前期比6.8%増加)、当期純利益1,308,516千円(前期比185.6%増加)となりました。

売上高につきましては、消耗品等(前期比7.3%増加)が前期比において売上増となった一方、採血管準備装置(前期比2.7%減少)、検体検査装置(前期比3.2%減少)は前期比にて売上減となりました。

国内市場における売上高は7,807,993千円(前期比3.2%増加)となり、海外市場における売上高は846,254千円(前期比5.2%減少)となりました。

売上総利益及び営業利益につきましては、売上総利益は4,002,722千円(前期比2.8%減少)となり、販売費及び一般管理費は前期比189,934千円減少し、営業利益は1,491,641千円(前期比5.1%増加)となりました。販売費及び一般管理費の主な減少要因は、研究開発費が前期比211,107千円減の446,150千円となったことによるものであります。

キャッシュ・フローにつきましては、(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローに記載のとおりであります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の経営に影響を与える大きな要因としては、政府の医療政策運営のあり方や、当社の属する医療業界の市場動向等が挙げられます。

少子高齢化の進行が著しいわが国では、社会保障費の削減が強く求められており、医療費の抑制を企図した医療政策運営の中で、医療施設の経営は一層の合理化・効率化を進めてゆくことが予想されます。

病院をはじめとする医療施設の経営が大きな変革を迫られる中で、当社の属する医療機器業界においても、価格競争をはじめとする競争の激化は不可避であるものと考えられますが、このような状況にあっても、医療現場におけるニーズを的確に見出し、新たな価値を生み出すための企業活動を着実におこなってまいります。

 

③資本の財源及び資金の流動性

当社の主な資金需要は、研究開発型企業として発展し続けるための研究開発資金や、生産活動に必要な運転資金、生産設備や研究設備を増設するための設備投資資金等であり、これらは主に自己資金によって賄っております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社は、新しい価値をもった独創的新製品を開発し、新たな市場を開拓することを目的とし、積極的な経営資源の投資をおこなうことにより、今後とも新製品の継続的な上市をおこない、収益基盤の更なる強化をおこなってまいります。

 当社の研究開発活動は、1)最先端技術の研究開発及び新製品開発、2)新製品の設計及び商品改良開発、ソフトウェア開発があります。研究開発案件の平均的な開発期間は、市場ニーズの緊急度、技術的ハードル、他社の研究開発動向も踏まえ基本的に2年間と設定しております。

 検体検査装置を中心とした最先端技術の研究開発については、研究開発型企業として人員的にも多くの経営資源を投入しており、今後も大学との共同研究及び、外部有識者との研究会等を通じ収集・議論して生み出されたアイデアを製品開発に反映し、新たな収益の柱となる新製品の上市を目指してまいります。

 また製品開発のコンセプトに応じプロジェクトチームを編成し、急速な進歩を遂げる先端技術と多様化するユーザーニーズに対応した新製品を市場へ送り出せるよう、研究開発活動をおこなっております。

 当事業年度の研究開発活動におきましては、採血管準備装置の研究開発費219,133千円、検体検査装置分野の研究開発費227,016千円、合計446,150千円を費用計上しております。

 今後においても、バイオ分野からのセンシング技術への応用や先端センシング技術の研究をおこなっていき、新しい技術を医療機器に応用して変化の激しい市場のニーズに対応した製品の開発に努めてまいります。

なお、当社は医療機器及び、これら装置で使用する消耗品の製造、販売を主たる事業とする単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すため当事業年度における品目別に主な研究開発活動を記載すると、以下のとおりです。

[採血管準備装置]

当社の主力製品である採血管準備装置においては、ユーザーニーズに対応した各種周辺機器の開発及び製品改良に引続き取組んでおります。

[検体検査装置]

当社の検体検査装置の主力製品である血液ガス分析装置及び当社独自のセンサー技術を利用したハンディタイプ機器を中心として、ユーザーニーズに対応した製品の改良と新しいコンセプトに基づく製品の開発に引続き取組んでおります。