第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間における日本経済は、政府による経済政策を背景として企業収益や雇用情勢が改善するなど緩やかな回復基調が続きましたが、中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の景気の下振れや、英国のEU離脱決定による金融市場の混乱が懸念されるなど、世界経済は先行き不透明な状況で推移しました。

このような経営環境のもと、当社グループは100年ブランドとしての企業価値向上を推進し、長期的な安定成長を目指すことを基本方針とした中期経営計画か『Resonate2018』で掲げる主要戦略と基盤づくりの遂行に取り組んでまいりました。
 同計画の初年度である当第1四半期は、収益体質の強化に向け、最高級グランドピアノ『Shigeru Kawai』を中心とした国内市場における高付加価値戦略、海外市場におけるエリア戦略に努めるとともに、品質向上と将来を見据えたモノづくり、素材加工事業の拡大・新規開拓などの施策を推し進めました。

国内では、教室・販売・アフターサービスを一体化した地域ユニット体制による営業活動を強化するとともに、継続的に進めている店舗戦略としてカワイ福岡をリニューアルしました。
 海外では、販売網の強化のため米国のヒューストンに続くダラスでの直営店開設の準備や、新興国における普及価格帯ピアノの販売強化を進めました。重要市場である中国においては楽器販売・調律・音楽教育などの事業の構築・拡大を統括する新会社を設立しました。
 また、資本業務提携をしたオンキヨー株式会社と共同開発したデジタルピアノのコンセプトモデル『CS-X1』を本年4月に開催されたフランクフルトミュージックメッセに出展し、好評を得ました。今後さらにシナジーを深化させ、新たな製品の開発を進めてまいります。音楽教室では新しい教室価値創造に向けて資本業務提携をした学研グループとの協業にも力を入れています。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は 15,756百万円(前年同四半期比 266百万円増)、営業利益につきましては 250百万円(前年同四半期比 239百万円増益)となりましたが、為替差損の発生により経常利益は 20百万円(前年同四半期比 135百万円減益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は 140百万円(前年同四半期比 156百万円減益)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

(楽器)

楽器事業は、ピアノ販売は中国や欧州を中心に好調に推移し、デジタルピアノ販売についても欧州を中心に堅調に推移しましたが、円高による為替影響により、売上高は 8,545百万円(前年同四半期比 113百万円減)となりました。営業利益は、主力の鍵盤楽器販売の増加や原価低減などにより 31百万円(前年同四半期比 183百万円増益)となりました。

(教育関連)

教育関連事業は、ピアノコースに特化した生徒募集の強化や教室の新設など、収益力の向上に取り組んだ結果、生徒数の減少に歯止めがかかり、売上高は 3,868百万円(前年同四半期比 24百万円増)となりました。営業利益は、売上高の増加に加え、教室の運営効率の改善などにより 41百万円(前年同四半期比 19百万円増益)となりました。

 

(素材加工)

素材加工事業は、金属事業における半導体関連部品の受注が減少したことなどにより売上高は 2,368百万円(前年同四半期比 188百万円減)となりましたが、自動車関連部品の増加などにより営業利益は 228百万円(前年同四半期比 16百万円増益)となりました。

(情報関連)

情報関連事業は、医療機関向けのIT機器の販売により売上高が 925百万円(前年同四半期比 540百万円増)となり、営業損失は 30百万円(前年同四半期比 32百万円改善)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、売上債権の減少などにより、48,009百万円(前連結会計年度末比 1,508百万円の減少)となりました。

負債合計は、支払手形及び買掛金の減少などにより、28,804百万円(前連結会計年度末比 87百万円の減少)となりました。

純資産合計は、配当金の支払いによる利益剰余金の減少や為替変動に伴う為替換算調整勘定の減少などにより、19,204百万円(前連結会計年度末比 1,422百万円の減少)となりました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者(以下「方針決定を支配する者」といいます。)の在り方について、基本的には、株主の自由な判断に基づいた当社株式の自由な取引を通じて決定されるべきものであると考えており、上場企業として多様な投資家に当社の株主となっていただき、また、その様々な意見を当社の財務及び事業の方針の決定に反映させることが望ましいと考えております。

昨今のわが国の資本市場においては、経営陣の同意なく、会社支配権の取得を意図して株式を大量に買い付けようとする事例も少なくありません。このような買付けの中には、当社及び当社グループの顧客、取引先、地域社会、従業員等ステークホルダーの利益を著しく損なう蓋然性の高いものや、株主に十分な判断の時間や判断の材料を与えないものなど、当社の企業価値及び株主共同の利益に照らして望ましくない買付けが行われることも予想される状況にあります。

当社は、このような当社の企業価値及び株主共同の利益に照らして、望ましくない買付けを行おうとする者に対して、方針決定を支配する者となる機会を与えることは、株主からの様々な意見を当社の財務及び事業の方針の決定に反映させるためには望ましくないものと考えております。

また、当社事業の主軸は音楽・教育分野にあり、これらの事業は単にハードやソフトを提供することにとどまるものではなく、文化に深く関わる事業であると考えております。このような事業の運営においては、経済的側面のみならず、文化的側面も視野に入れたバランスのとれた経営姿勢が不可欠であると考えております。かかる観点から、方針決定を支配する者においては、このような経営姿勢についても、十分に理解していることが望ましいと考えております。

 

② 基本方針に関する取組み

(ⅰ) 財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、以下のような取組みを鋭意実行することが、当社の企業価値及び株主共同の利益を向上させることとなり、さらなる多様な投資家からの当社への投資を促進させ、結果として、上記①の基本方針の実現に資するものであると考えております。

 

(a) 当社は、平成31年3月までの3ヵ年を対象期間とする新中期経営計画「Resonate2018」を平成28年4月1
日より遂行中であります。同計画では、ビジョンとして「Resonate2018 -100周年に向けて- トップブラ
ンドであるために」の下、「信頼と革新を追求し、感動体験を提供することで、KAWAIファンを拡大する。
また音楽文化の更なる普及に努め続けることで、次の100年も選ばれ続けるピアノトップブランドを目指
す。」を掲げ、100年ブランドとしての企業価値を推進し、長期的な安定成長の実現を目指すことを基本方
針に、目標指標である営業利益率5%以上に向け、収益力の向上を図るべく、主要戦略とこれを推進してい
くための基盤づくりに取り組んでおります。

 

(b) 当社は適切な組織体制の構築のために、以下の取組みを行っております。

当社は、意思決定の迅速化と経営陣の責任の明確化のために、執行役員制度を採用し、業務執行と監督の
分離に取り組むとともに、取締役の任期を1年としております。
 また当社は、独立性の高い社外取締役及び社外監査役を選任し、取締役の業務執行の監督、監査に当たら
せております。加えて、平成27年6月からは社外取締役を2名選任し、同年12月には社外役員4名と社内取
締役3名から構成されるコーポレートガバナンス委員会を設けることにより、さらなるコーポレートガバナ
ンスの強化を図っております。

 

(c) 上記のほかにも、機関投資家や証券アナリストへの説明会の開催、個人投資家向けのIR活動の推進により株主との長期安定的な信頼関係の構築に努めてまいります。

 

(ⅱ) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

平成25年6月27日開催の当社第86期定時株主総会に基づき更新いたしました当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下「旧プラン」といいます。)を平成28年6月28日開催の第89期定時株主総会における株主の承認により基本的に旧プランを継承し、新たな対応方針(以下「本プラン」といいます。)として更新しております。(本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載されている平成28年5月24日付プレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の更新について」に開示しております。)

 

③ 当社の取組みが、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

(ⅰ) ②(ⅰ)の取組みについて

新中期経営計画「Resonate2018」に関する当社の取組みは、究極的にはステークホルダー全体の利益を実現するための施策として当社経営陣に課せられた課題であると考えておりますので、株主共同の利益を害するものではなく、また、当社の会社役員の地位を維持することを目的とするものでもありません。

執行役員制度、取締役の1年任期制、社外取締役の増員、社外監査役による取締役の業務執行監査、コーポレートガバナンス委員会の設置については、いずれも適正な業務執行を担保するために導入したものであり、株主共同の利益を害することにはなりませんし、また当社の会社役員の地位を維持するためのものでもありません。

機関投資家や証券アナリストへの説明会の開催、個人投資家向けのIR活動の推進についても、株主共同の利益を害するものではなく、投資家の判断に資することを目的として行おうとするものですので、当社の会社役員の地位を維持するものでもないと考えております。

 

(ⅱ) ②(ⅱ)の取組みについて

本プランは、以下のような点から、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないものと考えております。

 

(a) 本プランの内容は、大規模買付者に対して事前に大規模買付情報の提供及び大規模買付行為の是非を判断する時間を確保することを求めることによって、大規模買付者の提案に応じるか否かについて株主の適切な判断を可能とするものです。したがって、株主共同の利益を害するものではなく、基本方針に沿う内容となっております。

 

(b) 本プランにおいて、対抗措置が発動される場合としては、大規模買付者が予め定められた大規模買付ルールを遵守しない場合や、当社企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合に限定しております。このように、対抗措置の発動は当社の企業価値及び株主共同の利益に適うか否かという観点から決定することとしておりますので、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的としないものとしております。

 

(c) 本プランにおいては、独立性の高い社外者を構成員とした独立委員会を設置し、対抗措置の発動を当社取締役会が判断するにあたっては、独立委員会の勧告を最大限尊重することとしております。また、当社取締役会において、必要に応じて外部専門家等の助言を得ることができるものとしております。このように、対抗措置を発動できる場合か否かの判断について、当社取締役会の恣意的判断を排除するための仕組みを備える内容となっており、株主共同の利益を害するものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないといえます。

 

本プランは、更新後3年毎に、本プランの期間更新又は廃止について、定時株主総会の議案として上程し、株主に対して本プランの継続の是非を直接判断いただくこととしております。また、取締役の任期を1年としていることを前提として、毎年、定時株主総会における取締役の選任議案に各取締役候補者の本プランに関する賛否を記載するとともに、定時株主総会後、最初に開催される取締役会において、株主より選任された取締役が本プランの継続又は廃止の決議を行い、決議結果を速やかに株主及び投資家へ開示することとしております。

このように、本プランの継続については、株主の意思が直接反映されるよう努めており、株主共同の利益を害することのないよう、また、当社の会社役員の地位の維持につながることのないよう努めております。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、156百万円であります。