第2【事業の状況】

 

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当社グループは、現在進行している中期経営計画『Global Expansion 2018』において、「グローバル規模での収益基盤の強化」「患部・治療領域の拡大と製品ポートフォリオの拡充」「素材研究・生産技術の強化によるイノベーション創出」「グループマネジメントの最適化」を経営戦略に掲げ、企業価値向上に取り組んでおります。
 その実現に向けた施策として、当第3四半期連結累計期間では、国内市場にて、循環器系領域の高耐圧用PTCAバルーンカテーテル「NC-KAMUI(エヌシーカムイ)」や、新たな事業領域分野である胆管・膵管・消化管分野の内視鏡ガイドワイヤー「M-ThroughTM(エムスルー)」などを販売開始いたしました。また海外市場では、日本市場で既に販売し高い評価を得ております製品群の展開を進め、欧州では循環器系領域の貫通カテーテル「Caravel(カラベル)」「Corsair Pro(コルセアプロ)」、PTCAガイディングカテーテル「Hyperion(ハイペリオン)」を米国では、循環器系領域の貫通カテーテル「Corsair Pro(コルセアプロ)」などを販売開始いたしました。また、中国市場では、循環器系領域の製品群について、複数代理店に販売する方式に販売戦略を変更いたしました。また、平成30年7月竣工を目処に当社瀬戸工場(愛知県瀬戸市)の敷地内に、研究開発環境の充実を主たる目的として本社移転も視野に入れた新社屋を建設することや、当社グループの金型・射出成形などの精密加工技術の開発の中心拠点として、平成30年7月頃を目処に新たに「東北R&Dセンター」を設立することを決定いたしました。
 今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。
 当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は、為替動向及び医療償還価格の下落などの外部要因影響があるものの、メディカル事業の海外売上高を中心に引き続き需要が堅調に推移し、315億79百万円(前年同期比4.1%増)となりました。
 売上総利益は、好調な受注と生産性の向上などに伴い売上総利益率が上昇し、212億98百万円(同6.5%増)となりました。
 営業利益は、研究開発費や海外市場における販売・マーケティングの強化に伴う営業関係費用の増加により、販売費及び一般管理費が増加したものの、94億34百万円(同6.2%増)となりました。
 経常利益は、固定資産売却益が減少した一方、為替差益が増加し96億47百万円(同10.5%増)となりました。
 親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損失に投資有価証券評価損を計上したものの、65億73百万円(同4.4%増)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間における外国為替レート実績は、下記となります。
 1米ドル=108.31円(前年同期119.41円、比9.3%減)
 1タイバーツ=3.09円(前年同期3.34円、比7.5%減)
 1ユーロ=117.64円(前年同期132.00円、比10.9%減)
 1中国元=15.95円(前年同期18.54円、比14.0%減)

 

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

(メディカル事業)

メディカル事業は、為替動向及び医療償還価格の下落の外部要因影響があるものの、国内・海外市場ともに需要は堅調であり、順調に推移いたしました。
 国内市場においては、平成28年4月の医療償還価格の引下げによる影響を受けたものの、循環器系領域の貫通カテーテルが新製品「SASUKE (サスケ)」を中心に大きく伸張し、増加いたしました。
 海外市場においては、為替影響を受けたものの、循環器系領域のPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテル及び末梢血管系領域のペリフェラルガイドワイヤーの取引が好調な為、売上高は増加いたしました。なお、中国市場の循環器系領域の製品は、平成28年7月より複数代理店に販売する方式に販売戦略を変更したことから、受注数量が大幅に増加し、順調に推移しております。
 以上の結果、売上高は251億48百万円(前年同期比5.2%増)となりました。
 また、セグメント利益は、研究開発費及び営業関係費用の増加により販売費及び一般管理費が増加したものの、売上高の増加と売上総利益率の上昇などにより、88億8百万円(同4.0%増)となりました。

 

(デバイス事業)

デバイス事業は、医療部材及び産業部材の売上高が共に横ばいに推移いたしました。
 医療部材については、為替影響や米国向け腹部血管系カテーテル部材取引により減少したものの、アジア向け内視鏡処置具部材の受注が増加するなどし、売上高は横ばいに推移いたしました。
 産業部材につきましては、為替影響や米国向けレジャー取引などの減少があるものの、国内の建材関係の取引が増加したことなどにより、売上高は横ばいに推移いたしました。
 以上の結果、売上高は64億30百万円(前年同期比0.3%減)となりました。
 また、セグメント利益は、セグメント間取引の増加や売上総利益率の上昇などにより、20億75百万円(同10.0%増)となりました。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

(会社の支配に対する基本方針)

① 会社の支配に関する基本方針

上場会社である当社の株式は株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案又はこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。しかしながら、近年わが国の資本市場においては、一方的に大規模買付提案又はこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しております。
 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

 

② 基本方針の実現に資する取組み

当社は、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に向上させるために、以下の取組みを実施しています。

ⅰ.経営理念

当社グループは、研究開発型企業として、医療及び産業機器分野において、安全と信頼を基盤とする「Only One」技術や「Number One」製品を世界に発信し続けることにより、全てのお客様の「夢」を実現すると共に、広く社会に貢献していくことを企業理念としております。また特に、当社グループの医療機器分野事業は、主に、傷口が小さく痛みの少ない「低侵襲治療」の製品を開発・製造・販売しており、患者様の肉体的・精神的・経済的負担を軽減し、そして医療費抑制にも貢献できる、大変意義のある事業であると考えており、今後も、社会に貢献できる企業であり続けることで、社会からも市場からも評価される企業として、更なる成長を遂げたいと考えております。

ⅱ.当社の強みと企業価値の源泉

当社は、昭和51年の創業以来、産業機器分野において極細ステンレスワイヤーロープの開発・製造・販売に注力し、国内トップシェアを確立して参りました。平成3年には医療機器分野に進出し、平成4年には国内初の心筋梗塞の治療に使用される「循環器系治療用PTCAガイドワイヤー及びガイディングカテーテル」の製品化に成功、更にはこれまで外科手術の領域とされておりましたCTO領域についても治療が可能な循環器系治療用PTCAガイドワイヤーの開発に成功するなど、現在では、当社製品の循環器系治療用PTCAガイドワイヤーは、国内市場においてトップシェアを確立するに至っております。このように当社が成長を続けてきた主な要因は、当社がこれまで長年に亘って蓄積し培って参りました「技術力」にあると考えております。
 これら「技術力」の核となる主な技術内容は、伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、トルク技術、樹脂コーティング技術の4つのコアテクノロジーで構成されており、これらの技術をベースに原材料から製品まで一貫生産できることが当社の強みです。また、素材から完成品まで自社内で対応できるという強みは、当社が産業機器分野を有しているからであり、これにより、医師などユーザーのニーズに対応した製品の開発・提供をスピーディに実施することが可能になります。
 研究開発・製品開発を担う人材、あるいはそこに的確なニーズを還元する営業・マーケティング体制・仕組みは当社の企業価値を高めていく上で特に重要です。これらは当社経営陣の求心力・迅速な意思決定力、企業風土・カルチャー、ステークホルダー間の有機的なバランスがあってこそ、その効果が極大化されるものと考えます。

ⅲ.今後の経営方針と経営実績の振り返り

a.長期経営ビジョン

当社は、「低侵襲治療製品の普及を日本から世界へ積極的に発信し、全世界の患者様のQOL(Quality of Life)を高めると同時に、全世界での『ASAHIブランド』の確立を図る」という経営ビジョンを定め、長期的な目標として連結売上高1,000億円を掲げています。

b.中期経営計画

当社は平成26年8月に、中期経営計画「Global Expansion 2018」を策定しました。本計画では以下4つの基本方針を定め、販売・開発・生産のそれぞれの分野における「グローバル化」を更に加速させることにより、グローバル市場における当社のプレゼンスを強化し、企業価値を一段と向上させることを企図しております。本計画では平成30年6月期の連結売上高目標を400億円としておりますが、平成28年6月期に2年前倒しで、ほぼその水準を達成しております。長期的な目標の1,000億円に繋げる新たな中期経営計画につきましては、現在、取引先との条件協議等を進めており、然るべきタイミングで公表することを予定しております。
 なお、当社製品の限界利益率を踏まえると、売上の伸長に伴い、利益や資本効率性も向上する構造にあると考えておりますので、当社は経営の主要パフォーマンス指標(KPI)として売上高を据えております。また、当社は製品の競争優位性の向上や競争優位の持続期間をいかに長期化させるかといった定性的な観点を重視した経営を行っており、経営方針や事業戦略について、ホームページ等で極力詳細な開示に努めておりますので、この点も併せてご理解賜りたく存じます。

 

〔基本方針〕

1.グローバル規模での収益基盤の強化
2.患部・治療領域の拡大と製品ポートフォリオの拡充
3.素材研究・生産技術の強化によるイノベーション創出
4.グループマネジメントの最適化

ⅳ.コーポレートガバナンスの強化に向けた取り組み

当社は、コーポレートガバナンスの強化を経営の重要課題の1つとして位置づけ、経営の透明性の向上と監督機能の強化、企業価値向上に向けた適切なインセンティブ付けに取り組んできました。平成17年より長期業績連動報酬として自社株取得目的報酬制度を導入し、平成21年よりストックオプション制度をスタートさせました。また、平成25年から複数の社外取締役を選任しております。
 当社は、平成28年9月28日開催の第40回定時株主総会において定款の一部を変更し、監査等委員会設置会社に移行しており、取締役全12人中4人(構成比33.3%)が独立した社外取締役となり、取締役会の独立性は一段と向上しております。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

(a)本プラン導入の目的

当社取締役会は、当社株式に対して大規模な買付行為等が行われた場合に、株主の皆様が適切な判断をするために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、以下の内容の大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして、不適切な者によって大規模な買付行為が為された場合の対応方針を含めた買収防衛策として、本プランを継続することとなりました。

(b)本プランの対象となる当社株式の買付

当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為とします。

(c)独立委員会の設置

本プランを適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した組織として独立委員会を設置しております。独立委員会の委員は、3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役及び社外有識者の中から当社取締役会が選任します。

(d)大規模買付ルールの概要

イ.意向表明書の提出

大規模買付行為又は大規模買付行為の提案に先立ち、まず、当社代表取締役宛に、大規模買付ルールに従う旨の誓約及び以下の内容等を日本語で記載した意向表明書をご提出頂きます。

ロ.大規模買付者からの情報の提供

当社は、上記イ.の意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大規模買付者に対し、株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために、取締役会に対して提供頂くべき必要かつ十分な情報のリストを交付します。大規模買付者には、当該リストの記載に従い、本必要情報を当社取締役会に書面で提出して頂きます。

ハ.当社の意見の通知・開示等

当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了した日の翌日から起算して、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式を対象とする大規模買付行為の場合は最長60日間又はその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間として設定します。

(e)大規模買付行為が実行された場合の対応

イ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合

当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該大規模買付行為についての反対意見の表明や代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するにとどめ、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。大規模買付者の買付提案に応ずるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮の上、ご判断頂くことになります。

ロ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合

具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、大規模買付行為に対抗する場合があります。

対抗措置を発動することについて判断するにあたっては、当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討した上で発動の是非について判断するものとします。

ハ.対抗措置発動の停止等について

当社取締役会が具体的対抗措置を講ずることを決定した後に当該大規模買付者が大規模買付行為の撤回又は変更を行った場合等、対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の勧告を十分に尊重した上で、当該対抗措置の発動の停止等を行うことがあります。

 

(f) 買収防衛策の有効期間について

本プランの有効期間は、平成28年9月開催の第40回定時株主総会終結の時から平成31年9月開催予定の第43回定時株主総会終結の時までとします。

 

④  具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

本プランは、上記「③(a)本プラン導入の目的」にて記載したとおり、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応ずるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。

 

※本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成28年8月10日付「会社の支配に関する基本方針及び当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照下さい。

 

(3)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、29億85百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(4) 主要な設備

新設、休止、大規模改修、除却、売却等について当第3四半期連結累計期間に著しい変動があった設備は、次のとおりであります。

① 新設

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

投資予定額(千円)

資金調達
方法

着手年月

完了予定
年月

完成後
の増加
能  力

総額
(千円)

既支払額
(千円)

朝日インテック㈱

新社屋

(愛知県瀬戸市)

メディカル事業

全社統括業務

建物

工具、器具及び備品等

4,500,000

― 

自己資金

平成29年

8月

平成30年

6月

(注)1

東北R&Dセンター

(青森県八戸市)

デバイス事業

土地、建物

機械装置等

1,200,000

自己資金

平成29年

4月

平成31年

6月

(注)2

 

(注)1 主に研究開発環境の充実を図る事を目的とし、本社移転を視野に入れた新社屋の建設であり、設備能力に大きな変更はありません。

2 既存のトヨフレックス株式会社(連結子会社)の精密加工技術開発を当社へ業務移管し、開発体制の充実を図るための新設であり、設備能力に大きな変更はありません。なお、設立は平成30年7月を予定しております。