第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

(資本業務提携契約及び新株の発行)

当社は、平成27年11月5日の取締役会において、オンキヨー株式会社(以下、「オンキヨー」といいます。)と資本業務提携契約(以下、「本契約」といいます。)を締結すること、及びオンキヨーが発行した第三者割当による新株式を当社が引き受けること(以下、「本株式引受」といいます。)、並びに当社がオンキヨーを割当先とした第三者割当による新株式の発行(以下、「本第三者割当増資」といいます。)を実施することを決議いたしました。平成27年11月24日にオンキヨーと本契約を締結し、同日付でオンキヨーが発行した第三者割当による本株式引受に関する払込手続、及び当社がオンキヨーを割当先とした本第三者割当増資に関する払込手続が完了いたしました。本契約の概要は以下のとおりです。

 

1. 資本業務提携の理由

当社とオンキヨーとは、両社がお互いの株式を保有する資本提携の内容に加え、両社グループの技術力、ブランド力を融合し、また相互の経営資源を有効に補完し合うことで、新規カテゴリ製品の共同開発による新規市場の開拓、両社製品の販売拡大、製品や教育サービスにおける付加価値向上を実現するとともに、両社グループのサービス・販売部門等の各拠点の設備を相互利用するなどの事業基盤の有効活用を通じた経営の効率化を目指していくことを含めた資本業務提携契約を締結いたしました。

 

2. 資本業務提携の内容等

本提携の内容は以下のとおりです。

① 電子楽器等の新規カテゴリ製品や、カワイ音楽教室とオンキヨーグループのハイレゾ音源配信サービスと

で連携して行う新サービス開始に向けた両社による研究開発と販売

② 上記新規カテゴリ製品や新サービス及び両社製品やサービスのマーケティングにおける連携

③ コールセンター等のサービス拠点、国内外の事業所の相互利用を含めた、バックオフィスにおける連携

④ 電子部品、木材等の調達や、生産における連携

⑤ 株式の相互保有

(ア) オンキヨーが新たに取得した当社の株式の数:450,500株、本第三者割当増資後の発行済株式総数に

対する割合 5.00%

(イ) 当社が新たに取得したオンキヨーの株式の数:8,080,600株、本株式引受後の発行済株式総数に対す

る割合 9.94%

 

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間における日本経済は、企業収益は改善傾向にあるものの、中国経済の減速、米国利上げによる新興国への影響懸念など、先行き不透明な状況で推移しました。
 このような経営環境のもと、当社グループは、第4次中期経営計画の最終年度として、グローバルブランドの確立をはじめとした将来ビジョンの実現に向け、企業価値向上のための諸施策に取り組んでおります。そのような中、昨年末に開催された『第9回浜松国際ピアノコンクール』において、公式ピアノである当社フラッグシップモデル『SK-EX』を弾いたアレクサンデル・ガジェヴ氏(イタリア)が優勝、第三位・第四位入賞者も『SK-EX』を選択するという、当社にとって大きなトピックがありました。
 当第3四半期においては、国内外で最高級グランドピアノ『Shigeru Kawai』を中心とした高付加価値商品の販売拡大に注力、学研グループとのアライアンス強化、また新たにオンキヨー株式会社と資本業務提携契約を締結するなど、事業の拡大、経営の効率化に努めてまいりました。
 国内では、営業体制を刷新し、教室・販売・アフターサービスを一体化したユニット体制による営業活動を展開するとともに、中核都市への店舗戦略として大宮・横浜・広島の直営店舗をそれぞれ移転・リニューアルしました。海外においては、好調な電子ピアノの拡販に取り組むとともに、米国・ヒューストンに海外初の直営店をオープン、ロシア・モスクワにショールームをオープンする一方、新興国におけるピアノの普及価格帯モデルの販売拡大などの施策を進めました。また、重要市場である中国においては、「河合音楽教育・中日友好交流基金」を通じて中日友好交流コンサートを日中両国で開催し、カワイブランドの認知拡大や信頼性の向上に努めました。また、中国における楽器販売・調律・音楽教育などの事業の構築・拡大を統括する子会社を、本年3月に北京市に新たに設立する予定です。
 これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、国内、海外での楽器販売の増加などにより、50,040百万円(前年同四半期比 1,940百万円増)となりました。営業利益につきましては、1,917百万円(前年同四半期比 608百万円増益)となり、経常利益は 1,998百万円(前年同四半期比 192百万円増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,433百万円(前年同四半期比 257百万円増益)となりました。

 

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

(楽器)

楽器事業は、国内では営業体制刷新による活動の効率化、販売力の強化により『Shigeru Kawai』を中心にピアノの販売が増加し、電子ピアノについても主力のCNシリーズや木製鍵盤搭載モデルCAシリーズが好調に推移し販売が増加しました。
 海外においては、ピアノは北米や中国で販売が伸長し、電子ピアノについては中国を中心に販売が増加しました。
 この結果、売上高は為替影響もあり 27,981百万円(前年同四半期比 2,778百万円増)となり、営業利益は 577百万円(前年同四半期比 536百万円増益)となりました。

(教育関連)

教育関連事業は、学研グループとのアライアンス、重点戦略であるピアノコースの拡大や、教室の新設、運営効率の改善に積極的に取り組みましたが、生徒数の減少などにより、売上高は 12,440百万円(前年同四半期比 31百万円減)、営業利益は 794百万円(前年同四半期比 2百万円減益)となりました。

(素材加工)

素材加工事業は、金属事業における半導体関連の受注減少などにより、売上高は 7,812百万円(前年同四半期比 619百万円減)となりましたが、CVT(無段変速機)関連部品の受注が堅調だったことや、塗装事業における自動車内装部品の受注増加、生産効率の向上などにより、営業利益は 687百万円(前年同四半期比 117百万円増益)となりました。

(情報関連)

情報関連事業は、IT機器の販売減少により、売上高は 1,659百万円(前年同四半期比 207百万円減)となり、営業損失は 99百万円(前年同四半期比 64百万円悪化)となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、売掛金減少の一方で現金及び預金が増加、また業務資本提携先である株式会社学研ホールディングス及びオンキヨー株式会社の株式取得による投資有価証券の増加などにより、47,495百万円(前連結会計年度末比 2,290百万円の増加)となりました。
 負債合計は、借入金の増加や未払金の減少などにより、26,936百万円(前連結会計年度末比 13百万円の増加)となりました。
 純資産合計は、平成27年11月にオンキヨー株式会社を割当先とした第三者割当による新株式発行により資本金が513百万円、資本準備金が 513百万円それぞれ増加したことなどがあり、20,558百万円(前連結会計年度末比 2,277百万円の増加)となりました。

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者(以下「方針決定を支配する者」といいます。)の在り方について、基本的には、株主の自由な判断に基づいた当社株式の自由な取引を通じて決定されるべきものであると考えており、上場企業として多様な投資家に当社の株主となっていただき、また、その様々な意見を当社の財務及び事業の方針の決定に反映させることが望ましいと考えております。

昨今のわが国の資本市場においては、経営陣の同意なく、会社支配権の取得を意図して株式を大量に買付けよ
うとする事例も少なくありません。このような買付けの中には、当社及び当社グループの顧客、取引先、地域社
会、従業員等ステークホルダーの利益を著しく損なう蓋然性の高いものや、株主に十分な判断の時間や判断の材
料を与えないものなど、当社の企業価値及び株主共同の利益に照らして望ましくない買付けが行われることも予
想される状況にあります。

当社は、このような当社の企業価値及び株主共同の利益に照らして、望ましくない買付けを行おうとする者に
対して、方針決定を支配する者となる機会を与えることは、株主からの様々な意見を当社の財務及び事業の方針
の決定に反映させるためには望ましくないものと考えております。

また、当社事業の主軸は音楽・教育分野にあり、これらの事業は単にハードやソフトを提供することにとどま
るものではなく、文化に深く関わる事業であると考えております。このような事業の運営においては、経済的側
面のみならず、文化的側面も視野に入れたバランスのとれた経営姿勢が不可欠であると考えております。かかる
観点から、方針決定を支配する者においては、このような経営姿勢についても、十分に理解していることが望ま
しいと考えております。

② 基本方針に関する取組み

(ⅰ) 財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、以下のような取組みを鋭意実行することが、当社の企業価値及び株主共同の利益を向上させること
となり、さらなる多様な投資家からの当社への投資を促進させ、結果として、上記①の基本方針の実現に資す
るものであると考えております。

 

(a) 当社は、平成28年3月までの3ヵ年を対象期間とする「第4次中期経営計画」を、平成25年4月1日より
遂行中であります。「第4次中期経営計画」では、事業の選択と集中を行い堅実な成長と利益の確保を図ることを基本方針に、構造改革による収益力のある成長企業を目指すとともに、国内楽器事業で培った三位一体体制のグローバルな展開に取り組んでおります。

(b) 当社は適切な組織体制の構築のために、以下の取組みを行っております。
 当社は、意思決定の迅速化と経営陣の責任の明確化のために、執行役員制度を採用して業務執行と監督の
分離に取り組むとともに、取締役の任期を1年として、ガバナンス体制の強化を図っております。
 また当社は、独立性の高い社外取締役及び社外監査役を選任し、取締役の業務執行の監督、監査に当たら
せております。加えて、平成27年6月からは社外取締役を1名増員して2名とすることにより、さらなるガ
バナンスの強化を図ってまいります。

(c) 上記のほかにも、機関投資家や証券アナリストへの説明会の開催、個人投資家向けのIR活動の推進によ
り株主との長期安定的な信頼関係の構築に努めてまいります。

 

(ⅱ) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

平成22年6月29日開催の当社第83期定時株主総会に基づき更新いたしました当社株式の大規模買付行為に
関する対応方針を平成25年6月27日開催の第86期定時株主総会における株主の承認により内容を一部改定の
うえ、新たな対応方針(以下「本プラン」といいます。)として更新しております。(本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載されている平成25年5月28日付プレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の更新について」にて開示しております。)

 

③ 当社の取組みが、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

 

(ⅰ) ②(ⅰ)の取組みについて

「第4次中期経営計画」に掲げました施策に関する当社の取組みは、究極的にはステークホルダー全体の
利益を実現するための施策として当社経営陣に課せられた課題であると考えておりますので、株主共同の利
益を害するものではなく、また、当社の会社役員の地位を維持することを目的とするものでもありません。

執行役員制度、取締役の1年任期制、社外取締役の増員、社外監査役による取締役の業務執行監査につい
ては、いずれも適正な業務執行を担保するために導入したものであり、株主共同の利益を害することにはな
りませんし、また当社の会社役員の地位を維持するためのものでもありません。

機関投資家や証券アナリストへの説明会の開催、個人投資家向けのIR活動の推進についても、株主共同
の利益を害するものではなく、投資家の判断に資することを目的として行おうとするものですので、当社の
会社役員の地位を維持するものでもないと考えております。

(ⅱ) ②(ⅱ)の取組みについて

本プランは、以下のような点から、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社
役員の地位の維持を目的とするものではないものと考えております。

 

(a) 本プランの内容は、大規模買付者に対して事前に大規模買付情報の提供及び大規模買付行為の是非を判断
する時間を確保することを求めることによって、大規模買付者の提案に応じるか否かについて株主の適切な
判断を可能とするものです。したがって、株主共同の利益を害するものではなく、基本方針に沿う内容とな
っております。

 

(b) 本プランにおいて、対抗措置が発動される場合としては、大規模買付者が予め定められた大規模買付ルー
ルを遵守しない場合や、当社企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合に限定しており
ます。このように、対抗措置の発動は当社の企業価値及び株主共同の利益に適うか否かという観点から決定
することとしておりますので、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、また、当社の会社
役員の地位の維持を目的としないものとしております。

 

(c) 本プランにおいては、独立性の高い社外者を構成員とした独立委員会を設置し、対抗措置の発動を当社取
締役会が判断するにあたっては、独立委員会の勧告を最大限尊重することとしております。また、当社取締
役会において、必要に応じて外部専門家等の助言を得ることができるものとしております。このように、対
抗措置を発動できる場合か否かの判断について、当社取締役会の恣意的判断を排除するための仕組みを備え
る内容となっており、株主共同の利益を害するものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的と
するものでもないといえます。

 

本プランは、更新後3年毎に、本プランの期間更新又は廃止について、定時株主総会の議案として上程し、株主
に対して本プランの継続の是非を直接判断いただくこととしております。また、取締役の任期を1年としているこ
とを前提として、毎年、定時株主総会における取締役の選任議案に各取締役候補者の本プランに関する賛否を記載
するとともに、定時株主総会後、最初に開催される取締役会において、株主より選任された取締役が本プランの継
続または廃止の決議を行い、決議結果を速やかに株主及び投資家へ開示することとしております。

このように、本プランの継続については、株主の意思が直接反映されるよう努めており、株主共同の利益を害す
ることのないよう、また、当社の会社役員の地位の維持につながることのないよう努めております。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、525百万円であります。