当連結会計年度の状況は、プレイスタイルを多様化させる新しい家庭用据置型テレビゲーム機「Nintendo Switch」を全世界で3月3日に発売し、好調な滑り出しを見せています。特に同時に発売した『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は世界中で大変人気を博し276万本(Wii U版を含め合計384万本)の販売を記録したほか、『1-2-Switch』も話題を集め、ハードウェアの販売台数は274万台、ソフトウェアの販売本数は546万本となりました。
ニンテンドー3DSでは、全世界で11月に発売した『ポケットモンスター サン・ムーン』が大変話題を呼び、1,544万本の大ヒットを記録したほか、『スーパーマリオメーカー for ニンテンドー3DS』が234万本、『星のカービィ ロボボプラネット』も136万本と順調に販売本数を伸ばしました。また、スマートデバイス向けアプリ『Pokémon GO』が配信されて以降、過去に発売した『ポケットモンスター』シリーズのソフトウェアも販売を伸ばし、海外ではハードウェアを牽引する動きが見られ、全世界におけるハードウェアの販売台数は727万台(前年同期比7%増)、ソフトウェアの販売本数は5,508万本(前年同期比14%増)となりました。
一方、Wii Uでは、全世界で3月に発売した『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が108万本の販売本数を記録し健闘したものの、ソフトウェアの販売本数は1,480万本(前年同期比46%減)となり、ハードウェアも期初の想定に沿った動きとなり、販売台数は76万台(前年同期比77%減)となりました。
スマートデバイスビジネスでは、マリオの新しいアクションゲームアプリ『スーパーマリオ ラン』のiOS版を12月に、Android版を3月に配信開始し、世界中のお客様から大きな反響をいただいています。また、スマートデバイス上で手軽に本格的なシミュレーションRPGが楽しめるゲームアプリ『ファイアーエムブレム ヒーローズ』を2月から配信し、従来のファイアーエムブレムシリーズのファンの方だけでなく、これまでゲーム専用機で同シリーズを遊んだことのない方も含め多くのお客様に楽しんでいただいています。
その他、11月に国内外で発売した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ(日本版名称)」は各地で好評となりました。一方で、amiibo(アミーボ)は、新たに発売したamiiboを使って楽しめる新作ソフトの展開により販売状況に回復の兆しを見せたものの、フィギュア型が約910万体、カード型が約930万枚の販売にとどまり、ダウンロード売上も、追加コンテンツによる売上が少なかったため、いずれも前年同期と比べて大きく減少しました。
これらの状況により、売上高は4,890億円(前年同期比3.0%減)となり、このうち海外売上高は3,590億円(前年同期比2.7%減、海外売上高比率73.4%)となりました。営業利益は293億円(前年同期比10.7%減)となり、株式会社ポケモンなどに係る持分法による投資利益202億円を計上したことにより、経常利益は503億円(前年同期比74.9%増)となりました。さらにメジャーリーグ球団シアトルマリナーズの運営会社の持分の一部を売却したことによる投資有価証券売却益645億円を特別利益として計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は1,025億円(前年同期比521.5%増)となりました。
なお、当社グループは単一セグメントのため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。
当期における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末から728億円増加(前年同期は234億円の減少)し、3,309億円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とその要因は次のとおりです。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益1,147億円に対して、有価証券及び投資有価証券売却益の計上や売上債権の増加などの減少要因がありましたが、仕入債務の増加などの増加要因により、191億円の増加(前年同期は551億円の増加)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動による資金は、定期預金の払戻や有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が、定期預金の預入や有価証券及び投資有価証券の取得による支出を上回ったことなどにより、695億円の増加(前年同期は717億円の減少)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動による資金は、主に配当金の支払いにより144億円の減少(前年同期は29億円の減少)となりました。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。なお、当社グループ(当社及び連結子会社)は単一セグメントのため、製品の種類別に記載しています。
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種類 |
金額 |
前年同期比 |
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ゲーム専用機 |
|
|
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ニンテンドー3DSプラットフォーム |
215,716 |
+11.7 |
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Wii Uプラットフォーム |
38,173 |
△77.5 |
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Nintendo Switchプラットフォーム |
142,583 |
― |
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その他 |
31,087 |
△47.7 |
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計 |
427,561 |
+1.3 |
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その他(トランプ他) |
4,938 |
+473.5 |
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合計 |
432,499 |
+2.2 |
(注) 上記金額は、販売価格により算出し、消費税等を含みません。
主にゲーム専用機ソフトウェアについて一部受注生産を行うほかは、見込生産のため記載を省略しています。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、製品等の種類別に記載しています。
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種類 |
金額 |
前年同期比 |
|
ゲーム専用機 |
|
|
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ニンテンドー3DSプラットフォーム |
247,949 |
+5.1 |
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Wii Uプラットフォーム |
64,383 |
△67.5 |
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Nintendo Switchプラットフォーム |
110,951 |
― |
|
その他 |
39,846 |
△36.7 |
|
計 |
463,131 |
△6.8 |
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スマートデバイス・IP関連収入等 |
24,250 |
+322.9 |
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その他(トランプ他) |
1,714 |
+8.7 |
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合計 |
489,095 |
△3.0 |
(注) 上記金額には、消費税等を含みません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、健全な企業経営を維持しつつ新しい娯楽の創造を目指しています。事業の展開においては、世界のユーザーへ、かつて経験したことのない楽しさ、面白さを持った娯楽を提供することを最も重視しています。
当社グループは、常に新しい楽しさと面白さを持った商品やサービスを提供することを追求し、継続性のある健全な成長と利益の増加による企業価値の向上を目指しています。また、取扱商品・コンテンツは娯楽品であり、その特性から研究開発に不確定要素が多く、さらには競争の激しい業界であることから、柔軟な経営判断を行えるように特定の経営指標を目標として定めていません。
当業界は、常に新しい楽しさと面白さを持った商品を提供することを求められており、そのような経営環境において、当社グループは、「世の中の人々を、商品やサービスを通じて笑顔にしていく」という信念のもと、年齢・性別・過去のゲーム経験を問わず、誰もが楽しめる商品を提案することで、「任天堂IP(知的財産)に触れる人口を拡大する」ことに注力していきます。
この基本戦略をベースに、持続的成長を実現するための戦略として、「ゲーム専用機ビジネスの拡大」と「スマートデバイスビジネスの確立」を推進していきます。「ゲーム専用機ビジネス」では、これまで通りソフトウェア主導でハード・ソフト一体型のユニークなビジネスを経営の中核とし、任天堂独自のプラットフォームビジネスに今後も積極的に資源投入を行っていきます。「スマートデバイスビジネス」では、事業領域の拡大を図るべく、収益の大きな柱の1つとして育てていくことで、経営基盤の強化を図るとともに、ゲーム専用機ビジネスとの相乗効果を狙い、当社ビジネス全体の最大化を目指します。
また、ゲームビジネス以外においても、テーマパークでキャラクターを使ったアトラクションの提供、映像コンテンツやマーチャンダイジングを通じたキャラクターの露出など、パートナー企業様との提携も含めて積極的に任天堂IPを活用していきます。これらの取り組みにより、現在、私たちのゲーム機で楽しんでいらっしゃる方はもちろん、過去に私たちのゲーム機で楽しんでこられた方やこれまで私たちのゲーム機で遊ばれたことがない方など、すべてのお客様に多方面から任天堂IPをアピールすることにより、ビジネスのあらゆる可能性を追求し、当社の企業価値を向上させていきたいと考えています。
今後も時代に合わせて柔軟に自らを変化させ、「娯楽は他と違うからこそ価値がある」という「独創」の精神を大切にし、お客様に良い意味で驚いていただける商品やサービスを提供し続け、社業の発展に努めます。
当社の取締役会は、当社が公開会社としてその株式の自由な売買が認められている以上、当社株式の大量取得を目的とする買付けや買収提案が行われた場合にそれに応じるか否かは、最終的には株主の判断に委ねられるべきものと考えています。しかしながら、株式の買付けや買収提案の中には、その目的等から見て対象企業の企業価値・株主共同の利益を損なうおそれのあるものの存在も否定できないところであり、そのような買付けや買収提案は不適切なものであると考えています。
現在のところ、当社においては、株式の買付けや買収提案が行われた場合の具体的な取り組みはあらかじめ定めていませんが、このような場合に備えた体制については既に整備しています。また、株主に対して善管注意義務を負う経営者の当然の責務として、株式の買付けや買収提案に際しては、慎重に当社の企業価値・株主共同の利益への影響を判断し、適切と考えられる措置を講じます。
具体的には、社外の専門家も起用して株式の買付けや買収提案の評価及び買付者や買収提案者との交渉を行うほか、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうと判断される株式の買付けや買収提案に対しては、具体的な対抗措置の要否及び内容を決定し、実行する体制を整えます。
なお、いわゆる「買収防衛策」の導入については、買収行為に係る法制度や判例、関係当局の見解等を踏まえ、今後も検討を継続します。
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく記載した事項以外の予見し難いリスクも存在します。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
為替レートの変動
当社グループは、全世界で製品を販売し海外での売上割合は約7割を占めています。そのほとんどを現地通貨で取引しており、為替レートの変動による影響を軽減するために米ドル建等の仕入を増やすなどの施策をとっているものの、当該リスクを完全に排除することは困難です。また、当社は多額の外貨建資産も保有しています。そのため、円建資産に転換する場合だけでなく財務諸表作成のための換算においても為替レートの変動の影響を強く受けます。
市場環境の変化や他社との競争
当社グループの事業は、幅広い娯楽の中の一分野であり、他の様々な娯楽の趨勢による影響を受けます。他の娯楽へのユーザーの志向が強くなると、ゲーム市場が縮小する可能性があります。また、技術の進歩や革新で新たな競争相手が出現し、大きな影響を受ける可能性があります。
ゲーム業界においては、多額の研究開発費や広告宣伝費等が必要とされる一方で、巨大な同業他社や他のエンターテインメント業種・業者との競合等の可能性もあり、これまで以上に利益を確保し難い状況になる可能性があります。当社グループは、競争の結果、市場シェアを拡大もしくは維持し、収益性を保つことが出来なくなる可能性があります。さらに、急激な構造変化が起きる、新たな法規制が行われる等の可能性があり、これらに対応できない場合、当社グループの事業及び業績が影響を受ける可能性があります。
新製品開発
当社グループは、継続して斬新で魅力ある新製品の開発に努めていますが、コンピューターエンターテインメントの分野において、これらの開発プロセスは複雑かつ不確実なものであり、以下のような様々なリスクが含まれます。
① ゲーム専用機ソフトウェア及びスマートデバイス向けアプリケーションの開発にはかなりの時間と費用を必要とする一方で、ユーザーの嗜好は常に変化しており、全ての新製品や新サービスがユーザーから受け入れられる保証はありません。また、開発を中断または中止することがあります。
② ハードウェアの開発には長い期間を必要とする一方で、技術は絶えず進歩しており、娯楽に必要な技術を装備出来ない可能性があります。さらに、発売が遅れた場合、市場シェアの確保が難しくなる可能性があります。
③ 当社製品及びサービスは、その特性から予定の期間内で開発することや計画通り販売、提供開始することが困難で、計画から大きく乖離する可能性があります。
製品の評価、適正在庫の確保
ゲーム業界における製品は、ライフサイクルが比較的短く、嗜好性や季節性の強いものです。その需要に見合った供給を確保するために見込生産を行いますが、正確な販売予測は困難であるため、過剰な在庫を抱える危険性があります。また、保有するたな卸資産が陳腐化することにより、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性もあります。
外部企業への製造依存
当社グループは、主要な部品の製造や製品への組立てを複数のグループ外企業に委託しています。グループ外企業の倒産等により重要部品の調達及び製造に支障が生じる可能性があります。また、部品の製造業者が当社グループの必要とする数量を予定通りに供給出来ない可能性もあります。重要部品が不足すると、部品の価格高騰による利益率の低下にとどまらず、製品の供給不足や品質管理等で問題が発生し、顧客との関係悪化をも引き起こす可能性があります。
また、製造委託先の生産拠点が海外に多く、現地で暴動や災害等が起こり生産が妨げられれば、業績に悪影響を及ぼします。
業績の季節的変動
当社製品の需要は、かなりの部分がクリスマスや正月時期に集中するため、季節的に変動します。この時期に魅力的な新製品を投入出来なかった場合や、製品の供給が間に合わなかった場合等においては、業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、情報発信だけではなく、ゲームのインターネット対戦やソフトのダウンロード販売、インターネットサーバーを介したサービス提供等のさまざまなインターネットサービスを運営しています。万一これらのシステムに対しサイバー攻撃が行われ、システムの停止や破壊、データの流出や不正使用等が起きた場合には、将来の経営成績、株価及び財務状況等に悪影響が及ぶ可能性があります。
事業活動に影響を及ぼす諸事情
当社グループの事業は、日本以外に、米国、欧州、豪州並びにアジア等でも行っています。国内外での事業活動においては、①不利な政治または経済要因の発生、②多国間税制度における不統一性及び税法解釈の相違における不利な取扱い、③人材の採用と確保の困難、④テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが存在します。
製造物責任
当社グループの製品は、世界各地域で認められている品質管理基準に従って製造していますが、欠陥等が見つかり、将来大規模な返品要求が発生する可能性があります。また、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、追加のコストの発生や当社グループの評価に影響を与え、将来の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
知的財産保護の限界
当社グループは、他社製品と差別化出来る様々な知的財産を蓄積してきましたが、インターネットを使った違法なアップロードや、コピー品への効果的な対処が困難な地域があり、将来の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
個人情報の漏洩・不正アクセスや秘密情報の流出
当社グループは、当社製品やサービスのユーザー等に関する個人情報や、開発・営業機密情報を保有しています。万一これらの個人情報が漏洩した場合や、当社グループの開発や営業機密が流出し第三者に不正使用された場合、または不正なアクセスがあった場合等は、将来の経営成績、株価及び財務状況等に悪影響が及ぶ可能性があります。
法律・規則等の変更
当社グループが予期しない法律や規則の施行または変更、会計基準や税制の新たな導入・変更等により、業績や財務状況等に影響が及ぶ可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、追加の税負担が生じる可能性があります。
訴訟等
当社グループは、国内及び海外における事業活動等に関し、訴訟、紛争またはその他の法的手続等の対象となることがあります。その場合、業績に悪影響を受ける可能性があります。
上記のほか、売上債権の回収不能、金融機関の破綻、環境に関する規制等により業績や財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、誰もが楽しめるような新しい驚きや楽しさを持った娯楽を提案することで、世界中の一人でも多くの人々を笑顔にしたいとの考えのもと、様々な企業・団体などの協力も得て、ゲーム専用機のハードウェア及びソフトウェアの研究開発活動を積極的に行っています。また、スマートデバイス向けアプリケーションソフトウェアの企画、開発にも取り組んでいます。
ハードウェアにおいては、半導体メモリーなどの記憶媒体、液晶などの表示装置、電子部品など要素技術の調査研究及びタッチパネルやセンサーなどのインターフェイス技術、無線通信並びにネットワーク技術、セキュリティ技術など、様々な技術のホームエンターテインメント分野への応用可能性について研究開発活動を引き続き行っています。これまで同様、末永く安心して楽しんでいただくための耐久性、安全性、品質並びに性能の向上、多様な周辺機器の設計や開発、コストダウン、省エネルギーなどのテーマにも取り組んでいます。
ソフトウェアにおいては、ハードウェアの機能を十分に活かした商品企画や、映像・音響・シナリオなどのゲームデザイン、プログラム開発に注力しています。
また、デジタルビジネスの拡大に対応するため、各ソフトウェアの様々なネットワーク機能やニンテンドーeショップなどの、多分野にわたるネットワークサービスを支えるシステムインフラの拡張にも力を入れています。
加えて、スマートデバイス向けソフトウェアの研究開発体制を構築し、スマートデバイス向けのアプリケーションソフトウェアの企画、開発及びバックエンドサーバーシステムの開発を推進しています。
部品調達・製造工程においては、生産協力会社との連携、協力のもと、新しい試験方法や新技術を使った部品の量産化に加え、関連法規に適合するための研究やノウハウの蓄積を行っています。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は591億円であり、主な研究開発活動の成果については以下のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、セグメントに関連付けた記載を行っていません。
平成29年3月に新しい家庭用据置型テレビゲーム機「Nintendo Switch」を発売しました。対応ソフトウェアでは、広大なフィールドを舞台に自由に冒険を楽しめる『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(Wii U版も同時発売)や、コントローラーのHD振動などの新しい機能を活用してあらゆる世代のお客様が一緒に楽しむことができるゲームを多数収録した『1-2-Switch』を発売し、順調なスタートを切りました。
ニンテンドー3DSハードウェアでは、各モデルで特別仕様を発売しました。対応ソフトウェアでは、ポケットモンスターシリーズの最新作である『ポケットモンスター サン・ムーン』や、お客様が自分でマリオのコースを作って遊ぶことができる『スーパーマリオメーカー for ニンテンドー3DS』などの計14タイトル(日本におけるタイトル数)を発売しました。
スマートデバイス分野においては、マリオの新しいアクションゲームアプリ『スーパーマリオ ラン』やシミュレーションゲームの人気シリーズ『ファイアーエムブレム ヒーローズ』の配信を開始し、ゲーム専用機とは異なる新しい遊び方の提案を行いました。
さらに、新しいアカウントシステムとして「ニンテンドーアカウント」システム及びゲーム専用機とスマートデバイスをつなぐ架け橋と位置付ける総合的な会員サービス「My Nintendo(マイニンテンドー)」の構築と運用を進めています。
amiiboではラインアップの充実を進め、また、手のひらサイズの本体に懐かしい30本のソフトを収録した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ(日本版名称)」を発売し、好評を博しました。
また、任天堂プラットフォーム向けゲーム開発者専用サイトである「Nintendo Developer Portal」を開設し、個人も含めたゲーム開発者が世界中のユーザーに新しいエンターテインメントを発信するサポートを行っています。
引き続き、人々のQOL(Quality of Life、生活の質)を楽しく向上させる新たな商品の開発にも取り組んでいます。睡眠や疲労の状態を見える化し、その情報を基に様々なサービスを提供することで、お客様が毎日楽しくQOL向上に取り組めることを目指しています。
この他にも、将来に向けて様々な新製品などの開発を進めています。
ここに記載している全ての財務情報は、当有価証券報告書において開示している連結財務諸表に基づいています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループ(当社及び連結子会社)の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。この作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
当社グループは、ホームエンターテインメントの分野で事業を展開しており、ヒット商品の有無や、その規模によって経営成績が大きく変わります。また、娯楽の範囲は広く、ゲーム以上に面白さや驚きを人々に与えるものが流行れば、その影響も受けます。
海外での売上割合は7割を超え、このほとんどを現地通貨で取引しており、為替レートの変動による影響を軽減するために米ドル建等の仕入を増やすなどの施策をとっているものの、当該リスクを完全に排除することは困難であり、為替相場の変動は当社グループの業績に影響を与えます。
主要製品であるゲーム専用機と対応するソフトウェアが、当社グループの売上の多くを占めますが、それぞれの利益率が大きく異なるため、これらの売上割合の変動は売上総利益及び売上総利益率に影響を与えます。
その他にも経営成績には、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載する変動要因が考えられます。
当期は前年同期と比較しますと、売上高・営業利益は減少しましたが、経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。
(売上高及び営業利益)
売上高は、前年同期に比べて153億円の減収で、4,890億円(前年同期比3.0%減)となりました。これは、Nintendo Switchを発売したものの、Wii Uハードウェア及びソフトウェアの販売が減少したことに加え、為替相場が円高に推移したことによります。売上総利益は前年同期に比べ220億円減少し、1,988億円(前年同期比10.0%減)となりました。また、円高の影響に加え、研究開発費が減少したことにより、販売費及び一般管理費は前年同期に比べて185億円減少し、営業利益は293億円(前年同期比10.7%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外損益は、株式会社ポケモンなどに係る持分法による投資利益202億円を計上したことにより、210億円の収益(純額)となりました。この結果、経常利益は503億円(前年同期比74.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益が増加したことに加え、メジャーリーグ球団シアトルマリナーズの運営会社の持分の一部を売却したことによる投資有価証券売却益645億円を特別利益として計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は1,025億円(前年同期比521.5%増)となりました。
総資産は、主に現金及び預金や受取手形及び売掛金が増加したことにより、前期に比べ1,720億円増加し、1兆4,689億円となりました。負債は、主に支払手形及び買掛金が増加したことにより、前期に比べ820億円増加し、2,180億円となりました。純資産は、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加により、前期に比べ900億円増加し、1兆2,509億円となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しています。
当期末現在において、流動比率は620%、総負債額に対する現金及び現金同等物は1.5倍です。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入費、広告宣伝費や研究開発費のほか、配当金や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資等を含め、全てを自己資金でまかなうことを原則としています。
新製品の発売時期や年末商戦時期には、一時的な売上債権、仕入債務、たな卸資産等の増加があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
また、将来の経営環境への対応や業容拡大等のために必要な資金を内部留保しており、3か月を超える定期預金の預入・払戻の時期や、有価証券の取得・売却の時期等により投資活動によるキャッシュ・フローが増減します。