当連結会計年度における経営環境を振り返りますと、世界経済全体としては緩やかな回復をたどりました。個別の国や地域においては、米国では実質GDP成長率が堅調に推移し、欧州では英国のEU離脱方針決定に伴う不透明感を残すものの、両地域とも緩やかな景気回復が続きました。中国をはじめとする新興国では経済成長の減速がみられました。国内では雇用・所得環境の改善が進み、個人消費は緩やかな回復の動きをみせました。
このような環境の中で当社グループは、当期より中期経営計画「NEXT STAGE 12」をスター卜し、重点施策である「個性際立つ商品の開発」、「お客様の拡大」、「持続的なコスト低減」、「グローバル事業運営の基盤強化」に取り組みました。
「個性際立つ商品の開発」につきましては、楽器事業では、トランスアコースティックギター、デジタルピアノ「ARIUS」、エレクトリックバイオリンなど、新しいテクノロジーや美しいデザインをお客様に感じていただける商品を投入しました。音響機器事業では、デジタルミキサーのフラッグシップモデルをはじめとした業務用音響機器や、「MusicCast※」機能を搭載したオーディオ商品群の拡充を行いました。部品・装置事業では、車載用のモジュールの提案や、新たな水素検出ユニットの開発などを進めました。
「お客様の拡大」につきましては、楽器事業では全世界での新規販売拠点の増加を目指し、成熟国ではEコマースや大手量販店を通じた販売にも積極的に取り組み、新興国では中間層をターゲットとした営業施策を進めています。また、学校での音楽教育支援のための音楽教室「MusicTime」を展開する学校の数が、インドネシアとマレーシアを合わせて約200校に達しました。音響機器事業では、音響設備事業者の取引先を拡大する施策を展開し、前年同期比10%増を遂げたほか、MusicCast搭載商品の店舗展示コーナーの設置を重点市場の欧州で進め、今期目標とした1,000店を達成しました。
「持続的なコスト低減」につきましては、調達コストダウンに継続して取り組みました。また、ピアノの製造工程の再配置を進めたほか、これまでオーディオ機器専業であったマレーシアの製造拠点で業務用音響機器、ICT(情報通信)機器の生産を開始し、工場稼働率の平準化を行うなど生産効率を高めました。
「グローバル事業運営の基盤強化」につきましては、次世代グローバル経営人材の育成、創出に向けた取り組みをスター卜させました。また、情報システムの北米、欧州、アジアの3地域体制の確立のほか、物流、会計のグローバル最適化に向けた取り組みを推進しました。
販売の状況につきましては、為替によるマイナス影響334億円及び音楽教室事業移管影響42億円もあり、売上高は4,082億48百万円(前年同期比6.3%減少)となりました。
損益の状況につきましては、通期で111億円となる為替のマイナス影響を吸収し、営業利益は443億2百万円(前年同期比8.9%増加)、経常利益449億26百万円(前年同期比9.8%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は467億19百万円(前年同期比43.2%増加)となりました。営業利益率は10.9%となりました。
※「MusicCast(ミュージックキャスト)」:家庭の複数の部屋に設置したオーディオ機器で音楽を簡単に共有するための新しい機能。「MusicCast」は、当社の商標です。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。
「電子部品」事業の規模が縮小したことに伴い、同事業を報告セグメントから除外し「その他」に含めております。また、事業の帰属を見直し、防音事業を「楽器」事業から「音響機器」事業に変更しております。
前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
(楽器事業)
ピアノは、中国でのアップライトピアノと欧州でのグランドピアノの販売が前年を上回りました。デジタルピアノは、中国ではポータブルキーボードからの買い上がり需要により好調となり、欧州では普及価格帯商品の販売が堅調でした。ポータブルキーボードは、米国では前年並みの販売だったものの、日本及び欧州で販売に苦戦しました。管楽器は中・高級価格帯商品が全世界で堅調な販売となりました。ギターは中国で中・高級価格帯商品の販売が大きく伸長し、ドラムは、アコースティックドラムの販売が堅調でしたが、電子ドラムは競合が厳しく前年の販売を下回りました。
以上により、当事業の売上高は、前年同期に比べ197億5百万円(7.1%)減少し、2,576億64百万円となりました。為替による減収要因222億円と音楽教室事業移管影響42億円が含まれており、その影響を除いた売上高は前年同期に比べ67億円の増収となりました。営業利益は、為替による減益要因86億円があったものの、コストダウン、価格の適正化、経費減等により、4億51百万円(1.4%)増加し321億38百万円となりました。
(音響機器事業)
オーディオ機器は、重点市場である欧州でMusicCast搭載商品の店舗展示を進めたことにより販売を伸ばし、米国、中国ではレシーバー等主力商品の販売が好調となりました。業務用音響機器は、米国及び中国でミキサー販売が伸長し、欧州では商業空間向け商品を含め販売が堅調に推移しました。また、国内の業務用音響機器、音響設備工事の販売も堅調となりました。ICT(情報通信)機器は、国内のルータ一等ネットワーク機器、会議システム等コミュニケーション機器は販売を伸ばしましたが、Revolabs,Inc.のコミュニケーション機器の販売は競合の激化により苦戦しました。防音事業の売上げは前年に届きませんでした。
以上により、当事業の売上高は、前年同期に比べ53億96百万円(4.5%)減少し、1,154億84百万円となりました。為替による減収要因が106億円含まれており、その影響を除いた売上高は前年同期に比べ52億円の増収となりました。営業利益は、為替による減益要因26億円があったものの、実質増収、コストダウン、経費減等により、19億10百万円(22.4%)増加し104億47百万円となりました。
(その他の事業)
電子デバイスは、ハンズフリー機能に対応した車載用オーディオLSIと光通信の設備に使用される熱電素子の販売が伸長しましたが、全体としての販売は減少しました。FA機器はスマー卜フォンの基板検査機の販売が増加し、自動車用内装部品は、搭載した自動車の販売の減少もあり売上減少となりました。ゴルフ事業は、新商品「inpres UD+2」の販売が好調でした。
以上により、当事業の売上高は、前年同期に比べ21億26百万円(5.7%)減少し、350億99百万円となりました。為替による減収要因が6億円含まれており、その影響を除いた売上高は前年同期に比べ15億円の減収となりました。営業利益は、コストダウン、経費減等により、12億77百万円(290.8%)増加し17億16百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期に比べ156億51百万円増加(前年同期は88億58百万円増加)し、期末残高は1,006億69百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、主として税金等調整前当期純利益により、391億42百万円(前年同期に得られた資金は423億99百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、有形固定資産の取得による支出等により、96億63百万円(前年同期に得られた資金は5億91百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、配当による支出等により、125億88百万円(前年同期に使用した資金は303億49百万円)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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楽器 |
184,843 |
94.0 |
|
音響機器 |
101,176 |
96.7 |
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その他 |
29,301 |
100.8 |
|
合計 |
315,321 |
95.5 |
(注) 1 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、製品の性質上、原則として見込生産を行っております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
楽器 |
257,664 |
92.9 |
|
音響機器 |
115,484 |
95.5 |
|
その他 |
35,099 |
94.3 |
|
合計 |
408,248 |
93.7 |
(注) 1 金額は外部顧客に対する売上高であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、平成28年3月末で終了した中期経営計画「Yamaha Management Plan 2016(YMP2016)」に続き、平成28年4月からの3年間を対象とした新たな中期経営計画「NEXT STAGE 12」を策定しました。
経営ビジョン「『なくてはならない、個性輝く企業』になる」を、当社グループが中長期的に目指す姿として掲げ、「ブランド力の強化と、その成果としての利益率の向上」のための期間と位置付けた上で、①楽器事業のさらなる収益力向上 ②音響機器事業の成長 ③第3の柱となる部品・装置事業の基盤確立、に取り組みます。為替の円高傾向で経済環境の不透明感が強まるなかでも収益力の着実な向上を目指し、経営目標として、最終年度の営業利益率を12%に設定しました。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1. 経営ビジョン
「なくてはならない、個性輝く企業」になる ~ブランド力を一段高め、高収益な企業へ~
「YMP2016」が数値目標を大きく上回って完了できたことから、次の高い目標にグループ一丸となって挑戦す
るべく、当社グループが中長期的に目指す姿を経営ビジョンとして明確にしました。
2. 新中期経営計画「NEXT STAGE 12」の概要
① 位置付け
高いブランド価値を持つ企業として長期的には営業利益率20%の実現を目指し、次のステップを、「なくてはな
らない、個性輝く企業」へ向けて「ブランド力の強化と、その成果としての利益率の向上」に取り組む3年間と位
置づけます。
② 基本戦略と経営目標
新たな価値創造と差別化で競争優位力を高めることを基本戦略とし、そのために、お客様とのつながりを一層強
め、魅力品質を高めるとともに、常に新しい価値ソリューションを提案していきます。
<経営目標(3年後)>
営業利益率12%(平成31年3月期)
・楽器事業のさらなる収益力向上(営業利益率15%水準へ)
・楽器に並ぶ将来の事業規模を見据えた、音響機器事業の成長(売上高実質伸長20%)
・楽器・音響機器に次ぐ、第3の柱となる部品・装置事業の基盤確立
③ 4つの重点戦略
a. 個性際立つ商品の開発
素材・解析技術から音源・信号処理・ネットワークや感性評価まで保有する幅広い技術の融合によって、他社
には真似のできないユニークな価値を高い基本性能の上に実現します。
新たな研究開発の拠点「イノベーションセンター(仮称)」を建設し、約2,500人の技術者を本社地区に結集するこ
とによりシナジーの創出を加速します。
b. お客様の拡大
コンシューマー向け商品の販売網拡充や地域ニーズを踏まえた音楽普及活動を加速するほか、法人およびB2B
の顧客サポート体制・拠点拡充等を通じて、それぞれのお客様に最適なサービスとソリューションを提供すること
により、お客様とのつながりを強め、広げていきます。
c. 持続的なコスト低減
製造原価の低減(生産工程再配置、調達コストダウン、新工法確立等)及び、間接業務の生産性向上を継続する
ことにより、80億円(3年間・ネット)のコスト低減を実現します。
d. グローバル事業運営の基盤強化
グループ人材の適材適所な配置と育成を進め、国を超えた人材の活躍を推進します。
また、IT、物流、会計、スタッフの機能をグローバルに最適化し、グローバル事業運営を支える基盤を強化す
るとともに、業務の効率化を進めます。
3. 主要事業戦略
① 楽器事業
事業規模を活かした技術開発力とマーケティングによる、さらなる収益性向上を図ります。
収益性の高い電子楽器の伸長と、モデルミックスや販売価格の見直しによる粗利改善等により利益率を改善させ
るほか、独自の感性評価技術による楽器の本質追求や、デジタル楽器、ハイブリッドピアノ等の新価値提供によ
り、商品競争力の強化を加速します。
また、マーケティングと顧客アクセスを地域別に最適化し、ブランド力の向上と顧客接点の拡大を推進します。
② 音響機器事業
信号処理とネットワーク技術の強みを活かした技術革新と、顧客サポートの強化により、成長を加速させます。
業務用音響機器の領域では、パートナーとなる設備事業者の付加価値を高める音響システムを提供するととも
に、システムエンジニアリング・営業スタッフを全世界で増強し、音楽ホール等に加えて店舗BGM・企業会議室
等への顧客の拡大を加速します。
コンシューマー・オーディオ機器の領域では、戦略商品であるMusicCastを中心に、顧客ニーズに合った自由自在
な音楽視聴スタイルの提案を進め、ブランド力の強化を図ります。
③ 部品・装置事業
部品・装置事業を第3の柱とするための基盤を確立します。
半導体メーカーからソリューションベンダーに形態を転換し、車載、ホームヘルスケア、産業機器の領域で、音
の技術を中心とする快適・安心・安全なソリューションを提供することにより、売上伸長を図ります。
車載領域では、音のトータル提案に加え、環境に配慮した車社会実現に向けた熱電ソリューションの開発を進め
ます。また、ホームヘルスケア市場に向けて、音とセンサー技術の応用による新しいソリューションを提案しま
す。
4.ESG
持続可能な社会の実現に向け、E(Environment 環境)、S(Social 社会)、G(Governance 企業統治)の観
点から、事業戦略に基づく事業活動を通じた社会課題解決への取り組み、事業プロセスにおける環境・社会への配
慮、並びにコーポレートガバナンスや内部統制強化による透明で質の高い経営を目指して、引き続き様々な取り組
みを進めます。
5.投資と株主還元
創出したキャッシュを戦略投資に配分した上で、積極的な株主還元を実施していきます。
・設備投資 400億円
・戦略投資 500億円(M&Aを含む)
・戦略マーケティング・戦略研究開発投資 100億円
株主還元については、継続的かつ安定的な配当を基本としますが、将来の成長投資の為の適正な内部留保とのバ
ランスを考慮しながら、資本効率の向上を目的とした機動的な株主還元も適宜、実施して参ります。
尚、配当については、連結配当性向30%以上を目標とします。
6.経営数値
「NEXT STAGE 12」最終年度(平成31年3月期)の経営目標を、営業利益率12%とします。
尚、財務数値目標(想定為替レート:USD115円、EUR125円)は以下の通りです。
・売上高 4,650億円
・営業利益 550億円
・ROE 10%水準
・EPS(一株利益) 200円水準
有価証券報告書に記載した事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、日本をはじめとする世界各国の経済状況の影響を受けます。世界の市場における景気後退、これに伴う需要の減少は、当社グループの収益と事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業を展開するそれぞれの分野で厳しい競争にさらされております。例えば楽器事業では、総合楽器メーカーとして高品質、高性能な製品を広い価格帯で販売しておりますが、個々の製品分野ごとに競合他社が存在しており、特に近年は、普及価格帯製品における競争が激化しております。
また、音響機器事業では、競合他社との低価格化競争にさらされており、今後の流通変革、新技術開発の動向によっては、低価格化競争がさらに激化する恐れもあり、当社グループの現在の優位性が影響を受ける可能性があります。
当社グループは楽器・音響機器に関わる事業領域をコアとし、楽器事業では世界一の総合楽器メーカーとしての地位を不動のものとする一方、音響機器事業では、オーディオと業務用音響機器を中心として事業を展開しております。その他の事業では、車載、アミューズメント機器、産業機器などの領域で事業を展開しております。
音・音楽・ネットワーク・デバイス関連技術の差別化を図ることが、当社グループの発展、成長に不可欠な要素となっております。これらの技術開発が、将来の市場ニーズを正しく予想し、的確に行われない場合、楽器事業では、製品付加価値の低下、価格競争に陥る恐れ、新規需要喚起ができないなどの問題が生じ、音響機器事業、その他の事業では事業そのものの存続が困難となる可能性があります。
当社グループは事業の拡大のため、設備投資等の事業投資を行っております。投資決定にあたっては、投資効果とリスクを定性的かつ定量的に把握し、慎重に判断しておりますが、状況によっては、一部または全部の投資額を回収できない、または撤退の場合に追加損失が発生するリスクを負っております。このような場合、当該投資を行った資産が減損の対象となる可能性もあります。
当社グループにおいて、他社との業務提携、出資、合弁会社の設立など、近年、他社とのパートナーシップ戦略の重要性が増しております。これらの業務提携、出資等は、相手先との利害の対立や相手先の事業戦略の変更等により、当初期待した効果が得られない場合があります。
当社グループが製造・販売する半導体、自動車用内装部品、部材・部品は、供給先メーカーの業績の影響を受けます。また、供給先メーカーとの間で、納期・品質等で信頼関係が損なわれた場合、その後の受注に悪影響を及ぼす可能性があります。また、品質等の欠陥によって、供給先メーカーから補償を求められる可能性があります。
当社グループは、世界の各地域に製造・販売拠点を置き、グローバルな事業展開をしております。連結子会社66社のうち46社が海外法人であり、そのうちの24社が製造・制作会社等で、主要製造拠点は中国、インドネシア、マレーシアに集中しております。また、海外売上高は売上高の66.1%を占めております。
これらの海外市場での事業展開には、以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しておりますが、一旦これらのリスクが顕在化した場合には、例えば、製造においては拠点集中による弊害が顕著に現れ、安定的な製品供給ができなくなる可能性があります。
①政治・経済の混乱、テロ、戦争
②不利な政策の決定または規制の設定・変更
③予期しない法律または規制の変更
④人材の確保の難しさ
⑤人件費、物価などの大幅な上昇
⑥原材料・部品調達の難しさ、技術水準の程度
⑦港湾ストなど物流の障害
⑧移転価格税制等に基づく課税
⑨ストライキ等の労働争議
当社グループは製品の製造にあたり、木材、銅等の金属材料、樹脂等を部品として使用しておりますが、これらの材料価格の高騰が製造原価を増加させることがあります。また、材料の種類によっては、特定の業者より供給を受けているものもあり、供給状況によっては、製造に影響を受けることがあります。
また、原油価格の高騰等により物流コストが増加すると、製造原価及び販売における売上原価を増加させる原因となることがあります。
当社グループの基幹事業である楽器事業では、子供を中心とする音楽教室や英語教室を展開しているほか、学校を通じた販売も重要な販売経路となっております。今後、特に日本における少子化の進行により、売上高の減少を招く可能性があります。
当社は、平均年齢が高く、高年齢層が厚い従業員構成となっており、従業員が大量に定年退職時期を迎えております。楽器等の製造に関わる技能の伝承や、次世代を担う人材の確保・育成など、要員構造変化への対応が重要課題であります。このような要員構造変化への対応が十分にできない場合、事業活動や将来の成長が阻害される可能性があります。
当社グループは、独自技術についての特許等の知的財産権、業務遂行上取得したノウハウを保有しておりますが、その一部は、特定地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。第三者が当社グループの知的財産権を利用することを、効果的に防止できない可能性があります。その結果、当該第三者の製造した類似品、模倣品が市場に出回ることにより当社グループ製品の販売に支障をきたす可能性があります。また、当社グループの製品が第三者から第三者の知的財産権を侵害しているとされる場合があり、その結果、これを利用した当社グループ製品の販売が遅れたり、販売できなくなる可能性があります。
当社グループは、製品の重要な部分のいくつかについて第三者から知的財産権のライセンスを受けております。ロイヤリティの上昇は、製造コストの増大を招き価格競争力に影響が出るほか、ライセンスを受けられなくなった場合、当該製品の製造ができなくなる可能性があります。
当社グループの製品は、当社が定めた品質保証規程及び製品品質規程によって管理されております。しかしながら、製品の全てについて欠陥が無いという保証はありません。製造物責任賠償及び一部製品の製品瑕疵に起因して被る損害については保険に加入しておりますが、この保険で損害賠償額を充分にカバーできるという保証はありません。製造物責任を伴う事故や大口のリコール等の発生があると保険料率の上昇が予想されます。また、設計変更などによる多額のコスト増大、当社グループの社会的評価の低下とそれによる売上げ減少が予想されることから、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが営む小売店舗、音楽教室、リゾート施設等における安全・衛生については十分注意を払っておりますが、万一事故が発生した場合、店舗・教室・施設等の一時休業や社会的評価の低下とそれによる売上げ減少が予想されます。
当社グループの事業は、全世界の拠点において、それぞれの国における法律の適用を受け様々な規制の対象となっております。例えば、対外的投資、国家安全保障上の輸出入制限、通商規制、独占禁止規制、消費者保護、税制、環境保護他の規制の適用を受けております。当社グループは、コンプライアンスの実践に尽力しておりますが、予期せずこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの企業活動が制限され、コストの増加につながる可能性があります。
事業活動に対する環境保護規制は強化の方向にあり、企業の社会的責任の一つとして自主的な環境活動プログラムの実施が求められております。当社グループは、製品、梱包材、省エネルギー、産業廃棄物処理などについて環境基準を上回る対策の実施に努めておりますが、事故などの発生により制限物質が環境基準を超えることを完全に防止または軽減できる保証はありません。また、工場跡地等で、制限物質により土壌が汚染されている場合には、将来、売却しようとする際、多額の浄化費用が発生する、あるいは売却できない可能性があります。第三者に売却済みの土地から将来制限物質が拡散し、大気、地下水を汚染し、その対策費が発生する可能性があります。
当社グループは、様々な経営及び事業に関する重要情報や、多数の顧客情報等の個人情報を保有しております。重要情報等の管理につきましては、方針や規定を策定し、情報セキュリティのための体制を整備しておりますが、万一これらの情報が誤って外部に漏洩した場合には、当社の事業に重大な影響を与え、あるいは社会的信用を低下させる可能性があります。
当社グループは、全世界において製造・販売等の企業活動を行っておりますが、グループ各社における外貨建取引は為替レートの変動の影響を受けます。外貨建取引については、短期的な為替変動の影響を最小限に止めるため先物為替予約取引等を行っておりますが、為替変動により当初の事業計画を達成できない可能性があります。特に損益については、影響が大きいユーロ・円レートにおいて、1円変動すると約4.5億円の損益影響をもたらします。
地震等の自然災害の発生により、当社グループの製造拠点等が損害を受ける可能性があります。特に当社の本社及び国内工場が集中している静岡県内においては、東海地震の発生が予想されております。また、製造拠点が集中する中国、インドネシアやマレーシアにおいても、予期せぬ自然災害が発生する恐れがあります。このような事象が発生した場合には、施設面での損害のほか、操業の中断や遅延、多額の復旧費用の発生などが予想されます。加えて、原材料・部品供給業者の被災状況によっては、製造に影響を受けることがあります。
当社グループの事業活動においては、情報システムの利用とその重要性が増大しています。サイバー攻撃やコンピュータウィルスへの感染などにより情報システムの機能に支障が生じた場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、時価のあるその他有価証券(当連結会計年度末の取得原価158億円、連結貸借対照表計上額1,295億円)を保有しております。時価のあるその他有価証券は決算日の市場価格等に基づき、再評価を行うため、決算日の株価等によって貸借対照表計上額が変動し、その結果、純資産金額が変動する可能性があります。また、時価が取得価額に比べ著しく下落した場合には減損の対象となる可能性があります。
土地の再評価に関する法律に基づき再評価を行った土地の当連結会計年度末における時価と再評価後の帳簿価額との差異は72億円であり、保有する土地に含み損が発生しております。土地の売却等の場合には、この含み損が実現する可能性があります。
当社グループの退職給付債務及び費用は、採用する退職給付制度及び割引率や長期期待運用収益率等の見積りに基づいて算出されております。退職給付制度は変更される場合があり、また見積りは決算期毎の結果と相違することがあります。結果として、退職給付債務及び費用が増加する可能性があります。
特記すべき事項はありません。
当社グループは、「感動を・ともに・創る」をコーポレートスローガンに掲げ、「私たちは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづける」を企業理念に掲げています。これを支えるために、これまでに蓄積してきた「音と人が関わる技術」をコア技術と定め、更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、素材・解析、センシング、メカトロニクス、音源、信号処理、ネットワーク、感性評価等、音そのものに留まらず、基礎から応用まで、音の活用を支える技術分野に大きく広がっています。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク・デバイス」を強化分野とし、特に「良い音」を科学的に理解し、実際の楽器・音響機器設計に適用できるよう研究開発を進めました。また、物理モデル、音楽解析、歌唱合成などの技術の高度化と、ネットワーク時代に対応した高音質の伝送技術や無線接続に関連する技術開発も進めています。
当社グループの研究開発体制は、楽器・音響機器事業については当社楽器・音響開発本部、及び当社の連結子会社であるLine 6,Inc.、NEXO S.A.、Revolabs,Inc.、Steinberg Media Technologies GmbHの開発部門、その他の事業については当社電子デバイス事業部、ゴルフHS事業推進部及び当社の連結子会社であるヤマハファインテック(株)の開発部門、全社横断的R&D、新規事業については当社技術本部研究開発統括部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は244億15百万円であります。
1 楽器事業
アコースティック楽器関連では、自動演奏機能付きアコースティックピアノの新製品として、「Disklavier ENSPIRE」を開発しました。「Disklavier」は、アコースティックピアノとして演奏できるだけでなく、当社独自の高精度デジタル制御システムで、鍵盤やペダルの動きを正確に再現する自動演奏機能を搭載した、ハイブリッドピアノです。500曲のバラエティ豊かな自動演奏のピアノ曲データを内蔵し、従来のアンサンブル伴奏データに加えて、今回、オーディオ音源も再生できる機能を初搭載しました。プロモデルでは、弱いタッチの連打を高精度に再生できる世界初の技術「ハンマーセンサーフィードバック」により、より繊細な音の表現も可能となりました。また、斬新で美しく立体的なデザインを採用したエレクトリックバイオリン「YEV104」「YEV105」を開発しました。当社ならではの高い木材加工技術により、表と裏に連続性のあるメビウスの輪のようなフレームラインが特徴的なデザイン性の高い造形を実現しました。どの角度からでも美しく見える立体的な形状で、ステージ映えするデザインとなっています。なお、バイオマス由来樹脂製リコーダー「YRE-401/402B、YRA-48B、YRSA-402B」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。また、エレクトリックバイオリン「YEVシリーズ」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)と「iFデザインアワード」の最高賞「iFゴールドアワード」(主催:インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファー(iF))を受賞しました。「iFゴールドアワード」の受賞は、当社では初めてとなります。
ギター関連では、ギターの生音に、アンプを使わずにリバーブなどのエフェクトを直接かけられる「トランスアコースティックギター」を開発しました。2015年3月に発売開始した「トランスアコースティックピアノ」に搭載している、電気信号を振動に変換してアコースティック楽器と同じ発音方式で響かせる当社独自の技術「TransAcoustic」を応用した新しいギターです。弦などの振動を電気信号に変換してエフェクト処理し、ギター内部に搭載した「加振器」に伝え、ギターのボディを振動させることによってエフェクト音が生まれます。実音とエフェクト音が一体となってギター全体で響くことで、自然で心地よい響きを得られます。これにより、当社のエレクトロニクス分野とアコースティック分野のノウハウを掛け合わせた、新しい演奏体験を実現しました。また、新たな発想で開発した個性的なエレキギター「REVSTARシリーズ」を開発しました。ヤマハエレキギターの代表的モデルである「SGシリーズ」の面影を残しつつ、カスタムバイクを連想させる個性的なデザインになっています。さらに、独自開発のピックアップを搭載したことで、粘りのある骨太のサウンドを持ちながらキレのあるエッジ感も実現したほか、新設計のネックジョイント形状とボディ形状により、高い演奏性を持ち合わせています。なお、エレキギター「REVSTARシリーズ」は、「iFデザインアワード」(主催:インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファー(iF))を受賞しました。
電子楽器関連では、新音源システムにより高い表現力を実現したミュージックシンセサイザー「モンタージュ」を開発しました。「モンタージュ」は、画期的な音色コントロールにより今までにない新しい音楽表現を可能とする、次世代のフラッグシップシンセサイザーです。新しい音源システム「Motion Control Synthesis Engine」を搭載し、滑らかでダイナミックな演奏表現を実現しました。またプレイヤーのニュアンスを繊細に表現する高品位な鍵盤や最大128種類のパラメーターを一気に変化させることができる、革新的なコントローラー「Super Knob」を含む高い操作性を実現するユーザーインターフェースなどが、プレイヤーの創造性を引き出します。また、グランドピアノの音とタッチにこだわった電子ピアノのベーシックモデル「ARIUS YDP-163/YDP-143」を開発しました。「YDP-163/YDP-143」は、ヤマハのコンサートグランドピアノからサンプリングした「リアル・グランド・エクスプレッション(RGE)スタンダードII音源」や、グランドピアノのタッチ感に近づいた「グレードハンマー3(GH3)鍵盤」(「YDP-163」のみ)の採用により、さらに本格的な音と弾き心地をお楽しみいただけるようになりました。また、ヘッドフォン着用時でも、自然な聴き心地で演奏ができる「ステレオフォニックオプティマイザー」や、スマートフォンやタブレットの画面で楽器の機能を簡単に操作できるアプリケーション「Digital Piano Controller」との連携により、演奏時の快適性や利便性が向上しました。なお、電子ピアノクラビノーバ「CLP-585」は、「German Design Award 2017」(主催:ドイツデザイン評議会)において「Special Mention」に選出されました。
新規事業関連では、当社の技術とノウハウを凝縮したICT音楽教育ソリューション「Smart Education System」を開発しました。「ボーカロイド教育版」は、当社が開発した歌声合成技術「VOCALOID」(ボーカロイド)を小中学校の音楽授業を想定し改良したもので、思い浮かんだ歌詞やメロディーを入力して、試行錯誤を重ねながら直感的な操作で曲をつくることができる音楽ソフト形式のデジタル教材です。なお、「おもてなしガイド」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)のグッドデザイン・ベスト100に選出され、さらに「IAUDアウォード2016」(主催:一般財団法人 国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD))において金賞を受賞しました。本アウォードの受賞は、当社としては今回が初めてとなります。
研究開発費は87億28百万円であります。
2 音響機器事業
オーディオ関連では、当社のスピーカー技術を集大成したフラッグシップモデルのブックシェルフスピーカー「NS-5000」を開発しました。「NS-5000」は、従来のスピーカー設計の枠に捉われない新概念の技術と素材に挑戦し、これからのHiFiスピーカーの理想を指し示す新たな標準器として開発したフラッグシップ3ウェイブックシェルフスピーカーです。ベリリウムに匹敵する音速(音の伝播速度)を実現する新開発の振動板素材をツィーター/ミッドレンジ/ウーファーのすべてに採用して全帯域の音色を統一するとともに、筐体にも最新の研究成果を投入することで定在波の解消と無共振化を徹底しました。音のカラーレーション(色付け)や特定のサウンドキャラクターを排除した心地良さとリアリティ、そして究極的なS/N感を備えた次世代のナチュラルサウンドを実現しました。また、ハイレゾ音源をはじめとするネットワーク音源やアナログ音源など、さまざまな音楽コンテンツを高音質で快適に楽しめる「MusicCast」対応のネットワークオーディオコンポ「WXA-50/WXC-50」を開発しました。「WXA-50/WXC-50」は、ネットワークオーディオ再生やWi-Fi及びBluetoothを利用したワイヤレス音楽再生、対応機器間での音楽コンテンツの配信・共有・リンク再生をひとつのアプリで行える当社独自の「MusicCast」などに対応したネットワークオーディオコンポです。当社のHiFiオーディオやハイグレードAVレシーバー「AVENTAGE」シリーズの開発で培った高音質技術を横幅214mm×パネル高さ42mm(脚部除く)のコンパクトなボディに凝縮するとともに、圧縮音源を魅力的なサウンドで再現するミュージックエンハンサー、小音量再生時にも正確なサウンドバランスが得られるボリュームアダプティブEQなども採用し、ハイレゾ音源を含むさまざまな音楽コンテンツを高音質かつ快適に楽しむことができます。なお、ブックシェルフスピーカー「NS-5000」とデジタル・サウンド・プロジェクター「YSP-2700」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。
業務用音響機器関連では、高い出力性能と優れた信号処理能力を備えたDSP搭載型高音質パワーアンプ「PXシリーズ」を開発しました。カスタムLSIを使用した新規設計のクラスDエンジンを搭載、1チップに必要な機能を凝縮したシンプルな構成にすることで軽量化と高信頼性を両立しました。また、高性能DSPと信号処理におけるノウハウの融合による柔軟なプロセッシングにより、使用するスピーカーに最適な設定を施すコンフィグウィザードやヤマハスピーカーに最適なチューニングのプリセット群など、簡易な操作でスピーカーを保護しながら最大限のパワーをスピーカーに提供します。また、コンパクトなラックマウントタイプのデジタルミキサー「TF-RACK」を開発しました。「TF-RACK」は、2015年6月に発売した「TFシリーズ」(TF5/TF3/TF1)に追加となるコンパクトなラックマウント型モデルです。革新的な操作性で熟練のエンジニアからミキシングを学び始めたオペレーターまで幅広いユーザー層から好評を得ている「TFシリーズ」の特長を継承しながら、EIA規格19インチ標準ラックにマウントできるコンパクトな3Uサイズを実現しました。タッチパネルによる直感的なユーザーインターフェース「TouchFlow Operation」などにより、スペースに制限がある会場や演目においても直感的かつスムーズな操作性を提供し、可搬性にも優れるため素早いセッティングと快適なオペレーションを行うことが可能です。また、Steinberg Media Technologies GmbHは、 オーケストラなどの楽譜を効率よく快適に作成でき、美しい印刷が可能なソフトウェア「Dorico」を開発しました。「Dorico」は、Steinberg社で初となる本格的な楽譜作成ソフトウェアです。直感的なワークフローと美しい楽譜印刷により、作曲・編曲・演奏に集中することができます。シンプルで無駄のないユーザーインターフェース、ショートカットキーによる入力と編集、強力なページレイアウト機能、複数の楽曲・楽章を一元管理できる「フロー」により、効率よく快適に楽譜を作成できます。なお、商業空間向け音響機器「MA/PAシリーズ」「VXSシリーズ/VXSシリーズFモデル」「VXCシリーズ/VXCシリーズFモデル」は、「2016年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。
情報通信機器関連では、クラウド型のネットワーク統合管理サービス「Yamaha Network Organizer(YNO)」を開発しました。YNOは、当社が発売したネットワーク機器をクラウドから監視・管理することのできる統合管理環境を提供するサービスです。中小規模ネットワークを中心に展開してきたヤマハネットワーク機器製品では、管理する機器が広範囲に広がっているなどの理由から、監視・管理のシステム構築に踏み出せなかったケースも多く存在しています。YNOをご利用いただくことで、これらの機器の監視・管理の負担を少なくし、より効率よく、さらにはトラブルにも強い機器管理を実現いたします。YNOは、ネットワーク機器の情報を、すべてクラウド上で管理します。これにより、設定情報を持ち歩くことなく、安全に一元管理できます。さらに、複数の機器設定を変更するなどの作業も、YNOのWeb管理画面上で簡単に行えますので、ネットワーク機器を管理される方の負担を大きく軽減いたします。また、管理負荷を軽減する「ネットワークの見える化」に対応したスイッチ「SWX2100-24G」「SWX2100-5PoE」「SWX2100-10PoE」を開発しました。「SWX2100-24G」は、基本機能に特化したスイッチでありながら*SFPポートを搭載し、階層や建屋をまたがるLANを構成できるモデルとして、安定したネットワークを構築できるコストメリットの高いL2スイッチです。「SWX2100-5PoE」「SWX2100-10PoE」はVLAN機能などを必要としないIPカメラ専用ネットワークでPoE給電を可能にするモデルとして、安定したネットワークを構築できるコストメリットの高いL2スイッチです。
研究開発費は114億47百万円であります。
*SFP:Small Form Factor Pluggableの略。光ファイバーを通信機器に接続する光トランシーバーの規格。
3 その他の事業
電子デバイス事業関連では、補聴器向けの磁気スイッチ「YAS540(MSW2)」を開発しました。高感度、高S/N比の磁気センサー素子を採用し、0.9Vでの動作を実現しました。補聴器では、携帯電話使用モードへの自動切り替え機能が増加しており、小型、低電圧駆動、低消費電力で携帯電話スピーカーの接近検知が可能です。また、ヤマハファインテック株式会社では、水素トレースガス生成装置「YMHN-500」を開発しました。純水から4%のトレースガスを生成します。ボンベ交換が不要になり、より手軽に安全に、水素を用いたリークテストを行う事ができ、低コスト化にも貢献します。
ゴルフ事業関連では、プラス2番手テクノロジーを搭載したゴルフクラブ「inpres UD+2」と女性専用設計のやさしさをプラスした「inpres UD+2 LADIES」を開発しました。「inpres UD+2」は、2014年の発売以来、アイアンの常識を超える飛距離でご好評をいただいている「inpres RMX UD+2アイアン」の革新的な技術、プラス2番手テクノロジーをさらに進化させ、シリーズとして生まれ変わった、新生「inpres」シリーズの最初のモデルとなるゴルフクラブです。ドライバー・フェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアンのすべてのクラブにおいて、プラス2番手テクノロジーの3要素である「ルール限界に迫る反発性能」「スーパー重心設計」「高初速ロフト設計」を搭載しています。新生「inpres」は、合理的に飛距離を伸ばしたいスマートゴルファーに向けて、明らかな飛びを提供することをコンセプトとして生まれたシリーズです。
研究開発費は42億40百万円であります。
当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は4,681件であります。
(注)
・ iPhone、iPadは、Apple Inc.の商標です。
・ Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの商標です。
・ Bluetoothは、Bluetooth SIG, Inc.の商標です。
・ Disklavier、Disklavier ENSPIRE、TransAcoustic、REVSTAR、Montage、ARIUS、VOCALOID、MusicCast、AVENTAGE、Yamaha Network Organizer(YNO)、inpres、RMX、UD+2は、当社の商標です。
・ Doricoは、Steinberg Media Technologies GmbHの商標です。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針選択の判断と適用を前提とし、決算においては資産・負債の残高、報告期間における収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。このような見積りについて経営者は、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの採用している重要な会計方針のなかで、経営者の見積りが大きな影響を与える事項は次のとおりです。
① 貸倒引当金算定における見積り
一般債権についての引当金算定における貸倒実績率と、貸倒懸念債権等特定の債権についての個別の回収不能見込額について、見積りを行っております。
② たな卸資産評価における見積り
たな卸資産評価において、総平均法単価等と比較すべき時価の一部の算定について、見積りを行っております。
③ 固定資産の減損会計における見積り
減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フロー及び割引率について見積りを行っております。
④ 時価のあるその他有価証券の減損処理における見積り
「著しく下落した」と判断し減損対象として候補にあがった銘柄についての回復可能性について、判定を行っております。
⑤ 繰延税金資産算定における見積り
繰延税金資産の回収可能性評価のために、将来の合理的な課税所得を算定するうえで、見積りを行っております。
⑥ 製品保証引当金算定における見積り
製品販売後に発生する補修費用の算定における、売上高もしくは販売台数に対する経験率による見積り及び個別見積りを行っております。
⑦ 退職給付に係る負債算定における見積り
退職給付に係る負債算定の前提になる退職給付債務について、見積りを行っております。
① 報告セグメントごとの売上高の状況
当連結会計年度の売上高は、販売が堅調に推移したものの、為替影響及び音楽教室事業移管の影響により、前年同期に比べ、272億29百万円(6.3%)減少し、4,082億48百万円となりました。楽器事業、音響機器事業、その他の事業の各事業で減収となりました。
楽器事業の売上高は、前年同期に比べ197億5百万円(7.1%)減少し、2,576億64百万円となりました。為替による減収要因222億円と音楽教室移管影響42億円が含まれており、その影響を除いた売上高は前年同期に比べ67億円の増収となりました。
ピアノは、中国ではアップライトピアノ、欧州ではグランドピアノの販売が好調に推移し、北米市場も、堅調に推移するなど為替影響を除く実質では、前年を上回る実績となりました。電子楽器は、ポータブルキーボードが前年実績に未達となったものの、デジタルピアノではポータブルキーボードからの買い上がり傾向もあり堅調に推移し、シンセサイザーの新商品の好調な動きもあり、実質ベースでは総じて堅調な推移となりました。管楽器は、国内市場を除く各市場で堅調に推移し、全体でも前期実績を上回りました。弦打楽器も、中国市場でギターが高い成長率を記録するなど、全体では為替影響を除く実質ベースで前年を上回りました。
市場別には、中国が実質二桁成長を記録するなど好調な販売となり、北米市場および欧州市場も堅調な販売となりました。
音響機器事業の売上高は、前年同期に比べ53億96百万円(4.5%)減少し、1,154億84百万円となりました。為替による減収要因が106億円含まれており、その影響を除いた売上高は、前年同期に比べ52億円の増収となりました。
オーディオ機器では、ネットワーク対応のオーディオ機器の市場導入を進め、北米、中国市場では、レシーバー等の主力製品の販売が堅調な推移となりました。業務用音響機器は、販売体制整備の遅れていた北米市場に成果が出始めるなど、先進国市場中心に好調に推移し、全体の成長をけん引しました。ICT(通信機器)のルーターも対前年同期実質二桁成長を記録しました。
その他の事業の売上高は、前年同期に比べ21億26百万円(5.7%)減少し、350億99百万円となりました。
電子部品は、アミューズメント向けデバイスが前期から若干の減収となったことに加え、オーディオ系デバイスの減収が大きく、対前年同期減収となりました。FA機器は、対前期増収となりましたが、自動車用内装部品は減収となりました。リゾート事業は、一部施設の一般営業を第3四半期で終了したことから減収となりました。ゴルフ用品は、国内市場が新商品効果で増収となりましたが、海外市場が振るわず前期実績に対し減収となりました。
② 地域別売上高の状況
国内売上高は、前年同期に比べ66億29百万円(4.6%)減少し、1,384億4百万円となりました。減収の主要因は、音楽教室事業の一般財団法人ヤマハ音楽振興会への運営移管影響によるものです。
楽器事業は、製品売上では、ピアノが前期並みを維持したものの、電子楽器、管楽器、弦打楽器ともに対前年同期で減収となりました。また、音楽教室が運営移管に伴う減収に加え、在籍生徒数の減少により減収となるなど、製品売上以外も減収となり、楽器事業全体では減収となりました。音響機器事業は、オーディオがネットワーク対応のオーディオ機器が好調に推移し、PA機器では、業務用音響機器、音響設備工事が好調に推移するなど、売上げを伸ばしました。その他の事業では、電子部品事業は、アミューズメント機器向けの音声及び画像LSIが減収となったほか、オーディオ系のデバイスの減収が大きく、全体でも減収となりました。また、FA機器、熱電素子は増収となりましたが、自動車用内装部品が減収となり、部品・装置全体では前年同期に比べ減収となりました。ゴルフ用品は新商品が好評で売上げを伸ばしましたが、リゾート事業は、一部施設の営業終了の影響もあり減収となりました。
海外売上高は、前年同期に比べ205億99百万円(7.1%)減少し2,698億43百万円となりました。為替による減収要因が328億円含まれており、その影響を除いた売上高は前年同期に比べ122億円の増収となりました。為替要因を除外した実質では、北米市場および中国市場が好調、欧州市場も堅調に推移しましたが、その他市場が前年同期を下回りました。海外売上高比率は前期の66.7%から0.6ポイント下落し、66.1%となりました。
地域別では、北米は前年同期に比べ52億2百万円(5.9%)減少し830億32百万円となりました。為替による減収要因が97億円含まれており、その影響を除いた売上高は前年同期に比べ45億円の増収となりました。為替要因を除外した実質では、楽器事業は、多くの商品が前期実績を上回りました。音響機器事業は、オーディオが量販店向けの増収などで回復傾向を示し、PA機器では、業務用音響機器が、販売体制整備の進展に伴い高い成長を示しけん引しました。以上により、北米市場全体では、実質で前年同期に比べ増収となりました。
欧州は、前年同期に比べ57億41百万円(7.0%)減少し764億63百万円となりました。為替による減収要因が92億円含まれており、その影響を除いた売上高は前年同期に比べ35億円の増収となりました。為替要因を除外した実質では、楽器事業ではピアノがグランドピアノの販売増などで増収となり、電子楽器ではポータブルキーボードの苦戦はあったもののデジタルピアノが堅調に推移し、管楽器、弦打楽器は共に実質増収となりました。音響機器事業では、オーディオが前期並みにとどまったものの、PA機器が業務用音響機器、楽器販売ルートの音響機器共に好調で実質増収となりました。以上により、欧州市場全体では実質で前年同期に比べ増収となりました。
中国及びアジア・オセアニア・その他の地域は、前年同期に比べ96億55百万円(8.0%)減少し、1,103億47百万円となりました。為替による減収要因が139億円含まれており、その影響額を除いた売上高は、前年同期に比べ42億円の増収となりました。為替要因を除外した実質では、中国では、楽器事業で最も売上規模の大きいピアノが高成長を継続したほか、電子楽器、ギターを中心とした管弦打楽器も好調に推移しました。音響機器事業では売上規模はまだ大きくないものの、前年同期並みに推移しました。アジア・オセアニア・その他の地域は、国・地域により跛行性はありますが、楽器事業が製品売上で前年同期並みの売上を維持したものの、音響機器事業では、前年同期に比べ減収となり、市場全体では、実質ベースで前年同期に比べ、僅かに減収となりました。
③ 売上原価と販売費及び一般管理費
売上原価は、前年同期に比べ199億55百万円(7.6%)減少し2,424億51百万円となりました。売上原価率は、前年同期から0.9ポイント改善し59.4%となりました。
売上総利益は前年同期に比べ72億73百万円(4.2%)減少し1,657億96百万円となりました。売上総利益率は、前年同期から0.9ポイント改善し40.6%となりました。
また販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ109億13百万円(8.2%)減少し1,214億93百万円となりました。売上高販売管理費比率は、前年同期から0.6ポイント改善し29.8%となりました。
④ 営業利益
営業利益は、前年同期に比べ36億39百万円(8.9%)増益の443億2百万円となりました。
セグメントごとの営業利益では、楽器事業は減収とはなりましたが、コストダウン、価格の適正化、経費減等により、前年同期の316億87百万円から4億51百万円(1.4%)増益となり、321億38百万円となりました。音響機器事業は、オーディオの新商品投入効果や、業務用音響機器の増収などに加え、コストダウン、経費減等で、前年同期の85億36百万円から19億10百万円(22.4%)増益の104億47百万円となりました。その他の事業は、前年同期の4億39百万円から、12億77百万円(290.8%)増益となり、17億16百万円となりました。
要因別には、為替影響(111億円)、海外生産拠点の労務費上昇等による製造コストアップ(20億円)等の減益要因がありましたが、コストダウン(49億円)、実質増収等(45億円)、販売管理費の減少(38億円)、販売価格適正化(35億円)等の増益要因により、前年同期に比べ増益となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、米国販売子会社での一般特恵関税還付金等があった前年同期の48億76百万円から1億51百万円(3.1%)減少の47億25百万円となりました。このうち、受取配当金はヤマハ発動機株式会社からの配当金が増加したこと等により、前年同期の23億77百万円から、7億30百万円(30.7%)増加し、31億8百万円となりました。
営業外費用は、前年同期の46億32百万円から5億30百万円(11.5%)減少し、41億1百万円となりました。このうち、売上割引は前年同期の29億9百万円から2億93百万円(10.1%)減少し、26億16百万円、為替差損は前年同期の5億98百万円から3億80百万円(63.6%)減少の2億18百万円となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、旧店舗や寮施設、遊休地の売却等があった前年同期の89億79百万円から46億41百万円減少し43億37百万円となりました。
特別損失は、前年同期の83億9百万円から、19億43百万円減少し、63億66百万円となりました。このうち、リゾート事業再編等により発生した構造改革費用を30億32百万円を計上しております。また、のれん償却額として、14億99百万円を計上しております。これは連結子会社株式の減損処理に伴うのれんの一時償却であり、米国子会社であるRevolabs,Inc.及びその子会社に係るのれんに対するものであります。
⑦ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前年同期の415億78百万円から13億20百万円(3.2%)増益の428億98百万円となりました。売上高税金等調整前当期純利益率は、前年同期の9.5%から1.0ポイント改善し、10.5%となりました。
⑧ 法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額
法人税、住民税及び事業税は、前年同期の95億41百万円から8億13百万円(8.5%)減少し、87億28百万円となりました。
法人税等調整額は、繰延税金資産の回収可能性について見直しを行った結果、当連結会計年度において繰延税金資産の追加計上を行ったことにより前年同期の△6億56百万円から120億49百万円減少し、△127億6百万円となりました。
⑨ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前年同期の59百万円から97百万円(164.2%)増益の1億56百万円となりました。
⑩ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期の326億33百万円から140億85百万円(43.2%)増益の467億19百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前年同期の168円90銭から249円17銭となりました。
⑪ 為替変動とリスクヘッジ
海外連結子会社の売上高は、期中平均レートで換算しております。当連結会計年度の米ドルの期中平均レートは前年同期に対し約12円円高の108円となり、前年同期に比べ約108億円の減収影響となりました。また、ユーロの期中平均レートは前年同期に対し約14円円高の119円となり、前年同期に比べ約92億円の減収影響となりました。また、人民元、イギリスポンドなど、米ドル、ユーロ以外の通貨は、前年同期に比べ約134億円の減収影響となり、売上高全体では、前年同期に比べ約334億円の減収影響となりました。
また、営業利益につきましては、米ドルは充当(マリー)効果により、決済レートの変動による為替影響は概ねヘッジできているものの、海外連結子会社の営業利益の換算等により、約11億円の減益影響となりました。ユーロの決済レートは、前年同期に対し約14円円高の121円となり、約61億円の減益影響となりました。また、他の通貨を含めた全体では前年同期に比べ約111億円の減益影響となりました。
① 資産
当連結会計年度末の総資産は、前年同期末の4,697億45百万円から526億17百万円(11.2%)増加し、5,223億62百万円となりました。
流動資産は、前年同期末に比べ175億85百万円(6.9%)増加し、2,727億20百万円となりました。主として現金及び預金、受取手形及び売掛金、たな卸資産等が増加したことによります。
現金及び預金は、前年同期末に比べ176億93百万円(20.1%)増加の、1,058億59百万円となりました。受取手形及び売掛金は、前年同期末に比べ19億69百万円(4.0%)増加し、509億95百万円となりました。たな卸資産は、前年同期末に比べ12億61百万円(1.4%)増加し、931億27百万円となりました。繰延税金資産は、前年同期末に比べ2億23百万円(2.5%)減少し、85億79百万円となりました。その他の流動資産は、自己株式取得目的の信託金の減少等により前年同期末に比べ31億23百万円(16.9%)減少し、153億97百万円となりました。流動資産と後述の流動負債を比較した流動比率は330.3%(前年同期末は338.1%)で、引き続き高い流動性を維持しております。
固定資産は、前年同期末の2,146億10百万円から350億31百万円(16.3%)増加し、2,496億41百万円となりました。主として、投資有価証券等が増加したことによります。
有形固定資産は前年同期末に比べ11億95百万円(1.1%)増加し、1,054億75百万円となりました。なお、建設仮勘定は、本社地区における新開発棟新築工事等により57億42百万円(371.7%)増加の72億87百万円となりました。無形固定資産は、前年同期末に比べ23億64百万円(42.5%)減少し、31億95百万円となりました。このうち、のれんは、米国子会社であるRevolabs,Inc.に係るのれんの一時償却を計上したこと等により23億95百万円(97.5%)減少し、60百万円となりました。投資有価証券は、前年同期末に比べ358億60百万円(37.0%)増加し、1,327億71百万円となりました。主として、保有有価証券の時価が上昇したことによります。
② 負債
負債残高は、前年同期末の1,658億56百万円から109億31百万円(6.6%)減少し、1,549億24百万円となりました。
流動負債は、前年同期末に比べ71億5百万円(9.4%)増加し、825億65百万円となりました。短期借入金、未払金及び未払費用などは増加しましたが、支払手形及び買掛金、製品保証引当金などは減少しました。
短期借入金は前年同期末に比べ27億61百万円(32.8%)増加し、111億70百万円となりました。また、未払金及び未払費用は、前年同期末に比べ67億38百万円(18.1%)増加し、439億61百万円となりました。支払手形及び買掛金は、前年同期末に比べ15億24百万円(7.9%)減少し、178億28百万円となりました。また、製品保証引当金は、前年同期末に比べ8億39百万円(33.2%)減少し、16億87百万円となりました。
固定負債は、前年同期末に比べ180億37百万円(20.0%)減少し、723億59百万円となりました。繰延税金負債、退職給付に係る負債及び長期預り金等が減少しました。
繰延税金負債は、前年同期末に比べ25億88百万円(10.5%)減少し、221億61百万円となりました。また、退職給付に係る負債は、退職給付制度の改定等により前年同期末に比べ149億85百万円(39.4%)減少し、230億39百万円となりました。長期預り金は、前年同期末に比べ59億39百万円(39.5%)減少し、91億2百万円となりました。
③ 実質有利子負債
有利子負債である長短借入金が112億41百万円ありますが、現金及び預金が1,058億59百万円あり、現金及び預金から長短借入金を差し引いたネットでの現金及び預金は946億17百万円となり、前年同期末の796億55百万円に比べ149億62百万円の増加となりました。
④ 純資産
純資産は、前年同期末の3,038億89百万円から635億48百万円(20.9%)増加し、3,674億37百万円となりました。自己株式取得、為替換算調整勘定の変動による減少はありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の増加等による利益剰余金の増加、その他有価証券評価差額金の増加、退職給付に係る調整累計額の増加等により純資産は増加となりました。
自己株式は、平成28年2月4日取締役会決議に基づく自己株式の取得等により、前年同期末に比べ27億85百万円増加し、為替換算調整勘定は前年同期末に比べ47億6百万円マイナス幅が拡大しました。利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益467億19百万円、配当金の支払額97億68百万円等により、前年同期末に比べ375億98百万円(17.6%)増加し、2,506億49百万円となりました。その他有価証券評価差額金は、保有有価証券の時価上昇等により、前年同期末に比べ252億44百万円(45.9%)増加し、802億82百万円となりました。。退職給付に係る調整累計額は、退職給付制度の改定等により前年同期末に比べ86億75百万円マイナス幅が減少し△26億45百万円となりました。非支配株主持分は、前年同期末に比べ30百万円(1.3%)減少し、23億14百万円となりました。
以上により自己資本比率は前年同期末の64.2%から69.9%へ5.7ポイント増加し、自己資本利益率(ROE)は、前年同期の10.1%から14.0%へ3.9ポイント上昇しました。なお、当連結会計年度の自己資本利益率(ROE)には繰延税金資産の追加計上の影響が含まれております。
① キャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、391億42百万円(前年同期は423億99百万円)となりました。前年同期に対しては、32億57百万円の減少となりました。
投資活動の結果使用した資金は、96億63百万円の支出(前年同期に得られた資金は5億91百万円)となりました。有形固定資産の取得による支出が132億76百万円あったことに加え、前期に比べ有形固定資産の売却による収入が減少したことによります。
財務活動の結果使用した資金は、125億88百万円の支出(前年同期は303億49百万円の支出)となりました。会員預り金の返還による支出は増加したものの、自己株式取得による支出が大幅に減少したこと等により、前年同期に対して177億60百万円支出が減少しました。
以上により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年同期末に対し156億51百万円増加し、1,006億69百万円となりました。
② 資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料、部品等の購入、労務費など製造費用と、商品の仕入、販売費及び一般管理費等、営業費用の運転資金及び設備投資資金、並びにM&Aや資本提携を目的とした投資資金であります。
当社グループにおける当連結会計年度の設備投資額は、前年同期の112億21百万円から63億21百万円(56.3%)増加し、175億42百万円となりました。楽器事業は、前年同期の67億円から44億72百万円(66.7%)増加し、111億72百万円となりました。音響機器事業は、前年同期の31億2百万円から9億円(29.0%)増加し、40億2百万円となりました。また、その他の事業は前年同期の14億19百万円から9億49百万円(66.9%)の増加となり、23億68百万円となりました。
減価償却費は、前年同期の126億81百万円から15億36百万円(12.1%)減少し、111億45百万円となりました。
研究開発費は、前年同期の247億93百万円から3億78百万円(1.5%)減少し、244億15百万円となりました。売上高研究開発費比率は前年同期の5.7%から0.3ポイント上がり、6.0%となりました。
③ 資金調達
運転資金及び設備投資資金について、一部の子会社において借入金により調達しております。借入については通常、会社ごとに現地通貨による短期借入を行っておりますが、借入金額・期間・金利等を勘案し、長期借入を行う場合があります。なお、当社及び国内子会社についてはグループファイナンスを実施しております。