第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

第81期

第82期

第83期

第84期

第85期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(百万円)

1,758,910

1,695,344

1,601,677

1,671,865

1,164,922

経常利益

(百万円)

678,996

670,813

601,070

680,497

372,316

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

480,376

477,691

432,768

490,602

278,806

包括利益

(百万円)

527,951

530,498

486,661

573,849

313,792

純資産額

(百万円)

1,874,614

2,069,310

2,266,466

2,604,998

2,725,446

総資産額

(百万円)

2,446,918

2,662,384

2,854,284

3,151,394

3,398,515

1株当たり純資産額

(円)

1,573.48

1,763.56

1,946.55

2,236.45

2,339.99

1株当たり当期純利益

(円)

403.26

404.67

371.41

421.39

239.47

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

76.60

77.71

79.40

82.62

80.16

自己資本利益率

(%)

28.13

24.23

19.96

20.15

10.47

株価収益率

(倍)

15.33

15.24

13.82

19.45

42.22

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

612,106

289,661

322,843

462,097

12,069

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

136,533

93,699

111,507

630,632

753,063

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

194,938

337,010

290,973

236,958

195,126

現金及び現金同等物の
期末残高

(百万円)

932,079

1,022,718

1,194,569

853,432

1,414,121

従業員数

(人)

6,574

6,717

7,317

7,724

8,205

 

(注) 1  「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第82期の期首から適用しており、第82期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等になります。

2  「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」については、潜在株式が存在しないため記載していません。

3  2022年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行いました。第81期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益を算定しています。

4  「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)等を第85期の期首から適用しており、第84期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。なお、主要な経営指標等に与える影響はありません。

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第81期

第82期

第83期

第84期

第85期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(百万円)

1,468,563

1,437,831

1,409,503

1,183,967

999,009

経常利益

(百万円)

573,057

629,958

630,172

497,293

263,763

当期純利益

(百万円)

403,339

462,509

484,634

352,032

225,818

資本金

(百万円)

10,065

10,065

10,065

10,065

10,065

発行済株式総数

(千株)

131,669

129,869

1,298,690

1,298,690

1,298,690

純資産額

(百万円)

1,281,948

1,410,447

1,603,815

1,721,153

1,789,128

総資産額

(百万円)

1,765,683

1,857,584

2,000,964

2,071,105

2,186,531

1株当たり純資産額

(円)

1,076.16

1,202.20

1,377.58

1,478.35

1,536.72

1株当たり配当額
(内、1株当たり中間配当額)

(円)

2,220.00

2,030.00

753.00

211.00

120.00

(810.00)

(620.00)

(630.00)

(80.00)

(35.00)

1株当たり当期純利益

(円)

338.59

391.81

415.92

302.37

193.96

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

72.60

75.93

80.15

83.10

81.82

自己資本利益率

(%)

34.58

34.36

32.16

21.18

12.87

株価収益率

(倍)

18.26

15.74

12.34

27.11

52.12

配当性向

(%)

65.57

51.81

44.72

69.78

61.87

従業員数

(人)

2,498

2,634

2,779

2,814

2,962

株主総利回り
 (比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

153.9

158.4

138.0

216.7

265.6

(%)

(142.1)

(145.0)

(153.4)

(216.8)

(213.4)

最高株価

(円)

69,830

69,100

6,283

(65,640)

9,028

11,800

最低株価

(円)

41,110

47,890

4,996

(55,320)

5,150

6,520

 

(注) 1  「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第82期の期首から適用しており、第82期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等になります。

2  「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」については、潜在株式が存在しないため記載していません。

3 2022年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行いました。第81期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益を算定しています。また、第83期の1株当たり配当額は中間配当額を株式分割前の630円、期末配当額を株式分割後の123円とし、年間配当額は単純合計額である753円として記載しています。なお、第83期の1株当たり配当額について、当該株式分割が第83期の期首に行われたと仮定した場合、中間配当額は63円となり、期末配当額123円を加え、年間配当額は186円となります。

4 「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)等を第85期の期首から適用しており、第84期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。なお、主要な経営指標等に与える影響はありません。

5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。

6 2022年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行いました。第83期の株価については、株式分割による権利落ち後の最高株価及び最低株価を記載し、()内に株式分割による権利落ち前の最高株価及び最低株価を記載しています。

7 第85期の1株当たり配当額120円のうち、期末配当額85円については、2025年6月27日開催予定の定時株主総会の決議事項となります。

 

 

2 【沿革】

1947年11月

かるた・トランプ類の製造・販売会社として京都市東山区今熊野東瓦町に、株式会社丸福として発足。

1949年9月

丸福かるた販売株式会社に社名変更。

1950年3月

任天堂かるた株式会社に社名変更するとともに、合名会社山内任天堂(現  株式会社山内)より大統領印等のかるたの製造業務を継承。

1951年7月

任天堂骨牌株式会社に社名変更。

1959年9月

本社を京都市東山区福稲上高松町60番地に移転。

1961年9月

東京都に東京支店を設置。

1962年1月

大阪証券取引所市場第二部及び京都証券取引所に株式を上場。

1963年10月

任天堂株式会社(現商号)に社名変更。

1970年7月

大阪証券取引所市場第一部に指定。

1980年4月

アメリカ、ニューヨーク州に現地法人Nintendo of America Inc.を設立。

1982年2月

アメリカ、ワシントン州に新たに現地法人Nintendo of America Inc.(現  連結子会社)を設立し、既存のニューヨーク州法人を吸収合併。

1983年7月

東京証券取引所市場第一部に株式を上場。

1983年11月

京都府宇治市槇島町に新工場(現  宇治工場)を設置。

1990年2月

ドイツに現地法人Nintendo of Europe GmbH(現  Nintendo of Europe SE・連結子会社)を設立。

2000年11月

本社を京都市南区上鳥羽鉾立町11番地1(現在地)に移転。

2006年7月

韓国に現地法人韓国任天堂株式会社(現  連結子会社)を設立。

2016年6月

監査等委員会設置会社へ移行。

2017年4月

ジェスネット株式会社の株式を取得し、同社の商号を任天堂販売株式会社(現  連結子会社)に変更。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行。

 

 

 

 

3 【事業の内容】

当社及び当社の関係会社(当社、子会社29社及び関連会社5社[2025年3月31日現在]により構成)においては、ホームエンターテインメントの分野で娯楽製品の開発、製造及び販売等を事業としています。主な製品は、コンピューターを利用した娯楽機器である「ゲーム専用機」とキャラクターグッズ・トランプ等です。「ゲーム専用機」とは、携帯ゲームやホームコンソールゲームのハードウェア及びソフトウェアであり、当社及び関係会社が開発し、当社において製造し、主に関係会社が国内外で販売しています。また、映像コンテンツやモバイルアプリなどのIPを活用した事業も展開しています。

当社及び主な関係会社の位置付けは次のとおりです。なお、単一セグメントのため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。

 

[開発]

任天堂株式会社、Nintendo Technology Development Inc.、Nintendo Software Technology Corporation、
Retro Studios, Inc.、Next Level Games Inc.、Shiver Entertainment, Inc.、
Nintendo European Research and Development SAS、神游科技有限公司、ニンテンドーキューブ株式会社、
1-UPスタジオ株式会社、株式会社モノリスソフト、マリオクラブ株式会社、株式会社SRD、
ニンテンドーピクチャーズ株式会社、ニンテンドーシステムズ株式会社

 

[製造]

任天堂株式会社

 

[販売]

任天堂株式会社、Nintendo of America Inc.、Nintendo of Canada Ltd.、Nintendo of Europe SE、
Nintendo Australia Pty Limited、韓国任天堂株式会社、任天堂(香港)有限公司、
台灣任天堂股份有限公司、任天堂販売株式会社

 

 

(事業系統図)

前述の事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

 

 


 

4 【関係会社の状況】

(1) 連結子会社

名称

住所

資本金又
は出資金

主要な
事業の内容

議決権の
所有割合
(%)

関係内容

役員の兼任等

資金
援助

営業上の取引

設備の
賃貸借

当社
役員
(人)

当社
従業員
(人)

Nintendo of America Inc.

※1,2

アメリカ

110,000
千US$

販売

100

当社製品の購入

Nintendo of Canada Ltd.

カナダ

4,000
千Can$

販売

100

(100)

Nintendo of America Inc.から当社製品の購入

Nintendo of Europe SE

※1,2

ドイツ

30,000
千EUR

販売

100

1

2

当社製品の購入

Nintendo Australia Pty Limited

オーストラリア

8,500
千AS$

販売

100

1

当社製品の購入

韓国任天堂㈱

※1

韓国

25,000
百万KRW

販売

100

4

当社製品の購入

任天堂(香港)有限公司

中国

49,300
千HK$

販売

100

3

当社製品の購入及び当社製品生産用部材調達代行の受託

台灣任天堂股份有限公司

台湾

5,000
千NT$

販売

100

5

当社製品の購入

Nintendo Technology
Development Inc.

アメリカ

1
US$

開発

100

1

1

ハードウェアのOS等の受託開発

Nintendo Software
Technology Corporation

アメリカ

20
千US$

開発

100

1

1

ソフトウェアの受託開発

Retro Studios, Inc.

※1

アメリカ

10,001
千US$

開発

100

1

ソフトウェアの受託開発

Next Level Games Inc.

カナダ

11

千Can$

開発

100

1

ソフトウェアの受託開発

Shiver Entertainment, Inc.

アメリカ

10
US$

開発

100

1

ソフトウェアの受託開発

Nintendo European
Research and Development SAS

フランス

300
千EUR

開発

100

1

ソフトウェアの受託開発

神游科技有限公司

※1

中国

254
百万人民元

開発

100

1

ソフトウェアの受託開発

任天堂販売㈱

※1,2

東京都
千代田区

300
百万円

販売

100

4

当社製品の購入

当社所有の建物等を賃借

ニンテンドーキューブ㈱

東京都
中央区

483
百万円

開発

99

2

ソフトウェアの受託開発

1-UPスタジオ㈱

東京都
千代田区

90
百万円

開発

100

3

ソフトウェアの受託開発

当社所有の建物等を賃借

㈱モノリスソフト

東京都
目黒区

75
百万円

開発

100

4

ソフトウェアの受託開発

マリオクラブ㈱

京都市
東山区

450
百万円

開発

100

4

ソフトウェア等の検査の受託

当社所有の建物等を賃借

㈱SRD

京都市
下京区

50
 百万円

開発

100

2

ソフトウェアの受託開発

ニンテンドーピクチャーズ㈱

東京都
千代田区

34
  百万円

開発

100

3

映像コンテンツの企画・制作の受託

当社所有の建物等を賃借

ニンテンドーシステムズ㈱

※1

東京都
渋谷区

5,000
  百万円

開発

80

2

4

システム等の受託開発及び運用

当社所有の建物等を賃借

 

 

(注) 1  上記のほか、連結子会社が5社あります。

2  議決権の所有割合の(  )内は間接所有割合で内書きで記載しています。

3  ※1  特定子会社に該当しています。

4  ※2  連結売上高に占める当該連結子会社の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が100分の10を超えています。主要な損益情報等は次のとおりです。

名称

売上高

(百万円)

経常利益

(百万円)

当期純利益

(百万円)

純資産額

(百万円)

総資産額

(百万円)

Nintendo of America Inc.

462,202

57,343

44,110

515,148

780,699

Nintendo of Europe SE

272,893

17,996

△4,101

167,786

357,918

任天堂販売㈱

160,017

7,631

5,285

68,956

81,433

 

 

(2) 持分法適用関連会社

名称

住所

資本金又
は出資金

主要な
事業の内容

議決権の
所有割合
(%)

関係内容

役員の兼任等

資金
援助

営業上の取引

設備の
賃貸借

当社
役員
(人)

当社
従業員
(人)

㈱ポケモン

東京都
港区

365
百万円

ポケモン関連商品の販売及びライセンス

32

1

当社製品の購入及び製品の製造委託

 

(注)  上記のほか、持分法適用関連会社が3社あります。

 

 

5 【従業員の状況】

当社グループ(当社及び連結子会社)は単一セグメントのため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。

 

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

8,205

 

(注) 従業員数は就業人員数であり、当社グループからグループ外部への出向者を除き、グループ外部から当社グループへの出向者を含みます。また、常用パートタイマーを含みます。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

2,962

40.2

14.4

9,666,256

 

(注) 1  従業員数は就業人員数であり、当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含みます。

2  平均年間給与は2025年3月期の税込支給額で、基準外賃金及び賞与を含んでいます。

 

(3) 労働組合の状況

当社に労働組合はありませんが、一部連結子会社に労働組合が結成されています。なお、労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

5.1

91

69.2

70.1

91.8

(注3)

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3 男女の賃金の差異は、勤続年数や平均年齢の違いが主な要因であり、賃金や評価などの制度上の取り扱いに男女差はありません。

 

②連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

マリオクラブ㈱

100

74.9

74.8

68.8

(注3)

㈱モノリスソフト

71

73.9

71.9

92.9

(注3)

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3 男女の賃金の差異は、勤続年数や平均年齢の違いが主な要因であり、賃金や評価などの制度上の取り扱いに男女差はありません。