第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 業績の状況

当第2四半期累計期間における我が国経済は、各種政策の効果もあって緩やかな回復基調が続く一方で、中国を始めとするアジア新興国等の景気下振れ、英国のEU離脱問題、米国の経済政策の不確実性など様々な海外経済のリスクから、先行き不透明な状況が続きました。

再生医療分野では、旧薬事法の改正によって平成26年に施行された医薬品医療機器等法のもと、新たに複数の企業主導治験及び医師主導治験が開始され、再生医療等製品の上市にむけた活動が活発になってきました。また、同時期に制定された再生医療等安全性確保法によって、再生医療に用いる細胞加工の受託業が定義され、その臨床研究や自由診療が加速したものの、国が必要とする届出をしないまま、無届けで再生医療を提供していた医師や販売会社の関係者などが逮捕されるなど、その課題も明らかになってまいりました。

このような状況の下、当社は再生医療製品事業、再生医療受託事業、研究開発支援事業を展開しました。各セグメントにおける概況は以下のとおりです(□内は当四半期における主な成果です)。

なお、第1四半期会計期間より、事業の報告セグメント区分について、今後の事業展開の観点から見直し、経営情報をより適切に表示するため変更しております。これまで「再生医療製品事業」に含まれていた「再生医療受託事業」を、当社の中核事業に育成するとの中期経営方針のもと、分離・独立させ、報告セグメントとして記載する方法に変更しております。

 

[再生医療製品事業]

当社は再生医療製品事業において自家培養表皮ジェイス及び自家培養軟骨ジャックの製造販売を進めました。

 

・自家培養表皮ジェイス

自家培養表皮ジェイスは、平成21年1月に保険収載された我が国初の再生医療等製品であり、重症熱傷及び先天性巨大色素性母斑を適応対象としています。ジェイスの保険適用に関しては、平成28年4月より保険機能区分が①採取・培養キットと②調製・移植キットの2つに細分化され、償還価格がそれぞれ①4,380千円、②151千円/枚に改定されています。重症熱傷患者の治療を目的としているため、受注から製品が使用されるまでの間に患者死亡等の理由で使用中止になることがあり、保険償還できないリスクを抱えていましたが、平成28年4月以降、保険機能区分の細分化により、製造を中止した場合でも、①採取・培養キットの保険償還が可能となっています。

当第2四半期累計期間におけるジェイスの売上は、重症熱傷と、新たに適応対象に加わった先天性巨大色素性母斑の治療に伴う受注増加により、前年同期に比べ大幅に増加し、好調に推移しました。特に、昨年12月に保険適用となった先天性巨大色素性母斑への適応拡大が急速に普及し、ジェイスの売上拡大に大きく寄与しています。また当社は、ジェイスの表皮水疱症への適応拡大を保留していましたが、北海道大学皮膚科で実施されていた医師主導治験が終了したことを受け、表皮水疱症患者に発生する難治性のびらん・潰瘍部位に適用して速やかに上皮化することを目的として、一部変更承認取得を目指します。

 

・自家培養軟骨ジャック

自家培養軟骨ジャックは、平成25年4月より保険収載された我が国第2号の再生医療等製品であり、適応対象は膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)です。ジャックの保険機能区分についてもジェイス同様に細分化され、平成28年4月より、償還価格が①採取・培養キット879千円、②調製・移植キット1,250千円に改定されています。

当第2四半期累計期間におけるジャックの売上は、前年同期に比べ微増となりました。営業活動の結果、平成29年9月末現在、ジャックを使用できる医療機関(使用届出施設)は271施設あり、順調に増加したものの、新規の医療機関からの受注を十分に積みあげることができませんでした。当社は、ジャックの適応拡大として、手技簡素化/低侵襲化を目指す開発を引き続き進めています。

 

[再生医療受託事業]

当社は再生医療受託事業において、委託研究機関からの助成金等を活用し製品開発を進めるとともに、受託開発・受託製造を積極的に進めました。

 

・再生医療等製品の受託開発

当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富かつ一貫した経験を活かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。

当社は引き続き、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金も活用し、複数の製品開発を進めました。

ニデックからの委託により開発を進めている自家培養角膜上皮は、角膜上皮幹細胞疲弊症を適応対象として治験を実施する中でフォローアップ治験を進めました。また、富士フイルムからの再生医療等製品の受託開発業務を進めました。大阪大学から開発を受託している口腔粘膜を使った角膜上皮幹細胞疲弊症を対象としたフォローアップ治験を進めました。更に当社は、新たにレグセル株式会社や兵庫医科大学などを始め、多くの企業やアカデミアから再生医療等製品の開発・製造を支援する受託契約を獲得しました。

 

・コンサルティング・特定細胞加工物製造受託

当社は、平成26年11月に施行された再生医療等安全性確保法のもと、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築など、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。

再生医療等安全性確保法のもと、平成29年7月、名古屋市立大学病院における白斑や難治性皮膚潰瘍の治療(臨床研究)に使用する培養表皮の製造受託など、医療機関等からの特定細胞加工物製造委託契約を獲得しました。また、新たに提供計画作成支援や製造施設構築・運用コンサルティング契約も複数獲得しました。

 

[研究開発支援事業]

当社は研究開発支援事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織(ラボサイトシリーズ)の製造販売を進めました。

 

・ラボサイトシリーズ

研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。ラボサイトエピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験に関する試験法は、標準法の一つとしてOECDの試験法ガイドラインTG439へ収載されています。また、同様にラボサイト角膜モデルでも、OECDが推進する眼刺激性試験の標準化を目指しています。

当第2四半期累計期間におけるラボサイトの売上は、エピ・モデル24を中心に、化粧品開発企業や製薬企業を主な顧客として販売を進め、平成29年4月に主力製品の一律10千円の値上げを実施した効果もあり、昨年同期に比べ増加しました。角膜モデルでは、平成29年8月、眼刺激性試験 OECDテストガイドライン収載に向けてコメント募集のため、OECDホームページにOECD TG492改訂版ドラフトが掲載されました。

 

こうした結果、当第2四半期累計期間における売上高は、再生医療製品事業及び再生医療受託事業並びに研究開発支援事業の売上高がともに好調に推移したことにより1,090,080千円(前年同期比42.1%増)となりました。売上好調に伴う売上総利益の増加により、営業利益は84,900千円(前年同期は161,847千円の営業損失)となり、第1四半期累計期間に引き続き、第2四半期累計期間も営業黒字となりました。経常利益は84,102千円(前年同期は162,984千円の経常損失)となり、四半期純利益は67,028千円(前年同期は164,884千円の四半期純損失)となりました。

セグメント別では、再生医療製品事業の売上高は、795,273千円(前年同期比50.3%増)、再生医療受託事業の売上高は、245,358千円(前年同期比25.9%増)、研究開発支援事業の売上高は、49,447千円(前年同期比15.6%増)となりました。

なお、第1四半期会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物は、前年同四半期会計期間末に比べて162,609千円増加し、2,242,512千円となりました。当第2四半期累計期間のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は437,383千円となり、前年同四半期累計期間の53,886千円の使用と比べ491,270千円増加しました。この主な要因は、前事業年度に計上した特許譲渡収入の入金によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は399,588千円となり、前年同四半期累計期間と比べ377,668千円増加しました。この主な要因は、定期預金の預入によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は14,982千円となり、前年同四半期累計期間と比べ13,138千円増加しました。この主な要因は、新株予約権の行使によるものであります。

 

  (3) 経営方針・経営戦略等

 当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

  (4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

  (5) 研究開発活動

 当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は、78,423千円であります。なお、研究開発費の金額は助成金の対象となる費用(44,441千円)控除後の金額であります。

 当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。