文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「誠実と正直こそ信頼への近道」を基本理念に掲げ、会社に関わるすべての人々に比類のない喜びと感動を与えるため、高品質な製品とサービスを世界へ提供してまいります。
当社グループは、「世界最高水準の銃づくりで培った技術に一層磨きをかけ、応用・展開を図ることにより、顧客にとって更に価値ある商品を提供していきます」を原点に掲げ、猟銃事業・工作機械事業・自動車関連事業を主力3事業と位置づけ、企業価値の向上に取り組んでおります。
2022年10月期の数値目標として、売上高15,500百万円、経常利益1,280百万円を掲げ、一年経過する毎に、数値目標を見直すこととしております。
当社は2018年度より、ミロクグループの長期ビジョンとして「主力三事業の強みを活かし、向上させ、かつ新たな事業を創出することで盤石の経営基盤を築き、今後も成長し続ける企業グループを目指す」を掲げ、その実現に向けたマイルストーンとして中期経営計画を策定しております。
「2020中期経営計画」としましては、引き続き製品及びサービスにおいて競合他社と差別化を図り、収益性及び需要変化への対応力を意識した収益基盤の構築、事業間のコミュニケーションの強化を通じて次代を担う人財の育成と活性化を図ることを基本戦略として推進してまいります。
セグメントごとの課題は次のとおりであります。
① 猟銃事業
主力の米国市場は、好景気を背景に堅調に推移しておりますが、2020年11月に控えた大統領選挙の結果による影響は予測し難く、このトレンドが今後も続くかは不透明です。そのため、主力製品である上下二連銃とボルトアクションライフルにおいて、新製品の開発プロジェクトを発足させており、数年後のリリースに向けて鋭意努力してまいります。またボルトアクションライフルにおいては、設備増強により生産能力拡大を図ってまいります。当社最大顧客であるブローニンググループは、幅広い価格帯の製品を揃え市場占有率拡大という成長戦略を掲げており、当社としましても、当該戦略に基づきブローニングブランドの認知度向上に貢献するべく、製品品質、開発力、価格競争力を強化してまいります。
② 工作機械事業
主力のガンドリルマシンについては、工作機械業界は日米貿易協定も承認され、自動車関連の復調を期待する声も上がる中、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の不透明感は未だ晴れず、先行きが見えない状況にあります。このような環境のもと、機械部門では自動車業界が電気自動車にシフトしてきたことで、今後樹脂部品に必要な金型の穴明け需要が見込まれ、加工部門では全国4拠点の加工工場の稼働率向上により、収益増大を図り、さらには広範囲の需要を漏れなく取り込むため拠点の追加を検討してまいります。また、加工部門の顧客を通じて機械部門やツール部門への展開を進めるとともに、景気に左右されにくい消耗品であるツール部門のガンドリルツール及びその他部門の定盤で安定した利益を創出します。さらに全社的に原価低減を推進し、価格競争力の向上により売上高及び利益の拡大に努めてまいります。
③ 自動車関連事業
2019年10月期は、従来の純木製ステアリングハンドルに部分ウッドタイプを加えた木製ステアリングハンドルは前期比増収となり、さらに3Dドライ転写ステアリングハンドルと全周革ステアリングハンドルの増収が加わり、全体として売上高は大幅な増加となりました。今後も、木製ステアリングハンドル及び3Dドライ転写ステアリングハンドルを事業の柱として売上高増大を目指します。また、100年に一度と言われる自動車業界を取り巻く環境変化やデザイントレンドの変化、顧客の要望の多様化に的確に対応し、開発提案力の強化により、市場競争力の高いステアリングハンドルを世に送り出していきます。さらに2019年7月に発売されたデジタル一眼レフカメラの木製グリップのような自動車以外の木製品等の案件開拓活動も継続して推進してまいります。併せて原価低減を推進し、中期的な売上高増と利益確保にも努めてまいります。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
法規制について
当社グループの事業活動は、環境、製造物責任、知的財産権、労務等各種の法令、規則の適用を受けます。
関連法規の制定、改変には、その適時把握と事前の対応準備に努めておりますが、関連法規の改変等は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
人材の確保及び育成について
慢性的な人材不足が懸念されるなか、当社グループを継続的に成長させるためには、人材の確保や教育、技術の伝承は非常に重要な要素となっております。当社グループは、積極的な採用活動を行うことにより、優秀な人材の確保に努めるとともに、社内研修制度の充実を図り、人材の育成に注力してまいります。
しかしながら、人材の確保及び育成が計画どおりに行えなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
債権の貸倒れについて
当社グループは債権の貸倒れによる損失に備え、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性の検討により、回収不能見込額を設定し、貸倒引当金として計上しております。
また、債務者の状況の変化によって、貸倒引当金の積み増しをした場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
自然災害について
当社グループは、生産活動の中断により生じる損害を最小限に抑えるため、生産設備に対し有効な防災点検及び設備保守、また、安全対策投資等を行っております。しかしながら、突発的に発生する災害や天災、不慮の事故等の影響で、生産設備等が損害を被った場合は、当社の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
セグメント別のリスクについて
(1) 猟銃事業
・海外市場を主とする猟銃事業では、円建て取引を行っておりますが、米国ドルやユーロの為替レートが急激に変動した場合は、受注数量、ひいては業績に影響を与える可能性があります。
・ブローニンググループからの受注によるOEM生産が大半であるため、ブローニンググループの業績低迷により散弾銃及びライフル銃の販売が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。
・海外市場において、銃規制が大幅に強化されると、新たな規制に対処するための費用が業績に影響を与える可能性があります。
・原材料の価格上昇により、特殊鋼及びクルミ材を使用している銃部品のコストアップ分を製品価格に十分転嫁出来ない場合は、業績に影響を与える可能性があります。
(2) 工作機械事業
・深穴加工用ガンドリルマシンを主力とする機械部門は、自動車関連産業への依存度が高く、自動車関連産業の設備投資が停滞した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
・ツール部門は、消耗品であるため景気動向に大きく左右されない部門でありますが、競合他社が高品質・低価格製品を供給し、当社の市場占有率が低下した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
・原材料の価格上昇により、工作機械や定盤に多く使用されている鋳鉄のコストアップ分を製品価格に十分転嫁出来ない場合は、業績に影響を与える可能性があります。
(3) 自動車関連事業
・搭載車種は全てトヨタ自動車株式会社が生産している自動車であるため、搭載車種の販売台数が減少した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
・使用する木材の大半を米国より輸入していることから、米国ドルの為替レートが大幅に変動した場合は、業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態につきましては、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を受けて設備投資や個人消費が持ち直しており、景気は緩やかな回復が続いております。一方海外情勢においては、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱問題による影響などが懸念され、依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは会社に関わるすべての人々に比類のない喜びと感動を与えるため、高品質な製品とサービスを世界へ提供することをミッションに、グループ一丸となって業績向上に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a 財政状態
(資産)
資産合計は前連結会計年度末に比べて821,066千円増加し、17,355,802千円となりました。
主な要因は、現金及び預金が594,166千円、受取手形及び売掛金が82,557千円、機械装置及び運搬具が93,711千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債合計は前連結会計年度末に比べて89,945千円減少し、3,841,774千円となりました。
主な要因は、長期借入金が400,000千円、支払手形及び買掛金が63,687千円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が700,000千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末に比べて911,012千円増加し、13,514,027千円となりました。
主な要因は、利益剰余金が791,071千円増加したこと等によるものであります。
b 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高15,368,111千円(前期比13.8%増)、経常利益は1,269,572千円(前期比15.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は938,895千円(前期比14.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(猟銃事業)
欧州市場においては、販売は伸び悩んでいるものの、米国市場は景気の緩やかな拡大に伴い購買ニーズが順調に推移したことから、主力製品の上下二連銃及びボルトアクションライフルの販売が前期を上回りました。その結果、売上高は8,161,332千円(前期比8.7%増)、セグメント利益(営業利益)は696,866千円(前期比20.4%増)となりました。
(工作機械事業)
主力のガンドリルマシンは機械部門の営業強化が奏功し、高価格製品である大型物件の受注等により販売台数は前期比大幅増となり、売上高及び営業利益とも前期を上回りました。その結果、売上高は3,045,960千円(前期比11.5%増)、セグメント利益(営業利益)は714,696千円(前期比14.0%増)となりました。なお、売上高につきましては、セグメント間の内部売上高13,209千円を含んでおります。
(自動車関連事業)
従来の純木製ステアリングハンドルに部分ウッドタイプを加えた木製ステアリングハンドルは前期比増収となり、さらに3Dドライ転写ステアリングハンドルと全周革ステアリングハンドルの販売数量も順調に推移したことから売上高は前期を上回りました。利益面につきましては、付加価値の高いステアリングハンドルの減少により、前期を下回りました。その結果、売上高は4,168,267千円(前期比25.6%増)、セグメント利益(営業利益)は4,726千円(前期比42.2%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて594,166千円増加し、2,851,110千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,529,175千円(前連結会計年度は628,727千円の収入)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,386,488千円、減価償却費593,535千円、保険金の受取額119,319千円等であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額563,945千円、売上債権の増加額82,560千円、たな卸資産の増加額45,146千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は564,548千円(前連結会計年度は470,885千円の支出)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出622,667千円、利息及び配当金の受取額49,398千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は366,855千円(前連結会計年度は22,006千円の支出)となりました。
これは、主に長期借入れによる収入400,000千円、自己株式の処分による収入83,858千円、長期借入金の返済による支出700,000千円、配当金の支払額147,823千円等によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における資産・負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらと異なる場合があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、猟銃事業におきましては、欧州市場においては、販売は伸び悩んでいるものの、米国市場は景気の緩やかな拡大に伴い購買ニーズが順調に推移したことから、主力製品の上下二連銃及びボルトアクションライフルの販売が前期を上回りました。工作機械事業は、主力のガンドリルマシンは機械部門の営業強化が奏功し、高価格製品である大型物件の受注等により販売台数は前期比大幅増となり、売上高及び営業利益とも前期を上回りました。自動車関連事業は、従来の純木製ステアリングハンドルに部分ウッドタイプを加えた木製ステアリングハンドルは前期比増収となり、さらに3Dドライ転写ステアリングハンドルと全周革ステアリングハンドルの販売数量も順調に推移したことから売上高は前期を上回りました。利益面につきましては、付加価値の高いステアリングハンドルの減少により、前期を下回りました。以上の結果、売上高は前期比13.8%増の15,368,111千円、経常利益は前期比15.6%増の1,269,572千円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期比14.9%増の938,895千円となりました。セグメント別には、猟銃事業は米国市場の購買ニーズが順調に推移し、付加価値の高い製品の販売が前期を上回りました。その結果、売上高は前期比8.7%増の8,161,332千円、セグメント利益(営業利益)は前期比20.4%増の696,866千円となりました。工作機械事業は、主力のガンドリルマシンの付加価値の高い大型物件の受注等により、売上高及び営業利益とも前期を上回りました。その結果、売上高は前期比11.5%増の3,045,960千円、セグメント利益(営業利益)は前期比14.0%増の714,696千円となりました。自動車関連事業は、各ステアリングハンドルの販売数量は順調に推移いたしましたが、利益面につきましては、付加価値の高いステアリングハンドルの減少により、前期を下回りました。その結果、売上高は前期比25.6%増の4,168,267千円、セグメント利益(営業利益)は前期比42.2%減の4,726千円となりました。
なお、「2019中期経営計画」の観点から当連結会計年度を振り返ると、事業別取組は着実に前進しており、経常利益1,000百万円超の成長トレンドは維持できているものと考えております。
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、商品、原材料等の購入費用、販売費及び一般管理費等の営業費用及び維持更新等を目的とした設備投資等であります。これらの資金需要に対しては、営業活動から獲得する自己資金並びに金融機関からの借入による調達を基本としております。
なお、予定されている重要な資本的支出はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、「顧客にとってさらに価値ある商品を提供する」をテーマに、主力の3事業である猟銃事業・工作機械事業・自動車関連事業がそれぞれ取組んでおります。
猟銃事業は、引き続き主力のボルトアクションライフル及び上下二連銃の新口径や新機構を取り入れた付加価値の高い製品の開発に取組んでおります。また、将来の新機種開発をにらみ、高機能を持つ表面処理や意匠性の高い外観装飾、新しい機構の研究、開発にも取組んでおります。
工作機械事業は、1㎜以下の穴加工ができる専用機タイプの極小径ガンドリルマシンを開発しましたが、汎用機タイプの機械需要が増えてきたため、新規開発を行っています。また、樹脂や木材への穴加工の引き合いがあることから、樹脂・木材加工専用のガンドリルマシンを開発し新たな市場の需要獲得に向け努力しております。
自動車関連事業は、純木製ステアリングハンドルで2020年のオリンピックにあわせ、新製品の藍色ステアリングハンドルを今期市場に投入しました。また、部分ウッド及び3Dドライ転写ステアリングハンドルが主流になりつつあり、引き続き各種ハンドルの新素材・工法の研究・開発に取組んでおります。
なお、当連結会計年度に支出した研究開発費は