第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、政府が推進する各種政策や経済対策の効果等による雇用・所得環境の改
善から、個人消費は総じてみると持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方で、
英国のEU離脱問題による欧州経済の動揺や中国を始めとするアジア新興国等の景気の下振れに加え、米国新政権
発足による経済政策の変更等により、世界経済における不透明感が強まる等、海外経済変動の影響に留意すること
が必要となっております

このような経済環境の下で当社グループは、メーカーの原点である「技術と品質」「スピードと革新性」に加
え、マーケットインの視点を大切にした真摯な「ものづくり」に取り組むことによりお客様と会社の繁栄を実現す
るとの経営理念のもと、「イノベーションの創生」を本年度のメインスローガンに掲げ、様々な経営課題に臨んで
まいりました。それはすなわち、当社グループを取り巻く市場や自らが有する経営資源を改めて精査し、経営資源
の効率的かつ有効な活用による低コストと高品質を兼ね備えた製品の提供により、お客様との深く良質な関係性を
維持強化するとともに、迅速な意思決定による柔軟かつ機動的な事業展開が可能な組織体制を武器として、電子機
器及びスポーツ用品事業に続く第三の柱となるべき事業の確立を含めた以下のような諸施策の展開であり、当社グ
ループは、これにグループ一丸となって粘り強く取り組んでまいりました。

(電子機器事業・新規事業)

①顧客のニーズに合致したコスト競争力のある高品質な製品の提案により、OEM先顧客との信頼関係の維持強化を図りながらも、一方で電子機器事業における自社ブランド新製品である高性能液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズの市場投入や、その他新製品の本格的市場展開に向けた取り組みを着実に進めてまいりました

平成28年9月以降、電子機器の製造物流等の中核機能並びに子会社エフ・エス㈱の一部機能及び拠点を、埼玉県飯能市に設けた新たな事業所に移転・集約することで、一層のコスト削減並びに製品品質及び業務効率の更なる向上を進めております

③電子機器製品製造におけるコアコンピタンスである卓越した品質と短納期・ローコストの両立を維持強化すべ
く、品質管理体制強化と製造コスト削減に係るプロジェクトの推進による製造原価低減及びグループ横断的な固定経費削減に向けたコンサルティングの導入等、利益率向上に向けた諸施策を貪欲に推進してまいりました

④自律走行システム「I-GINS」は、主戦場であるゴルフ場に浸透するためのフィールドテストを始めとした諸施策及びその開発へのフィードバック等に粘り強く取り組んだことで、試験販売用として特定顧客のゴルフ場への導入を実現いたしました。また、「I-GINS」技術の転用による多用途展開に向けた提携先との関係構築にも取り組んでまいりました。一方、ICカード関連機器については、マイナンバーカードを含めた各種ICカード規格に対応可能な非接触ICカードリーダ/ライタのターゲットとなる市場の拡大が引き続き見込まれるなか、石油元売業界においてハイテクタンクローリー用制御機器に組込型ICカードリーダ/ライタを導入するとともに、出荷情報登録システムに接続する卓上型ICカードリーダ/ライタの油槽所への設置を推進いたしました。また、大手携帯電話会社向けSIMカードリーダ/ライタの導入も進めております

⑤新規事業として、消滅化方式生ごみ処理装置の製造・販売活動を開始し、今後同製品のOEM供給先であるシーエヌシー株式会社との連携を一層深め、多角的な販売戦略及び医療法人・大型商業施設等の多様な販路開拓による市場シェアの拡大に取り組んでまいります。

(スポーツ事業)

①総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコ㈱は、製造コスト上昇を踏まえた製品改廃の促進やコスト削減自体の徹底等による利益体質の構築を進めつつ、キャスコブランドゴルフ用品の積極的かつ多様なプロモーション活動の推進等によるブランドシェア拡大、そしてキャスコ独自の魅力的かつ独創的な新製品の企画・開発の推進等の諸施策に粘り強く取り組んでまいりました。

②カーボンシャフト事業におきましては、製造工場の所在地であるバングラデシュにおける人件費上昇及び工場環境の改善等に係るコスト増大が不可避である中で、現地の不安定な治安及び社会の情勢に柔軟に対応しつつ、高いコスト競争力及び品質を有する製品の安定的供給による新たなOEM供給先顧客の獲得及び既存顧客との信頼関係の維持強化に向けた取り組みを実施してまいりました。またUSTMamiyaにおきましては、世界で戦うツアープロ達に支持される「Quality(品質)」「Performance(性能)」「Feel(感性)」を兼ね備えた新シャフトの企画、開発等の推進、USTMamiyaブランドの認知度向上による市場シェア拡大等の諸施策に貪欲に取り組んでまいりました。

その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、149億73百万円(前期比17.0%減)、営業利益は8億72
百万円(前期比31.5%減)、経常利益は8億97百万円(前期比30.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5
億16百万円(前期比4.9%減)となりました。

(電子機器事業セグメント)

①遊技関連製品について

当連結会計年度における遊技関連市場は、全日遊連が行った各都府県方面遊協の組合員数調査によると、平成28
年11月末時点で全国の遊技場の営業店舗数が1万店の大台を割り込み、同年末に一時回復の兆しが見られたもの
の、年明けの平成29年1月末には再度1万店を割り込みました。また年間を通じてパチスロ機の台数は増加傾向で
推移しているものの、パチンコ機の台数は大幅な減少が見られるなど遊技業界を取り巻く事業環境は依然として厳
しい状況となっております(警察庁生活安全局保安課発表「平成28年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取
締り状況等について」)。

このような状況の下で遊技関連事業は、伊勢・志摩サミットの開催や、「遊技くぎ問題」に端を発する「検定機
と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の大規模な回収・撤去が平成28年12月末までに3度に渡って行われ
たことで、パチンコホールにおいて先行きの不透明感から遊技機の入替を優先し、周辺機器の新規設備投資を先送
りする動きが見られた結果、当社の主力であるOEM製品の販売が通期に渡り低迷しました。また、当社の子会社で
ある、エフ・エス㈱のパチンコ関連機器の保守メンテナンス業務につきましても、遊技場事業者数の減少等による
OEM先顧客との契約内容の変更に伴い、収入が減少しました。

②小型券売機「Operal」シリーズについて

平成29年2月に、メニューの多言語表示が可能で、小型でありながら電子マネー・高額紙幣にも対応可能な高性
能液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズを市場投入し、販売チャネルの拡大及びグループ一体
となった積極的な販売を推進してまいりました。このVMT-600は、子会社エフ・エス㈱とメーカーである当社の各
部門との連携強化がもたらす新たな視点による、臨機応変で柔軟なマーケティング展開が奏功し、最適なコストパ
フォーマンスを重視する顧客層からの引き合いもあって、発売開始以降順調に販売台数を伸ばしており、平成30年
3月期の一層の拡販に向けて幸先の良いスタートを切ることが出来ました

③拠点集約等による業務効率向上及びコスト削減への取り組みについて

飯能事業所への拠点集約に伴い、移転に係る初期費用こそ発生したものの、自社所有の工場及び倉庫を構えるこ
とにより、工場・倉庫賃料及び寄託・荷役料等のコスト削減において徐々にその成果が現れており、さらに子会社
エフ・エス㈱の機能及び拠点の一部を集約することによる、事務所賃料の削減等によるグループ横断的な固定経費
削減も進めてまいりました。また、前連結会計年度より取り組んでまいりました「仕組み改善・品質保証プロジェ
クト」について、仕組み改善分野では人件費の削減及び業務効率の改善等、品質保証プロジェクト分野では製造工
程内の不良率低減等によるコスト削減に、一定の成果を上げることが出来ました。

このように新製品である液晶小型券売機VMT-600の販売促進及びグループ横断的なコスト削減への取り組み並び
に堅調であった電子部品販売等により一定の業績は維持したものの、遊技関連事業における伊勢・志摩サミットの
開催に伴う遊技機の入替自粛や「遊技くぎ問題」の影響等による新規パチンコ周辺機器の設備投資先送り等を要因
とする販売低迷による大幅な売上減少を補うまでには至らず、売上及び利益がともに大幅に減少いたしました。

この結果、電子機器事業セグメントの売上高は88億37百万円(前期比22.3%減)、営業利益は9億35百万円(前
期比34.9%減)となりました。

(スポーツ事業セグメント)

①キャスコ事業

当連結会計年度におけるゴルフ関連市場は、国内のゴルフ場来場者数及びゴルフ場収益は前年同期と比較して概
ね横ばいで推移しておりますが、少子高齢化の進展等により60歳以上の世代が国内のゴルフ人口の4割強を占める
等の要因によりゴルフ対象年齢層の人口減少及びこれに伴う市場規模の縮小が続いております(日本生産性本部発
表「レジャー白書2016」)。

このような状況の下でキャスコ㈱の国内販売においては、独自開発した3Dスキャナを利用したジャストサイズ
グローブを提供するグローブ測定器フェア、ゴルフボールを購入したお客様に向けたオウンネームフェア、そして
キャスコブランドクラブの試打会を全国各地で開催する等の積極的なプロモーション活動を実施してまいりまし
た。その結果、ゴルフボール「KIRA LINE(キラライン)」の販売が前連結会計年度から引き続き好調に推移した
こと、突発的な降雨にも対応可能なレインウェア等の販売が好調であったこと、そして平成29年2月に販売を開始
した、公式仕様適合外ながらも異次元の飛距離を実現出来る「Zeusimpact(ゼウスインパクト)」ドライバー及び非
公認球でありながら超反発を実現した「Zeusimpact(ゼウスインパクト)」ボールが計画通り売上げに貢献したこと
で、国内販売においては堅調な業績を維持することが出来ました

一方で、キャスコ㈱の海外事業におきましては、当連結会計年度を通じた中国国内の共産党員に対するゴルフ禁
止令やゴルフ場の閉鎖及び新規開発中止命令等、ゴルフ取締規制の強化によるゴルフ市場の縮小が、香港、台湾な
どのアジア市場に大きな影響を及ぼしていることに加え、韓国における売上げ不調の影響もあいまって、海外事業
全体で売上げが低調に推移し、依然として厳しい事業環境が続いております

②カーボンシャフト事業

海外におけるカーボンシャフト事業については、米国市場において大手スポーツ用品店が民事再生の手続きによ
り全米で100店舗以上を閉店したことや、世界を代表する複数の大手スポーツ用品メーカーがゴルフクラブ事業か
ら相次ぎ撤退を決定する等、スポーツ用品市場の先行きに不透明感を残す結果となりました。

しかしながら、このような逆風にもかかわらず、前連結会計年度に引き続き「Recoil(リコイル)」及び
「Elements(エレメンツ)」シリーズシャフトに対する市場の関心は高く推移しており、USTMamiyaブランドの認
知度向上のため、SNSの積極的な活用や、PGAツアーでのシャフトの使用率を高めるなどの諸施策に粘り強く取り組
んでまいりました。

また、平成28年7月に起きたダッカ襲撃事件以降、USTMamiyaブランド製品の多くが製造されているバングラデ
シュ国内では、国際的テロ組織の脅威による緊迫し不安定な治安及び社会情勢が続いております。そして、バング
ラデシュ工場は、そのような情勢に臨機応変に対応し製品の安定的供給を継続してまいりましたものの、新規OEM
先顧客に対する出荷が平成30年3月期に持ち越しとなったことや、現地政府の政策による工場人件費の上昇、工場
建屋及び生産設備の不具合の改修費用増大等の影響により、依然として利益確保が厳しい状況が続いております

このような状況から、キャスコ事業におきましては、国内外における経費削減への取り組みが奏功するととも
に、国内事業において堅調な実績を維持することができましたものの、スポーツ事業全体としては、カーボンシャ
フト事業における売上の減少及び上述の製造コスト上昇の影響等もあり、利益面では営業損失を解消するにはいた
りませんでした。

この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は59億37百万円(前期比8.3%減)、営業損失は2億6百万円(前
期は2億73百万円の営業損失)となりました。

  (注)上記2セグメントの他、不動産賃貸料収入等として、売上高2億14百万円、営業利益1億43百万円がござ

      います

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が8億67百万円(前期比6.4%減)と増加したことにより、前連結会計年度末に比べ68百万円増加し、当連結会計年度末には77億30百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は11億47百万円(前期比36.8%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8億67百万円、減価償却費4億7百万円、売上債権の減少4億7百万円及び法人税等の支払額3億30百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は15億13百万円(前期は33百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出17億59百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は4億44百万円(前期は23億83百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出10億31百万円、配当金の支払額4億68百万円がありましたが、長期借入れによる収入21億円等によるものであります

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

 自己資本比率(%)

51.2

57.1

55.2

 時価ベースの自己資本比率(%)

71.5

58.2

43.7

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

5.3

3.7

6.9

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

18.7

17.1

9.3

(注)自己資本比率                :  自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率          :  株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :  有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ  :  営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

電子機器事業

5,655,874

△26.5

スポーツ事業

6,001,423

△7.3

合  計

11,657,298

△17.7

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

電子機器事業

2,019,155

△14.6

(注)1.金額は実際仕入額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

電子機器事業

8,836,609

△22.3

スポーツ事業

5,937,407

△8.3

報告セグメント計

14,774,016

△17.2

その他

199,409

5.7

合  計

14,973,426

△17.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額(千円)

割 合 (%)

金 額(千円)

割 合 (%)

日本ゲームカード㈱

5,397,454

29.9

3,597,830

24.0

コスモ・イーシー㈱

3,831,459

21.3

1,882,240

12.6

エムディーアイ㈱

1,698,352

11.3

3.上表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

<経営理念>

「ものづくりを通し、信頼性の高い技術と品質をお客様に提供し、豊かな未来を拓いていく」

当社は、メーカーの原点である「技術と品質」「スピードと革新性」を見つめ、真摯に「ものづくり」に取り組むことにより、お客様と会社の繁栄を実現することを経営理念としております。

<経営基本方針>

当社は「業績の持続的安定成長の実現」を目標とし、次の4つを経営基本方針としております。

①利益ある成長

企業活動の源泉である健全なる利益を追求した経営を実行する。

②徹底したお客様志向による信頼性の確保

お客様の目線で「ものづくり」を行い、お客様の満足と信頼を得られる経営を実行する。

③独自分野に果敢に挑戦する開拓精神

失敗を恐れずに、時代を一歩リードする独自分野に挑戦する経営を実行する。

④法令等を遵守し、公正且つ良識ある企業活動

すべての役職員が法令等を遵守し、公正誠実な企業活動をとることにより、お客様や社会から信頼され共感を得られる経営を実行する。

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための指標

当社は、持続的安定成長を実現し、そして継続的な安定配当等により株主利益の向上を図る観点から、事業損益から最終損益までの収益拡大を重視し、利益(営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)の極大化を目指します。また、経営効率及びコスト削減徹底の観点から営業利益率及び経常利益率等の向上にも邁進しております。

(3)経営環境

今後の経営環境は、電子機器事業はパチンコホール数の減少傾向等による遊技関連市場の縮小及び射幸性の高い遊技機への新たな規制強化の可能性等、今後の新規設備投資への不透明感が払拭されないことで、引き続き市場の低迷が続くものと思われます。また、スポーツ事業におきましても、米国をはじめとする様々な国や地域でスポーツ用品市場の縮小の兆しが見られること、国内のゴルフ参加人口に大きな比重を占める団塊世代が、高齢化に伴いゴルフからリタイアすること等により、ゴルフ参加人口及び市場規模の一層の減少が見られることから、いずれの市場においても明るい兆しは見られず、限られた需要の争奪戦と競合他社との熾烈な価格競争等の影響から、引き続き厳しい事業環境が続くものと予測されます。

(4)経営戦略及び事業上及び財務上の対処すべき課題

(電子機器事業セグメント)

社主力事業である電子機器事業セグメントにおける遊技関連市場の動向は、「1.業績等の概要(1)業績」にも記載いたしました通り、遊技場事業者数等の減少に伴う市場規模の縮小と「遊技くぎ問題」等に伴う新規設備投資案件数の低迷等により、依然として熾烈な競争が繰り広げられております。また、平成28年12月に可決・成立した「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(いわゆる「IR推進法」)の付帯決議において求められている「ギャンブル等依存症対策の抜本的強化」に基づき、警察庁が、遊技機の射幸性抑制の観点から「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」及び「同法施行規則」等が定める営業許可基準である「著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準」の改正等による更なる規制強化の枠組みを示すなど、今後の新規設備投資の動向に暗雲立ち込める情勢が続いております。

このような先行き不透明な事業環境の下、特定の取引先への過度の依存からの脱却に継続して取り組んでいるものの、当連結会計年度においても「遊技くぎ問題」等遊技関連業界における外的要因により当社OEM事業の業績が引き続き大きな影響を受けていることから、遊技関連業界の動向に左右されない独自の収益源の確立が、当社グループの事業における喫緊かつ最大の対処すべき課題であるとの基本的な認識に変化はございません。

このような事業構造に根ざす最大の課題を克服し、遊技関連マーケットにおける確固たる地位を維持しつつも、業界動向等の影響を受けない独自の事業計画の立案遂行による持続的な成長を可能とする多極的な収益構造を確立すべく、以下に掲げるような取り組みにより、一層の企業価値向上を図ってまいります。

[マーケティング戦略等事業推進への取り組み]

当社独自の技術を用いた自社ブランド製品及びOEM製品の開発において、廉価で高性能・高品質な製品を求める顧客のニーズを満たすマーケット志向の新製品を迅速かつ継続的に開発するとともに、販売競争力の強化に向け、対外的な営業力の強化及びマーケティング戦略の充実等を積極的に推進してまいります。

平成29年4月に完全子会社であるマミヤ・オーピー・ネクオス株式会社を吸収合併し、各事業部門間における重複業務の排除並びに経営トップから一般社員に至るまでの事業方針及び情報の共有化の促進による業務効率等の向上を図るとともに、各事業部門をフラットかつコンパクトに再編成することによる双方向コミュニケーションの円滑化によって、適確な経営意思決定による迅速かつ合理的な事業展開を図ってまいります。

飯能事業所を、製造・物流の中核拠点にとどまらず、新規事業領域に係る新製品の製造工場とすることで高水準な工場稼働率を維持するとともに、グループ事業の一体的運営を推進するための拠点としての機能を併せ持たせることで、当該事業所の一層の有効活用を促進し、当社グループ全体の業務効率化及びコスト削減を徹底してまいります。

[マミヤブランド製品の開発・販売強化]

液晶タッチパネル式小型券売機「Operal VMT-600」シリーズにつきましては、販売競争力強化のため販売体制を抜本的に見直し、販売チャネルの拡大を図るとともに、大口法人を始めとする多様なユーザーへの販促活動の強化を進めてまいります。また、メーカーとしての顧客満足度向上の観点から、券売機ユーザーの要望を満たす保守サービス体制の充実強化等にも取り組み、長い歴史を誇る「マミヤ」ブランドに対する信頼を揺るぎないものにすることで、「Operal」ユーザーの維持・拡大による当社券売機ビジネスの飛躍的拡大を図るとともに、IoT技術の転用によるさらなる高機能化等を併せて実現し、当社製品のコモディティ化を回避することで、事業競争力の強化を図ります。

自律走行システム「I-GINS」につきましては、芝刈りロボットにおけるメインターゲットであるゴルフ場に浸透するためのマーケティング活動の強化、製品化・量産化に向けた技術的精度の向上に向けた開発作業、並びに生産、品質評価等に係る市場投入に向けた体制の構築を急ぐとともに、販売促進に向けた製品セットアップ・メンテナンス保守体制を早期に確立してまいります。

また、「I-GINS」技術の転用等による多用途展開につきましては、道路舗装用ロードローラーへの搭載などの新規プロジェクトを、今後本格的に開始する予定です。

ICカード関連機器につきましては、顧客の要望に柔軟に対応することができる生産体制等を構築し、市場ニーズを捉えた製品開発力を武器として、製造コストの削減と互換性の拡充等により、リプレイス案件の獲得及び公共機関を含む顧客層の拡大・深耕等を図り、競合他社多数の中、一定のシェアを獲得することによる収益拡大に取り組んでまいります。

[新規事業領域への取り組みについて]

①生ごみ処理装置

当社は、平成28年12月に、メンテナンスコストの低さや日常管理の容易さにおいて競合機を凌駕する消滅化方式生ごみ処理装置のメーカーであるシーエヌシー株式会社と、当該生ごみ処理装置の製造及び販売に関する業務提携につき合意し、その本格的な市場投入に向け、製造及び品質管理体制の構築等に、鋭意取り組んでまいりました。そして、「自治体総合フェア2017」および「2017NEW環境展」への出展等のプロモーション活動を通じて、環境ビジネスを当社の中核的事業に発展させる端緒とすることを目標としております。また、これまで当社が培ってきた「ものづくり」のノウハウをフルに活かした新型機の開発をも視野に入れつつ、キャスコ㈱の顧客であるゴルフ場等をはじめとする、新たな販路の開拓にも積極的に取り組み、更なる競争力強化を図ってまいります。

②ベンチャー企業への出資

(イ)当社は、次世代スーパーコンピュータに搭載される3D積層DRAMメモリを開発するウルトラメモリ株式会社に対し、第三者割当増資の引受けにより出資を行っております。当該次世代スーパーコンピュータ技術が確立さ
れ汎用化が可能となった暁には、「I-GINS」やその他当社製品等に対する技術転用により、IoT技術の搭載による高性能化やコスト削減等、当社製品の競争力強化への貢献を見込んでおります。

(ロ)当社は、医薬品ベンチャー企業である株式会社フリーキラ製薬との間で、「資本業務提携契約書」等を締結し、同社に対し第三者割当増資の引き受けにより出資を行うとともに、同社製品である食中毒や風邪のウイル
ス対策等に効果を有する「ドクターウォーター」の製造及び厚生労働省から第二類医薬品として承認を受けた「フリーキラS」の生産オペレーションの受託に係る基本合意に基づき、当社が有する飯能工場の高い生産能力と当社事業に係る幅広い顧客基盤を活用し、医薬品市場という新規事業分野の開拓に邁進してまいります。

(スポーツ事業セグメント)

スポーツ事業セグメントにおける市場であるゴルフ用品業界におきましては、「1.業績等の概要(1)業績」にも記載致しましたとおり、国内市場におきましては、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの影響も薄れる中、縮小傾向にあるゴルフ市場及びゴルフ参加人口に改善の兆しは見られず、また海外市場においては中国・アジア新興国等における景気の後退や米国をはじめとするスポーツ用品市場の先行き不透明感と、競合他社多数による熾烈な価格競争等の影響により、国内外共に厳しい事業環境が続いております。

このような事業環境の下で、当社グループのスポーツ事業セグメントにおきましては、ワールドワイドに事業を展開するグループ各社がゴルフ用品事業における利益の極大化を目指し、統一された事業戦略の下で、グローバルマーケットにおける熾烈な競争に勝ち残り得る的確かつ迅速なマーケティング活動を展開し、顧客志向の高品質かつリーズナブルな製品を企画し開発することによる競争力強化を図るべく、以下の諸施策に粘り強く取り組んでまいります。

①ゴルフ関連市場では今、ゴルフファン層の高齢化に伴うゴルフ参加人口の減少等による市場規模縮小の影響を乗り越えるべく、ゴルファー層の裾野拡大の観点から女性や若年層にも支持されるマーケティング戦略が求められております。このことを踏まえ、キャスコ㈱は、国内のゴルフ関連マーケットにおいて、『創業以来のこだわりを貫いた良品完成の「ものづくり」の精神を守りつつ、「楽しいゴルフ」を創造し続ける』との理念を具現化する魅力的な新製品を安定的かつ継続的に提供することで、幅広いユーザー層の支持拡大を目指しており、広告宣伝をはじめとする有効かつ効果的なマーケティング展開と利益率向上を目的とする製品改廃を含めた製品展開の見直し及び販管費削減を併せて推進することで、キャスコブランドの価値向上による、一層の利益拡大に取り組んでまいります。

②中国・アジア新興国の景気動向が不透明な状況の中で、米国が北朝鮮への強硬姿勢を強め、朝鮮半島を取りまく日本や韓国、アジア諸国において緊迫した状況が続いており、このような国際情勢がキャスコ㈱の海外事業に影響を与える可能性があるため、慎重に情勢を見極める必要があると考えております。このように流動的な状況のなかではありますが、キャスコ㈱は、従来から取り組んでまいりました、大手販売店との取引拡大、直営店及び派遣販売員による販売網の充実及びそれに対する営業支援等を含めた営業活動の強化と、顧客ニーズの積極的な収集による各国マーケットにおける魅力的な製品の企画開発を通じて、収益の底上げと安定化を図ってまいります。

③グローバルシャフト事業におきましては、メインマーケットである米国のゴルフ用品市場において大型スポーツ用品店の破綻等による市場規模の縮小が見られる中、継続的な経費削減とPGAツアー使用率向上のための諸施策、そして自社ブランドシャフトのリニューアル製品の継続供給等によって、長期的な視点から、引き続きUSTMamiyaユーザーの拡大を図ってまいります。

また、製造拠点を置くバングラデシュにおける、国際的テロ組織の脅威による不安定な治安及び社会情勢が解消される目途が立たないことから、引き続き外務省及び政府系機関並びに現地の情報に精通した民間企業等からの情報を収集し、現地駐在員との緊密なコミュニケーション等を通じて現地の情勢に臨機応変に対処することにより、事業の正常な運営を継続し、製品の安定的な供給に努めてまいります。さらに、新規OEM先顧客の工場監査の合格を受けた出荷が本格的に開始されたことを受け、現地の人件費及び原材料価格等の高騰に適切に対応した原価管理を徹底し、生産計画の精度向上による人員計画及び生産スケジュールの最適化並びに製造諸設備の改修による製造環境の改善等により製品品質の安定化を図り、顧客との信頼関係の維持強化と利益率の向上に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)特定事業の業績への依存と当該事業環境が悪化する可能性

当社グループの売上高に占める電子機器事業セグメントの割合は極めて大きく、当連結会計年度では59.0%に達しております。このような収益構造にもかかわらず、当該事業におけるOEMに大きく依存する事業構造は依然として続いており、これに起因する業績の不確実性・不安定性に変化はありません。

このような現状を踏まえ、当社グループといたしましては、OEM先との信頼関係を維持し強化すると共に、紙幣搬送システム、紙幣識別機、遊技場向けシステム関連事業等の成長に全力を尽くすとともに、新製品(非接触式ICカードリーダ/ライタ、自律走行システム「I-GINS」等)の開発、新規市場の開拓等の施策により当該事業セグメントの業績の安定と拡大を図ってまいりますが、当該事業セグメントにおける売上及び利益の動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2)特定の取引先に対する過度の依存によるリスク

当社電子機器事業セグメントにおける主要顧客である日本ゲームカード㈱に対する売上比率は、当連結会計年度では連結売上高の24.0%に達しております。同社との取引関係は極めて良好に推移しており、今後もこの信頼関係を維持・強化することについて両社間に見解の相違はございませんが、日本ゲームカード㈱の業績の動向あるいは同社の取引方針が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)法的規制によるリスク

当社製品のエンドユーザーである遊技場は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」等の法令等の規制対象となっており、当社がOEM供給する台間カードユニット等の使用に際しては、使用許可の取得又は使用届けが義務付けられています。したがって、これら法令が改正された場合、台間カードユニット等の遊技場への販売・設置に関してマイナスの影響が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(4)新商品開発の遅延によるリスク

当社グループの各事業セグメントは、新技術による新商品開発を継続的に行い市場に投入しております。このような開発の日程につきましては、万全の管理をしておりますが、予期せぬトラブルによる遅延等により新商品の市場投入が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)工場所在国の社会情勢によるリスク

スポーツ事業における製造拠点の所在地であるバングラデシュ人民共和国では、これまで、国内における与野党対立等の政治的要因や、貧困・雇用不足等の社会的要因によって、治安及び社会情勢が不安定な状況が続いておりましたが、昨年7月に発生した国際的テロ組織が関与したといわれるダッカ襲撃テロ事件を契機として、その不安定な治安及び社会情勢の要因が、宗教的・思想的要因を背景とした国際的な性格を帯びたものへと変質する兆しがみられるなど、現地情勢は深刻さを増しつつあります。

このように、今後のバングラデシュ情勢の動向によっては、当社グループのスポーツ事業セグメントの業績に影響を与える可能性があります。

(6)金銭消費貸借契約(シンジケーション方式タームローン契約及びコミットメントライン契約)における財務制限条項の存在

当社は、株式会社りそな銀行以下の銀行団との間で、総額14億円のタームローン契約を締結しております。その主旨は、本契約のアレンジャー/エージェントである株式会社りそな銀行との間で発展的協力関係を構築することにより、資金調達の安定化並びに今後の事業展開における機動的な資金調達を可能とすることにありますが、本契約に基づく全ての債務の履行を完了するまでの間、各会計年度の決算期及び第2四半期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部及び各年度の決算期の末日における単体の貸借対照表における純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること並びに各会計年度の決算期における連結・単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすることを確約する旨の財務制限条項が規定されております。

また、株式会社りそな銀行以下の銀行団との間で、総額16億円のタームローン契約を締結しております。本契約に基づく全ての債務の履行を完了するまでの間、各会計年度の決算期の末日における連結の貸借対照表の純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること並びに各会計年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすることを確約する旨の財務制限条項が規定されております。

さらに、株式会社りそな銀行以下の銀行団との間で、総額15億円のコミットメントライン契約を締結しております。本契約に基づく全ての債務の履行を完了するまでの間、各会計年度の決算期の末日における連結の貸借対照表の純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること並びに各会計年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が損失とならないようにすることを確約する旨の財務制限条項が規定されております。

当社の連結子会社は、株式会社りそな銀行以下の銀行団との間で、総額9億50百万円のタームローン契約及び総額5億円のコミットメントライン契約を締結しております。本契約に基づく全ての債務の履行を完了するまでの間、各会計年度の決算期の末日における単体の貸借対照表の純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること並びに各会計年度の決算期における単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすることを確約する旨の財務制限条項が規定されております。

5【経営上の重要な契約等】

当社は、平成29年2月8日開催の取締役会決議に基づき、当社の完全子会社であるマミヤ・オーピー・ネクオス株式会社を、平成29年4月1日付で吸収合併いたしました。詳細は、「第5[経理の状況] 2財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。

 

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、電子機器及びスポーツの両事業セグメントともに、新製品の企画開発、厳しさを増す一方の価格競争に対応するための一層のコスト低減、並びに新分野への事業展開を主たる目的として取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の総額は6億91百万円であります。

なお、各事業セグメント別の研究開発活動の内容及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 電子機器事業

当事業セグメントの研究開発費は、自社製品の新規開発体制を強化する中で4億98百万円となりました。その内容は、自社ブランド製品等のバリエーション増加への取り組み、ICカードリーダ/ライタ技術を応用した新製品の開発、自律走行システム「I-GINS」の開発、新規商品企画等となります。

(2) スポーツ事業

当事業セグメントの研究開発費は1億92百万円となりました。その内容は、連結子会社であるキャスコ㈱におけるカラーボールやクラブ等の開発、ユ-エスティ・マミヤInc.における、「Recoil(リコイル)」及び「Elements(エレメンツ)」シリーズシャフトの開発等となります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、繰延税金資産等の算出評価について見積りを行っております。この見積りは当連結会計年度末現在において判断したものであり、見積りには不確実性、あるいはリスクを内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の売上高は、149億73百万円(前期比17.0%減)、営業利益は8億72百万円(前期比31.5%減)、経常利益は8億97百万円(前期比30.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億16百万円(前期比4.9%減)となりました。

まず、当社グループにおける収益の柱である電子機器事業セグメントの業績につきましては、売上高88億37百万円(前期比22.3%減)、営業利益は9億35百万円(前期比34.9%減)となりました。

これは、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」において詳細に記載いたしましたとおり、液晶小型券売機VMT-600の販売促進及びグループ横断的なコスト削減への取り組み並びに堅調であった電子部品販売等により一定の業績を維持したものの、遊技関連事業における伊勢志摩サミット開催に伴う遊技機の入替自粛のや「遊技くぎ問題」の影響等による新規パチンコ周辺機器の設備投資先送り等を要因とする販売低迷による大幅な売上減少を補うまでには至らず売上及び利益がともに減少いたしました。

一方、スポーツ事業セグメントにつきましては、売上高は59億37百万円(前期比8.3%減)、営業損失は2億6百万円(前年同期は2億73百万円の営業損失)となりました。

これは、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」において詳細に記載いたしましたとおり、キャスコ事業におきましては、国内外における経費削減への取り組みが奏功するとともに、国内事業において堅調な実績を維持することができましたものの、スポーツ事業全体としては、カーボンシャフト事業における売上の減少及び上述の製造コスト上昇の影響等もあり、利益面では営業損失を解消するまでにはいたりませんでした。

なお、以上の結果として、売上高営業利益率が7.1%から5.8%に、総資産経常利益率が5.0%から3.4%に減少しております。

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ6億98百万円増加(2.7%増)し、262億67百万円となりました。

このうち、流動資産は145億43百万円となり、2億51百万円減少いたしました。これは主として、受取手形及び売掛金4億20百万円等が減少したことによるものであります。

また、固定資産は117億23百万円となり、9億50百万円増加いたしました。これは主として、有形固定資産13億22百万円等が増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ8億35百万円増加(7.7%増)し、117億39百万円となりました。

このうち、流動負債は59億4百万円となり、2億15百万円増加いたしました。これは主として、1年返済予定の長期借入金2億61百万円等が増加したことによるものであります。

また、固定負債は58億34百万円となり、6億20百万円増加いたしました。これは主として、長期借入金8億7百万円等が増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産総額は、前連結会計年度末に比べ1億37百万円減少(0.9%減)し、145億27百万円となりました。この要因は、主として、親会社株主に帰属する当期純利益5億16百万円増加したものの、剰余金の配当4億67百万円等が減少したことによるものであります。

以上の結果として、自己資本比率は前連結会計年度の57.11%から55.20%に減少し、1株当たり純資産は、1,569円50銭から1,574円54銭へと増加しました。また、流動比率、当座比率等についても健全な水準を維持する等、財政状態は堅調に推移しており、持続的な安定成長を支える基盤となっております。

続いて、キャッシュ・フローの状況とそれらの要因についてですが、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フロー」に記載したとおり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ68百万円増加(0.9%増)し、77億30百万円となりました。

このうち営業活動によるキャッシュ・フローは11億47百万円の増加(前年同期は18億16百万円の資金増加)となりました。これは主に、資金の減少要因として、持分法の投資益により1億44百万円等があったものの、資金の増加要因として、税金等調整前当期純利益8億67百万円及び売上債権の減少4億7百万円等があったことによるものであります。

次に、投資活動によるキャッシュ・フローは15億13百万円の減少(前年同期33百万円の資金増加)となりました。これは主に、資金の増加要因として、投資有価証券の売却による収入2億17百万円等があったものの、資金の減少要因として、有形固定資産の取得による支出17億59百万円等があったことによるものであります。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは4億44百万円の増加(前年同期は23億83百万円の資金減少)となりました。これは主に、資金の減少要因として、長期借入金の返済による支出10億31百万円、配当金の支払による支出4億68百万円等があったものの、資金の増加要因として、長期借入れによる収入21億円等があったことによるものであります。

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、本有価証券報告書の、「第2[事業の状況]4[事業等のリスク]」に記載した以下の事項があります。

(1)特定事業の業績への依存と当該事業環境が悪化する可能性、(2)特定の取引先に対する過度の依存によるリスク、(3)法的規制によるリスク、(4)新商品開発の遅延によるリスク、(5)工場所在国の社会情勢によるリスク、(6)金銭消費貸借契約(シンジケーション方式タームローン契約及びコミットメント契約)における財務制限条項の存在

当社は、これらリスクを的確に把握・評価し、その顕在化を回避するための適切な施策を、適宜に立案・実施するよう努めます。

(5) 経営戦略の現状と見通し

当社は、製造業としての原点である「技術と品質」そして「スピードと革新性」を改めて見つめ直し、真摯に「ものづくり」に取り組むことにより、お客様と会社の繁栄を実現させるべく、「ものづくりを通じて信頼ある技術と品質をお客様に提供し豊かな未来を拓いていく」との経営理念を掲げております。また、この経営理念に基づき、「業績の持続的安定成長の実現」を目指すべく、「3[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](1)経営方針<経営基本方針>」に記載した経営の基本方針のとおり、グループ会社ともども企業体質の強化に努めております。

このような経営の基本方針の下で当社グループは、一連の戦略的事業再構築を通じて経営資源の選択と集中並びに事業領域の拡大とを推進し、健全かつ強固な経営基盤と、持続的成長を可能とする多極的な事業構造を着実に構築しつつあります。その結果として当社は電子機器の企画・開発・製造・販売・アフターサービスを一貫して担うとともに、当社電子機器の主たるユーザーである遊技場向けのシステム関連事業と自動券売機の販売を担うエフ・エス㈱、総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコ㈱、海外におけるシャフト事業を担うユーエスティ・マミヤInc.、ゴルフ用品等の生産拠点であるマミヤ・オーピー(バングラデシュ)Ltd.の子会社群を傘下に持つグループの司令塔としての性格を強く有する会社となっております。

そして、これにより当社は、電子機器事業び新規事業に加え、当社グループの中核企業として、グループ全体の事業戦略立案、経営管理及びリスクマネジメント等を担い、傘下の各社が、グループ共通の経営方針の下で、

1.各事業の実情に即した迅速かつ柔軟で肌理細やかな事業展開が可能となる、

2.各事業の経営成績が明確となるため業績評価及びリスク管理が容易となる、

3.既存の会社を買収によって当社傘下の子会社群に加えることで、容易に新規事業に進出することができる等、M&A等を通じた大胆な事業再編が可能となる、

といったメリットを享受することで、グループにおける経営資源配分の最適化による経営効率そして収益の極大化を図ることができるものと考えています。

このような経営戦略の各セグメントにおける展開の現状と見通しにつきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」及び「3[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](4)経営戦略及び事業上及び財務上の対処すべき課題」において詳細に記載いたしましたとおりであり、一連の戦略的事業再構築を通じて確立してまいりました健全かつ強固な経営基盤と持続的成長を可能とする多極的な事業構造の下、持続的で安定した成長と堅牢かつ多彩な事業展開を実現するための様々な施策を引き続き推進してまいります。

まず電子機器事業セグメントにおいては、従来の方針を踏襲し、OEM先顧客との信頼関係の維持・強化並びに独自技術による自社ブランド製品の積極的展開による新市場の開拓・確立に向けての取り組みを推進してまいります。一方、スポーツ事業セグメントにつきましては、キャスコ㈱を中核とした完成品主体のゴルフ用品メーカーとしての地位を確立するための諸施策を講じてまいります。

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループは、電子機器事業及びスポーツ事業を二本柱として事業活動を展開しておりますが、ともに成熟産業であるがゆえに、競合企業間において限られた市場におけるシェアの争奪戦を余儀なくされる厳しい事業環境にあります。また、主力の電子機器事業がOEM中心の事業構造であるため、当社グループ独自の事業計画を立案・遂行することが困難な状況にあります。このような環境下で当社は、経営の基本方針に掲げました「業績の持続的安定成長」を実現するための新たな成長ステップの礎となるべき揺るぎない土台を構築すべく、上記「(5)経営戦略の現状と見通し」においてご説明いたしましたグループ体制の下、その持てる経営資源を最大限に活用し、全ての部門における生産性を極大化することによって高品質・高付加価値と低コストとの両立を図り、成長の源泉である収益力を維持・強化すべく、より高い市場性を有する製品の開発と新規事業分野における新たなマーケットへの展開を、大胆かつ細心に進めてまいります。

とりわけ、高度に国際化・情報化され急速かつ激しく変化し続ける今日の競争環境において、「ものづくり」の会社である当社及び当社グループが生き残り成長し続けていくためには、顧客のニーズをタイムリーに具現化することができる、あるいはシーズ志向で顧客をリードし新たな市場を開拓することができる、イノベーションすなわち技術革新を持続的に生み出すことができる技術力を鍛え上げ磨き上げることが不可欠であり、当社は、その過程そして成果としての「イノベーションの創生」を成し遂げてまいります。

また、「第4[提出会社の状況]6[コーポレート・ガバナンスの状況等]」でご説明いたします、当社及び当社グループにおけるコーポレート・ガバナンス体制を通じて業務の有効性・効率性を高め、経営目標の達成を阻害する要因であるリスクを的確に把握・統制し、経営者が全ての情報を正確に把握すると共にその意思を全組織に迅速・確実に浸透させることによって、全ての役職員が情報と認識を共有し一体となって業績の向上に全力を尽くすと共に、さらなる成長を可能とする企業体質を構築してまいります。

そして当社グループは、上記「(5)経営戦略の現状と見通し」においてご説明いたしましたとおり、経営理念として「ものづくりを通じて信頼ある技術と品質をお客様に提供し豊かな未来を拓いていく」ことを掲げておりますが、その実践をすべての役職員に徹底するとともに、より一層真摯な姿勢でメーカーの原点に立ち返り、「真心を込めた丁寧なものづくり」に取り組むことでお客様に満足していただき、豊かな社会に貢献できる企業を目指してまいります。