第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当社グループは、当連結会計年度からスタートした中期経営計画『Global Expansion 2018』において、2018年(平成30年)6月期に売上高400億円を達成することを目標に、「グローバル規模での収益基盤の強化」「患部・治療領域の拡大と製品ポートフォリオの拡充」「素材研究・生産技術の強化によるイノベーション創出」「グループマネジメントの最適化」を経営戦略に掲げ、企業価値向上に取り組んでおります。
 その実現に向けた施策として、当連結会計年度においては、新製品として日本市場において貫通カテーテル「Caravel(カラベル)」やペリフェラルガイドワイヤー「Gladius(グラディウス)」「Halberd(ハルバード)」「Gaia PV(ガイアピーブイ)」を販売開始したほか、初期製品設計試作対応のための米国での開発拠点の新設、ボストン・サイエンティフィック社とのFFR測定用ガイドワイヤー及びロータワイヤーに関する業務提携、有限会社明泉の全株式の取得、非連結子会社のTOYOFLEX(H.K.)CO.,LIMITED及び東洋精密工業(恵州)有限公司の譲渡などを実施いたしました。
 今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。
 当社グループの当連結会計年度における売上高は、メディカル事業及びデバイス事業共に引き続き好調に推移し、353億23百万円(前年同期比25.5%増)となりました。
 売上総利益は、好調な売上高に比例し、222億11百万円(同24.0%増)となりました。
 営業利益は、研究開発費や直接販売への切替えなどに伴う営業関係費用の増加により、販売費及び一般管理費が増加したものの、好調な売上高に比例し、79億76百万円(同33.0%増)となりました。
 経常利益は、為替差益の増加などにより、83億99百万円(同37.7%増)となりました。
 当期純利益は、前連結会計年度における負ののれん発生益の計上があったものの、前年同期比33.7%増の58億28百万円となりました。

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

①  セグメントの業績

(メディカル事業)

メディカル事業は、国内市場及び海外市場共に、引き続き好調に推移いたしました。
 国内市場においては、平成26年4月の医療償還価格改定による影響があったものの、循環器系及び非循環器系分野共に売上高は増加しております。循環器系においては、主力製品PTCAガイドワイヤーがSION(シオン)シリーズを中心に引き続き好調であることや、PTCAバルーンカテーテル「KAMUI(カムイ)」やPTCAガイディングカテーテル「Hyperion(ハイペリオン)」が市場シェアを拡大したこと、新製品として貫通カテーテル「Caravel(カラベル)」を販売開始したことなどにより、売上高は増加しております。また非循環器系分野においては、末梢血管系製品、腹部血管系製品、脳血管系製品の全分野において、売上高が増加しております。このうち末梢血管系製品については、直接販売への切り替えに加え、新製品投入などの効果により、売上高が増加傾向にあります。
 海外市場においては、全地域で需要が増加していることに加え、米国通貨高が後押しとなり、好調に推移いたしました。PTCAガイドワイヤーは、特に欧州中近東市場の市場シェアが継続的に拡大しており、また米国・中国アジア市場においても需要が増加しております。貫通カテーテル「Corsair(コルセア)」は、米国・欧州中近東・中国アジア市場の全てにおいて、売上高が増加傾向にあります。
 以上の結果、売上高は275億74百万円(前年同期比26.0%増)となりました。
 また、セグメント利益は、研究開発費及び営業関係費用の増加により販売費及び一般管理費が増加したものの、好調な売上高に比例し、82億75百万円(同27.2%増)となりました。

(デバイス事業)

デバイス事業は、医療部材及び産業部材の売上高が共に好調に推移いたしました。
 医療部材におきましては、国内市場では内視鏡関連部材、海外市場では循環器関係の部材取引が増加し、売上高は増加いたしました。
 産業部材におきましては、国内海外共に、自動車市場や建築市場向けの取引がトヨフレックス社の連結子会社化の効果を含めて増加し、売上高は増加いたしました。
 以上の結果、売上高は77億48百万円(前年同期比23.9%増)となりました。
 また、セグメント利益は、外部顧客への売上高及びセグメント間取引が増加したため、17億9百万円(同31.5%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、133億44百万円(前年同期比22.2%増)となっております。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、66億66百万円(前年同期比16億50百万円増)となりました。これは主に、売上債権が3億96百万円増加、たな卸資産が12億2百万円増加、仕入債務が1億98百万円減少したことに加え、法人税等の支払額が18億36百万円であったものの、税金等調整前当期純利益が83億59百万円、減価償却費が19億59百万円であったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、32億49百万円(前年同期比21億24百万円増)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入が4億46百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が35億54百万円、無形固定資産の取得による支出が3億2百万円であったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、13億11百万円(前年同期比16億9百万円減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が22億円であったものの、長期借入金の返済による支出が24億5百万円、配当金の支払額が10億92百万円あったことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

メディカル事業

26,537,997

19.7

デバイス事業

8,899,184

33.8

合計

35,437,182

23.0

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  金額は販売価格によっております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

メディカル事業

27,574,677

26.0

デバイス事業

7,748,783

23.9

合計

35,323,461

25.5

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成27年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。

 

前中期経営計画『Next Stage 2016』で掲げた平成28年6月期連結売上高300億円の目標については、当初計画より1年前倒しでの達成が見込まれることから、さらなる成長・発展を図るべく今後の戦略を踏まえた新中期経営計画『Global Expansion 2018』を策定し、平成27年6月期よりスタートしております。
 新中期経営計画『Global Expansion 2018』は、中長期戦略の幹として掲げる以下の4つの基本方針を、さらなる成長への道筋として踏襲しつつ、販売・開発・生産のそれぞれの分野における「グローバル化」をさらに加速させることを主眼としております。

 

(1) グローバル規模での収益基盤の強化

当社グループは現在、世界100を超える国と地域へ製品を供給しております。当社グループの製品が使用される血管内疾患の症例数は、今後もグローバル規模にて拡大すると予測されています。こうした中、それぞれの地域において販売・マーケティングの機能をより一層充実させることにより、グローバル規模での収益基盤の強化を図る所存であります。

(日本)

日本市場においては、平成26年6月30日より、連結子会社の朝日インテックJセールス株式会社が病院などに対して自社ブランド製品を直接販売する体制に、完全移行しております。今後はこの直接販売体制を活かして、納入価格・数量アップに努めるとともに、商社機能として活用することで、国内外の他社製品と自社製品のシナジー効果による販売拡大を図り、収益構造の強化に努めてまいります。
 また、PTCAバルーンカテーテルやガイディングカテーテルなどの循環器系領域の周辺製品群や、末梢・腹部・脳血管系領域の新製品を積極的に市場投入することにより、第二の主力製品の確立を目指すとともに、収益の拡大にも努めてまいります。

(米国)

米国市場においては、主力製品PTCAガイドワイヤーについて、米国大手アボット ラボラトリーズ社を通じて販売を行っております。このアボット ラボラトリーズ社との販売代理店契約は平成30年6月末までの長期契約です。米国市場では地域密着型の代理店が少ないことから、アボット ラボラトリーズ社の米国全土にわたる強力な販売網を活用することにより、長期安定的な販売を行ってまいります。
 また、最終顧客であるドクターにより密着し、市場動向をより早く把握できる体制を構築することにより、さらに販売が促進されるものと判断し、当社グループの連結子会社ASAHI INTECC USA, INC.における直接販売の強化・拡大や、マーケティングや販売機能の強化を進めております。

(欧州・中近東)

欧州市場においては、主力製品PTCAガイドワイヤーの販売について、現地に密着した複数の代理店を通じて販売を行う体制としております。この販売体制により、総合的な製品供給が可能となっており、ラインナップの充実によるシナジー効果を発揮するなどしております。今後はこの体制を活かして、さらなる市場シェア拡大を目指してまいります。
 また、中近東地域につきましては、平成25年7月に中東支店(アラブ首長国連邦 ドバイ)を開設しております。現地に支店を開設することにより、さらなる販売強化を図ってまいります。

(中国)

中国市場においては、現地の販売代理店を通じて販売を行っております。グローバル市場の中でも、中国は特に市場成長が著しく、今後もさらに大きな市場に発展することが見込まれております。連結子会社の朝日英達科貿(北京)有限公司を通じて、マーケティングや販売促進活動をさらに充実させ、現地販売代理店に密着したバックアップ体制を強化することなどにより、中国市場におけるさらなる市場シェアの拡大を目指してまいります。

(その他地域)

インド、ブラジル、ロシアなど、潜在成長力の高い新興国市場における営業体制の強化を図り、さらなる収益拡大を目指してまいります。なお、その一環として、平成26年1月にインド支店、平成27年1月に韓国支店を開設しており、今後も現地に密着した支店の開設を通じて、さらなる販売強化を図ってまいります。

 

(2) 患部・治療領域の拡大と製品ポートフォリオの拡充

(Number One製品戦略)

 循環器系領域の主力製品PTCAガイドワイヤーについて、症例数の多い一般的な通常病変用の製品の拡充によりPTCA治療の裾野拡大に努めるとともに、当社が強みを持つ治療難易度の高いCTO(慢性完全閉塞) (注)用の製品開発にも引き続き注力することで、ナンバーワンのポジションを盤石化してまいります。
 一方、PTCAガイドワイヤーに次ぐ第二の主力製品の確立に向け、当社グループが有するステンレス加工技術と樹脂加工技術を融合することにより、PTCAバルーンカテーテルやPTCAガイディングカテーテルなどの循環器領域におけるカテーテル分野の製品群をさらに強化・拡大してまいります。
 また、循環器系領域から末梢・腹部・脳血管系などの非循環器系領域への製品展開を加速させてまいります。非循環器系領域については、循環器系で培った技術を応用した横展開を行い、また医療認可未取得の一部の海外市場での許認可取得と同時に積極的な海外展開を行うとともに、市場シェアの獲得に努めてまいります。

(Only One製品戦略)

 現在、治療が困難とされているCTO(慢性完全閉塞)に対するPTCA治療の成功率は、PTCA治療先進国である日本においても盤石というわけではなく、未だバイパス手術で対応しなければならないケースが残っているのが現状であります。これまでも当社グループは、他社にはない高い優位性を持ち、CTO治療も可能なPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテル「Corsair(コルセア)」などの製品群を開発することにより、CTO領域におけるPTCA治療選択率の拡大に寄与してまいりました。
 今後も研究開発型企業として、競争力の高い独創的な製品や、機能の進化した新製品を開発・製品化し続けることにより、低侵襲治療の普及や発展に寄与していく所存であります。

 

(3) 素材研究・生産技術の強化によるイノベーション創出

研究開発型企業である当社グループは、4つのコアテクノロジー(伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、コーティング技術、トルク技術)を主体とした、高度で独自性の高い素材加工技術を備えております。また、これらの技術に加え、原材料から製品までの一貫生産体制を構築することにより、当社独自の素材及び機能を有した製品の開発・製造が可能となっております。これは、医療機器分野以外に、産業機器分野を有する当社グループならではの強みであり、医療機器分野での競合先との、コスト面・技術面における差別化を図る大きな要因となっております。
 これら当社グループの優位性をさらに強化するため、当社が創業当時から培ってきた「ステンレス加工技術」に関する研究開発活動を大阪R&Dセンターを中心に強化するとともに、ジーマ研究センターの「樹脂加工技術」と融合させることにより、さらなる競争力の強化を図ってまいります。

この他、米国の販売拠点である連結子会社ASAHI INTECC USA, INC.において、新たな研究開発拠点を設置し、試作レベルまでの対応を可能とし、より末端に近いドクターからのニーズ、評価をダイレクトに反映できる体制を構築しております。試作品対応を含めた研究開発体制のグローバル化により、現場力の強化を進めてまいります。
 また、グローバル競争に勝つために、技術提携やM&Aなどを駆使した外部からの新技術導入を含め、有力パートナーとの戦略的提携についても、推進していく所存であります。

 

(4) グループマネジメントの最適化

当社グループでは、現在、日本において研究開発・試作に特化する一方、量産品については原則として連結子会社ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.(タイ工場)、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.(ハノイ工場)及びTOYOFLEX CEBU CORPORATION(セブ工場)に生産移管しており、素材から完成品までの一貫生産が海外工場で実現できる体制が整っております。また、海外販売倉庫の拡充により、現地の末端需要にタイムリーに対応できる供給体制の構築を進めております。これらの体制を活用し、各生産拠点から全世界の取引先への直送体制をさらに強化するなど、原材料の調達から製造・流通・販売までの一連の流れを効率的に管理し、サプライチェーン全体の動きを最適化する体制を構築するとともに、全世界の需要先へのタイムリーな供給体制を構築し、販売機会ロスの解消に努めることにより、一層の高収益体制を確立し、利益の確保を目指してまいります。
 また、平成23年に発生したタイ洪水を契機として、事業継続計画(BCP)の観点からも生産拠点の分散化を図っております。当社グループの主力の量産機能は海外連結子会社ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.(タイ工場)及びASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.(ハノイ工場)に帰属しておりますが、先般のタイ洪水のような自然災害や、その他現地事情などにより、一方の工場が操業不能に陥った場合においても、もう一方の工場にて代替生産の大部分を担えるよう、両工場で同じ製品が製造できる体制の構築を進めております。また、現在は量産機能を有していない当社においても代替生産が可能な量産設備を保有することにも努めるとともに、平成25年9月に買収した連結子会社TOYOFLEX CEBU CORPORATION(セブ工場)について、産業機器分野のみならず、医療機器分野の生産も可能とする体制の構築を図っており、リスク管理を想定したグループ全体での生産拠点の最適化を図っております。

 

(5) 会社の支配に対する基本方針

 当社は、平成19年8月10日開催の当社取締役会において「当社株式の大規模買付行為への対応策」(以下「旧プラン」といいます。)を導入し、平成19年9月27日開催の当社第31回定時株主総会及び平成22年9月29日開催の当社第34回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき継続しておりますが、平成25年9月26日開催の第37回定時株主総会において株主の皆様のご承認を受け、旧プランの一部を変更(以下、変更後の対応策を「本プラン」といいます。)し、本プランとして継続いたしました。

①  当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案又はこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。しかしながら、近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大規模買付提案又はこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しております。
 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

②  基本方針の実現に資する取組み

当社グループは、研究開発型企業として、医療及び産業機器分野において、安全と信頼を基盤とする「Only One」技術や「Number One」製品を世界に発信し続けることにより、全てのお客様の「夢」を実現するとともに、広く社会に貢献していくことを企業理念としております。また特に、当社グループの医療機器分野事業は、主に、傷口が小さく痛みの少ない「低侵襲治療」の製品を開発・製造・販売しており、患者様の肉体的・精神的・経済的負担を軽減し、そして医療費抑制にも貢献できる、大変意義のある事業であると考えており、今後も、社会に貢献できる企業であり続けることで、社会からも市場からも評価される企業として、さらなる成長を遂げたいと考えております。
 当社は、昭和51年の創業以来、産業機器分野において極細ステンレスワイヤーロープの開発・製造・販売に注力し、国内トップシェアを確立してまいりました。平成3年には医療機器分野に進出し、平成4年には国内初の心筋梗塞の治療に使用される「循環器系治療用PTCAガイドワイヤー及びガイディングカテーテル」の製品化に成功、さらにはこれまで外科手術の領域とされておりましたCTO領域についても治療が可能な循環器系治療用PTCAガイドワイヤーの開発に成功するなど、現在では、当社製品の循環器系治療用PTCAガイドワイヤーは、国内市場においてトップシェアを確立するに至っております。このように当社が成長を続けてきた主な要因は、当社がこれまで長年に亘って蓄積し培ってまいりました「技術力」にあると当社は考えております。
 これら「技術力」の源泉である主な技術内容は、伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、トルク技術、コーティング技術の4つのコアテクノロジーで構成されており、これらの技術をベースに原材料から製品までの一貫生産体制が可能となっていることが当社の強みと考えております。これらコアテクノロジーの中でも他社には無い技術として「トルク技術」があります。この技術は独自の高い技術と加工設備を駆使し、ステンレスに高度な回転追従性を持たせる技術であり、このトルク技術により高い優位性を持つPTCAガイドワイヤーの製品化が可能となっております。また素材から完成品まで自社内で対応できるという強みは、当社が産業機器分野を有していることから可能となっており、ドクターからの高い要望に対しても素材レベルから対応が可能となっております。

このような強みを元に、当社は平成26年7月から平成30年6月までの4年間における中期経営計画として『Global Expansion 2018』を掲げ、「低侵襲治療製品を機軸とし、開発から製造・販売までトータルサポートできるグローバル医療機器企業へ」をテーマとして、平成30年6月期までに連結売上高400億円を達成することを目指しております。

新中期経営計画の実現は、上記に記載いたしました当社の「技術力」の上に成り立つものであり、不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為が行われる場合、当社の技術を支えている優れた技術者や、技術の内容そのものが離散するリスクが生じ、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れがあると考えております。

これら中長期的視野に基づく経営こそが、当社への信頼を高め、ひいては当社の企業価値を安定的かつ持続的に向上させ、株主共同の利益の確保・向上に繋がるものと確信しており、また上記の取組みは、今般決定いたしました上記「① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」の実現に資するものと考えております。

 

③  基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

(a) 本プラン導入の目的

当社取締役会は、当社株式に対して大規模な買付行為等が行われた場合に、株主の皆様が適切な判断をするために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、以下の内容の大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして、不適切な者によって大規模な買付行為が為された場合の対応方針を含めた買収防衛策として、第37回定時株主総会における株主の皆様のご承認を頂き、旧プランの内容を一部変更し、本プランを継続することとなりました。

(b) 本プランの対象となる当社株式の買付

当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為とします。

(c) 独立委員会の設置

本プランを適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した組織として独立委員会を設置いたします。独立委員会の委員は、3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役及び社外有識者(平成25年9月26日より社外取締役に就任)の中から、当社取締役会が選任します。

(d) 大規模買付ルールの概要

イ. 意向表明書の提出

大規模買付行為又は大規模買付行為の提案に先立ち、まず、当社代表取締役宛に、大規模買付ルールに従う旨の誓約及び以下の内容等を日本語で記載した意向表明書をご提出頂きます。

ロ. 大規模買付者からの情報の提供

当社は、上記イ.の意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大規模買付者に対し、株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために、取締役会に対して提供頂くべき必要かつ十分な情報のリストを交付します。大規模買付者には、当該リストの記載に従い、本必要情報を当社取締役会に書面で提出して頂きます。

ハ. 当社の意見の通知・開示等

当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了した日の翌日から起算して、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式を対象とする大規模買付行為の場合は最長60日間又はその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間として設定します。

(e) 大規模買付行為が実行された場合の対応

イ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合

当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該大規模買付行為についての反対意見の表明や代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するにとどめ、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。大規模買付者の買付提案に応ずるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮の上、ご判断頂くことになります。

ロ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合

具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、大規模買付行為に対抗する場合があります。

対抗措置を発動することについて判断するにあたっては、当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討した上で発動の是非について判断するものとします。

ハ. 対抗措置発動の停止等について

当社取締役会が具体的対抗措置を講ずることを決定した後に当該大規模買付者が大規模買付行為の撤回又は変更を行った場合等、対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の勧告を十分に尊重した上で、当該対抗措置の発動の停止等を行うことがあります。

(f) 買収防衛策の有効期間について

本プランの有効期間は、平成25年9月開催の第37回定時株主総会終結の時から平成28年9月開催予定の第40回定時株主総会終結の時までとします。

 

④  具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

本プランは、上記「③ (a) 本プラン導入の目的」にて記載したとおり、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応ずるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。

 

※本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成25年8月9日付「会社の支配に関する基本方針及び当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照下さい。

 

〔注釈説明〕

注:CTO(慢性完全閉塞)/
長期間完全に閉塞した状態の病変のことをいいます。従来は、このような病変は外科手術(バイパス手術)の領域でしたが、当社がCTOにも使用可能なPTCAガイドワイヤーの開発に成功したことから、現在国内においてはPTCA治療(循環器系における低侵襲治療)が主流となっております。

 

 

4 【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成27年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

①   医療機器分野について

(法的規制について)

当社グループの事業は、医薬品医療機器等法 及びそれに関連する厚生労働省令並びに米国食品医薬品局とEU当局 、そして中国政府等による諸規制を受けており、当社グループの関連する主な法的規制は次のとおりであります。

(a)医薬品・医療機器規制 関係

当社グループは、各種の医療機器及びその関連製品の開発・製造・販売を行うに際し、日本国内では医薬品医療機器等法及び医薬品医療機器等法施行令・医薬品医療機器等法施行規則により規制を受けております。この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医薬品及び医療機器の研究開発促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることが目的とされております。製造販売業者・製造業者は安全で有用な医療機器を提供する義務があり、そのため製品の安全性を確保し、それらの継続的な生産を保証するための品質システムとしてQMS(Quality Management System:品質マネジメント システム)などの体制を確立し、設計・生産から市販後に至るまでの管理が必要であります。これらを規制するのが医薬品医療機器等法になります。厚生労働省は、国際的な整合性や、科学技術の進歩、企業行動の多様化等、社会情勢の変化を踏まえ、医薬品・医療機器規制 制度について抜本的な見直しを行っており、具体的な項目内容には、医療機器のリスクに応じたクラス分類制度の導入、承認・許可制度の見直し、市販後安全対策の充実等が含まれており、当該法規制の変更等により、規制が強化された場合には、当社グループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。
 なお、過年度において、医薬品医療機器等法に関連し当社の承認、許可及び届出が認められない、あるいは取り消された事象はありませんが、今後、承認、許可及び届出が認められない場合、取り消された場合、あるいは遅延した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(b) MDD(Medical Device Directive / 医療機器指令)

欧州市場で医療機器を流通させる ためには、MDD(Medical Device Directive / 医療機器指令)に基づく要求事項を満たす必要があり、製造業者は定められた適合性評価基準に従わなければなりません。MDDに適合していることを証明するCEマーキングが製品に表示されていなければ欧州市場への流通が出来ず、またMDDの必須安全要求事項を満たすための品質システム(EN ISO 13485)の認証取得が条件となります。
 この法規制は、医療機器の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、CEマーキングが貼付された製品が欧州市場で自由に流通出来ることを目的としております。
当該法規制が変更若しくは強化され施行された場合には、当社グループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。
 なお、過年度において、MDDに関連し、認証されない、あるいは取り消された事象はありませんが、今後、認証されない場合、認証が取り消された場合、あるいは遅延した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 

(c)FFDC法(The Federa1 Food,Drug and Cosmetic Act / 連邦食品・医薬品・化粧品法)

米国市場で医療機器を流通させるためには、FFDC法(The Federal Food,Drug and Cosmetic Act / 連邦食品・医薬品・化粧品法)に基づき、品質、有効性及び安全性確保が必要になります。この法律は、食品、食品添加物、医薬品、医療機器、化粧品等の規制を目的としており、米国輸出に際して、必須安全要求事項を満たすためのQSR(Quality System Regulation)体制を整備する必要があります。当該法規制等が変更若しくは強化され施行された場合には、当社グループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。

なお、過年度において、FFDC法に関連し、登録、認可が認められない、あるいは取り消された事象はありませんが、今後、登録、認可が認められない場合、取り消された場合、あるいは遅延した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(d) 医療機器監督管理条例

中国市場で医療機器を流通させるためには、医療機器監督管理条例に基づき、品質、有効性及び安全性の確保が必要になります。医療機器監督管理条例の下に、医療機器の分類、登録、生産監督、経営許可、品質管理システムの審査、ラベリング等に関する規則が定められており、中国国内において医療機器の販売及び使用を行うにあたっては、SFDA(State Food and Drug Administration /国家食品薬品監督管理局)の 審査を経て、「医療機器登録証」を取得する必要があります。当該法規制等が変更若しくは強化され施行された場合には、当社グループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。
 なお、過年度において、医療機器監督管理条例に関連し、登録、認可が認められない、あるいは取り消された事象はありませんが、今後、登録、認可が認められない場合、取り消された場合、あるいは遅延した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(医療制度改革について)

当社グループはグローバル規模にて販売を行っておりますが、日本を含め世界各国では医療制度改革が進められております。今後、予想を超える大規模な医療制度改革が行われた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 また国内では、高齢化の急速な進展等に伴う国民医療費抑制策及び内外価格差問題の解決として、医療制度改革が進められております。平成15年4月に特定機能病院において診療報酬包括制が導入されたほか、平成14年4月より隔年で保険償還価格の引下げが実施されております。医療制度改革の動向により販売価格が下落する等の影響があった場合は、当社グループの業績も悪影響を受ける可能性があります。 

(品質管理体制について)

当社グループは、人命に係わる高度な技術を要する医療機器を取り扱うことから、社内において徹底した品質管理体制を確立しておりますが、特異な要因による不良品の発生や、臨床現場での不適切な取扱いの可能性は完全に否定出来ません。医療事故が発生した場合には、製造物責任により、係争事件等に発展する可能性があります。また医薬品・医療機器規制 により、関連する製品の回収責任が生じる事も予測されます。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(特定製品への依存について)

当社グループの主力製品であるPTCAガイドワイヤーの、当連結会計年度における連結売上高は135億2百万円となっており、連結売上高に占める比率は38.2%と依存度が高く、従ってPTCAガイドワイヤーの売上動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(技術革新への対応について)

医療機器市場では、技術の変革は著しく速く、企業が成長を続けるためには、新技術・新製品の研究開発は必須であります。当社グループにおいても、研究開発型企業として研究開発活動に注力しておりますが、現行の検査及び治療方法を革新する新技術が開発され、当社グループの対応が遅れた場合、あるいは他社から極めて優良又は革新的な製品が販売された場合には、当社グループの提供する製品が陳腐化し、その結果、当社グループシェアが低下する可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②  産業機器分野について

(客先仕様である事について)

当社グループの産業機器分野の製品は、OA機器、自動車、建築、漁業、レジャー等広範囲にわたって使用されております。今後も新素材及び新製品の開発体制の充実を図り、新規分野の需要開拓に注力する所存ですが、大半が客先仕様に基づく部材レベルの製品であるため、客先の仕様変更等により当社グループの製品に替わる他社の製品が採用された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(競合状況について)

当社グループの産業機器分野の新たな競合先として、近年、韓国・中国等のメーカーが存在しております。
 当社グループは、新素材及び新製品の開発体制の充実を図り、新規分野の需要開拓に注力する所存ですが、これらの競合先メーカーが、当社グループと同品質で、なおかつ低価格の製品を供給できる体制に成長した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

③  各事業共通事項について

(海外事業展開について)

当社グループは現在、世界100を超える国と地域へ製品を供給しており、当連結会計年度の連結売上高に占める海外売上の割合は54.0%となっておりますが、今後、当社グループがさらに飛躍するために、海外販売をより積極的に展開する方針であり、今後は需要拡大に備え、海外生産拠点の強化・拡充を引続き進めていく所存であります。当社グループが引続き成長を続けるためには、新たな市場における販売ルートの確立や設備投資を引続き慎重に進めていく所存ですが、海外環境の動向等により、海外事業が計画どおりに展開されない可能性があります。仮にこのような事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(海外生産への依存について)

当社グループは、日本国内施設は主に研究開発拠点と位置付ける一方、連結子会社のASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.及びTOYOFLEX CEBU CORPORATIONは重要な生産拠点として位置付け、現在、量産品については、原則として当該連結子会社に生産移管しております。
 一番の主力の生産拠点であるASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.より、第二の生産拠点であるASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.に継続的に生産移管を行い、また今後は第三の生産拠点であるTOYOFLEX CEBU CORPORATIONにおいても医療機器分野の生産を可能にする体制構築を進めるなどし、リスク分散を図ってまいりますが、これら3つの連結子会社が洪水、地震等の天災や政治、経済、法律、文化、ビジネス慣習、労働力不足や労働賃金水準の上昇、その他様々な現地事情等により操業低迷や不能に陥った場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(原材料価格の高騰について)

当社グループが製造する製品の多くは、原材料の一部に、ステンレス及びプラチナを使用しております。売上高に対しての原材料比率は比較的低いものの、これら原材料の価格の高騰が予想を上回る状況で進行した場合、特にプラチナ価格の高騰については、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 

(知的財産権について)

当社グループは製品の開発・製造・販売に関し、知的財産権の確保に努めておりますが、他社から当該権利を侵害される可能性が無いとは言えず、当該権利期間経過後は、他社による同一製品の新規参入の可能性も予測されます。
 また、製品に関連し得る他社の知的財産権の侵害防止に努めておりますが、万一、侵害の事実が発生した場合は、係争事件に発展することも含めて、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(自然災害や大規模災害等について)

当社グループはグローバル規模にて販売を行っております。当社グループが事業を展開している地域において、自然災害、病気、感染症、戦争、テロ等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④  全社的な事項について

(為替リスクについて)

当連結会計年度の連結売上高に占める海外売上の割合は54.0%であり、その大半が米ドル建てとなっております。一方、当社グループの主要な生産拠点はタイ及びベトナムにあり、連結子会社のASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.(タイバーツ建決算)及びASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.(米ドル建決算)との取引は、原則的に全て円建てで取引をしております。したがって、為替が円高米ドル安タイバーツ安に進んだ場合、海外売上高の円換算額が目減りするとともに、タイ及びベトナムの連結子会社の業績変動を通じて主に売上原価等の円換算額が減少します。また逆に、為替が円安米ドル高タイバーツ高に進んだ場合、海外売上高の円換算金額が増加するとともに、タイ及びベトナムの連結子会社の業績変動を通じて売上原価の円換算額が増加いたします。米ドルとタイバーツが連動すれば、為替変動によるメリット・デメリットは概ね相殺されますが、円に対し米ドル安タイバーツ高に進んだ場合には収益が圧迫されるなど、当社グループの業績にマイナスの影響を与える可能性があります。

また、前述の通り米ドルの流入量が多く、タイ及びベトナムの連結子会社においては円の流入量が多いため、急激な為替相場の変動時には、これらの決算通貨への交換時に発生する為替差損益が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(保有株式に関するリスクについて)

当社は、原則として、取引先や業務提携先とのさらなる事業発展やシナジー効果等を目的として、市場性のある株式を保有しております。したがって、将来、株式相場の悪化や投資先の業績不振等により、大幅な株価下落が発生した場合には、保有株式に減損が発生し、当社の業績と財務状況に影響を与える可能性があります。

(企業買収に関するリスクについて)

当社グループは、主に研究開発及び製造の分野において、技術提携、業務提携、資本提携など、他社との提携又は買収を実施する可能性があります。これらの提携又は買収などにあたり、当社グループは、当該企業の財務内容や契約内容などについてデューデリジェンスを行い、事前にリスク回避するように努めておりますが、事業環境の急激な変化など、不測の事態が生じる場合、当社グループの事業展開、経営成績などに影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 販売契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

朝日インテック㈱

アボット
ラボラトリーズ社

米国

PTCAガイドワイヤーの米国・カナダにおける独占販売代理店契約

自  平成22年7月14日
至  平成30年6月30日

朝日インテック㈱

テルモ㈱

日本

ミニガイドワイヤーの取引基本契約

自 平成25年11月1日

至 平成26年11月1日

以降1年ごとに自動更新

 

 

 

6 【研究開発活動】

研究開発型企業である当社グループは、創業時より研究開発活動を経営の重要項目の1つとして位置付けております。

当社グループは、4つのコアテクノロジー(伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、コーティング技術、トルク技術)を主体とした、高度で独自性の高い素材加工技術を備えることに加えて、原材料から製品までの一貫生産体制を構築することによって、当社独自の素材及び機能を有した製品の開発・製造が可能となっております。

これは、同業他社ではあまり見られない医療機器分野と産業機器分野の技術循環、日本の研究開発拠点と海外の生産拠点との技術連携など、当社グループならではの強みであります。また、これら当社独自の機能を生かし、近年では、医療現場での豊富な経験を持つ各分野におけるトップドクターとの共同研究開発体制を強化しており、医療現場に密着した製品開発を展開しております。これらの融合が、医療機器分野での競合先との差別化を図り、競争優位性のある製品を供給し続けている大きな要因にもなっております。

今後も、当社グループのOnly One技術の発展と、それに伴うお客様のNumber Oneの実現を目指し、研究開発活動を進めてまいります。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費用の総額は、32億30百万円であります。

セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(メディカル事業)

ガイドワイヤー分野、カテーテル分野共に、循環器系製品のさらなる進化に向けた取組みを継続するとともに、非循環器領域での製品群の拡充と強化に取り組んでまいりました。
 当社が最も強みを持つガイドワイヤーの分野においては、循環器系のPTCAガイドワイヤーや末梢血管系のペリフェラルガイドワイヤーの開発に注力いたました。ペリフェラルガイドワイヤーについては、「Gladius(グラディウス)、Halberd(ハルバード)」の5種の同時開発を進め、当連結会計年度において5種同時に販売開始することを可能にいたしました。本製品は、当社主力製品であるPTCAガイドワイヤーで培った当社独自である「SION(シオン)技術」の横展開に加え、末梢血管特有の長く硬い狭窄病変への対応を可能にするなど、臨床現場の幅広いニーズに応えるよう開発された製品であります。また、PTCAガイドワイヤーについては、「SION(シオン)技術」の横展開によるラインナップの拡充により、サポート性能に優れた「SION blue ES」を新たに開発いたしました。本製品は、バルーンカテーテルやステントなどを併用する際のサポート性を向上させた新しいタイプのPTCAガイドワイヤーであります。
 また、カテーテル領域の分野においては、貫通カテーテルや腹部血管系のマイクロカテーテル、脳動脈瘤治療用ガイドワイヤーの開発に注力いたしました。循環器系の貫通カテーテル「Caravel(カラベル)」につきましては、狭窄部での通過性や血管への追従性の向上を目指した改良品を開発いたしました。マイクロカテーテル「Tellus C3(テルスシースリー)」及び「Veloute C3(ベルテシースリー)」は、臨床現場のニーズを受け、より低侵襲な腹部血管治療に特化した製品として開発いたしました。また、脳動脈瘤治療用ガイドワイヤー「CHIKAI 315 EXC(チカイサンイチゴイーエックスシー)」は、複雑・煩雑な機器交換を必要とする手技の簡便化を図るために開発いたしました。
  OEM関連製品につきましては、国内外の医療機器メーカーと製品開発を進めております。当連結会計年度においては、大手医療機器メーカーとの協業によりFFR(冠血流予備量比)測定用ガイドワイヤーやロータワイヤー主要部品の共同開発などを推進いたしました。
 当事業では引き続き、医療現場での豊富な経験を持つ各分野のトップドクターとの共同研究開発体制を強化し、当社独自の技術を活用することにより、医療現場に密着した製品開発を展開を進めてまいります。

当連結会計年度における研究開発費は、26億21百万円であります。

 

 

(デバイス事業)

医療部材につきましては、当社独自の高機能部材である中腔のケーブルチューブ「ACT ONE(アクトワン)」や、トルク伝達性、高速度回転駆動や細く強度が高いトルクコイル・ドライブケーブル、高張力の高いハイテンションワイヤーロープなどが高く評価されており、今後もより多くの高性能医療機器への採用に向けて製品開発を行ってまいります。当連結会計年度は、これらの医療部材について、海外大手医療器具メーカーへの量産納品が開始された他、国内大手医療器具メーカーの細径内視鏡にも採用されるなど、前連結会計年度から引き続き、使用用途は拡大傾向にあります。米国の医療機器ベンチャー企業や国内外の大手医療機器企業からの開発依頼案件が増加しており、今後におきましても、これらの対応に向けて、研究開発活動を強化してまいります。
 また、当連結会計年度は、メディカル事業のペリフェラルガイドワイヤー「Gladius(グラディウス)、Halberd(ハルバード)」用の極細径「ACT ONE(アクトワン)」の開発・生産を行うなどしており、メディカル事業における自社ブランド品の新製品開発に、当事業の技術開発力が寄与しております。
 産業部材につきましては、当社オリジナル製品である「シンクロメッシュロープ」が、国内大手空調機メーカーに採用された他、海外大手メーカーのシューズ用レースシステム(機械式に靴紐を締めたり緩めたりする機構)用の新規ワイヤーロープの設計、試作に対応しており、今後のさらなる増加が期待されています。
 当事業では引き続き、当社のコアテクノロジーを進化させるとともに、レーザー加工技術開発(溶接接合技術、精密切断技術)、整形外科分野向けの高トルクケーブル、樹脂チューブと形状付け金属線を組み合わせたコイルチューブなどの新たな取り組みを行うなどし、様々な分野で採用して頂ける高機能・高付加価値の技術・製品の開発を行ってまいります。

当連結会計年度における研究開発費は、6億8百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成27年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。

(1) 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析

(財政状態)

当連結会計年度末の資産につきましては、総資産額が510億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ80億82百万円増加しております。主な要因は好調な売上に伴い、現金及び預金が39億88百万円増加したこと、たな卸資産が19億27百万円及び固定資産が26億53百万円それぞれ増加したことによるものであります。

負債につきましては、負債合計額が184億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億26百万円増加しております。主な要因は、支払手形及び買掛金が2億34百万円、未払法人税等が6億50百万円及び繰延税金負債が3億41百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。

純資産につきましては、純資産合計額が325億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ68億55百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金が47億21百万円、為替換算調整勘定が19億41百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

(経営成績)

当社グループは、当連結会計年度からスタートした中期経営計画『Global Expansion 2018』において、2018年(平成30年)6月期に売上高400億円を達成することを目標に、「グローバル規模での収益基盤の強化」「患部・治療領域の拡大と製品ポートフォリオの拡充」「素材研究・生産技術の強化によるイノベーション創出」「グループマネジメントの最適化」を経営戦略に掲げ、企業価値向上に取り組んでおります。
 その実現に向けた施策として、当連結会計年度においては、新製品として日本市場において貫通カテーテル「Caravel(カラベル)」やペリフェラルガイドワイヤー「Gladius(グラディウス)」「Halberd(ハルバード)」「Gaia PV(ガイアピーブイ)」を販売開始したほか、初期製品設計試作対応のための米国での開発拠点の新設、ボストン・サイエンティフィック社とのFFR測定用ガイドワイヤー及びロータワイヤーに関する業務提携、有限会社明泉の全株式の取得、非連結子会社のTOYOFLEX(H.K.)CO.,LIMITED及び東洋精密工業(恵州)有限公司の譲渡などを実施いたしました。
 今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。
 当社グループの当連結会計年度における売上高は、メディカル事業及びデバイス事業共に引き続き好調に推移し、353億23百万円(前年同期比25.5%増)となりました。
 売上総利益は、好調な売上高に比例し、222億11百万円(同24.0%増)となりました。
 営業利益は、研究開発費や直接販売への切替えなどに伴う営業関係費用の増加により、販売費及び一般管理費が増加したものの、好調な売上高に比例し、79億76百万円(同33.0%増)となりました。
 経常利益は、為替差益の増加などにより、83億99百万円(同37.7%増)となりました。
 当期純利益は、前連結会計年度における負ののれん発生益の計上があったものの、前年同期比33.7%増の58億28百万円となりました。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループを取り巻く事業環境に関連して経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2  事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

(3) 資金の財源及び資金の流動性の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、133億44百万円(前年同期比22.2%増)となっております。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動により得られた資金は、66億66百万円(前年同期比16億50百万円増)となりました。これは主に、売上債権が3億96百万円増加、たな卸資産が12億2百万円増加、仕入債務が1億98百万円減少したことに加え、法人税等の支払額が18億36百万円であったものの、税金等調整前当期純利益が83億59百万円、減価償却費が19億59百万円であったことによるものであります。

投資活動により使用した資金は、32億49百万円(前年同期比21億24百万円増)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入が4億46百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が35億54百万円、無形固定資産の取得による支出が3億2百万円であったことによるものであります。

財務活動により使用した資金は、13億11百万円(前年同期比16億9百万円減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が22億円であったものの、長期借入金の返済による支出が24億5百万円、配当金の支払額が10億92百万円あったことによるものであります。

 

(キャッシュ・フロー指標のトレンド)

回次

第35期

第36期

第37期

第38期

第39期

決算年月

平成23年6月

平成24年6月

平成25年6月

平成26年6月

平成27年6月

自己資本比率(%)

60.8

52.2

59.6

59.9

63.8

時価ベースの自己資本比率(%)

118.8

121.0

210.9

310.3

527.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.9

10.9

2.6

2.0

1.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

46.4

11.6

66.4

99.2

170.0

 

(注) 1  自己資本比率:自己資本/総資産

2  時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

3  キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

4  インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

5  各指標は、連結ベースの財務数値より計算しております。

6  営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。