第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 なお、前連結会計年度末において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前中間連結会計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間(2025年1月1日から2025年6月30日まで)におけるわが国経済は、個人消費は物価高の影響を受けて足踏みも見られましたが、企業収益の改善や所得環境の改善、インバウンド需要の増加などにより、緩やかな回復基調が続いております。一方で、海外に目を向けると、地政学的リスクや資源・エネルギー価格の変動への懸念に加え、関税をはじめとする米国政権の政策動向の不確実性など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く外部環境といたしましては、国内市場に限定されず、多くの先進諸国で少子高齢化や人口減少といった構造的な問題を抱えていることに加え、デジタル化の進展によって事務用品としての筆記具の需要は縮小傾向にあります。他方、ライフスタイルや価値観の多様化により、お客様が商品に求める役割や体験価値は変化しております。また、インターネットを介した流通の普及は一層進みボーダーレス化が加速したことや新興企業の参入といった背景から、品質・コスト面を中心として業界全体の競争環境は激化しつつあります。さらに、環境問題をはじめとするサステナビリティという共通課題は、今や企業活動の中心的な価値観となり、商品やサービスの提供において不可欠なものとなりました。こうした市場環境の変化に迅速に対応し、お客様の求める価値を具現化し続けていくことがより重要となっております。

このような経営環境のなか、当社グループは、「書く(かく)、描く(えがく)」を通じた“表現体験そのもの”を創造することで、すべての人が生まれながらにして持つ個性や才能といった「ユニーク」を表現する機会を創り出すことが、お客様への提供価値と捉え、「違いが、美しい。」というコーポレートブランドコンセプト(企業理念)に基づき、活動してまいりました。

 具体的な活動として、世界販売本数が年間1億本以上の“クセになる、なめらかな書き味。”の『JETSTREAM(ジェットストリーム)』シリーズより、上質感はそのままにシックなデザインへリニューアルした「ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式シングル」、「ジェットストリーム プライム 多機能ペン 3&1」を発売いたしました。また、「CITE JAPAN 2025 第12回化粧品産業技術展」に出展し、筆記具開発で培った技術を応用した当社の化粧品事業の製品・技術を紹介いたしました。

 

 これらの活動の結果、当中間連結会計期間における売上高は43,245百万円(前年同期比1.9%増)となりました。営業利益は4,799百万円(前年同期比7.1%減)、経常利益は4,957百万円(前年同期比21.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は3,144百万円(前年同期比52.7%減)となりました。

 

 セグメント別の業績の概観は次のとおりです。

(筆記具及び筆記具周辺商品事業)

国内市場においては、今年2月に発売した、新感覚のすいすいとした書き心地を特長とする水性ボールペン「uniball ZENTO(ユニボール ゼント)」が、非常に高い評価を得てヒット商品となっております。また、『クルトガ』シリーズ初の木製グリップ軸である「KURUTOGA Wood(クルトガ ウッド)」や、『LAMY safari(ラミー サファリ)』シリーズに、「JETSTREAM(ジェットストリーム)」のインクを搭載した「LAMY safari JETSTREAM INSIDE(ラミー サファリ ジェットストリーム インサイド)」などの新製品も好調に推移し、国内売上は増収となりました。

海外市場においては、欧州地域で『POSCA(ポスカ)』を中心とした流通在庫の調整が長引いておりますが、『LAMY』ブランド製品の売上が寄与し増収となりました。米国地域においては、日本に先行して発売した「uniball ZENTO(ユニボール ゼント)」が好調に推移し、当第1四半期で発生した取引先の信用不安に伴う出荷調整の影響も解消に向かっているものの、減収となりました。アジア地域では、経済成長減速の影響が出ているものの、中国において筆圧に合わせてインクの流量を最適にコントロールする「uniball AIR(ユニボール エア)」の新製品が好調であったことに加え、『LAMY』ブランドの売上が伸長したことにより、増収となりました。

 

化粧品事業および産業資材事業においては、化粧品事業の主力であるアイメイク製品の受注増加により、増収となりました。

これらの結果、外部顧客への売上高は42,012百万円(前年同期比1.8%増)となりました。

 

(その他の事業)

粘着テープ事業、手工芸品事業といったその他の事業におきましては、主に粘着テープの食品向けや衛生用品向けの売上が好調に推移いたしました。

これらの結果、外部顧客への売上高は1,232百万円(前年同期比5.7%増)となりました。

 

 当中間連結会計期間末の資産は、主に投資有価証券が増加したものの、現金及び預金や受取手形及び売掛金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べて6,432百万円減少し170,449百万円となりました。

 負債は、主に支払手形及び買掛金や未払法人税等が減少したことにより、前連結会計年度末に比べて6,838百万円減少し39,334百万円となりました。

 純資産は、主に自己株式の取得により自己株式が増加したものの、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて406百万円増加し131,114百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて6,622百万円減少し32,965百万円となりました

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、主に税金等調整前中間純利益4,632百万円、減価償却費2,407百万円に対し、仕入債務の減少4,485百万円、法人税等の支払額による資金の減少2,544百万円により、合計で566百万円(前年同期比4,126百万円の収入の減少)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動に使用した資金は、主に固定資産の取得による支出2,898百万円、投資有価証券の取得による支出216百万円に対し、定期預金の払戻による収入821百万円により、合計で2,292百万円(前年同期比24,370百万円の支出の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動に使用した資金は、主に自己株式の取得による支出2,386百万円や配当金の支払額1,372百万円により、合計で4,549百万円(前年同中間期は13,280百万円の獲得)となりました。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当中間連結会計期間における当社グループの研究開発費は2,143百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。