(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府と日銀による経済対策及び金融政策を背景に、緩やかな回復基調で推移したものの、中国をはじめとする新興国経済の減速感の強まり等、海外での景気下振れリスクの懸念に加え、為替相場や株式市場が大きく変動する等、先行きは不透明な状況となっております。
このような状況の中、当社グループの主力事業である精密貼合及び高機能複合材部門におきましては、ディスプレイ材料の流通在庫の調整の影響を受け、低調に推移いたしました。また、環境ビジネス部門におきましては、再生可能エネルギー固定価格買取制度の見直しの影響により、大変厳しい市場環境となりました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高11,838百万円(前年同期比28.2%減)、営業利益703百万円(同45.2%減)、経常利益706百万円(同49.6%減)を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は406百万円(同49.6%減)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
精密貼合及び高機能複合材部門
国内外におけるディスプレイ市場は、4Kテレビや裸眼3D等の高付加価値タイプのディスプレイ市場が成長し、また、タッチパネル市場におきましては、中大型の静電容量方式の市場が拡大し、産業用分野や教育分野、そしてアミューズメント分野等に使われる用途が広がっております。しかしながら、当社取扱いのディスプレイ材料の流通在庫の調整が大きく影響し、当連結会計年度において出荷量が低調となりました。このような市場の変化の中、精密貼合技術やダイレクトボンディング技術を活用し、新規生産設備の導入による生産の高度化を実施、更に、独自の技術を活かしたLED関連事業や新素材加工事業を推進し、新規ビジネスへの取組みを強化してまいりました。
この結果、売上高8,123百万円(前年同期比19.8%減)、セグメント利益(営業利益)417百万円(同50.4%減)となりました。
環境ビジネス部門
太陽電池の国内市場は、固定価格買取制度の見直しと買取価格の低下、また、海外生産品による価格競争の激化により、産業用市場の環境が急激に厳しさを増しました。このような状況に対応すべく、OEM供給品の生産量の拡大、超軽量太陽電池モジュールの更なる拡販、住宅用発電システム販売の強化、追尾型太陽光発電・蓄電池システム等の新規システムの開発・販売等の施策を実施してまいりました。
この結果、売上高3,714百万円(前年同期比41.5%減)、セグメント利益(営業利益)265百万円(同37.6%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,666百万円(前期末比1,155百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、481百万円(前連結会計年度は1,736百万円の獲得)となりました。
これは主として、たな卸資産の増加565百万円、仕入債務の減少207百万円があったものの、税金等調整前当期純利益706百万円、売上債権の減少650百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、417百万円(前連結会計年度は361百万円の使用)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出408百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,225百万円(前連結会計年度は1,797百万円の獲得)となりました。
これは主として、長期借入れによる収入1,000百万円があったものの、長期借入金の返済による支出2,142百万円があったことによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
精密貼合及び高機能複合材部門(千円) |
7,378,731 |
△18.5 |
|
環境ビジネス部門(千円) |
2,483,916 |
△25.3 |
|
合計(千円) |
9,862,647 |
△20.4 |
(注)1.金額は製造原価によっております。なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
精密貼合及び高機能複合材部門 |
8,220,338 |
△17.7 |
112,325 |
608.2 |
|
環境ビジネス部門 |
3,703,769 |
△41.6 |
49,734 |
△17.6 |
|
合計 |
11,924,107 |
△27.0 |
162,060 |
112.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
精密貼合及び高機能複合材部門(千円) |
8,123,873 |
△19.8 |
|
環境ビジネス部門(千円) |
3,714,401 |
△41.5 |
|
合計(千円) |
11,838,275 |
△28.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
旭硝子株式会社 |
5,508,124 |
33.4 |
3,739,303 |
31.6 |
|
日亜化学工業株式会社 |
2,323,490 |
14.1 |
- |
- |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、精密貼合及び高機能複合材関連事業におきましては、コア技術である精密貼合技術とメカトロニクス技術を活用し、ディスプレイ用部材やタッチパネルの製造で、高品質、高効率を追求し、シェアを拡大してまいりました。しかし、競争環境の激化や価格の低下から、新しい分野として、新素材加工やLED関連、そしてロボット関連等の付加価値の高いビジネス分野への展開を図っております。また、更に研究開発・技術開発・マーケティング活動を行い、新規ビジネスの開拓、新たな受注の拡大に繋げてまいります。
環境ビジネス関連事業におきましては、変化点を迎えた太陽光発電市場で、優位性のあるポジションを築くために、高効率モジュールや追尾型太陽光発電システム等の差別化された製品の開発、OEM品等の供給力拡大、競争力のある価格を実現するための施策を実施してまいります。また、環境分野での新たなビジネスチャンスを獲得すべく、市場のニーズに対してトータルで提案できる体制を構築してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、主として以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、ここに記載されたものが当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
(1)当社グループの事業環境について
① ディスプレイ市場の動向について
当社グループの主力製品である液晶ディスプレイ用部材及びタッチパネルセンサー基板は、ディスプレイ市場の動向により需要が変動いたします。当社グループでは、急激な需要の増減に耐え得る生産ラインの構築に取組んでおりますが、想定を上回る変動が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
② 特定の製品への依存について
当社グループの売上高は、ディスプレイ関連商品の比重が高くなっており、当該商品の売上高が大きく減少した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 原材料の調達について
環境ビジネス部門における太陽電池について、原材料である太陽電池セルの調達価格に当社グループの製造原価が影響されます。このため、独自の調達ルートの拡充を推し進めておりますが、想定を上回る困難が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 災害による影響について
当社グループの生産拠点は、姫路市、たつの市等兵庫県西播地域に集中しており、地震や停電その他の災害が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)特許権等の取得方針について
当社グループの生産技術は、設立以来、永年の経験に基づき構築してきた技術でありますが、特許権等の取得には馴染まない技術が多く含まれております。特許を取得した場合、生産方法が推定され、生産工程を模倣される危険性があります。
当社グループでは、現在のところ、精密貼合技術等を中心とした生産技術に関する特許権等の取得は不要であると考えており、これらの生産技術の外部流出防止策として、従業員との機密保持契約の締結、生産工程の外部遮断等、技術全体のブラックボックス化を行っております。
該当事項はありません。
今日のような、急速な市場の変化や企業間競争が激化している環境下におきましては、研究開発部門と営業部門とが緊密な連携をとり、迅速な経営判断を行っていくことが不可欠であります。当社グループでは、各部門が連携した研究開発体制を構築しており、グループ全体で22名(従業員の10.2%)のスタッフが研究開発に携わっております。
現在、将来の成長を担う新規事業を創出することを目的として、市場のニーズに的確に対応した新たな高付加価値製品を作り出すための研究開発に日々取組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は101,782千円(前年同期比7.4%減)であります。
セグメント別の主な研究内容及び研究開発費は以下のとおりであります。
(1)精密貼合及び高機能複合材部門
「精密貼合技術」に関する研究
新規開発を目的として、精密貼合技術の更なる独自性を追求しております。
当連結会計年度におきましては、液晶タッチパネルへの応用として、ダイレクトボンディングの生産効率、大型化、品質向上の追求を行ってまいりました。また、4K等次世代ディスプレイパネルで必要とされる超精密貼合技術を使い、大型(80インチ以上)のディスプレイにも貼合対応が可能となりました。更に、ダイレクトボンディングにおきましても、超精密貼合が行える取組みを行っております。
今後も、量産稼働に伴い得られた情報をもとに調整や改造を行い、次の技術へ繋げてまいります。
当部門に係る研究開発費は78,746千円であります。
(2)環境ビジネス部門
「クリーンエネルギー」に関する研究
太陽光発電システムの応用性拡大や発電効率向上を目的として、太陽光発電モジュールの材料の組合せや形状の変更、新しい素材の開発等、太陽光発電に関する様々な研究に取組んでおります。
当連結会計年度におきましては、超軽量タイプ等の特殊モジュールの開発及びトラッキングシステムの更なるコストダウンにも取組んでおります。
今後も、量産稼働に伴い得られた情報をもとに調整や改造を行い、次の技術へ繋げてまいります。
当部門に係る研究開発費は23,035千円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は17,085百万円となり、前期比1,480百万円の減少となりました。
流動資産は10,729百万円となり、前期比1,521百万円の減少となりました。
固定資産は6,356百万円となり、前期比40百万円の増加となりました。
負債は8,386百万円となり、前期比1,699百万円の減少となりました。
純資産は8,699百万円となり、前期比219百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が前期比235百万円増加したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度における当社グループの売上高は11,838百万円(前年同期比28.2%減)となりました。
なお、売上高及びセグメント別の業績の推移については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
② 損益状況
販売費及び一般管理費は961百万円(前年同期比13.6%減)となり、営業利益は703百万円(同45.2%減)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ1.9ポイント減少の5.9%となりました。
営業外収益は35百万円(同77.3%減)、営業外費用は33百万円(同19.0%減)となり、経常利益は706百万円(同49.6%減)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ2.5ポイント減少の6.0%となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益706百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益406百万円(同49.6%減)となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は14.24円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、安定した成長率の維持を最大の目標に、需要拡大を見込むことができると判断した事業については、タイムリーな設備投資を実施し、生産キャパシティの確保を行ってまいります。
また、コア技術である「精密貼合技術」、「太陽電池モジュール製造技術」、「メカテクノロジー」の向上と、その技術を応用した更なる高付加価値製品や新技術の開発を行い、新たな事業の確立を推し進めてまいりたいと考えており、より一層の企業価値の向上に取組んでまいります。