第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 業績の状況

 第1四半期会計期間より、委託研究機関からの助成金の対象となる費用について会計方針の変更を行っており、遡及適用後の数値で前年同四半期比較を行っております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照下さい。

当第2四半期累計期間における我が国経済は、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気下振れ、英国のEU離脱問題など、海外経済の不確実性の高まりといったリスクを背景に、株価下落と円高が加速するなど、先行き不透明な状況で推移しました。

再生医療分野では、平成26年11月より医薬品医療機器等法及び再生医療等安全性確保法が施行され、平成27年9月には、医薬品医療機器等法のもと、新たにヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞「テムセルHS注」とヒト(自己)骨格筋由来細胞シート「ハートシート」の2つの再生医療等製品が承認されました。ハートシートは、初の条件及び期限付承認取得した再生医療等製品です。更に、同年11月、テムセルHS注とハートシートの保険適用が承認され、自家細胞を使うハートシートには、組織採取時のAキット(採取・継代培養キット)と移植時のBキット(回収・調製キット)の2段階での保険償還価格が決定されました。これを受け、当社再生医療等製品である自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャックについても平成28年4月より保険機能区分が2つのキットに細分化され、対応する償還価格が見直されました。

このような状況の下、当社は、平成28年6月に代表取締役社長執行役員に富士フイルム出身の比留間愛一郎を選任しました。新たな経営体制の下、富士フイルムとの強いパイプを活かすとともに、経営会議の頻度を増やす等、執行力を強化しています。

当社は再生医療製品事業において自家培養表皮ジェイス及び自家培養軟骨ジャックの製造販売を進めました。また助成金等を活用しその他の製品開発を進めるとともに、受託事業において受託開発を進めました。

自家培養表皮ジェイスは、平成21年1月に保険収載された我が国初の再生医療等製品であり、重症熱傷患者の治療を目的としています。平成28年4月より、ジェイスの保険適用に関し、保険機能区分が①採取・培養キットと②調製・移植キットの2つに細分化され、償還価格がそれぞれ①4,380千円、②151千円/枚に改定されました。ジェイスは、重傷熱傷患者の治療を目的としているため、受注から製品が使用されるまでの間に、患者死亡等の理由で使用中止になることがあり、費用請求できないリスクを抱えていました。平成28年4月の保険機能区分の細分化により、製造を中止した場合でも、①採取・培養キットの請求が可能となりました。当社は、ジェイスの適応拡大として、希少疾病用再生医療等製品の指定のもと、先天性巨大色素性母斑の治療を目的として開発を進め、平成28年9月、再生医療等製品として初めて一部変更承認を取得しました。先天性巨大色素性母斑への適応拡大を通じて、ジェイスの売上増加を図っていきます。

自家培養軟骨ジャックは、平成25年4月より保険収載された我が国第2号の再生医療等製品であり、適応対象は膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)です。ジャックの保険機能区分についてもジェイス同様に細分化され、平成28年4月より、償還価格が①採取・培養キット879千円、②調製・移植キット1,250千円に改定されました。ジャックには保険適用に関し、「施設基準」や「実施医基準」等の留意事項が付与されているため、当社は医療機関及び実施医への研修を進めました。平成28年9月末現在、ジャックを使用できる医療機関(使用認定施設)は236施設となっており、全都道府県で使用可能です。また当社は、医療従事者への啓蒙活動だけでなく、一般の患者様向けにも、本移植術を受けたプロサッカー選手を起用した特設サイトを開設し、スポーツ・ヒザ・セルフチェック等のコンテンツを追加するなど、ジャックを使用する治療法「自家培養軟骨移植術」の認知度向上を目指した活動にも力を入れています。当社は、軟骨領域におけるジャックの浸透を図り、売上増加につなげていきます。また、ジャックは費用対効果評価の試行的導入における既収載品の対象品目として選定されております。選定理由は、「平成24年度から平成27年度までの間に保険適用された品目であって、原価計算方式で算定されたもののうち、営業利益率の加算率が最も高いもの」に該当したためです。当社は、対症療法との費用比較と、使用成績調査における有効性評価データを用いて、ジャックの費用対効果を証明していきます。

自家培養角膜上皮は、片眼性の角膜上皮幹細胞疲弊症を適応対象として、希少疾病用再生医療等製品の指定のもと、平成26年10月から治験を実施しています。本製品は、ニデックからの委託により開発を進めていますが、治験遂行においては国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金も活用しています。

当社は、平成28年4月にAMEDから採択された「再生医の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」の研究課題「皮膚再建に用いる同種培養皮膚の基礎研究ならびに製品開発」及び「移植に用いる間葉系幹細胞の評価ならびに製品開発」について、計画にもとづいて研究を進めました。また、平成28年度「新あいち創造研究開発補助金」事業において、「細胞単離工程自動化の研究開発」事業が採択されています。平成28年度「ロボット導入実証事業」においては、「再生医療等製品の細胞培養工程へのロボット導入」事業が採択されています。当社は、これらの助成金等を活用し、再生医療等製品の生産に自動化システムを組み込むことで、品質の安定化と生産の効率化を更に進めていきます。

当社は、平成26年11月に再生医療等安全性確保法が施行されたことに伴い、再生医療等の提供機関及び細胞培養加工製造事業者等に対するコンサルティング事業ならびに細胞培養受託事業を開始しました。平成27年10月、特定細胞加工物製造許可を取得し、医療機関等から細胞培養を受託しています。更に当社は、平成28年4月より新たな事業として、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関を対象に、再生医療等製品に特化したCDMO(開発製造受託)事業・CRO(臨床開発業務受託)事業を開始しました。当社は、上述のニデックからの自家培養角膜上皮の開発に加え、富士フイルム、大阪大学(眼科)等の企業及びアカデミアから既に再生医療等製品の開発を受託しています。富士フイルムからは、富士フイルムが開発した生体適合性に優れるリコンビナントペプチドを活用した再生医療等製品の開発を受託し、製品化を進めています。ジェイス、ジャックの開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富かつ一貫した経験を活かし、シーズの開発段階から実用化後までトータルで支援し、受託事業の拡大と売上増加を目指します。

研究開発支援事業である研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。平成25年7月に、ラボサイト エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験に関する試験法が、標準法の一つとして経済協力開発機構(OECD)の試験法ガイドラインTG439へ収載されました。また、同様にラボサイト角膜モデルでは、OECDが推進する眼刺激性試験の標準化を目指した共同研究を進めています。

こうした結果、当第2四半期累計期間における売上高は、766,865千円(前年同四半期比10.1%増)となりました。営業損失は161,847千円(前年同四半期は371,943千円の損失)を計上したものの、販売費及び一般管理費の削減により損益は改善しています。経常損失162,984千円(前年同四半期は372,538千円の経常損失)となり、四半期純損失は164,884千円(前年同四半期は374,438千円の四半期純損失)となりました。

なお、セグメント別では、再生医療製品事業の売上高は、724,083千円(前年同四半期比10.4%増)、研究開発支援事業の売上高は、42,782千円(前年同四半期比5.4%増)となりました。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物は、前年同四半期会計期間末に比べて70,847千円減少し、2,079,903千円となりました。当第2四半期累計期間のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は53,886千円となり、前年同四半期累計期間と比べ32,096千円減少しました。この主な要因は、四半期純損失の改善等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は21,919千円となり、前年同四半期累計期間と比べ3,206,085千円減少しました。この主な要因は、前年同四半期累計期間に定期預金の預入及び有形固定資産の取得を実施したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は1,844千円(前年同四半期累計期間は1,541千円の使用)となり、前年同四半期累計期間と比べ3,386千円増加しました。この主な要因は、新株予約権の行使によるものであります。

 

  (3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

  (4) 研究開発活動

 当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は、14,350千円であります。なお、研究開発費の金額は助成金の対象となる費用(91,815千円)控除後の金額であります。

 当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。