第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

中期経営計画「Make Waves 2.0」の概要

 

当社グループは、2022年4月からの3年間を対象とした中期経営計画「Make Waves 2.0」を策定しました。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境認識 

COVID-19により、デジタル化、多様化、サステナビリティへの意識の高まりなど、前中期経営計画で前提としていた環境変化が一気に加速しました。人の移動や対面の活動が制約される一方で、オンラインを介したモノや情報のやりとりが拡大し、新しい生活様式に対応する製品、サービスが生まれてきています。サステナビリティ意識の一層の高まりは、人々の関心が経済的繫栄を超えた本質的な心の豊かさに向かっていることの証左であると考えられます。これらの環境変化によってもたらされる「新たな社会」は音・音楽を原点に“技術×感性”で新たな感動と豊かな文化を追求してきた当社グループにとって、さらなる大きな機会となると認識しています。


(2) 経営ビジョンと中期経営計画の基本方針

 

[経営ビジョン(中長期的に目指す姿)]

「なくてはならない、個性輝く企業」になる

~ ブランド力を一段高め、高収益な企業へ ~

 

 

[基本方針]

新たな社会で持続的な成長力を高める

 

 

当社グループは事業活動を通じて、「世界中の人々のこころ豊かなくらし」を実現することを目指しています。そのために、「感動を・ともに・創る:私たちは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけます」を企業理念に掲げ、我々の行動の原点としています。

中長期的に目指す姿「なくてはならない、個性輝く企業になる」を経営ビジョンとして、中期経営計画の各ステージで企業価値を高めてきました。

新たなステージである中期経営計画「Make Waves 2.0」では、ポストコロナで大きく様相が変化した新たな社会で持続的な成長力を高めることを基本方針とし、さらに企業価値を向上させていきます。


 

(3) マテリアリティ策定と3つの方針

「事業基盤」、「環境・社会」、「人材」の3領域10項目をマテリアリティとして策定しました。中期経営計画ではこれらのマテリアリティに基づき3つの方針を設定しました。


 

(4) 3つの方針の詳細

3つの方針の具体的な取り組みとして、各方針に3つの重点テーマを設定しました。これらの重点テーマに沿った施策を着実に遂行することで、当社は新たな社会で持続的な成長力を高めます。


1.事業基盤をより強くする

デジタルマーケティングとリアル拠点の活動を統合したブランド体験の提供に加え、メーカー直販の仕組みの拡大により、顧客との繋がりを強化し、一層のブランド価値向上を進めます。また、製品・サービスにおいてはヤマハの強みであるアコースティック技術とデジタル技術に加え、AIとネットワークをヤマハならではの感性により結びつけ、新たな体験を創造します。外的環境の変化に柔軟に対応できる事業組織としていくために調達・生産のレジリエンスを強化しつつ、DXにより新たな価値を創出します。

 

① 顧客ともっと繋がる     :直接顧客と繋がる販売の進化、デジタル×リアルを統合した価値訴求、

                             顧客情報基盤を拡充

② 新たな価値を創出する    :アコースティック技術とデジタル技術の融合、サービス・情報提供基盤

                             の構築、新たな感動体験を創造

③ 柔軟さと強靭さを備え持つ:レジリエンス強化、開発基盤の強化、DXによる新たな価値の創出

 

2.サステナビリティを価値の源泉に

2050年カーボンニュートラルを目指した事業活動におけるCO2排出量削減や持続的な木材の利用を通じ、地球環境の保全に努めます。製品・サービスを通じて新たな社会の様々な課題を解決し、快適で安全な暮らしに貢献することで社会価値を創造します。また多種・多彩な楽器の供給を通じた世界の音楽シーンへの貢献、新興国における器楽教育普及など、音楽文化全体の普及・発展に力を尽くします。

 

① 地球と社会の未来を支えるバリューチェーンを築く  :カーボンニュートラル、持続可能な木材、

                                                      省資源・廃棄物削減

② 快適なくらしへの貢献でブランド・競争力を向上する:遠隔・非接触サービス、耳の保護、

                                                     音楽によるQoL向上

③ 音楽文化の普及・発展により市場を拡大する        :新興国の器楽普及、ローカルコンテンツ、

                                                     技術者育成

 

3.ともに働く仲間の活力最大化

ともに働く仲間の活力は、事業活動を行う上で最も重要な要素であり、社会価値、企業価値を創造するための原動力です。従業員一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、一人ひとりの個性を活かす経営を行います。組織内、組織間の多面的な対話機会の創出により、心理的安全性が確保された働きやすい職場づくりを進め、多様な人材の知恵や発想から多くの挑戦や共創が生まれる組織風土を醸成します。

 

① 働きがいを高める                          :グローバルリーダーの育成、自律的なキャリア

                                                 開発支援、柔軟な働き方支援

② 人権尊重とDE&Iを推進する          :人権デューディリジェンス、多様な人材構成、

                                                 女性活躍推進

③ 風通しがよく、皆が挑戦する組織風土を醸成する:対話機会の創出、組織風土・文化のさらなる変革

 

(5) 経営目標

 

① 非財務目標

1.事業基盤をより強くする

・Yamaha Music ID登録数

: 500万ID

・新コンセプト商品投入数

: 20モデル

・生産インフラへの投資金額

: 350億円

 

 

2.サステナビリティを価値の源泉に

・新興国の器楽教育普及

: 230 万人(累計)

・持続可能性に配慮した木材使用率

: 75%

・事業所での省エネによるCO2排出量削減

: 5%

 

 

3.ともに働く仲間の活力最大化

・従業員働きがい調査肯定的回答率

: 継続的向上

・管理職女性比率

: 19%

・従業員働きやすさ調査肯定的回答率

: 継続的向上

 

 

② 財務目標

・売上成長

: 20%

・事業利益率

: 14%

・RОE

: 10% 以上

・RОIC

: 10% 以上

 

(中期経営計画策定時の想定為替レート:USD 115円/ EUR 130円)

 

③ 投資と株主還元

 創出したキャッシュを成長投資と株主還元にバランス良く配分します。

 

[投資]

・通常投資 : 400億円

・戦略投資 : 650億円(生産施設・設備、サステナビリティ、新規事業、M&A等)

 

[株主還元]

 継続的かつ安定的な配当を基本としますが、将来の成長投資のための適正な内部留保とのバランスを考慮しながら、資本効率の向上を目的とした機動的な株主還元も適宜、実施します。3年累計で総還元性向50%を目標とします。

 

(6) ガバナンス

指名委員会等設置会社の特長を活かし、定期的な評価を行いながら、より実効性の高いコーポレートガバナンスを目指して継続的な向上を図ります。またグループガバナンスのしくみの整備を進め、リスク対応力の向上と健全で強固な経営基盤を実現します。

 

(7) 事業ポートフォリオと方向性

中長期的に企業価値を向上させるため、成長・中核・育成・再構築の4象限に各事業を位置づけ、経営資源を適切に配分するポートフォリオマネジメントを進めます。


① 楽器事業

新たな社会に合致した販売とマーケティングの強化により、高付加価値商品の拡売を進めます。電子楽器は成長事業として、需要創造により市場成長を牽引し事業規模を拡大します。ギターは育成事業として、中高級価格帯を中心にブランド力向上へ向けた施策を展開し、収益性を向上させながら規模を拡大します。ピアノ・管弦打楽器は中核事業として、プレミアムブランドの地位を確立し、一層の収益強化を進めます。

 

② 音響機器事業

再構築事業として位置づけ、コロナ禍により大きく変化した音響機器の新たな市場へ事業ドメインを拡大します。法人向け市場では、企業・公共施設・学校などに、専門知識がなくても快適な音環境が得られる音響システムを提供します。個人向け市場では、オンラインゲームや制作・配信のシーンに、高品質な音を簡便な設定で実現できるソリューションを提供します。これらの需要に対応するため、保有する多彩な技術資産やリソースを柔軟に組み換え、各市場に最適な製品やソリューションを効率的に提供できる開発プラットフォーム・体制を整備します。

 

③ その他の事業(部品・装置、その他)

育成事業として位置づけ、前中期経営計画より取り組んできた電子デバイス事業の車載オーディオを核に、CASE時代に対応した車内音空間へのソリューション提供を新たな事業の柱として確立します。FA事業においては、超音波技術やセンシング技術による超音波検査機器やEV電池用リークテスターなどの検査機で、新たな市場の開拓を目指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) ヤマハグループサステナビリティ方針

当社グループは、世界中の全ての人々が心豊かに暮らす社会を目指します。その実現のために、企業理念である「ヤマハフィロソフィー」を心のよりどころに、かけがえのない地球環境を守り、平等な社会と快適なくらし、心潤す音楽文化の発展に貢献するとともに、人権尊重はもとより、多様な人材が互いに認め合い活躍できる環境を整えることで、未来に向かって新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけます。

この考え方に基づき、持続可能な社会の実現に向けた取り組みによる社会価値の創造を通じ、自らの中長期的な企業価値を高める為、マテリアリティを特定し、積極的にサステナビリティ活動を推進します。


 

① ガバナンス

当社は、取締役会の監督に基づき、代表執行役社長の諮問機関として「サステナビリティ委員会」を設置し、グループ全体のサステナビリティ活動の方向性の議論や、グループ内における取り組み状況のモニタリングを行い、代表執行役社長に答申しています。また、同委員会の下部組織として「気候変動部会」「資源循環部会」「調達部会」「人権・DE&I部会」「社会・文化貢献部会」を設置しています。各部会は、以下に示す全社横断的な重要テーマについて、推進体制の整備、方針や目標・施策・実行計画の策定、活動およびモニタリングを行い、サステナビリティ委員会へ報告しています。

 

◆気候変動部会:脱炭素、TCFD対応、水リスク対応など

◆資源循環部会:循環型バリューチェーン、環境配慮設計、包装梱包など

◆調達部会:木材デューディリジェンス、持続可能な木材、おとの森活動、サプライチェーン人権デューディリ
  ジェンス、紛争鉱物対応など

◆人権・DE&I部会:人権デューディリジェンス、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンなど

◆社会・文化貢献部会:音楽普及、地域共生など

 

サステナビリティ委員会の審議内容、ヤマハグループにおける活動状況については取締役会に定期的に報告され、取締役会によるレビューを受けています。

 

サステナビリティ推進体制は下図の通りです。

 


 

② 戦略

当社グループでは、社会の持続的発展と中長期的な企業価値向上につながる重要なサステナビリティ課題をサステナビリティ方針に組み込み、活動を推進・管理しています。2022年3月期には「サステナビリティに関するマテリアリティ」として9項目を特定し、これらを経営全体のマテリアリティに統合しました。このサステナビリティに関するマテリアリティに基づいて2022年4月にサステナビリティ方針を改定し、取り組みを進めています。

 

③ リスク管理

当社グループのバリューチェーンにおけるサステナビリティ課題を、持続可能な開発目標SDGsなどに照らして抽出し、お客さま、従業員、地域社会の声や、ESG評価項目、NGOからの意見・要請や社外有識者の提言、企業理念や経営ビジョン、中長期的な経営方針を踏まえ、リスクと機会の観点で重要度を評価し、推進を強化すべき課題(サステナビリティに関するマテリアリティ)を特定しています。特定したマテリアリティについて、サステナビリティ委員会の各部会、関係部門にて施策や達成度合いを測るKPI、目標および実行計画を策定します。サステナビリティ委員会が進捗をモニタリングすることで、マテリアリティの取り組みを推進し、リスクの低減を図っています。

 

 

④ 指標及び目標

特定したマテリアリティに基づき、2022年4月~2025年3月の中期経営計画「Make Waves 2.0」では、方針、重点テーマ、指標(KPI)と目標が設定されています。サステナビリティに関する主なKPIと目標は以下のとおりです。


 

(2) 気候変動への対応とTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示

当社グループは、「気候変動への対応」をマテリアリティとして特定し、経営重点テーマとして位置付けています。TCFDの提言に基づき、気候変動がもたらすリスクや機会を分析し、経営戦略に反映させるとともに、その財務的な影響についての情報開示に努めていきます。

 

① ガバナンス

気候変動対応を含むサステナビリティに関する重要事項は、代表執行役社長の諮問機関であるサステナビリティ委員会にて議論した上で、取締役会にて定期的に議案として取り上げ、施策の進捗確認と監督をしています。また、気候変動に関わるリスクと機会への対応は同委員会の下部組織である気候変動部会が主導し、関連テーマは資源循環部会、調達部会でも審議され、サステナビリティ委員会に報告されます。

 

② 戦略

当社は、グループ全体に及ぶ影響を確認するため、全事業を対象に国際エネルギー機関(IEA)による移行面で影響が顕在化する「1.5~2℃シナリオ(注1)」と、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による物理面で影響が顕在化する「4℃シナリオ(注2)」をメインに、その他複数のシナリオ(注3)を参考に分析を行い、短期・中期・長期(注4)のリスクと機会を抽出しました。(表1)

 当社は、気候関連課題が、事業、戦略、財務計画に大きな影響を与える可能性があるという認識のもと、リスクや機会を整理し、戦略の見直しを随時実施しています。(表2)

 

(注1)1.5℃シナリオ:NZE(IEA World Energy Outlook 2022)、2℃未満シナリオ:SDS(IEA World Energy Outlook 2022)、RCP2.6 他

(注2)4℃シナリオ:RCP8.5 他

(注3)APS(Accelerated Paris Scenario)、STEPS(Sustainable Transition Energy Pathways:Business as Usual)他

(注4)短期:現在-数年後/中期:2030年/長期:2050年に影響が強く表れる

 

 

(表1)特に重要度の高いリスク・機会一覧

分類

考えられる影響の事例

移行リスク

政策規制

カーボンプライシングの導入・増大(中期)

市場

木材伐採事業の撤退(短期)

物理的リスク

急性

自然災害の頻発化・激甚化(長期)

慢性

調達木材の生育適域変化(長期)

機会

市場

気温上昇により屋内の活動が増え、関連製品・サービスの需要増(中期・長期)

製品・サービス

木材代替素材の開発や新たな品質標準の確立による新たな価値提供(長期)

 

 

(表2)特に重要度の高いリスク・機会と対応戦略

分類

リスクと機会概要

ヤマハの対応戦略

シナリオ分析

1.5~2℃シナリオ

4℃シナリオ

移行リスク

カーボンプライシングの導入・増大

・炭素税などの導入による生
 産、調達コスト増加

・2031年におけるグループ内
 エネルギーコストはなりゆ
 きで10億円から20億円程度
 増加する予測

・徹底したエネルギー削減、
 再生可能エネルギーの利用
 推進による削減計画実施。

 (削減目標達成によりエネル
 ギーコスト増加分を4.5億円
 から9億円程度に抑制でき
 る見込み)

・ICP(インターナルカーボン
 プライシング)を設定し(14
 ,000円/t-CO2)、低炭素設備
 投資を促進

・サプライヤーと連携した排
 出削減の推進

影響は拡大

影響は現在の延長上

木材伐採事業の撤退

・森林由来炭素クレジットの
 ため木材事業からの撤退事
 例が増える

・持続可能性に配慮した木材使
 用率増

・楽器適材の調達を持続可能に
 する「おとの森」活動

影響は拡大

影響は拡大

物理リスク

自然災害の頻発化・激甚化

・自然災害による生産拠点の
 被害やサプライチェーン寸
 断による生産停止の発生

・ヤマハグループ拠点(製造、
 営業、物流)を対象に洪水リ
 スクと損害の再評価を行い、
 想定される自然災害に対して
 事前対策を実施

影響は現在の延長上

影響は拡大

 

調達木材の生育適域変化

・温暖化により調達木材の生
 育適域が変化していき、入
 手が困難になることが予想
 される

・持続可能性に配慮した木材使
 用率増

・既存の希少材料を代替する新
 素材や木材加工技術の開発
 (木材技術、木材調達スキル
 の社内保持・強化)

影響は拡大

影響は拡大

機会

木材代替素材の開発や新たな品質標準の確立

・環境に配慮した代替材を使
 用した製品が、顧客や投資
 家からの評価を高め、市場
 での競争力を向上させる

気温上昇により屋内の活動が増え、関連製品・サービスの需要増

・リモートワーク、オンライ
 ンイベント、ゲームの拡大
 による通信機器の需要拡大

・動画配信の拡大に伴う音響
 機器の需要拡大ライブと配
 信のハイブリッドイベント
 がデファクトスタンダード
 化

・音響、信号処理、通信技術の
 融合によるリモート、オンラ
 インイベント用ソリューショ
 ンの提供

・遠隔でのライブ、レッスン、
 合奏の実現による新たな顧
 客体験の創造

影響は拡大

影響は拡大

 

 

 

③ リスク管理

当社では、代表取締役の諮問機関としてリスクマネジメント委員会を設置し、気候変動をはじめとした企業活動・行動に関わるすべてのリスクを対象とした全社横断的なリスク評価の仕組みを採用し、リスクの抽出と評価を行っています。

サステナビリティ委員会の下部組織である気候変動部会では、シナリオ分析結果をベースに想定される「損害規模」と「発生頻度」を特定・評価し、TCFDリスク分類に沿ってリスト化しています。「損害規模」は売上収益に対する割合を指標として3段階で評価、「発生頻度」は4段階で評価し、重要リスクと機会を特定し、対応状況のモニタリングや見直しを実施しております。対策については、調達部会や資源循環部会等他の部会と随時協働し、対策テーマの特定と資源配分に関する提言、進捗管理指標の設定等を行なっています。また、気候変動部会の担当範囲を超える対応が必要となる重要なリスクおよび機会については、逐次取締役会へ報告され、対応方針を審議検討しております。

気候変動部会が属するサステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会はどちらも代表執行役社長が委員長であり、両プロセスは有機的に連動しております。


④ 指標及び目標

サプライチェーンを含めたグループ全体のCO2削減を横断的に管理するため、温室効果ガスの総排出量(スコープ1、スコープ2、スコープ3)をGHG(温室効果ガス)プロトコルのスタンダードに基づき算出し、指標としています。また、これらについて第三者検証を実施しています。2031年3月期までに2018年3月期比でスコープ1+2を55%削減(SBTイニシアティブ1.5℃水準)、スコープ3を30%削減する中期目標を策定し、スコープ1+2については2051年3月期までにカーボンニュートラルを達成するという長期目標を設定しています。また、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、2023年6月にSBTのNetZeroに向けた取り組み目標を策定することにコミットしました。目標を達成するための短期目標として、2025年3月期までに生産におけるエネルギー使用効率を5%向上、消費電力の再生可能電力使用率10%達成を掲げています。

 

当社グループにおける気候変動への対応とTCFDに基づく情報開示の詳細につきましては、下記URLをご参照ください。

 https://www.yamaha.com/ja/csr/activity_report/environment/global_warming/

 

 
 

(3) 人的資本

当社は、中期経営計画「Make Waves 2.0」の方針に掲げられた「ともに働く仲間の活力最大化」の実現を目指し、事業活動を行う上で最も重要な要素の一つであり、社会価値、企業価値を創造するための原動力である従業員について、一人ひとりの個性が活かされ、最高のパフォーマンスが発揮できるよう様々な施策を展開しています。


 

① ガバナンス

当社は、代表執行役社長の諮問機関として経営会議および人材開発委員会を設置し、経営会議では経営に関する重要な人事事項を、人材開発委員会では経営人材に関わる諸テーマを審議し、代表執行役社長に答申しています。その他、人権やダイバーシティーに関する取り組みを推進するためサスティナビリティ委員会の下部組織として人権・DE&I部会を設置しています。

 

 

② 戦略

当社は、中期経営計画「Make Waves 2.0」の方針に掲げられた「ともに働く仲間の活力最大化」を、「働きがいの向上」と「働きやすさの向上」に分け、それぞれを更に要素分解し、「ともに働く仲間の活力最大化」の実現に繋がる様々な施策を展開しています。なお、下図の各領域に「ともに働く仲間の活力最大化」の3つの重点テーマが表われており、あわせてそれらの関係を示しています。

 


③ リスク管理

当社は、代表執行役社長の諮問機関としてリスクマネジメント委員会を設置し、人的資本をはじめとした企業活動・行動に関わるすべてのリスクを対象とした全社横断的なリスク評価の仕組みを採用し、リスクの抽出と評価を行っています。また、各リスクに対するコントロールレベルを評価し、優先的に対処すべき重要リスクを特定するとともに担当部門を定め、リスク管理レベルの引き上げを図っています。取締役会は執行役からの報告等によりリスクマネジメントの仕組みの有効性や推進状況を確認・監督しています。

人的資本に関するリスクについては、「3.事業等のリスク 人材・労務」をご参照ください。主な対策として、グループ人材マネジメント規程および関連するガイドラインを策定し、グループ各社に対して、その周知及び実施状況のモニタリングを実施しています。

 


 

④ 指標及び目標

当社は、中期経営計画「Make Waves 2.0」の方針に掲げられた「ともに働く仲間の活力最大化」の3つの重点テーマの指標と目標を以下のとおり定め、施策の効果を定期的にモニタリングし、継続的な改善に努めています。

 


 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループは、リスクへの対応力を向上させ、健全で透明性の高い経営を実践するため、リスクマネジメントの推進体制や仕組みの整備・改善に取り組んでおります。当社は、代表執行役社長の諮問機関としてリスクマネジメント委員会を設置し、リスクマネジメントに関わるテーマについて全社的な立場から審議し、代表執行役社長に答申しております。同委員会の下部組織として、全社横断的な重要テーマについて活動方針の策定やモニタリングを行う「BCP・災害対策部会」「財務管理部会」「コンプライアンス部会」「輸出審査部会」「情報セキュリティ部会」を設置しております。また、事業活動において全社的な影響が及ぶような重大なリスクが顕在化した場合には、代表執行役社長を総本部長とするリスク対策総本部を設置し、当該リスクに対応します。

リスクマネジメント委員会では、識別した事業に関連するさまざまなリスクを大きく「外部環境リスク」「経営戦略リスク」「事業活動に係る業務プロセスリスク」「経営基盤に係る業務プロセスリスク」の4つに分類し、リスクの重要性を想定損害規模と想定発生頻度に応じて評価しており、各リスクに対するコントロールレベルを評価し、優先的に対処すべき重要リスクを特定するとともに担当部門を定め、リスク低減活動の推進によりコントロールレベルの引き上げを図っております。

経営者が連結会社の経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 



 

主要なリスクに関する詳細は以下の通りです。

 

《当社のリスク認識の(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)の表記について》

関連する重点テーマを色と番号で示しております。「方針」及び「重点テーマ」の詳細は「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 


 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

外部環境リスク

事業環境の構造的変化

(リスクの説明)

当社グループは、世界の各地域に製造・販売拠点を置き、グローバルな事業展開を行っております。

当社グループの海外売上収益は売上収益の75.9%を占めております。そのため、世界各国の経済状況や市場環境の影響を受けます。世界の市場における景気後退、これに伴う需要の減少は、当社グループの収益と事業展開に影響を与える可能性があります。

日本においては、当社グループの基幹事業である楽器事業で、子供を中心とする音楽教室や英語教室を展開しているほか、学校を通じた販売も重要な販売経路となっており、今後少子化の進行により、売上収益の減少を招く可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

販売については、各国経済状況の跛行性に対して在庫の供給を柔軟に対応させるよう努めております。また、顧客情報基盤(CDP)の構築を進め、デジタルマーケティングの整備強化により、顧客のライフステージにフィットした価値の提供を行うことにより幅広い年齢層に対するサービスを拡充しております。

なお、日本における少子化対策としては音楽教室の大人向けコースの展開、海外での事業拡大を進めております。

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

外部環境リスク

事業環境の劇的変化|地政学リスク・パンデミック等|

(リスクの説明)

 当社グループは、世界の各地域に製造・販売拠点を置き、グローバルな事業展開を行っております。連結子会社58社のうち44社が海外法人であり、そのうちの24社が製造・制作会社等で、主に中国、インドネシア、マレーシア、インドに拠点を置いております。主要な商品の部材・資材の調達及び生産を特定地域に依存している場合、当該地域の地政学上の問題や事業環境の急激な変化が商品の供給に影響を与える可能性があります。

また、パンデミックが発生すると地球規模で社会や経済に大きな影響を及ぼします。人々の生活や仕事のスタイルが不可逆的に変化し、パンデミック発生前とは異なる新たな社会構造が急速に形成され、これに伴って社会や顧客の志向も急速に変化することがあります。この事業環境の劇的な変化に適切に対応できない場合、お客様のニーズと一致しない製品・サービスの提供等により、販売の減少をもたらす可能性があります。

 

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

地政学リスクに関する専門家の知見や最新情報を収集し、事業継続性の観点から当社グループに重大な影響を与える可能性があるリスクシナリオの分析を進めております。

また、社会・顧客の志向の変化を迅速に取り込み、商品企画から販売に至る機能において機動的に対応できるよう体制を整備しております。

 

 

為替・金利の変動

(リスクの説明)

当社グループは、全世界において製造・販売等の企業活動を行っておりますが、グループ各社における外貨建取引は為替レートの変動の影響を受け、それにより当初の事業計画を達成できない可能性があります。

特に損益影響が大きいユーロ・円レートにおいて、1円変動すると約4億円の損益影響をもたらします。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

為替変動については、日本国内の生産工程を海外に移管する等、グローバルに工程を再配置することで、影響の軽減化を図っております。ユーロ・円レートの変動に対しては、グローバルな卸売価格の標準化の観点から柔軟に価格を設定することにより数量・販売金額の最大化を図っております。また、外貨建取引については、短期的な収益を事前に確定させるため先物為替予約取引等を行っております。

 

 

国レベルの紛争・混乱

(リスクの説明)

製造拠点または販売拠点において政治・経済の混乱、テロ、戦争、日系企業への暴動等が発生した場合、当社グループの事業活動が遅延または中断する可能性があります。

さらに、当社グループの製造拠点または販売拠点が直接の損害を受けた場合には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、事業を展開する各国の政情不安や港湾スト等の物流障害により製品の供給に影響を受ける可能性があります。

 

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

国レベルの紛争・混乱等の緊急事態に備え、BCP・災害対策部会にてBCP策定をはじめとする事業継続マネジメントに取り組んでおります。

また、リスクが顕在化したときに適切な対応を迅速に行い、経営への影響を最小化するための基本方針等を「グループBCP規程」で定めております。各拠点ではBCPを整備し、訓練等を通じて検証と改善を実施し、BCPの実効性を高めております。複数の拠点を有する国においては、特命地域代表を設置し、現地での統括的な対応に当たります。

 

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

外部環境リスク

 

災害・大規模事故

(リスクの説明)

地震や気候変動に伴う大型台風、洪水等の自然災害、火災や爆発等による大規模事故の発生により、当社グループの製造拠点や販売拠点等が損害を受ける、または通信ネットワークが寸断され、情報システムの継続に支障が生じることにより販売・生産・物流インフラの機能が停止し、事業活動が中断することにより、業績への影響を及ぼす可能性があります。

特に当社の本社及び当社グループの工場が集中している静岡県内においては、東海地震の発生が予想されております。また、主な製造拠点のある中国、インドネシア、マレーシア、インドにおいても、予期せぬ自然災害が発生する恐れがあります。このような事象が発生した場合には、施設面での損害のほか、操業の中断や遅延、多額の復旧費用の発生等が予想されます。

さらに、原材料・部品供給業者の被災状況によっては、生産活動に影響を受ける可能性があります。また、物流網の途絶により材料・製品の供給に影響を受ける可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

大規模な自然災害や外部起因による事故等の緊急事態に備え、BCP・災害対策部会にてBCP策定をはじめとする事業継続マネジメントに取り組んでおります。

また、リスクが顕在化したときに適切な対応を迅速に行い、経営への影響を最小化するための基本方針等を「グループBCP規程」で定めております。各拠点ではBCPを整備し、訓練等を通じて検証と改善を実施し、BCPの実効性を高めております。国内においては、震度7の地震が発生したと想定し、現状の対応策を検証、更に、BCPの実効性を高めるため、災害発生直後に事業が停止するという想定で地震初動訓練を年2回実施しております。

また、ヤマハ設備耐震基準を制定し、当社グループが所有する建物の耐震化を進めると共に、新規設備導入時に適用しております。

グローバルでは、拠点ごとに想定される大型台風や洪水など自然災害に対して、排水設備を設置するなどの事前対策を実施しております。また、自社拠点だけでなく外部物流倉庫についても、立地や構造の見直しなどの対策を実施しております。

 

 

サイバ|

攻撃

(リスクの説明)

当社グループの事業活動においては、情報システムの利用とその重要性が増大しております。サイバー攻撃やコンピュータウィルスへの感染等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの情報システムの破壊やデータ改ざんだけでなく、当社グループの社会的信用やブランド価値の毀損による経済的損失等により、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「グループIT規程」においてIT管理の基本方針等を定め、情報セキュリティ部会が現状の管理体制の把握、ウェブサイトの脆弱性の特定・改善指導等により、外部からの不正なITネットワークへの侵入によるデータ破壊や、ウィルス感染を予防するためのセキュリティ管理体制の維持・向上を図っております。

 

 

感染症

(リスクの説明)

製造拠点や販売拠点において国家的警戒レベルで感染症が流行した場合、事業活動が遅滞または中断し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

感染症の拡大等の緊急事態に備え、BCP・災害対策部会にてBCP策定をはじめとする事業継続マネジメントに取り組んでおります。

また、リスクが顕在化したときに適切な対応を迅速に行い、経営への影響を最小化するための基本方針等を「グループBCP規程」で定めております。各拠点ではBCPを整備し、訓練等を通じて検証と改善を実施し、BCPの実効性を高めております。

 

 

 

リスク分類

リスク

項目

 

当社のリスク認識

経営戦略リスク

 

グル|プ統制

(リスクの説明)

当社グループは、国内外に多くのグループ会社を展開しているため、グループ統制の組織設計、各種制度設計が適切に行われないことにより、権限が不明確になり、事前に承認を受けずにグループ企業が重要な決定を実施することで、事業パフォーマンスの低下や内部統制上の問題を起こすリスクがあります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

グループ企業を統制する上で、グループ経営の基本方針を定めた「グループマネジメント憲章」で定め、グループ企業が当社から事前承認を受けるべき事項を「グループ内部統制規程」で定めております。運用において確実に事前承認がなされるよう、グループ企業を統括する所轄部門において事前承認事項別、またはグループ会社別の担当者を配置し、指導に当たっております。

また、第3のディフェンスラインの機能を担う内部監査部が「グループ内部監査規程」に基づき、当社グループのガバナンス、リスクマネジメント、内部統制および業務活動全般を対象として監査を実施しております。

 

コンプライアンス

(リスクの説明)

当社グループの事業は、全世界の拠点において、それぞれの国における法律の適用を受け様々な規制の対象となっております。例えば、対外的投資、国家安全保障上の輸出入制限、通商規制、独占禁止規制、消費者保護、環境保護他の規制の適用を受けております。

当社グループは、コンプライアンスの実践に尽力しておりますが、予期せずこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの企業活動が制限され、当社グループの社会的信用やブランド価値の毀損、罰金等によるコストの増加につながる可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

グループ規程を定め、当社グループ全体として法律や規制を遵守するよう、当社から定期的にモニタリングを行っております

また、組織のみならず従業員一人一人にコンプライアンス意識を持たせるために「コンプライアンス行動規準」を定め、研修等を通じて当社グループ全体でのコンプライアンス意識の向上を図ると共に、抑止力として、また、万一の場合の対応を迅速に行うため、グローバルベースでのコンプライアンスに関する内部通報窓口を設置しております。

 

 

法律・規則の変更

(リスクの説明)

 国内外における予期せぬ法律や規制の変更等により、当社グループの事業活動が大きな変更を余儀なくされ、その結果、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「グループ法務規程」において法務に関する基本方針等を定め、各国での新たな法令に適時に対応するため、法令の最新状況を網羅する情報基盤の整備・運用を進めております。

 

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

 

経営戦略リスク

 

サステナビリティ

(リスクの説明)

近年、地球温暖化や資源枯渇などの環境問題や、格差や不平等といった社会問題が深刻化し、企業活動の基盤である地球環境・社会の持続可能性が危ぶまれております。人々のサステナビリティへの意識は急速に高まっており、企業には製品・サービスや事業プロセスなどバリューチェーン全般において環境・社会課題への対応が求められております。エシカル消費など、サステナビリティに対する顧客ニーズの高まりに対応できない場合、ブランド力、競争力の低下をもたらす可能性があります。加えて、近年ESG投資のメインストリーム化が進んでおり、サステナビリティへの対応が不十分と見なされた場合、企業価値、資金調達力の低下につながる可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

当社グループは社会の持続的発展に貢献することを「ヤマハグループサステナビリティ方針」にて定め、事業による環境や社会への影響、ステークホルダーの期待や社会要請に鑑み、中長期的に注力する「マテリアリティ」と目標を設定し、取り組みを推進しております。そしてこれらの取り組み状況を、GRIなどの国際的な開示基準に沿ってステークホルダーに積極的に示すことに努めております。

サステナビリティ推進体制を強化するため、代表執行役社長の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置し、全社の方向性の議論や取り組み状況のモニタリングを行っております。また「マテリアリティ」の取り組みを加速させるために、同委員会下に、気候変動、資源循環、調達、人権・DE&I、社会・文化貢献の5つの部会を設置し、各分野の方向性の議論や取り組み状況のモニタリングを行っております。

 

M&A・事業再編

 

(リスクの説明)

当社グループは、事業の拡大のため、M&A等の戦略投資を行っております。投資決定の判断は慎重に行っておりますが、事業環境の変化や投資判断時の状況との乖離などから一部または全部の投資額を回収できない、または撤退の場合に追加損失が発生するリスクがあります。このような場合、当該投資を行った資産が減損の対象となる可能性もあります。また、買収前に発見できなかった買収会社の持つ潜在リスクが顕在化することにより、買収後に損失が発生する可能性があります。

他社との業務提携、出資、合弁会社の設立等においても、相手先との利害の対立や相手先の事業戦略の変更等により、当初期待した効果が得られない場合があります。

 

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

投資決定にあたっては、投資効果とリスクを定性的かつ定量的に把握し、規模や重要度に応じてあらかじめ「権限規程」に則って慎重に判断を行っております。

また、戦略投資を実施した後も、買収会社については他のグループ企業と同様にその経営成績を定期的に測定し、他の事業投資についても当初計画に対する進捗状況をモニターし、必要に応じて適切な対策を講じております。

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

 

経営戦略リスク

 

経営資源配分

(リスクの説明)

当社グループは、設備投資等の既存事業への通常投資や、研究開発等への経営資源の配分を適宜行っております。

事業投資決定の判断は慎重に行っておりますが、事業環境の変化や投資判断時の状況との乖離などから一部または全部の投資額を回収できない、または撤退の場合に追加損失が発生するリスクがあります。このような場合、当該投資を行った資産が減損の対象となる可能性もあります。

技術開発投資については、音・音楽・ネットワーク・デバイス関連技術の差別化を図ることが、当社グループの発展、成長に不可欠な要素となっておりますが、これらの技術開発が、将来の市場ニーズを正しく予想し、的確に行われない場合、楽器事業では、製品付加価値の低下、価格競争に陥る恐れ、新規需要喚起ができない等の問題が生じ、音響機器事業、その他の事業では事業そのものの存続が困難となる可能性があります。

また、当社グループが保有する財務的な資産は金融市場の変動によりその資産価値の増減に影響を及ぼし、投資有価証券や土地の評価、退職給付債務及び退職給付費用等に関わる資産評価価値の減少により評価損等が発生する可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

中期経営計画において通常投資、戦略投資、株主還元の適切な配分について立案し、これに基づいた経営資源の配分を行っております。

投資決定にあたっては、投資効果とリスクを定性的かつ定量的に把握し、規模や重要度に応じてあらかじめ「権限規程」に則って慎重に判断を行っております。また、事業投資を実施した後も当初計画に対する進捗状況をモニターし、必要に応じて適切な対策を講じております。

技術開発投資については、代表執行役社長の諮問機関である技術戦略委員会を設置し、グループ全体最適の観点から開発資源が配分されるよう検討しております。

当社が保有する投資有価証券の保有方針については、「第4 提出会社の状況4 コーポレート・ガバナンスの状況等(5) 株式の保有状況」に記載しております。また、企業年金資産の保有方針については、「コーポレートガバナンス方針書」の「企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮」の項目に記載されておりますのでご参照ください。

 

DX

(リスクの説明)

当社グループはデジタルトランスフォーメーション(DX)を通した新たな価値の創出と業務改革を進めております。その執行の遅延や適切に推進されないことにより、パフォーマンスが向上しない可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

代表執行役社長の諮問機関としてDX戦略委員会を設置し、全社の業務を5つの業務領域(顧客接点、企画・開発、製造、供給、会計・間接)に分け、各領域に対し3つの視点(データ、システム、業務プロセス)で整理し方針・ルールを明確化することでグループ全体での業務変革を推進しております。

また、新たな価値の創出に向け、データを集積し、分析・利活用する取り組みを行っております。

 

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

 

事業活動に係る業務プロセスリスク

 

調達

(リスクの説明)

資材・部材の特性や調達先の状況により、調達が困難となる可能性があります。また、原材料価格の上昇によるコスト増が収益を圧迫する可能性があります。当社グループの主軸事業である楽器事業では良質な木材、特に希少材も使用することから、環境変動による木材の入手困難による安定供給リスクやそれに伴うコスト増のリスクがあります。また、違法に伐採された木材が調達に紛れ込むことにより社会的信頼の低下を招くリスクもあります。

調達先に起因するリスクとして、当方に知らせず素材や製造方法を変え品質問題を起こす、アウトソース先の能力不足により製造委託品が納期通りに仕上がらない、契約品質を満たせない等が発生した場合には生産の中断や遅れにより売上収益が減少する可能性があります。

また、サプライチェーンにおける人権侵害や環境破壊等が発生した場合には社会的信頼の低下によるブランド価値の毀損やそれに起因する売上収益の減少を招く可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

需給が逼迫している資材・部材については、調達の確保に努めると共に、調達先・部品種類の戦略的絞り込み、設計の標準化等の施策により、生産・販売への影響の低減を図っております。グローバルに分散している購買機能を集約することにより調達コストの削減を図っております。

木材調達に関しては、原産地コミュニティーと連携した持続型の希少材保全活動や、教育機関との研究連携等の様々な取り組みにより持続可能な木材利用を推進しております。違法伐採材回避のための木材デューディリジェンスも実施しております。

また、「ヤマハグループ購買方針」に定める基準に沿ってサプライヤーを選定し、人権尊重や環境保護について定めた「ヤマハサプライヤーCSR行動基準」の遵守をサプライヤーに要請、取引開始時および定期的に同行動基準の遵守状況を点検し、必要に応じて改善要請を実施しております。これらの責任ある調達活動を遂行するため、調達担当者や取引先へ研修やセミナーによる啓発を行っております。

 

マ|ケティング・商品企画・商品開発

 

(リスクの説明)

マーケティングについては、商品企画・商品開発とのコミュニケーション不足により商品の特徴や価値が顧客に伝わらない、ブランドコンセプトと提供サービスのミスマッチによりブランド価値が希薄化・曖昧化する、製品・サービスにおいてお客様に提供する魅力品質がお客様のニーズと一致しない、等によりヤマハのブランド価値が低下した場合には販売の減少をもたらす可能性があります。

商品企画と商品開発については、音・音楽・ネットワーク・デバイス関連技術において他社との差別化を図ることが、当社グループの発展、成長に不可欠な要素となっておりますが、これらの差別化が、将来の市場ニーズを正しく予想し、的確に行われない場合、または、新規の顧客の要求と合致しない場合、製品付加価値の低下、価格競争に陥る恐れ、新規需要喚起ができない等の問題が生じ、販売の減少をもたらす可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

マーケティング戦略として、広く、深く、長く、お客様と繋がるため、ブランドプロミスを通じたブランド訴求と、デジタルマーケティングを軸にしたデジタル・リアル両面での顧客接点整備、そして、顧客情報基盤(CDP)を構築してお客さま一人一人のライフステージにフィットした価値を訴求することによるライフタイムバリュー向上への貢献に取り組んでおります。ブランドの持続的成長のため、YAMAHAブランドを共有するヤマハ発動機株式会社と「ヤマハブランド憲章」と「合同ブランド規程」を定め、当社グループにおいても一貫性ある形で効果的にブランドを表現するためのガイドラインを定めております。また、事業別・機能別組織を超えたグループ全体最適のマーケティングが行われるよう代表執行役社長の諮問機関であるLTV(※)戦略委員会を設置し、戦略策定や体制整備を行いました。

また、技術と顧客要求を繋ぐために、事業領域を超えてさまざまな技術を融合し、新たな価値創造を加速させております。さらに、IoTを活用し、顧客サポートに加えて、顧客起点の製品・サービスの開発を加速しております。

※LTVはライフタイムバリューの略

 

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

 

事業活動に係る業務プロセスリスク

 

生産

(リスクの説明)

製造原価の低減に絶えず取り組んでおりますが、生産設備や生産管理システム等への適切な設備投資が行われないことにより、生産効率の低下を招き、製造原価を増加させる可能性があります。

また、誤った需要予測に基づいた生産体制の構築により、生産能力の過剰または不足を招き、販売機会の損失や製造原価を増加させる可能性があります。

 また、当社グループの製造拠点は主に中国、インドネシア、マレーシア、インドにあり、これらの国々での人件費の上昇が製造原価を増加させる可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

適切な経営資源の配分による設備投資とともにグローバルな生産工程の再配置により、生産能力の適正化やコストダウンを図っております。また、サプライチェーンマネジメントにおいては現在のシステムの改善による業務標準化や事業間の連携により生産計画の精度を高めております。

また、海外工場の製造プロセス自動化やIT活用による省人化により合理化を図っております。

 

取引先 

販売サイド

 

(リスクの説明)

事業を展開するそれぞれの分野で厳しい競争にさらされております。楽器・音響事業のコンシューマー向け製品の販路においては、Eコマースや広域量販店の市場プレゼンスが高まっており、当社グループとの取引が年々拡大しております。地域に根差した販路は後継者問題を含め縮小傾向にあります。また、Eコマース市場の発展により価格の透明化が進み、価格競争が激しくなっており、当社グループの現在の優位性が影響を受ける可能性があります。

 当社グループが製造・販売する半導体や自動車用内装部品等は、供給先メーカーの業績の影響を受けます。また、供給先メーカーとの間で、納期・品質等で信頼関係が損なわれた場合、その後の受注に悪影響を及ぼす可能性があります。また、品質等の欠陥によって、供給先メーカーから補償を求められる可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

地域や顧客接点(実店舗やEコマース)の拡充・多様化を進めることにより、広く、深く、長く、お客様と繋がることで特定取引先への過度な依存リスクの影響度を軽減しております。

また、市場の環境、競合関係、商品の特性などを十分に検討し、商品価値を適切に反映した卸売価格の適正化施策を進めております。既存商品の価格改定に加え、新商品導入時または新たなサービスを付加しながら付加価値を高め、適切な価格付けを行っております。

半導体や自動車用内装部品等を扱う部品・装置事業については、今後も供給先メーカーとの良好な関係の維持に努めるとともに、車載モジュールや自動車用内装部品において、新市場への参入や商材の拡大等によりリスクの分散を図っております。

 

 

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

 

経営基盤に係る業務プロセスリスク

 

人材・労務

(リスクの説明)

当社グループは、グローバルに事業を展開していく上で、グローバルに通用する高い専門性を備えた人材の確保が重要な経営戦略の一つであると認識し、その採用・育成に努めております。しかしながら、採用難や人材の流出等により、人材の確保ができない場合、当社グループの将来の成長が阻害される可能性があります。

また、労働環境の維持、向上が経営戦略に重要な影響を及ぼすと認識し、多様性を尊重し、働きやすい職場環境の維持、向上に努めております。しかしながら、各施策が計画通りに進捗せず、労働災害や健康被害、ハラスメント等が発生した場合には、業務パフォーマンスの悪化や労災補償、ブランド価値の毀損が発生し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、円滑な労使関係の構築に努めておりますが、労使の交渉が不調に終わり、長期間に及ぶストライキが発生した場合、商品やサービスの供給が停止する等、事業活動の継続に支障をきたし、その結果、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「グループ人材マネジメント規程」において人材マネジメントの基本方針等を定めております。人材については、コアとなるポジションをグローバルで管理し、多様な個性やバックグラウンドを持つ従業員がその感性・創造性をいかんなく発揮できるような環境整備を推進しております。目的や対象に応じた人材育成プログラムを実施する等、優秀な人材の育成と動機づけを行い、定着を図っております。

労働環境については、「グループ安全衛生規程」において安全衛生管理の基本方針等を定めております。また「コンプライアンス行動規準」を定め、研修などを通じて当社グループ全体でのコンプライアンス意識の向上を図り、「グループ労働・人権規定」を定め、当社グループで働く全ての人材の人権が尊重される環境整備を進めております。そして、ダイバーシティの推進にも努めております。

労使関係については、「労務および労使関係に関する教育ガイドライン」においてグループ各社で実施すべき労使関係に関する教育の内容等を定め、その周知及び実施状況のモニタリングを実施しております。

 

商品・サ|ビスの品質

(リスクの説明)

当社グループの製品の品質上の欠陥に起因する事故、品質不正等が発生した場合、当社グループの社会的評価の低下やそれによる売上収益の減少が予想されます。

製造物責任賠償及び一部製品の製品瑕疵に起因して被る損害については保険に加入しておりますが、損害賠償額が保険金額を上回る可能性や、製造物責任を伴う事故や大口のリコール等の発生による保険料率の上昇も予想されます。また、設計変更等による多額のコスト増大、当社グループの社会的評価の低下とそれによる売上収益の減少が予想されることから、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

企業経営の軸の一つとして策定された「ヤマハクオリティ(品質指針)」の下、「グループ品質管理規程」において品質戦略管理の基本方針等を定め、代表執行役社長の諮問機関である品質戦略委員会にて製品法規制遵守の体制構築、重要品質問題の未然防止に繋がる仕組みの構築や改善活動の実施、法規制教育を体系化した品質人材の育成に取り組んでおります。

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

 

経営基盤に係る業務プロセスリスク

 

財務・税務

(リスクの説明)

当社グループは、適正で透明性の高い財務報告に努めておりますが、不適切な会計処理により財務報告に誤りがあった場合、当社グループの社会的信用の毀損につながる可能性があります。

また、当社グループは、投資有価証券、土地、退職給付債務等の時価や金利の変動影響を受ける資産及び負債を保有しておりますが、これらの変動が財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

なお、当社グループは、全世界で事業展開しておりますが、各国における租税制度の改正、税務行政の変更や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

 

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「グループ会計規程」においてグループ各社及び連結における会計の基本方針等を、また「グループ財務規程」において財務管理に係る内部統制システムの構築と維持について定めております。

また、財務管理部会において、定期的に財務に関わる内部統制レベルを測定してリスクの高い領域を特定しており、グループ会社の内部統制レベルの改善目標の設定と改善支援を実施しております。

資産及び負債の時価や金利の変動への対策としては、金利変動等が退職給付債務に与える影響の検討や政策保有株式の保有意義の検証を毎年実施しております。

また、「グループ税務規程」を定め、グループ会社の税務リスクを定期的に確認し、確認結果に基づいてリスクを評価し、リスク低減活動を実施しております。

 

貿易・物流

 

(リスクの説明)

当社グループは、全世界において製造・販売を行っているため、物流コストの増加が収益を圧迫する可能性があります。

また、各地域の物流の機能の停止や逼迫により、当社グループの事業に重大な影響を与える可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「グループ物流規程」において物流の基本方針等を定め、グループ最適となる物流ネットワークとの構築と運用、物流業務委託事業者の選定と管理を実施し、安定的な供給の確保に努めております。

 また、輸出入に関わる法令違反のリスクの軽減のため、輸出審査部会においてリスト規制該当技術の管理強化、中国・インドからの輸出管理体制の構築を進めております。

 

環境汚染

(リスクの説明)

事業活動に対する環境保護規制は強化の方向にあり、企業の社会的責任の一つとして自主的な環境活動プログラムの実施が求められております。当社グループは、製品、梱包材、省エネルギー、産業廃棄物処理等について環境基準を上回る対策の実施に努めておりますが、事故等の発生により規制物質が環境基準を超えることを完全に防止できる保証はありません。また、工場跡地等で、規制物質により土壌や地下水が汚染されている場合には、将来、売却しようとする際、多額の浄化費用が発生する、あるいは売却できない可能性があります。更に、第三者に売却済みの土地から将来規制物質が拡散し、大気、地下水を汚染し、その対策費が発生する可能性があります。

加えて環境汚染等の環境規制が厳しくなり、使える素材が極端に少なくなる、または顧客が期待する性能が実現できない、もしくは環境規制物質が製品に使われる、等の技術的な問題が生じた場合、生産の制約や賠償責任、社会的評価の低下等の損害が発生する可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「グループ環境規程」において環境管理の基本方針等を定めております。

温室効果ガス排出量を削減するため、生産方法や設備配置の最適化、エネルギー管理の徹底、エネルギー効率の高い設備やコージェネレーションシステムの整備、燃料転換や再生可能エネルギーの導入を進めております。また、燃料使用などによる自社施設からの直接排出と自社が購入したエネルギーの使用による間接排出、それ以外の自社バリューチェーンからの間接排出、それぞれに中長期の削減目標を設定しております。

土壌や地下水の汚染が確認されている当社グループが保有する土地及び売却済の一部の土地については、地下水の浄化措置を当社グループで継続して行っております。

また、環境規制への対応としては、環境負荷の少ない技術の開発及び製品・サービスの提供に努めております。

 

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

経営基盤にかかる業務プロセスリスク

施設・設備

(リスクの説明)

 当社グループは、グローバルな事業展開を行う中で、世界の各地域に事務所、販売店舗、製造設備等の施設・設備を所有しております。これらが適切に管理されない場合には、事故が発生し、人命に危険が生じる、あるいは施設・設備の損壊により、当社の事業に重大な影響を与える可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

 「グループ施設規程」において施設管理の基本方針を定め、人命および会社財産が適切に保全され、施設・設備を安心安全に利用できる環境とするため、必要なリスク管理を行っております。

情報システム

(リスクの説明)

IT基盤(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク等)の不具合による設計情報や研究成果の消失、IT基盤の陳腐化による保守切れや保守費用の増加、プロジェクト管理能力の不足・低下によるシステム開発の遅延やシステム品質の低下、システム稼働後のシステム障害の発生等、情報システムの管理体制が適切に構築されていないことによりシステム開発・保守が健全に実行されず、IT基盤が正常に稼働しないだけでなく、当社グループの事業に重大な影響を与え、あるいは社会的信用を低下させる可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「グループIT規程」においてIT管理の基本方針等を定め、将来に渡る情報システムの導入計画の策定、不具合発生時の対応の整備と訓練により、IT基盤の陳腐化の防止や不具合発生時の速やかなシステム復旧等、情報システム管理体制の維持・向上を図っております。

 

情報管理

(リスクの説明)

当社グループは、様々な経営及び事業に関する重要情報や、多数の顧客情報等の個人情報を保有しております。万一これらの情報が誤って外部に漏洩した場合には、第三者に損害を与えるだけでなく、当社の事業に重大な影響を与え、あるいは社会的信用を低下させる可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「グループIT規程」及び「グループ個人情報保護規程」において情報管理の基本方針等を定め、外部からの攻撃による情報漏洩に対してはウェブサイトの脆弱性の特定・改善の指導等により、内部からの情報漏洩に対しては現状の管理体制の把握、従業員への計画的なセキュリティ意識向上のための教育等を行うことで、情報セキュリティ部会が組織的なセキュリティ管理体制の維持・向上を図っております。

また、「グループ文書管理規程」において文書管理の基本方針等を定め、開示範囲に基づいて指定した機密区分に応じた安全確保のための対策を実施しております。

 

 

 

リスク分類

リスク

項目

当社のリスク認識

経営基盤にかかる業務プロセスリスク

広報

(リスクの説明)

当社グループは、統合報告書をはじめとして、ステークホルダーに対し積極的に会社情報の開示に努めておりますが、開示に関わる問題(適時開示漏れ、開示内容の不備等)を起こす可能性があります。

また、マスコミ対応・クレーム対応の失敗、事実誤認による報道やSNSでの誤った情報の拡散、誤解を招く広告やウェブでの表示等により、事業へ損失を与える、またはブランド価値を毀損する可能性があります。

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「コーポレートガバナンス方針書」において適切な情報開示を定めております。また、「グループ広報規程」において広報活動の基本方針等を定め、公正・正確・透明性の原則、情報の適切な活用と発信、広報体制の構築、緊急時における広報対応等、グループ全体で一貫性のある広報活動を実施しております。

また、危機が発生した際の広報対応の基本指針や対応手順、留意点を示した「危機管理広報ガイドライン」を制定し、当社及びグループ企業の評判や企業価値へのダメージを最小限に食い止めるための対策を講じております。

 

 

知的財産

(リスクの説明)

当社グループは、独自技術についての特許等の知的財産権、業務遂行上取得したノウハウを保有しておりますが、その一部は、特定地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。第三者が当社グループの知的財産権を利用することを、効果的に防止できない可能性があります。その結果、当該第三者の製造した類似品、模倣品が市場に出回ることにより当社グループ製品の販売に支障をきたす可能性があります。また、予期せず当社グループの製品が第三者から第三者の知的財産権を侵害しているとされる場合があり、その結果、これを利用した当社グループ製品が販売できなくなる可能性があります。

当社グループは、製品の重要な部分のいくつかについて第三者から知的財産権のライセンスを受けております。ロイヤリティの上昇は、製造コストの増大を招き価格競争力に影響が出るほか、ライセンスを受けられなくなった場合、当該製品の製造ができなくなる可能性があります。

 

(中期経営計画の方針・重点テーマとの関連性)


(リスク対策)

「グループ知的財産規程」において知的財産権管理の基本方針等を定め、当社グループに帰属する知的財産については、保護対象となる知的財産権のリスト化、独自技術の権利化や不正使用発見時の対応ルール等の整備や運用を進めております。第三者の知的財産権の侵害については、研修実施による従業員の意識啓蒙、業務プロセスにおける事前確認の導入・整備等を進めております。

 

 

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、退職後給付の勤務期間への帰属についての会計方針の変更を行っており、遡及処理の内容を反映させた数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針選択の判断と適用を前提とし、決算においては資産・負債の残高、報告期間における収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、経営者は、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、その性質上、実際の結果と異なる可能性があります。

重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。

 

(2) 経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績

当連結会計年度における経営環境を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症による行動制限の解除等社会活動が再開される中、世界経済は、徐々に持ち直してきてはいるものの、エネルギー・原材料価格の高騰による世界的な物価上昇とこれを抑制するための各国の金融引き締めによる景気の下押しなど、依然として先行きが不透明な状況が続いています。

このような環境の中で当社グループは、中期経営計画「Make Waves 2.0」を「世界中の人々のこころ豊かなくらし」の実現に向け、ポストコロナの新たな社会で持続的な成長力を高める3年間と位置づけ、3つの方針「事業基盤をより強くする」、「サステナビリティを価値の源泉に」、「ともに働く仲間の活力最大化」を掲げて各施策を進めてきました。

《事業基盤をより強くする》

“顧客ともっと繫がる”では、ヤマハが展開する様々なウェブサービスやソフトウェアサービスを一つのログインIDで利用可能にするYamaha Music IDの導入や、ブランドショップでのショールーム機能の拡充など、お客様との直接の接点が拡大しました。また、人気アニメとのコラボレーション企画等、新たな顧客層へ楽器演奏を始めるきっかけとなる様々なアプローチも展開しています。“新たな価値を創出する”では、憧れのピアニストとの連弾ができるAIピアノによる合奏技術や、リアルタイムで有名歌手の歌声になれるAI歌声変換技術などヤマハの先進的な技術と豊かな感性でお客様に新しい体験を多数提供することができました。また、ユーザーの音楽ライフをより愉しく、創造的なものにしていくためのサービス事業の構想として取り組んでいる「Yamaha Music Connect」については、ヤマハが持っている様々な技術、コンテンツ、アプリケーションを結集するとともに、社外のリソースやサービスも取り込んだエコシステムの構築に向け、取り組んでいます。“柔軟さと強靭さを備え持つ”では、製造拠点のエリア統括体制の整備、調達先・部品種類の戦略的な見直し、同一商品群の複数拠点生産など、調達・生産における柔軟性とリスク対応力を向上させています。中期経営計画「Make Waves 2.0」における2025年3月期の経営目標とその進捗は以下の通りです。


◎:計画を上回る 〇:ほぼ計画通り △:施策は進むも計画から遅れ

 

 

《サステナビリティを価値の源泉に》

“地球と社会の未来を支えるバリューチェーンを築く”では、気候変動への対応について、各拠点での省エネ活動の推進や太陽光発電パネルの増設、再生可能エネルギーへの切り替えなど、2050年カーボンニュートラルを目指して着実に取り組みが進んでいます。また、持続可能性に配慮した木材の利用については、認証木材の拡大や北海道・タンザニアなどでの「おとの森活動」を通じて楽器の材料となる希少樹種の育成・保全活動を継続推進しています。“快適なくらしへの貢献でブランド・競争力を向上する”では、「だれでもピアノ」の研究開発など、音のバリアフリーを目指して様々な商品でユニバーサルデザインへの取り組みを積極的に行っています。“音楽文化の普及・発展により市場を拡大する”では、インドでの「初等教育への日本型器楽教育導入事業」が、文部科学省による「令和4年度第2回EDU-Portニッポン応援プロジェクト」の一つに選ばれるなど、器楽教育の普及に貢献しています。中期経営計画「Make Waves 2.0」における2025年3月期の経営目標とその進捗は以下の通りです。


◎:計画を上回る 〇:ほぼ計画通り △:施策は進むも計画から遅れ

 

《ともに働く仲間の活力最大化》

“働きがいを高める”では、社員が自律的にキャリアを描くための支援や副業など柔軟な働き方を実現するための各種制度・仕組みを充実させました。“人権尊重とDE&Iを推進する”では、人権デューディリジェンスや人権教育を充実させるとともに、グローバル人材や女性などの活躍推進を図り、多様な人材がより活躍できるための環境を整備しています。“風通しがよく、皆が挑戦する組織風土を醸成する”では、心理的安全性を高めるために、各部門で様々な創意工夫を凝らした対話の機会を増やしています。また、誰もが生き生きと仕事ができる環境として、2024年春竣工に向け、2つの拠点を整備しています。一つは営業部門・スタッフ部門を集結し、隣接する3つの建物とともに各機能の人材交流の促進をコンセプトに、本社棟の建設を行っています。もう一つは、首都圏の営業拠点を統合することに加え、ブランド発信やR&D機能を有したオープンイノベーションを促進する新拠点となる「横浜シンフォステージ」です。今後もヤマハに集う多様な人材一人ひとりにとって働きやすさと働きがいを感じられる職場づくりに、引き続き取り組んでいきます。中期経営計画「Make Waves 2.0」における2025年3月期の経営目標とその進捗は以下の通りです。


◎:計画を上回る 〇:ほぼ計画通り △:施策は進むも計画から遅れ

 

中期経営計画「Make Waves 2.0」における2025年3月期の経営目標「売上成長率 20%」「事業利益率 14%」「ROE 10%以上」「ROIC 10%以上」は、当連結会計年度においてそれぞれ10.6%、10.2%、8.8%、7.8%となりました。

 

 

(イ)セグメントごとの売上収益の状況

当連結会計年度の売上収益は、半導体調達難、エントリーモデルの需要減、および中国での新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響を受けたものの、対USドルの為替レートが大幅な円安になったこともあり、前期に対し432億12百万円(10.6%)増加の4,514億10百万円となりました。

 

楽器事業は、エントリーモデルの需要減が続き、中国では新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響を受けたものの、為替の影響により、前期に対し264億99百万円(9.6%)増加の3,026億53百万円となりました。

商品別では、ピアノは、主力の中国市場で新型コロナウイルス感染症による影響で販売が低迷し減収となりました。電子楽器は、楽器演奏環境の正常化が進み、中高級モデルの需要が堅調に推移したものの、エントリーモデルの需要が減少し減収となりました。管楽器は、各地で学校での吹奏楽活動が再開し、北米では米国政府による小中学校向け財政支援も寄与して大幅な増収となりました。ギターは、エントリーモデルの需要減少でアコースティックギターが苦戦したものの、エレキギターやギターアンプなどが好調であり増収となりました

 地域別では、日本は、学校での吹奏楽活動が再開され需要が回復した管弦打楽器、アニメの効果により需要が高まったギターが増収となったものの、物価高による消費意欲の低下がみられるピアノや電子楽器により、全体では減収となりました。北米及び欧州は、インフレによる生活コストの上昇から消費者の生活防衛姿勢が強く、エントリーモデルの需要に弱さが見られるものの、中高級品の需要が堅調であり、為替の影響もあり増収となりました。中国は、新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響を受け、販売が低迷し減収となりました。その他の地域では、新型コロナウイルス感染症の影響から脱却し、各地で経済の正常化が進み、地域全体として増収となりました。

 

 音響機器事業は、エントリーモデルの販売不振による影響を受けたものの、半導体調達難の一部改善により、前期に対し107億17百円(11.1%)増加の1,076億41百万円となりました。

 商品別では、オーディオ機器は、半導体調達難の影響に加え、低価格サウンドバーの販売不振などもあり、減収となりました。業務用音響機器は、ライブ市場や設備市場が堅調で、下期には半導体調達難の改善もあり、増収となりました。ICT機器は、企業のDX推進やサイバーセキュリティ対策強化を背景に、ネットワーク投資が拡大し、増収となりました。

 

その他の事業の売上収益は前期に対し59億96百万円(17.1%)増加の411億15百万円となりました。

部品・装置事業では、電子デバイスは、中国自動車メーカー向けのヤマハブランドオーディオが販売を伸ばし、増収となりました。自動車用内装部品、FA機器は、半導体調達難による顧客企業の減産や、投資案件の延期や減少の影響を受け、減収となりました。ゴルフ事業では、韓国で大きく販売を伸ばし、増収となりました。

 

(ロ)売上原価と販売費及び一般管理費

売上原価は前期に対し268億9百万円(10.6%)増加の2,802億70百万円となりました。売上原価率は、前期と同様62.1%となりました。

売上総利益は前期に対し、164億3百万円(10.6%)増加の1,711億39百万円となりました。売上総利益率は、前期と同様37.9%となりました。

また、販売費及び一般管理費は、前期に比べ135億65百万円(12.1%)増加し、1,252億72百万円となりました。売上収益販売管理費比率は、前期から0.4ポイント上昇し27.8%となりました。

 

 

(ハ)事業利益

事業利益は、前期に対し28億37百万円(6.6%)増加の458億67百万円となりました。
 報告セグメントごとの事業利益では、楽器事業は、為替のプラス影響70億円があったものの、前期に対し11億31百万円(3.0%)減少の362億円となりました。音響機器事業は、為替のマイナス影響19億円があったものの、前期に対し19億27百万円(125.3%)増加の34億66百万円となりました。その他の事業は、為替のプラス影響13億円を含め、前期に対し20億41百万円(49.1%)増加の62億円となりました。
 要因別には、販売管理費の増加(50億円)や、エネルギー・調達コストの上昇(60億円)等の減益要因があったものの、増収・増産、モデルミックス及び価格適正化(87億円)や為替影響(65億円)等の増益要因により、前期に比べ増益となりました。

(注)事業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出した日本基準の営業利益に相当するものです。

 

(ニ)その他の収益及びその他の費用

その他の収益は、固定資産売却益47億円を計上した前期に対し55億52百万円(73.5%)減少の20億6百万円となりました。その他の費用は、前期に対し1億38百万円(11.1%)増加の13億89百万円となりました。

 

(ホ)金融収益及び金融費用

金融収益は、前期に対し12億82百万円(22.1%)減少の45億9百万円となりました。金融費用は、前期に対し16億60百万円(79%)減少の4億41百万円となりました

 

(ヘ)税引前当期利益

税引前当期利益は、前期に対し24億75百万円(4.7%)減少し505億52百万円となりました。売上収益税引前当期利益率は、前期から1.8ポイント下落し11.2%となりました

 

(ト)法人所得税費用

法人所得税費用は、主として繰延税金費用の減少により、前期に対し32億91百万円(21%)減少の123億75百万円となりました。

 

(チ)親会社の所有者に帰属する当期利益

 親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に対し9億15百万円(2.5%)増加の381億83百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期の214円87銭から222円64銭となりました

 

(リ)為替変動とリスクヘッジ

海外子会社の売上収益は、期中平均レートで換算しております。当連結会計年度の米ドルの期中平均レートは前期に対し約23円円安の135円となり、前期に対し約235億円の増収影響となりました。また、ユーロの期中平均レートは前期に対し約10円円安の141円となり、前期に対し約62億円の増収影響となりました。また、人民元など、米ドル、ユーロ以外の通貨は、前年同期に対し約144億円の増収影響となり、売上収益全体では、前期に対し約440億円の増収影響となりました。

また、事業利益につきましては、米ドルは充当(マリー)効果により、決済レートの変動による為替影響は概ねヘッジできているものの、海外子会社の事業利益の換算等により、約25億円の増益影響となりました。ユーロの決済レートは、前期に対し約5円円安の136円となり、約20億円の増益影響となりました。また、他の通貨を含めた全体では前期に対し約65億円の増益影響となりました。 

 

 

(ヌ)生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

楽器

255,890

111.2

音響機器

119,056

127.4

その他

41,422

129.1

合計

416,368

117.1

 

(注) 金額は平均販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

 

(b) 受注実績

当社グループは、製品の性質上、原則として見込生産を行っております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

楽器

302,653

109.6

音響機器

107,641

111.1

その他

41,115

117.1

合計

451,410

110.6

 

(注) 金額は外部顧客に対する売上収益であります。

 

② 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末の5,806億62百万円から135億84百万円(2.3%)増加し、5,942億46百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末から161億31百万円(4.4%)減少し、3,465億45百万円となり、非流動資産は、297億15百万円(13.6%)増加し、2,477億1百万円となりました。流動資産では、為替変動の影響に加え、半導体調達難等に起因する一部製品の生産遅れやエントリーモデルの需要減、中国での新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響を受け棚卸資産が増加しました。また、棚卸資産の増加、グループファイナンス拡大に伴う短期借入金の返済及び前連結会計年度の投資有価証券の売却に伴い増加した未払法人所得税の支払いにより現金及び現金同等物が減少しました。非流動資産では保有有価証券の時価上昇により金融資産が増加し、設備投資により有形固定資産が増加しました。また、Cordoba Music Group, LLCの持分取得により、のれんが増加しました。

 

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末の1,637億94百万円から274億91百万円(16.8%)減少し、1,363億2百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末から309億74百万円(24.6%)減少し、951億40百万円となり、非流動負債は、前連結会計年度末から34億82百万円(9.2%)増加し、411億62百万円となりました。流動負債では、グループファイナンス拡大に伴う短期借入金の返済により有利子負債が減少し、前連結会計年度の投資有価証券の売却に伴う法人所得税の支払いにより未払法人所得税が減少しました。

 

 

当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末の4,168億67百万円から410億76百万円(9.9%)増加し、4,579億44百万円となりました。自己株式の取得及び配当金の支払いによる株主還元を行ったものの、当期利益により利益剰余金が増加したことに加え、為替変動の影響及び保有有価証券の時価上昇によりその他の資本の構成要素が増加したことで、全体では増加となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ686億8百万円減少(前期は431億50百万円増加)し、期末残高は1,038億86百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税引前当期利益に対し、半導体調達難等に起因する一部製品の生産遅れやエントリーモデルの需要減、中国での新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響を受け棚卸資産が増加したことに加え、前連結会計年度の投資有価証券の売却による法人所得税の支払いもあり、148億41百万円の支出(前年同期は360億16百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得およびCordoba Music Group, LLCの持分取得により、215億63百万円の支出(前年同期は主として投資有価証券の売却により、437億7百万円の収入)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主としてグループファイナンス拡大に伴う短期借入金の返済や配当金の支払い、自己株式の取得等により、352億87百万円の支出(前年同期は主として自己株式の取得により、444億26百万円の支出)となりました。

 

(イ)資金需要

当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料、部品等の購入、労務費など製造費用と、商品の仕入、販売費及び一般管理費等、営業費用の運転資金及び設備投資資金、並びにM&Aや資本提携を目的とした投資資金であります。

当連結会計年度の設備投資額は、前期の148億35百万円から57億5百万円(38.5%)増加し、205億41百万円となりました。新オフィスの建設、設備の更新改修を中心として減価償却費(130億94百万円)を超える設備投資を行いました。

研究開発費は、前期の240億32百万円から10億25百万円(4.3%)増加し、250億57百万円となりました。売上収益研究開発費比率は前期の5.9%から0.3ポイント減少し、5.6%となりました。

 

(ロ)資金調達

運転資金及び設備投資資金について、当社及び国内子会社、一部の海外子会社においてグループ内資金を有効活用するためグループファイナンスを運用しています。また、一部の子会社においては、借入金額・期間・金利等の条件を総合的に勘案し、金融機関から借入を行っております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、ヤマハが目指すものとして「世界中の人々のこころ豊かなくらし」を、企業理念として「感動 を・ともに・創る」を掲げています。これを支えるために、「製品」と「サービス」分野で新たな価値を創出するべく、コア技術の更なる高度化と拡張のための研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、アコースティック技術、デジタル技術を中心に、音そのものに留まらず、基礎から応用まで、音の活用を支える技術分野に大きく広がっています。

当連結会計年度は、「アコースティック技術とデジタル技術の融合でヤマハならではの新たな製品を生み出す」、「LTV戦略を加速、外部連携・UGC(User Generated Content)等を活用し音楽生活をより愉しむためのサービスを展開」、「先進的な技術と豊かな感性で新たな感動体験を創造」をテーマに研究開発を進めました。

「ヤマハならではの新たな製品を生み出す」では、「トランスアコースティックピアノ」と「サイレントピアノ」の新モデルを開発いたしました。

「音楽生活をより愉しむためのサービスを展開」では、BGM作成アプリ「AmBeat」を開発いたしました。

「新たな感動体験を創造」では、AI技術を用いた新合成エンジン「VOCALOID:AI」を搭載したVOCALOIDの新バージョン「VOCALOID6」を開発いたしました。

当社グループの研究開発体制は、楽器事業については当社楽器事業本部、及びYamaha Guitar Group,Inc.の開発部門、音響事業については当社音響事業本部、NEXO S.A.、Steinberg Media Technologies GmbHの開発部門、その他の事業については当社電子デバイス事業部、ゴルフHS事業推進部及びヤマハファインテック株式会社の開発部門、全社横断のR&Dについては当社研究開発統括部が担う形で構成しております。

当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は25,057百万円であります。

 

(1) 楽器事業

当セグメントでは、幅広い技術を融合し、個性際立つ商品を開発しております。

ピアノ関連では、アコースティックピアノならではの音やタッチ感はそのままに、デジタル技術との融合により音量調節や消音が可能な「トランスアコースティックピアノ」と「サイレントピアノ」の新モデルを開発いたしました。「トランスアコースティックピアノ」、「サイレントピアノ」は、アコースティックピアノでの演奏体験に加えて、大きな音が出せない環境でも快適に演奏を楽しんでいただけるピアノです。新たに開発した「トランスアコースティックピアノTA3」、「サイレントピアノSH3」は、新開発の「アーティキュレーション・センサーシステム」を搭載し、ピアノ本来のタッチ感を損なう事なく、演奏者が思い描く細やかなニュアンスの表現を正確に検出し、忠実に再現することができます。また、独自の音源技術により、タッチの細かな違いで音色の変化を弾き分けられ、より本格的な演奏表現が可能となりました。その他、Bluetooth(AUDIO/MIDI)がすべての機種に搭載され、当社のアプリ「スマートピアニスト」とのスムーズな連携により、快適な演奏体験を提供します。

管弦打楽器関連では、フリューゲルホルンの新製品として、「YFH-8310Z」と「YFH-8315G」を開発しました。新しいフリューゲルホルンでは、新設計のバルブケーシングを採用して剛性を高め、奏者が吹き込む息を管体がしっかり支え、効率良く音に変換することで、粒立ちの良い音を実現しています。また、ピストンの仕組みが違うトランペットと、バルブケーシングで吹奏感や音色の方向性を揃えることで、トランペットとフリューゲルホルンの持ち替えもスムーズに行えます。チューニングで抜き差しするリードパイプを固定するためのスクリューは、「YFH-8310Z」は真鍮、「YFH-8315G」はフォスファーブロンズと異なる材料を使い、形状もサイズも異なっており、2つのモデルの個性を際立たせる要素の一つになっています。

 

電子楽器関連では、演奏性・可搬性に優れたライブパフォーマンス向けステージキーボードの新シリーズとして、「CK61」「CK88」を開発しました。ステージキーボードとしては、高品位なピアノサウンドが特徴のステージピアノ「CPシリーズ」や、オルガン音源・FM音源も搭載したステージキーボード「YCシリーズ」が、多くのアーティストのステージで認められてきました。新たに開発した「CK61」「CK88」は「CPシリーズ」と「YCシリーズ」のエッセンスを受け継いだ新シリーズで、ライブで活躍する300種類以上の多彩な音色を搭載し、直感的な操作で、素早くサウンドメイキングができるOne-to-Oneインターフェースも備えています。当社のステージキーボードとして初めてスピーカーを内蔵しているため、本体1台でマイクと接続して弾き語りをしたり、デバイスとBluetooth接続してオーディオを再生しながら演奏したりすることも可能です。軽量ボディで可搬性にも優れ、電池でも駆動することから、ステージからストリートまで多彩なシーンで演奏をお楽しみいただけます。また、新開発のAI合成エンジンがナチュラルで豊かな表現力のある歌声を実現する、バーチャルボーカル制作の総合ソリューションを提供するソフトウェア「VOCALOID6」を開発しました。イメージにあった歌声をいつでも簡単に作り出すことが可能な「VOCALOID」を用いて制作された楽曲は「ボカロ曲」と呼ばれ、新世代の音楽として全世界のリスナーから支持され、高い人気を誇っています。4年ぶりの新バージョンとなった本製品では、AI技術を用いた新合成エンジン「VOCALOID:AI」を搭載し、よりナチュラルで表現力豊かな歌声合成を実現しました。アクセントやビブラートといった歌唱表現を素早く調整できる編集ツールを採用したほか、豊かな表現を生み出す制作手法である「ダブリング」や「ハモリ」を瞬時に作る機能を追加しました。VOCALOID:AI対応のVOCALOID6専用ボイスバンクでは、クリエイター自身の歌唱データを基に歌い方や歌詞を再現できたり、一つのボイスバンクで日本語や英語を織り交ぜた歌詞を流暢な発音で歌わせたりできるようになりました。言葉の壁を越えた作曲活動やボーカルパートの新たな制作方法を提案することで、クリエイターの制作意欲を後押しします。

なお、カジュアル管楽器Venova「YVS-120/YVS-140」が「iFデザインアワード2022」を、更に「YVS-140」は「アジアデザイン賞2022」の大賞を受賞いたしました。さらに、歌声合成技術/ソフトウェア「VOCALOID」は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2022年度グッドデザイン賞」において、長年にわたり生活者に支持され続ける優れたデザインに贈られる「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞しました。

 楽器事業の研究開発費は10,382百万円であります。

 

(2) 音響機器事業

当セグメントでは、社会の変化にも対応しながら、多様なニーズに応える商品を開発しております。

ホームシアター・オーディオ関連では、「5000シリーズ」の名を冠する、独自の「オルソダイナミックドライバー」を搭載したフラッグシップヘッドホン「YH-5000SE」を開発しました。アーティストが音楽に込めた想いの全てを表現し人の感情を動かす音 = TRUE SOUNDを実現するために、音の正確性を追求した「オルソダイナミックドライバー」、繊細かつ、しなやかな広帯域表現を叶える大容量ハウジング、音楽の躍動感をありのままに再現する超軽量薄型ダイヤフラム、音の密度感と開放感の両立を可能にした日本製圧延平畳織ステンレスフィルターなど、当社が考える最高の技術、最適なマテリアルを集結しました。音・音楽の多様な製品を手掛けるオーディオブランドであるヤマハのフラッグシップヘッドホンとして、ハイグレードなリスニングを追求されるお客様に、心深く残る特別な音楽体験を提供します。

業務用音響機器関連では、96kHzの高分解能を実現し、最大256chの入出力に拡張可能な音響空間を創造するシグナルプロセッサー「DME7」を開発しました。「DME7」は、劇場やコンサート会場などの音質が重要視されサウンドシステム設計者が音響をデザインするシーンにおいて、高度な音の演出表現を実現し上質な音響体験を提供するシグナルプロセッサーのフラッグシップモデルです。豊富なDSPコンポーネントを標準搭載し、それらを組み合わせて自在に配置することで、用途に合わせて柔軟にシステムを構築できるフリーコンフィグレーション方式を採用しています。サンプリング周波数は96kHzの高分解能を実現し、標準で64chのDante入出力、拡張キット「DSEK-DME-DX64」を適用することで、最大256chの入出力に対応します。さらに、新たなシステムのデザイン機能を追加した、設置環境や運用方法にあわせたコントロールパネルの作成や、機器のリモートコントロール、モニタリングが可能なアプリケーションソフトウェア「ProVisionaireシリーズ」によるシステム全体の制御にも対応しています。また、ポータブルPAシステムの新モデルとして、バッテリー駆動に対応し、5chミキサーと多彩なエフェクトを搭載したワンボックス型のオールインワンPAシステム「STAGEPAS 200」を開発しました。「STAGEPAS 200」は、30センチ・ワンボックス型のコンパクトな筐体に高い音質・クラス最大級の音圧を実現したスピーカーとアンプ、本格的なミキシング機能を持つミキサーに加え、シンプルな操作性を備えた、小規模なライブや各種イベントでの音楽やスピーチの拡声に最適なポータブルPAシステムです。シリーズで初めてバッテリー駆動による最大10時間の連続稼働に対応し、電源のない場所でも使用できます。

音楽制作機器・ソフトウェア関連では、直感的な操作と独自の音声処理で没入感の高いゲーム・ボイスチャット体験を提供する、ゲームストリーミングミキサー「ZG01」を開発しました。「ZG01」は、PCやゲーム機、スマートフォンマイク・ヘッドセットを接続し、独立した各ツマミによる直感的な操作によって、各入力音源の音量を瞬時に調節しながらボイスチャットやゲーム配信が行える、ゲーム配信・ボイスチャット用の小型ミキサーです。ゲームのサラウンドサウンドをヘッドホンで体験できる「ZG SURROUND」や、プレイ場面やプレイスタイルに最適な音質へ補正する「FOCUS MODE/EQ」、快適なボイスチャット体験を提供する「3D CHAT SPACE」などの独自の音声処理を搭載。さらにプレイヤー本人が体験するこれらの音響効果は配信視聴者にもそのまま届け、没入感を共有することもできます。また、動画や写真をアップロードするだけで、イメージに合うオリジナルBGMを自動生成するBGM生成アプリ「AmBeat」を開発しました。「AmBeat」は、動画や写真のデータをアプリ上にアップロードするだけで、そのビジュアルコンテンツのイメージやシチュエーションにマッチした音楽を自動で作成するアプリです。イメージと音楽の結び付けには、ヒトの感覚や感性を言語化して科学的に分析する独自の「感性研究」の成果を応用しています。さらに、自動作成されたBGMを、アプリの画面での簡単な操作で自由にアレンジすることも可能です。できあがったBGM付きの動画や写真は、音楽付きの思い出として保存したり、SNSなどで投稿したりして活用いただけます。
 ネットワーク機器関連では、業務用のVPNルーター「RTXシリーズ」で好評な機能を継承・強化し、新たに10ギガビットにも対応した10ギガアクセスVPNルーター「RTX1300」を開発しました。近年、テレワークやWeb会議が普及してきていることに加え、ウェビナーやオンライン研修などデータ量の大きいコンテンツを利用するユーザーが増えたことで、社内のネットワークに流れるトラフィックが急増しています。それに伴い、Wi-Fi 6対応の無線LANアクセスポイントや10ギガビット/マルチギガビット対応のスイッチが配備され、LANの高速化が進んでいますが、WAN側の高速化は未対応の拠点が多いという課題があります。その解決のために、中規模ネットワークにおけるWANの高速化を実現するルーターへの需要が高まっています。「RTX1300」は、「RTXシリーズ」の好評な機能を継承・強化しつつ、急増するトラフィックに耐えうるハードウェア性能を持ったVPNルーターです。10ギガビットに対応したコンボポート(LANポートとSFP+スロット)を2ポート搭載しており、現在普及しつつある10ギガビット光回線を使った高速インターネット接続が可能です。また、10ギガビット/マルチギガビット対応のスイッチやWi-Fi 6に対応した無線LANアクセスポイントと組み合わせることで、LAN/WAN両方の高速化を実現します。

なお、ヘッドホン「YH-L700A」が、国際的なデザイン賞「iFデザインアワード2022」と「アジアデザイン賞2022」の「Gold Award(金賞)」を受賞しました。また、ライブストリーミングUSBマイクロフォン「AG01」、業務用インターホンシステム「スマホでインターホンpowered by SoundUD」、当社がUSEN-NEX GROUPの株式会社USENと共同で取り組む業務用アナウンスシステム「音と文字で伝わる「SoundUDの多言語アナウンスシステム」」の3件が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しました。中でも「SoundUD多言語アナウンスシステム」は、特に高い評価を得たデザインに与えられる「グッドデザイン・ベスト100」に選出されました。また、「スマホでインターホン powered by SoundUD」および「SoundUDトリガーパネル」が、一般財団法人 国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)が主催する「IAUD国際デザイン賞2022」において、インタラクションデザイン部門の金賞を受賞しました。また、リモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」が、革新的な優れたサービスを表彰する「第4回 日本サービス大賞」(主催:公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会)において「優秀賞」を受賞しました。

 音響機器事業の研究開発費は10,283百万円であります。

 

 

(3) その他の事業

電子デバイス事業関連では、立体音響の圧倒的な没入感を車の全シートで楽しめる技術を開発し、量産に先駆けて自動車メーカーに向けたデモを開始しました。自動運転やインターネット常時接続などの変革により、自動車は今まで以上に快適なプライベート空間に変化していくはずです。また、リモートコミュニケーションの進化は、「メタバース」のキーワードと共に、デジタル空間の体験の機会が今後さらに広がることを示唆しています。移動手段からセカンドリビングへと車が進化する中で、エンターテインメントで新しいサウンド体験を実現する提案の一つが、マルチチャンネルを生かしたオーディオ体験です。近年、Dolby Atmos等に対応した、立体音響を体験できる映像・楽曲コンテンツの配信サービスが普及してきました。従来のステレオ2チャンネルのコンテンツと異なり、これらのコンテンツには空間を積極的に活用した立体表現が盛り込まれており、様々な方向から音が聴こえてきます。このコンテンツはオーディオコンポーネントやヘッドホンで楽しむことができますが、音の反射や共鳴が顕著で複雑な形状をした車室内では、製作者の狙いを精度高く再現することが困難なうえ、リスニングポイントが限定される問題がありました。今回開発した技術を使うことで、全てのシートで立体音響の圧倒的な没入感を体感することができます。

ゴルフ事業関連では、「inpres」の新シリーズとして、「inpres DRIVESTAR」を開発しました。「inpres DRIVESTAR」は、独自技術による圧倒的な飛びと直進性を実現しながら、シャープで構えやすい正統派のヘッド形状を両立した「inpres」の新シリーズです。アベレージゴルファーから上級者まで幅広い層をターゲットとする一方で、プロゴルファーもその性能と感性を認めています。ドライバーは、独自の「BOOSTBOX」によるボール初速アップと、ウェイトを最適に配置する「COUNTERWEIGHT SYSTEM」によるルール限界クラスの横慣性モーメントが、圧倒的な飛びと直進性を生み出します。アイアンは、飛びの最大効率化を実現する「3POINT RESONANCE TECHNOLOGY」の搭載と、高い強度を持つステンレス系新素材「X37」を採用した精密鋳造による1.1mmの極薄ソールとの相乗効果で打点の反発性能をアップさせました。また、キャビティ部に46gものタングステンを搭載した低重心設計による高弾道も実現しています。これらの性能を搭載しながら、アイアンらしい形状も両立させた、飛距離性能も形状も妥協しない革新的アイアンです。

 その他の事業の研究開発費は4,392百万円であります。

 

 当社グループの当連結会計年度末における日本での特許及び実用新案の合計所有件数は2,184件であります。