第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大による事業への影響については、今後の推移状況を注視してまいります。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

なお、当第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間(2022年1月1日~2022年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症によるまん延防止措置が解除され経済活動の活発化が期待されましたが、ウクライナ情勢、中国のロックダウンなどの影響による部品・原材料不足、エネルギー、食糧の価格高騰など、先行きに対する期待と不安が交錯する状況で推移しました。

当社グループは、文具事業の立て直しを中心とした抜本的な経営改革を進めており、当第2四半期連結累計期間につきましても、改革を進めつつ積極的な販売活動を展開するとともに工場生産性の向上に努めました。その結果、文具事業は堅調に推移したものの、ロボット機器事業の業績が厳しく、当第2四半期連結累計期間は、売上高24億8千5百万円(前年同期比5.9%減)、営業損失1百万円(前年同期営業利益4千万円)、経常利益1千万円(前年同期比74.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失3百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純利益2千8百万円)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

(文具事業)

文具事業につきましては、主力製品である万年筆および万年筆用インクの売上が、国内・海外ともに堅調に推移し、新製品の売上も順調に推移した結果、売上高19億3千1百万円(前年同期比15.9%増)、セグメント利益6千万円(前年同期セグメント損失3千4百万円)となりました。

(ロボット機器事業)

ロボット機器事業につきましては、半導体やプラスチック材料不足による部品調達の長期化などにより、客先企業に減産や設備投資見送りが発生し、また、医療機器の特注装置に関しても設備投資がひと段落した影響等を受け、売上高5億5千3百万円(前年同期比43.2%減)、セグメント損失6千1百万円(前年同期セグメント利益7千4百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

期末日満期手形の会計処理については、従来、満期日に決済が行われたものとして処理しておりましたが、2022年5月23日の親会社の異動に伴い、親会社の会計方針に統一するため、当第2四半期連結会計期間より手形交換日をもって決済処理する方法に変更いたしました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

(資産の状況)

資産合計は、前連結会計年度末に比べて2億3百万円減少し、69億7千3百万円となりました。このうち、流動資産は、現金及び預金の減少4億4千6百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少1億2千万円、商品及び製品の減少9千5百万円等により、前連結会計年度末から5億8千3百万円減少して47億9千6百万円となりました。固定資産につきましては、広島工場建設などによる有形固定資産の増加3億7千8百万円等により、前連結会計年度末から3億8千万円増加して、21億7千6百万円となりました。

(負債の状況)

負債合計は、新株の発行による転換社債型新株予約権付社債20億円の減少等により前連結会計年度末に比べて22億5百万円減少し、28億6千万円となりました。このうち、流動負債は、前連結会計年度末より1億7百万円減少し、19億1千6百万円となりました。固定負債は、前述の転換社債型新株予約権付社債の減少20億円、文具事業の営業部門委託先であるコーラス株式会社への従業員転籍による退職給付に係る負債の減少9千4百万円等により、前連結会計年度末より20億9千8百万円減少し、9億4千3百万円となりました。

(純資産の状況)

純資産は、転換社債型新株予約権付社債の権利行使による新株の発行等により、連結会計年度末から20億2百万円増加して、41億1千3百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

期末日満期手形の会計処理については、従来、満期日に決済が行われたものとして処理しておりましたが、2022年5月23日の親会社の異動に伴い、親会社の会計方針に統一するため、当第2四半期連結会計期間より手形交換日をもって決済処理する方法に変更いたしました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて4億4千6百万円減少し、20億2千3百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、4千8百万円の支出(前年同期は4千6百万円の収入)となりました。主な増加要因は、売上債権の減少額1億2千3百万円、減価償却費4千万円、棚卸資産の減少額5千6百万円等で、主な減少要因は、退職給付に係る負債の減少額9千5百万円、仕入債務の減少額1億6千2百万円、前受金の減少額2千3百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、3億9千4百万円の支出(前年同期は1億7千3百万円の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出3億9千万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1千2百万円の支出(前年同期は4百万円の支出)となりました。主な減少要因は、株式の発行による支出8百万円であります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

(会社の経営の基本方針)

新型コロナウイルス感染症の流行に関しては先行き不透明な状況でありますが、感染症発生から3年目となり、政府の対策や人々の感染対策などにより、経済活動は今後改善していくことが期待されます。しかしながら、新型コロナや各国の金融政策の影響などによる原材料価格上昇や不足が発生し、更に、欧州情勢が緊迫するなど、世界経済の先行きは一層不透明となっております。このような状況のもと、企業活動は、経済・社会や人々のライフスタイルの変化を見通し、先取りする施策が求められています。

当社は、この社会変化に適応し、生産性向上のための投資、販売方法・販売ルートの見直し、働き方の改善などの施策によって、業績向上と社会貢献を目指してまいります。

 

〇新中期経営計画(2022年から2024年まで)の概要

(文具事業)

新型コロナウイルス感染症のまん延等により大きく状況が変化した世界経済の状況下においても、当社の強みである万年筆及び万年筆インクの販売は国内・海外で好調を維持しています。一方で、ボールペン等の低価格品は厳しい状況が続いています。このような状況から、当社は、限られたリソースと資金を万年筆および各種インクに集中して行くことで、業績の伸長を図ることといたします。ブランド戦略を強化し、万年筆のブランド戦略、新製品開発、製造能力の強化により海外及び国内における万年筆及び万年筆インクの販売拡大を実現してまいります。一方で、ボールペン等をはじめとした筆記具全般の企画・研究開発力を強化し、将来の状況変化にも適応できる体制を整えてまいります。

 

(ロボット機器事業)

ロボット機器事業につきましては、新型コロナウイルス感染症対策に関連した医療機器業界へのアプローチを継続するとともに、剛性と耐久性・生産性の良さで評価される当社射出成形機用取出ロボットを、その汎用性を生かし、世の中の変化に合わせて様々な業界への販路拡大を目指してまいります。また、ぺんてる株式会社との協業による生産自動化装置への取り組み、生産設備のスマートファクトリー化に必要なIoTへの取り組みなどにより、顧客の生産性向上と品質の安定性に貢献してまいります。

 

『2022年度 会社方針』

2022年度、先ずはセーラー万年筆の成長と繁栄の中核となる拠点として、文具事業の広島新工場が竣工・稼働開始いたします。全社が一体となって広島新工場での製造力と製品開発力の増強に取り組んでまいります。また、プラスグループ文具事業の販売会社として2020年に設立されたコーラス株式会社が、よりセーラー万年筆の国内営業の力となり、文具国内市場での成長と収益確保に繋がる組織となるよう、両社が一致協力し新しい営業の仕組みを作ってまいります。

ロボット機器事業におきましては、収益力と成長力を継続的で確かな力にするため、新しい技術の獲得と新規顧客の開拓に努めます。

また海外市場に対し、当社は文具事業、ロボット機器事業両事業において新規市場開拓のためのより積極的な活動を行うとともに、セーラー万年筆ブランドの認知とブランド価値向上のための投資を進めてまいります。

更に、従業員が、将来への希望と安心感を持って働くことができるように「人事制度改革」を2022年度に実行いたします。

2021年度に達成した文具事業・ロボット機器事業両事業の黒字化という実績を、2022年は継続性のある確かで、安定的なものとし、更なる高い収益力のある会社となり、株主様をはじめとしたステークホルダーの皆様が誇りを持てる会社に変革してまいります。

 

1.収益に関する方針

①2022年度、文具事業・ロボット機器事業双方で二年連続での事業営業利益を確保します。

②新工場建設後も事業の健全な運営に必要なキャッシュ(運転資金)を確保し、更なる成長のための投資が行える資金を創出します。

③文具事業・ロボット機器事業双方で海外事業の育成に努め、将来の事業成長を担う収益の源泉とします。

④万年筆のアンテナショップであるancoraなど、メーカーが消費者に対して直接接点を設け商品を販売するD2Cビジネスを強化していきます。

⑤文具事業・ロボット機器事業双方で製造原価低減のため、生産/在庫計画・工程管理・原価管理のプロセスを改革と製品付加価値の向上を行います。

⑥プラスグループ各社との連携を強化し、文具事業・ロボット機器事業双方でシナジー効果による利益を拡大していきます。

 

2.未来に向けた投資に関する方針

①広島工場建替え:2022年度稼働開始、生産性の向上を図り、災害リスクに備えた工場とします。

②広島工場の製造設備の更新と増設を行い製造能力の増強と品質の向上を図ります。

③研究設備を整えるとともに、研究要員の増強を図り将来に向けた研究開発を促進します。

④プラス株式会社及びぺんてる株式会社との連携を強化し、ロボット事業の技術開発力を高めます。

⑤デジタルトランスフォーメーションを実現する情報インフラへの投資を積極的に進め、経理業務や勤怠管理業務のクラウド化、営業システムのコーラス株式会社との連携を始動させます。

 

3.「働きがい」に関する方針

 新しい賃金制度を導入し、職務内容や業績に連動した報酬が得られる制度に改定します。また、人事考課制度を見直し、職務による成果や業務に対する行動が評価基準となり、その評価が昇給や昇格、賞与の金額に反映される仕組みを作ります。

 

4.社内の意識改革に関する方針

①事業計画を全社員で共有し、一度決めた目標を、不屈の精神と創意工夫を持って最後まで粘り強くやり遂げる「執着心」を醸成します。

②社員ひとりひとりが自らに枠を設けず、勇気をもって新たなことに挑戦し続けるチャレンジ精神を大切にします。

③プラスグループとの人材交流を活発に行い、社内に新しい感覚や風土を取り入れ、また出向先で新しい空気を吸収することで、セーラー万年筆社員の内なる変革を促します。

 

5.SDGsに関する方針

SDGsを意識した経営を行います。特に、以下の項目に積極的に取り組んで行きます。

①SDGs7: エネルギーをみんなにそしてクリーンに

 広島工場の建替えにあたり、クリーンエネルギーを積極活用するなど地球環境にやさしい工場を実現します。

②SDGs12: つくる責任つかう責任

万年筆のサスティナブル性を世の中にアピールするとともに、修理やメンテナンスを充実させ、永く愛用してもらえる企業活動を推進します。

③SDGs14: 海の豊かさを守ろう

広島県が進める「瀬戸内海の海洋プラごみをゼロに」の活動に協力し、海と共に生き続けるセーラー万年筆の姿勢を打ち出します。

④SDGs15: 陸の豊かさも守ろう

 従来から取り組んできたフォレステーショナリー活動を拡大します。

ロボット機器事業においても森林保全活動への協力を行います。

 

(6)経営数値目標

中期経営計画で2024年度売上高6,500百万円(文具事業4,450百万円、ロボット機器事業2,050百万円)、営業利益335百万円(営業利益率5.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益210百万円(当期純利益率3.2%)を目指します。

 

 

(7)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費は、5千2百万円となっております。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

2022年5月23日付で第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(劣後特約付)の権利行使があり、プラス株式会社が当社株式の57.81%を有する親会社となりました。そのため、当社とプラス株式会社は、当社の上場会社としての独立した意思決定を確保すること、並びにプラスグループ全体の内部統制システムの実効性確保・向上を目的として、株主総会決議事項、長短期の事業計画、重要な使用人(執行役員)の選解任、増減資、重要な財産の取得及び処分、銀行借入・社債発行などの事前協議事項や報告事項等を取り決めた経営管理契約を締結しております。