第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による各種政策を背景に雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調にあるものの、新興国の景気減速懸念や英国のEU離脱問題などの影響による為替相場や株式市況の変動により、設備投資は低調に推移するなど、依然として先行きは不透明な状況で推移しました。

このような状況のもと、当社グループは顧客の期待に応えられる製品づくりを目指すと同時に原価低減に取り組むなど、グループ一丸となって業績向上に努めてまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,950,686千円(前期比0.0%増)、経常利益は918,427千円(前期比4.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は567,459千円(前期比7.7%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①  猟銃事業

主力の欧米市場が堅調に推移したことから、猟銃の購買ニーズは底堅く需要は拡大しました。特に主力製品である上下二連銃やボルトアクションライフル銃の付加価値の高い製品の販売が好調に推移し、販売数量は前期を上回りました。その結果、売上高は7,534,138千円(前期比5.0%増)、セグメント利益(営業利益)は650,798千円(前期比20.4%増)となりました。

②  工作機械事業

主力の機械部門は民間設備投資が低調に推移したことなどから販売台数が減少し売上高は前期を下回ったものの、利益面におきましては、半導体及び液晶業界の回復に伴い受注件数が順調に増加している加工部門でカバーできました。その結果、売上高は2,517,775千円(前期比5.4%減)、セグメント利益(営業利益)は463,283千円(前期比0.7%増)となりました。なお、売上高につきましては、セグメント間の内部売上高11,339千円を含んでおります。

③  自動車関連事業

主力の純木製ステアリングハンドルは、仕様変更に伴う数量減の影響が大きく7月以降に新製品を投入したものの、販売数量は前期を下回りました。その結果、売上高は1,906,854千円(前期比10.5%減)、セグメント利益(営業利益)は5,420千円(前期比32.9%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて375,050千円増加し、1,906,136千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は1,003,089千円(前連結会計年度は430,230千円の収入)となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益915,667千円、減価償却費452,085千円等であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額384,270千円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は781,208千円(前連結会計年度は224,832千円の支出)となりました。

これは、主に利息及び配当金の受取額26,531千円、有形固定資産の取得による支出791,766千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、得られた資金は175,032千円(前連結会計年度は123,798千円の支出)となりました。

これは、主に長期借入れによる収入700,000千円、長期借入金の返済による支出400,000千円、配当金の支払額118,347千円等によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

猟銃事業

7,428,011

+8.8

工作機械事業

1,287,757

△15.4

合計

8,715,768

+4.4

 

 

(注)

1.

金額は、販売価格によっております。

 

2.

上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3.

セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

 

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

猟銃事業

7,391,505

△4.4

7,455,635

+1.3

工作機械事業

1,395,890

+4.3

490,029

+28.3

自動車関連事業

1,885,300

△10.6

合計

10,672,695

△4.5

7,945,664

+2.6

 

 

(注)

1.

金額は、販売価格によっております。

 

2.

上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3.

セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

猟銃事業

7,534,138

+5.0

工作機械事業

2,506,435

△5.0

自動車関連事業

1,906,854

△10.5

その他

3,258

△0.7

合計

11,950,686

+0.0

 

 

(注)

1.

セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

2.

主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

 

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

 

BACO

5,230,480

43.8

5,446,282

45.6

 

ブローニング・インターナショナルS.A.

1,669,849

14.0

1,767,081

14.8

 

㈱東海理化電機製作所

2,108,572

17.7

1,885,300

15.8

 

 

 

3.

上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

3 【対処すべき課題】

中長期的な基本方針としましては、主力三事業の強みをさらに向上させつつ、その強みを活かした新規事業を模索してまいります。

猟銃事業につきましては、当社の収益面のコア事業として、拡大する米国市場の需要に応える設備と技術力で、ブローニング社との関係を密に取りながら双方の利益拡大を目指します。

また、工作機械事業では、機械やツールの品揃えの拡充と海外販路の開拓を行いながら請負加工を強化して利益確保を図り、自動車関連事業では、純木製ステアリングハンドルとその加飾技術製品を強力に推進し、主力三事業で計画利益の獲得に邁進いたします。

 

セグメントの課題は次のとおりであります。

①  猟銃事業

主力の米国市場は景気も好調を持続し、高水準の需要が続いています。また欧州市場についても高級品志向が強まる等、当社を取り巻く事業環境は堅調に推移しております。

このような環境のもと、当社最大顧客であるブローニング社は、市場占有率拡大という成長戦略を掲げており、当社としましては、2016年に新設した工場の最大活用と、設計及び製造の品質向上、工程の自動化など生産技術力の向上等、諸施策に積極的に取り組んでまいります。また、製品の付加価値において重要な彫刻技術における新たな技術導入も模索し、あわせて国内販売も推進し、利益獲得に向けて注力いたします。

中長期的には、営業力、資材調達力、開発機能強化等の名目でブローニング社との連携強化を図り、グローバル化を進めてまいります。当然ながら、ロスコスト等の削減による原価低減を強力に推し進め、グループのコア事業として強靭な経営基盤構築に尽力いたします。

②  工作機械事業

工作機械事業は、自動車業界に向けたガンドリルマシンの販売拡大は厳しい状況にあります。

このような環境のもと、機械部門では小径ガンドリルマシンの開発により新たな顧客獲得を目指し、ツール部門では小径ガンドリルツールの開発を行い、新規顧客の獲得と既存顧客における一層のシェアの拡大に努めてまいります。さらに海外メーカーとの連携及び商社の有効活用による営業強化を図るとともに、請負加工部門では需要に応じた加工設備の見直しを行い、あらゆる径の深孔明けニーズに対応してまいります。また、引き続き全社的に原価低減に努め、売上及び利益の拡大に努めてまいります。

③  自動車関連事業

自動車関連事業は、3期連続の売上減少を余儀なくされましたが、その要因の一つである当社製品採用車種の海外生産移管への影響は沈静化してまいりました。引き続き原価低減と固定費削減に注力するとともに、2016年に量産を開始した加飾ハンドルは、生産も安定し、純木製ステアリングハンドルに次ぐ製品として利益に貢献できる見込みであります。

このような環境のもと、自動車関連分野では、引き続き新素材とアイデアと新技術を融合させて、市場競争力の高いステアリングハンドル等の製品開発を推進してまいります。2016年に新設した樹脂成形工場では、既に加飾ハンドルの樹脂部品の生産が開始され、2017年には純木製ステアリングハンドルの樹脂部品の生産、また2018年に量産開始となる新製品の生産も予定しております。

また、自動車関連以外の分野では、加飾部品や木製品の案件を具体化することができました。これらの案件の育成・拡大とともに新たな案件の開拓活動も進め、ハンドル以外の事業展開にも積極的に取り組んでまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①  猟銃事業

・海外市場を主とする猟銃事業では、円建て取引を行っておりますが、米国ドルやユーロの為替レートが急激に変動した場合は、受注数量、ひいては業績に影響を与える可能性があります。
・ブローニング社からの受注によるOEM生産が大半であるため、ブローニング社の業績低迷により散弾銃及びライフル銃の販売が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。
・海外市場において、銃規制が大幅に強化されると、新たな規制に対処するための費用が業績に影響を与える可能性があります。
・原材料の価格上昇により、特殊鋼及びクルミ材を使用している銃部品のコストアップ分を製品価格に十分転嫁出来ない場合は、業績に影響を与える可能性があります。

②  工作機械事業

・深孔加工用ガンドリルマシンを主力とする機械部門は、自動車関連産業への依存度が高く、自動車関連産業の設備投資が停滞した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
・ツール部門は、消耗品であるため景気動向に大きく左右されない部門でありますが、競合他社が高品質・低価格製品を供給し、当社の市場占有率が低下した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
・原材料の価格上昇により、工作機械や定盤に多く使用されている鋳鉄のコストアップ分を製品価格に十分転嫁出来ない場合は、業績に影響を与える可能性があります。

③  自動車関連事業

・搭載車種は全てトヨタ自動車株式会社が生産している自動車であるため、搭載車種の販売台数が減少した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
・使用する木材の大半を米国より輸入していることから、米国ドルの為替レートが大幅に変動した場合は、業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 長期供給契約

契約会社名

契約品目

契約の内容

相手先

摘要

株式会社
ミロク製作所

散弾銃及び
ライフル銃

当社はBACOに対して契約品目を長期間供給する。

(米国)

BWA,INC.

契約締結年月    2013年3月

(有効期間  2013年3月から

2023年6月まで)

当社はブローニング・インターナショナルS.A.に対し契約品目を長期間供給すると共に、同社製品中契約品目及び装弾の国内販売を行う。

(ベルギー)

ブローニング・イン

ターナショナルS.A.

契約締結年月    1985年12月

(有効期間  1986年1月から

2020年12月まで)

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、「顧客にとってさらに価値ある商品を提供する」をテーマに、主力の3事業である猟銃事業・工作機械事業・自動車関連事業がそれぞれ取組んでおります。

猟銃事業は、主力のボルトアクションライフル及びレバーアクションライフルの既存モデルの新口径の開発に取組み、レバーアクションライフルにおいては、復刻版の新モデルを制作し、量産化に成功し出荷いたしました。また、外観装飾やライフル分野における新技術の研究、開発に取組んでおります。

工作機械事業は、市場ニーズの変化に柔軟に対応するため、小径深孔加工ガンドリルマシンや小径ガンドリルツールの開発を進め、国内及び海外市場での新たな市場の需要獲得に向け、引き続き研究・開発に努めております。

自動車関連事業は、研究・開発に取組んできた染色積層加工によるステアリングハンドルが製品化され販売いたしました。また、新工法による新製品開発を進めてきた結果、次期モデルの採用が決定いたしました。

なお、当連結会計年度に支出した研究開発費は26,341千円であり、主として猟銃事業に係わるものであります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における資産・負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、猟銃事業におきましては、主力の欧米市場が堅調に推移し、購買ニーズは底堅く需要は拡大し、販売数量は前期を上回りました。工作機械事業は、主力の機械部門は民間設備投資が低調に推移したことなどから販売台数が減少しました。自動車関連事業は、主力の純木製ステアリングハンドルは、仕様変更に伴う数量減の影響が大きく、販売数量は前期を下回りました。その結果、売上高は前期比0.0%増の11,950,686千円、経常利益は前期比4.3%増の918,427千円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期比7.7%増の567,459千円となりました。セグメント別には、猟銃事業は主力の欧米市場が堅調に推移したことに伴い需要は拡大しました。特に付加価値の高い製品の販売数量は前期と比べ増加しました。その結果、売上高は前期比5.0%増の7,534,138千円、セグメント利益(営業利益)は前期比20.4%増の650,798千円となりました。工作機械事業は、民間企業の設備投資意欲の停滞により、主力の機械部門の販売台数は減少し売上高は前期を下回ったものの、利益面におきましては、半導体及び液晶業界の回復に伴い受注件数が順調に増加している加工部門でカバーしました。その結果、売上高は前期比5.4%減の2,517,775千円、セグメント利益(営業利益)は前期比0.7%増の463,283千円となりました。自動車関連事業は、主力の純木製ステアリングハンドルの数量減の影響が大きく、新製品を投入したものの、販売数量は前期を下回りました。その結果、売上高は前期比10.5%減の1,906,854千円、セグメント利益(営業利益)は前期比32.9%減の5,420千円となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「4  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 戦略的現状と見通し

・猟銃事業につきましては、主力の米国市場は新政権発足により不透明感は増すものの、景気は概ね堅調に推移するものと思われます。また、欧州市場につきましても同様の状況が予想されます。

このような環境のもと、当社最大顧客であるブローニング社の戦略に歩調を合わせ高付加価値製品を中心とした生産体制を確立するとともに、品質・納期を確実に守り、売上と利益の拡大に努めてまいります。

・工作機械事業は、主要顧客である自動車業界の生産拠点の海外移転や電気自動車及びハイブリッド車の増加等により、依然として主力のガンドリルマシンの販売は厳しい状況が想定されます。

このような環境のもと、市場ニーズの変化に柔軟に対応するため、大径から小径に至るあらゆる深孔加工用のガンドリルマシンの開発や既存製品の派生モデルの開発に力を入れてまいります。また、国内市場を主体に加工部門におきましては営業強化とともに新たな製品領域の拡充を図り、売上及び利益の拡大に努めてまいります。

・自動車関連事業の事業母体である㈱ミロクテクノウッドでは、主力の純木製ステアリングハンドルの数量減は下げ止まり、一方の3Dドライ転写ハンドルの販売は好調に推移するものと予想されます。

このような環境のもと、新たに樹脂部品の成形・組み付けのラインも導入して、ステアリングハンドルの一貫生産体制を構築するとともに、今後は利益の拡大に努めてまいります。

 

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より572,859千円多い1,003,089千円のキャッシュを得ております。

これは、主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より556,375千円多い781,208千円を使用しました。

これは、主に有形固定資産の取得によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、175,032千円のキャッシュを得ております。

これは、主に長期借入金によるものであります。

これらの活動の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度より375,050千円増加し、1,906,136千円となりました。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社はグループ企業を統制・管理する純粋持株会社として、資本効率を追求した経営体制の確立とコスト構造の改革を実施し、グループの経営効率向上に努力してまいります。

猟銃事業では、営業力、資材調達力、開発機能強化等を目指し、ブローニング社との連携強化を図り、グローバル化を進めてまいります。また、原価低減を強力に推し進め、グループのコア事業として強靭な経営基盤構築に尽力してまいります。工作機械事業は、小径ガンドリルマシンの開発により新たな顧客獲得を目指すとともに、小径ガンドリルツールの開発を行い、新規顧客の獲得と既存顧客における一層のシェアの拡大に努めてまいります。自動車関連事業は、2016年に新設した樹脂成形工場で加飾ハンドルの樹脂部品の生産が開始され、2017年には純木製ステアリングハンドルの樹脂部品の生産、2018年に量産開始となる新製品の生産も予定しております。また、自動車関連以外の分野では、加飾部品や木製品の案件を具体化し、これらの案件の育成・拡大とともに新たな案件の開拓活動も進め、ハンドル以外の事業展開にも積極的に取り組んでまいります。