第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、1890年(明治23年)に伊藤喜商店として大阪で創業後、大正、昭和、平成、令和と続く時代の変遷の中で、着実な足どりで日本経済の歴史とともに歩み、日本のオフィスの発展に大きな役割を果たしてきました。その間、1950年には製造部門が分離独立するなど時代に合った経営を行い発展してまいりましたが、2005年6月に新たな企業価値の創造に向けて、製販統合を行い、半世紀余ぶりにひとつの企業として生まれ変わりました。

当社グループは、お客様に製品やサービスを提供することにとどまらず、企業としての社会的責任を最大限果たすことが、当社グループの存在意義であると認識し、経営活動を営んでおります。また、「健康経営」を宣言し、CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)の両立を目指す事業活動に注力しております。

ミッションステートメントとして『明日の「働く」を、デザインする。』を掲げ、中長期的な見地から、常に未来の社会における「働く」を考え、社会と社員の元気につなげ、生産性の向上や創造性を発揮し、あらたな価値を生み出すことを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、事業の成長及び収益力の向上、並びに資産の効率的な運用の観点から、

① 売上高営業利益率
 ② 自己資本当期純利益率(ROE)
を、重要な経営指標としております。

当社の経営理念である「時代の先端を切り開き、グローバル社会に貢献する高収益企業」の実現に向けて、魅力ある商品とサービスを提供し続けること、並びに継続的なコスト削減と生産性向上により、安定的かつ永続的な成長を目指しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、過年度の業績達成状況及び今後の当社を取り巻く経営環境の変化等を踏まえ、2021年から2023年までの3ヶ年の中期経営計画「RISE ITOKI 2023」(ライズ イトーキ 2023)を策定しております。

当中期経営計画の最終年度である2023年度は、国際情勢不安による円安や資材価格高騰、また半導体等の部品供給に関する懸念はあるものの、新型コロナウイルス感染拡大による経済社会活動の制限は解消されつつあり、今後は「アフターコロナ期」に移行し景気の緩やかな回復が続くと予想されます。また、当社事業をとりまく環境においては、首都圏の大規模オフィスビルの供給量の増加や次世代の働き方である「ハイブリッドワーク」に対する企業やワーカーの関心の高まりなど、当社グループのビジネスを拡大させる好機にあると言えます。

このような状況のなか、『 明日の「働く」を、デザインする。 』をミッションステートメントとして掲げる当社グループとしては、これからのお客様が「働く環境」に期待する価値を具現化するための提案力強化と商品・サービス拡充を図ることにより、ポストコロナの「働く環境」づくりをリードしてまいります。

また、2020年7月にアドバンテッジアドバイザーズ株式会社との事業提携により発足した構造改革プロジェクトについても、前期までの取り組みにより一定の成果を確認できる状況になりました。当期はこの収益体質を維持するとともに、さらなる経営資源の最適化をはかり、激変する社会に新たな価値を提供することで、高い利益を創出し続ける企業体質を確立してまいります。

当中期経営計画「RISE ITOKI 2023」の「重点方針」及び「基本戦略」は以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

① 数値目標(連結) 

 

2023年度目標

売上高

1,300億円

(1,330億円)

営業利益

65億円
(65億円)

営業利益率

5.0%

(4.5%)

経常利益

65億円

(59億円)

ROE

7.0%以上

(7.0%以上)

 

※カッコ内は当初目標の値です。

直近までの状況を踏まえ、中期経営計画最終年度(2023年度)の数値目標の見直しを行い、連結業績目標を修正しております。

売上高については当計画の設定当初以降、一部事業の整理・再構築を実施した関係で、当初計画より30億円減額し、1,300億円としております。営業利益及び経常利益については、直近までの構造改革の成果等を踏まえ、当初計画をそれぞれ上方修正し、営業利益、経常利益ともに65億円としました。

 

 目指す姿

 強靭な体質の「高収益企業」になる

・ ポストコロナの「働く環境」づくりをリードする

 

 重点方針

・ 構造改革プロジェクトを実行する

・ 新たな価値を創出して提供する

 不採算事業の早期黒字化をはたす

 狙って人を育てる

 ESG経営の実践

 

なお当期においては、上記の取り組みと並行して2024年度以降の更なる飛躍に向けた次期中期経営計画の策定を進めてまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

今後の経済環境は、経済活動の正常化に伴う雇用・所得環境の改善や各種政策の効果等により、徐々に景気が持ち直していくことが期待されるものの、不安定な国際情勢に起因するサプライチェーン混乱による供給制約、半導体不足、原材料価格の動向等による先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。このような事業環境の中、当社グループとしましては、中期経営計画「RISE ITOKI 2023」の最終年度として、高い価値を創出・提供し続ける企業へと進化してまいります。この実現のため、特に以下の5点を重要課題として捉え、重点的に取り組んでまいります。

 構造改革プロジェクトの実行

あらたな価値を生み出しお客様に提供し続けていくために、事業の生産性を高め、強靭な体質の「高収益企業」に進化を果たすことを目的として、プロジェクト活動を強力に進めてまいり、成果も出てきつつあります。さらにこの取組を進化発展させていき、業務のプロセス改革や経営資源の最適化の実現を果たしてまいります。

 新たな価値の創出と提供

ポストコロナの働き方や働く環境が激変している事業環境を、当社グループの大きな機会として捉え、「働く環境」づくりで他社をリードする新たな価値を創出すべく、提案力強化と商品・サービスの拡充を、引き続き推し進めてまいります。

 不採算事業の早期黒字化

「高収益企業」への進化を果たすため、ここ数年にわたる取組において、不採算となっている事業の整理整備を大きく進展させてまいりましたが、今後も各事業が継続的に不採算な状態に陥らないよう、投資案件のチェックや支援体制を引き続き強化してまいります。

 狙って人を育てる

企業において最も重要な経営資源は「人財」であると考えます。激変する社会において、これからも継続して高い価値を提供していくためには、組織にイノベーションを起こし、事業を率先する多様な人財が必須となります。このような人財を育成するため、全員一律ではなく育成したいポイントを明確にした“狙って人を育てる”ための施策を進化発展してまいります。

 ESG経営の実践

当社は時代の先端を見据え、社会に新しい価値を提供することで成長してまいりました。ビジネスの原点は「世の中に既にあるものではく、新しいものを提供し、社会のお役に立ちたい」という創業者・伊藤喜十郎の志にあります。ビジネスを通じてしっかりと世の中に貢献していくという精神に基づき、ESG方針を掲げ、「人も活き活き、地球も生き生き」する社会の実現に努め、環境・社会・ガバナンスへの取組を継続的に強化してまいります。

 

(5)サステナビリティに関する考え方及び取組

当社グループは「人も活き活き、地球も生き生き」というビジョンのもと、将来に亘って働く場を取り巻くさまざまな社会課題を解決するため、サステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)を定め、事業活動と融合させるべく体制の構築や具体的な取り組みを推進しております。

 

イトーキのマテリアリティ

<社会と人々を幸せにする>

・魅力的なワークスタイルワークプレイスを創造する

・テクノロジー×空間で、イノベーションを生み出す

・カーボンニュートラルな社会に貢献する

・自然環境を守り、資源循環を促進する

・人権や自然環境の観点で責任ある調達を行う

<会社と社員が幸せになる>

・社員のココロとカラダの健康を守る

・社員の成長を支援する

・多様な人財が働きやすいオフィスを創る

・持続的に収益を向上する

・透明性と信頼の経営を確保する

 

 

これらの重要課題の解決にあたって関連性の強い主管部門を定め、それぞれに年度単位および将来目標(2030年)を設定しています。この目標や達成状況を社外にも公表することで、課題解決に向けて見える形で取り組んでおります。世界的な情勢や社会の要請、また経営の観点から、特に脱炭素社会の実現・人的資本経営の取り組みを拡充しています。

 

●脱炭素社会の実現に向けた取り組み

当社グループは気候変動への対応を重要な経営課題の一つと捉え、2020年6月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言へ賛同を表明しました。TCFDの提言に基づき、気候変動が事業にもたらす影響を分析しています。

 

ガバナンス

当社グループは、全ての事業領域において地球環境を保全するべく、環境活動の指針となる「イトーキグループ環境方針」と具体的な「行動指針」のもと、ISO14001に基づいた環境マネジメントシステム(EMS)を構築し、グループ全体の環境マネジメントサイクルと、拠点・事業ごとの環境マネジメントサイクルを連動させることで、全社員参加の環境活動を展開しています。さらに年1回のマネジメントレビューでは、その活動内容を報告し、経営トップコミットメントによる環境経営を推進しています。

また、中期経営計画に合わせ「中期環境計画」を3ヶ年で策定し、重要な課題の設定、モニタリング、対応策の推進に取り組んでいます。

 

 

リスク管理

気候変動や生物多様性におけるリスクや機会について、事業上の課題や、EMS活動を通じた環境側面の影響評価、またステークホルダーからの要望・期待など総合的に勘案して特定し、「中期環境計画」として全社的に取り組みを進めています。

移行リスクでは、炭素税が導入された場合のコスト増やステークホルダーの行動変容への対応遅れなどがインパクトの大きいリスクとして特定され、再生可能エネルギーの活用や環境配慮型製品の開発・設計といった対応策により管理していきます。物理的リスクでは、異常気象の発生頻度が増した場合にサプライチェーンが分断されるリスク等が懸念されます。環境変化に応じて事業継続計画を見直していくことで対応してまいります。

※特定したリスクと機会の詳細は、以下、当社ウェブサイトに開示しております。

TCFDへの対応 https://www.itoki.jp/sustainability/envreport/climate.html

 

戦略

長期的に予想される気候変動について、IPCC(*)を参考に3つのシナリオ(サステナビリティ進展・標準・停滞シナリオ)を定義し、分析を行いました。その結果、気候変動は政策・法規制リスクをはじめとして、短期・中期・長期で当社グループの事業に大きな影響を及ぼす可能性が明らかになりました。すでに顕在化している異常気象の頻発化・大型化以外にも、炭素税の導入や、調達コストの増加、既存市場の縮小などが挙げられます。

当社グループでは気候変動を重要な経営課題と捉え、製造業としての在り方を改めて見直し、これからの事業戦略を検討していきます。また、マテリアリティ(重要課題)の中に「カーボンニュートラルな社会に貢献する」「自然環境を守り、資源循環を促進する」という重点テーマを定め、中長期CO₂排出量目標を策定し、DXの推進やお客様の働き方改革の支援を通じてCO₂排出量の少ない働き方を促進していくとともに、自社内でもその達成に向けて再生可能エネルギーの導入や環境配慮型製品の開発・設計などを進めていきます。活動内容は定期的にモニタリングし、PDCAを着実に回すことにより、目標の達成に歩みを進めていきます。

*IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル

 

指標と目標

当社グループでは、気候変動への対応として以下の中長期CO₂排出量目標を策定し、具体的な行動計画に落としこんで取り組みを進めています。2021年は、グループ全体で進めてきた国内生産体制の再編や、工場照明のLED化等の省エネ施策およびオンサイトPPAを活用した太陽光発電設備の設置により、Scope1+2で33.4%、Scope1~3合計で4.4%のCo2排出量を削減いたしました。

なお、当社グループのCO₂排出量の多くはScope3カテゴリー1「購入した製品・サービス」が占めるため、今後集計の精緻化を図るとともに、サプライヤーの皆様とさらなる協働体制を構築し、CO₂削減への取り組みを進めていきます。

 

<中長期CO₂排出量目標>

2030年目標      Scope1・2 50%削減

                Scope1~3 30%削減 (2013年比)   

2050年目標      Scope1・2 ネット・ゼロ

 

 

 

<CO₂排出量実績(単位:t-CO₂)>

 

Scope1

Scope2

Scope3

合計

2013年(基準年)

8,165.7

12,935.7

245,213.0

266,314.4

2020年

6,715.2

8,890.2

248,119.4

263,724.7

2021年

6,062.4

7,982.6

239,341.3

253,386.4

 

※基準年2013年のデータ集計方法を2023年3月時点で見直しを行った結果、これ以前に公表した数字と異なる場合があります。また、2022年の実績は集計中です。本年度発行の統合報告書にて開示予定としております。

 

<CO2排出量の削減実績>

2021年実績

Scope1・2 33.4%削減

Scope1~3  4.9%削減

             *2013年比

 

 

人的資本経営に関する取り組み

<考え方>

当社は『明日の「働く」を、デザインする。』をミッションステートメントに掲げる企業として、まずは自社から、社員一人ひとりがやりがいを持ってイキイキと働き、最大のパフォーマンスを発揮できる職場づくり(組織・制度・風土)、安心・安全に働ける環境づくりを進めています。

社員が成長し能力を発揮できる環境づくり、社員一人ひとりの多様な働き方を支える取組みの詳細については、以下、当社ウェブサイトに開示しております。

サステナビリティサイト S(社会)→ https://www.itoki.jp/sustainability/social/

 

<指標と目標>

従業員エンゲージメント重要指標スコア

<目標>2023年70% <実績>2019年40.4% 2021年56.2%  2022年63.6%

女性管理職比率

<目標>2023年12% <実績>下表参照

 

 

2020年

2021年

2022年

女性管理職比率(%)

8.2

8.9

10.7

新卒採用 女性比率(%)

39.0

41.2

48.3

経験者採用 女性比率(%)

36.4

40.0

38.9

女性育児休業取得率(%)

100.0

100.0

100.0

男性育児休業取得率(%)

21.7

26.3

45.7

男女間の賃金差(%)
 (男性の賃金に対する女性の賃金の割合)

69.2

70.3

69.8

 

 

(注) 1.目標及び実績は、提出会社の従業員の状況となります。

2.従業員エンゲージメント 2020年度は調査未実施となります。

 

また、イトーキは働く環境づくりをリードする企業として、従業員が働きやすい環境整備、すなわちファシリティ投資は企業が人的資本経営で取り組むべき重要事項と認識しており、自社においてその実践を行っております。生産性の高い、安心・安全なオフィスづくりに継続して投資していくことで、従業員のエンゲージメント向上に寄与するものと考えています。

自社ファシリティ投資件数

<2022年実績>東京本社を初めとするオフィス計15拠点の改修・移転を実施。

 

<取り組み事例>

 女性活躍推進コミュニティSPLi(サプリ)

イトーキは、あらゆる多様性が融合し活性することで、大きな変革と成長につなげていくため、多様な人材が活躍の場を広げられる環境整備とともに、女性のリーダーシップ開発を経営上の重点施策と置き、様々な取組を展開しております。

SPLiは、自分らしさや多様な個性を活かしながら、リーダーシップを発揮できる環境やプランを用意することで、継続的なキャリアデベロップメントをサポートするコミュニティです。女性従業員の12%を超えるメンバーが自ら主体的に集まり、様々な活動を展開しております。

 

 Diversity & Inclusion

イトーキは、トップコミットメントのもと、さまざまな年齢、性別、性的指向、性自認、国籍、障がい、雇用形態や働き方、習慣、価値観などを持つ仲間を「多様な人財」と捉え、一人ひとりが「活き活き」とその特性を活かし、持てる力を発揮することを目指しています。

―当社のD&Iに関する取り組み・表彰等の事例―

・次世代育成支援企業認定マーク(愛称「くるみん」)を取得(2020年、2022年)

・女性の活躍を積極的に推進する企業として「えるぼし」の最高位3つ星に認定(2022年)

・男性の育休取得推進を目指す「男性育休100%宣言」へ賛同、「イクボス企業同盟」への加盟(2022年)

・職場におけるLGBTQへの取り組みの評価指標である「PRIDE指標2022」にて 「ブロンズ」を受賞(2022年)

・社内外へのLGBTQアライ宣言、およびオリジナルのアライマーク・企業ロゴの発表(2022年)

 

 日本橋髙島屋三井ビルディング 「CASBEE-スマートウェルネスオフィス認証」を取得「最高位Sランク」および過去最高得点(96.6点)を獲得

ビルの省エネ・安心安全等に関する基本性能、専有部内の健康増進や高い生産性を実現する執務環境、ワーカーの健康・快適な働きをサポートする共用部が三位一体となり、高い評価を獲得しました。「CASBEE-SW0認証」はオフィスビルで働く方の健康・快適性に関するハード・ソフトの取り組みと、建物の環境性能等を含めたビルの総合的な評価を認証するものです。

入居する日本橋髙島屋三井ビルディングの優れた省エネ・BCP性能や運営管理体制、イトーキ本社内の働く環境やマインドフルネスなどの健康プログラム、ならびに健康・運動促進施設「mot.」を含めたビル共用部の施設などが高く評価されました。今回の認証は、当ビルのイトーキオフィス部分(11階~13階)および共用部が対象となりますが、専有部・共用部の垣根を越えた形でのオフィスの健康・快適性向上を目指して、今回の共同取得に至りました。

※評価結果 → https://www.ibec.or.jp/CASBEE/WO_certification/details/HPCAS-21-00034-1.pdf

 

当社オフィス専有部の評価ポイントは、「次世代のWork Style」を実践するオフィス空間(ITOKI TOKYO XORK*)となっていることです。

高い自己裁量により、ワーカー自らが働き方を自律的にデザインできるように、具体的かつ体系的に社員の行動を変えていく総合的なワークスタイル戦略Activity Based Working**(ABW)を導入しています。また、社員の心身を健全に保つWell-beingの概念にもとづく空間品質基準、WELL Building Standard***の「ゴールド」レベルを取得しています。

 

(以下、注釈部)

* 2018年秋に首都圏のオフィスを集約し、新本社のオフィス名称を「ITOKI TOKYO XORK」と名づけました。これまでの働き方「WORK」を次の次元へと進化させるために、アルファベットの「W」に続く「X」と掛け合わせています。

** Activity Based Workingとは、ワーカーを信頼し、自己裁量を与えることでどのように働くかを選択することができる働き方であり、具体的にはワーカーの活動を分類し、それぞれの活動のために用意された専用の環境を、ワーカー自ら選択して活動するという働き方のスタイルです。

*** WELL認証とは、International WELL Building Instituteの7年間の厳しい研究開発に基づいて作られた、建物内で暮らし、働く人たちの健康・快適性に焦点を当てた世界初の建物・室内環境評価システムです。第三者審査機関であるGBCIによって厳しく評価され、獲得ポイント数に応じて、評価が高い順にプラチナ、ゴールド、シルバーの認証を付与されます。その中でイトーキは、2018年に必須36項目と加点62項目中40%以上をクリアした場合に与えられる「ゴールドレベル」を達成しています。

 

CASBEE-SWO(スマートウエルネスオフィス)について

○「CASBEE-WO(ウェルネスオフィス)」とは

「CASBEE-WO」は、建物利用者の健康性、快適性の維持・増進を支援する建物の仕様、性能、取り組みを評価するツールです。(Sランクは 75点以上)

○「CASBEE-SWO(スマートウェルネスオフィス)」とは

「CASBEE-建築」(認証または自主評価登録)と「CASBEE-WO 認証」をあわせて取得した物件は、環境と健康双方に 配慮したオフィスビルとして、「CASBEE スマートウェルネスオフィス」と呼ばれる認証タイプとなります。(いずれもB+以上で認定。日本橋髙島屋三井ビルディングは、いずれも最高位Sクラスの認証となります。)

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。

なお、下記記載のリスク項目は、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。また本項における将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(2023年3月23日)現在において、当社グループが判断したものであります。

当社が展開する事業に直結するリスクについては、以下の通りです。

(1) 市場環境の変化、市場競争の激化

当社グループの売上高は、国内市場に大きく依存しており、国内の設備投資動向に大きな影響を受けます。このことにより、国内景気の後退による民間設備投資及び公共投資の減少に伴い需要が減少した場合は、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また当社グループは、先進のデザイン・機能性を備えた商品とトータルソリューション提案力でお客様の快適な環境づくりをサポートすることで高い評価をいただいておりますが、市場では激しい競争に直面しており、特に価格面においては必ずしも競争優位に展開できる保証はなく、結果として当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対し、当社グループとしては、景気動向や競合他社の動向にかかわらずお客様に選択いただける高付加価値の商品・サービスの開発を目指すとともに、環境変化に沿った適切な事業ポートフォリオ維持のための経営資源の最適化を図ってまいります。

(2) 新製品開発

当社グループは、既存領域に捉われない独創的な新製品の開発と市場投入を行っています。しかしながら、市場から支持を獲得できる新製品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれら製品の販売が成功しない場合には、将来の成長と収益を低下させ、業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、当該リスクを十分認識したうえで新たな価値の創出のための挑戦を実行してまいりますが、これと併せて市場ニーズを的確にとらえ新製品のヒット率を高めるための調査・分析能力を高めてまいります。

(3) 原材料の価格変動、商品仕入価格の上昇

当社グループで生産している製品の主要原材料である鋼板等については市況価格の変動リスクを有しております。また、グループ外から仕入れる商品の価格につきましても、今後鋼材や原油価格等の原材料の価格が上昇し、仕入先からの仕入価格上昇圧力が強まった場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、製造原価の低減活動や、諸経費の圧縮で対応していく考えでありますが、自社内の取り組みだけでは吸収できない場合には、販売価格の見直しにより適正化に努めております。

(4) 製造物責任

当社グループは、社内で確立した厳しい品質基準をもとに製品を製造しておりますが、予期せぬ事情によりリコールが発生する可能性や、当社グループが提供する、製品・サービスにおいて不測の事象やクレームが発生する可能性があります。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、損失額をすべて賄える保証はなく、結果として当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。またこのことにより、当社グループの製品に対する信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、品質保証領域に対して必要な経営資源を配し、品質管理体制の維持や品質教育の徹底等により品質問題の予防に努めるとともに、万一問題が発生した場合には迅速に対応しその影響を最小限にとどめられるような管理体制を維持してまいります。

(5) 災害等の発生

製造設備等の施設について、災害等によって生産活動が停止しないよう災害防止活動、設備点検等の対策を行っておりますが、予想を超える大規模な災害が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対して、当社グループとしては常にBCPを意識した商品等の供給体制を敷き、災害等のリスク低減を図ってまいります。

 

(6) 海外事業

当社グループは、企業買収に当たっては、対象企業のリスクを把握したうえで決定することになりますが、事業環境等の変化等により、当初想定した効果が得られない場合には、のれんの減損等により業績に影響を与える可能性があります。
  海外の事業展開においては予期しない法律・規制の変更や経済環境の変化等のリスクが存在するほか、戦争、テロリズム、紛争又はその他の要因による社会的又は政治的混乱等の発生の可能性や、為替相場の変動により当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、当該リスクを踏まえた地域ごとの管理体制を構築し現地と密接なコミュニケーションが取れる体制を敷くことにより、リスク低減を図ってまいります。

 

  また、当社が展開する事業に直結するリスク以外のリスクについては、以下の通りです。

(1) 繰延税金資産

当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかし、今後将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合には繰延税金資産の取崩が発生し、その結果当社グループの業績及び財政状況に悪影響を与える可能性があります。

(2) 法令遵守・公的規制に関するリスク

当社グループは、事業の許認可、輸出入に関する制限や規制等の適用を受けております。また、公正取引、消費者保護、知的財産、環境関連、租税等の法規制の適用も受けております。当社グループは、法令遵守、企業倫理を確立するために「イトーキグループ行動規範」を制定し、コンプライアンス重視の経営を推進するために委員会を設置し、充実した内部管理体制の確立に努めております。しかしながら、これらの規制を遵守できなかった場合は当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、これらの規制の改廃や新たな公的規制の新設等がなされた場合、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 有価証券の時価変動リスク

当社グループは、売買を目的とした有価証券は保有しておりませんが、様々な理由で、主要取引先、取引金融機関の株式等の売却可能な有価証券を保有しております。これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価されており、市場における時価の変動が、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 情報システム

当社グループは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害等偶然な事由によりネットワークの機能が停止した場合、商品の受発注不能に陥る可能性があります。

また、外部からの不正な手段によりコンピュータ内へ侵入され、ホームページ上のコンテンツの改ざん・重要データの不正入手、コンピュータウィルスの感染により重要なデータが消去される可能性もあります。このような状況が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 個人情報保護

個人情報の管理に関しては、万全を期していますが、予期せぬ事態により流出する可能性があります。このような事態が生じた場合は、当社グループのブランド価値低下を招くとともに、多額の費用負担が発生する可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当社グループは中期経営計画「RISE ITOKI 2023」の2年目となる当年度において、引き続き構造改革プロジェクトに基づいた各種施策を推進しております。当連結会計年度におきましては、強靭な体質の「高収益企業」を目指し、ポストコロナの「働く環境」づくりをリードするための新しい働き方やワークプレイスの提案、価値向上に重点を置いた営業活動の展開などにより、売上・利益の拡大を図りました。

 

(単位:百万円)

 

2021年12月期

2022年12月期

増減額

増減率

売上高

115,905

123,324

7,419

6.4%

売上総利益

41,719

45,749

4,030

9.7%

販売費及び一般管理費

39,158

41,167

2,008

5.1%

営業利益

2,560

4,582

2,021

79.0%

営業外収益

629

556

△72

△11.6%

営業外費用

752

961

208

27.7%

経常利益

2,437

4,177

1,740

71.4%

特別利益

1,554

7,805

6,250

402.0%

特別損失

2,468

3,611

1,142

46.3%

税金等調整前当期純利益

1,523

8,372

6,848

449.5%

法人税等合計

590

3,191

2,600

440.6%

当期純利益

933

5,181

4,248

455.2%

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,166

5,294

4,128

353.9%

 


(ⅰ)売上高

 前期比74億19百万円6.4%)増収の1,233億24百万円となりました。

・ワークプレイス事業は、ニューノーマル時代の新しい働き方にあわせた大型のオフィス移転やリニューアル案件などを中心に好調に推移しました。

・設備機器・パブリック事業は、研究施設の前期における大型商談受注が今期業績に寄与したことに加えて、物流設備の需要が好調を維持しました。

・IT・シェアリング事業は、システム開発事業に加え、第二の柱として推進してきたシステム検証事業が好調に推移しました。また、オフィス空間のシェア事業が堅調に推移しました。

 

(ⅱ)売上総利益

 前期比40億30百万円9.7%)増益の457億49百万円となりました。

・ワークプレイス事業は、原材料価格高騰の影響はあるものの、増収効果や提供価値の向上による利益率の改善により、増益となりました。

・設備機器・パブリック事業は、原材料価格高騰の影響はあるものの、研究施設、物流設備における需要拡大、販売強化による増収効果および利益率の改善により、増益となりました。

・IT・シェアリング事業は、システム開発・検証事業やオフィスシェア事業が堅調に推移しました。

 

(ⅲ)販売費及び一般管理費

 構造改革プロジェクトによる物流費削減を継続する一方、オフィス家具の国際展示会であるオルガテック東京への出展やITOKI TOKYO XORKのリニューアル、中途人財の採用、DX推進のためのIT基盤強化等の将来の飛躍に向けた戦略的支出を計画通りに実行したため、前期比20億8百万円5.1%)増加の411億67百万円となりました。

 

 

(ⅳ)営業利益

 以上の結果、営業利益は、前期比20億21百万円79.0%)増益の45億82百万円となりました。

・ワークプレイス事業は、増収効果および提供価値の向上による利益率の改善により、大幅増益となりました。

・設備機器・パブリック事業は、研究施設、物流設備の増収効果および提供価値の向上による利益率の改善により、大幅増益となりました。

・IT・シェアリング事業は、GlobalTreehouse㈱の営業停止により黒字に転換しました。また、IT事業は好調な売上により、大幅増益となりました。

 

(ⅴ)営業外収益

 新型コロナウイルス感染拡大防止に関する助成金収入の減少により、前期比72百万円11.6%)減少の5億56百万円となりました。

 

(ⅵ)営業外費用

 当期は為替の変動による為替差損、及び子会社の事業再編費用があったことにより、前期比2億8百万円27.7%)増加の9億61百万円となりました。

 

(ⅶ)経常利益

 以上の結果、経常利益は、前期比17億40百万円71.4%)増益の41億77百万円となりました。

 

(ⅷ)特別利益

 当期は連結子会社GlobalTreehouse㈱の解散に伴う同社一部債権者からの債権放棄による債務免除益や資産効率化を目的とした非事業資産の売却益の計上があったことにより、62億50百万円402.0%)増加の78億5百万円となりました。

 

(ⅸ)特別損失

 当期は将来の使用見込みのない固定資産の除却及び減損損失の計上を実施したこと等により、前期比11億42百万円46.3%)増加の36億11百万円となりました。

 

(ⅹ)親会社株主に帰属する当期純利益

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比41億28百万円353.9%)増益の52億94百万円となり、過去最高益を更新いたしました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

  (単位:百万円)

セグメントの名称

2021年12月

2022年12月

増減額

増減率

ワークプレイス

事業

売上高

80,561

85,945

5,384

6.7%

営業利益

1,914

2,579

664

34.7%

設備機器・

パブリック事業

売上高

33,488

35,667

2,179

6.5%

営業利益

974

1,482

507

52.1%

IT・シェアリング
事業

売上高

1,757

1,624

△132

△7.6%

営業利益又は

損失(△)

△385

449

835

報告セグメント計

売上高

115,807

123,237

7,430

6.4%

営業利益

2,503

4,511

2,007

80.2%

その他

売上高

98

87

△11

△11.5%

営業利益

57

71

14

24.6%

合計

売上高

115,905

123,324

7,419

6.4%

営業利益

2,560

4,582

2,021

79.0%

 

 

 

 

②財政状態の状況

(単位:百万円)

 

2021年12月末

2022年12月末

増減額

増減率

資産の部

103,898

115,288

11,389

11.0%

負債の部

58,822

65,377

6,555

11.1%

純資産の部

45,076

49,910

4,834

10.7%

 

 

(資産の部)

総資産は、構造改革プロジェクトにより継続的に効率化・圧縮を進めております。有形固定資産においては、生産・供給の強化のためアセンブルプロセスセンターの建設を実施しましたが、非事業資産の売却等により、5億61百万円の増加に留まりました。また、無形固定資産につきましては、将来の使用見込みのない資産の除却等により、22億95百万円の減少となりました。流動資産につきましては、構造改革プロジェクトの施策による現金及び預金の増加等により、132億73百万円の増加となりました。これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて113億89百万円増加し、1,152億88百万円となりました

 

 (負債の部)

負債合計は、流動負債がアセンブルプロセスセンターの建設等による設備関係支払手形、及び課税所得の増加による未払法人税等の増加等により65億54百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて65億55百万円増加し、653億77百万円となりました。

 

(純資産の部)

純資産は、増益により利益剰余金が48億57百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べて48億34百万円増加し、499億10百万円となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末と同じく43.2%となりました。

また、1株あたり純資産額は、前連結会計年度の992円89銭から1,100円33銭になりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ96億22百万円の増加があり、254億20百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
  営業利益の増益等により、営業活動による資金の増加は58億4百万円前期は27億74百万円の増加)となりました。

 

(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
 非事業資産の売却等による有形・無形固定資産の売却による収入が96億33百万円あったことなどにより、投資活動による資金の増加は49億23百万円前期は11億70百万円の減少)となりました。

 

(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
  配当金の支払額が6億78百万円あったことなどにより、財務活動による資金の減少は14億26百万円前期は26億58百万円の減少)となりました。

当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下の通りであります。

 

 

2021年
12月期

2022年
12月期

自己資本比率(%)

43.2

43.2

時価ベースの自己資本比率(%)

15.5

23.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

8.2

3.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

16.9

39.5

 

 

④生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前期比(%)

ワークプレイス事業(百万円)

25,745

82.2

設備機器・パブリック事業(百万円)

19,283

108.2

IT・シェアリング(百万円)

913

134.3

合計(百万円)

45,942

92.2

 

(注) 金額は販売価格によっております。

 

 b. 受注実績

当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。

 

 c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前期比(%)

ワークプレイス事業(百万円)

85,945

106.7

設備機器・パブリック事業(百万円)

35,667

106.5

IT・シェアリング(百万円)

1,624

92.4

計(百万円)

123,237

106.4

その他(百万円)

87

88.8

合計(百万円)

123,324

106.4

 

(注) 金額は販売価格によっております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りについては、継続的な評価を行っております。見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づいて行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載の通りであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載しております。

b. 財政状態の分析

当連結会計年度における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

c. キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

③ 資本の財源および資金の流動性の分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料、商品等の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。なお、重要な設備の新設等の計画はありません。

運転資金及び投資資金の調達については、自己資金又は銀行借入で賄う方針であります。

当社は運転資金の効率的な調達を行なうため、取引金融機関5社と2,900百万円の貸出コミットメント契約を締結しております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業の成長及び収益力の向上、並びに資産の効率的な運用の観点から、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率(ROE)を、重要な経営指標としております。

当社の経営理念である「時代の先端を切り開き、グローバル社会に貢献する高収益企業」の実現に向けて、魅力ある商品とサービスを提供し続けること、並びに継続的なコスト削減と生産性向上により、安定的かつ永続的な成長を目指しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 技術導入契約等

当社グループが締結している技術導入契約等は、次のとおりであります。

契約先

国名

内容

対価

期限

KRUEGER INTERNATIONAL,INC.

アメリカ

事務用収納扉の技術、製造、販売権の許与

 一時金及び
ロイヤリティ

2023年12月31日

WALDNER Laboreinrichtungen GmbH&Co.KG

ドイツ

実験用家具の技術、製造、販売権の許与

 一時金及び
ロイヤリティ

2027年1月28日

KNOLL OVERSEAS,INC.

アメリカ

家具の製造、販売権の許与

 一時金及び
ロイヤリティ

2023年7月19日

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、新たな価値を提供する活動を継続・促進するため、研究開発活動に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費の総額は、2,286百万円であります。

基礎的な研究分野では、前期に続き、働く環境を「そこで求められる機能」と「どこで働くかという場所自体」の2軸で捉え直し、これを『スマートオフィス』と称し、多様な場における働き方を支えるテクノロジーについての研究開発を継続しております。

また、新しい世代の多様な働き方を支える「学び場」、特に高等教育・大学DX(デジタル変革)の推進と先端技術の実用化研究として、次世代の学びの場を『スマートキャンパス』と定義し、大学との産学連携プロジェクトによる実証研究を通して、先端技術の具現化を進めております。

 

[ワークプレイス事業]

テクノロジーを活用した分野では、従来の専用空間に閉じない働き方を的確にとらえるため21年11月にリリースした二つのサービス「Performance Trail」と「Workers Trail」のそれぞれについて、新規契約とリテンションを高めるための追加機能をリリースしました。「Performance Trail」については導入企業から寄せられた声をもとに結果表示画面UIの継続的な改善を行い、「Workers Trail」では、ホテリング機能の利便性を高めるための新機能として「会議室表示・予約機能」を22年10月にリリースしました。

オフィス家具とテクノロジーを融合した分野では、分散するワーカーと集合するオフィスのワーカーとの間を自然につなぐ新たな家具領域の製品開発を進め、オープンなエリアでの音環境に配慮したミーティングテーブル「サウンドパラソル」、バーチャルオフィスとリアルオフィスをつなぐコミュニケーションスポット「オフィスサーフ」、WEBミーティングの環境をワンパッケージにまとめた「オンスタジオ」の3製品を発売しました。

オフィス家具の分野においては、ガラスに囲まれた空間におけるWeb会議環境の改善を目的としたiwasemi™ HX-αを発売しました。ピクシーダストテクノロジーズ社との共同開発商品となり、同社独自の吸音メタマテリアル構造設計技術と、当社のオフィスデザインの知見、製造設計技術のコラボレーションによるガラスに貼れる革新的な吸音材です。

昨年発売した可動式ブース「アドセル」については、商品ラインナップ拡充を行い、開閉アシスト機能を設け、車椅子での入退室も可能となるユニバーサルタイプや、2・4人用の複数人利用可能なサイズを発売し、出社比率が徐々に増加傾向にあり、以前に増して個人間コミュニケーションを重視するフレキシブルなオフィス設計の需要にこたえる商品として発売しました。

チェア商品では、デザインとサステナビリティを大幅に向上させた「torte U(トルテユーチェア)」を発売しました。このチェアは、先代トルテRチェアで好評いただいていたコンパクトなサイズ感とイトーキ独自のデュアルモーションロッキング機構はそのままに、現代のオフィスにフィットするようデザインを大きくアップデートしたチェアです。さらに、製造~廃棄まで製品のライフサイクル全体で排出されるCO2をオフセットし実質カーボンニュートラルにすることで地球環境に負荷をかけずに長く使用できるこれからの時代のためのサステナブルなチェアとなっております。

建材分野におきましては、ダブルガラススライディングウォール「デルダ」へのスライドドアパネルを拡充しました。高い遮音性を持つ移動パネルに移動可能なドアを追加し、常設状態でも他の間仕切と遜色ないデザインと機能でコロナ禍のファシリティ再編をサポートします。

また、次世代の多様なコミュニケーションや協働ワークを支える「学び」の空間を、『スマートキャンパス」と称し、特に、高等教育・大学の現場で、実装と実証によるキャンパスDXの具現化を進めています。

この分野での実証研究実績として、文部科学省『次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業(令和4年度)』に採択された、静岡聖光学院での共同実証研究プロジェクトで、次世代技術のメタバース(仮想空間)での協働学習授業を実施しました。

家庭用家具分野におきましては、暮らしに寄り添い日々の生活をアップデートするコンセプト「ITOKI HOME」のブランドを立上げました。新ブランドの商品の一部として、家族でシェアして使える新しいコンセプトの家具「MINOTO(ミノト)」デスク、チェア、ラックや仕事、食事、学習を切り替えて使える「AKEL(アケル)」ダイニングテーブルを発売し、家で過ごす時間や空間を共有する新しいライフスタイルへの心地よさの提案を行っております。

さらに、新商品開発およびAIによるデータ分析・活用の領域における取り組みを強化するため、 Google Cloud とのJBP(ジョイントビジネスプラン)に合意し、Google Cloud のチームやパートナー企業と連携しプロジェクトの推進やサービス提供基盤の確立、イノベーション推進の加速を目指して研究開発を進めています。

なお、研究開発費の額は1,424百万円であります。

 

設備機器・パブリック事業

物流機器分野におきましては、物販系のEC市場拡大を背景とした物流倉庫における課題に対して、シャトル式立体自動倉庫SAS-R(システマストリーマ)の機能拡充に注力しました。倉庫内でのGTP(Goods To Person:歩行レスピッキング)システムにも対応できるように、取扱いできる荷物サイズの拡大を図りました。

更には運用開始後のお客様負担を軽減するため、IoT技術の活用でメンテナンス対応を容易にすると共に、AI・機械学習による予知保全の強化でトラブルを未然に防止するシステムの開発・実証実験を進めております。

公共施設分野におきましては、美術館・博物館向けの新型展示ケースを発売しました。建築施設や展示品と調和した高い意匠性、展示品本来の色味や姿を忠実に再現した高い演色性、展示品の保護や展示空間の環境維持機能を兼ね備えるなど、様々な要求に応える設計開発力で需要拡大を図っております。

なお、研究開発費の額は862百万円であります。