第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

当社グループは、前連結会計年度まで7期連続で営業損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

このため、当社グループでは、当該状況を解消するため、前事業年度の有価証券報告書「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおり、業績の黒字の定着化を基礎とした新中期経営計画『Revive2025』(2023年11月期~2025年11月期)(以下『Revive2025』という。)に基づき、当該状況の解消または改善に努めております。対応策の具体的な内容は以下のとおりであります。

①収益基盤の整備及び拡大

定期訪問・インサイトセールスによる営業活動の質・量の更なる拡大を柱とし、当社顧客基盤の拡大・拡充への取り組みに加え、個々の営業活動の質的向上を図るために、営業管理の高度化・効率化を推進するとともに、顧客への訴求力の基盤となる商品企画開発力の抜本的な強化を図ってまいりました。新しい収益の柱として注力しております特注什器の受注・販売の拡大に向けた営業基盤の拡大にも取り組み、受注が拡大しております。また、原材料等の価格の高騰、急激な円安による輸入製品価格の上昇に伴う製品原価の販売価格への転嫁について、家具関連及び建築付帯設備機器のクリーン機器他設備機器部門についてはコストアップ分の販売価格への転嫁は、カタログ価格の改訂及びOEM製品の販売価格改訂等により進捗しつつあります。

②原価低減と固定費削減による収益体質への構造改革

当社の板金メーカーとしての強みを極大化するために、製造部門を収益センターとして位置付け、当社が強みとする変種・変量生産の特注製品の能動的且つ積極的な取り込みの拡大を図るため、当連結会計年度において変種・変量生産のコスト競争力の強化ならびに老朽化した生産設備の戦略的設備更新の投資等を実施しました。今後も追加的な設備投資、営業人員増による体制強化等を含めた製造部門の更なる収益力強化を図ってまいります。

③運転資金の確保

運転資金の確保につきましては、三菱UFJ銀行との当座貸越契約(4億円)を含めて充分の量を確保しております。加えて、手元流動性を厚くしておくために当連結会計年度において新たに長期資金の借入2億円を実行するなど借入金の長期安定化を進めており、株式市場の動向を踏まえて、担保提供している投資有価証券等の機動的売却による手元資金の更なる潤沢化も進めることも含めて当社の運転資金の確保については懸念がないものと考えております。

したがって、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、継続企業の前提に関する注記は記載しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年12月1日~2025年5月31日)におけるわが国経済は、1月に米国大統領に就任したトランプ大統領の関税政策を巡る各国との交渉が進展を示し始めたことから、世界の金融市場、為替市場は一時の動揺から落ち着きを取り戻し始めたものの、トランプ大統領はウクライナ紛争において親露姿勢を崩さないままイスラエルと歩調を合わせ米国空軍による初めてとなるイラン本土への直接爆撃に踏み切る等、地政学リスクの不確実性は高止まりをしたままであることから、その先行きの不透明さ、不確実性は引き続き高いまま払拭されない状況で推移しました。

このような事業環境下、当社グループは、中期経営計画『Revive2025』に基づき、業績の回復ならびに安定的かつ継続的な配当を実施するため、経営資源の選択と集中、資産の収益性の強化の観点より、稼働効率の低い資産の売却等を含めた経営資源の有効活用等、抜本的な企業経営構造の改革を視野に取り組んでおります。

当中間連結会計期間においては、これら『Revive2025』の取り組みに基づき、事業部門別営業利益を確保するため、営業生産性の高度化、顧客基盤の維持・拡大、物流施設向け等の特注品について製造から搬入・設置に至る体制の構築、前連結会計年度において行った生産設備の戦略的設備更新の投資による生産性の拡大及び新規受注拡大の取り組みを継続しております。

売上面におきましては働き方改革に対するソリューションセールスの拡大により特に首都圏における新規の引き合いは依然として強い状況が継続しておりますが、当初計画と比較して、売上の拡大を図ることが出来ませんでした。物流施設向け等の特注品については付帯工事も含めて引き続き受注が拡大しております。粗利面では原材料価格や円安による輸入製品価格のコストアップ分の販売価格への転嫁を引き続き進めるとともに、諸掛り等の付随費用の請求並びにコスト低減に取り組んだことにより粗利率が改善しました。建築付帯設備機器における受注後納入完了までに長期間を要する案件についての価格転嫁には依然として課題があります。選択受注を進めることにより受注案件の利益率は改善傾向にありますが、受注量は減少しております。また、販売費及び一般管理費につきましては、前中間連結会計期間と比較して諸物価の高騰及び人員の増強に伴う人件費の増加がありましたが、当初計画を若干下回る状況で推移しました。

その結果、当中間連結会計期間の売上高は34億78百万円(前中間連結会計期間比13.5%減)となりました。損益面につきましては、営業利益は32百万円(前中間連結会計期間比66.1%減)、経常利益は41百万円(前中間連結会計期間比64.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は30百万円(前中間連結会計期間比64.3%減)となりました。

 

事業部門別の状況は次のとおりであります。 

[家具関連]

(事務用家具部門)

事務用家具部門においては、オフィスにおける「働き方」が変化する中で、働く人の価値観も急速に変化しつつあり、オフィスワーカーの満足度・ウェルビーイングの向上という昨今の経営課題を解決する手段の一つとして、オフィスの「コミュニティ」に注目しております。「コミュニティ」には、「住む・働く場所」と「人間関係の構築」という2つの要素があると考えており、この両方の側面を念頭に設計されたコミュニティベースに、お客様毎の個別ニーズに合わせたオフィスデザインの提供を目指しております。米国Steelcase社との販売提携強化によるソリューションセールスを拡大することにより顧客への提案活動に注力しております。首都圏における引き合いは拡大しておりますが、売上高の増加には至りませんでした。物流施設向け等の特注品の受注については引き続き拡大し、売上高も増加しております。結果、前連結会計年度においては複数の大型案件の納入が進捗し売上が拡大していたこともあり、売上高は前中間連結会計期間を下回りました。

(家庭用家具部門)

就学児童数の減少やライフスタイルの変化等による学習家具市場の総需要が減少する中、円安による輸入調達価格上昇分の販売価格への転嫁が、購買層の買い控えに繋がり、従来以上に厳しい市況が続いております。当社がこれまで積み上げてきたオフィス家具事業での実績と学習机で培ってきたノウハウを融合させた在宅ワークデスク「リニアミオ」を発売するなど、オンライン学習、ハイブリッドワークの進展による在宅勤務の拡大やリスキリング環境への対応等への取り組みに加え、置き配が進みつつある宅配についてスマートで安心な暮らしの実現に向けて、スチール家具製造で培ったノウハウを集約した「宅配ボックス」を新発売し販売の拡大を進めておりますが、売上高は前中間連結会計期間を下回りました。

その結果、家具関連事業部門の売上高は25億37百万円(前中間連結会計期間比17.5%減)、セグメント利益(営業利益)は2億33百万円(前中間連結会計期間比21.9%減)となりました。

 

[建築付帯設備機器]

(建築付帯設備他部門)

医療福祉施設市場向けの主力商品である懸垂式引戸「アキュドアユニット」、病院向けの医療ガスアウトレット/情報端末内蔵式設備「メディウォードユニット」については、建築資材が軒並み高騰する厳しい事業環境の中で、原材料価格の高止まりの状況に加え、部品価格も高騰する状況が尚続いております。物件ごとの収益管理を厳格化する中で、小口案件の取り込みに注力するとともに、メンテ・改修案件を切り口とした医療・福祉関連施設市場に対する什器関連の提案等による売上拡大を図っておりますが、売上高は前中間連結会計期間を下回りました。

(クリーン機器他設備機器部門)

医療施設向けクリーン機器は、主力の手術室向けクリーン機器空調機が堅調に推移したことに加え、無菌室向けユニット、大型商業施設や工場向け空調機器の生産が増加したこと等により、売上高は前中間連結会計期間を上回りました。

その結果、建築付帯設備機器事業の売上高は9億40百万円(前中間連結会計期間比0.7%減)、セグメント損失(営業損失)は73百万円(前中間連結会計期間はセグメント損失(営業損失)86百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当中間連結会計期間末における総資産は82億98百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億39百万円増加いたしました。この主な要因は受取手形、売掛金及び契約資産が32百万円、商品及び製品が22百万円、流動資産その他が59百万円、有形固定資産その他(純額)が28百万円減少したこと等がありましたが、現金及び預金が92百万円、電子記録債権が1億88百万円、投資有価証券が85百万円増加したこと等によるものであります。

(負債)

当中間連結会計期間末における負債は36億72百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億93百万円増加いたしました。この主な要因は支払手形及び買掛金が50百万円減少したこと等がありましたが、電子記録債務が1億57百万円、流動負債その他が34百万円、退職給付に係る負債が33百万円増加したこと等によるものであります。

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産は46億25百万円となり、前連結会計年度末に比べて45百万円増加いたしました。この主な要因はその他有価証券評価差額金が49百万円増加したこと等によるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、8億50百万円となり、前連結会計年度末に比べて92百万円増加(前中間連結会計期間は4億92百万円の減少)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加額1億58百万円等の資金減少要因がありましたが、税金等調整前中間純利益が39百万円、減価償却費が75百万円、仕入債務の増加額が1億6百万円、未払消費税等の増加額が86百万円等の資金増加要因の結果、1億73百万円の資金増加(前中間連結会計期間は5億78百万円の減少)となりました。 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出24百万円等による資金減少要因の結果、44百万円の資金減少(前中間連結会計期間は96百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の借入による増加(純額)9百万円の資金増加要因がありましたが、配当金の支払額33百万円等による資金減少要因の結果、36百万円の資金減少(前中間連結会計期間は1億81百万円の増加)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は19百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、当社の持分法適用会社である日本アキュライド株式会社の株式を追加取得する契約を締結いたしました。なお譲渡の実行日は、日本アキュライド株式会社の取締役会での譲渡に関する承認を得る必要があるため2025年11月期第3四半期連結会計期間となります。

詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。