文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年9月30日)におけるわが国経済は、政府の金融政策や円安、アメリカ、中国などの海外経済の好調を受けて国内企業収益が改善し、雇用・所得環境にも改善の動きがみられるなど堅調に推移しました。一方、世界各地で発生するテロや北朝鮮問題などの政治リスク、人手不足の懸念などにより、先行きについては慎重な姿勢をくずさないような状況で推移しました。
このような状況のもと、当社グループでは、販売活動を一層活発化させるとともに、工場の生産性向上に努めました。その結果、当第3四半期連結累計期間につきましては、ロボット機器事業における米国の連結子会社が持分法適用会社となったことにより売上高が減少し、売上高42億2千7百万円(前年同期比5.3%減)となりました。利益につきましては、営業損失8百万円(前年同期営業利益1千6百万円)となりましたが、持分法による投資利益などにより経常利益1千3百万円(前年同期比288.9%増)、投資有価証券売却益1億7百万円の計上などにより、親会社株主に帰属する四半期純利益9千1百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純損失
7千7百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(文具事業)
文具事業につきましては、万年筆をはじめとした高価格帯製品は堅調だったものの、ボールペン、マーカーペンなどの低価格帯製品がふるわず、売上高29億9千1百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント損失1千7百万円(前年同期セグメント利益5百万円)となりました。
(ロボット機器事業)
ロボット機器事業につきましては、国内外の設備投資の活発化により主力製品の射出成型機用取出ロボットや特注装置の売上が堅調に推移したものの、米国の連結子会社が持分法適用会社になった影響が大きく、売上高12億3千5百万円(前年同期比13.8%減)となりました。利益につきましては、セグメント利益8百万円(前年同期比25.1%減)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産の状況)
資産合計は、米国の連結子会社が持分法適用会社になった影響や借入金の返済などにより、前連結会計年度末に比べて3億9千6百万円減少し、47億3千4百万円となりました。このうち流動資産は、現金及び預金の減少3億2千万円等により、3億3千2百万円減少して34億4百万円となりました。固定資産につきましては、投資有価証券の減少9千2百万円などにより、前連結会計年度から6千4百万円減少して、13億3千万円となりました。
(負債の状況)
負債合計は、前連結会計年度に比べて3億7千8百万円減少し、29億1千5百万円となりました。このうち、流動負債は、短期借入金の返済による減少1億8千1百万円、支払手形及び買掛金の減少1億4千1百万円等により、前連結会計年度末より3億7千9百万円減少し、18億9千4百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末より1百万円増加し、10億2千1百万円となっております。
(純資産の状況)
純資産は、前連結会計年度末から1千8百万円減少して、18億1千8百万円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当社は、その製品において『最高の品質』を追求することにより、『顧客満足度の最大化』を目的に研鑽を重ね、その継続的な努力により『SAILOR』ブランドの価値向上をはかるとの経営理念に基づき、開発型メーカーとして常に新しく開発した製品を世に送り出し、世の中に貢献していくことを目的に、積極的な研究開発活動を行っております。
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は6千1百万円となっております。なお、各セグメントの研究開発活動は以下の通りであります。
(文具事業)
文具事業につきましては、『顧客満足度の最大化』を達成するため、高機能・高品質かつ安全性に配慮した製品の開発を行ってまいります。下半期におきましては、低価格帯の液体ボールペン「ICリキッド」、中高価格帯の「四季織」シリーズ、また、万年筆インクの新型小型ボトルを発売しました。今後は好評の万年筆インクにつきまして、ラインナップを拡充していくほか、当社の強みである中高価格帯のボールペンを市場投入し、国内外市場への売り込みを強化してまいります。
(ロボット機器事業)
ロボット機器事業の研究開発活動としましては、引き続き主力製品の射出成形機用取出ロボットの新機種の開発を進めてまいります。当社製品の特長である高精度、高耐久性に加え、「操作性・高速化」を追求してまいります。ユーザーインターフェイスであるコントローラーにつきましては、一層の使いやすさを追求するとともに、作動安定性が高く、ネットワーク機能を強化した新型コントローラーを市場投入してまいります。10月の展示会で好評を博した超高速機種のラインナップ化を推し進めてまいります。
さらに、既存技術を応用した射出成形付帯装置の開発改良に取り組み、拡販を進めてまいります。
(5)継続企業の前提に関する重要事象等を解消又は改善するための対応策
当社は、当第3四半期連結累計期間において、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益を計上することができましたが、前連結会計年度まで継続して重要な親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
このような状況に対応するため、当社は以下の施策を実行し、基幹事業の経営基盤の強化を行い、収益力の強化を図ることにより、当該状況の改善を実現できると考えております。
1. 企業方針及び会社経営の基本方針
当社は、開発型メーカーとしてその製品において『最高の品質』を追求することにより、『顧客満足度の最大化』を図るべく研鑽を重ね、その継続的な努力により『SAILOR』ブランドの価値を向上していくことを企業方針としております。
基本方針は、次のとおりです。
①社会・文化の発展に貢献
社会のニーズを取り入れ、最高の書き味をお届けするとともに、「手書き」文化に貢献します。
②顧客満足度の最大化
高機能・高品質及び洗練されたデザインの製品をお客様にお届けするとともに、全社を挙げて、お客様満足の最大化に努めます。
③ステークホルダーと信頼関係の構築
効率的な経営、業績の成長を目指し、ステークホルダーに信頼される企業に成るべく努めます。
④従業員の尊重
活気ある職場を構築し、従業員一人一人の特性や能力が発揮できる環境を作ります。
⑤信頼される経営
法令、規則、定款、社内規程を遵守し、透明性の高い社内統治、適正な開示により、広く社会から信頼される企業を目指します。
2. 中期経営計画の実施
当社は、上記の基本方針を踏まえ、主力の文具事業、ロボット機器事業の2事業に、限られた経営資源を集中していくことで、より市場性の高い、高品質な製品を供給してまいります。研究開発を強化し、自社製品の販売比率を上げていくことで、一層の利益拡大を目指します。
○基本戦略
①当社の得意分野、競争力のある分野に、経営資源を集中します。
②研究開発を強化し、独創性に富む製品を提供して参ります。
③組織をスリム化し、変化する市場に対し迅速な経営判断に努めます。
④積極的な海外戦略を実施し、海外売上の拡大を目指します。
⑤国内市場におけるシェアを拡大します。
⑥業務内容を見直し、一層の経費節減を進めてまいります。
⑦既存資産の見直しを実施して、資産効率の向上を目指します。
○事業部戦略
(文具事業)
①万年筆の拡販
・万年筆の魅力を伝え、万年筆を使ってもらうための施策を積極的に実施していきます。
・万年筆インクの新開発を進め、万年筆を使う楽しさを増大させます。
・生産能力を拡大し、リードタイムを短縮することで、お客様にタイムリーに製品をお届けする体制を整えます。
②ボールペンの拡販
・中高価格帯の製品ラインナップを充実させ、幅広い顧客ニーズに応えていきます。
③OEM製品の拡充
・OEM製品の拡充により、生産設備の効率化を図ります。
④研究開発の強化
・顧客目線の製品開発をいたします。
・書き味に定評のある油性ボールペンの新製品開発をいたします。
⑤海外市場の強化
・万年筆、万年筆インクを海外市場へ積極的に売り込んでいきます。
・海外代理店の新規構築と既存代理店との一層の協力体制を確立していきます。
⑥収益改善の強化
・生産性を高め、コストダウンを実現していきます。
・品質の向上に努め、メーカー価値を向上させていきます。
(ロボット機器事業)
①取出機の強化
・壊れない取出機というSAILOR品質を維持し、一層の向上を目指します。
・全軸ラック&ピニオン駆動により耐久性及び樹脂製ラックにより静音性を向上させます。
②営業の強化
・顧客、成形機メーカーに担当者を割り振り、対話による情報収集をします。
・営業力強化の為、説明資料を充実させ、ブランドを高め顧客対応力を取得します。
③研究開発の強化
・メーカー目線でなく、営業担当者との同行により情報収集し、顧客目線の製品開発を行っていきます。
・無線機能、自動制震制御で他社との差別化を実現します。
・環境に配慮した省エネロボット、7軸駆動の標準化を実施します。
・超高速機の拡張性を高めます。
④海外市場の強化
・海外子会社との技術、製品情報共有(連結決算重視)による子会社販売力の強化を行います。
・海外代理店の新規構築と既存代理店の定期訪問を行い協力を強化していきます。
⑤収益性の強化
・生産性を高めてコストダウンを実現(高品質は維持)していきます。
・顧客と定期点検契約等を結び、アフターサービスや工事関係の収益増強をします。
しかしながら、これらの対応策の実現可能性と成否は、市況、需要動向、他社製品との競合等の影響下による成果に負っており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を四半期連結財務諸表には反映しておりません。