(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境が堅調に推移したことから、緩やかな回復基調が継続したものの、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策運営動向に起因する為替相場や株式市場の変動等、先行きの不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループの主力事業である精密貼合及び高機能複合材部門におきましては、高付加価値マーケットに対応すべく、生産技術の高度化と新素材加工事業への取組みを強化しました。一方で、ディスプレイ市場での販売価格の変動の影響を受け、また、環境ビジネス部門におきましては、OEM供給品の生産量拡大に注力いたしましたが、国内再生可能エネルギー市場における制度の変更の影響を受ける状況となりました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高12,830百万円(前年同期比8.4%増)、営業利益660百万円(同6.0%減)、経常利益705百万円(同0.1%減)を計上いたしました。
特別損益では、生産体制の最適化を目的とした固定資産の見直しを行い、老朽化又は陳腐化した生産設備を除去したことによる固定資産除却損を494百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は35百万円(同91.3%減)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
精密貼合及び高機能複合材部門
国内外におけるディスプレイ市場は、高付加価値タイプのマーケットが成長、また、タッチパネル市場におきましては、中大型の静電容量方式の市場が拡大し、産業用分野や教育・医療分野、そしてアミューズメント分野等に使われる用途が広がっております。しかしながら、ディスプレイの販売価格が変動し、その影響を受ける状況となりました。このような市場の変化の中、精密貼合技術やメカトロニクス技術を活用し、新規生産設備の導入による生産の高度化を実施、更に、独自の技術を活かしたLED関連事業や車載関連ビジネス、そして新素材加工事業を推進し、新規ビジネスへの取組みを強化してまいりました。
この結果、売上高9,097百万円(前年同期比12.0%増)、セグメント利益(営業利益)577百万円(同38.4%増)となりました。
環境ビジネス部門
太陽電池の国内市場は、固定価格買取制度の見直しと買取価格の低下、また、海外生産品による価格競争の激化により、産業用市場の環境が、販売価格の低下等厳しさを増しました。このような状況に対応すべく、OEM供給品の生産量の拡大、超軽量太陽電池モジュールの更なる拡販、自家消費型太陽光発電・蓄電池システム等の新規システムの開発・販売、メンテナンス市場の開拓等の施策を実施してまいりました。
この結果、売上高3,732百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益(営業利益)64百万円(同75.5%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,228百万円(前期末比438百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、2,469百万円(前連結会計年度は481百万円の獲得)となりました。
これは主として、売上債権の増加350百万円があったものの、減価償却費355百万円、固定資産除却損494百万円、たな卸資産の減少720百万円、仕入債務の増加701百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,461百万円(前連結会計年度は417百万円の使用)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出1,464百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,446百万円(前連結会計年度は1,225百万円の使用)となりました。
これは主として、長期借入れによる収入1,000百万円があったものの、長期借入金の返済による支出1,918百万円があったことによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
精密貼合及び高機能複合材部門(千円) |
7,898,927 |
7.0 |
|
環境ビジネス部門(千円) |
1,514,328 |
△39.0 |
|
合計(千円) |
9,413,256 |
△4.6 |
(注)1.金額は製造原価によっております。なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
精密貼合及び高機能複合材部門 |
9,711,767 |
18.1 |
726,361 |
546.7 |
|
環境ビジネス部門 |
3,747,320 |
1.2 |
64,126 |
28.9 |
|
合計 |
13,459,088 |
12.9 |
790,487 |
387.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
精密貼合及び高機能複合材部門(千円) |
9,097,731 |
12.0 |
|
環境ビジネス部門(千円) |
3,732,928 |
0.5 |
|
合計(千円) |
12,830,660 |
8.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
旭硝子株式会社 |
3,739,303 |
31.6 |
4,567,144 |
35.6 |
|
日亜化学工業株式会社 |
- |
- |
1,916,589 |
14.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
「人が求めること」は限りなく続くことであり、企業は更なる「研究開発」を続けることで、「高付加価値製品」を生み出していきます。
当社グループは、創ることから届けることまで、顧客のニーズに対してトータルに提案できる企業でありたいと考え、現在、情報産業の一翼を担うディスプレイ関連事業と環境ビジネスのクリーン・エコエネルギー関連事業を主要事業とし、永年培ってきた「精密貼合技術」、「太陽電池モジュール製造技術」を核とした、様々な技術やノウハウを根幹として「ものづくり」に専念し、更なる発展を続けていくことを経営の基本方針としております。
精密貼合及び高機能複合材関連事業におきましては、低価格化に伴って需要は拡大しており、当社グループでは、シェアの拡大と企業発展を図るため、生産における技術的な統合を行い、コストの削減や生産性の向上を図るとともに、高付加価値製品の取込みを目指してまいります。
また、環境ビジネス関連事業におきましては、太陽光発電システム市場は厳しさを増している中、当社グループにおきましても、生産コストの削減による競争力向上を図り、更なる高付加価値製品の開発や技術革新に取組んでまいります。
当社グループは、「精密貼合」のリーディングカンパニーとして、世界に誇れる企業を目指し、チャレンジを続けてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループでは、安定した成長率の維持を最大の目標に、より一層の企業価値の向上を目指しております。
そのため、コア技術である「精密貼合技術」、「太陽電池モジュール製造技術」、「メカテクノロジー」の3つの技術の向上とその技術を応用した新規事業の立上げを積極的に行い、既存事業につきましては、適切な設備投資や生産合理化を図ってまいります。
精密貼合及び高機能複合材関連事業におきましては、受注数量の変動、また、価格競争の熾烈化への対応として、生産工程の自動化を推進し、工程負荷の低下及び平準化を図り、生産コストの大幅削減を目標に取組んでまいります。
また、環境ビジネス関連事業におきましては、クリーンエネルギーに対する注目度と技術開発の進歩により、太陽光発電システム市場への注目は続いております。当社グループにおきましても、高付加価値製品づくりのための新たな開発や技術革新に挑戦しております。
更に、研究開発を企業成長の推進力と位置づけ、常に積極的な投資を行っており、新たな主力事業の確立に向けて取組んでおります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益性の向上を重視しており、生産性の向上、新製品開発及び営業力の強化を徹底し、経常利益率7%以上を確保することを経営指標としております。
また、当社グループは自己資本比率を財務の健全性の指標と認識しており、今後も適正な株主配当を行いながら、利益の内部留保に努め、自己資本の充実を目指してまいります。
(4)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、わが国経済は、企業収益や雇用環境が堅調に推移したことから、緩やかな回復基調が継続したものの、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策運営動向に起因する為替相場や株式市場の変動等、先行きの不透明な状況が続いております。
ディスプレイ市場は、高付加価値タイプのマーケットが成長、タッチパネル市場は、中大型の静電容量方式の市場拡大が見込まれます。
太陽電池の国内市場は、固定価格買取制度の見直しと買取価格の低下、また、海外生産品による価格競争の激化により、厳しい市場環境が続いております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、精密貼合及び高機能複合材関連事業におきましては、コア技術である精密貼合技術とメカトロニクス技術を活用し、ディスプレイ用部材やタッチパネルの製造で、高品質、高効率を追求し、シェアを拡大してまいりました。しかし、競争環境の激化や価格の低下から、新しい分野として、新素材加工やLED関連、そしてロボット関連等の付加価値の高いビジネス分野への展開を図っております。また、更に研究開発・技術開発・マーケティング活動を行い、新規ビジネスの開拓、新たな受注の拡大に繋げてまいります。
環境ビジネス関連事業におきましては、変化点を迎えた太陽光発電市場で、優位性のあるポジションを築くために、高効率モジュールや追尾型太陽光発電システム等の差別化された製品の開発、OEM品等の供給力拡大、競争力のある価格を実現するための施策を実施してまいります。また、環境分野での新たなビジネスチャンスを獲得すべく、市場のニーズに対してトータルで提案できる体制を構築してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、主として以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、ここに記載されたものが当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
(1)当社グループの事業環境について
① ディスプレイ市場の動向について
当社グループの主力製品である液晶ディスプレイ用部材及びタッチパネルセンサー基板は、ディスプレイ市場の動向により需要が変動いたします。当社グループでは、急激な需要の増減に耐え得る生産ラインの構築に取組んでおりますが、想定を上回る変動が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
② 特定の製品への依存について
当社グループの売上高は、ディスプレイ関連商品の比重が高くなっており、当該商品の売上高が大きく減少した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 原材料の調達について
環境ビジネス部門における太陽電池について、原材料である太陽電池セルの調達価格に当社グループの製造原価が影響されます。このため、独自の調達ルートの拡充を推し進めておりますが、想定を上回る困難が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 災害による影響について
当社グループの生産拠点は、姫路市、たつの市等兵庫県西播地域に集中しており、地震や停電その他の災害が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)特許権等の取得方針について
当社グループの生産技術は、設立以来、永年の経験に基づき構築してきた技術でありますが、特許権等の取得には馴染まない技術が多く含まれております。特許を取得した場合、生産方法が推定され、生産工程を模倣される危険性があります。
当社グループでは、現在のところ、精密貼合技術等を中心とした生産技術に関する特許権等の取得は不要であると考えており、これらの生産技術の外部流出防止策として、従業員との機密保持契約の締結、生産工程の外部遮断等、技術全体のブラックボックス化を行っております。
該当事項はありません。
今日のような、急速な市場の変化や企業間競争が激化している環境下におきましては、研究開発部門と営業部門とが緊密な連携をとり、迅速な経営判断を行っていくことが不可欠であります。当社グループでは、各部門が連携した研究開発体制を構築しており、グループ全体で24名(従業員の10.8%)のスタッフが研究開発に携わっております。
現在、将来の成長を担う新規事業を創出することを目的として、市場のニーズに的確に対応した新たな高付加価値製品を作り出すための研究開発に日々取組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は150,318千円(前年同期比47.7%増)であります。
セグメント別の主な研究内容及び研究開発費は以下のとおりであります。
(1)精密貼合及び高機能複合材部門
「精密貼合技術」に関する研究
新規開発を目的として、精密貼合技術の更なる独自性を追求しております。
当連結会計年度におきましては、液晶タッチパネルへの応用として、ダイレクトボンディングの生産効率、大型化、品質向上の追求を行ってまいりました。また、4K等次世代ディスプレイパネルで必要とされる超精密貼合技術を使い、大型(80インチ以上)のディスプレイにも貼合対応が可能となりました。更に、ダイレクトボンディングにおきましても、超精密貼合が行える取組みを行っております。
今後も、量産稼働に伴い得られた情報をもとに調整や改造を行い、次の技術へ繋げてまいります。
当部門に係る研究開発費は112,360千円であります。
(2)環境ビジネス部門
「クリーンエネルギー」に関する研究
太陽光発電システムの応用性拡大や発電効率向上を目的として、太陽光発電モジュールの材料の組合せや形状の変更、新しい素材の開発等、太陽光発電に関する様々な研究に取組んでおります。
当連結会計年度におきましては、超軽量タイプ等の特殊モジュールの開発及びトラッキングシステムの更なるコストダウンにも取組んでおります。
今後も、量産稼働に伴い得られた情報をもとに調整や改造を行い、次の技術へ繋げてまいります。
当部門に係る研究開発費は37,957千円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は17,085百万円となり、前期比0百万円の減少となりました。
流動資産は10,183百万円となり、前期比546百万円の減少となりました。
固定資産は6,902百万円となり、前期比545百万円の増加となりました。
負債は8,483百万円となり、前期比97百万円の増加となりました。
純資産は8,601百万円となり、前期比97百万円の減少となりました。これは主に、利益剰余金が前期比136百万円減少したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度における当社グループの売上高は12,830百万円(前年同期比8.4%増)となりました。
なお、売上高及びセグメント別の業績の推移については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
② 損益状況
販売費及び一般管理費は1,004百万円(前年同期比4.4%増)となり、営業利益は660百万円(同6.0%減)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント減少の5.2%となりました。
営業外収益は71百万円(同99.7%増)、営業外費用は26百万円(同19.0%減)となり、経常利益は705百万円(同0.1%減)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ0.5ポイント減少の5.5%となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益121百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益35百万円(同91.3%減)となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は1.24円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。