当第1四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期累計期間(2019年4月1日から2019年6月30日)における我が国経済は、雇用・所得環境は改善傾向にあり、国内景気は緩やかな回復基調が続く一方で、米中貿易摩擦の深刻化による中国景気の悪化、米国長期金利の低下基調、英国の欧州連合(EU)からの離脱問題といったリスクを背景に、世界景気の減速懸念が根強く、先行き不透明な状況で推移しました。
再生医療・細胞治療分野では、2019年3月、足の血管を再生する遺伝子治療薬(アンジェス 販売名:コラテジェン筋注用)が承認されました。また、がん免疫療法として注目を集めているCAR-T細胞療法ではノバルティスファーマ社の「キムリア」が同3月に承認され、5月には1回3,349万円という価格で保険収載されました。「オプジーボ」に続き高額ながん治療薬の登場が相次いでいることから、医療保険財源を圧迫するとの懸念が高まっています。
このような状況の下、財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当第1四半期会計期間末の総資産は、売掛金の減少及び助成金対象費用が確定精算したことによるその他流動資産の減少等により前期末比302,095千円減の8,449,877千円となりました。負債は、助成金に係る仮受金の確定精算等により前期末比117,638千円減の716,211千円となりました。純資産は、利益剰余金の減少により前期末比184,457千円減の7,733,666千円となり、自己資本比率は91.5%となりました。
b. 経営成績
当第1四半期累計期間における売上高は、再生医療受託事業及び研究開発支援事業の売上増加により、433,011千円(前年同期比2.1%増)となりました。営業損失は184,798千円(前期同期は441,616千円の営業損失)となり、自家CAR-T細胞治療導入のための一時金等の支払いがあった前年同期と比べ改善しました。経常損失は183,333千円(前年同期は438,973千円の経常損失)となり、四半期純損失は184,457千円(前年同期は440,169千円の四半期純損失)となりました。
なお、当第1四半期会計期間より報告セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。また、前年同期比較については、前年同四半期累計期間の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
再生医療製品事業の売上高は、278,617千円(前年同期比9.7%減)となり、自家培養軟骨ジャックの適応拡大に伴う開発費用が増加したことによりセグメント損失は19,575千円(前年同期は38,626千円のセグメント利益)となりました。
再生医療受託事業の売上高は、124,185千円(前年同期比40.5%増)となり、セグメント利益は12,492千円(前年同期は5,576千円のセグメント損失)となりました。
研究開発支援事業の売上高は、30,208千円(前年同期比11.2%増)となり、新製品の開発費用の増加等により、セグメント損失は356千円(前年同期は1,906千円のセグメント利益)となりました。
各セグメント及び新規パイプラインの開発における概況は以下のとおりです(□内は当四半期における主な成果です)。
[再生医療製品事業]
当社は再生医療製品事業として自家培養表皮ジェイス及び自家培養軟骨ジャックの製造販売を進めました。
・自家培養表皮ジェイス
自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に保険収載された我が国初の再生医療等製品であり、重症熱傷、先天性巨大色素性母斑及び先天性表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)を適応対象としています。ジェイスの保険適用に関しては、2018年4月以降、保険算定に関する留意事項が変更となり、熱傷治療において、患者様あたり一連につき40枚の保険算定限度が、医学的に必要がある場合に限り50枚の算定限度まで引き上げられました。
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当第1四半期累計期間におけるジェイスの売上は、190,010千円(前年同期比14.6%減)となりました。重症熱傷向けジェイスの売上は、4月の受注が多かった一方、5~6月は重症熱傷の発生数が減少し、当第1四半期を通しては前年同期とほぼ横ばいとなりました。先天性巨大色素性母斑向けジェイスの売上は、新規施設の開拓や、新たな手技のエビデンス構築により受注増を図るも、待機患者の減少影響をカバーしきれず、前年同期に比べ減少しました。当社は、重症熱傷向けでは重点施設に対する個別営業活動の強化、母斑向けでは引き続き新規施設の開拓およびエビデンス強化等により、受注拡大を図ります。 また、2018年12月28日付で厚生労働省より承認を取得したジェイスの表皮水疱症への適応拡大について、2019年7月1日付で保険収載されました。当社は拠点となる医療機関での使用環境の整備を進めており、早期に受注に結びつけるとともに、学会や患者交流会等での情報共有を通じて認知度を向上させ、表皮水疱症治療の新たな選択肢としてジェイスの普及を目指します。 |
・自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨ジャックは、2013年4月から保険収載された我が国第2号の再生医療等製品であり、適応対象は膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)です。
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当第1四半期累計期間におけるジャックの売上は、88,607千円(前年同期比2.8%増)となりました。2019年1月に承認を取得した、ジャックの低侵襲化と移植手技の簡便化(ジャック移植時に患者自身の骨膜に代わってコラーゲン膜を使用する仕様変更)については、ジャックの使用頻度の高い施設に向けた訴求活動を開始しました。コラーゲン膜を使用した医師からは、患者の負担軽減・手術時間の短縮といった点で好評を得ており、6月に開催された日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会においてもアピールを行いましたが、第1四半期における売上への効果は未だ限定的な状況です。当社は引き続き本変更によるメリットを徹底的に訴求するとともに、中期的臨床データなど充実したエビデンスの提供などを通じて、売上拡大を図ります。 また当社はジャックのさらなる市場拡大に向け、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする治験を実施中です。 |
[再生医療受託事業]
当社は再生医療受託事業において、再生医療等製品の受託開発及びコンサルティング・特定細胞加工物製造受託を積極的に進めました。
・再生医療等製品の受託開発
当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富かつ一貫した経験を生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。
・コンサルティング・特定細胞加工物製造受託
当社は、再生医療等安全性確保法のもと、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。
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当第1四半期累計期間における再生医療受託事業の売上は、124,185千円(前年同期比40.5%増)となりました。受託した案件を前進させたことに伴うマイルストン収入等により、前年同期に比べ売上が増加しました。2019年3月には、名古屋市立大学病院での白斑や難治性皮膚潰瘍の治療(臨床研究)の共同研究施設に蒲郡市民病院が加わり、同年4月より、同病院からも培養表皮の製造を受託できることになりました。2019年3月に製造販売承認申請を行った自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)については、承認申請に対する当局からの照会事項に適宜対応しており、また自家培養口腔粘膜上皮(開発名:COMET)については、製造販売承認申請に向けた準備を進めています。 当社は引き続き、一つ一つの受託案件を確実に前進させ、事業の拡大を目指します。 |
[研究開発支援事業]
当社は研究開発支援事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織(ラボサイトシリーズ)の製造販売を進めました。
・ラボサイトシリーズ
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。日用品、医薬品、化粧品、化学品メーカーなど、化学物質を扱う企業向けに提案、販売しています。
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当第1四半期累計期間におけるラボサイトの売上は、30,208千円(前年同期比11.2%増)となりました。国内外の化粧品・化学品メーカー等への積極的な営業活動の結果、前年に比べ売上が増加しました。経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインには、ラボサイト角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法、エピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法が標準法の一つとして収載されていますが、2019年6月には、エピ・モデル24を用いた皮膚腐食性試験法も新たに収載されました。当社は、ラボサイトシリーズがより信頼性の高い動物実験代替法として活用できる点を訴求し、事業拡大を図ります。 |
[新規パイプラインの開発]
当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組んでいます。
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当第1四半期累計期間において、新たなパイプラインの開発を進めました。 - CD19陽性の急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia, ALL)を対象とした自家CAR-T細胞治療薬の開発に向けて、2018年6月に名古屋大学及び信州大学とライセンス契約を締結し、名古屋大学と連携しながら本治療薬の開発を進めています。 - 尋常性白斑及びまだら症といった安定期の白斑の治療を目的として、メラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)の治験を実施しています。ACE02を通じて、皮膚科領域の疾患治療に進出し、従来から取り組んでいる形成外科・整形外科領域からの事業拡大を目指しています。 - 我が国で初となる他人の皮膚を原材料としたレディメイド(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品の実現を目指しており、2018年10月より日本医療研究開発機構(AMED)の委託事業(国家プロジェクト)として同種培養表皮の開発、及び産業利用を目的とした同種細胞の安定供給体制の構築に関する2案件を進めています。 |
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期累計期間における研究開発活動の金額は、89,946千円であります。なお、研究開発費の金額は助成金の対象となる費用(15,796千円)控除後の金額であります。
当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期会計期間において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。
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契約書名 |
委託研究開発契約書 |
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相手方名 |
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED) |
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契約締結日 |
2019年4月1日 |
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契約期間 |
2019年4月1日から2020年3月31日まで |
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主な契約内容 |
AMED及び当社は、「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(国内医療機関からのヒト(同種)体性幹細胞原料の安定供給モデル事業)」について委託契約を締結する。委託業務の題目は、以下のとおり。 「同種細胞を用いた再生医療のための産業利用を目的としたヒト細胞及び組織の安定供給の実証」 ドナーのインフォームドコンセント取得とスクリーニング、医療機関内の申請、採取に係る輸送手配をシステム化するとともに、その運営工数を明確化することにより透明性の高い維持管理可能な安定供給モデルを構築する。 |
(注)本契約は、2018年10月1日に締結した契約を更新して、締結したものです。
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契約書名 |
委託研究開発契約書 |
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相手方名 |
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED) |
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契約締結日 |
2019年4月1日 |
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契約期間 |
2019年4月1日から2020年3月31日まで |
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主な契約内容 |
AMED及び当社は、「医療機器開発推進研究事業(医療費適正化に資する革新的医療機器の臨床研究)」について委託契約を締結する。委託業務の題目は、以下のとおり。 「皮膚再建に用いる乾燥同種培養表皮の開発」 創傷を早期に治癒させる新たな治療法となる乾燥同種培養表皮の開発を行う。 |
(注)本契約は、2018年10月17日に締結した契約を更新して、締結したものです。