第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、2019年4月からの3年間を対象とした中期経営計画「Make Waves 1.0」を策定しました。2016年に掲げた経営ビジョン“「なくてはならない、個性輝く企業」になる”の実現に向け、この3年間を顧客・社会との繋がりを強化し、価値創造力を高めていくための期間と位置づけ、取り組んでおります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

中期経営計画「Make Waves 1.0」の概要

 

1. 経営環境認識 

中長期的な経営環境の変化として、デジタル化の加速により、産業構造が急激に変化する一方、お客様とのより緊密な繋がりが可能になり、またAIやIoTで利便性が格段に高まると同時に、より精神的な満足や本質が求められる時代が到来すると考えています。サステナビリティへの社会的な意識もより高まります。“技術×感性”を強みとする当社グループにとって、この様な変化はチャンスであると捉えています。

足元では新型コロナウイルスの感染拡大により、小売活動の停滞、学校等の閉鎖、各種イベントの中止など、大きな影響が広がりました。一方で、各国の社会距離拡大戦略等をきっかけとした人々の生活様式・働き方の急激な変化の中で、デジタル時代の新たな楽しみ方を模索する動きが進んでいます。また、テレワークの拡大を背景に、より快適な遠隔コミュニケーションを求める声も高まりを見せました。

このような中で、前述の中長期的な変化も加速を増しています。当社グループは、楽器事業、音響機器事業において、音・音楽を中心に、新たな時代に求められる顧客価値の創造に努めるとともに、その他の事業においても、リモートワークの拡大を追い風にした5G通信インフラへの投資加速、車両への自動緊急通報システム装着の標準化等の流れを捉えながら、ビジネスの拡大を図っていきます。


2. 経営ビジョン(中長期的に目指す姿)と価値創造ストーリー

「なくてはならない、個性輝く企業」になる

~ ブランド力を一段高め、高収益な企業へ ~

 

社会価値の創造を通じて、企業価値を高め、ビジョンの実現を目指します。
 

3.「Make Waves 1.0」の位置づけと基本戦略

これまでの成果も踏まえ、本中期経営計画を“顧客・社会との繋がりを強化し、価値創造力を高める”3年間と位置づけ、これを基本戦略とします。

 

 

4.経営目標(2022年3月期)

財務目標(IFRS)

(方針)収益力の強化と成長基盤の強化を両立

事業利益率:

13.8 %

ROE:

11.5 %

EPS:

270 円

 

(想定為替レート:USD 110円 / EUR 125円) 

 

非財務目標

コーポレートブランド価値*

1.3 倍

新興国の器楽教育普及:

100 万人(累計)

認証木材使用率:

50 %

 

*ヤマハ株式会社とヤマハ発動機株式会社の合同ブランド価値 $1.2 billion
 (Interbrand社 Best Japan Brands 2019) 

 

投資と還元

(方針)成長投資と株主還元にバランス良く配分

総還元性向:

50 %(3年累計)

 

 

5.4つの重点戦略

 ① 顧客ともっと繋がる

広く、深く、長く、お客様と繋がるため、ブランドプロミスを通じたブランド訴求と、デジタルマーケティングを軸にしたデジタル・リアル両面の顧客接点整備、そして、ライフタイムバリュー向上への貢献に取り組みます。また中国、ASEANをはじめとした新興国では、中間所得層を取り込み、成長を加速させます。音響機器事業、部品・装置事業では成長市場へ事業領域を拡大し成長を図っていきます。

 

 ② 新たな価値を創造する

ヤマハの強みである、“技術×感性”で新たな価値を創造します。世の中の変化や、お客様からのフィードバックに基づき、感性を定量化する技術(感性評価技術)や解析・シミュレーション技術を駆使し、また、アコースティック技術、デジタル技術等、当社が保有する技術を融合させ、ユニークな製品・サービスをお客様に提供していきます。 
 

 ③ 生産性を向上する

付加価値向上と商品価値の訴求強化を通じて価格適正化を進めるとともに、製造コストの持続的な低減を図ります。また経費をゼロベースで見直し、顧客価値向上に資する戦略経費にシフトさせ、収益力の強化を図っていきます。

 

 ④ 事業を通じて社会に貢献する

音楽文化・社会の持続的発展に貢献します。多種多彩な楽器の供給を通じた世界の音楽シーンへの貢献、新興国における器楽教育普及等、音楽文化のサステナビリティへの貢献を拡大する他、製品・サービスを通じた社会課題の解決に取り組みます。また、持続可能な木材利用や環境配慮製品の開発などを通じ、自然との共生を実現していきます。
 

 

6.事業別戦略

 ① 楽器事業

新興国を中心とした販売拡大と付加価値向上により収益力の強化を進めます。頂点戦略の推進や中高級価格帯の拡売、併せてライフタイムバリュー向上と音楽普及活動への取り組みを通じた需要創出を進めていきます。
 

 ② 音響機器事業

B2B事業では、デジタルミキサーの強みを活かしながら、トータルソリューションのさらなる強化に取り組む他、施主等、上流工程の顧客へのダイレクトアプローチを強化します。B2C事業であるAV機器では、顧客のライフスタイル変化に適合したポートフォリオへの転換を進めます。

 

 ③ その他の事業

「音響×音声×騒音制御」の技術で、車室内の多様な音の課題を解決し、市場でのポジションを確立していきます。

 

7.投資と株主還元

創出したキャッシュを通常投資、戦略投資(新製造拠点への追加投資、R&D拠点、M&A他)と株主還元にバランス良く配分します。

株主還元については、継続的かつ安定的な配当を基本としますが、将来の成長投資のための適正な内部留保とのバランスを考慮しながら、資本効率の向上を目的とした機動的な株主還元も適宜、実施してまいります。3年累計で総還元性向50%を目標とします。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事項のうち、経営者が連結会社の経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとリスクへの対策、中期経営計画に掲げる4つの重点戦略と事業別戦略との関連性は以下の通りです。
 なお、当社グループは、リスクへの対応力を向上させ、健全で透明性の高い経営を実践するため、リスクマネジメントの推進体制や仕組みの整備・改善に取り組んでいます。当社は、代表執行役社長の諮問機関としてリスクマネジメント委員会を設置し、リスクマネジメントに関わるテーマについて全社的な立場から審議し、代表執行役社長に答申しています。また、同委員会の下部組織として、全社横断的な重要テーマについて活動方針の策定やモニタリングを行う「BCP・災害対策部会」「財務管理部会」「コンプライアンス部会」「輸出審査部会」「情報セキュリティ部会」を設置しています。
 リスクマネジメント委員会では、識別した事業に関連するさまざまなリスクを大きく「外部環境リスク」「経営戦略リスク」「事業活動に係る業務プロセスリスク」「経営基盤に係る業務プロセスリスク」の4つに分類し、リスクの重要性を想定損害規模と想定発生頻度に応じて評価しており、各リスクに対するコントロールレベルを評価し、優先的に対処すべき重要リスクを特定するとともに担当部門を定め、リスク低減活動の推進によりコントロールレベルの引き上げを図っています。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。


 


 

リスク 分類

リスク 項目

リスクの説明

リスク対策

戦略への影響

4つの重点

戦略

事業別

戦略

外部環境リスク

事業環境の変化

当社グループは、世界の各地域に製造・販売拠点を置き、グローバルな事業展開を行っています。連結子会社57社のうち42社が海外法人であり、そのうちの23社が製造・制作会社等で、主に中国、インドネシア、マレーシア、インドに拠点を置いています。主要な商品の生産をひとつの製造拠点に依存している場合、当該拠点のある地域の事業環境の変化が商品の供給に影響を与える可能性があります。また、海外売上収益は売上収益の70.2%を占めています。そのため、世界各国の経済状況や市場環境の影響を受けます。世界の市場における景気後退、これに伴う需要の減少は、当社グループの収益と事業展開に影響を与える可能性があります。

日本においては、当社グループの基幹事業である楽器事業で、子供を中心とする音楽教室や英語教室を展開しているほか、学校を通じた販売も重要な販売経路となっており、今後少子化の進行により、売上収益の減少を招く可能性があります。 

 

 生産については、特に主要な商品を2か所以上から供給できる体制を構築中です。販売については、各国経済状況の跛行性に対して在庫の供給を柔軟に対応させるよう努めています。

また、顧客情報基盤(CDP)の構築を進め、デジタルマーケティングの整備強化により、顧客のライフステージにフィットした価値の提供を行うことにより幅広い年齢層に対するサービスを拡充しています。

①②③④

①②③

法律

規制の変更

国内外における予期せぬ法律や規制の変更等により、当社グループの事業活動が大きな変更を余儀なくされ、その結果、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

「グループ法務規程」において法務に関する基本方針等を定め、各国での新たな法令に適時に対応するため、法令の最新状況を網羅する情報基盤の整備・運用を進めています。

また、輸出入に関わる法令違反のリスクの軽減のため、輸出審査部会においてリスト規制該当技術の管理強化、中国・インドからの輸出管理体制の構築を進めています。

 

①②③④

①②③

為替

金利の変動

当社グループは、全世界において製造・販売等の企業活動を行っていますが、グループ各社における外貨建取引は為替レートの変動の影響を受け、それにより当初の事業計画を達成できない可能性があります。特に損益影響が大きいユーロ・円レートにおいて、1円変動すると約4.4億円の損益影響をもたらします。

 

 為替変動については、日本国内の生産工程を海外に移管する等、グローバルに工程を再配置することで、影響の軽減化を図っています。ユーロ・円レートの変動に対しては、グローバルな卸売価格の標準化の観点から柔軟に価格を設定することにより数量・販売金額の最大化を図っています。また、外貨建取引については、短期的な収益を事前に確定させるため先物為替予約取引等を行っています。

 

①②③

①②③

国レベルの紛争

混乱

 製造拠点または販売拠点において政治・経済の混乱、テロ、戦争、日系企業への暴動等が発生した場合、当社グループの事業活動が遅延または中断する可能性があります。

 さらに、当社グループの製造拠点または販売拠点が直接の損害を受けた場合には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 

また、事業を展開する各国の政情不安や港湾スト等の物流障害により製品の供給に影響を受ける可能性があります。

 

国レベルの紛争・混乱等の緊急事態に備え、BCP・災害対策部会にてBCP策定をはじめとする事業継続マネジメントに取り組んでいます。

また、リスクが顕在化したときに適切な対応を迅速に行い、経営への影響を最小化するための基本方針等を「グループBCP規程」で定めています。各拠点ではBCPを整備し、訓練等を通じて検証と改善を実施し、BCPの実効性を高めています。

複数の拠点を有する国においては、特命地域代表を設置し、現地での統括的な対応に当たります。

 

①②③

①②③

 

 

リスク分類

リスク 項目

リスクの説明

リスク対策

戦略への影響

4つの重点

戦略

事業別

戦略

外部環境リスク

大規模事故

 火災や爆発等により製造拠点の生産継続に影響が出る、事故により電力等の公共インフラサービスが停止して事業継続に支障が出る、事故等によりサプライチェーンネットワークが寸断・遅延して事業継続に影響を及ぼす等、外部要因による大規模事故の影響で生産や販売ができなくなることにより損害が発生する可能性があります。

 

外部要因による大規模事故等の緊急事態に備え、BCP・災害対策部会にてBCP策定をはじめとする事業継続マネジメントに取り組んでいます。

また、リスクが顕在化したときに適切な対応を迅速に行い、経営への影響を最小化するための基本方針等を「グループBCP規程」で定めています。各拠点ではBCPを整備し、訓練等を通じて検証と改善を実施し、BCPの実効性を高めています。

更に、グループ施設管理規程を定め、人命および会社財産が適切に保全され、安心安全に利用できる環境とするため、必要なリスク管理を行っています。

 

①②③

①②③

サイバ|攻撃

当社グループの事業活動においては、情報システムの利用とその重要性が増大しています。サイバー攻撃やコンピュータウィルスへの感染等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの情報システムの破壊やデータ改ざんだけでなく、当社グループの社会的信用やブランド価値の毀損による経済的損失等により、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

「グループIT管理規程」においてIT管理の基本方針等を定め、情報セキュリティ部会が現状の管理体制の把握、ウェブサイトの脆弱性の特定・改善指導等により、外部からの不正なITネットワークへの侵入によるデータ破壊や、ウィルス感染を予防するためのセキュリティ管理体制の維持・向上を図っています。

 

①②③

①②③

自然災害

地震等の自然災害の発生により、当社グループの製造拠点や販売拠点等が損害を受ける、または通信ネットワークが寸断され、情報システムの継続に支障が生じることにより販売・生産・物流インフラの機能が停止し、事業活動が中断することにより、業績への影響を及ぼす可能性があります。

 特に当社の本社及び当社グループの工場が集中している静岡県内においては、東海地震の発生が予想されています。また、主な製造拠点のある中国、インドネシア、マレーシア、インドにおいても、予期せぬ自然災害が発生する恐れがあります。このような事象が発生した場合には、施設面での損害のほか、操業の中断や遅延、多額の復旧費用の発生等が予想されます。

加えて、原材料・部品供給業者の被災状況によっては、生産活動に影響を受ける可能性があります。また、物流網の途絶により材料・製品の供給に影響を受ける可能性があります。

 

大規模な自然災害等の緊急事態に備え、BCP・災害対策部会にてBCP策定をはじめとする事業継続マネジメントに取り組んでいます。

また、リスクが顕在化したときに適切な対応を迅速に行い、経営への影響を最小化するための基本方針等を「グループBCP規程」で定めています。各拠点ではBCPを整備し、訓練等を通じて検証と改善を実施し、BCPの実効性を高めています。

国内においては、震度7の地震が発生したと想定し、現状の対応策を検証、更に、BCPの実効性を高めるため、災害発生直後に事業が停止するという想定で地震初動訓練を年2回実施しています。

また、ヤマハ設備耐震基準を制定し、当社グループが所有する建物の耐震化を進めると共に、新規設備導入時に適用しています。

①②③④

①②③

感染症

製造拠点や販売拠点において国家的警戒レベルで感染症が流行した場合、事業活動が遅滞または中断し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

感染症の拡大等の緊急事態に備え、BCP・災害対策部会にてBCP策定をはじめとする事業継続マネジメントに取り組んでいます。

また、リスクが顕在化したときに適切な対応を迅速に行い、経営への影響を最小化するための基本方針等を「グループBCP規程」で定めています。各拠点ではBCPを整備し、訓練等を通じて検証と改善を実施し、BCPの実効性を高めています。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を緊急事態と捉え、BCP・災害対策総本部を設置し、各拠点の状況や製造、販売、物流、資金等の情報のとりまとめを行うとともに、在宅勤務の拡大等の感染拡大防止の取り組みや、事業への影響を最小限に抑えるための対応を行っています。

 

①②③

①②③

 

 

リスク分類

リスク 項目

リスクの説明

リスク対策

戦略への影響

4つの重点

戦略

事業別

戦略

経営戦略リスク

グル|プ統制

当社グループは、国内外に多くのグループ会社を展開しているため、グループ統制の組織設計、各種制度設計が適切に行われないことにより、権限が不明確になり、事前に承認を受けずにグループ会社が重要な決定を実施することで、事業パフォーマンスの低下や内部統制上の問題を起こすリスクがあります。

 

 当社は機能別組織を採用しており、各組織の傘下にグループ会社が帰属しています。これらのグループ会社を統制する上で、グループ経営の基本方針を定めた「グループマネジメント憲章」及び「グループ企業管理規程」においてグループ会社が当社から事前承認を受けるべき事項を定めています。運用において確実に事前承認がなされるよう、グループ会社を統括する所轄部門において事前承認事項別、またはグループ会社別の担当者を配置し、指導に当たっています。

 また、第3のディフェンスラインの機能を担う内部監査部が「グループ内部監査規程」に基づき、当社グループのガバナンス、リスクマネジメント、内部統制および業務活動全般を対象として監査を実施しています。

 

①②③④

①②③

コンプライアンス

当社グループの事業は、全世界の拠点において、それぞれの国における法律の適用を受け様々な規制の対象となっています。例えば、対外的投資、国家安全保障上の輸出入制限、通商規制、独占禁止規制、消費者保護、環境保護他の規制の適用を受けています。当社グループは、コンプライアンスの実践に尽力していますが、予期せずこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの企業活動が制限され、当社グループの社会的信用やブランド価値の毀損、罰金等によるコストの増加につながる可能性があります。

 

 グループ規程を定め、当社グループ全体として法律や規制を遵守するよう、当社から定期的にモニタリングを行っています。

また、組織のみならず従業員一人一人にコンプライアンス意識を持たせるために「コンプライアンス行動規準」を定め、研修等を通じて当社グループ全体でのコンプライアンス意識の向上を図ると共に、抑止力として、また、万一の場合の対応を迅速に行うため、グローバルベースでのコンプライアンスに関する内部通報窓口を設置しています。

 

①②③④

①②③

M&A

事業再編

当社グループは、事業の拡大のため、M&A等の戦略投資を行っています。投資決定の判断は慎重に行っていますが、事業環境の変化や投資判断時の状況との乖離などから一部または全部の投資額を回収できない、または撤退の場合に追加損失が発生するリスクがあります。このような場合、当該投資を行った資産が減損の対象となる可能性もあります。また、買収前に発見できなかった買収会社の持つ潜在リスクが顕在化することにより、買収後に損失が発生する可能性があります。

 他社との業務提携、出資、合弁会社の設立等においても、相手先との利害の対立や相手先の事業戦略の変更等により、当初期待した効果が得られない場合があります。

 

投資決定にあたっては、投資効果とリスクを定性的かつ定量的に把握し、規模や重要度に応じてあらかじめ「権限規程」に則って慎重に判断を行っています。

また、戦略投資を実施した後も、買収会社については他のグループ会社と同様にその経営成績を定期的に測定し、他の事業投資についても当初計画に対する進捗状況をモニターし、必要に応じて適切な対策を講じています。

①②③

①②③

 

 

リスク分類

リスク 項目

リスクの説明

リスク対策

戦略への影響

4つの重点

戦略

事業別

戦略

経営戦略リスク

経営資源配分

 当社グループは、設備投資等の既存事業への通常投資や、研究開発等への経営資源の配分を適宜行っています。

 事業投資決定の判断は慎重に行っていますが、事業環境の変化や投資判断時の状況との乖離などから一部または全部の投資額を回収できない、または撤退の場合に追加損失が発生するリスクがあります。このような場合、当該投資を行った資産が減損の対象となる可能性もあります。

 技術開発投資については、音・音楽・ネットワーク・デバイス関連技術の差別化を図ることが、当社グループの発展、成長に不可欠な要素となっていますが、これらの技術開発が、将来の市場ニーズを正しく予想し、的確に行われない場合、楽器事業では、製品付加価値の低下、価格競争に陥る恐れ、新規需要喚起ができない等の問題が生じ、音響機器事業、その他の事業では事業そのものの存続が困難となる可能性があります。

 また、当社グループが保有する財務的な資産は金融市場の変動によりその資産価値の増減に影響を及ぼし、投資有価証券や土地の評価、退職給付債務及び退職給付費用等に関わる資産評価価値の減少により評価損等が発生する可能性があります。

 

中期経営計画において通常投資、戦略投資、株主還元の適切な配分について立案し、これに基づいた経営資源の配分を行っています。

投資決定にあたっては、投資効果とリスクを定性的かつ定量的に把握し、規模や重要度に応じてあらかじめ「権限規程」に則って慎重に判断を行っています。また、事業投資を実施した後も当初計画に対する進捗状況をモニターし、必要に応じて適切な対策を講じています。

技術開発投資については、代表執行役社長の諮問機関である技術戦略委員会を設置し、グループ全体最適の観点から開発資源が配分されるよう検討しています。

当社が保有する投資有価証券の保有方針については、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況」に記載しています。また、企業年金資産の保有方針については、「コーポレートガバナンス方針書」の「企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮」の項目に記載されていますのでご参照ください。

 

①②③④

①②③

事業活動に係る業務プロセスリスク

マ|ケティング

商品企画

商品開発

マーケティングについては、商品企画・商品開発とのコミュニケーション不足により商品の特徴や価値が顧客に伝わらない、ブランドコンセプトと提供サービスのミスマッチによりブランド価値が希薄化・曖昧化する、製品・サービスにおいてお客様に提供する魅力品質がお客様のニーズと一致しない、等によりヤマハのブランド価値が低下した場合には販売の減少をもたらす可能性があります。

商品企画と商品開発については、音・音楽・ネットワーク・デバイス関連技術において他社との差別化を図ることが、当社グループの発展、成長に不可欠な要素となっていますが、これらの差別化が、将来の市場ニーズを正しく予想し、的確に行われない場合、または、新規の顧客の要求と合致しない場合、製品付加価値の低下、価格競争に陥る恐れ、新規需要喚起ができない等の問題が生じ、販売の減少をもたらす可能性があります。

 

マーケティング戦略として、広く、深く、長く、お客様と繋がるため、ブランドプロミスを通じたブランド訴求と、デジタルマーケティングを軸にしたデジタル・リアル両面での顧客接点整備、そして、顧客情報基盤(CDP)を構築してお客さま一人一人のライフステージにフィットした価値を訴求することによるライフタイムバリュー向上への貢献に取り組んでいます。ブランドの持続的成長のため、YAMAHAブランドを共有するヤマハ発動機株式会社と「ヤマハブランド憲章」と「合同ブランド規程」を定め、当社グループにおいても一貫性ある形で効果的にブランドを表現するためのガイドラインを定めています。また、事業別・機能別組織を超えたグループ全体最適のマーケティングが行われるよう代表執行役社長の諮問機関であるLTV(※)戦略委員会を設置しています。

 また、技術と顧客要求を繋ぐために、事業領域を超えてさまざまな技術を融合し、新たな価値創造を加速させています。さらに、IoTを活用し、顧客サポートに加えて、顧客起点の製品・サービスの開発を加速しています。

※LTVはライフタイムバリューの略

 

①②④

①②③

生産

製造原価の低減に絶えず取り組んでいますが、生産設備や生産管理システム等への適切な設備投資が行われないことにより、生産効率の低下を招き、製造原価を増加させる可能性があります。

また、誤った需要予測に基づいた生産体制の構築により、生産能力の過剰または不足を招き、販売機会の損失や製造原価を増加させる可能性があります。

 また、当社グループの製造拠点は主に中国、インドネシア、マレーシア、インドにあり、これらの国々での人件費の上昇が製造原価を増加させる可能性があります。

 

 適切な経営資源の配分による設備投資とともにグローバルな生産工程の再配置により、生産能力の適正化やコストダウンを図っています。また、サプライチェーンマネジメントにおいては現在のシステムの改善による業務標準化や事業間の連携により生産計画の精度を高めています。

 また、海外工場の製造プロセス自動化やIT活用による省人化により合理化を図っています。

 

①②③

 

 

 

リスク分類

リスク 項目

リスクの説明

リスク対策

戦略への影響

4つの重点

戦略

事業別

戦略

事業活動に係る業務プロセスリスク

取引先

 

販売サイド

事業を展開するそれぞれの分野で厳しい競争にさらされています。楽器・音響事業のコンシューマー向け製品の販路においては、Eコマースや広域量販店の市場プレゼンスが高まっており、当社グループとの取引が年々拡大しています。地域に根差した販路は後継者問題を含め縮小傾向にあります。また、Eコマース市場の発展により価格の透明化が進み、価格競争が激しくなっており、当社グループの現在の優位性が影響を受ける可能性があります。

 当社グループが製造・販売する半導体や自動車用内装部品等は、供給先メーカーの業績の影響を受けます。また、供給先メーカーとの間で、納期・品質等で信頼関係が損なわれた場合、その後の受注に悪影響を及ぼす可能性があります。また、品質等の欠陥によって、供給先メーカーから補償を求められる可能性があります。

 

地域や顧客接点(実店舗やEコマース)の拡充・多様化を進めることにより、広く、深く、長く、お客様と繋がることで特定取引先への過度な依存リスクの影響度を軽減しています。

また、市場の環境、競合関係、商品の特性などを十分に検討し、商品価値を適切に反映した卸売価格の適正化施策を進めています。既存商品の価格改定に加え、新商品導入時または新たなサービスを付加しながら付加価値を高め、適切な価格付けを行っています。

半導体や自動車用内装部品等を扱う部品・装置事業については、今後も供給先メーカーとの良好な関係の維持に努めるとともに、車載モジュールや自動車用内装部品において、新市場への参入や商材の拡大等によりリスクの分散を図っています。

 

①②③

調達

 原材料価格の上昇によるコスト増が収益を圧迫する可能性があります。当社グループの主軸事業である楽器事業では良質な木材、特に希少材も使用することから、環境変動による木材の入手困難による安定供給リスクやそれに伴うコスト増のリスクがあります。また、違法に伐採された木材が調達に紛れ込むことにより社会的信頼の低下を招くリスクもあります。

 調達先に起因するリスクとして、当方に知らせず素材や製造方法を変え品質問題を起こす、アウトソース先の能力不足により製造委託品が納期通りに仕上がらない、契約品質を満たせない等が発生した場合には生産の中断や遅れにより売上収益が減少する可能性があります。

また、サプライチェーンにおける人権侵害や環境破壊等が発生した場合には社会的信頼の低下によるブランド価値の棄損やそれに起因する売上収益の減少を招く可能性があります。

 

 グローバルに分散している購買機能を集約することにより調達コストの削減を図っています。

 木材調達に関しては、原産地コミュニティーと連携した持続型の希少材保全活動や、教育機関との研究連携等の様々な取り組みにより持続可能な木材利用を推進しています。違法伐採材回避のための木材デューディリジェンスも実施しています。

 また、「ヤマハグループ購買方針」に定める基準に沿ってサプライヤーを選定し、人権尊重や環境保護について定めた「ヤマハサプライヤーCSR行動基準」の遵守をサプライヤーに要請、取引開始時および定期的に同行動基準の遵守状況を点検し、必要に応じて改善要請を実施しています。これらの責任ある調達活動を遂行するため、調達担当者や取引先へ研修やセミナーによる啓発を行っています。

③④

①②③

経営基盤に係る業務プロセスリスク

人的資源

当社グループは、グローバルに事業を展開していく上で、高い専門性を備えた人材の採用、配置及び育成が重要な経営戦略の一つであると認識し、事業の維持・成長のため、計画的な人材の確保や育成、配置に努めています。しかしながら、採用難、賃金の上昇等により必要な人材を採用、配置できない場合や、従業員の高齢化や優秀な人材の流出、後継者不足等により、グローバルに通用する人材の育成が進まない場合には、当社グループの将来の成長が阻害される可能性があります。

 

これまでグループ会社が各社ごとに人事制度を運用してきましたが、「グループ人材マネジメント規程」を定め、コアとなるポジションについてはグローバルで管理し、多様な個性やバックグラウンドを持つ従業員がその感性・創造性をいかんなく発揮できるような環境整備を推進しています。

 グローバルに通用する人材の育成を軸に、能力向上とキャリア開発を両輪とした教育・研修制度を整備し、目的や対象に応じた人材育成プログラムを実施すると共に、定年後再雇用制度の見直しを行う等、優秀な人材の育成と動機づけを行い、定着を図っています。

 

①②③④

①②③

 

 

リスク分類

リスク 項目

リスクの説明

リスク対策

戦略への影響

4つの重点

戦略

事業別

戦略

経営基盤に係る業務プロセスリスク

労務

当社グループは、労働環境の維持、向上が経営戦略に重要な影響を及ぼすと認識し、多様性を尊重し、働きやすい職場環境の維持、向上に努めています。しかしながら、労働環境の維持、向上のための施策が計画通りに進捗せず、労働災害や健康被害、ハラスメント等が発生した場合には、業務パフォーマンスの悪化や労災補償、ブランド価値の毀損が発生し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 「グループ人材マネジメント規程」において人材マネジメントの基本方針等を、「グループ安全衛生管理規程」において安全衛生管理の基本方針等を、また、「労務および労使関係に関する教育ガイドライン」においてグループ各社で実施すべき労務管理教育の内容等をそれぞれ定めています。

また、ダイバーシティ推進の一環として、仕事と生活の両立支援制度や女性が活躍できる職場環境などを整備し、LGBTハンドブックを作成するなど、職場における理解促進を図っています。

ハラスメントに対しては、組織のみならず従業員一人一人にコンプライアンス意識を持たせるために「コンプライアンス行動規準」を定め、研修などを通じて当社グループ全体でのコンプライアンス意識の向上を図ると共に、グローバルベースでのコンプライアンスに関する内部通報窓口を設置しています。また、「労働と人権に関するガイドライン」を定め、当社グループで働く全ての人材の人権が尊重される環境整備を進めています。

 

①②③④

①②③

労使関係

当社グループは、円滑な労使関係の構築に努めていますが、労使の交渉が不調に終わり、長期間に及ぶストライキが発生した場合、商品やサービスの供給が停止する等、事業活動の継続に支障をきたし、その結果、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

「グループ人材マネジメント規程」において人材マネジメントの基本方針等を定めています。

また、「労務および労使関係に関する教育ガイドライン」においてグループ各社で実施すべき労使関係に関する教育の内容等を定め、その周知及び実施状況のモニタリングを実施しています。

 

①②③④

①②③

商品

サ|ビスの品質

当社グループの製品の品質上の欠陥に起因する事故等が発生した場合、当社グループの社会的評価の低下やそれによる売上収益の減少が予想されます。

製造物責任賠償及び一部製品の製品瑕疵に起因して被る損害については保険に加入していますが、損害賠償額が保険金額を上回る可能性や、製造物責任を伴う事故や大口のリコール等の発生による保険料率の上昇も予想されます。 また、設計変更等による多額のコスト増大、当社グループの社会的評価の低下とそれによる売上収益の減少が予想されることから、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 

当社グループが営む小売店舗、音楽教室、リゾート施設等における安全・衛生についても十分注意を払っていますが、万一事故が発生した場合、店舗・教室・施設等の一時休業や社会的評価の低下とそれによる売上収益の減少が予想されます。 

 

企業経営の軸の一つとして策定された「ヤマハクオリティ(品質指針)」の下、「グループ品質管理規程」において品質管理の基本方針等を定め、代表執行役社長の諮問機関である品質委員会にて製品法規制順守の体制構築、重要品質問題の未然防止に繋がる仕組みの構築や改善活動の実施、法規制教育を体系化した品質人材の育成に取り組んでいます。

また、従業員への安全教育、リゾート施設や音楽教室における設備の定期的な安全点検の実施等により、商品・サービスの品質の維持・向上を図っています。

 

①③

①②③

 

 

リスク分類

リスク 項目

リスクの説明

リスク対策

戦略への影響

4つの重点

戦略

事業別

戦略

経営基盤に係る業務プロセスリスク

財務

税務

当社グループは、適正で透明性の高い財務報告に努めておりますが、不適切な会計処理により財務報告に誤りがあった場合、当社グループの社会的信用の毀損につながる可能性があります。

また、当社グループは、投資有価証券、土地、退職給付債務等の時価や金利の変動影響を受ける資産及び負債を保有していますが、これらの変動が財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、全世界で事業展開していますが、各国における租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

 

「グループ会計規程」においてグループ各社及び連結における会計の基本方針等を、また「グループ財務管理規程」において財務管理に係る内部統制システムの構築と維持について定めています。

また、財務管理部会において、定期的に財務に関わる内部統制レベルを測定してリスクの高い領域を特定しており、グループ会社の内部統制レベルの改善目標の設定と改善支援を実施しています。

資産及び負債の時価や金利の変動への対策としては、金利変動等が退職給付債務に与える影響の検討や政策保有株式の保有意義の検証を毎年実施しています。

また、「グループ税務規程」を定め、グループ会社の税務リスクを定期的に確認し、確認結果に基づいてリスクを評価し、リスク低減活動を実施しています。

 

①②③

①②③

情報システム

IT基盤(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク等)の不具合による設計情報や研究成果の消失、IT基盤の陳腐化による保守切れや保守費用の増加、プロジェクト管理能力の不足・低下によるシステム開発の遅延やシステム品質の低下、システム稼働後のシステム障害の発生等、情報システムの管理体制が適切に構築されていないことによりシステム開発・保守が健全に実行されず、IT基盤が正常に稼働しないだけでなく、当社グループの事業に重大な影響を与え、あるいは社会的信用を低下させる可能性があります。 

 

「グループIT管理規程」においてIT管理の基本方針等を定め、将来に渡る情報システムの導入計画の策定、不具合発生時の対応の整備と訓練により、IT基盤の陳腐化の防止や不具合発生時の速やかなシステム復旧等、情報システム管理体制の維持・向上を図っています。

 

①②③

①②③

情報漏洩

当社グループは、様々な経営及び事業に関する重要情報や、多数の顧客情報等の個人情報を保有しています。万一これらの情報が誤って外部に漏洩した場合には、第三者に損害を与えるだけでなく、当社の事業に重大な影響を与え、あるいは社会的信用を低下させる可能性があります。 

 

「グループIT管理規程」及び「グループ個人情報保護規程」において情報管理の基本方針等を定め、外部からの攻撃による情報漏洩に対してはウェブサイトの脆弱性の特定・改善の指導等により、内部からの情報漏洩に対しては現状の管理体制の把握、従業員への計画的なセキュリティ意識向上のための教育等を行うことで、情報セキュリティ部会が組織的なセキュリティ管理体制の維持・向上を図っています。

また、「グループ文書管理規程」において文書管理の基本方針等を定め、開示範囲に基づいて指定した機密区分に応じた安全確保のための対策を実施しています。

 

①②③④

①②③

広報

 当社グループは、統合報告書をはじめとして、ステークホルダーに対し積極的に会社情報の開示に努めていますが、開示に関わる問題(適時開示漏れ、開示内容の不備等)を起こす可能性があります。

また、マスコミ対応・クレーム対応の失敗、事実誤認による報道やSNSでの誤った情報の拡散、誤解を招く広告やウェブでの表示等により、事業へ損失を与える、またはブランド価値を毀損する可能性があります。

 

「コーポレートガバナンス方針書」において適切な情報開示を定めています。また、「グループ広報規程」において広報活動の基本方針等を定め、公正・正確・透明性の原則、情報の適切な活用と発信、広報体制の構築、緊急時における広報対応等、グループ全体で一貫性のある広報活動を実施しています。

また、危機が発生した際の広報対応の基本指針や対応手順、留意点を示した「危機管理広報ガイドライン」を制定し、当社及びグループ会社の評判や企業価値へのダメージを最小限に食い止めるための対策を講じています。

 

①②④

①②③

 

 

リスク分類

リスク 項目

リスクの説明

リスク対策

戦略への影響

4つの重点

戦略

事業別

戦略

経営基盤に係る業務プロセスリスク

知的財産

当社グループは、独自技術についての特許等の知的財産権、業務遂行上取得したノウハウを保有しておりますが、その一部は、特定地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。第三者が当社グループの知的財産権を利用することを、効果的に防止できない可能性があります。その結果、当該第三者の製造した類似品、模倣品が市場に出回ることにより当社グループ製品の販売に支障をきたす可能性があります。また、予期せず当社グループの製品が第三者から第三者の知的財産権を侵害しているとされる場合があり、その結果、これを利用した当社グループ製品が販売できなくなる可能性があります。

 当社グループは、製品の重要な部分のいくつかについて第三者から知的財産権のライセンスを受けております。ロイヤリティの上昇は、製造コストの増大を招き価格競争力に影響が出るほか、ライセンスを受けられなくなった場合、当該製品の製造ができなくなる可能性があります。

 

「グループ知的財産管理規程」において知的財産権管理の基本方針等を定め、当社グループに帰属する知的財産については、保護対象となる知的財産権のリスト化、独自技術の権利化や不正使用発見時の対応ルール等の整備や運用を進めています。第三者の知的財産権の侵害については、研修実施による従業員の意識啓蒙、業務プロセスにおける事前確認の導入・整備等を進めています。

②③

①②③

環境

 事業活動に対する環境保護規制は強化の方向にあり、企業の社会的責任の一つとして自主的な環境活動プログラムの実施が求められています。当社グループは、製品、梱包材、省エネルギー、産業廃棄物処理等について環境基準を上回る対策の実施に努めていますが、事故等の発生により規制物質が環境基準を超えることを完全に防止できる保証はありません。また、工場跡地等で、規制物質により土壌や地下水が汚染されている場合には、将来、売却しようとする際、多額の浄化費用が発生する、あるいは売却できない可能性があります。更に、第三者に売却済みの土地から将来規制物質が拡散し、大気、地下水を汚染し、その対策費が発生する可能性があります。

 加えて環境汚染等の環境規制が厳しくなり、使える素材が極端に少なくなる、または顧客が期待する性能が実現できない、もしくは環境規制物質が製品に使われる、等の技術的な問題が生じた場合、生産の制約や賠償責任、社会的評価の低下等の損害が発生する可能性があります。

「グループ環境管理規程」において環境管理の基本方針等を定めています。

温室効果ガス排出量を削減するため、生産方法や設備配置の最適化、エネルギー管理の徹底、エネルギー効率の高い設備やコージェネレーションシステムの整備、燃料転換や再生可能エネルギーの導入を進めています。また、燃料使用などによる自社施設からの直接排出と自社が購入したエネルギーの使用による間接排出、それ以外の自社バリューチェーンからの間接排出、それぞれに中長期の削減目標を設定しています。

土壌や地下水の汚染が確認されている当社グループが保有する土地及び売却済の一部の土地については、地下水の浄化措置を当社グループで継続して行っています。

 

③④

①②③

 

(注)4つの重点戦略及び事業別戦略の各項目は、以下の通りです。詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき

  課題等」をご参照ください。

 (4つの重点戦略)

 ①顧客ともっと繋がる ②新たな価値を創造する ③生産性を向上する ④事業を通じて社会に貢献する

 (事業別戦略)

 ①楽器事業 ②音響機器事業 ③その他の事業

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

当社グループは当連結会計年度より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組替えて比較分析を行っております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針選択の判断と適用を前提とし、決算においては資産・負債の残高、報告期間における収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、経営者は、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、その性質上、実際の結果と異なる可能性があります。

重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。

 

(2) 経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績

当連結会計年度における経営環境を振り返りますと、米中貿易摩擦をはじめとする保護主義の広まりなどにより、世界経済は全体として減速傾向にありました。米国は好調さを維持した一方、中国は貿易摩擦などにより力強さを欠き、欧州では低成長が継続しました。国内は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要等により穏やかに拡大しましたが、その後の東日本を直撃した台風等により成長のペースを落としました。このような中、昨年末からの新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大により、世界経済全体が大きな打撃を受けました。

当社グループは上記のような経済環境の下、中期経営計画「Make Waves 1.0」の1年目として、4つの重点戦略「顧客ともっと繋がる」「新たな価値を創造する」「生産性を向上する」「事業を通じて社会に貢献する」に取り組みました。

「顧客ともっと繋がる」につきましては、国内外の店舗や教室を、これまでの単なる販売やレッスンの場から、お客さまに体験してもらい、ヤマハの価値を感じてもらう「ブランド価値発信拠点」という位置づけに再定義し、その実現に向けた活動がスタートいたしました。またEC(電子商取引)の活用も進んでいます。楽器事業では、インドの多様な音楽文化に対応したポータブルキーボード「PSR-I500」等、多様なニーズに合わせた商品を発売いたしました。音響機器事業では、ワイヤレスヘッドホン・イヤホンの発売等、ドメインの拡大を通じ、顧客と広く繋がるための取組みが進みました。

「新たな価値を創造する」につきましては、高度な物理モデル音源によるオルガン音色を搭載したステージキーボード「YC61」や、騒がしいオープンスペースにおいても遠隔会議を可能にするUCスピーカーフォン「YVC-330」等、技術×感性のヤマハならではの製品を生み出しました。新たな価値の創造に向けた「飽くなき表現力の向上」に関する取組みも進んでいます。その一つの成果として、ヤマハフルートを使用したマトヴェイ・デョーミン氏が、チャイコフスキー国際コンクール木管部門で優勝を飾りました。また、AIを使った取組みも進んでおり、活動の一部がメディアに取り上げられ、注目されました。

「生産性を向上する」につきましては、インド工場の稼働本格化や、中国蘇州工場でのピアノフレーム製造開始、インドネシア工場のIoT等を活用したスマートファクトリー化、グローバル集中購買の進展等、各工場で様々なコスト低減施策が進みました。また価格の適正化についても計画に沿って進捗しています。

「事業を通じて社会に貢献する」につきましては、器楽教育普及の取組みが、インドネシアに加えインドやベトナム等でも進み、中期経営計画3年目の目標である累計100万人に対し累計39万人に達しました。また、認証木材使用率向上に関しても中期経営計画3年目の目標である50%に向け、計画通り進捗しています。

当連結会計年度からの3年間を対象とした中期経営計画「Make Waves 1.0」における2022年3月期の経営目標「事業利益率 13.8%」「ROE 11.5%」「EPS 270円」は、当連結会計年度においてそれぞれ11.2%、10.1%、194円71銭となりました。

 

 

(イ)セグメントごとの売上収益の状況

当連結会計年度の売上収益は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマイナス影響137億円、為替のマイナス影響131億円、および部品・装置事業の市況低迷により、前期に対し201億45百万円(4.6%)減少の4,142億27百万円となりました。

   

楽器事業は新型コロナウイルス感染拡大の影響99億円や為替のマイナス影響91億円を含め、前期に対し101億円(3.6%)減少の2,693億71百万円となりました。

商品別では、ピアノは、先進国を中心にトランスアコースティック等の高付加価値商品が伸長しましたが、店舗販売の比重が高く、主要市場である中国で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、減収となりました。電子楽器は、ECの活況やポータブルキーボードの新商品効果もあり、増収となりました。管楽器は、日本を除き増収となり、弦打楽器は、新商品効果やEC等の販路政策の効果でギターの売上げが伸長し、増収となりました。

 地域別では、日本は少子高齢化の市場構造下で、消費税増税による消費減少や新型コロナウイルス感染拡大による店舗・教室の閉鎖の影響もあり、減収となりました。北米では、ピアノは減収となりましたが、電子楽器やギターの販売は堅調に推移しました。中国では、内陸部への販売網の拡充やEC対応が進捗したものの、第4四半期で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け前年並みとなり、欧州及びその他の地域では、一部の地域で新型コロナウイルス感染拡大の影響があったものの、全ての商品カテゴリーで増収となりました。

 

 音響機器事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響35億円や為替のマイナス影響38億円を含め前期に対し、57億51百万円(4.8%)減少の1,143億92百万円となりました。

 商品別では、業務用音響機器では増収となりましたが、オーディオ、ICT機器では減収となりました。
オーディオでは、主力製品のAVレシーバーの市場縮退や北米を中心とした新型コロナウイルス感染拡大の影響等により減収となりました。業務用音響機器では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ライブ市場の悪化や納入遅延の影響もありましたが、国内の音響設備工事で想定通りの納入が進んだことなどから増収となりました。

 

その他の事業の売上収益は、前期に対し42億94百万円(12.4%)減少の304億62百万円となりました。

部品・装置事業では、電子デバイスは、車載関連モジュールが計画通り伸長し、アミューズメント向けも堅調に推移したものの、FA機器は、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染拡大の影響による設備投資縮減の影響を受け、減収となりました。

 

(ロ)売上原価と販売費及び一般管理費

売上原価は、前期に対し94億円(3.7%)減少の2,459億67百万円となりました。売上原価率は、前期から0.6ポイント上昇し59.4%となりました。

売上総利益は前期に対し、107億45百万円(6.0%)減少の1,682億59百万円となりました。売上総利益率は、前期から0.6ポイント下落し40.6%となりました。

また、販売費及び一般管理費は、前期に比べ43億52百万円(3.4%)減少し、1,219億7百万円となりました。売上収益販売管理費比率は、前期から0.3ポイント上昇し29.4%となりました。

 

 

(ハ)事業利益

事業利益は、前期に対し63億93百万円(12.1%)減少の463億52百万円となりました。
 報告セグメントごとの事業利益では、楽器事業は、為替のマイナス影響48億円を含め、前期に対し30億64百万円(7.5%)減少の377億50百万円となりました。音響機器事業は、為替のマイナス影響17億円を含め、前期に対し10億43百万円(10.9%)減少の85億71百万円となりました。その他の事業は、前期に対し22億84百万円(98.7%)減少の30百万円となりました。
 要因別には、コストダウン(34億円)や販売管理費の減少(10億円)等の増益要因がありましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、為替影響(65億円)、部品・装置その他の事業の悪化(23億円)、海外生産拠点の労務費上昇等による製造コストアップ(14億円)等の減益影響により、前期に比べ減益となりました。

(注)事業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出した日本基準の営業利益に相当するものです。

(ニ)その他の収益及びその他の費用

その他の収益は、前期に対し12億48百万円(80.1%)増加の28億6百万円となりました。その他の費用は、前期に対し43億37百万円(291.5%)増加の58億26百万円となりました。その他の費用は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う操業停止損13億86百万円及び固定資産の減損損失33億30百万円を計上したことにより増加しました。

 

(ホ)金融収益及び金融費用

金融収益は、前期に対し3億16百万円(6.8%)増加の49億68百万円となりました。金融費用は、前期に対し74百万円(7.4%)増加の10億83百万円となりました。

 

(ヘ)税引前当期利益

税引前当期利益は、前期に対し92億46百万円(16.4%)減少し472億25百万円となりました。売上収益税引前当期利益率は、前期から1.6ポイント下落し11.4%となりました。

 

(ト)法人所得税費用

法人所得税費用は、前期に対し35億63百万円(22.2%)減少の125億21百万円となりました。主として、税引前当期利益の減少により減少となりました。

 

(チ)親会社の所有者に帰属する当期利益

 親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に対し57億15百万円(14.2%)減少の346億21百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期の222円12銭から194円71銭となりました。

 

(リ)為替変動とリスクヘッジ

海外子会社の売上収益は、期中平均レートで換算しております。当連結会計年度の米ドルの期中平均レートは前期に対し約2円円高の109円となり、前期に対し約22億円の減収影響となりました。また、ユーロの期中平均レートは前期に対し約7円円高の121円となり、前期に対し約51億円の減収影響となりました。また、人民元など、米ドル、ユーロ以外の通貨は、前年同期に対し約58億円の減収影響となり、売上収益全体では、前期に対し約131億円の減収影響となりました。

また、事業利益につきましては、米ドルは充当(マリー)効果により、決済レートの変動による為替影響は概ねヘッジできているものの、海外子会社の事業利益の換算等により、約4億円の減益影響となりました。ユーロの決済レートは、前期に対し約9円円高の122円となり、約41億円の減益影響となりました。また、他の通貨を含めた全体では前期に対し約65億円の減益影響となりました。 

 

 

(ヌ)生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

楽器

212,393

99.8

音響機器

112,105

96.6

その他

25,521

78.4

合計

350,020

96.8

 

(注) 1 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(b) 受注実績

当社グループは、製品の性質上、原則として見込生産を行っております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

楽器

269,371

96.4

音響機器

114,392

95.2

その他

30,462

87.6

合計

414,227

95.4

 

(注) 1 金額は外部顧客に対する売上収益であります。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

② 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前期末の5,159億24百万円から418億90百万円(8.1%)減少し、4,740億34百万円となりました。
 流動資産は、前期末から126億29百万円(4.5%)減少し、2,701億89百万円となり、非流動資産は、292億61百万円(12.6%)減少し、2,038億44百万円となりました。非流動資産では、海外工場の建設、設備の更新改修を中心として減価償却費を上回る設備投資を行い有形固定資産が増加しました。一方で、保有有価証券の時価下落等に伴い金融資産が減少したほか、為替変動の影響もあり、全体では大幅な減少となりました。
 当連結会計年度末の負債合計は、前期末の1,569億17百万円から93億33百万円(5.9%)減少し、1,475億84百万円となりました。
 流動負債は、前期末から12億94百万円(1.3%)減少し、991億49百万円となり、非流動負債は、前期末から80億38百万円(14.2%)減少し、484億34百万円となりました。
 当連結会計年度末の資本合計は、前期末の3,590億7百万円から325億57百万円(9.1%)減少し、3,264億50百万円となりました。保有有価証券の時価下落や為替変動の影響によりその他の資本の構成要素が減少しました。また、株主還元として取締役会決議に基づく自己株式の取得を230億66百万円行いました。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比べ31億43百万円減少(前期は215億88百万円減少)し、期末残高は926億71百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、主として税引前当期利益により、571億62百万円(前期に得られた資金は355億20百万円)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、主として有形固定資産及び無形資産等の取得による支出により、210億67百万円(前期に使用した資金は231億1百万円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、自己株式の取得による支出、配当金の支払額等により、364億22百万円(前期に使用した資金は339億93百万円)となりました。

 

(イ)資金需要

当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料、部品等の購入、労務費など製造費用と、商品の仕入、販売費及び一般管理費等、営業費用の運転資金及び設備投資資金、並びにM&Aや資本提携を目的とした投資資金であります。

当連結会計年度の設備投資額は、前期の159億56百万円から45億89百万円(28.8%)増加し、205億45百万円となりました。海外工場の建設、設備の更新改修を中心として減価償却費(111億56百万円)を超える設備投資を行っております。

研究開発費は、前期の249億26百万円から1億12百万円(0.4%)減少し、248億14百万円となりました。売上収益研究開発費比率は前期の5.7%から0.3ポイント上昇し、6.0%となりました。

 

(ロ)資金調達

運転資金及び設備投資資金について、一部の子会社において借入金により調達しております。借入については通常、会社ごとに現地通貨による短期借入を行っておりますが、借入金額・期間・金利等を勘案し、長期借入を行う場合があります。なお、当社及び国内子会社、一部の海外子会社についてはグループファイナンスを実施しております。

 

 

(3) 並行開示情報

連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。

なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を切捨てして記載しております。

 

① 要約連結貸借対照表(日本基準)

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2019年3月31日)

当連結会計年度

(2020年3月31日)

資産の部

 

 

流動資産

281,608

269,851

固定資産

233,153

216,418

資産合計

514,762

486,270

負債の部

 

 

流動負債

80,495

82,002

固定負債

51,494

55,474

負債合計

131,990

137,477

純資産の部

 

 

株主資本

332,707

334,630

その他の包括利益累計額

48,987

13,094

非支配株主持分

1,076

1,067

純資産合計

382,771

348,792

負債純資産合計

514,762

486,270

 

 

 

 

 

 

② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

売上高

437,416

417,076

売上原価

255,291

245,583

売上総利益

182,124

171,493

販売費及び一般管理費

126,094

120,811

営業利益

56,030

50,681

営業外収益

6,742

6,860

営業外費用

4,349

4,637

経常利益

58,423

52,904

特別利益

3,042

342

特別損失

980

4,389

税金等調整前当期純利益

60,485

48,857

法人税等

16,667

13,182

当期純利益

43,817

35,674

非支配株主に帰属する当期純利益

63

103

親会社株主に帰属する当期純利益

43,753

35,571

 

 

 

 

 

要約連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当期純利益

43,817

35,674

その他の包括利益

△25,487

△35,929

包括利益

18,330

△255

 

 

 

(内訳)

 

 

親会社株主に係る包括利益

18,300

△304

非支配株主に係る包括利益

29

49

 

 

③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

株主資本

 その他の
包括利益累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

315,048

71,470

1,826

388,345

当期変動額

17,659

△22,483

△749

△5,573

当期末残高

332,707

48,987

1,076

382,771

 

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の
包括利益累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

332,708

48,987

1,076

382,771

当期変動額

1,921

△35,892

△8

△33,978

当期末残高

334,630

13,094

1,067

348,792

 

 

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

30,234

53,482

投資活動によるキャッシュ・フロー

△23,092

△21,067

財務活動によるキャッシュ・フロー

△28,479

△32,742

現金及び現金同等物に係る換算差額

△250

△2,816

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△21,587

△3,143

現金及び現金同等物の期首残高

117,403

95,815

現金及び現金同等物の期末残高

95,815

92,671

 

 

⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

(会計方針の変更)

当連結会計年度より、海外子会社では、IFRSを適用しております。IFRSの適用は、2018年4月1日を移行日としており、前連結連結会計年度末における純資産への累積的影響額については、当連結会計年度の期首の純資産へ反映しております。結果として、株主資本の期首残高が0百万円増加しております。

また、各海外子会社のIFRS適用にあたり、IFRS第16号「リース」を適用しております。この影響により、当連結会計年度の要約連結貸借対照表において、使用権資産が8,113百万円、リース負債が8,444百万円増加してております。また、要約連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローが2,162百万円増加し、財務活動によるキャッシュ・フローが同額減少しております。

 

(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 37.初度適用」をご参照ください。

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが従来採用していた日本基準とIFRSとの主要な差異は、次のとおりであります。

 

(退職給付に係る費用)

数理計算上の差異及び過去勤務費用について、日本基準では発生時にその他の包括利益として認識し、主としてその発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数により費用処理しておりますが、IFRSでは、数理計算上の差異は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金へ振替を行い、過去勤務費用は発生時の純損益として認識しております。また、日本基準では退職給付債務に割引率を乗じて利息費用を、年金資産に期待運用収益率を乗じて期待運用収益をそれぞれ認識しておりましたが、IFRSでは、確定給付資産(負債)の純額に割引率を乗じた金額を利息費用として純損益で認識しております。

この影響により、IFRSでは、日本基準に比べて売上原価並びに販売費及び一般管理費が1,819百万円増加しております。

 

(土地再評価差額金)

一部の事業用の土地について、日本基準では「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律第34号)及び「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(平成11年3月31日公布法律第24号)に基づき再評価を行っておりましたが,IFRSでは、取得原価に基づき評価しております。この影響により、IFRSでは、日本基準に比べ有形固定資産が29,899百万円減少しております。

 

 

(リース)

当社及び国内子会社において、IFRS 第16号「リース」を適用しております。この影響により、IFRSでは、日本基準に比べ使用権資産が10,116百万円増加し、リース負債が12,750百万円増加しております。また、営業活動によるキャッシュ・フローが3,679百万円増加し、財務活動によるキャッシュ・フローが同額減少しています。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 当社グループは、「感動を・ともに・創る / 私たちは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊
かな文化を世界の人々とともに創りつづけます」を企業理念に掲げています。これを支えるために、ヤマハの強みである「技術×感性」で新たな価値を創造するべく、コア技術の更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、アコースティック技術、デジタル技術、感性評価技術、解析・シミュレーション技術、製造技術等、音そのものに留まらず、基礎から応用まで、音の活用を支える技術分野に大きく広がっています。
 当連結会計年度は、「本質×革新」の追求により製品・サービスの付加価値を向上するために、「飽くなき表現力の向上」「感性を科学する」「イノベーションの創出」「AIによる技術革新」をテーマに研究開発を進めました。
 当社グループの研究開発体制は、楽器事業については当社楽器事業本部、及びYamaha Guitar Group, Inc.の開発部門、音響機器事業については当社音響事業本部、NEXO S.A.、Steinberg Media Technologies GmbH、Yamaha Unified Communications, Inc.の開発部門、その他の事業については当社電子デバイス事業部、ゴルフHS事業推進部及びヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断的R&Dについては当社技術本部研究開発統括部が担う形で構成しております。
 当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は24,814百万円であります。

 

1 楽器事業

 ピアノ関連では、サイレントピアノ後付けユニット「RSC2シリーズ」を開発しました。「RSC2シリーズ」は、音源を刷新し、世界的に評価されている当社のコンサートグランドピアノ「CFX」とベーゼンドルファー社のフラッグシップモデル「インペリアル」をサンプリングした音源を新たに搭載しました。「CFX」音源では、ヘッドホン着用時でも立体感のある自然な音を楽しめる「バイノーラルサンプリング」を採用し、豊かな音を自然な感覚で演奏することが可能です。また、当社の無料アプリ「スマートピアニスト」と連携させて各種機能をスマートデバイス上で操作できるなど、利便性が向上しました。「RSC2シリーズ」は、昭和40年代以降に製造された殆どの国内向けヤマハアップライトピアノに取り付けできます。

 管弦打楽器関連では、管楽器の新製品として、「Alto Venova(アルト ヴェノーヴァ)」を開発しました。カジュアル管楽器「Venova」は、管楽器の本格的な演奏感や表現力をより気軽に、より身近に楽しんでいただける、まったく新しいタイプのアコースティック管楽器です。「Alto Venova」は、2017年に発売したソプラノ音域を奏でられる「Venova」の手軽さはそのままに、初めての人でもより演奏をし易く、落ち着いた音色を奏でることができるアルト音域のモデルです。また、革新的進化を遂げた新世代のサイレントベース「SLB300」を開発しました。ヤマハ独自の「SRTパワードシステム」によりコントラバスのボディ共鳴音をシミュレートし、エレクトリック楽器でありながらアコースティック楽器のような自然な響きとレスポンスを再現したモデルです。ステージ上で通常のコントラバスを演奏するには、煩雑な音響セッティングが必要な上、ハウリングの心配もありますが、「SLB300」はケーブルを挿すだけで、コントラバスの理想の音色で演奏することができます。また、「ハイブリッドシェル構造」を採用したシステムドラムス「ライブカスタム ハイブリッドオーク」を開発しました。「ライブカスタム ハイブリッドオーク」は、2013年に発売した「ライブカスタム」のパフォーマンス性能を進化させた新モデルです。ライブ環境でのパフォーマンスをさらに追求するため、バスドラムには新たに開発した「ベースエンハンスメントウェイト」を搭載し、低音域がより強化された芯のある太いバスドラムサウンドを実現しました。シェルフィニッシュには日本の伝統的な木材加工方法である「浮造り“UZUKURI”」を採用し、オーク材特有の木目を強調する独特かつ高級感のある仕上げとしました。なお、「エレクトリックバイオリンの意匠」が、「令和元年度全国発明表彰」の第一表彰区分の特別賞「日本弁理士会会長賞」を、また、受賞発明の実施等に関し「発明実施功績賞」を受賞しました。

 ギター関連では、アコースティックギター「FG/FS Red Labelシリーズ」を開発しました。「歌のためのアコースティックギター」というコンセプトの元、50余年で培った設計ノウハウと最新の音響解析シミュレーションや木材改質技術などの最新テクノロジーを掛け合わせ、歌を引き立たせる暖かく豊かな音色を実現しました。ピックアップシステムを搭載したモデルでは、従来のピックアップでは難しいとされていた弦の振動、ボディの振動、胴内の響きの全てを余すことなく集音する新システムを開発、ステージ上でもアンプを通してギターの自然な生音を表現することで歌を引き立たせる新たなエレクトリック・アコースティックサウンドを実現しました。また、アコースティックギター「STORIA」を開発しました。「STORIAシリーズ」は、「ギターを演奏してみたい、自分のそばにギターを置いておきたい」というニーズに応え、ギターをもっと身近なものとして感じて頂けるよう弾きやすさと個々のライフスタイルに馴染むデザインを追求した新シリーズです。また、ギターアンプ 「THR-IIシリーズ」を開発しました。2011年に発売した「THRシリーズ」は、ステージやスタジオを離れてもいつでもギターを弾いていたいギタリストのニーズを満たすデスクトップアンプとして既存のギターアンプとは異なるユースケースに着目して新たな市場を切り拓き、今では世界中の数多くのギタリストに愛用されているギターアンプです。第二世代となる「THR-IIシリーズ」は、音、デザイン、機能性のあらゆる角度から仕様を見つめ直し、新たな価値を盛り込んでモデルチェンジした製品となります。大型ステージアンプでも小型練習用アンプでもなく、ギター演奏を楽しむ時間を豊かにする「第3のアンプ」として、今後も世界中のギタリストの期待に応えて行きます。なお、アコースティックギター「STORIA」が「2019年度グッドデザイン賞」とドイツのデザイン賞「iFデザインアワード」を受賞し、ギタースツール「solo」がドイツのデザイン賞「Red Dotデザイン賞 プロダクトデザイン2020」を受賞しました。

 電子楽器関連では、電子ピアノ「Clavinova(クラビノーバ)」の新製品として、「CVP-800シリーズ」を開発しました。アコースティックピアノに近い弾き心地を実現する「GrandTouch(グランドタッチ)鍵盤」や、ヤマハのコンサートグランドピアノ「CFX」とベーゼンドルファーのフラッグシップモデル「インペリアル」からサンプリングした最新のピアノ音源を搭載し、ピアノとしての基本性能が向上しています。さらに、細部までリアルに再現した豊富な楽器音色やさまざまな「スタイル(自動伴奏)」によって、臨場感のあるアンサンブル演奏を体験できます。BLUETOOTHオーディオや当社の無料アプリ「スマートピアニスト」にも新たに対応し、より多彩な楽しみ方を可能にしました。また、電子キーボード「Remie(PSS-E30)」「PSS-A50」を開発しました。「Remie(PSS-E30)」は、初めてキーボードを購入される方やお子様にも最適なモデルで、リアルな楽器の音色のほか、動物の鳴き声などの多彩な効果音と、家族みんなで音と親しめる音当てクイズモードを搭載し、音楽に対する興味や好奇心を刺激します。「PSS-A50」はアルペジエーターや音を多彩に変化させるモーションエフェクトを搭載し、パフォーマンスからレコーディング、音楽制作でも活用できる高機能モデルです。表情豊かな演奏が可能なタッチレスポンス機能付き鍵盤を備え、簡単な操作でクリエイティブな演奏を楽しめます。なお、ステージピアノ「CP88/CP73」が「2019年度グッドデザイン賞」、「アジアデザイン賞2019」の「Silver Award」、「iFデザインアワード」と「Red Dot デザイン賞 プロダクトデザイン2020」を、ショルダーキーボード 「sonogenic SHS-500」が「iFデザインアワード」と「Red Dot デザイン賞 プロダクトデザイン2020」を受賞しました。

 楽器事業の研究開発費は9,802百万円であります。

 

2 音響機器事業

 AV機器関連では、フロントサラウンドシステム 「YAS-209」を開発しました。「YAS-209」は、ネットワーク機能・音声操作用マイクを搭載することにより、音声コントロールや「Spotify」「Amazon Music」といった音楽配信サービスにも対応した2ユニットタイプのフロントサラウンドシステムです。専用アプリ「Sound Bar Controller」での操作をはじめ、今回新たに「Amazon Alexa」による音声での本体操作にも対応しました。さらに、バーチャル3Dサラウンド技術「DTS Virtual:X」の対応により、前方・左右・後方だけでなく、高さ方向の音場も感じることができる臨場感溢れるサウンドを再現します。また、完全ワイヤレスBLUETOOTHイヤホン「TW-E3A」、BLUETOOTHイヤホン「EP-E30A」を開発しました。「TW-E3A」「EP-E30A」では、ヤマハならではの「音・音楽のリアリティー表現」として、音量に応じて音のバランスを最適化して、耳への負担も抑えるヤマハの独自技術「リスニングケア」を搭載しました。音質やスタイルにこだわりを持つ人をメインターゲットに、ヤマハならではの「音・音楽のリアリティー表現」「感動の音楽体験」を提供してまいります。

 業務用音響機器関連では、NEXO社の新製品として、スピーカーシステム「GEO M12」を開発しました。「GEO M12」は、幅70cmというコンパクトな筐体に12インチのLF(低域)スピーカーユニットを収め、NEXO社の持つテクノロジーを凝縮した、2wayフルレンジキャビネットの「GEOシリーズ」のフラグシップモデルとなるラインアレイタイプのスピーカーです。また、パワーアンプリファイアー「PCシリーズD/DIモデル」を開発しました。「PCシリーズ D/DIモデル」は、従来のアンプに求められてきた高い出力、高い音質、高い安定性などの基本性能に加えて、近年ニーズが高まっている豊富な信号処理能力、標準化しつつあるオーディオネットワーク規格「Dante」への対応をはじめ、独自のインプットマトリクス機能までを搭載した新世代のパワーアンプリファイアーです。また、ポータブルPAシステム「STAGEPAS 1K」を開発しました。「STAGEPAS 1K」は、「いつでも、どこでも、ステージに」をコンセプトとする「STAGEPASシリーズ」で実現してきた性能と利便性をさらにブラッシュアップし、高い音質・音圧と軽量・コンパクトなキャビネット設計、本格的なミキシング機能とシンプルな操作性といった、ポータブルPAシステムに求められる、相反するニーズを高い次元で両立しました。また、音場支援システム「AFC4」を開発しました。「AFC」は、空間が建築物として持っている固有の音響特性を活かしつつ、室内の響きを豊かにするソリューションです。音源自体にリバーブを付加して音の印象を変化させる手法とは異なり、空間自体の音の広がりをコントロールすることで、楽器や声の自然な聞こえ方を保ちながら、残響時間・音量感を変化させることができます。最新モデルの「AFC4」では、96kHzに対応したプロセッシング能力と多彩な調整機能を備え、これまで以上に質の高いイマーシブな空間演出を実現します。

 音楽制作機器・ソフトウェア関連では、Steinberg社の新製品として、「Nuendo 10」を開発しました。「Nuendo 10」は、ポストプロダクション、ゲームオーディオなどの映像用音響制作に特化した業務用DAWソフトウェアの最新バージョンです。今回は、ロケ収録した映像の音声をリファレンスとして、同時録音した音声ファイル群から読み込み可能な「フィールドレコーダーインポート」機能や、ビデオトラックの編集点を検出する「ビデオカットディテクション」機能を搭載し、映像制作における音響効果用の機能を強化しました。また、ユーザーインターフェースやワークフローに改良を加えるなど、ポストプロダクションにおける業務効率も飛躍的に向上しています。
 ネットワーク機器関連では、スピーチプライバシーシステム 「VSP-2」を開発しました。会話の中に含まれる個人情報(スピーチプライバシー)について配慮を求める社会的ニーズの高まりを受けて、当社は2011年に、主に薬局や病院などの小規模エリアやパーソナルスペースに向けて、スピーチプライバシーシステムの初代モデルとなる「VSP-1」を発売しました。一方で、オフィスでもマスキングのニーズが高まっており、「VSP-2」は、そのようなオフィス環境にも導入しやすいように、音源となるアンプと音を発するスピーカーを分離させたセパレート型を採用することで、壁や天井へスピーカーを柔軟に設置可能とし、さらに、今回新たに搭載した情報マスキング音の調整機能により、遮音性能不足の会議室やオープンな打合せスペースなど、設置環境にあわせた最適なマスキング環境を実現します。また、インテリジェントL2スイッチ「SWX2310シリーズ」を開発しました。「SWX2310シリーズ」は、2015年発売の「SWX2300シリーズ」の後継として、主に中規模以上のネットワークでスイッチ間の中継を行うフロアスイッチとしての利用を見込み、新たにGbE LANポートを48ポート搭載した「SWX2310-52GT」をラインアップへ追加しました。新機能として、医療、文教(教育施設)ネットワークでの利用が多いダイナミックVLANを利用した認証機能に対応し、中規模以上のネットワークを利用するお客様へ「より安心・安全なネットワーク」を提供します。加えて、全モデルでネットワークの可視化機能「LANマップLight」を搭載し、スイッチのWeb GUIを通じてLANの状態を一目で確認することで、SOHOや中小企業などIT専任者がいない環境でも簡単に確認や設定をすることができます。
 音声コミュニケーション機器関連では、ユニファイドコミュニケーションスピーカーフォン「YVC-330」を開発しました。「YVC-330」は、チームコラボレーションに重心をおいた働き方やオフィス空間の変化に対応し、騒がしいオープンスペースから小・中規模の会議室まで、オフィスのあらゆるシチュエーションで快適な遠隔会話体験を実現するスピーカーフォンです。新たに開発した音声信号処理技術「SoundCap」により、会話を妨げるような周囲の環境音が多く存在するオープンスペースでも、雑音を抑制することで発話者の声を明瞭に相手側に届け、快適な遠隔会議を実現します。また、オープンスペースでの遠隔会議が開催可能になることで、会議室の確保が難しい場合でも、オフィス内のどこからでも遠隔地にいる相手とのチームコラボレーションを可能にします。

 音響機器事業の研究開発費は11,135百万円であります。

 

3 その他の事業

 FA機器事業関連では、ヤマハファインテック株式会社が高周波特性測定装置「MP502/MP502-A」を開発しました。近年、5G通信サービスの開始・普及に伴い、電子回路基板市場において高周波信号対応の回路基板生産が増加しており、それら基板にはより優れた周波数特性が求められます。従来の基板の周波数特性検査はテストクーポンを用いた抜き取り検査により実施されてきました。「MP502/MP502-A」は、市販のベクトル・ネットワーク・アナライザを組み合わせることで、実製品パターンの高周波特性を高速・高精度で検査することができる新しい装置です。

 ゴルフ事業関連では、ゴルフクラブ「RMX(リミックス)」2020年モデルを開発しました。すべてのクラブにおいて、飛距離を重視した上で性能を徹底的に追求し、大型ヘッドの採用(ドライバー)やソール形状の見直し(フェアウェイウッド・ユーティリティ)、素材・製造方法の変更(アイアン)など、従来モデルから大幅な改良を加えました。ボール初速を最大限高めるため、ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティに、新テクノロジー「BOOSTRING(ブーストリング)」を搭載し、飛距離アップを実現しています。アイアンは、軟鉄鍛造の限定モデル「RMX 020」と、クロムモリブデン鋼による一体鋳造を採用した「RMX 120」、反発性能向上によって飛びが進化した「RMX 220」の3種類を揃えています。

その他の事業の研究開発費は3,877百万円であります。

 

 当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は2,515件であります。