当第1四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期累計期間(2020年4月1日から2020年6月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により世界経済が急激に減速する中、4月から5月にかけて全都道府県を対象とする緊急事態宣言が出され、製造業を中心とする企業収益の急激な悪化に伴い雇用情勢も悪化するなど、極めて厳しい状況で推移しました。
一方、医療環境においては、新型コロナウイルス感染者の急激な増加や医療従事者の感染等による医療現場の逼迫が懸念されており、その他の疾患治療への影響も出ています。早期に新型コロナウイルスに対する治療方法の確立が望まれる中、5月には国内初の新型コロナウイルス治療薬としてエボラ出血熱の既存治療薬「レムデシビル」(ギリアド・サイエンシズ)が特例承認されました。抗インフルエンザ薬の「アビガン」も治療薬候補として注目され、国内での承認プロセスが急ピッチで進められています。
再生医療・細胞治療分野では、2020年3月に承認された角膜上皮幹細胞疲弊症治療を目的とした再生医療等製品(当社 販売名:ネピック)と、脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子治療用製品(ノバルティスファーマ 販売名:ゾルゲンスマ)が、いずれも6月までに保険収載されました。また、新型コロナウイルス感染症に対する幹細胞治療の臨床試験も複数開始され、重症患者への治療の選択肢として期待されています。
このような状況の下、財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当第1四半期会計期間末における総資産は、委託研究機関からの助成金対象費用の発生によりその他流動資産が増加したものの売掛金の減少等により前事業年度末と比べ178,908千円減の8,272,655千円となりました。負債は、前事業年度末と比べ4,034千円減の816,504千円となりました。純資産は、利益剰余金の減少により前事業年度末と比べ174,873千円減の7,456,150千円となり、自己資本比率は90.1%となりました。
b. 経営成績
当第1四半期累計期間における売上高は、研究開発支援事業の売上が堅調に推移したものの再生医療受託事業が減少し、377,843千円(前年同期比12.7%減)となりました。営業損失は174,692千円(前期同期は184,798千円の営業損失)となり、前年同期と比べ改善しました。経常損失は173,724千円(前年同期は183,333千円の経常損失)となり、四半期純損失は174,873千円(前年同期は184,457千円の四半期純損失)となりました。
再生医療製品事業の売上高は、271,908千円(前年同期比2.4%減)となり、セグメント損失は12,070千円(前年同期は19,575千円のセグメント損失)となりました。
再生医療受託事業の売上高は、73,724千円(前年同期比40.6%減)となり、セグメント利益は18,063千円(前年同期は12,492千円のセグメント利益)となりました。
研究開発支援事業の売上高は、32,209千円(前年同期比6.6%増)となり、セグメント利益は658千円(前年同期は356千円のセグメント損失)となりました。
各セグメント及び新規パイプラインの開発における概況は以下のとおりです(□内は当四半期における主な成果です)。
[再生医療製品事業]
当社は再生医療製品事業として自家培養表皮ジェイス及び自家培養軟骨ジャックの製造販売を進めました。
・自家培養表皮ジェイス
自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に保険収載された我が国初の再生医療等製品であり、重症熱傷、先天性巨大色素性母斑及び先天性表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)を適応対象としています。ジェイスの保険適用に関しては、患者様あたり一連につき保険算定できる枚数の上限が設定されており、熱傷治療は40枚(医学的に必要がある場合に限り50枚)、先天性巨大色素性母斑治療は30枚、先天性表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)治療は50枚が保険算定限度とされています。
・自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨ジャックは、2013年4月に保険収載された我が国第2号の再生医療等製品であり、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)を適応対象としています。
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当第1四半期累計期間における再生医療製品事業の売上は、271,908千円(前年同期比2.4%減)となりました。主な内訳は以下のとおりです。 当事業年度におけるジェイスの売上は、190,357千円(前年同期比0.2%増)となりました。新型コロナウイルスの影響により、当社の営業活動は、訪問・提案・情報提供等の通常の活動が大幅に制限されました。また、医療機関側では外来閉鎖や縮小措置、訪問規制、オペ枠が確保出来ないといった状況で、患者様も感染拡大や予防のため、外来通院の回避・敬遠が生じている状況でした。このような状況の中、重症熱傷向けでは、医療機関と連携して制作した熱傷治療手技のDVD動画を用いて、医師の治療イメージの具体化を促進し、着実に受注を積み上げました。先天性巨大色素性母斑向けでは、拠点施設を重点的にフォローし、母斑研究会をKOL(Key Opinion Leader)となる医師と共に企画したり、治療ケースレポート等での情報提供を積極的に行った結果、継続して受注を獲得しました。表皮水疱症向けでは、医師向けにはセミナー記録集を用いた情報提供、患者様向けには患者会報誌にジェイス使用症例を掲載するなど患者会との連携を強化した結果、一定の受注を確保しました。ジェイス全体の売上としては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月、5月は受注が減少したものの、緊急事態宣言解除後の6月は回復基調となり、前年同期と同程度の売上を確保しました。当社は引き続き、新型コロナウイルスの影響を鑑みつつ、学会、研究会やセミナー、患者交流会等に加えて、ウェブやオンライン会議を活用した積極的な情報提供を通じてジェイスの認知度を向上させ、受注の回復とさらなる普及に努めます。 当事業年度におけるジャックの売上は、81,551千円(前年同期比8.0%減)となりました。ジェイスと同様に医療機関への訪問を自粛し、新規施設への営業活動は一旦停止しました。また、コロナウイルス感染対策のため、多くの病院で外来閉鎖、あるいは縮小措置が取られ、新規の患者様が減少するという状況に至りました。そのような中で、拠点施設を中心にコラーゲン膜の有用性や術後のケースレポートを活用した情報提供を行い、医師が積極的にジャックを選択するような治療意欲の向上に努め、ヘビーユーザーからの受注を維持することで、一定の売上を確保することができました。当社は、訪問規制が解除され次第、顧客への訪問を再開し、情報収集と受注獲得に注力します。また、外来患者の減少に伴い計画より遅れが出ているものの、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする治験を実施中であり、引き続きジャックの市場拡大に努めます。 2020年3月に製造販売承認を取得した自家培養角膜上皮ネピックは、6月1日から保険適用となりました。販売を担当する株式会社ニデックと連携し、眼科領域で国内初となる再生医療等製品の普及を目指します。 |
[再生医療受託事業]
当社は再生医療受託事業において、再生医療等製品の受託開発及びコンサルティング・特定細胞加工物製造受託を積極的に進めました。
・再生医療等製品の受託開発
当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富かつ一貫した経験を生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。
・コンサルティング・特定細胞加工物製造受託
当社は、再生医療等安全性確保法のもと、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。
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当第1四半期累計期間における再生医療受託事業の売上は、73,724千円(前年同期比40.6%減)となりました。新型コロナウイルスの影響を大きく受けた医療機関や委託元の企業で、開発が停滞するだけでなく、治験開始や海外での技術移管が遅れるといった状況が発生し、前年同期に比べ売上は大幅に減少しました。 当社は引き続き、新型コロナウイルスの影響を鑑みつつ、独自に受託した案件に加え、富士フイルムが出資する再生医療ベンチャーからの受託案件についても、再度顧客と再開時期・受託内容の見直し協議を行い、コロナ下においても実現可能な案件に集中することで今年度売上の確保を目指します。 |
[研究開発支援事業]
当社は研究開発支援事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織の製造販売を進めました。
・ラボサイトシリーズ
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。日用品、医薬品、化粧品、化学品メーカーなど、化学物質を扱う企業向けに提案、販売しています。
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当第1四半期累計期間における研究開発支援事業の売上は、32,209千円(前年同期比6.6%増)となりました。新型コロナウイルス感染拡大により、顧客である研究所の実験が中断・中止となったり、学会等の中止によりPR機会を失った等の影響が出ました。このような状況下においてウェブ面談を最大限に活用して既存顧客からの情報収集、及び新規顧客に向けた製品のウェブ説明会を積極的に実施するなど、国内外の化粧品・化学品メーカー等への営業活動を展開した結果、前年同期に比べて売上を増加させることができました。 経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインには、角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法ならびにエピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法と皮膚腐食性試験法が標準法の一つとして収載されており、海外からの問合せも増えてきました。当社は引き続き、ラボサイトシリーズがより信頼性の高い動物実験代替材料として活用できることを訴求し、さらなる売上拡大を目指します。 また当社は、2019年9月より、富士フイルムのヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)」を製造販売しており、引き続き、富士フイルムと連携した販売活動を展開して本製品の認知度を向上させ、さらなる売上増加に努めます。 |
[新規パイプラインの開発]
当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組んでいます。
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当第1四半期累計期間における特記事項は以下のとおりです。 - CD19陽性の急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia)の治療を目的とする自家CAR-T細胞については、2019年9月に「piggyBacトランスポゾンベクターを用いた自家CD19CAR-T療法の企業治験開始に向けた研究開発」(ウイルスベクターを用いない新技術による国産のCAR-T細胞製剤の開発)に対して日本医療研究開発機構(AMED)から補助金を獲得して開発を進めています。並行して、技術導入元である名古屋大学において同技術を用いた急性リンパ性白血病に対する臨床研究が実施されており、企業治験を実施するための評価データが集積されています。 - 尋常性白斑及びまだら症といった安定期の白斑の治療を目的とするメラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)については、治験を実施しています。引き続き、ACE02を通じて、皮膚科領域へ展開し、従来から取り組んでいる形成外科・整形外科領域からの事業拡大を目指します。 - 我が国で初となる他人の皮膚組織を原材料としたレディメイド(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品については、2018年10月よりAMEDの委託事業(国家プロジェクト)として「同種培養表皮の開発」及び「産業利用を目的とした同種細胞の安定供給体制の構築」に関する2案件を進めました。並行して、共同研究先である京都大学において同技術を用いた皮膚欠損創に対する臨床研究が実施されており、企業治験を実施するための評価データが集積されています。 |
(2)会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期累計期間における研究開発活動の金額は、101,623千円であります。なお、研究開発費の金額は助成金の対象となる費用(37,049千円)控除後の金額であります。
当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期会計期間において、新たに締結した重要な契約は次のとおりであります。
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契約書名 |
委託研究開発契約書 |
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相手方名 |
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED) |
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契約締結日 |
2020年4月1日 |
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契約期間 |
2020年4月1日から2021年3月31日まで |
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主な契約内容 |
AMED及び当社は、「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(国内医療機関からのヒト(同種)体性幹細胞原料の安定供給モデル事業)」について委託契約を締結する。委託業務の題目は、以下のとおり。 「同種細胞を用いた再生医療のための産業利用を目的としたヒト細胞及び組織の安定供給の実証」 ドナーのインフォームドコンセント取得とスクリーニング、医療機関内の申請、採取に係る輸送手配をシステム化するとともに、その運営工数を明確化することにより透明性の高い維持管理可能な安定供給モデルを構築する。 |
(注)本契約は、2019年4月1日に締結した契約を更新して、締結したものです。
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契約書名 |
委託研究開発契約書 |
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相手方名 |
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED) |
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契約締結日 |
2020年4月1日 |
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契約期間 |
2020年4月1日から2021年3月31日まで |
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主な契約内容 |
AMED及び当社は、「医療機器開発推進研究事業(医療費適正化に資する革新的医療機器の臨床研究)」について委託契約を締結する。委託業務の題目は、以下のとおり。 「皮膚再建に用いる乾燥同種培養表皮の開発」 創傷を早期に治癒させる新たな治療法となる乾燥同種培養表皮の開発を行う。 |
(注)本契約は、2019年4月1日に締結した契約を更新して、締結したものです。
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契約書名 |
CONSULTING CONTRACT |
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相手方名 |
Michele De Luca |
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契約締結日 |
2020年6月2日 |
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契約期間 |
2020年4月1日から2021年3月31日まで |
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主な契約内容 |
Michele De Luca, M.D.が当社に対して、皮膚及び角膜の培養技術ならびに培養製品の品質管理等に関するアドバイスをし、当社がMichele De Luca, M.D.に対してその対価を支払う。 |
(注)本契約は、2019年3月28日に締結した契約を更新して、締結したものです。
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契約書名 |
CONSULTING CONTRACT |
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相手方名 |
Graziella Pellegrini |
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契約締結日 |
2020年6月2日 |
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契約期間 |
2020年4月1日から2021年3月31日まで |
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主な契約内容 |
Graziella Pellegrini, Ph.D.が当社に対して、皮膚及び角膜、結膜の培養技術ならびに培養製品の品質管理等に関するアドバイスをし、当社がGraziella Pellegrini, Ph.D.に対してその対価を支払う。 |
(注)本契約は、2019年3月28日に締結した契約を更新して、締結したものです。