第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

<経営理念>

「ものづくりを通し、信頼性の高い技術と品質をお客様に提供し、豊かな未来を拓いていく」

当社は、メーカーの原点である「技術と品質」「スピードと革新性」を見つめ、真摯に「ものづくり」に取り組むことにより、お客様と会社の繁栄を実現することを経営理念としております。

<経営基本方針>

当社は「業績の持続的安定成長の実現」を目標とし、次の4つを経営基本方針としております。

①利益ある成長

企業活動の源泉である健全なる利益を追求した経営を実行する。

②徹底したお客様志向による信頼性の確保

お客様の目線で「ものづくり」を行い、お客様の満足と信頼を得られる経営を実行する。

③独自分野に果敢に挑戦する開拓精神

失敗を恐れずに、時代を一歩リードする独自分野に挑戦する経営を実行する。

④法令等を遵守し、公正且つ良識ある企業活動

すべての役職員が法令等を遵守し、公正誠実な企業活動をとることにより、お客様や社会から信頼され共感を得られる経営を実行する。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための指標

当社グループは、持続的安定成長を実現し、そして継続的な安定配当等により株主利益の向上を図る観点から、事業損益から最終損益までの収益拡大を重視し、利益(営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)の極大化を目指すとともに、資本効率の向上及びコスト削減徹底の観点から、「自己資本当期純利益率(以下、「ROE」という。)」を経営上の目標の達成状況を判断するための指標と位置付けており、その具体的な数値目標を5.0%としております。

 

(3)経営環境

今後の経営環境は、電子機器事業はパチンコホール数及び遊技機台数の大幅な減少等による遊技関連市場の縮小及びパチンコホールからのATMやデビットカードシステムの撤去等を推進することを含めた新たに検討されているギャンブル等依存症対策強化に向けた取り組みの影響等により、今後の業界動向に不透明感が払拭されないことで、引き続き市場の低迷が続くものと予測されます。また、スポーツ事業におきましても、国内景気の足踏み感及び中国景気の減速傾向や国内のゴルフ参加人口に大きな比重を占める団塊世代が、高齢化に伴いゴルフからリタイアすること等により、ゴルフ参加人口及び市場規模の一層の減少が見られることなどから、引き続き厳しい事業環境が見込まれます。また、不動産事業においても、都心のオフィス需要が引き続き堅調である反面、投資用不動産への不正融資に端を発する金融機関の融資姿勢厳格化や大手建設事業者による建築関連諸法令への違反等の不祥事などの発生を受け、業界全体が冷え込む可能性も取りだたされていることなどから、先行き不透明感が払しょくできない状況が続いております。

 

(4)経営戦略及び事業上及び財務上の対処すべき課題

①経営基盤の強化について

当社グループは、「ものづくりを通し、信頼性の高い技術と品質をお客様に提供し、豊かな未来を拓いていく」との経営理念のもと、メーカーの原点である「技術と品質」「スピードと革新性」を見つめつつ真摯に「ものづくり」に取り組んでまいります。

また、当社グループの持続的成長の基礎となる、取引先を始めとしたステークホルダーとの信頼関係の維持・強化とともに、経営資源の合理的かつ積極的な活用による事業領域の拡大及び深耕、働き方改革の流れを受けた人員配置適正化による業務の効率化及び高度化並びに教育訓練制度及び人事制度の拡充等による組織及び人材のさらなる強化を推進することで、一層の企業価値向上に努めてまいります。

しかし、電子機器事業の主力である遊技関連業界においては、2018年中において遊技場数および遊技機台数に大幅な減少が見られるなか、さらなるギャンブル等依存症対策強化につながるパチンコールからのATMやデビットカードシステムの撤去等を推進することを含めた新たな取り組みが検討されており、スポーツ事業においては、国内景気の足踏み感及び中国景気の減速傾向が見られます。また、不動産事業においても、都心のオフィス需要が引き続き堅調である反面、投資用不動産への不正融資に端を発する金融機関の融資姿勢厳格化や大手建設事業者による建築関連諸法令への違反等の不祥事の発生などを受け、業界全体が冷え込む可能性もとりざたされるなど、いずれの事業セグメントにおいても先行き不透明感が払しょくできない状況が続いていることから、各々の業界動向に左右されない独自の収益源の確立こそ、当社グループにおける最大の対処すべき課題であるとの認識に変化はありません。このような当社グループにおける最大の対処すべき課題につき、以下に掲げるような諸施策に粘り強く取り組んでまいります。

②既存事業領域の深耕

〔電子機器事業セグメント〕

(アミューズメント事業)

・バリューエンジニアリングを施した紙幣搬送システムを始めとする遊技機周辺設備機器の開発

・消費増税及び新紙幣の発行を見据えた情報収集等

・労働力不足解消等の市場ニーズをとらえた設備投資案件の獲得

・収益拡大を目的とした事業体制の合理化及び効率化並びに製品品質の向上等

・OEM依存脱却に向けた、製品提案を含むソリューション営業の推進

(券売機事業)

・複数税率(軽減税率)対応を含む券売機のさらなる高機能化及び多機能化の推進

・カスタマイズ対応等の大口案件の獲得

・お客様サポート部門とコールセンターの連携によるアフターフォロー体制の強化

・展示会出展やホームページ等を有効に活用したプロモーション活動の推進

(I-GINS事業)

・顧客からのフィードバックを反映した機能及び品質のさらなる向上

・アフターサービス部門の新設等による顧客フォロー体制の構築・拡充

・営業、開発、製造及びアフターサービス部門の人材強化

・「I-GINS」ブランド価値向上に向けたプロモーション活動の推進

・本格的な市場投入に向けた、販売代理店網の確立を含む販売体制の構築

(新規事業領域)

・ICカードリーダライタにつき、石油流通システム等の更新需要の取り組み及びコインランドリー等の各種機械への多用途展開

・ホームページ制作業務及び顧客管理システム等開発業務受託案件の獲得

・物理乱数生成機能を有する電子部品の拡販

〔スポーツ事業セグメント〕

(キャスコ事業)

・キャスコの原点である「楽しいゴルフ」から生み出される魅力的な新製品の開発及び販売の推進

・高評価を受けた「ドルフィンウェッジ」、「ゼウスインパクト」及び「パワートルネード」等のシリーズ製品によるさらなる市場シェア拡大

・SNSを積極的に活用したマーケティング活動の推進

・販売チャネルの強化と商品ラインナップの拡充

(カーボンシャフト事業)

・新シャフトの開発及びブランド認知度向上に向けた諸施策の推進

・バングラデシュにおける人件費等の上昇に対応するための生産性向上

・製品品質の向上及びコスト削減等に向けた製造諸設備の改修等の促進

・カーボンシャフトにとどまらず、アイアンシャフト及び利益率の高いウッドシャフトの戦略的な市場投入

・カーボン製棒高跳び用ポールやクロスボウ用アロー等の市場展開

〔不動産事業セグメント〕

・トランクルーム「プラスワンストレージ」事業の収益拡大

・マーケットの動向を適切にとらえた販売用及び賃貸用不動産の獲得

・販売用不動産の積極的なプロモーション活動の推進

・賃貸用不動産の適切な管理・運用による安定的な賃料収入の確保

③新規事業領域について

・「ものづくり」と「イノベーション」の融合により、社会的トレンドを捉えた事業領域の拡大及び深耕に積極的に取り組む

・ゴルフ場跡地を活用したメガソーラー事業への投資等、資本効率及び事業収益性の高い新規事業領域の開拓

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)特定事業の業績への依存と当該事業環境が悪化する可能性

当社グループの売上高に占める電子機器事業セグメントの割合は極めて大きく、当連結会計年度では47.4%に達しております。このような収益構造にもかかわらず、当該事業におけるOEMに大きく依存する事業構造は依然として続いており、これに起因する業績の不確実性・不安定性に変化はありません。

このような現状を踏まえ、当社グループといたしましては、OEM先との信頼関係を維持し強化すると共に、紙幣搬送システム、紙幣識別機、遊技場向けシステム関連事業等の成長に全力を尽くすとともに、非接触式ICカードリーダライタ、自律走行システム「I-GINS」等の開発及び販売、並びに新規市場の開拓等の諸施策により当該事業セグメントの業績の安定と拡大を図ってまいりますが、当該事業セグメントにおける売上及び利益の動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)特定の取引先に対する過度の依存によるリスク

当社電子機器事業セグメントにおける主要顧客である日本ゲームカード㈱に対する売上比率は、当連結会計年度では連結売上高の24.9%に達しております。同社との取引関係は極めて良好に推移しており、今後もこの信頼関係を維持・強化することについて両社間に見解の相違はございませんが、日本ゲームカード㈱の業績の動向あるいは同社の取引方針が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)法的規制によるリスク

当社製品のエンドユーザーである遊技場は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」等の法令等の規制対象となっており、当社がOEM供給する台間カードユニット等の使用に際しては、使用許可の取得又は使用届けが義務付けられています。したがって、これら法令等が改正された場合、台間カードユニット等の遊技場への販売・設置に関してマイナスの影響が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)新商品開発の遅延によるリスク

当社グループの各事業セグメントは、新技術による新商品開発を継続的に行い市場に投入しております。このような開発の日程につきましては、綿密な管理をしておりますが、予期せぬトラブルによる遅延等により新商品の市場投入が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)工場所在国の社会情勢によるリスク

スポーツ事業における生産拠点であるバングラデシュ人民共和国では、2018年12月末に投開票が行われた総選挙において与党のアワミ連盟が圧勝しましたが、これに対し野党連合は不正多発を理由とした再選挙を要求する等、治安情勢の再度の悪化及び与野党の対立激化による政情不安が懸念されております。また、国際的テロ組織が関与したといわれる2016年7月に発生したダッカ襲撃テロ事件より間もなく3年が経過いたしますが、近隣諸国において同テロ組織による大規模な連続爆発事件が発生していることからテロの脅威が高まっており、引き続き予断を許さない状況が続いております。

このように、今後のバングラデシュ情勢の動向によっては、当社グループのスポーツ事業セグメントの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)金銭消費貸借契約(シンジケーション方式タームローン契約及びコミットメントライン契約)における財務制限条項の存在

当社は、株式会社りそな銀行以下の銀行団との間で、総額14億円のタームローン契約を締結しております。その主旨は、本契約のアレンジャー/エージェントである株式会社りそな銀行との間で発展的協力関係を構築することにより、資金調達の安定化並びに今後の事業展開における機動的な資金調達を可能とすることにありますが、本契約に基づく全ての債務の履行を完了するまでの間、各会計年度の決算期及び第2四半期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部及び各年度の決算期の末日における単体の貸借対照表における純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること並びに各会計年度の決算期における連結・単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすることを確約する旨の財務制限条項が規定されております。

また、株式会社りそな銀行以下の銀行団との間で、総額16億円のタームローン契約を締結しております。本契約に基づく全ての債務の履行を完了するまでの間、各会計年度の決算期の末日における連結の貸借対照表の純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること並びに各会計年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすることを確約する旨の財務制限条項が規定されております。

さらに、株式会社りそな銀行以下の銀行団との間で、総額12億3百万円のコミットメントライン契約を締結しております。本契約に基づく全ての債務の履行を完了するまでの間、各会計年度の決算期の末日における連結の貸借対照表の純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること並びに各会計年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が損失とならないようにすることを確約する旨の財務制限条項が規定されております。

当社の連結子会社は、株式会社りそな銀行以下の銀行団との間で、総額9億50百万円のタームローン契約及び総額5億円のコミットメントライン契約を締結しております。本契約に基づく全ての債務の履行を完了するまでの間、各会計年度の決算期の末日における単体の貸借対照表の純資産の部の金額を前年同期比75%以上に維持すること並びに各会計年度の決算期における単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすることを確約する旨の財務制限条項が規定されております。

 

(7)新規事業への投資によるリスク

当社グループは、電子機器、スポーツ事業及び不動産事業に続く新たな事業領域の確立を目的として、既存事業会社への出資等の多様な手段により、様々な事業への投資活動を行っております。当社グループでは、このような新規事業への投資に係る検討に際し、内部収益率等の投資採算性の検証及び当該投資から発生し得るリスクの管理徹底等により当該新規事業への投資から発生する損失の予防、抑制を図っておりますが、投資対象事業が計画どおり進捗しない場合、当初意図していた投資の回収ができず、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(8)不動産市況等に係るリスク

当社グループが営む不動産事業は、景気動向、不動産市況、金利動向及び自然災害等の影響を受けやすいため、景気見通しの悪化及び大幅な金利上昇等の影響による購買者の需要動向の変化並びに物件の供給過剰等による販売価格の下落などが、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場変動の影響等に留意する必要があるものの、雇用・所得環境の改善が続くなか、政府が推進する各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しました。

このような経済環境の下で当社グループは、メーカーの原点である「技術と品質」「スピードと革新性」に加え、マーケットインの視点を大切にした真摯な「ものづくり」に取り組むことによりお客様と会社の繁栄を実現するとの経営理念のもと、イノベーションによる持続的成長を果たしつつ、経営資源を有効かつ効率的に活用し、高品質と低コストを兼ね備えた製品を提供することで一層の顧客価値を創造するとともに、中長期的な展望の下で安定的かつ持続的な成長を実現し、企業価値の更なる向上を図ってまいります。

そして、当社グループの車の両輪である電子機器事業及びスポーツ用品事業に、当連結会計年度より本格的に展開した不動産事業を加えた「三本柱」の事業形態による、グループ一丸となった以下のような諸施策に粘り強く取り組んでまいりました。

(電子機器事業・新規事業)

①ギャンブル等依存症対策強化のため2018年2月に施行された改正風営法施行規則等に止まらず、同年7月には遊技業界の動向に影響を与えるギャンブル等依存症対策基本法や改正健康増進法が成立したこと等、更なる規制の厳格化により、遊技業界全体に不透明感が広がりました。また、全日遊連が行った各都府県方面遊協の組合員数調査によると、2018年は年間を通じて廃業店舗数が新規出店店舗数を大きく上回るペースで推移し、遊技機台数についても400万台の大台を割り込んで以降低調に推移するなど、市場の停滞感が色濃くなっております。

このような厳しい状況の下、当社は引き続き既存OEM先顧客との信頼関係の維持強化を推進しつつ、品質管理体制強化と製造コスト削減にかかるプロジェクトの推進等に粘り強く取り組んでまいりました。

②自社ブランド製品については、小型機でありながら大型機同等のスペックを誇る液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600」のグループ一丸となった販売活動及び顧客に対する保守・メンテナンス等のアフターサービス体制の充実等に粘り強く取り組んでまいりました。

③自律走行システム「I-GINS」につきましては、様々な技術上の課題の解決や導入保守メンテナンス体制の確立等を実現させながら開発協力会社への販売を開始し、また生ごみ処理装置等の新規事業領域の深耕等に向けた諸施策の展開にも粘り強く取り組んでまいりました。

(スポーツ事業)

①総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコ㈱は創業60周年を迎え、お客様の楽しいゴルフを演出する「感動づくり」という次のステージに向け、「良品完成」を信条として生み出されたキャスコ独自の魅力的かつ独創的な新製品の市場投入や、既存の枠組みに囚われないキャスコブランド製品の積極的かつ様々なプロモーション活動によるブランドシェア拡大に向けた諸施策に粘り強く取り組んでまいりました。そして、コスト削減の徹底は勿論のこと、製造コスト上昇を踏まえた製品改廃の促進等による利益体質の構築に取り組む一方で、挑戦し続ける企業として「新発想」「新素材」「新技術」を合言葉に、市場の変化にスピーディーに対応し、新たな価値の創造に向け全社一丸となって粘り強く取り組んでまいりました。

②カーボンシャフト事業におきましては、USTMamiyaブランド認知度向上に向けた諸施策の展開、新素材を使用した製品の開発や経費削減の徹底等に粘り強く取り組んでまいりました。

また、生産拠点であるバングラデシュでは、国内における与野党の対立激化、ロヒンギャ問題や国際的テロ組織の脅威等の現地の不安定な治安及び社会情勢に臨機応変に対応しつつ、引き続き既存OEM先顧客との信頼関係の維持強化に取り組む一方で、新規OEM先顧客の獲得に向けた諸施策の展開にも貪欲に取り組んでまいりました。さらに、利益拡大に向け生産設備の充実等による製造環境の整備についても着実に進めてまいりました。

(不動産事業)

不動産事業におきましては、都心オフィスの賃料上昇や空室率の低下等が見られるものの、低金利を背景とした投資用不動産の品薄感及び金融機関各社の投資用不動産に対する融資姿勢の厳格化等により不透明感が漂っており、予断を許さない状況が続いております。

このような状況の下、当社不動産事業子会社である㈱エフ・アイ興産が所有する不動産を有効活用し、着実に賃貸収入を確保する一方で、転売を目的とする不動産の獲得に向けた各種取り組みや、新規事業領域の拡大に向けた諸施策に粘り強く取り組んでまいりました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、138億78百万円(前期比10.4%増)、営業利益は7億69百万円(前期比311.4%増)、経常利益は7億50百万円(前期比462.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億24百万円(前期比20.4%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

(電子機器事業セグメント)

①遊技機関連製品等について

当連結会計年度における遊技関連市場は、高射幸性パチスロ機の設置比率を段階的に減少させることを目的とした全日遊連が発表した自主規制の第1回期限(2019年1月末)が延期となったこと、2019年度中に予定しているG20サミットの開催や消費増税等の国家的イベントが、今後遊技業界全体にどのような影響を及ぼすか不透明な状況が続いております。

このような予断を許さない状況に置かれながらも、長期間に渡って遊技機周辺設備機器の新規設備投資に慎重な姿勢を見せていたパチンコホールの潜在的な更新需要を捉えたことで、売上は好調に推移しました。

また、電子部品の売上も引き続き好調に推移したことや、徹底したコスト削減等の効果も相俟って、利益面において一定の成果を上げるに至りました。

②液晶小型券売機について

液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600」については、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、インバウンド対応及びキャッシュレス化の推進に向け、電子マネーやQRコード決済サービス機能「WeChat Pay」を導入いたしました。

また、券売機カスタマイズ案件の大口受注があったことに加え、営業管理ツールの有効活用、人気YouTuberとのコラボ、券売機専用サイトを始めとしたインターネット検索広告の強化や展示会への継続的な出展など積極的な営業活動を行う一方で、保守・メンテナンス等のアフターサービス体制を整備するなど、顧客満足度の充実を図ることで販売目標を超える売上を達成するに至りました。

③その他の事業について

自律走行システム「I-GINS」については、開発協力会社への納入が堅調に推移いたしました。また、積極的なプロモーション活動に取り組みながら、販売体制の確立に向け粘り強く取り組むと同時に、当社グループの経営資源を有効かつ効率的に活用し導入・保守メンテナンス体制の整備・確立にも取り組んでまいりました。そして、非接触式ICカードリーダライタについては、石油流通システムの新システム化に対応した機器の設置が順調に進み、また第二四半期より大手電機機器メーカーの量産試作試験に合格し随時導入が進んでいるICカードコインランドリー用リーダライタの出荷も堅調に推移しております。

さらにゴルフ場跡地を活用したメガソーラー事業に対する投資や、生ごみ処理装置等の新規事業領域の深耕等に向けた諸施策の展開にも粘り強く取り組んでまいりました。

この結果、電子機器事業セグメントの売上高は、74億29百万円(前期比24.5%増)、営業利益は、8億33百万円(前期比726.1%増)となりました。

(スポーツ事業セグメント)

①キャスコ事業

キャスコの国内事業においては、キャスコブランドクラブの試打会やグローブサイズ測定フェアに加え、SNSを活用したキャスコ60周年キャンペーンやゴルフボールのモニタープレゼントキャンペーン等のプロモーション活動を積極的に展開してまいりました。

また、ゴルフボールの売上が落ちたものの、年間を通じてゴルフグローブ、ゴルフバッグや「ドルフィンウェッジ」シリーズを始めとしたゴルフクラブの販売が堅調に推移したことで、一定水準の売上を確保するに至りました。他方、キャスコの海外事業においては、長く低迷が続く中国市場における景気減速が顕在化し始めたことによる先行き不透明な状況の下、タイの拠点を基盤としてEコマース(電子商取引)を開始する等、アジア周辺国の新規市場開拓に辛抱強く取り組んでおります。

②カーボンシャフト事業

海外におけるカーボンシャフト事業につきましては、USTMamiya独自の革新的なテクノロジーが搭載されたアイアンシャフト「RECOIL(リコイル)」シリーズに対する市場の関心は引き続き高く推移いたしました。

また、過去工場監査に合格し受注増となったOEM先顧客からの要請に応じた改善を実施したこと及び品質管理体制の強化、安全に配慮した製品開発や、従業員が働きやすい職場環境づくりなど、安心・安全な労働環境づくりの促進に積極的に取り組んできた結果、再度の工場監査合格を勝ち取り、来期以降の継続受注を確保するに至りました。

さらに、生産現場では品質管理体制の強化による顧客満足度向上、安全に配慮した製品開発や従業員が活き活きと仕事に取り組める職場環境を整備する等の「SDGs(持続可能な開発目標)」の考え方を重視し、安心・安全な労働環境づくりの促進に取り組んでまいりました。

この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は、62億31百万円(前期比0.6%減)、営業損失は、1億47百万円(前期は25百万円の営業損失)となりました。

(不動産事業セグメント)

不動産事業セグメントにつきましては、㈱エフ・アイ興産が所有する不動産の有効活用の一環として本格的に営業を開始した24時間、365日出し入れ自由のトランクルームサービス「プラスワンストレージ」が着実に契約件数を伸ばしており、ホームページの大幅なリニューアルや配送業者との提携等施設サービスの充実を図ることで、お客様満足度向上に向け意欲的に取り組んでまいりました。

この結果、不動産事業セグメントの売上高は、2億37百万円(前期比32.7%減)、営業利益は、82百万円(前期比25.7%減)となりました。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が7億67百万円(前期比35.7%増)、有形固定資産の売却による収入等の要因により一部相殺されたものの、長期借入金の返済による支出、自己株式の取得による支出等により、前連結会計年度末に比べ13億39百万円減少し、当連結会計年度末には67億24百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は6億66百万円(前期比39.7%増)となりました。これは主に、法人税等支払額3億32百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益7億67百万円、減価償却費3億85百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は1億14百万円(前期比69.3%減)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入5億円、定期預金の払戻による収入4億12百万円等があったものの、匿名組合出資金の払込による支出9億85百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は21億16百万円(前期比312.5%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出13億70百万円、自己株式の取得による支出5億2百万円及び配当金の支払額4億64百万円等によるものであります

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

 自己資本比率(%)

55.2

53.8

53.6

 時価ベースの自己資本比率(%)

43.7

41.5

36.0

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

6.9

18.7

11.6

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

9.3

5.0

7.8

(注)自己資本比率                :  自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率          :  株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :  有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ  :  営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

ⅰ)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

電子機器事業

4,722,923

3.6

スポーツ事業

6,263,979

0.2

合  計

10,986,902

1.6

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ⅱ)商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

電子機器事業

1,289,739

△16.9

(注)1.金額は実際仕入額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ⅲ)受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

ⅳ)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

電子機器事業

7,425,487

24.4

スポーツ事業

6,231,086

△0.6

不動産事業

222,310

△34.2

合  計

13,878,884

10.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額(千円)

割 合 (%)

金 額(千円)

割 合 (%)

日本ゲームカード㈱

2,356,933

18.74

3,454,790

24.89

エムディーアイ㈱

1,723,917

13.71

1,523,263

10.98

3.上表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり

ます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、繰延税金資産等の算出評価について見積りを行っております。この見積りは当連結会計年度末現在において判断したものであり、見積りには不確実性、あるいはリスクを内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の売上高は138億78百万円(前期比10.4%増)、営業利益は7億69百万円(前期比311.4%増)、経常利益は7億50百万円(前期比462.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億24百万円(前期比20.4%増)となりました。

 

 ③ 財政状態の分析

当連結会計年度末における流動資産は130億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億30百万円減少いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が2億50百万円増加したものの、現金及び預金が17億39百万円減少したことによるものであります。固定資産は125億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ38百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が4億84百万円減少したものの、出資金が9億67百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は255億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億92百万円減少いたしました。

当連結会計年度末における流動負債は66億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億5百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が5億36百万円、短期借入金が3億50百万円増加したことによるものであります。固定負債は52億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億78百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が10億63百万円、社債が3億60百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は118億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億73百万円減少いたしました。

当連結会計年度末における純資産合計は137億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億18百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益4億24百万円を計上した一方、剰余金の配当が4億64百万円、自己株式の取得が5億2百万円あったことによるものであります。

以上の結果として、自己資本比率は前連結会計年度の53.8%から53.6%に減少しましたが、1株当たり純資産は、1,563円15銭から1,580円27銭へと増加しました。また、流動比率、当座比率等についても健全な水準を維持する等、財政状態は堅調に推移しており、持続的な安定成長を支える基盤となっております。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

  ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、本有価証券報告書の、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載した以下の事項があります。

(1)特定事業の業績への依存と当該事業環境が悪化する可能性、(2)特定の取引先に対する過度の依存によるリスク、(3)法的規制によるリスク、(4)新商品開発の遅延によるリスク、(5)工場所在国の社会情勢によるリスク、(6)金銭消費貸借契約(シンジケーション方式タームローン契約及びコミットメント契約)における財務制限条項の存在、(7)新規事業への投資によるリスク、(8)不動産市況等に係るリスク

当社は、これらリスクを的確に把握・評価し、その顕在化を回避するための適切な施策を、適宜に立案・実施するよう努めます。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

当社は、製造業としての原点である「技術と品質」そして「スピードと革新性」を改めて見つめ直し、真摯に「ものづくり」に取り組むことにより、お客様と会社の繁栄を実現させるべく、「ものづくりを通じて信頼ある技術と品質をお客様に提供し豊かな未来を拓いていく」との経営理念を掲げております。また、この経営理念に基づき、「業績の持続的安定成長の実現」を目指すべく、「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](1)経営方針<経営基本方針>」に記載した経営の基本方針のとおり、グループ会社ともども企業体質の強化に努めております。

このような経営の基本方針の下で当社グループは、一連の戦略的事業再構築を通じて経営資源の選択と集中並びに事業領域の拡大とを推進し、健全かつ強固な経営基盤と、持続的成長を可能とする多極的な事業構造を着実に構築しつつあります。その結果として当社は電子機器の企画・開発・製造・販売・アフターサービスを一貫して担う事業持株会社であると共に、当社電子機器の主たるユーザーである遊技場向けシステム関連事業と自動券売機の販売を担うエフ・エス㈱、総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコ㈱、海外におけるシャフト事業を担うユーエスティ・マミヤInc.、ゴルフ用品等の生産拠点であるマミヤ・オーピー(バングラデシュ)Ltd.、不動産事業会社である㈱エフ・アイ興産の子会社群に対する司令塔としての性格を併せ有する会社となっております。

そして、これにより当社は、電子機器事業び新規事業に加え、当社グループの中核企業として、グループ全体の事業戦略立案、経営管理及びリスクマネジメント等を担い、傘下の各社が、グループ共通の経営方針の下で、

1.各事業の実情に即した迅速かつ柔軟で肌理細やかな事業展開が可能となる、

2.各事業の経営成績が明確となるため業績評価及びリスク管理が容易となる、

 3.既存の会社を買収によって当社傘下の子会社群に加えることで、容易に新規事業に進出することができる

   等、M&A等を通じた大胆な事業再編が可能となる、

といったメリットを享受することで、グループにおける経営資源配分の最適化による経営効率そして収益の極大化を図ることができるものと考えています。

このような経営戦略の各セグメントにおける展開の現状と見通しにつきましては、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](4)経営戦略及び事業上及び財務上の対処すべき課題」及び上記「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」において詳細に記載いたしましたとおりであり、一連の戦略的事業再構築を通じて確立してまいりました健全かつ強固な経営基盤と持続的成長を可能とする多極的な事業構造の下、持続的で安定した成長と堅牢かつ多彩な事業展開を実現するための様々な施策を引き続き推進してまいります。

まず電子機器事業セグメントにおいては、従来の方針を踏襲し、OEM先顧客との信頼関係の維持・強化並びに独自技術による自社ブランド製品の積極的展開による新市場の開拓・確立に向けての取り組みを推進してまいります。一方、スポーツ事業セグメントにつきましては、キャスコ㈱を中核とした完成品主体のゴルフ用品メーカーとしての地位を確立するための諸施策を講じてまいります。

 

⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループは、電子機器事業及びスポーツ事業等を主たる事業として展開しておりますが、成熟産業であるがゆえに、競合企業間において限られた市場におけるシェアの争奪戦を余儀なくされる厳しい事業環境にあります。また、主力の電子機器事業がOEM中心の事業構造であるため、当社グループ独自の事業計画を立案・遂行することが困難な状況にあります。このような環境下で当社は、経営の基本方針に掲げました「業績の持続的安定成長」を実現するための新たな成長ステップの礎となるべき揺るぎない土台を構築すべく、上記「⑤経営戦略の現状と見通し」においてご説明いたしましたグループ体制の下、その持てる経営資源を最大限に活用し、全ての部門における生産性を極大化することによって高品質・高付加価値と低コストとの両立を図り、成長の源泉である収益力を維持・強化すべく、より高い市場性を有する製品の開発と新規事業分野における新たなマーケットへの展開を、大胆かつ細心に進めてまいります。

とりわけ、高度に国際化・情報化され急速かつ激しく変化し続ける今日の競争環境において、「ものづくり」の会社である当社及び当社グループが生き残り成長し続けていくためには、顧客のニーズをタイムリーに具現化することができる、あるいはシーズ志向で顧客をリードし新たな市場を開拓することができる、イノベーションを持続的に生み出すことができる技術力を鍛え上げ磨き上げることが不可欠であり、当社は、その過程そして成果としての「イノベーションの創生」を成し遂げてまいります。

また、「第4[提出会社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等]」でご説明いたします、当社及び当社グループにおけるコーポレート・ガバナンス体制を通じて業務の有効性・効率性を高め、経営目標の達成を阻害する要因であるリスクを的確に把握・統制し、経営者が全ての情報を正確に把握すると共にその意思を全組織に迅速・確実に浸透させることによって、全ての役職員が情報と認識を共有し一体となって業績の向上に全力を尽くすと共に、さらなる成長を可能とする企業体質を構築してまいります。

そして当社グループは、上記「⑤経営戦略の現状と見通し」においてご説明いたしましたとおり、経営理念として「ものづくりを通じて信頼ある技術と品質をお客様に提供し豊かな未来を拓いていく」ことを掲げておりますが、その実践をすべての役職員に徹底するとともに、より一層真摯な姿勢でメーカーの原点に立ち返り、「真心を込めた丁寧なものづくり」に取り組むことでお客様に満足していただき、豊かな社会に貢献できる企業を目指してまいります。

 

⑦資本の財源及び資金の流動性について

ⅰ)資金需要

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、電子機器事業における新製品開発及び金型等、スポーツ事業におけるゴルフシャフト製造設備等、及び不動産事業における賃貸不動産設備等があります。

ⅱ)財政政策

当社グループの事業活動の維持拡大における資金を安定的に確保するため、金融機関からの銀行借入や社債発行により資金調達を行っております。また、支払金利の変動リスクを回避及び支払利息の固定化を図るために金利スワップ取引を行っております。

 

⑧経営上の目標の達成状況について

当社グループは、継続的な安定配当等により株主利益の向上を図る観点から各利益の極大化を目指すとともに、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、ROEを経営上の目標の達成状況を判断するための重要な指標と位置付けております。

そして、その具体的な目標数値を5.0%として、経営に邁進してまいりましたものの、当連結会計年度におけるROEは3.0%(前期は2.4%)となり、当該目標数値を達成することができませんでした。

この要因は、自己資本は、潤沢かつ適正な水準に収まっていることから、主として当社の主力である電子機器事業において、利益率の高いOEM製品や自社ブランド製品の販売が好調であったこと、及び当該好調な販売状況を受けた製造工場の稼働率向上などによる製造原価低減の効果等がみられた一方で、スポーツ事業における中国市場をはじめとした海外事業の低迷等による業績不振及び投資有価証券評価損(99百万円)等の特別損失の計上等により、2019年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益が伸び悩んだことによるものと分析しております。

引き続きROEの改善及び向上がなされるように粘り強く取り組んで参ります。

 

⑨セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

【電子機器事業セグメント】

(1)遊技関連製品

・ギャンブル等依存症対策を強化するため、2018年2月に施行された改正風営法施行規則等に止まらず、ギャンブル等依存症対策基本法の成立による更なる規制強化等の影響もあり、2018年中には遊技場事業者数及び遊技機台数に大幅な減少がみられるとともに、引き続き競合企業間における熾烈な値引き競争が続く厳しい事業環境が続いておりますが、2019年3月期は、長期に渡り遊技機周辺設備機器の更新に慎重な姿勢を見せていたパチンコホールの潜在的な更新需要を捉えたこと及び電子部品販売が引き続き好調であったことなどとあわせ、好調な遊技機周辺設備機器の販売を受けた工場稼働率の向上等による製造原価低減及びコスト削減への粘り強い取り組みなどの効果もあり、利益面において一定の成果を上げることができたと分析しております。また、遊技場事業者におけるパチンコ周辺設備機器の老朽化による買い替え需要に対応するため、新規制に対応した各種製品の提案・開発・販売を強化しております。

・2019年10月に実施がほぼ確実となった消費税及び地方消費税の改正を見据え、税率改正未対応のパチンコ周辺設備機器の入替特需に繋げられるよう検討しております。

・新紙幣発行の決定を受けた紙幣識別機の買い替え需要等の取り込みに向けた情報収集等により、新たなビジネスチャンスを模索・検討しております。

(2)券売機

・液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600シリーズ」は、小型機ながら大型機と同等の機能を有する点で、中小規模の飲食店等から高い支持を得ており、またボタン式小型券売機についてもカスタマイズ案件の大口受注を獲得したことなどもあり、券売機は堅調に販売数を伸ばすことができたと分析しております。また、複数税率対応等を含む券売機の更なる高機能化及び多機能化の推進に向けた開発等を強化しております。

・2020年に予定されている東京オリンピック・パラリンピックの開催なども見据え、電子マネー及びQRコード決済を利用した決済手段の多様化等による高機能化やグループ一丸となった展示会への継続出展等の販売活動及びコールセンターの新設を含めた顧客に対する保守・メンテナンス等アフターサービス体制の整備により、一層の拡販に繋がったと分析しております。

 

(3)その他製品

(I-GINS)

・積極的なプロモーション活動等により、開発協力会社への納入が堅調に推移する一方で、今後本格的な市場投入に向けた、製品品質及び機能の向上、販売体制及び導入・保守メンテナンス体制の構築等は引き続き喫緊の課題であると分析しております。

(ICカードリーダライタ)

・石油流通システムの新システム化に対応した機器の設置及びICカードコインランドリー用リーダライタの大手電気機器メーカーへの出荷が好調であったことにより、売上及び利益は堅調に推移したものと分析しております。

【スポーツ事業セグメント】

(1)キャスコ事業

・総合ゴルフ用品メーカーとして国内市場を細分化し、その市場に特化したキャスコ独自のユニークな製品を投入すると共に、販売在庫数を綿密にコントロールし利益の拡大に粘り強く取り組んでまいりました。しかし、海外事業において、長引く中国市場の低迷等の影響により業績が低迷したことなどにより、キャスコ事業全体の業績が落ち込んだものと分析しております。

・2019年以降も、販売チャネルの強化と商品ラインナップの拡充を推進するとともに、キャスコ独自のユニークな製品や市場にて高い評価を受けたシリーズ製品の戦略的な市場投入及び販売・流通コスト削減にこれまで以上に粘り強く取り組んでいく必要があると認識しております。

・海外市場においては、新たに開始したEコマース(電子商取引)等の活用及びアジア圏市場における新規市場開拓等により、さらなるシェア拡大に向けた取り組みを検討しております。

(2)カーボンシャフト事業

・USTMamiyaのアイアンクラブ用シャフト「Recoil(リコイル)」シリーズの人気が依然として高く推移しております。「Recoil(リコイル)」シリーズの成功体験を活かし、利益率の高いウッド用シャフトについても、戦略的な市場投入を検討しております。

・USTMamiyaブランドの活用により、PGAツアー等でのUSTMamiyaシャフト使用率を向上させることで、更なる大手OEM先顧客の獲得を促進し、またその囲い込みによる継続的な取引の実現及び安定的な収益の確保が必要と認識しております。

・日米の商品価格差、工場稼働率を踏まえた全体最適の視点での生産効率の追求及びSDGs(持続可能な開発目標)の考え方を重視した安心・安全な労働環境づくりの促進、USTMamiyaブランドの更なる価値向上、そして徹底したコスト削減については、中長期的に注力していく必要があると分析しております。

・2020年に予定されている東京オリンピック・パラリンピックの開催なども見据え、カーボン製棒高跳び用ポール及びクロスボウ用アローの市場展開の方策も検討しております。

【不動産事業セグメント】

・保有物件につき安定的な稼働率を確保し、またトランクルームサービス「プラスワンストレージ」が着実に契約件数を伸ばしたことなどにより、保有物件より安定的に利益を確保できたものと分析しております。

・さらなる利益拡大のため、マーケット動向を捉えた戦略的な販売用不動産の仕入及び販売等並びに賃貸用不動産の適切な管理・運用による安定的な賃料確保の方策を検討しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

合同会社メガソーラ―市島発電所

匿名組合出資契約

営業者に対して金銭出資を行い、営業者の事業から生じる利益及び損失を分配する契約。

本契約が定める本契約の終了事由に該当する時まで

 

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、電子機器及びスポーツの両事業セグメントともに、新製品の企画開発、厳しさを増す一方の価格競争に対応するための一層のコスト低減、並びに新分野への事業展開を主たる目的として取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の総額は526百万円であります。

なお、各事業セグメント別の研究開発活動の内容及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 電子機器事業

当事業セグメントの研究開発費は、自社製品の新規開発体制を強化する中で329百万円となりました。その内容は、自社ブランド製品等のバリエーション増加への取り組み、ICカードリーダライタ技術を応用した新製品の開発、自律走行システム「I-GINS」の開発、新規商品企画等となります。

(2) スポーツ事業

当事業セグメントの研究開発費は196百万円となりました。その内容は、連結子会社であるキャスコ㈱におけるゴルフボールやゴルフクラブ等の開発、ユ-エスティ・マミヤInc.における、「Recoil(リコイル)」及び「Elements(エレメンツ)」シリーズシャフトの開発等となります。