(1) 業績の状況
当第3四半期累計期間における我が国経済は、新興国経済の減速、米国の金融政策の正常化が進行する等の世界情勢の影響を受ける一方で、国内においては、雇用・所得環境の改善傾向が続き、原油価格下落の影響や各種政策の効果もあって緩やかな回復基調が続きました。
再生医療分野では、平成26年11月より医薬品医療機器等法及び再生医療等安全性確保法が施行されました。平成27年9月には、医薬品医療機器等法のもと、新たにヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞「テムセルHS注」とヒト(自己)骨格筋由来細胞シート「ハートシート」の2つの再生医療等製品が承認されました。ハートシートは、初の条件及び期限付承認です。更に、同年11月、テムセルHS注とハートシートの保険適用が承認され、自家細胞を使うハートシートには、組織採取時のAキット(採取・継代培養キット)と移植時のBキット(回収・調製キット)の2段階での保険償還価格が決定されました。これを受け、当社再生医療等製品である自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャックを含む自家細胞由来製品は、製造中に患者様が死亡する場合がある等の特性があるため、保険機能区分と償還価格が見直されることになりました。また、再生医療等安全性確保法のもと、愛知県蒲郡市では、平成27年7月に蒲郡市民病院が「特定認定再生医療等委員会」に認定されました。
このような状況の下、当社は再生医療製品事業において自家培養表皮、自家培養軟骨、自家培養角膜上皮等の開発を進めました。
自家培養表皮ジェイスは、平成21年1月に保険収載された我が国初の再生医療等製品であり、重症熱傷患者の治療を目的としています。ジェイスには保険適用に関し、「施設基準」や「算定限度」等の留意事項が付与されています。これら留意事項のうち算定限度に関しては、平成24年4月より一患者につき20枚から40枚に改定されました。当社は、主要な医療機関への販売促進に努めると同時に、重症熱傷治療におけるジェイスのより有用な使用方法について学会等を通じて啓蒙活動を行いました。当社のこれらの活動により、自家培養表皮による治療が医療現場において浸透してきました。当社は、7年次の使用成績等調査報告書を取り纏め、平成27年1月、再審査申請書を独立行政法人医薬品医療機器総合機構に提出しました。また当社は、ジェイスの適応拡大として、希少疾病用再生医療等製品の指定のもと、表皮水疱症及び先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした治験を進めました。このうち巨大色素性母斑については、医師主導治験にて実施されたものを企業主導治験として引き継ぎ、治験データのフォローアップを行いました。平成27年9月、治験が終了し、一部変更承認申請に向けて準備を進めています。
自家培養軟骨ジャックは、平成24年7月に厚生労働省により製造販売承認され、平成25年4月より保険収載された整形外科領域における再生医療等製品であり、適応対象は膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)です。ジャックには保険適用に関し、「施設基準」や「実施医基準」等の留意事項が付与されているため、当社は医療機関及び実施医への研修を積極的に進めました。平成27年12月末現在で、ジャックを使用できる医療機関(使用認定施設)は209施設となり、全都道府県で使用可能です。
自家培養角膜上皮は、平成26年11月に施行された医薬品医療機器等法のもとで治験を実施しています。平成27年3月、当社自家培養角膜上皮は、角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした希少疾病用再生医療等製品に指定されました。
研究開発支援事業である研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。平成25年7月に、ラボサイト エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験に関する試験法が、標準法の一つとして経済協力開発機構(OECD)の試験法ガイドラインTG439へ収載されました。また、同様にラボサイト角膜モデルでは、OECDが推進する眼刺激性試験の標準化を目指した共同研究を進めています。
当社は、平成26年11月に再生医療等安全性確保法が施行されたことに伴い、これまで再生医療製品事業により培ってきたノウハウを活用し、再生医療等の提供機関及び細胞培養加工製造事業者等に対するコンサルティング事業ならびに細胞培養受託事業を開始しました。平成27年10月、特定細胞加工物製造許可を取得し、医療機関等から細胞培養を受託する環境が整いました。また、平成27年8月、当社の働きかけの下、蒲郡市主催で「蒲郡再生医療産業化サミット」が開催され、再生医療の産業化に向けた目標や課題に関する討議を取りまとめた「蒲郡再生医療産業化サミット宣言」が採択されました。
こうした結果、当第3四半期累計期間における売上高は、956,535千円(前年同四半期比13.1%増)となりました。人員補強による人件費の増加及び生産設備の増設に伴う減価償却費の増加等により、損失は計上したものの、売上増加により損益は改善され、営業損失は727,318千円(前年同四半期は760,279千円の営業損失)、経常損失716,412千円(前年同四半期は755,891千円の経常損失)となり、四半期純損失は719,262千円(前年同四半期は758,741千円の四半期純損失)となりました。
なお、セグメント別では、再生医療製品事業の売上高は、892,531千円(前年同四半期比14.3%増)、研究開発支援事業の売上高は、64,004千円(前年同四半期比1.9%減)となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、239,525千円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
当第3四半期累計期間において、前事業年度の計画に基づき、以下のとおり主要な設備の新設が完了いたしました。
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事業所名 (所在地) |
セグメントの 名称 |
設備の内容 |
投資価額 (千円) |
資金調達 方法 |
完了及び 稼働年月 |
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本社 (愛知県蒲郡市) |
再生医療製品 事業 |
生産設備 |
613,809 |
自己資金 及び借入金 |
平成27.8 |