第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間における日本経済は、政府の経済対策により雇用情勢や企業収益の改善がみられ緩やかな回復基調が続きましたが、世界経済は米国の貿易政策や中国をはじめとする新興国経済の減速懸念などにより先行き不透明な状況で推移しました。

 このような経営環境のもと、当社グループは中期経営計画「Resonate2018」の最終年度として、100年ブランドとしての企業価値向上の推進と長期的な安定成長を目指し、掲げている主要戦略と基盤づくりに取り組みました。

 国内ではこれまで継続的に進めてきた『Shigeru Kawai』をはじめとした高付加価値販売の為の店舗戦略として、6月に「カワイ仙台」をリニューアルオープンしました。最大100名収容可能なコンサートサロンを併設し、東北エリアの音楽文化発信の拠点として、お客様とのタッチポイントの拡大を進めています。

 海外では、米国やドイツでの直営店展開の強化により鍵盤楽器の販売拡大を図るとともに、中国や東南アジアでは、当社の強みである販売・音楽教室・調律・生産の四位一体のノウハウを活かして、中長期的な成長に向けた展開を推進しました。

 また、昨年創立90周年の節目に合わせ創設し、大きな反響を頂いた『Shigeru Kawai国際ピアノコンクール』の第2回を本年8月に開催し、引き続き次世代を担うピアニストの発掘・育成や、世界の音楽文化の振興にも力を入れてまいります。

 これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は 17,449百万円前年同四半期比 8.3%増)、営業利益につきましては 625百万円前年同四半期比 143.3%増)となり、経常利益は 672百万円前年同四半期比 122.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 342百万円前年同四半期比 228.1%増)となりました。

 

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

(楽器教育事業)

 楽器教育事業は、主力のピアノは中国での伸長をはじめ、北米や国内で販売が堅調に推移し、フラッグシップモデルの『Shigeru Kawai』は国内を中心に伸長しました。デジタルピアノは昨年刷新した最上位モデルの「CAシリーズ」が好調で、欧州や日本、中国で販売が伸びました。この結果、売上高は 14,222百万円前年同四半期比 11.7%増)となり、営業利益は 408百万円前年同四半期比 1,376.1%増)となりました。

(素材加工事業)

 素材加工事業は、半導体関連部品や自動車の内装部品の受注が減少したことなどにより、売上高は 2,524百万円前年同四半期比 11.8%減)となり、営業利益は 230百万円前年同四半期比 24.0%減)となりました。

(その他)

 その他の事業は、医療機関向けIT機器の販売やソフトウェア開発の受託の増加などにより、売上高は 701百万円前年同四半期比 34.2%増)となり、営業損失は4百万円(前年同四半期 営業損失55百万円)となりました。

 

 また、財政状態の状況は次のとおりであります。

 

 当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、現金及び預金やたな卸資産の増加などにより 53,204百万円(前連結会計年度末比 0.6%増)となりました。

 負債合計は、支払手形及び買掛金や未払金の増加などにより 30,309百万円(前連結会計年度末比 2.4%増)となりました。

 純資産合計は、為替換算調整勘定の減少などにより 22,894百万円(前連結会計年度末比 1.8%減)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 なお、当社は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者(以下「方針決定を支配する者」といいます。)の在り方について、基本的には、株主の自由な判断に基づいた当社株式の自由な取引を通じて決定されるべきものであると考えており、上場企業として多様な投資家に当社の株主となっていただき、また、その様々な意見を当社の財務及び事業の方針の決定に反映させることが望ましいと考えております。

 昨今のわが国の資本市場においては、経営陣の同意なく、会社支配権の取得を意図して株式を大量に買い付けようとする事例も少なくありません。このような買付けの中には、当社及び当社グループの顧客、取引先、地域社会、従業員等ステークホルダーの利益を著しく損なう蓋然性の高いものや、株主に十分な判断の時間や判断の材料を与えないものなど、当社の企業価値及び株主共同の利益に照らして望ましくない買付けが行われることも予想される状況にあります。

 当社は、このような当社の企業価値及び株主共同の利益に照らして、望ましくない買付けを行おうとする者に対して、方針決定を支配する者となる機会を与えることは、株主からの様々な意見を当社の財務及び事業の方針の決定に反映させるためには望ましくないものと考えております。

 また、当社事業の主軸は音楽・教育分野にあり、これらの事業は単にハードやソフトを提供することにとどまるものではなく、文化に深く関わる事業であると考えております。このような事業の運営においては、経済的側面のみならず、文化的側面も視野に入れたバランスのとれた経営姿勢が不可欠であると考えております。かかる観点から、方針決定を支配する者においては、このような経営姿勢についても、十分に理解していることが望ましいと考えております。

 

② 基本方針に関する取組み

(ⅰ)財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社は、以下のような取組みを鋭意実行することが、当社の企業価値及び株主共同の利益を向上させることとなり、さらなる多様な投資家からの当社への投資を促進させ、結果として、上記①の基本方針の実現に資するものであると考えております。

 

(a)当社は、平成31年3月までの3ヵ年を対象期間とする中期経営計画「Resonate2018」を平成28年4月1日より遂行中であります。同計画では、ビジョンとして「Resonate2018 -100周年に向けて- トップブランドであるために」の下、「信頼と革新を追求し、感動体験を提供することで、KAWAIファンを拡大する。

 また音楽文化の更なる普及に努め続けることで、次の100年も選ばれ続けるピアノトップブランドを目指す。」を掲げ、100年ブランドとしての企業価値を推進し、長期的な安定成長の実現を目指すことを基本方針に、目標指標である営業利益率5%以上の達成に向け、主要戦略とこれを推進していくための基盤づくりに取り組んでおります。

 

(b)当社は適切な組織体制の構築のために、以下の取組みを行っております。

 当社は、意思決定の迅速化と経営陣の責任の明確化のために、執行役員制度を採用し、業務執行と監督の分離に取り組むとともに、取締役の任期を1年としております。

 また当社は、独立性の高い社外取締役及び社外監査役を選任し、取締役の業務執行の監督、監査に当たらせております。加えて、平成27年6月からは社外取締役を2名選任し、同年12月には社外役員4名と社内取締役3名から構成されるコーポレート・ガバナンス委員会を設け、さらなるガバナンスの強化を図っております。

 

(c)上記のほかにも、機関投資家や証券アナリストへの説明会の開催、個人投資家向けのIR活動の推進により、株主との長期安定的な信頼関係の構築に努めてまいります。

 

(ⅱ)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 平成25年6月27日開催の当社第86期定時株主総会に基づき更新いたしました当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下「旧プラン」といいます。)を平成28年6月28日開催の第89期定時株主総会における株主の承認により基本的に旧プランを継承し、新たな対応方針(以下「本プラン」といいます。)として更新しております。(本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載されている平成28年5月24日付プレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の更新について」に開示しております。)

 

③ 当社の取組みが、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

(ⅰ)②(ⅰ)の取組みについて

 中期経営計画「Resonate2018」に関する当社の取組みは、究極的にはステークホルダー全体の利益を実現するための施策として当社経営陣に課せられた課題であると考えておりますので、株主共同の利益を害するものではなく、また、当社の会社役員の地位を維持することを目的とするものでもありません。

 執行役員制度、取締役の1年任期制、社外取締役の増員、社外監査役による取締役の業務執行監査、コーポレート・ガバナンス委員会の設置については、いずれも適正な業務執行を担保するために導入したものであり、株主共同の利益を害することにはなりませんし、また当社の会社役員の地位を維持するためのものでもありません。

 機関投資家や証券アナリストへの説明会の開催、個人投資家向けのIR活動の推進についても、株主共同の利益を害するものではなく、投資家の判断に資することを目的として行おうとするものですので、当社の会社役員の地位を維持するものでもないと考えております。

 

(ⅱ)②(ⅱ)の取組みについて

 本プランは、以下のような点から、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないものと考えております。

 

(a)本プランの内容は、大規模買付者に対して事前に大規模買付情報の提供及び大規模買付行為の是非を判断する時間を確保することを求めることによって、大規模買付者の提案に応じるか否かについて株主の適切な判断を可能とするものです。したがって、株主共同の利益を害するものではなく、基本方針に沿う内容となっております。

 

(b)本プランにおいて、対抗措置が発動される場合としては、大規模買付者が予め定められた大規模買付ルールを遵守しない場合や、当社企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうと認められる場合に限定しております。このように、対抗措置の発動は当社の企業価値及び株主共同の利益に適うか否かという観点から決定することとしておりますので、基本方針に沿い、株主共同の利益を害するものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的としないものとしております。

 

(c)本プランにおいては、独立性の高い社外者を構成員とした独立委員会を設置し、対抗措置の発動を当社取締役会が判断するにあたっては、独立委員会の勧告を最大限尊重することとしております。また、当社取締役会において、必要に応じて外部専門家等の助言を得ることができるものとしております。このように、対抗措置を発動できる場合か否かの判断について、当社取締役会の恣意的判断を排除するための仕組みを備える内容となっており、株主共同の利益を害するものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないといえます。

 

 本プランは、更新後3年毎に、本プランの期間更新又は廃止について、定時株主総会の議案として上程し、株主に対して本プランの継続の是非を直接判断いただくこととしております。また、取締役の任期を1年としていることを前提として、毎年、定時株主総会における取締役の選任議案に各取締役候補者の本プランに関する賛否を記載するとともに、定時株主総会後、最初に開催される取締役会において、株主より選任された取締役が本プランの継続又は廃止の決議を行い、決議結果を速やかに株主及び投資家へ開示することとしております。

 このように、本プランの継続については、株主の意思が直接反映されるよう努めており、株主共同の利益を害することのないよう、また、当社の会社役員の地位の維持につながることのないよう努めております。

 

(4)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、166百万円であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

重要な契約の解除

 当社は平成30年6月27日の取締役会において、オンキヨー株式会社との資本業務提携につきまして、資本提携を解消することを決議しました。なお、資本提携を解消したのちも同社との業務提携は継続いたします。

 

1 契約解除の理由

 当社とオンキヨー株式会社は、平成27年11月24日付の資本業務提携締結以来、業務提携面でこれまでに一定の成果が得られており、今後業務提携を継続することについて、資本提携がなくとも両社にとって支障がないものと判断し、資本提携関係を解消することについて平成30年6月27日付にて両社で合意をいたしました。

 

2 契約の相手会社の名称

オンキヨー株式会社

 

3 契約の解除の時期

平成30年6月27日

 

4 契約の内容

平成27年11月24日締結の資本業務提携契約書による資本提携を解消いたします。

業務提携関係は今後も継続し、両社の企業価値向上に向けた取り組みを推進してまいります。

 

5 契約の解除が営業活動等へ及ぼす重要な影響

 業務提携は引き続き維持するため、営業活動等には影響はありません。

 なお、当社が所有するオンキヨー株式会社の株式は 8,080,600株(当第1四半期連結会計期間の四半期連結貸借対照表計上額 937百万円)です。