当第2四半期累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により世界経済が大きな影響を受ける中、ウイルスとの共存に向けた「新しい生活様式」が提唱され、5月の緊急事態宣言解除以降、段階的に経済活動が再開されてきました。7月以降は輸出など一部で持ち直しの動きがみられる一方で、夏場の感染再拡大で個人や企業の心理は停滞感が根強く、依然として先行き不透明な状況で推移しました。
医療環境においては、夏場の感染再拡大の影響もあり、新型コロナウイルス感染者の急激な増加や医療従事者の感染等による医療現場の逼迫が懸念されており、その他の疾患治療への影響も出ています。また冬場に向け、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念され始め、そのための医療体制の整備が検討されています。このような中、5月には国内初の新型コロナウイルス治療薬として「レムデシビル」(ギリアド・サイエンシズ)が特例承認され、10月には抗インフルエンザ薬の「アビガン」(富士フイルム富山化学)について効能・効果などを追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請が提出されるなど、新型コロナウイルスに対する治療方法の早期確立に向けた動きが進んでいます。
再生医療・細胞治療分野では、2020年3月に承認された角膜上皮幹細胞疲弊症治療を目的とした再生医療等製品(当社 販売名:ネピック)と、脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子治療用製品(ノバルティスファーマ 販売名:ゾルゲンスマ)が、いずれも6月までに保険収載されました。また、新型コロナウイルス感染症に対する幹細胞治療の臨床試験も複数開始され、重症患者への治療の選択肢として期待されています。
このような状況の下、財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a. 財政状態
当第2四半期会計期間末における総資産は、委託研究機関からの助成金対象費用の発生によりその他流動資産が増加したものの売掛金の減少等により前事業年度末と比べ292,281千円減の8,159,282千円となりました。負債は、仕入債務の減少により前事業年度末と比べ20,002千円減の800,537千円となりました。純資産は、利益剰余金の減少により前事業年度末と比べ272,279千円減の7,358,744千円となり、自己資本比率は90.2%となりました。
b. 経営成績
当第2四半期累計期間における売上高は、再生医療製品事業の売上が堅調に推移し、研究開発支援事業の売上が大きく増加したものの、再生医療受託事業の売上が大きく減少したことから、916,908千円(前年同期比6.8%減)となりました。営業損失は272,279千円(前期同期は271,801千円の営業損失)、経常損失は270,150千円(前年同期は269,058千円の経常損失)、四半期純損失は272,279千円(前年同期は271,106千円の四半期純損失)となりました。
再生医療製品事業の売上高は、622,088千円(前年同期比1.0%増)となり、セグメント利益は35,512千円(前年同期比68.5%増)となりました。
再生医療受託事業の売上高は、212,847千円(前年同期比29.8%減)となり、セグメント利益は64,062千円(前年同期比0.1%減)となりました。
研究開発支援事業の売上高は、81,972千円(前年同期比27.6%増)となり、セグメント利益は7,072千円(前年同期比181.7%増)となりました。
各セグメントにおける概況、及び新規パイプライン開発に関する特記事項は、以下のとおりです(□内は当四半期累計期間における主な成果です)。
[再生医療製品事業]
当社は再生医療製品事業として自家培養表皮ジェイス及び自家培養軟骨ジャックならびに自家培養角膜上皮ネピックの製造販売を行っています。
・自家培養表皮ジェイス
自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に保険収載された我が国初の再生医療等製品であり、重症熱傷、先天性巨大色素性母斑及び先天性表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)を適応対象としています。ジェイスの保険適用に関しては、患者様あたり一連につき保険算定できる枚数の上限が設定されており、熱傷治療は40枚(医学的に必要がある場合に限り50枚)、先天性巨大色素性母斑治療は30枚、先天性表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)治療は50枚が保険算定限度とされています。
・自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨ジャックは、2013年4月に保険収載された我が国第2号の再生医療等製品であり、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)を適応対象としています。
・自家培養角膜上皮ネピック
自家培養角膜上皮ネピックは、2020年6月に保険収載された眼科領域で国内初となる再生医療等製品であり、角膜上皮幹細胞疲弊症(スティーヴンス・ジョンソン症候群・眼類天疱瘡・移植片対宿主病・無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患・再発翼状片・特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症の患者を除く)を適応対象としています。
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当第2四半期累計期間における再生医療製品事業の売上は、622,088千円(前年同期比1.0%増)となりました。主な内訳は以下のとおりです。 当第2四半期累計期間におけるジェイスの売上は、438,198千円(前年同期比3.6%増)となりました。新型コロナウイルスの影響により、医療機関の外来閉鎖や縮小措置、訪問規制、手術枠の確保が困難といった状況、及び患者様が感染拡大や予防のため外来通院を回避・敬遠している状況が続いており、営業活動が制限されています。このような中、重症熱傷向けでは医療機関と連携して制作した熱傷治療手技のDVD動画の配布、先天性巨大色素性母斑向けでは拠点施設の重点的なフォロー、表皮水疱症向けでは医師に対するセミナー記録集を用いた情報提供といった、実施できる範囲での営業活動を丁寧に行いました。加えて、ジェイスの使用経験が豊富な医師によるウェブ講習会の開催や、ウェブ面談の積極活用など、ITを用いた営業活動にも注力しました。このように効果的に営業リソースを投入することで、ジェイス全体の売上を前年同期から伸ばすことが出来ました。当社は引き続き新型コロナウイルスの影響を鑑みつつ、現在の環境で実施できる有効な営業施策を検討推進し、ジェイスのさらなる普及に努めます。 当第2四半期累計期間におけるジャックの売上は、183,889千円(前年同期比4.6%減)となりました。8月以降コロナウイルスの新規陽性患者数の増加を受け、大都市のみならず地方都市においても営業活動の制限が拡大し、医療機関への訪問や新規施設への営業活動を自粛せざるを得ない状況が続いています。加えて、コロナ禍でのスポーツ制限による罹患者数の減少も生じています。このような中で、拠点施設向けを中心にコラーゲン膜の有用性のエビデンスを活用した情報提供をきめ細やかに実施しました。その結果、対前年では減少となったものの、一定の売上を確保することができました。当社は、訪問規制の状況を見ながら顧客訪問の再開を図るとともに、第3四半期に予定される学会において会場とウェブを組み合わせたランチョンセミナーを開催しジャックの価値訴求を強化することで、受注の挽回を目指します。また、外来患者の減少に伴い計画より遅れが出ているものの、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とする治験を実施中であり、引き続きジャックの市場拡大に努めます。 2020年3月に製造販売承認を取得した自家培養角膜上皮ネピックは、6月1日から保険適用となりました。販売を担当する株式会社ニデックと連携し、営業活動を推進しています。当社は、眼科領域で国内初となる再生医療等製品の普及を目指します。 |
[再生医療受託事業]
当社は再生医療受託事業において、再生医療等製品の受託開発及びコンサルティング・特定細胞加工物製造受託を行っています。
・再生医療等製品の受託開発
当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富かつ一貫した経験を生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。
・コンサルティング・特定細胞加工物製造受託
当社は、再生医療等安全性確保法のもと、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。
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当第2四半期累計期間における再生医療受託事業の売上は、212,847千円(前年同期比29.8%減)となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた医療機関や企業で開発が停滞し、治験や海外での技術移管が遅れる状況が続いており、前年同期に比べ売上が大幅に減少しました。しかしながら、最近では顧客が開発を再開する動きが顕著であり、次の開発段階に向けた契約締結協議が進んでいます。当社は引き続き、新型コロナウイルスの影響を鑑みつつ、顧客と開発再開及び契約締結に向けた協議を続け、コロナ禍においても実現可能な案件に注力し売上の挽回を目指します。 |
[研究開発支援事業]
当社は研究開発支援事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織の製造販売を行っています。
・ラボサイトシリーズ
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。日用品、医薬品、化粧品、化学品メーカーなど、化学物質を扱う企業向けに提案、販売しています。
・F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)
当社は、富士フイルムのヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)」を製造販売しています。
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当第2四半期累計期間における研究開発支援事業の売上は、81,972千円(前年同期比27.6%増)となりました。新型コロナウイルス感染拡大により、顧客である研究所の実験中断や中止、また学会等の中止によるPR機会の喪失等が発生しました。このような状況の中ウェブ面談を最大限に活用して既存顧客へのアフターフォローを強化し、また新規顧客に向けた製品のウェブ説明会を積極的に実施することで、前年同期に比べ売上を大きく増加させることができました。また経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインには、角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法ならびにエピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法と皮膚腐食性試験法が標準法の一つとして収載されており、海外からの問合せも増えています。当社は引き続き、ラボサイトシリーズがより信頼性の高い動物実験代替材料として活用できることを訴求し、さらなる売上拡大を目指します。 加えて当社は、2019年9月より、富士フイルムのヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)」を製造販売し、堅調に売上を伸ばしています。 |
[新規パイプラインの開発]
当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組んでいます。
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当第2四半期累計期間における特記事項は以下のとおりです。 - 2020年9月、眼科領域の再生医療等製品としては第2号となる自家培養口腔粘膜上皮(開発名:COMET01) の製造販売承認申請を行いました。 - CD19陽性の急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia)の治療を目的とする自家CAR-T細胞については、2019年9月に「piggyBacトランスポゾンベクターを用いた自家CD19CAR-T療法の企業治験開始に向けた研究開発」(ウイルスベクターを用いない新技術による国産のCAR-T細胞製剤の開発)に対して日本医療研究開発機構(AMED)から補助金を獲得して開発を進めています。並行して、技術導入元である名古屋大学において同技術を用いた急性リンパ性白血病に対する臨床研究が実施されており、企業治験を実施するための評価データが集積されています。 - 尋常性白斑及びまだら症といった安定期の白斑の治療を目的とするメラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)については、治験を実施しています。引き続き、ACE02を通じて、皮膚科領域へ展開し、従来から取り組んでいる形成外科・整形外科領域からの事業拡大を目指します。 - 我が国で初となる他人の皮膚組織を原材料としたレディメイド(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品については、2018年10月よりAMEDの委託事業(国家プロジェクト)として「同種培養表皮の開発」及び「産業利用を目的とした同種細胞の安定供給体制の構築」に関する2案件を進めました。並行して、共同研究先である京都大学において同技術を用いた皮膚欠損創に対する臨床研究が実施されており、企業治験を実施するための評価データが集積されています。 |
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ45,662千円減少し、2,105,213千円となりました。当第2四半期累計期間のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は205,833千円(前年同四半期は60,684千円の使用)となりました。これは主に、売上債権の減少(202,197千円)等があったものの、たな卸資産の増加(97,345千円)及び税引前四半期純損失(270,150千円)等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、160,948千円(前年同四半期は240,725千円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、778千円(前年同四半期は2,228千円の使用)となりました。これは主に、リース債務の返済によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は、224,125千円であります。なお、研究開発費の金額は助成金の対象となる費用(63,782千円)控除後の金額であります。
当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第2四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。