当第2四半期累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期累計期間(2021年4月1日から2021年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株による再拡大などの影響が長期化する中、度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の実施により社会活動や個人消費の動きは鈍く、依然として景気の先行きについては不透明な状況が続きました。その一方で、新型コロナウイルスワクチン接種が一定数進んだことで9月に入り急速に感染者数は減少し、経済活動が緩やかながら回復に向かうことへの期待感が高まりました。
再生医療・細胞治療分野では、2021年9月に非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療を目的とした再生医療等製品(武田薬品工業 販売名:アロフィセル注)が新たに承認されました。これにより、わが国の再生医療等製品は14品目をかぞえ、そのうち細胞を使用した製品は11品目となりました。
このような状況の下、財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当第2四半期会計期間末における総資産は、受取手形及び売掛金の減少等により前事業年度末と比べ376,030千円減の7,743,155千円となりました。負債は、仕入債務の減少により前事業年度末と比べ108,438千円減の846,345千円となりました。純資産は、利益剰余金の減少により前事業年度末と比べ267,592千円減の6,896,809千円となり、自己資本比率は89.1%となりました。
b. 経営成績
当第2四半期累計期間における売上高は、再生医療製品事業の自家培養表皮ジェイス、自家培養角膜上皮ネピックに加え、研究開発支援事業の売上拡大により堅調に推移し、980,725千円(前年同期比7.0%増)となりました。営業損失は267,960千円(前期同期は272,279千円の営業損失)、経常損失は265,474千円(前年同期は270,150千円の経常損失)、四半期純損失は267,571千円(前年同期は272,279千円の四半期純損失)となりました。
再生医療製品事業の売上高は、692,971千円(前年同期比11.4%増)となり、セグメント利益は38,326千円(前年同期比7.9%増)となりました。
再生医療受託事業の売上高は、172,795千円(前年同期比18.8%減)となり、セグメント利益は104,375千円(前年同期比62.9%増)となりました。
研究開発支援事業の売上高は、114,957千円(前年同期比40.2%増)となり、セグメント利益は6,420千円(前年同期比9.2%減)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期会計期間の期首から適用しています。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりです。
各セグメントにおける概況及び新規パイプライン開発に関する特記事項は、以下のとおりです(□内は当四半期における主な成果です)。
[再生医療製品事業]
当社は再生医療製品事業として自家培養表皮ジェイス及び自家培養軟骨ジャックならびに自家培養角膜上皮ネピックの製造販売を行っています。2021年6月には、自家培養口腔粘膜上皮オキュラルの製造販売承認を取得しました。
・自家培養表皮ジェイス
自家培養表皮ジェイスは、2009年1月に保険収載された国内初の再生医療等製品であり、重症熱傷、先天性巨大色素性母斑及び先天性表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)を適応対象としています。ジェイスの保険適用に関しては、患者さまの一連の製造につき保険算定できる枚数の上限が設定されており、熱傷治療は40枚(医学的に必要がある場合に限り50枚)、先天性巨大色素性母斑治療は30枚、先天性表皮水疱症(栄養障害型と接合部型)治療は50枚が保険算定限度です。
・自家培養軟骨ジャック
自家培養軟骨ジャックは、2013年4月に保険収載された国内第2号の再生医療等製品であり、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く)を適応対象としています。
・自家培養角膜上皮ネピック
自家培養角膜上皮ネピックは、2020年6月に保険収載された眼科領域で国内初となる再生医療等製品であり、角膜上皮幹細胞疲弊症(スティーヴンス・ジョンソン症候群・眼類天疱瘡・移植片対宿主病・無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患・再発翼状片・特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症の患者を除く)を適応対象としています。
・自家培養口腔粘膜上皮オキュラル
自家培養口腔粘膜上皮オキュラルは、2021年6月に製造販売承認され、角膜上皮幹細胞疲弊症を適応対象としています。口腔粘膜上皮細胞を用いて角膜上皮幹細胞疲弊症を治療する、世界初の再生医療等製品です。
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当第2四半期累計期間における再生医療製品事業の売上は、692,971千円(前年同期比11.4%増)となりました。主な内訳は以下のとおりです。 当第2四半期累計期間におけるジェイスの売上は、475,399千円(前年同期比8.5%増)となりました。重症熱傷では医師向けのオンライン勉強会を開催、先天性巨大色素性母斑では拠点施設への全国からの集患加速、表皮水疱症では医師向け研究会等の施策を実施したことで、前年同期に対して売上が増加しました。当社は引き続き、医療機関への訪問規制を厳守しながら、有効な営業施策を実施し、ジェイスのさらなる普及に努めます。 当第2四半期累計期間におけるジャックの売上は、175,222千円(前年同期比4.7%減)となりました。一部の既存施設からの受注拡大に時間を要し、全体では前年同期に対して売上が減少しましたが、医療機関への営業活動に制限が残る中、販促資料の充実やオンラインツールの活用を図り情報提供等を工夫した結果、第1四半期を上回る新規施設からの受注を獲得しました。当社は、各医療機関の訪問規制状況に合わせた営業活動を実施して膝関節の軟骨欠損症例の取り込みを図り売上向上を目指します。 当第2四半期累計期間においては、2020年6月に保険収載されたネピックについて複数の受注を獲得し、移植が実施されました。2021年9月には中央社会保険医療協議会の総会において、オキュラルが2021年12月1日付で保険収載されることが了承されました。当社はネピックに加えてオキュラルを実用化し、販売を担う株式会社ニデックと協働することで、根治療法の存在しなかった角膜上皮疾患に対する治療の選択肢を拡げ、眼科領域のさらなる発展を目指します。 |
[再生医療受託事業]
当社は再生医療受託事業において、再生医療等製品の受託開発及びコンサルティング・特定細胞加工物製造受託を行っています。
・再生医療等製品の受託開発
当社は、医薬品医療機器等法のもと、再生医療等製品の承認を目的として臨床研究を実施するアカデミアや、医師主導治験を実施する医療機関、再生医療等製品の開発を行っている企業を対象に、再生医療等製品に特化した開発製造受託(CDMO)サービス・開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。自社製品の開発、製造販売で培った薬事開発、規制当局対応のノウハウ、GCTP適合の製造設備等の豊富かつ一貫した経験を生かし、細胞種(体細胞・幹細胞・iPS細胞)や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルかつシームレスに支援しています。
・コンサルティング・特定細胞加工物製造受託
当社は、再生医療等安全性確保法のもと、再生医療の提供機関に対するコンサルティングならびに特定細胞加工物製造受託サービスを提供しています。コンサルティングサービスでは、再生医療等提供計画の作成・細胞加工施設の運営体制の構築等、臨床研究・治療提供のために必要な行政手続きを支援しています。特定細胞加工物製造受託では、厚生労働省より許可を得た当社の細胞加工施設で特定細胞加工物の製造を受託しています。
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当第2四半期累計期間における再生医療受託事業の売上は、172,795千円(前年同期比18.8%減)となりました。新型コロナウイルスの影響を受けて開発の遅延が生じていた企業やアカデミアにおいて治験等が一部再開されたため、複数の案件にて受託業務が進展しました。一方で、一部案件で遅れや予定変更が発生するなどした影響により、全体では前年同期に対して売上が減少しました。当社は引き続き、既存案件において顧客とのコミュニケーションを密に図りながら役務を遂行するとともに、新規案件の獲得を図り、売上増加を目指します。 |
[研究開発支援事業]
当社は研究開発支援事業において、自社製品の開発で蓄積した高度な培養技術を応用した研究用ヒト培養組織の製造販売を行っています。
・ラボサイトシリーズ
研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズは、動物実験を代替する試薬です。日用品、医薬品、化粧品、化学品メーカーなど、化学物質を扱う企業向けに提案、販売しています。
・F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)
当社は、富士フイルムのヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC™(エフ-ハイシーク)」を製造販売しています。
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当第2四半期累計期間における研究開発支援事業の売上は、114,957千円(前年同期比40.2%増)となりました。研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズでは、新型コロナウイルスの影響が続く中、オンラインツールを最大限に活用し、各顧客のニーズに合わせた迅速かつ丁寧なアフターフォローを実施しました。その結果、前年同期に対し売上が大きく増加しました。2021年9月に、皮膚基礎研究に携わる研究者を対象とした全国規模の研究会「皮膚基礎研究クラスターフォーラム」を初めてオンラインで開催しました。過去最多となる研究者の方々にご参加いただき、最新情報を発信することができました。また経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインには、角膜モデル24を用いた眼刺激性試験法ならびにエピ・モデル24を用いた皮膚刺激性試験法と皮膚腐食性試験法が標準法の一つとして収載されており、海外からの引き合いも増えてきました。当社は引き続き、ラボサイトシリーズが信頼性の高い動物実験代替材料として活用できることを国内外に訴求し、一層の売上増加を目指します。 |
[新規パイプラインの開発]
当社は、今後の成長を加速させるため、新たなパイプラインの開発に積極的に取り組んでいます。
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当第2四半期累計期間における特記事項は以下のとおりです。 - 尋常性白斑及びまだら症といった安定期の白斑の治療を目的とするメラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮(開発名:ACE02)については、治験を実施しています。今後、速やかに製造販売承認申請を行い、皮膚科領域の事業拡大を目指します。 - わが国で初となる他人の皮膚組織を原材料としたレディメイド(事前に製造・保存しておき、必要な時に遅滞なく使用することができる)製品については、2021年8月に日本医療研究開発機構(AMED)の補助事業として「同種培養表皮の開発・事業化」に関する案件が新たに採択されました。共同研究先の京都大学が昨年度までに実施した他家(同種)培養表皮を用いた皮膚欠損創に対する臨床研究において製品の安全性と有効性が示唆されたことから、今後、AMED事業として速やかに企業治験を開始します。また、2021年6月にAMEDの委託事業として「再生医療等製品の原材料となる同種細胞の安定供給体制の構築」に関する案件が新たに採択されました。AMED事業において他家(同種)細胞を用いた再生医療等製品の開発を支援・遂行します。 - ジャックの適応拡大に向けて、外傷等に起因する二次性の変形性膝関節症を対象とした治験を実施しています。本適応拡大を通じて、対象患者の多い市場への展開を目指します。 - CD19陽性の急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia)の治療を目的とする自家CAR-T細胞製剤については、2019年9月より「piggyBacトランスポゾンベクターを用いた自家CD19CAR-T療法の企業治験開始に向けた研究開発」(ウイルスベクターを用いない新技術による国産のCAR-T細胞製剤の開発)に関するAMEDの補助事業として開発を進めています。並行して、技術導入元である名古屋大学において同技術を用いた急性リンパ性白血病に対する臨床研究が実施されており、企業治験に向けた評価データが集積されています。今後、企業治験の開始を目指します。 |
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ111,970千円減少し、1,763,900千円となりました。当第2四半期累計期間のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、81,107千円(前年同四半期は205,833千円の使用)となりました。これは主に、売上債権の減少(387,231千円)等があったものの、仕入債務の減少(48,314千円)、未払金の減少(122,405千円)及び税引前四半期純損失(265,474千円)等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、30,440千円(前年同四半期は160,948千円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得(18,634千円)及び無形固定資産の取得(12,461千円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、422千円(前年同四半期は778千円の使用)となりました。これは主に、リース債務の返済(401千円)等によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発活動の金額は、299,074千円であります。なお、研究開発費の金額は助成金の対象となる費用(52,902千円)控除後の金額であります。
当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第2四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。