文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは“SECURE THE FUTURE”をスローガンに、社会の安全・快適・エコロジーに貢献することを責務と考えております。これからも世界トップレベルの「開発力」「提案力」そして「総合力」を強みに、経営基盤の強化を進めてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、長年にわたり振動に係る試験装置や計測装置の開発・製造・販売を行い、また振動問題に対するコンサルティング等も実施することで、総合環境シミュレーション業界のリーディングカンパニーとして確固たる地位を確立しておりますが、さらなる事業成長と顧客満足の向上のために、グローバルな展開を行ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
来期以降も自己資本利益率(RОE)を10%以上で維持することを数値目標としております。また平成31年9月期の連結業績は、売上高12,000百万円、連結営業利益1,200百万円の計上を予想しております。
(4)経営環境
今後の経営環境につきましては、雇用や所得環境の改善傾向が続く中、緩やかな景気の回復は継続するものと期待されますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動等、世界経済が下振れするリスクが存在しているとみられます。
(5)事業上及び財政上の対処すべき課題
以下の8項目を重要課題として認識し、対応してまいります。
当社グループはパートナーを含めた生産技術の革新と計測技術の確立に取組み生産機能の強化を図っております。これにより製品品質を確保し、コスト競争力の強化とリードタイムの短縮を実現してまいります。
当社グループは重要部品を除く多くの部品を外注委託する生産形態をとっているため、パートナーも含めたサプライチェーン全体でのコストダウンが重要となります。設計段階からパートナーの意見を取り入れることで、低コストで効率的に生産可能な製品の設計に努めてまいります。
海外子会社及び海外駐在員事務所設立等により、当社グループにおいてもグローバル市場で活躍ができる人材の確保が課題となっております。そのため現有人員への語学教育や海外経験の豊富な人材のリクルート活動を強化してまいります。また、リーダーシップと積極性を兼ね備えた人材育成のため能力開発教育を積極的に行ってまいります。
振動試験・計測・解析分野における近未来的ビジョンを実現させるべく研究開発体制を強化し、内外の研究機関と連携した研究開発を推進してまいります。さらに、振動シミュレーションシステムとメジャリングシステムの研究開発機能を大阪に一元化することにより、相乗効果を追求した新たな製品開発を推進してまいります。
上場企業として、タイムリーに正確な情報を開示することに留まらず、今後要求される国際会計基準への対応準備や、保有資産の有効活用に係る戦略立案等のために管理部門の体制強化を図ります。
既存市場は成熟傾向にあるため、持続可能な成長のためには新規事業分野への展開が不可欠となっております。有力企業との提携等を通じて研究開発やマーケティングの機能を強化してまいります。
自動車関連業界を中心に生産体制だけでなく、開発体制も含めた海外シフトが進んでおります。当社グループの製品は研究開発段階で使用されることが多いため、今後は海外での売上が伸張していくものと想定しており、現地企業と共同で販売・サービス・生産体制の構築を進めてまいります。
⑧ 利益配当
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つと認識しており、将来の事業展開と経営体質の強化のために内部留保を確保しつつ、安定的かつ継続して配当を実施することを基本方針としております。
また内部留保資金につきましては、開発・製造体制強化のために設備投資や研究開発資金として活用し、経営基盤の強化と、より一層の事業発展のために有効活用してまいります。
以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループでは製品製造にあたり製品の心臓部にあたる部品や工程は、振動シミュレーションシステムについては連結子会社を含めた当社グループ工場、メジャリングシステムについては当社工場で内製化しており、また、当社工場において、外注委託先から仕入れた部品の受入検査、部品組立、出荷検査を行っております。内製化する必要がない部品・工程に関しては、外注先を積極的に活用する方針としており、当社が策定した設計に則りその多くを外注委託しております。当社は、原則、外注委託先を複数確保し、調達リスクの軽減に努めておりますが、仮に外注先からの調達に支障が生じるなどの事態が生じた場合においては、当社グループの納期管理や品質管理等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、平成27年11月に東京テストラボ上野原サイト高度試験センターを開設いたしました。さらに、当連結会計年度において、IMV TECHNO VIETNAM CO.,LTDの設立及び、日本高度信頼性評価試験センター開設に係る土地と建物の取得を行っております。これらの購入資金は金融機関等からの借入れによるものであり、今後の金利負担の増加要因となる可能性があります。
当社グループの売上高は、販売先の予算執行等の事情により、3月度及び9月度に集中する傾向があり、第2四半期及び第4四半期の業績が他の四半期に比し、上回る傾向にあります。今後、官公庁向けの販売比率の増加によっては、こうした傾向が強まる可能性もあります。また、大型案件を計上するタイミングによっては、月次変動要因となる可能性があります。なお、振動シミュレーションシステムの検収遅延等によっては、期ずれにより経営成績の変動要因となる可能性があります。
当社グループは、国内売上の比率が高く当連結会計年度において全体の約64%を占めております。このため、海外での売上拡大を積極的に進め、かつ国内においては次世代エネルギーや電気自動車等の新たな試験需要への対応を進めておりますが、既存の自動車産業等における内需の回復が想定よりも遅れた場合には、経営成績の変動要因となる可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、原油価格や人件費の上昇に伴うコスト増による下振れリスクがあるものの、堅実な雇用・所得情勢を背景に個人消費は回復し、企業の生産活動も堅調に推移しております。海外経済におきましては、米中貿易摩擦などの不透明さは残るものの、米国における減税効果や設備投資が好調であり、欧州でも製造・非製造業ともに企業業況は堅調さを維持しています。
このような環境の中、当社グループは、前連結会計年度にイギリスにて設立した1G DYNAMICS LIMITEDによるメンテナンスサービスの充実に加えて、自動車業界向け空冷式振動試験装置及び航空宇宙業界向け水冷式振動試験装置の世界最大級モデルを販売開始及びテストラボ導入を行う等、顧客獲得のための様々な取組みを進めてまいりました。
さらに東南アジア地域において、弊社主力製品である振動シミュレーションシステムの販売、メンテナンスサービス及び試験受託を充実させる目的で、今後成長が期待されるベトナムに子会社を設立する等、様々な取組みを進めてまいりました。
以上の結果、当社グループの売上高は11,044百万円となり、前連結会計年度と比べ146百万円の増収(対前年同期比1.3%増)となりました。しかしながら、利益面では人件費の増加や為替差益の減少等により経常利益は918百万円となり、前連結会計年度と比べ471百万円の減益(対前年同期比33.9%減)となりました。これらを受け、親会社株主に帰属する当期純利益は578百万円となり、前連結会計年度と比べて364百万円の減益(対前年同期比38.7%減)になりました。
当社グループは、ROEを主要な経営指標として採り上げ、株主重視の経営を推進しております。中長期の観点でROE10%以上の水準を意識し、経営資源を既存コア事業の拡大や新規事業の立ち上げに効率的に投入して収益性の向上に努めるとともに、資本効率のさらなる向上を目指しております。
当連結会計年度におけるROEは9.6%(前年同期比7.7ポイント減少)であり、目標である10%以上の水準を下回りましたが、引き続き当該指標の向上に取り組んでまいります。
品目別の営業の概況は次のとおりであります。
国内において、「ハイグレードタイプ振動試験装置Aシリーズ」の受注が伸長し、さらに、自動車関連業界及び鉄道業界を中心に温湿度・振動複合環境シミュレーションシステム及び多軸シミュレーションシステムの受注が堅調に推移しました。また、複合環境下での試験需要が高まった結果、複合環境シミュレーションシステムの出荷台数が非複合システム出荷台数を超える結果となりました。
海外においては、電気自動車関連の試験需要が旺盛であり、欧米及び中国向けに大型の振動シミュレーションシステムの売上が計上されました。また、東南アジア方面では自動車関連を中心に、現地での試験及び評価の機会が増え、中型クラスの温湿度・振動複合環境シミュレーションシステムの売上が増加しました。
しかしながら、前連結会計年度の一時的な受注低迷に伴う影響や、台風21号に伴う製品の浸水被害等により、この品目の売上高は8,096百万円(対前年同期比2.0%減)となりました。
EV化の流れを受けて、上野原高度試験センターにおける電池関連試験が大幅に伸長したことに加え、名古屋・大阪テストラボにおける自動車部品関連の試験が好調であった事から、各拠点の試験機稼働率が向上し、前連結会計年度を上回る結果となりました。
以上の結果、この品目の売上高は1,734百万円(対前年同期比9.3%増)となりました。
電力会社向け大型振動監視装置の受注が継続したことに加え、国内市場における振動計売上、及び海外市場における地震計売上が伸長したことにより、この品目の売上高は1,213百万円(対前年同期比15.5%増)となりました。
当社グループの事業は単一セグメントでありセグメント情報を記載していないため、品目別に記載しております。
当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べ383百万円減少し、1,374百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、34百万円のキャッシュが減少(前連結会計年度は1,201百万円増加)しました。これは、売上債権の増加807百万円、たな卸資産の増加408百万円及び法人税等の支払額486百万円の資金の減少要因が、税金等調整前当期純利益866百万円及び減価償却費477百万円等の資金の増加要因を上回ったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,917百万円のキャッシュが減少(前連結会計年度は696百万円減少)しました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,772百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,548百万円のキャッシュが増加(前連結会計年度は235百万円減少)しました。これは主に短期借入金の純増額1,300百万円及び長期借入れによる収入850百万円等の資金の増加要因が、長期借入金の返済による支出437百万円等の資金の減少要因を上回ったことによるものであります。
(1) 協同開発契約
当社は開発型企業として顧客のニーズに応えるべく、各装置において積極的に研究開発活動に取り組んでおります。継続的な新製品・新技術の研究開発活動には大別して振動試験技術と振動計測技術があります。当連結会計年度の研究開発費の総額は437百万円であります。
なお、当社グループの事業は単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、品目別に記載しております。
また、研究開発活動は当社が一括して行っているため、連結子会社においての研究開発活動は行っておりません。
主な研究開発テーマとその内容は以下のとおりであります。
新シリーズの開発を行い、現在の主力シリーズの機能、性能をさらにパワーアップさせるとともに、価格面での競争力を向上させた商品をリリースいたしました。これらに加えて、オプション群の開発、機能追加、耐久性向上をテーマとして取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は43百万円であります。
環境問題は、大きな電力を使用する振動シミュレーションシステムにとっても例外ではなく大きな課題であります。当社では、省エネ型振動シミュレーションシステムの開発に成功し、「エコシェーカー」として既に販売しており、その販売台数は年々増加の傾向をたどっておりますが、さらなる性能向上、機能の充実化に向けて開発を継続的に進めております。具体的には、電力増幅器の高効率化、静音性能の向上、IoT対応等を重点テーマとして取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は18百万円であります。
外部環境の変化に迅速に対応し、顧客ニーズにマッチした製品をタイムリーに提供することを目的として、弊社主力の振動制御器であるK2後継機の開発を進めております。具体的には、ネットワーク機能の強化、ユーザビリティーの向上等をテーマとして取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は62百万円であります。
地震が多発するわが国では、社会インフラの整備と平行して防災対策は重要な課題の一つであります。当社では、小型高精度化、加速度計測+計測震度への対応、実被害に対応したSI値計測+SI値警報、ISDN通信網からIP(LAN・WAN)対応等、地震計に求められる市場ニーズの変化に対応した地震計を開発し、クラウドを用いた地震情報の管理システムの開発改良を進めております。また、海外展開を念頭に英語化・CEの取得なども進めております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は50百万円であります。
国内の防爆規格の国際規格への準拠に伴う既存製品の見直しを行い、最新の仕様に対応した防爆のセンサの改良開発を実施いたしました。このことによりプラント等への監視計の提案に幅広く対応できるようになります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は30百万円であります。
産業用途向けのIoT(IIoT)へのニーズが高まる中、振動計測の要望も増えてきていることから、クラウド等との親和性が高い診断ユニットΛ-Vibroを開発いたしました。今後は市場からの要望を踏まえたアプリケーション開発を進め、さらなる機能アップに取り組む予定です。
当連結会計年度における研究開発費の金額は45百万円であります。
近年のMEMSを用いた加速度センサの性能向上には目を見張るものがあり、将来的な商品化を視野に技術調査に着手いたしました。加速度センサとしての試作・評価は翌期に実施していく予定です。また、東京電機大学との構造ヘルスモニタリングの共同研究も実施しており、継続的な要素技術の蓄積に努めております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は5百万円であります。