当連結会計年度におけるわが国経済は、政府及び日本銀行による経済政策や金融緩和策を背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善が見られた一方、中国をはじめとするアジア新興国経済など海外景気の下振れリスクもあり、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループは顧客の期待に応えられる製品づくりを目指すと同時に原価低減に取り組むなど、グループ一丸となって業績向上に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,945,030千円(前期比6.3%減)、経常利益は880,814千円(前期比2.1%減)、当期純利益は526,990千円(前期比18.0%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 猟銃事業
主力の米国市場は景気回復の下支えもあり、付加価値の高い上下二連銃やボルトアクションライフルの売上は堅調に推移いたしましたが、前期の特需による受注増からの一服感は否めず販売数量は前期を下回りました。その結果、売上高は7,172,225千円(前期比2.1%減)、セグメント利益(営業利益)は540,543千円(前期比9.2%減)となりました。
② 工作機械事業
企業の設備投資の持ち直しを背景に、主力の機械部門及び加工部門の売上高は前期を上回りました。また、ツール部門は前期と同水準を維持しました。その結果、売上高は2,662,181千円(前期比8.2%増)、セグメント利益(営業利益)は459,931千円(前期比44.6%増)となりました。なお、売上高につきましては、セグメント間の内部売上高22,472千円を含んでおります。
③ 自動車関連事業
純木製ステアリングハンドルは、国内生産車両に搭載する受注数量が減少したことに加え、主力車種のモデルチェンジに伴う製品価格の引き下げにより、数量・売上高とも前期を下回りました。また、シフトノブについては付加価値の高い純木製シフトノブの生産が終了し、新たな加飾製品へとシフトいたしました。その結果、売上高は2,129,815千円(前期比28.3%減)、セグメント利益(営業利益)は8,072千円(前期比43.6%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて93,748千円増加し、1,531,085千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は430,230千円(前連結会計年度は800,913千円の収入)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益880,814千円、減価償却費447,453千円等であり、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額414,308千円、仕入債務の減少額158,895千円、法人税等の支払額373,119千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は224,832千円(前連結会計年度は841,304千円の支出)となりました。
これは、主に貸付金の回収による収入103,200千円、有形固定資産の取得による支出483,432千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は123,798千円(前連結会計年度は127,587千円の支出)となりました。
これは、主に配当金の支払額118,354千円等によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
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猟銃事業 |
6,827,344 |
△1.5 |
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工作機械事業 |
1,522,349 |
+6.3 |
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合計 |
8,349,693 |
△0.2 |
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(注) |
1. |
金額は、販売価格によっております。 |
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2. |
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 |
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3. |
セグメント間取引については、相殺消去しておりません。 |
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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猟銃事業 |
7,730,413 |
+17.1 |
7,358,744 |
+15.3 |
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工作機械事業 |
1,338,482 |
△15.9 |
381,896 |
△32.5 |
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自動車関連事業 |
2,108,572 |
△28.4 |
― |
― |
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合計 |
11,177,468 |
+0.3 |
7,740,640 |
+11.4 |
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(注) |
1. |
金額は、販売価格によっております。 |
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2. |
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 |
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3. |
セグメント間取引については、相殺消去しておりません。 |
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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猟銃事業 |
7,172,225 |
△2.1 |
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工作機械事業 |
2,639,708 |
+8.3 |
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自動車関連事業 |
2,129,815 |
△28.3 |
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その他 |
3,281 |
△52.5 |
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合計 |
11,945,030 |
△6.3 |
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(注) |
1. |
セグメント間取引については、相殺消去しております。 |
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2. |
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 |
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
||
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BACO |
5,525,096 |
43.4 |
5,230,480 |
43.8 |
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ブローニング・インターナショナルS.A. |
1,658,947 |
13.0 |
1,669,849 |
14.0 |
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㈱東海理化電機製作所 |
2,945,502 |
23.1 |
2,108,572 |
17.7 |
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3. |
上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 |
グローバルに展開する当社グループとしましては、「これまでに培ってきた他社に無い固有技術を強化して収益を確実に上げると同時に、新たな技術を開発して新規事業に結びつける」ことを引き続き中長期的な基本方針と位置付けてまいります。
猟銃事業につきましては、成長性及び収益性の両面で強固なコア事業であり続けるために、今後の取組みを加速させます。具体的には、米国市場、欧州市場の需要はブローニング社の販売戦略と相まって、現在の生産能力を超える受注が続くと見られ、本3ヵ年計画の初年度において、10億円超の設備投資を行う等、万全の態勢の構築を進めてまいります。
また、工作機械事業では、機械部門・ツール部門・加工部門を併せ持つ強みの発揮、自動車関連事業では、純木製ステアリングハンドル以外の分野への強力な推進をメインテーマに掲げ、ミロクグループ全体で利益の獲得に邁進いたします。
セグメントの課題は次のとおりであります。
① 猟銃事業
主力の米国市場は、2015年以降は調整局面が予想されましたが、2016年に大統領選挙を控え、また景気も好調を継続しており高水準の需要が続いています。また欧州市場についても、需要回復の兆しが見え始めてきました。このような環境のもと、当社最大顧客であるブローニング社は、市場占有率拡大という成長戦略を掲げており、当社としましては、これを事業成長のチャンスと捉え設計及び製造の品質向上、タイムリーな納品、受注能力の最大化に向けた諸施策に積極的に取り組んでまいります。
具体的には、新機種生産のためのスペース確保、既存製造現場のレイアウト変更、老朽設備の更新等を行い、生産の整流化を図り、生産効率の向上とこれに伴う受注能力の拡大、更にはロスコストの縮減等によるトータルコストの削減等に結び付けてまいります。
また、同時に市場の求める新製品の開発力強化にも注力してまいります。顧客の購買意欲を刺激する新製品・新技術の開発や原価低減を目指した量産設計企画の提案を行い、品質・価格の両面で市場での存在感を高め、魅力ある製品づくりを進めてまいります。
② 工作機械事業
工作機械事業は、主たる顧客である自動車業界が海外重視の生産能力増強を進めていること、ハイブリッド車の増加等による国内自動車販売の車種構成変化等の影響から、主力のガンドリルマシンの販売拡大は厳しい状況にあります。
このような環境のもと、機械部門では海外メーカーとの連携による東南アジア需要の獲得に向けた営業強化を図るとともに、加工部門ではあらゆる深孔明けニーズに応えることで、国内を主体に自動車産業から航空機産業や医療産業への顧客業界の拡張を図ってまいります。昨年新設した尼崎の加工工場の受注強化、既存加工工場の設備増設等を行い、売上及び利益の拡大に努めてまいります。
③ 自動車関連事業
主力である高級車向け純木製ステアリングハンドルは、開発・市場投入以来10数年が経ったこともあり、厳しい環境が続くと予想され、前期に引き続き原価低減と固定費削減を行い更なる経営体質強化に取り組みます。
中期的には主力製品の純木製ステアリングハンドルの売上回復に向け、純木製でしか出せない意匠や触感の伝わる製品・技術開発を進めるとともに、純木製ステアリングハンドルに次ぐ事業として、関連会社において2016年夏に樹脂成形工場を新設、純木製以外の加飾ハンドルを生産開始予定です。またハンドル以外の加飾部品や住宅床材等の木製品分野について、顧客や製品を拡大すべく、案件開拓活動に積極的に取り組んでまいります。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 猟銃事業
・海外市場を主とする猟銃事業では、円建て取引を行っておりますが、米国ドルやユーロの為替レートが急激に変動した場合は、受注数量、ひいては業績に影響を与える可能性があります。
・ブローニング社からの受注によるOEM生産が大半であるため、ブローニング社の業績低迷により散弾銃及びライフル銃の販売が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。
・海外市場において、銃砲所持規制が大幅に強化されると、新たな規制に対処するための費用が業績に影響を与える可能性があります。
・原材料の価格上昇により、特殊鋼及びクルミ材を使用している銃部品のコストアップ分を製品価格に十分転嫁出来ない場合は、業績に影響を与える可能性があります。
② 工作機械事業
・深孔加工用ガンドリルマシンを主力とする機械部門は、自動車関連産業への依存度が高く、自動車関連産業の設備投資が停滞した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
・ツール部門は、消耗品であるため景気動向に大きく左右されない部門でありますが、競合他社が高品質・低価格製品を供給し、当社の市場占有率が低下した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
・原材料の価格上昇により、工作機械や定盤に多く使用されている鋳鉄のコストアップ分を製品価格に十分転嫁出来ない場合は、業績に影響を与える可能性があります。
③ 自動車関連事業
・搭載車種は全てトヨタ自動車株式会社が生産している自動車であるため、搭載車種の販売台数が減少した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
・使用する木材の大半を米国より輸入していることから、米国ドルの為替レートが大幅に変動した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
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契約会社名 |
契約品目 |
契約の内容 |
相手先 |
摘要 |
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株式会社 |
散弾銃及び |
当社はBACOに対して契約品目を長期間供給する。 |
(米国) BWA,INC. |
契約締結年月 2013年3月 (有効期間 2013年3月から 2023年6月まで) |
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当社はブローニング・インターナショナルS.A.に対し契約品目を長期間供給すると共に、同社製品中契約品目及び装弾の国内販売を行う。 |
(ベルギー) ブローニング・イン ターナショナルS.A. |
契約締結年月 1985年12月 (有効期間 1986年1月から 2020年12月まで) |
当連結会計年度の研究開発活動は、「顧客にとってさらに価値ある商品を提供する」をテーマに、主力の3事業である猟銃事業・工作機械事業・自動車関連事業がそれぞれ取組んでおります。
猟銃事業は、主力のボルトアクションライフルの既存モデルの新口径の開発に取組み、量産化に成功し出荷いたしました。また、外観の装飾及び耐久性を高めるために新たな装飾塗装の研究に取組み、一部量産化に成功し出荷いたしました。
工作機械事業は、市場ニーズの変化に柔軟に対応するため、大口径用深孔加工機BTA及び極小径深孔加工ガンドリルマシンの開発を更に推し進め、国内及び海外市場での新たな市場の需要獲得に向け引き続き研究・開発に努めております。また、中国で開催された東莞国際展示会に小径孔加工ガンドリルマシンを出展いたしました。
自動車関連事業は、従来の木材削り出し工法に加え、研究・開発に取組んできた新たな工法による新製品がモデルチェンジした車種から搭載され販売を開始いたしました。また、産官共同開発事業として取組んでいる新規加飾技術の開発は、自動車内装部品への製品化に向けて研究中であります。
なお、当連結会計年度に支出した研究開発費は40,947千円であり、主として猟銃事業に係わるものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における資産・負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらと異なる場合があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、猟銃事業におきましては、主力の米国市場は景気回復の下支えもあり付加価値の高い製品の売上は堅調に推移いたしましたが、前期の特需による受注増からの一服感は否めず販売数量は前期を下回りました。工作機械事業は、企業の設備投資の持ち直しを背景に、主力の機械部門及び加工部門の売上高は前期を上回りました。自動車関連事業は、純木製ステアリングハンドル及び純木製シフトノブの受注数量の減少に加え、製品価格の引き下げにより、数量・売上高とも前期を下回りました。その結果、売上高は前期比6.3%減の11,945,030千円、経常利益は前期比2.1%減の880,814千円、当期純利益につきましては、前期比18.0%減の526,990千円となりました。セグメント別には、猟銃事業は主力の米国市場が堅調に推移したことに伴い、一部付加価値の高い製品の売上は増加したものの、総販売数量は前期と比べ減少いたしました。その結果、売上高は前期比2.1%減の7,172,225千円、セグメント利益(営業利益)は前期比9.2%減の540,543千円となりました。工作機械事業は、企業の収益改善に伴う設備投資意欲の高まりにより、主力の機械部門及び加工部門が堅調に推移いたしました。その結果、売上高は前期比8.2%増の2,662,181千円、セグメント利益(営業利益)は前期比44.6%増の459,931千円となりました。自動車関連事業は、付加価値の高い純木製ステアリングハンドルの受注数量の減少に加え価格の引き下げや純木製シフトノブの生産終了の影響から売上・利益とも前期を下回りました。その結果、売上高は前期比28.3%減の2,129,815千円、セグメント利益(営業利益)は前期比43.6%減の8,072千円となりました。
「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
・猟銃事業につきましては、主力の米国市場は堅調に推移するものと予想されます。一方、欧州市場は北欧で回復基調にあるものの、南欧では依然として金融不安や国家間の紛争等により経済の先行きは不透明であり、回復には時間がかかるものと予想されます。
このような環境のもと、品質保証体制及び新製品開発力の強化やフレキシブルな生産に対応できる体制の確立、また原価低減活動をより一層強化し、受注数量の確保と利益の拡大に努めてまいります。
・工作機械事業は、主たる顧客である自動車業界は回復基調で推移するものと予想されますが、生産拠点を海外にシフトするなどグローバル化が進み、また電気自動車・燃料電池車等への移行による影響が想定されます。
このような環境のもと、中国・東南アジア市場のマーケットシェアを確保するため、営業活動の強化と海外メーカーでのOEM生産の拡大等による低価格品の販売を強化してまいります。また、新たな製品領域の拡大を図り、あらゆる深孔明けのニーズに応えるよう新製品の開発や既存製品の派生モデルの開発に力を入れてまいります。また、加工工場の本格稼働を目指し、売上及び利益の拡大に努めてまいります。
・自動車関連事業の事業母体である㈱ミロクテクノウッドでは、純木製ステアリングハンドルを搭載する車種の受注数量の減少、製品価格の引き下げや純木製シフトノブの生産中止等による影響は避けられない状況が想定されます。
このような環境のもと、搭載車種の維持・拡大に向けた新製品・技術開発により収益の確保を図ってまいります。具体的には、新素材や新工法による新製品・新技術の開発、原価低減による競争力強化等により、受注数量と利益の確保に努めてまいります。
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より370,683千円少ない430,230千円のキャッシュを得ております。
これは、主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より616,472千円少ない224,832千円を使用しました。
これは、主に有形固定資産の取得によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より3,788千円少ない123,798千円を使用しました。
これは、主に配当金の支払いによるものであります。
これらの活動の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度より93,748千円増加し、1,531,085千円となりました。
当社はグループ企業を統制・管理する純粋持株会社として、資本効率を追求した経営体制の確立とコスト構造の改革を実施し、グループの経営効率向上に努力してまいります。
猟銃事業では、品質保証体制及び新製品開発力の強化やフレキシブルな生産に対応できる体制の確立、また原価低減活動をより一層強化してまいります。工作機械事業は、国内で昨年新設した加工工場の本格稼働による新たな需要獲得、また中国・東南アジア市場のマーケットシェアを確保するため、海外メーカーでのOEM生産の拡大等による低価格品の販売を強化してまいります。自動車関連事業は、受注数量の減少、製品価格の引き下げ等による影響は避けられない状況にあり引き続き厳しい経営環境下にあるものの、その対応策として新素材や新工法による新製品・新技術の開発、原価低減活動による競争力強化等に努めてまいります。