第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社のグループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

『経営理念』

社是

進歩的で高品質なセーラー商品により会社を興隆し社会・文化の発展に貢献すること

社訓

責任に生きよ

行動理念

お客様の満足度を最大化します

活気ある職場をつくります

革新的な技術開発を行います

永続性のある企業経営を目指します

独創性に富む商品を提供します

信頼される企業集団になります

コーポレートアイデンティティ

セーラー万年筆のコーポレート・アイデンティティを構成する三つの言葉

 

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真・技・美の三位一体

真( “本物” だけを愚直に追い続ける。逆に本物でないものを捨てる勇気を持つ。)、技(何度向き合っても「完成」はない。それが「技」と「作業」の違いである。伝統に裏打ちされながらも常に高みへの挑戦を続ける姿勢。)、美(日本の美意識をすべての製品と企業活動に昇華させる。使う人、持つ人の心を震わす美を求め続ける。)の三位一体をもって、唯一無二の万年筆メーカーを目指します。

 

新たなビジュアル・アイデンティティ

 

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信頼と希望の象徴である「錨」。「Anchor」の語源となる古代ギリシャ語は「曲がった腕」を意味し、船を力強く繋ぎ止める錨に、 古代の人々は目に見えない神秘的なエネルギーや神の加護を感じてきました。 これまでも、これからも、セーラー万年筆の象徴として。希望・信頼の象徴である「錨」モチーフはそのままに、技術力の力強さと繊細で日本的な美意識をロゴマークに込めることで創業初期の精神を伴ったまま現代に昇華させ、そして未来へつなげていきます。

ロゴタイプはセーラー万年筆の創業当時の魂が宿る初期の美しいグラフィックの元に、簡素化することで美を見出す日本の美意識を込めました。

 

また、新CIカラーとして、「SAILOR BLUE – 黎明」を設定しました。長く大陸文化を受け入れてきた港町・呉において、創業者・阪田久五郎の見た景色―。「黎明」は夜明けの意味と共に、新しいことが始まる時を指します。夜明け前の瀬戸内の海に見たであろう、これから来る今日への希望。その目に映った希望の姿を我々も見続けること。原点へ思いを馳せながら日本の手仕事による確かな技術と美意識を以ってその海の先に広がる世界へ向けて出航します。

 

ものづくり思想

あまたある筆記具の中から、セーラー万年筆を選んでくださるお客さまがいます。

“お客さまに喜んでいただきたい”という私たちの思いは、ときに型破りな発想や、遊び心を引き出し、さらなる機能の追求へと駆り立ててきました。

“手書き文化を支える先駆者であり続けながら、自らも厳しい目を持つ書き手であれ”

創業以来、私たちの中に息づくこだわりは、精緻をきわめた細部の技術にまで至り、本物の美しさを浮かび上がらせます。セーラーの筆記具を手にしたお客さまは、機能に裏打ちされた美しさを感じ、表現する喜びにあふれることでしょう。

人びとの感性をゆさぶる道具を、つくり続けていくこと。私たちのものづくりへの思いと挑戦する魂は続きます。果敢に進む力こそ、未来を切りひらくと信じて。

 

(2) 経営戦略

セーラー万年筆は、新たに策定した「コーポレート・アイデンティティ」あるいは「ものづくり思想」といった企業ビジョンを具体的な企業活動に反映し、安定的に一定額以上の収益を確保するために、全員一致協力し、努力を続けます。

 

1.収益に関する方針

・2021年12月期連結営業利益目標105百万円を達成します。

・事業の健全な運営に必要なキャッシュ(運転資金)を確保・維持します。

・プラス(株)グループ各社との連携を強化し、文具事業部・ロボット機器事業部双方でシナジー効果による利益を創出します。

・将来の事業成長を担う海外事業の育成に努めます。

 

2.働きがいに関する方針

・新しいワークスペース作りを行い、社員が安全で働きやすい環境をつくります。

・人事・賃金制度の構造全体を見直すために専門チームを作り、検討に着手します。

・社会の要請に応え、子育て、介護をしながらでも働きやすい制度の確立、定年制度や再雇用制度の見直しを実施します。

 

3.未来に向けた投資に関する方針

・生産性の向上を図り、災害リスクに備えた工場とするため、広島工場の建替えを進めます。

・広島工場の製造設備の更新と増設を行い製造能力の増強を図ります。

・広島工場の建替えにあたり、クリーンエネルギーを積極活用するなど地球環境にやさしい設計を行います。

・研究設備を整えると共に、研究要員の増強を図り将来に向けた研究開発を促進します。

・ぺんてる(株)との連携を強化し、青梅工場の体制の充実化を図り、ロボット事業の技術開発力を高めます。

・新しいワークスタイルに合わせた情報インフラの整備、サプライチェーンの生産性向上、ペーパーレスを含めた管理業務の効率化など、デジタルトランスフォーメーションを実現する情報インフラへの投資を積極的に進めます。

 

4.従来から取り組んできたフォレステーショナリー活動を拡大し、持続可能な開発目標(SDGs)にある「陸の豊かさも守ろう」に貢献します。

 

5.社内の意識改革に関する方針

・事業計画を全社員で共有し、一度決めた目標を、不屈の精神と創意工夫を持って最後まで粘り強くやり遂げる「執着心」を醸成します。

・社員ひとりひとりが自らに枠を設けず、勇気をもって新たなことに挑戦し続けるチャレンジ精神を大切にします。

・オンラインを含めたあらゆる手段を駆使し、社員間のコミュニケーションを充実させ、プラス(株)グループへの出向者を含む社員全員がセーラー万年筆の向かうべき方向を共有できるようにします。

・プラス(株)グループとの人材交流を活発に行い、社内に新しい感覚や風土を取り入れ、また出向先で新しい空気を吸収することで、セーラー万年筆社員の内なる変革を促します。

 

(3) 経営数値目標

安定的な経営を行うため、「売上高経常利益率3.0%以上」をこの3ヵ年の目標としております。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題等

新型コロナウイルス感染症の流行に関しては先行き不透明な状況でありますが、ワクチン接種も始まり、経済活動は今後少しずつ改善していくことが期待されます。しかしながら、一世紀ぶりのパンデミックは、人々の生活に多大なる影響を及ぼし、価値観やライフスタイルに大きな変化をもたらすことが予測されています。このような状況のもと、企業活動は、この大きな変化を見通し、先取りする施策が求められています。

当社グループは、この社会変化に適応し、生産性向上のための投資、販売方法・販売ルートの見直し、働き方の改善などの施策によって、業績向上と社会貢献を目指してまいります。得意分野、競争力を持った分野に経営資源を集中し、積極的に投資を行っていくことで生産性を向上し、売上高の増加、収益の確保を目指します。

なお、当社は、当社現況の変化と社会情勢の変化に対応するため、2020年2月に見直しを発表した中期経営計画(2020年から2022年まで)を変更して、新たに中期経営計画(2021年から2023年まで)を策定し、2021年3月5日に日本証券取引所及び当社ホームページにおいて発表いたしました。

 

1.前中期経営計画(2020年から2022年まで)見直しの背景

当社は、数年にわたる経営不振から脱却するため、2015年末に新執行部を発足し、不採算事業からの撤退と自社製品販売比率の向上を進め、経営再建に努めてまいりました。しかし、2018年には広島県呉市の広島工場(旧天応工場)が豪雨被害に遭い、2020年には新型コロナウイルス感染症の拡大により経済が停滞するなど内外の様々な要因により、計画に沿った再建は進められませんでした。このような状況の下、当社グループは、プラス株式会社との業務・資本提携により企業価値の向上・再建を進めることを決定しました。これに基づき、2020年7月にはプラス株式会社を対象とする第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債20億円の発行を行い、広島工場敷地内での新工場建設及び万年筆製造設備の更新・増強計画に着手しております。また、新たなコーポレート・アイデンティティ、ビジュアル・アイデンティティの策定やこれまでの天応工場を「広島工場」への呼称変更など、企業イメージ・企業風土の刷新を図っております。更には、プラスグループで新たに設立した文具販売会社「コーラス株式会社」に参画して文具事業の国内営業部門を委託するなど、積極的な投資、改革に着手しております。

このような状況を踏まえ、当社は、2020年2月14日に発表した中期経営計画(2020年から2022年まで)を見直し、新たな中期経営計画(2021年から2023年まで)を策定することといたしました。

 

2.新中期経営計画(2021年から2023年まで)の概要

(文具事業)

当社の強みである万年筆及び万年筆用インクの販売は国内外で好調を維持しており、万年筆の増産・生産性向上、付加価値向上を目指してまいります。また、コーラス(株)への参画により、当社筆記具に関わる販売員、販売チャネルは増加しており、汎用価格帯筆記具の拡販を目指します。更に、付加価値向上の取り組み強化により、安定的に利益を生み出せる体制を整えてまいります。

 

(ロボット機器事業)

剛性と耐久性、生産性の良さで評価される当社射出成形機用取出ロボットについて、その汎用性を生かして、新型コロナウイルス感染症対策に関連した医療機器業界へのアプローチ強化、地球温暖化対策関連業界へのアプローチ強化など、世の中の変化に合わせた機動的な販売強化を実施してまいります。また、ぺんてる(株)との協業による自動化装置への取り組み強化、生産設備のスマートファクトリー化に必要なIoTへの取り組みの強化などにより、顧客の生産性向上と品質の安定性に貢献してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 新型コロナウイルス感染症によるリスク

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、他人との接触を減らし外出が制限されるなど、経済活動が抑制され、当社グループの受注に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの従業員の感染などによる生産への影響、物流も含めたサプライチェーンの停滞などの影響を受ける可能性があります。

このように新型コロナウイルス感染症がもたらす非常事態については、収束に至る見通しは依然として混沌とした状況にありますが、当社グループは従業員や取引先など関係者の皆さまの健康と安全の確保を最優先しつつ、供給責任を果たすための各種対応策を実施しております。

①生産、調達面

生産拠点の分散化、十分な在庫量の確保等リスク低減に努めておりますが、今後、生産稼働制限の延長や新たな稼働制限の通達がなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、原材料等は部材調達先の分散等の対策を講じておりますが、一部の原材料等については、特定のサプライヤーからの調達に依存しており、これらの調達が困難となった場合、一部の製品での供給が困難になる可能性があります。

②販売面

感染症の影響により経済活動が抑制され急速に世界景気が減速することが予測されており、その影響が長期化する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。文具事業においては、経済活動の抑制や外出自粛等により一般消費者の店舗等での販売・購買機会の喪失、外国人の入国制限によるインバウンド需要の減少等が続く場合には、売上高に大きな影響を及ぼす可能性があります。ロボット機器事業においては、顧客の生産動向や各機器の投資需要などを注視し、必要なものをタイムリーに供給できる体制を構築してまいりますが、一般消費者の最終消費動向により影響を受ける可能性があります。

③物流面

航空便減便に伴う物流リードタイムの長期化や物流費の上昇が発生しており、その影響が長期化する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。代替便や代替ルートによる輸送を実施し、影響を最小限に抑えるように努めてまいります。

(2) 受注額の変動

ロボット機器事業におきましては、国内外の設備投資状況に連動して受注額が大きく変動します。当社では安定した需要のある食品容器関連や医療機器関連業界への自動機の受注に注力して参ります。

(3) 海外市場での売掛債権管理

文具事業及びロボット機器事業においては、海外市場へ積極的に販売促進を行いますが、それにより売掛サイトも長期化しやすく、カントリーリスク、為替リスクを含めた総合的な債権管理の強化がより一層必要となります。

(4) 新製品の開発

文具事業におきましては、少子化が進行しつつある中、筆記具業界は競争が激化しております。このような状況の下、新製品が市場から支持を獲得できるか否かが売上に直結します。市場ニーズは多様化しており、また、製品のサイクルが年々短くなってきております。このような中で新製品の投入時期や競合品の販売状況等が将来の成長と収益に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 棚卸資産の緩動化

文具事業では製品サイクルの短縮化、ロボット機器事業では技術革新による仕様変更が今後も引き続き、製品のみならず原材料についても緩動化の可能性があり、今後一層の在庫管理が必要となります。

(5) 有利子負債と利子負担

運転資金につきましては、主に銀行借入等によっております。有利子負債は長期的には減少傾向にありますが、2020年12月末の借入金残高は9億9千9百万円であり、金利情勢、その他の金融市場の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 原材料等の調達

当社グループは、樹脂材、金属材などを原材料として使用しております。これらの原材料が予期せぬ経済的あるいは政治的事情により、予定していた単価で安定的に調達できなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 海外拠点のリスク

当社グループでは、海外市場での事業拡大を重点戦略の1つとしており、海外では為替リスクに加え、不安定な政情、金融不安、文化や商習慣の違い、特有の法制度や予想しがたい投資規制・税制変更、労働力不足や労務費上昇、知的財産権保護制度の未整備等、国際的活動の展開に伴うリスクがあります。

当社グループでは、EU、東南アジアに海外販売拠点を構築し、海外リスクに留意したグローバル事業展開を進めてまいりますが、各国の政治・経済・法制度等の急激な変化は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 情報システム

当社グループは、重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、情報システムに対して適切なセキュリティを実施しておりますが、停電、災害、ソフトウェアや情報機器の欠陥、停止、一時的な混乱、内部情報の紛失、改ざんなどのリスクにより営業活動に支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9)人材の確保

当社グループの中長期的な成長は従業員個々人の力量に大きく依存するため、適切な時期に優秀な人材を確保し雇用を維持することが必須であると認識しております。当社グループでは継続的に人材の確保と育成に注力しておりますが、人材の確保が計画通り進まなかった場合や既存の人材が社外に流出した場合には、当社グループの将来の成長、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 自然災害、感染症の発生によるリスク

当社グループの生産、販売拠点において地震、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の破損、原材料部品の調達停止により、生産拠点の一時的な操業停止や物流網の混乱が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、感染症の発生や蔓延は、行動の制限や消費マインド減退に伴う売上の低下が予想され、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次の通りであります。

(1)財政状態及び経営成績

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の流行により各国でロックダウンが実施されるなど景気は急速に悪化し、きわめて厳しい状況が続きました。日本経済においても、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、4月に緊急事態宣言が発出されたことをはじめ、インバウンド需要の蒸発、個人消費の減少など、経済活動は厳しい状況となりました。

 このような状況のもと、当社グループは、文具事業の立て直しのため、プラスグループにおいて新たに起業した国内文具販売会社「コーラス株式会社」に参画して販売力の拡大を目指すとともに、7月に20億円の転換社債型新株予約権付社債を発行し、文具事業の広島工場における新工場建設準備に着手するなど、積極的な経営施策に取り組みました。しかしながら、業績につきましては、新型コロナウイルス感染症流行による経済活動停滞の影響は大きく、当連結会計年度は売上高47億9千8百万円(前期比9.9%減)、営業損失7千5百万円(前期営業損失2千1百万円)となりました。支払利息や社債発行費の計上などにより、経常損失1億2千4百万円(前期経常損失4千4百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1億3千6百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失1億3千9百万円)となっております。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

(文具事業)

 文具事業の状況につきましては、経済活動が厳しい中、増産の取り組みを続けている主力製品の万年筆及び万年筆インクの国内外での販売は好調に推移しました。しかしながら、国内販売では新型コロナウイルス感染症の対策による影響などから、仕入商品である輸入筆記具の落ち込みが大きく、またボールペン等の低価格帯の筆記具もふるわなかった結果、売上高32億2千7百万円(前期比12.0%減)と大きく減少しました。利益につきましては、セグメント損失1億3千7百万円(前期セグメント損失6千1百万円)となっております。

(ロボット機器事業)

 ロボット機器事業につきましては、コロナウイルス感染症の流行による景気の先行きに対する警戒感により設備投資等が先送りされた影響などから、売上高15億7千1百万円(前期比5.2%減)と減少しました。一方、利益につきましては、付加価値向上への取り組みなどにより、セグメント利益6千2百万円(同51.9%増)となっております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて15億8千7百万円増加し、28億4千1百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果支出した資金は、1億7千9百万円(前期は1億1千2百万円の増加)となりました。主な増加要因としては、売上債権の減少額1億8千3百万円、減価償却費4千5百万円などで、主な減少要因としては、税金等調整前当期純損失1億2千1百万円、たな卸資産の減少額2億1千9百万円などであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、有形固定資産の取得による支出1億7千9百万円などにより、1億9千4百万円の減少(前期は3千万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、社債の発行による収入19億7千6百万円などにより、19億6千8百万円の増加(前期は7百万円の減少)となりました。

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

前年同期比(%)

文具事業(千円)

2,599,262

105.2

ロボット機器事業(千円)

1,511,971

92.4

合計(千円)

4,111,233

100.1

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

前年同期比(%)

文具事業(千円)

604,022

74.8

ロボット機器事業(千円)

合計(千円)

604,022

74.8

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ロボット機器事業

1,664,642

94.7

615,692

117.9

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.文具事業においては、見込生産を行っております。

(4)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

前年同期比(%)

文具事業(千円)

3,227,580

88.0

ロボット機器事業(千円)

1,571,328

94.8

合計(千円)

4,798,908

90.1

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 以下に記載の内容は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当連結会計年度末における資産・負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積もりが含まれております。

なお、連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りであります。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

(資産)

 資産合計は、前連結会計年度末に比べて19億2千8百万円増加し、69億4千2百万円となりました。

このうち、流動資産は、現金及び預金の増加15億8千7百万円、仕掛品の増加1億6千7百万円、受取手形及び売掛金の減少1億7千3百万円などにより、17億2千9百万円増加して56億6百万円となりました。固定資産につきましては、新工場建設準備等による建物及び構築物(純額)の増加1億1千5百万円、建設仮勘定の増加7千9百万円などにより、前連結会計年度から1億9千8百万円増加して、13億3千5百万円となりました。

(負債)

 負債合計は、転換社債型新株予約権付社債発行などにより前連結会計年度末に比べて20億7千7百万円増加し、48億9千2百万円となりました。このうち流動負債は、賞与引当金の増加1千5百万円、支払手形及び買掛金の減少1千万円、流動負債のその他(未払金など)の増加8千3百万円などにより、前連結会計年度末より7千7百万円増加し、19億円となりました。固定負債は、転換社債型新株予約権付社債発行による増加20億円などにより、前連結会計年度末より20億円増加し、29億9千1百万円となりました。

(純資産)

 純資産は、利益剰余金の減少1億3千6百万円などにより、前連結会計年度末から1億4千8百万円減少して、20億4千9百万円となりました。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

(グループの経営成績に重要な影響を与える要因)

当社グループの経営に影響を与える要因としては、文具業界の市場動向及びロボット機器事業に影響を及ぼす国内外の設備投資状況、樹脂材・金属材等の資材費動向、海外市場強化に伴う為替動向、万年筆をはじめとする供給体制等が挙げられます。

 これらの要因を踏まえ当連結会計年度における経営成績の分析は以下の通りであります。

 

①売上高

当社グループの売上高は、47億9千8百万円(前期比9.9%減)となりました。このうち、文具事業の売上高は32億2千7百万円(前期比12.0%減)、ロボット機器事業の売上高15億7千1百万円(前期比5.2%減)となりました。

文具事業につきましては、万年筆及び万年筆インクの国内外での販売は好調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の流行による経済活動停滞などにより輸入筆記具の落ち込みが大きく、またボールペン等の低価格帯の筆記具もふるいませんでした。ロボット機器事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の流行による経済の先行きに対する警戒感により、設備投資等が先送りされた影響などにより前年より減少しました。

 

②営業利益

当社グループの営業利益は、7千5百万円の営業損失(前期営業損失2千1百万円)となりました。そのうち、文具事業におきましては、セグメント損失1億3千7百万円(前期セグメント損失6千1百万円)となりました。ロボット機器事業におきましては、セグメント利益6千2百万円(前期比51.9%増)となりました。これは、付加価値向上に努力した結果です。

 

③経常利益

支払利息や社債発行費の計上などにより、経常損失1億2千4百万円(前期経常損失4千4百万円)となりました。

 

④親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純損失は1億3千6百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失1億3千9百万円)となりました。

 

 

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主な資金需要は、運転資金としては原材料及び商品仕入、製造費及び販売費・一般管理費等の営業費用、設備投資資金としては中長期的な成長に必要な設備投資であります。

運転資金及び設備投資資金については、内部資金及び銀行等金融機関からの借入並びに社債発行によっております。

なお、当連結会計年度末における借入金残高は9億9千9百万円、社債残高は20億円であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は28億4千1百万円となっております。

 

(6) 経営上の達成状況について

当社グループは、2020年~2022年までの経営目標として売上高経常利益率3.0%以上(2020年度)を掲げてまいりましたが、市場環境の変化等により、2020年の目標は未達となりました。このような状況の下、最近の状況を踏まえ、当該経営目標を見直し、新たに今後3年間の業績目標を設定することといたしました。

内容につきましては、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(1)会社の経営の基本方針(2)経営戦略(3)経営数値目標に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

1.2020年6月23日開催の取締役会において、次のとおり国内文具営業の業務をコーラス株式会社に業務委託することを決議、同年7月14日に営業委託契約を締結いたしました。

 (1)業務委託の目的

収益を安定的に確保していくために、プラス株式会社が新たに設立した国内文具マーケティング・営業・販売機能を統合したプラットフォームカンパニーである「コーラス株式会社」に国内文具営業の業務を委託し、販売力の強化と物流機能の効率化によりコストダウン等を実現する。

 (2)契約の内容

コーラス株式会社に文具事業の国内営業業務を委託する。

コーラス株式会社には、現在メーカー4社が参画しており、参画メーカーはそれぞれ社員を出向させ、共同で営業活動を行う。顧客との取引は、従来通り参画メーカーそれぞれの直接取引とし、参画メーカーはコーラス株式会社に営業業務委託手数料を支払う。

 (3)コーラス株式会社の概要

・商号 :コーラス株式会社(CHORUS CORPORATION)

・本店所在地 :東京都港区虎ノ門四丁目1番28号

・代表者 :代表取締役社長 今泉 壮平

(プラス株式会社取締役ステーショナリーカンパニー国内営業本部長)

・設立年月日 :2020年5月14日

・事業開始日 :2020年8月1日

・資本金 :1億円(プラス株式会社 100%出資)

・従業員数 :244 名(出向社員を含む)

・拠点 :東京、大阪、福岡、名古屋、札幌、仙台、広島、その他

 

2.2020年7月31日に、ぺんてる株式会社(以下「ぺんてる」という。)とロボット機器事業に関する業務提携基本合意契約に関する基本合意を締結いたしました。

(1)本業務提携の理由及び目的

当社グループは、来年創立110周年を迎える万年筆を中心とした文具メーカーである一方、1969年より射出成形機用取出ロボットの製造販売を開始し50年以上の実績を有する産業用ロボットのメーカーでもあります。当社産業用ロボットは、高剛性、耐久性に特長があり、主力の射出成形機用取出ロボットを筆頭に、古くはカセットテープ、CDなどの記録媒体の製造装置、近年では、食品容器のラベルインサートシステムや医療機器分野の自動組立装置などの実績を積み重ねてまいりました。

一方、ぺんてるは、クレヨンなどの画材、サインペン、水性ボールペンなどの文具有力メーカーとして知られておりますが、さらに、筆記具の製造装置内製化を通じて自動化機械・省力化設備に関わる多くの要素技術を蓄積・活用し、自動車や医療業界などに自動組立機械を外販しております。ぺんてるの産業用ロボットは、インサート成形、充填、性能試験(画像検査を含む)、切断、洗浄などの技術に特長があります。

このような両社の技術を活用し、協業・営業協力を実施することで、更なる事業拡大が見込まれることから、この度、両社は、ロボット機器事業について販売領域での業務提携に向けた基本合意を締結いたしました。

当社は、長年にわたる業績不振から脱却するため、2018年にプラス株式会社と業務・資本提携契約を締結し、文具事業に関して業務改革を進めております。ロボット機器事業につきましても、ぺんてるとの協業を進め、業務改革を加速してまいります。

(2)本業務提携の内容

・両社は、ロボット機器事業において、それぞれの技術・ノウハウならびに営業基盤等を活用し、業務を拡大・発展させるために、協力体制を構築し推進する。

・両社は、顧客の同意を得て、お互いの顧客に対して最適の機械設備、サービスを提供できる営業活動を実施する。

・顧客へのロボット機器の搬入・設置作業及びメンテナンスサービスについて協力作業を実施する。

・ロボット取出機標準品(セーラー“sigma”、ぺんてる“PUHA”)の販売においては、相互に代理店契約を締結し営業活動を行う。

 (3)本業務・資本提携の相手方の概要

名称

ぺんてる株式会社

所在地

東京都中央区日本橋小網町7番2号

代表者の役職・氏名

代表取締役社長 小野 裕之

事業内容

1.文具事務用品(画材、筆記具など)の製造販売

2.電子機器(タッチパネル、タッチスイッチ、ペンタブレットなど)の製造販売

3.産業用ロボット、産業用自動組立機、射出成形用精密金型、精密ハンドプレスの製造販売

4.化成品関連製品(化粧品部品、医療機器など)の製造販売

資本金

4億5,000万円

設立年月日

1946年3月

決算期

3月

従業員数

723人(単体)

主要取引先

全国文具店、その他

主要取引銀行

三菱UFJ銀行、みずほ銀行

当事会社間の関係

 

 

 

 

資本関係

該当事項はありません。

 

人的関係

該当事項はありません。

 

取引関係

製品卸売販売に関する取引があります。

 

関連当事者への

該当状況

該当事項はありません。

最近3年間の経営成績及び財政状態(単体)

決算期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

純資産

12,069

12,386

9,945

総資産

34,141

33,547

31,525

売上高

24,023

23,506

22,641

営業利益

542

72

△250

経常利益

580

470

△201

当期純利益

574

385

△2,388

(単位:百万円。特記しているものを除く。)

 

5【研究開発活動】

当社は、2020年度に新たに策定した「真・技・美」をキーワードとした『コーポレート・アイデンティティあるいは『ものづくり思想といった「企業ビジョン」を事業に具現化するため、研究開発活動に積極的に取り組んでいます。

当連結会計年度における各セグメントの研究開発活動は以下の通りであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、89百万円となっております。

 

(文具事業)

文具事業の研究開発活動といたしましては、様々な素材を活用した高級万年筆の製品の充実を図ると共に、当社の特色である万年筆ペン先の字幅を拡充し、万年筆の拡売と利益の向上に貢献しています。また、次世代を見据えた新規万年筆の開発にも力を注ぎ、世界市場において、同マーケットのリーディングカンパニーになるべく研究活動を続けております。また、昨今市場で盛り上がりを見せる万年筆インキとそれを楽しむ文化の創造に対しても、そのトップメーカーとして製品開発・普及啓蒙活動両面で大きく寄与しております。

文具事業に係る研究開発費は82百万円であります。

(ロボット機器事業)

ロボット機器事業につきましては、優れた耐久性による生産性の高さが評価されている射出成形機用自動取出ロボットの安全性をさらに高める開発を進めてまいります。特注生産自動化装置は医療機器・食品容器業界をはじめ様々な分野に、今までの実績を活かし自動化の提案をいっそう強化していきます。また、工場設備のスマートファクトリー化に必要なIoTへの取り組みを進め、顧客の生産性向上と品質の安定性に貢献してまいります。海外市場につきましても東南アジアへは射出成形機用自動取出ロボット、北米へは特注生産自動化装置の導入を進めて参ります。

ロボット機器事業に係る研究開発費は6百万円であります。