当社グループは、平成28年4月からの3年間を対象とした中期経営計画「NEXT STAGE 12」を策定しました。経営ビジョン「『なくてはならない、個性輝く企業』になる」を当社が中長期的に目指す姿として掲げ、この3年間を「ブランド力の強化と、その成果としての利益率の向上」のための期間と位置づけた上で、①楽器事業のさらなる収益力向上 ②音響機器事業の成長 ③第3の柱となる部品・装置事業の基盤確立に取り組んでおります。収益力の着実な向上を目指し、経営目標として、最終年度の営業利益率を12%に設定しました。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1. 経営ビジョン
「なくてはならない、個性輝く企業」になる ~ブランド力を一段高め、高収益な企業へ~
2. 中期経営計画「NEXT STAGE 12」の概要
① 位置付け
高いブランド価値を持つ企業として長期的には営業利益率20%の実現を目指し、次のステップを、「なくてはな
らない、個性輝く企業」へ向けて「ブランド力の強化と、その成果としての利益率の向上」に取り組む3年間と位
置づけます。
② 基本戦略と経営目標
新たな価値創造と差別化で競争優位力を高めることを基本戦略とし、そのために、お客様とのつながりを一層強
め、魅力品質を高めるとともに、常に新しい価値ソリューションを提案していきます。
<経営目標(3年後)>
営業利益率12%(平成31年3月期)
・楽器事業のさらなる収益力向上
・楽器に並ぶ将来の事業規模を見据えた、音響機器事業の成長
・楽器・音響機器に次ぐ、第3の柱となる部品・装置事業の基盤確立
③ 4つの重点戦略
a. 個性際立つ商品の開発
素材・解析技術から音源・信号処理・ネットワークや感性評価まで保有する幅広い技術の融合によって、他社
には真似のできないユニークな価値を高い基本性能の上に実現します。
新たな研究開発の拠点「イノベーションセンター」を建設し、約2,500人の技術者を本社地区に結集することに
よりシナジーの創出を加速します。
b. お客様の拡大
コンシューマー向け商品の販売網拡充や地域ニーズを踏まえた音楽普及活動を加速するほか、法人およびB2B
の顧客サポート体制・拠点拡充等を通じて、それぞれのお客様に最適なサービスとソリューションを提供すること
により、お客様とのつながりを強め、広げていきます。
c. 持続的なコスト低減
製造原価の低減(生産工程再配置、調達コストダウン、新工法確立等)及び、間接業務の生産性向上を継続する
ことによりコスト低減を実現します。
d. グローバル事業運営の基盤強化
グループ人材の適材適所な配置と育成を進め、国を超えた人材の活躍を推進します。
また、IT、物流、会計、スタッフの機能をグローバルに最適化し、グローバル事業運営を支える基盤を強化す
るとともに、業務の効率化を進めます。
3. 主要事業戦略
① 楽器事業
事業規模を活かした技術開発力とマーケティングによる、さらなる収益性向上を図ります。
収益性の高い電子楽器の伸長と、モデルミックスや販売価格の見直しによる粗利改善等により利益率を改善させ
るほか、独自の感性評価技術による楽器の本質追求や、デジタル楽器、ハイブリッドピアノ等の新価値提供によ
り、商品競争力の強化を加速します。
また、マーケティングと顧客アクセスを地域別に最適化し、ブランド力の向上と顧客接点の拡大を推進します。
② 音響機器事業
信号処理とネットワーク技術の強みを活かした技術革新と、顧客サポートの強化により、成長を加速させます。
業務用音響機器の領域では、パートナーとなる設備事業者の付加価値を高める音響システムを提供するととも
に、システムエンジニアリング・営業スタッフを全世界で増強し、音楽ホール等に加えて店舗BGM・企業会議室
等への顧客の拡大を加速します。
コンシューマー・オーディオ機器の領域では、戦略商品であるMusicCastを中心に、顧客ニーズに合った自由自在
な音楽視聴スタイルの提案を進め、ブランド力の強化を図ります。
③ 部品・装置事業
部品・装置事業を第3の柱とするための基盤を確立します。
半導体メーカーからソリューションベンダーに形態を転換し、車載、ホームヘルスケア、産業機器の領域で、音
の技術を中心とする快適・安心・安全なソリューションを提供することにより、売上伸長を図ります。
車載領域では、音のトータル提案に加え、環境に配慮した車社会実現に向けた熱電ソリューションの開発を進め
ます。また、ホームヘルスケア市場に向けて、音とセンサー技術の応用による新しいソリューションを提案しま
す。
4.ESG
持続可能な社会の実現に向け、E(Environment 環境)、S(Social 社会)、G(Governance 企業統治)の観
点から、事業戦略に基づく事業活動を通じた社会課題解決への取り組み、事業プロセスにおける環境・社会への配
慮、並びにコーポレートガバナンスや内部統制強化による透明で質の高い経営を目指して、引き続き様々な取り組
みを進めます。
5.投資と株主還元
創出したキャッシュを設備投資、戦略投資(M&Aを含む)、戦略マーケティング・戦略研究開発投資に配分した
上で、積極的な株主還元を実施していきます。
株主還元については、継続的かつ安定的な配当を基本としますが、将来の成長投資の為の適正な内部留保とのバ
ランスを考慮しながら、資本効率の向上を目的とした機動的な株主還元も適宜、実施して参ります。
尚、配当については、連結配当性向30%以上を目標とします。
6.経営数値
「NEXT STAGE 12」最終年度(平成31年3月期)の経営目標を、営業利益率12%とします。
尚、財務数値目標は以下の通りです。
・ROE 10%水準
・EPS(一株利益) 200円水準
有価証券報告書に記載した事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、世界の各地域に製造・販売拠点を置き、グローバルな事業展開を行っております。連結子会社59社のうち44社が海外法人であり、そのうちの22社が製造・制作会社等で、主要製造拠点は中国、インドネシア、マレーシアに集中しております。また、海外売上高は売上高の69.1%を占めております。そのため、世界各国の経済状況や市場環境の影響を受けます。世界の市場における景気後退、これに伴う需要の減少は、当社グループの収益と事業展開に影響を与える可能性があります。
日本においては、当社グループの基幹事業である楽器事業で、子供を中心とする音楽教室や英語教室を展開しているほか、学校を通じた販売も重要な販売経路となっており、今後少子化の進行により、売上高の減少を招く可能性があります。
当社グループは、事業を展開するそれぞれの分野で厳しい競争にさらされております。例えば楽器事業では、総合楽器メーカーとして高品質、高性能な製品を広い価格帯で販売しておりますが、個々の製品分野ごとに競合他社が存在しており、特に近年は、普及価格帯製品における競争が激化しております。
また、音響機器事業では、競合他社との低価格化競争にさらされており、今後の流通変革、新技術開発の動向によっては、低価格化競争がさらに激化する恐れもあり、当社グループの現在の優位性が影響を受ける可能性があります。
3 法律・規制の影響
当社グループの事業は、全世界の拠点において、それぞれの国における法律の適用を受け様々な規制の対象となっております。例えば、対外的投資、国家安全保障上の輸出入制限、通商規制、独占禁止規制、消費者保護、環境保護他の規制の適用を受けております。当社グループは、コンプライアンスの実践に尽力しておりますが、予期せずこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの企業活動が制限され、コストの増加につながる可能性があります。
また、国内外における予期せぬ法律や政策、規制の変更などにより、当社グループの事業活動が大きな変更を余儀なくされ、その結果、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
4 為替レートの変動
当社グループは、全世界において製造・販売等の企業活動を行っておりますが、グループ各社における外貨建取引は為替レートの変動の影響を受けます。外貨建取引については、短期的な為替変動の影響を最小限に止めるため先物為替予約取引等を行っておりますが、為替変動により当初の事業計画を達成できない可能性があります。特に損益については、影響が大きいユーロ・円レートにおいて、1円変動すると約4.3億円の損益影響をもたらします。
当社グループは事業の拡大のため、設備投資や戦略投資等の事業投資を行っております。投資決定にあたっては、投資効果とリスクを定性的かつ定量的に把握し、慎重に判断しておりますが、状況によっては、一部または全部の投資額を回収できない、または撤退の場合に追加損失が発生するリスクを負っております。このような場合、当該投資を行った投資が減損の対象となる可能性もあります。
当社グループは、高い専門性を備えた人材の採用、育成および配置が重要な経営課題の一つであると認識し、事業の維持・成長を達成するため、計画的な人材の確保や育成、配置に努めています。しかしながら、必要な人材を採用、育成できず、また重要な人材の流出等により十分な人材を維持・確保できない場合には、当社グループの将来の成長が阻害される可能性があります。
7 人件費の上昇
当社グループの主要製造拠点は中国、インドネシア、マレーシアに集中しております。これらの国々での人件費の上昇が製造原価を増加させることがあります。
8 ストライキ等の労働争議
当社グループは、円滑な労使関係の構築に努めておりますが、労使の交渉が不調に終わり、長期間に及ぶストライキが発生した場合、事業活動の継続に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
9 税制の影響
当社グループは、全世界で事業展開しておりますが、各国における租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。
当社グループの事業活動においては、情報システムの利用とその重要性が増大しています。サイバー攻撃やコンピュータウィルスへの感染などにより情報システムの機能に支障が生じた場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
11 政治・経済の混乱、テロ、戦争
政治・経済の混乱、テロ、戦争が発生した場合、当社グループの操業が遅延または中断する可能性があります。さらに、当社グループの製造拠点等が直接に損害を受けた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、事業を展開する各国の政情不安や港湾スト等の物流障害により製品の供給に影響を受ける可能性があります。
地震等の自然災害の発生により、当社グループの製造拠点等が損害を受ける可能性があります。特に当社の本社及び国内工場が集中している静岡県内においては、東海地震の発生が予想されております。また、製造拠点が集中する中国、インドネシアやマレーシアにおいても、予期せぬ自然災害が発生する恐れがあります。このような事象が発生した場合には、施設面での損害のほか、操業の中断や遅延、多額の復旧費用の発生などが予想されます。加えて、原材料・部品供給業者の被災状況によっては、製造に影響を受ける可能性があります。また、物流網の途絶により製品の供給に影響を受ける可能性があります。
当社グループにおいて、他社との業務提携、出資、合弁会社の設立など、近年、他社とのパートナーシップ戦略の重要性が増しております。これらの業務提携、出資等は、相手先との利害の対立や相手先の事業戦略の変更等により、当初期待した効果が得られない場合があります。
当社グループの製品は、当社が定めたグループ品質管理規程及び製品品質規程によって管理されております。しかしながら、製品の全てについて欠陥が無いという保証はありません。製造物責任賠償及び一部製品の製品瑕疵に起因して被る損害については保険に加入しておりますが、この保険で損害賠償額を充分にカバーできるという保証はありません。製造物責任を伴う事故や大口のリコール等の発生があると保険料率の上昇が予想されます。また、設計変更などによる多額のコスト増大、当社グループの社会的評価の低下とそれによる売上高の減少が予想されることから、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが営む小売店舗、音楽教室、リゾート施設等における安全・衛生については十分注意を払っておりますが、万一事故が発生した場合、店舗・教室・施設等の一時休業や社会的評価の低下とそれによる売上高の減少が予想されます。
当社グループは楽器・音響機器に関わる事業領域をコアとし、楽器事業では世界一の総合楽器メーカーとしての地位を不動のものとする一方、音響機器事業では、オーディオと業務用音響機器を中心として事業を展開しております。その他の事業では、車載、アミューズメント機器、産業機器などの領域で事業を展開しております。
音・音楽・ネットワーク・デバイス関連技術の差別化を図ることが、当社グループの発展、成長に不可欠な要素となっております。これらの技術開発が、将来の市場ニーズを正しく予想し、的確に行われない場合、楽器事業では、製品付加価値の低下、価格競争に陥る恐れ、新規需要喚起ができないなどの問題が生じ、音響機器事業、その他の事業では事業そのものの存続が困難となる可能性があります。
当社グループが製造・販売する半導体、自動車用内装部品、部材・部品は、供給先メーカーの業績の影響を受けます。また、供給先メーカーとの間で、納期・品質等で信頼関係が損なわれた場合、その後の受注に悪影響を及ぼす可能性があります。また、品質等の欠陥によって、供給先メーカーから補償を求められる可能性があります。
当社グループは、様々な経営及び事業に関する重要情報や、多数の顧客情報等の個人情報を保有しております。重要情報等の管理につきましては、方針や規定を策定し、情報セキュリティのための体制を整備しておりますが、万一これらの情報が誤って外部に漏洩した場合には、当社の事業に重大な影響を与え、あるいは社会的信用を低下させる可能性があります。
当社グループは、独自技術についての特許等の知的財産権、業務遂行上取得したノウハウを保有しておりますが、その一部は、特定地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。第三者が当社グループの知的財産権を利用することを、効果的に防止できない可能性があります。その結果、当該第三者の製造した類似品、模倣品が市場に出回ることにより当社グループ製品の販売に支障をきたす可能性があります。また、当社グループの製品が第三者から第三者の知的財産権を侵害しているとされる場合があり、その結果、これを利用した当社グループ製品の販売が遅れることにより、販売できなくなる可能性があります。
当社グループは、製品の重要な部分のいくつかについて第三者から知的財産権のライセンスを受けております。ロイヤリティの上昇は、製造コストの増大を招き価格競争力に影響が出るほか、ライセンスを受けられなくなった場合、当該製品の製造ができなくなる可能性があります。
当社グループは製品の製造にあたり、木材、銅等の金属材料、樹脂等を部品として使用しておりますが、これらの材料価格の高騰が製造原価を増加させることがあります。また、材料の種類によっては、特定の業者より供給を受けているものもあり、供給状況によっては、製造に影響を受けることがあります。
また、原油価格の高騰等により物流コストが増加すると、製造原価及び販売における売上原価を増加させる原因となることがあります。
事業活動に対する環境保護規制は強化の方向にあり、企業の社会的責任の一つとして自主的な環境活動プログラムの実施が求められております。当社グループは、製品、梱包材、省エネルギー、産業廃棄物処理などについて環境基準を上回る対策の実施に努めておりますが、事故などの発生により制限物質が環境基準を超えることを完全に防止または軽減できる保証はありません。また、工場跡地等で、制限物質により土壌が汚染されている場合には、将来、売却しようとする際、多額の浄化費用が発生する、あるいは売却できない可能性があります。第三者に売却済みの土地から将来制限物質が拡散し、大気、地下水を汚染し、その対策費が発生する可能性があります。
当社グループは、時価のあるその他有価証券(当連結会計年度末の取得原価148億円、連結貸借対照表計上額1,276億円)を保有しております。時価のあるその他有価証券は決算日の市場価格等に基づき、再評価を行うため、決算日の株価等によって貸借対照表計上額が変動し、その結果、純資産金額が変動する可能性があります。また、時価が取得価額に比べ著しく下落した場合には減損の対象となる可能性があります。
土地の再評価に関する法律に基づき再評価を行った土地の当連結会計年度末における時価と再評価後の帳簿価額との差異は73億円であり、保有する土地に含み損が発生しております。土地の売却等の場合には、この含み損が実現する可能性があります。
当社グループの退職給付債務及び費用は、採用する退職給付制度及び割引率や長期期待運用収益率等の見積りに基づいて算出されております。退職給付制度は変更される場合があり、また見積りは決算期毎の結果と相違することがあります。結果として、退職給付債務及び費用が増加する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針選択の判断と適用を前提とし、決算においては資産・負債の残高、報告期間における収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。このような見積りについて経営者は、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの採用している重要な会計方針のなかで、経営者の見積りが大きな影響を与える事項は次のとおりです。
① 貸倒引当金算定における見積り
一般債権についての引当金算定における貸倒実績率と、貸倒懸念債権等特定の債権についての個別の回収不能見込額について、見積りを行っております。
② たな卸資産評価における見積り
たな卸資産評価において、総平均法単価等と比較すべき時価の一部の算定について、見積りを行っております。
③ 固定資産の減損会計における見積り
減損損失の認識及び回収可能価額の算定に際し、将来キャッシュ・フロー及び割引率について見積りを行っております。
④ 時価のあるその他有価証券の減損処理における見積り
「著しく下落した」と判断し減損対象として候補にあがった銘柄についての回復可能性について、判定を行っております。
⑤ 繰延税金資産算定における見積り
繰延税金資産の回収可能性評価のために、将来の合理的な課税所得を算定するうえで、見積りを行っております。
⑥ 製品保証引当金算定における見積り
製品販売後に発生する補修費用の算定における、売上高もしくは販売台数に対する経験率による見積り及び個別見積りを行っております。
⑦ 退職給付に係る負債算定における見積り
退職給付に係る負債算定の前提になる退職給付債務について、見積りを行っております。
当連結会計年度における経営環境を振り返りますと、世界経済全体としては緩やかな回復が続きました。個別の国や地域においては、米国では雇用環境や所得の改善が進み、順調な景気拡大がみられました。また、欧州では個人消費と設備投資が増加し、景気は堅調に推移しました。中国では景気拡大を維持したものの、成長のペースは鈍化しました。国内では個人消費の回復が続きました。
このような環境の中で当社グループは、中期経営計画「NEXT STAGE 12」の2年目として、重点施策である「個性際立つ商品の開発」、「お客様の拡大」、「持続的なコスト低減」、「グローバル事業運営の基盤強化」に引き続き取り組みました。
「個性際立つ商品の開発」につきましては、楽器事業では、クラビノーバの新シリーズやグッドデザイン大賞を受賞したカジュアル管楽器「Venova™」、音響機器事業では、高品質とデザインが評価されたAVサウンドバーの新モデル、商業施設のBGM用小型スピーカー、また企業会議室向けのカメラ一体型USBマイクスピーカー等、新しいテクノロジーや美しいデザインをお客様に感じていただける商品を投入いたしました。
「お客様の拡大」につきましては、楽器事業では、販売網整備を進め、特に新興国の販売拠点数は目標を大幅に上回る増加を達成しました。また新興国での音楽教育支援活動「Music Time」プログラムの取り組みは、アジアの新興国を中心に、生徒数がのべ12万人となるまで展開が進みました。音響機器事業では、音響設備事業者の取引先拡大を図りました。オーディオの重点市場である欧州で、MusicCast®対応商品の店舗展示コーナー「プレミアム Y アイランド」の整備を進めました。ネットワーク領域では、LAN製品の拡大に伴い、教育機関や店舗、また監視カメラとの連携など、従来と異なる顧客を拡大しました。
「持続的なコスト低減」につきましては、電子部品を中心に調達コストの上昇がありましたが、生産工程の再配置、生産効率化、間接業務の生産性向上などの施策を進めています。なお、当期はインドネシアとインドでの新工場の建設に着手するとともに、現存の工場での生産能力の増強を進めました。
「グローバル事業運営の基盤強化」につきましては、国を超えた人材の活躍推進に取り組んでいます。また、ITセキュリティ強化、効率的な物流システム等のサポート機能をグローバルに最適化し、グローバル事業運営を支える基盤の強化、業務の効率化を計画に沿って進めております。
中期経営計画「NEXT STAGE 12」では、最終年度の2019年3月期の営業利益率目標を12%に設定しています。中期経営計画2年目である2018年3月期は、営業利益率11.3%となり、最終年度である2019年3月期は12.4%を予想しております。
(イ)セグメントごとの売上高の状況
当連結会計年度の売上高は、楽器事業、音響機器事業、その他の事業の全ての報告セグメントにおいて前年同期を上回り、前年同期に比べ247億19百万円(6.1%)増収の4,329億67百万円となりました。
楽器事業の売上高は、前年同期に対し168億21百万円(6.5%)増加し、2,744億86百万円となりました。
商品別では、ピアノ、電子楽器、管楽器、弦打楽器の全商品カテゴリーで前年同期を上回りました。ピアノは中国での販売が全体を牽引、デジタルピアノは新商品効果により売上げを伸ばし、ポータブルキーボードは欧州向け高価格帯向けや新興国の普及帯が好調でした。管楽器は北米での売上げが堅調に推移したほか、ギターは中国・新興国での販売が伸長しました。
地域別では、北米は自然災害影響、販売網の変遷により通期では前年並み売上げを維持、欧州も同様に前年並みの売上げを維持しました。一方、中国市場は2桁成長を継続し、新興国市場は前年伸び率を上回る成長となりました。特に中国市場では、販売網拡大、マーケティング施策の進捗等もあり、ピアノに加えて、デジタルピアノ、ギターも大きく伸長し、市場全体を上回るペースで売上げが成長しています。
音響機器事業の売上高は、前年同期に対し、63億4百万円(5.5%)増加し、1,217億88百万円となりました。
商品別では、オーディオ、業務用音響機器、ICT(情報通信)機器の全商品カテゴリーで前年同期を上回りました。
オーディオは、北米および欧州を中心に販売が堅調に推移し、コネクティッド・オーディオの市場浸透も欧州中心に進み全地域で前年を上回りました。
業務用音響機器は、デジタルミキサーのフラッグシップモデル『RIVAGE PM10』のバージョンアップ、『RIVAGE PM7』等の新製品も堅調に推移しました。また、法人・B2B顧客サポートの人員体制、音響設備業者アカウント数も順調に増加しました。地域別では、中国、新興国で前年同期に対し、2桁成長となりました。
また、ICT(情報通信)機器は、国内での音声コミュニケーション機器の販売が好調でした。
その他の事業の売上高は、前年同期に対し15億92百万円(4.5%)増加し、366億92百万円となりました。
FA機器が売上げを大きく伸ばしたほか、自動車用内装部品の国内および北米向けの販売が伸長したこと等により、部品・装置事業は前年同期に対し2桁成長となりました。
ゴルフ事業も新商品効果、ブランド施策が奏功し、前年同期に対し2桁の伸びを示しました。
(ロ)売上原価と販売費及び一般管理費
売上原価は、前年同期に比べ160億14百万円(6.6%)増加し、2,584億65百万円となりました。売上原価率は、前年同期から0.3ポイント上昇し59.7%となりました。
売上総利益は前年同期に比べ87億4百万円(5.3%)増加し、1,745億1百万円となりました。売上総利益率は、前年同期から0.3ポイント下がり40.3%となりました。
また、販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ41億74百万円(3.4%)増加し、1,256億68百万円となりました。売上高販売管理費比率は、前年同期から0.8ポイント改善し29.0%となりました。
(ハ)営業利益
営業利益は、全ての報告セグメントで前年同期を上回り、前年同期に比べ45億30百万円(10.2%)増益の488億33百万円となり、6期連続の増益を達成し、過去最高益となりました。
報告セグメントごとの営業利益では、楽器事業は、前年同期の321億38百万円から25億5百万円(7.8%)増益となり、346億44百万円となりました。音響機器事業は、前年同期の104億47百万円から2億67百万円(2.6%)増益となり、107億15百万円となりました。その他の事業は、前年同期の17億16百万円から、17億56百万円(102.4%)増益となり、34億73百万円となりました。
要因別には、販売管理費の増加(36億円)、海外生産拠点の労務費上昇等による製造コストアップ(13億円)等の減益影響がありましたが、増収増産による増益(49億円)、為替影響(40億円)、コストダウン(20億円)等により、前年同期に比べ増益となりました。
(ニ)営業外損益
営業外収益は、前年同期の47億25百万円から9億50百万円(20.1%)増加の56億76百万円となりました。このうち、受取配当金はヤマハ発動機株式会社からの配当金が増加したこと等により、前年同期の31億8百万円から、8億13百万円(26.2%)増加し、39億21百万円となりました。
営業外費用は、前年同期の41億1百万円から11億74百万円(28.6%)増加し、52億76百万円となりました。このうち、売上割引は前年同期の26億16百万円から2億87百万円(11.0%)増加し、29億3百万円、為替差損は前年同期の2億18百万円から10億83百万円(496.7%)増加の13億1百万円となりました。
(ホ)特別損益
特別利益は、ヤマハ発動機株式会社株式の一部売却による投資有価証券売却益の計上等により、前年同期の43億37百万円から216億11百万円増加し259億49百万円となりました。
特別損失は、リゾート事業再編や米国子会社であるRevolabs,Inc.及びその子会社に係るのれんの一時償却のあった前年同期の63億66百万円から、56億54百万円減少し、7億12百万円となりました。
(ヘ)税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前年同期の428億98百万円から315億72百万円(73.6%)増益の744億71百万円となりました。売上高税金等調整前当期純利益率は、前年同期の10.5%から6.7ポイント改善し、17.2%となりました。
(ト)法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額
法人税、住民税及び事業税は、前年同期の87億28百万円から126億48百万円(144.9%)増加し、213億77百万円となりました。
法人税等調整額は、繰延税金資産の回収可能性について見直しを行い繰延税金資産の追加計上を行った前年同期の△127億6百万円から113億75百万円増加し、△13億30百万円となりました。
(チ)非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、前年同期の1億56百万円から1億10百万円(70.4%)減益の46百万円となりました。
(リ)親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期の467億19百万円から76億58百万円(16.4%)増益の543億78百万円と過去最高益となりました。1株当たり当期純利益は、前年同期の249円17銭から291円81銭となりました。
(ヌ)為替変動とリスクヘッジ
海外連結子会社の売上高は、期中平均レートで換算しております。当連結会計年度の米ドルの期中平均レートは前年同期に対し約3円円安の111円となり、前年同期に比べ約23億円の増収影響となりました。また、ユーロの期中平均レートは前年同期に対し約11円円安の130円となり、前年同期に比べ約75億円の増収影響となりました。また、人民元、イギリスポンドなど、米ドル、ユーロ以外の通貨は、前年同期に比べ約50億円の増収影響となり、売上高全体では、前年同期に比べ約148億円の増収影響となりました。
また、営業利益につきましては、米ドルは充当(マリー)効果により、決済レートの変動による為替影響は概ねヘッジできているものの、海外連結子会社の営業利益の換算等により、約5億円の増益影響となりました。ユーロの決済レートは、前年同期に対し約5円円安の126円となり、約24億円の増益影響となりました。また、他の通貨を含めた全体では前年同期に比べ約40億円の増益影響となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、製品の性質上、原則として見込生産を行っております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は外部顧客に対する売上高であります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は、前年同期末の5,223億62百万円から378億21百万円(7.2%)増加し、5,601億84百万円となりました。
負債は、前年同期末の1,549億24百万円から169億14百万円(10.9%)増加し、1,718億38百万円となりました。
純資産は、前年同期末の3,674億37百万円から209億7百万円(5.7%)増加し、3,883億45百万円となりました。当連結会計年度において株主還元として250億円の自己株式取得を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期に比べ167億33百万円増加(前年同期は156億51百万円増加)し、期末残高は1,174億3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、主として税金等調整前当期純利益により、474億98百万円(前年同期に得られた資金は391億42百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果得られた資金は、投資有価証券の売却及び償還による収入等により、47億66百万円(前年同期に使用した資金は96億63百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、自己株式の取得による支出、配当金の支払額等により、355億84百万円(前年同期に使用した資金は125億88百万円)となりました。
(イ)資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料、部品等の購入、労務費など製造費用と、商品の仕入、販売費及び一般管理費等、営業費用の運転資金及び設備投資資金、並びにM&Aや資本提携を目的とした投資資金であります。
当連結会計年度の設備投資額は、前年同期の175億42百万円から70億58百万円(40.2%)増加し、246億円となりました。本社研究開発棟の建設、海外新工場建設(インド・インドネシア)等、減価償却費(107億77百万円)を大幅に超える設備投資を行っております。
研究開発費は、前年同期の244億15百万円から3億82百万円(1.6%)増加し、247億97百万円となりました。売上高研究開発費比率は前年同期の6.0%から0.3ポイント下がり、5.7%となりました。
(ロ)資金調達
運転資金及び設備投資資金について、一部の子会社において借入金により調達しております。借入については通常、会社ごとに現地通貨による短期借入を行っておりますが、借入金額・期間・金利等を勘案し、長期借入を行う場合があります。なお、当社及び国内子会社についてはグループファイナンスを実施しております。
特記すべき事項はありません。
当社グループは、「感動を・ともに・創る」をコーポレートスローガンに掲げ、「私たちは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづける」を企業理念に掲げています。これを支えるために、これまでに蓄積してきた「音と人が関わる技術」をコア技術と定め、更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、素材・解析、センシング、メカトロニクス、音源、信号処理、ネットワーク、感性評価等、音そのものに留まらず、基礎から応用まで、音の活用を支える技術分野に大きく広がっています。
当連結会計年度は、「音・音楽・ネットワーク・デバイス」を強化分野とし、特に「良い音」を科学的に理解し、実際の楽器・音響機器設計に適用できるよう研究開発を進めました。また、物理モデル、音楽解析、歌唱合成などの技術の高度化と、ネットワーク時代に対応した高音質の伝送技術や無線接続に関連する技術開発も進めています。
当社グループの研究開発体制は、楽器・音響機器事業については当社楽器・音響事業本部の開発部門、及び当社の連結子会社であるLine 6,Inc.、NEXO S.A.、Revolabs,Inc.、Steinberg Media Technologies GmbHの開発部門、その他の事業については当社電子デバイス事業部、ゴルフHS事業推進部及び当社の連結子会社であるヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&D、新規事業については当社技術本部研究開発統括部が担う形で構成しております。
当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は247億97百万円であります。
1 楽器事業
アコースティック楽器関連では、グランドピアノのハイグレードモデルの新製品として、「SXシリーズ」を開発しました。本製品では、当社の弦楽器などに採用されてきた独自技術「A.R.E.™(Acoustic Resonance Enhancement)」を、ピアノに初めて導入しました。製材後長期間を経た木材と同様の変化を生むこの技術を、曲練支柱(曲線部分の支柱)の木材に用いることで、新品であっても、あたかも長年大切に使い込まれたピアノのような深みのある豊かな音の響きを生み出します。また、管楽器の新製品として、リコーダーのようなやさしい指づかいやメンテナンスのしやすさによって気軽に始められ、なおかつサクソフォンのような表情豊かな演奏を楽しめるカジュアル管楽器「Venova™(ヴェノーヴァ)」を開発しました。「Venova™」では、円筒管を分岐させた「分岐管構造」と蛇行形状による、今までにない独自のデザインを採用しています。「分岐管構造」によってサクソフォンなどの円錐形管楽器の音響特性を円筒管で実現することができるため、コンパクトなボディサイズながら広がりのある音色を奏でることができます。なおエレクトリックバイオリン「YEV」は、「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2017」、「German Design Award 2018(Winnerに選出)」、「アジアデザイン賞2017(最高賞)」を、「Venova™」は、「2017年度グッドデザイン賞(ベスト100に選出)」、「2017年度グッドデザイン大賞」を受賞しました。「グッドデザイン大賞」の受賞は、当社では初めてとなります。
ギター・ドラム関連では、エレクトリックアコースティックギター「Aシリーズ」の新製品を開発しました。新開発のピックアップシステムを搭載し、ステージ演奏やレコーディングに適した自然なサウンドを簡単に得られるのに加え、ブレイシング(響棒配置)の刷新などによってギター本体の生音の向上も実現しています。また、簡単なセッティングでアコースティックドラムを高音質で収音・録音できるエレクトロニックアコースティックドラムモジュール「EAD10」を開発しました。「EAD10」は、音源部のメインユニットと、マイクとトリガーが一体となったセンサーユニットから構成されます。アコースティックドラムのバスドラムにセンサーユニットを装着することで、高品質なアコースティックドラムの収音やエフェクトによる音色加工が簡単にできます。また、Line 6,Inc.では、マルチエフェクト・ペダル「HX Effects」を開発しました。「HX Effects」は、好評のギター・プロセッサー「Helix™」シリーズのHelix™ハードウェアに搭載されている100種類以上のエフェクトを、コンパクトな筐体に搭載したモデルです。なお「REVSTAR™」は、「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2017(最高賞「Best of the Best」に選出)」、「2017年度グッドデザイン賞」、「German Design Award 2018(Winnerに選出)」を受賞しました。
電子楽器関連では、グランドピアノに迫る演奏感と弾き心地を追求した電子ピアノ「Clavinova™ (クラビノーバ) CLP-600シリーズ」を開発しました。「CLP-600シリーズ」は、アクション機構を大幅刷新した新鍵盤「GrandTouch™鍵盤」を搭載し、強音から弱音まで幅広く表現できるだけでなく、鍵盤の奥の部分のタッチ感まで向上させ、アコースティックピアノにより近づいた弾き心地を実現しました。また、オーディオ音源からその曲のコード進行を読み取って、ピアノ用の譜面(伴奏譜)を自動作成する世界初の機能「オーディオ トゥー スコア機能」を活用した「Clavinova™ CSPシリーズ」を開発しました。当社が独自に開発した専用アプリ「スマートピアニスト」をダウンロードしたスマートデバイス(スマートフォンやタブレットなど)とピアノ本体を連携させることで、デバイス内に保存したどんな楽曲でも即座に40種類のピアノ譜を自動的に作成できます。また、歌を演奏する楽器「ボーカロイド™キーボード VKB-100」を開発しました。当社が開発した、歌詞とメロディーを入力するだけで、コンピューター上で人工の歌声を作り出すことが出来る歌声合成技術およびその応用ソフトウェアである「VOCALOID™」によって実現した、リアルタイムに歌詞を歌わせて演奏を楽しむキーボードです。なお、「STAGEA™ ELC-02」は、「2017年度グッドデザイン賞」を、「Genos™」は、「iFデザインアワード2018」で最高賞である「iFゴールドアワード」を、「reface™」は、「German Design Award 2018(Winnerに選出)」を受賞しました。
新規事業関連では、ナビに従ってスマホで撮影するだけでプロが仕上げる動画制作サービス「tollite™(トリテ)」を開発しました。「tollite™」は、テンプレートを選んでナビに従ってスマートフォンで撮影するだけで、本格的な企業動画を誰でも簡単に制作できます。また、「Smart Education System」の新商品として、ICTで“合唱”の授業・練習に新しいかたちを提供するデジタル音楽教材「合唱練習」を開発しました。「合唱練習」は、合唱の授業や合唱コンクールの練習を効率化し、生徒の主体的な学びをサポートします。パソコンやタブレットで画面を操作しながら練習を進めることができ、デジタル教材ならではの便利な練習機能と専門家による発声法解説や実演映像によって、合唱の授業・練習を効果的にサポートします。なお、「ボーカロイド教育版を用いた音楽教育法」は、「2017年度グッドデザイン賞(ベスト100に選出)」、「グッドデザイン特別賞(未来づくり)」を受賞しました。
研究開発費は88億56百万円であります。
2 音響機器事業
オーディオ関連では、新たなバーチャル3Dサラウンド技術に世界で初めて対応したフロントサラウンドシステム「YAS-107」「YAS-207」を開発しました。「YAS-107」「YAS-207」は、薄型テレビの前に手軽に置けて、テレビ番組・映画などを迫力ある音質で再生できるフロントサラウンドシステムです。最新のバーチャル3Dサラウンド技術「DTS Virtual:X」に対応し、前方・左右・後方に加え、高さ方向の音場も再現する3Dサラウンド技術により、映像に音声が一体化し、映画や音楽での没入感がより向上します。また、上級ネットワークレシーバー「R-N803」を開発しました。「R-N803」は、ハイレゾ音源からアナログレコードまで、さまざまなデジタル/アナログオーディオソースを高音質再生する2chステレオ仕様の上級ネットワークレシーバーです。当社HiFiオーディオ製品として初めて、当社のホームシアター製品向けに開発された視聴環境最適化システム「YPAO™(Yamaha Parametric Room Acoustic Optimizer)」を用いた自動音質補正機能を搭載することで、室内の音響特性や接続するスピーカーの性能などに応じた実使用状態での音質向上を実現しました。加えて、Bluetooth®オーディオ送受信機能やWi-Fi、モバイル端末と専用アプリを使って本機のワイヤレス操作や家庭内での音楽コンテンツのシェアを実現する「MusicCast™」への対応など、お手持ちのモバイル端末を活用した快適な使い勝手も追求しています。なお、2016年に発売を開始したプレミアムブックシェルフスピーカー「NS-5000」は、「iFデザインアワード2018」を受賞しました。
業務用音響機器関連では、当社のラインアップで最もコンパクトなスピーカーシステム「VXS1MLB」「VXS1MLW」を開発しました。「VXS1MLB」「VXS1MLW」は、レストラン・アパレルショップ・ホテルなど、さまざまなシーンで心地よいBGM再生を実現するスピーカーシステムです。手のひらにのるコンパクトなサイズでありながら高品位な音楽再生を実現するのはもちろん、別売のマウントアダプターを利用することで、天井埋込みや照明レール取り付けなど空間のインテリアに合わせたさまざまな設置方法に対応しています。また、デジタルミキシングシステムのフラッグシップモデル「RIVAGE PM10」の直下に位置する新ラインアップ「RIVAGE PM7」を開発しました。システムの中核を成すデジタルミキシングコンソール「CSD-R7」は、「RIVAGE PM10」の音質や操作性を維持しつつ、新たにDSP エンジンを内蔵することで、可搬性とスペース効率を高めたシステム構築を、リーズナブルなコストで実現しました。また、「いつでも、どこでも、ステージに」 というコンセプトで企画・開発され国内外で高い評価を得ている、オールインワンタイプのPAシステムSTAGEPAS™シリーズの後継機種「STAGEPAS™ 400BT」「STAGEPAS™ 600BT」を開発しました。従来モデルで評価の高い、高品位デジタルリバーブ、フィードバックサプレッサー、マスターイコライザーなど、ライブやイベントで便利な機能に加え、新たにBluetooth®オーディオ再生に対応したことでワイヤレス音楽再生が可能となり、演奏中やイベント会場での自由度が飛躍的に向上します。また、Steinberg Media Technologies GmbHでは、業務用DAW(Digital Audio Workstation)「Nuendo™ 8」を開発しました。「Nuendo™ 8」は、映画、CM、番組、ゲームでの音響効果制作において定評のある機能群の進化に加え、新たなビデオエンジンも搭載しています。さらに業界賞の受賞歴もある、Audiokinetic社のゲーム開発用インタラクディブオーディオミドルウェア「Wwise™(ワイズ)」との連携機能も強化し、ゲームオーディオ制作のワークフローを大幅に効率化します。
情報通信機器関連では、当社初となるL3スイッチ「SWX3100-10G」「SWX3200-28GT」「SWX3200-52GT」を開発しました。「SWX3100-10G」は、LAN内のパケット転送に必要なスタティックルーティング機能を搭載した、小規模ネットワーク向けのモデルです。「SWX3200-28GT」「SWX3200-52GT」は、ダイナミックルーティングや初搭載の「スタック機能」による冗長化、10GのSFP+スロットなど、大規模ネットワークで必要な機能を搭載しています。また、快適な遠隔コミュニケーションを実現する「YVC-1000」の「Skype for Business」向けマイクロソフト社認定モデル「YVC-1000MS」を開発しました。マイクロソフト社の提供する法人向けのコミュニケーションプラットフォーム「Skype for Business」専用の音質チューニングやマイクミュート連動などの仕様調整を行うことで、「Skype for Business」と組み合わせて使用するのに最適な音声コミュニケーションデバイスとしてマイクロソフト社の認定を得ています。「YVC-1000MS」は、「Skype for Business」の発着信時の操作ができる「コールボタン」を搭載し、マウスなどの操作をせずに着信や通話終了を行うことも出来ます。また、少人数向け会議室(ハドルルーム)に最適なオールインワンデバイス「CS-700AV」を開発しました。「CS-700AV」は、広帯域オーディオと高品質カメラが一体型となったビデオサウンドコラボレーションシステムです。なお、卓上音声会議システム/スピーカーフォン市場における高い成長性やシェアが評価され、フロスト&サリバン社の「2016ベストプラクティスアワード」を受賞しました。
研究開発費は114億18百万円であります。
3 その他の事業
ヤマハファインテック株式会社では、デスクトップ型超音波スキャナ「SST-102」を開発しました。空中超音波で内部欠陥を見える化し、リチウムイオン電池タブ溶着の性能評価やコネクタ類の圧着不良検査に威力を発揮します。
ゴルフ事業関連では、ボール初速と直進安定性がさらにアップした「RMX™(リミックス)」シリーズ2018年モデルを開発しました。2018年モデルの「RMX™」は、常に進化を目指すゴルファーに向けて、ドライバー・フェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアンの全てのクラブにおいて、今の自分を超える結果を提供します。
研究開発費は45億23百万円であります。
当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は4,087件であります。
(注)
・ Bluetoothは、Bluetooth SIG, Inc.の商標です。
・ Wwiseは、Audiokinetic社の商標です。
・ A.R.E.、Venova、REVSTAR、Clavinova、GrandTouch、ボーカロイド、VOCALOID、STAGEA、Genos、reface、
tollite、YPAO、MusicCast、STAGEPAS、RMXは、当社の商標です。
・ Helixは、Line 6,Inc.の商標です。
・ Nuendoは、Steinberg Media Technologies GmbHの商標です。
・ その他のすべての商標は、該当する各所有者の所有物です。