第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は「業績の持続的安定成長の実現」を目標とし、次の4つを経営基本方針としております。

①利益ある成長

企業活動の源泉である健全なる利益を追求した経営を実行する。

②徹底したお客様志向による信頼性の確保

お客様の目線で「ものづくり」を行い、お客様の満足と信頼を得られる経営を実行する。

③独自分野に果敢に挑戦する開拓精神

失敗を恐れずに、時代を一歩リードする独自分野に挑戦する経営を実行する。

④法令等を遵守し、公正且つ良識ある企業活動

すべての役職員が法令等を遵守し、公正誠実な企業活動をとることにより、お客様や社会から信頼され共感を得られる経営を実行する。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための指標

 当社グループは、利益の極大化並びに資本効率向上及びコスト削減徹底による持続的安定成長を通じて企業価値のさらなる向上を実現し、継続的な安定配当等により株主利益の向上を図る観点から、「自己資本当期純利益率(以下、「ROE」という。)」を、経営上の目標の達成状況を判断するための指標と位置付けております。

 具体的には、連結の自己資本利益率(ROE)5%を回復し維持することを当面の目標として設定するとともに、ROE8%を中長期的な目標として掲げ、これらの目標を達成すべく「(3)経営環境並びに経営戦略及び優先的に対処すべき事業上・財務上の課題」に記載した取り組みを推進しております。

 

(3)経営環境並びに経営戦略及び優先的に対処すべき事業上・財務上の課題

 ①経営の現状

  当社グループは、一連の戦略的事業再構築を通じて経営資源の選択と集中並びに事業領域の拡大とを推進し、健

 全かつ強固な経営基盤と、持続的成長を可能とする多極的な事業構造を着実に構築してまいりました。

  その結果として当社は電子機器の企画・開発・製造・販売・アフターサービスを一貫して担う事業会社であると

 共に、当社電子機器の主たるユーザーである遊技場向けシステム関連事業と自動券売機の販売を担うエフ・エス

 ㈱、総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコ㈱、海外におけるシャフト事業を担うユーエスティ・マミヤInc.、ゴ

 ルフ用品等の生産拠点であるマミヤ・オーピー(バングラデシュ)Ltd.、不動産事業会社である㈱エフ・アイ興産

 及び㈱ネクオスの連結子会社をはじめとする子会社・関連会社群に対する司令塔としての性格を併せ有する会社となっております。

  そして、これにより当社は、電子機器事業及び新規事業に加え、当社グループの中核企業として、グループ全体

 の事業戦略立案、経営管理及びリスクマネジメント等を担い、グループにおける経営資源配分の最適化による経営

 効率そして収益の極大化を図ることができるものと考えています。

 ②経営環境

  当社グループを取り巻く経営環境ですが、まず、電子機器事業の主力である遊技機関連市場においては、余暇の

 多様化による遊技参加人口の減少、ギャンブル等依存症対策による2021年を完全移行期限とする遊技機の規制強化

 への対応、集客力低下・売上減少、新機種への入替負担に耐えられなくなったパチンコホール経営企業の倒産等に

 よるパチンコ・パチスロ関連市場の縮小トレンドに歯止めがかからない状況が続く一方で、次世代遊技機のリリー

 スが具体化し、2024年には全面的な紙幣改刷が予定されているなど、当社ビジネスの拡大に直結する明るい展望が

 開けてまいりました。

  また、スポーツ事業においては、競合他社との熾烈な価格競争や、緩急の差こそあれ先進国に共通して見られる

 ゴルファーの高齢化に伴うゴルフ人口の減少傾向、国内においてはコンペ需要縮小による顧客単価の低下が見られ

 るものの、感染リスクの低い屋外スポーツとして国内外問わず参加人口が増加しており、海外のシャフト事業につ

 きましては、戦略的マーケティング並びに生産性及び品質向上のための着実な設備投資が実を結び、利益体質への

 転換を果たしつつあります。

  残る不動産事業については、経済活動を見切り発車的に再開したことにより新築・中古マンション販売や地価の

 指標が乱高下するなど、今後の市況推移は予断を許さない状況ではあるものの、コロナ禍の不動産取引への影響は

 限定的なものに止まっています。

  また、いずれの事業セグメントにおいても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が、不透明かつ厳しい事業環

 境に一層の拍車をかけているものの、遅ればせながら日本においてもワクチン接種が開始されたことで、経済・社

 会活動正常化への道筋がおぼろげながら見えてくる中で、働き方改革の進展とテレワークの急速な普及による新た

 なビジネスチャンスが芽生えつつあることも見逃せません。

 

 ③経営者の問題意識並びに経営戦略の現状と見通し

  当社グループは現在、電子機器事業及びスポーツ事業等を主たる事業として展開しておりますが、いずれも成熟

 産業であるがゆえに、競合企業間において限られた市場におけるシェアの争奪戦を余儀なくされる厳しい事業環境

 にあります。

  また、主力の電子機器事業がOEM中心の事業構造であるため、当社グループ独自の事業計画を立案・遂行するこ

 とが困難な状況にあります。

  このような経営環境下で当社は、経営の基本方針に掲げました「業績の持続的安定成長」を実現するための新た

 な成長ステップの礎となるべき揺るぎない土台を構築すべく、上記「①経営の現状」においてご説明いたしました

 グループ体制の下、その持てる経営資源を最大限に活用し、全ての部門における生産性を極大化することによっ

 て、製品及びサービスのいずれにおいても、高品質・高付加価値と低コストとの両立を図り、成長の源泉である収

 益力を維持・強化すべく、より高い市場性を有する製品及びサービスの開発と新規事業分野における新たなマーケ

 ットへの展開を、大胆かつ細心に進める必要があると考えております。

  とりわけ、高度に国際化・情報化され急速かつ激しく変化し続ける今日の競争環境において、当社及び当社グ

 ループが生き残り成長し続けていくためには、顧客のニーズをタイムリーに具現化すると共にシーズ志向で顧客を

 リードし新たな市場を開拓するためのイノベーションを持続的に生み出すことができる開発力を鍛え上げ磨き上げ

 ることが不可欠であり、当社は、その過程そして成果としての「イノベーションの創生」を成し遂げていかなけれ

 ばなりません。そして、そのために当社グループは、これまで培ってきたマーケットインの視点を大切にした真摯

 な「ものづくり」の基盤を大切にしつつ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の奔流が産業構造や社会基盤

 にもたらす歴史的な変革を、事業構造の抜本的改革による新たなる飛躍の契機とすべく、物のインターネット

 (IoT)により生み出されるビッグデータへの戦略的で分析的なアプローチがもたらすイノベーションによって競

 争優位を確立することで、事業領域を拡大し盤石の収益基盤を構築していく必要があると認識しております。

  このような認識の下で当社グループは、グループの事業推進を下支えする基盤となる人材の確保と組織力強化

 やチャレンジ精神に富んだ企業風土の醸成に取り組む一方で、ICT(情報通信技術)環境の整備・拡充等による

 働き方や業務内容、キャリアプランの多様化を考慮した人事施策の導入やリモートワークの活用等労働環境の整

 備を推進し、労働生産性の向上や人材育成の強化等を進めてまいりました。

  今後もこれらの取り組みに加え、DXの急速な進展をキャッチアップし新たなビジネスチャンスを見出すべく立ち

 上げたシステムソリューション事業部を先頭に当社グループにおける経営資源を集約し、今や社会インフラの中核

 を占めるに至ったICT環境におけるビジネスソリューションを提案しリードすることができる事業体へと変革を遂

 げるべく、経営資源の合理的かつ積極的な活用による資本効率及び事業収益性の高い新規事業領域の開拓や、各事

 業セグメントにおける以下のような諸施策を強力に推進することにより、当社グループの最大の対処すべき課題で

 ある各々の業界動向に左右されない独自の収益基盤の確立に粘り強く取り組んでまいります。

  また、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」でご説明いたします、当社及び当社グ

 ループにおけるコーポレート・ガバナンス体制を通じて業務の有効性・効率性を高め、経営目標の達成を阻害する

 要因であるリスクを的確に把握・統制し、経営者が全ての情報を正確に把握すると共にその意思を全組織に迅速・

 確実に浸透させることによって、全ての役職員が情報と認識を共有し一体となって業績の向上に全力を尽くすと共

 に、さらなる成長を可能とする企業体質を構築する取り組みを進めてまいります。

  当社グループは、このような取り組みを通じて株主様をはじめとする当社の全てのステークホルダーの皆様の満

 足度と社会への貢献度を向上させるべく、全社一丸となって邁進してまいります。

 ④優先的に対処すべき財務上の課題

  当社が認識する「(2)経営上の目標の達成状況を判断するための指標」において目標として掲げた財務指標であ

 るROE5%を回復し、中長期的にはROE8%を達成するための課題及びその解決のための方策は、以下のとおりで

 す。

 1)総資産利益率(ROA)の改善

  ROAを構成する売上高利益率及び総資産回転率の改善を図るためのアクションプランを事業部門単位(子会社含

 む)で策定し、適切な重要業績評価指標(KPI)を設定し検証する等のPDCAサイクルを通じて、増収・増益及び資

 産効率改善を進めることによって目標の達成を図ります。

 ・新規事業及び新製品開発への投資拡大並びに内部収益率(IRR)に基づく投資意思決定の合理化(例:システム

  ソリューション事業部の立ち上げ、I-GINS事業への継続投資、等)

 ・戦略的マーケティングとイノベーションによる高付加価値製品の展開

 ・不良品削減、物流費削減等による原価率の引き下げ、並びにリードタイム短縮、在庫削減等による棚卸資産回転

  率の改善(例:バングラデシュ工場における工場設備更新による生産性向上と大幅な受注増、OEM営業推進によ

  る工場稼働率向上、等)

 ・自動化・省人化等を進めることで業務効率及び生産性を向上させることによる、人件費をはじめとするコストの

  抑制・圧縮への取り組み(例:キャスコ東京本社移転による賃借料コスト削減、電子的文書管理システムの整備

  による文書及び業務処理の効率化、等)

 ・資産の圧縮(例:旧本店ビルの売却)

 2)財務レバレッジと財務安全性のバランス最適化

  財務レバレッジに過度に依存することなく、余裕ある財務安全性を確保しながら、収益性及び効率性の向上によ

 ってROEの改善を図ることを基本方針といたします。そして、かかる基本方針の下で、運転資金の安定的確保及び

 タイムリーな投資のために必要となる水準の有利子負債維持並びに安定配当及び自社株買い取りによる利益還元及

 び資本効率改善を含む、自己資本比率とレバレッジ比率の最適化を意識した企業価値最大化を志向するバランスの

 とれた資本政策を展開することで、継続的・安定的に「利益ある成長」を実現するための健全なバランスシートを

 維持し、その結果としてROEの持続的な改善を図ります。

 ⑤優先的に対処すべき事業上の課題

  当社グループが認識する事業上の課題及びその解決の方策は以下のとおりです。

 そして当社グループは、このような取り組みを推進するとともに、今後の事業成長の基盤として、事業管理体制

 の強化・効率化と経営レベルでの意思決定の効率化の双方が必要不可欠であると認識しております。

 管理体制の強化・効率化という観点では、開発部門を強化し規模を拡大していく一方で、技術開発等に係る人件

 費及び原材料価格等の高騰に適切に対応した原価管理の徹底、費用対効果のモニタリングを強化する等、更なるガ

 バナンスの強化を図ってまいります。他方、経営レベルでの意思決定の効率化という観点においては、業務執行機

 能と管理監督機能の分離と適切な権限委譲を通じ、経営の意思決定と業務執行のスピードアップを図ってまいりま

 す。

[電子機器事業セグメント]

 (アミューズメント事業)

 ・2024年に予定される紙幣改刷に伴う紙幣識別機などへの特需を最大限に取り込むべく、開発投資を強化するとと

  もに市場対応方針の策定と生産体制の確立を加速させます。

 ・アミューズメント業界におけるキャッシュレス決済普及のための環境整備を促進すべく、行政、業界そして関連

  団体に対する戦略的な働きかけを推進します。

 ・近い将来のリリースが具体化しつつある管理遊技機及びメダルレス遊技機の市場投入スケジュールを見定め、生

  産体制の最適化によって特需に漏れなく対応します。

 ・特定顧客への過度の依存を解消すべく、大手ファブレス企業との提携など、OEM顧客の多様化により事業基盤の

  強化を図ります。

 ・OEM主体の事業構造を抜本的に改革すべく、コンサルティング営業を柱とした戦略的マーケティングの展開によ

  り事業拡大を図ります。

 ・市場を熟知した当社だから可能な市場ニーズを捉えた「高品質」で「低コスト」な紙幣搬送システムなど、自社

  製品の競争優位性を訴求することで、遊技機周辺機器ビジネスのさらなる拡大を図ります。

 ・規制強化等により熾烈を極める設備投資案件を、安売り競争に陥ることのない戦略的アプローチによって獲得し

  ます。

 (システムソリューション事業)

 ・当社グループのICTリソースを集約したシステムソリューション事業部によって、ICTソリューション(システム

  及び製品)の「調査(市場・特許・技術)」「企画立案」「提案」「システム開発」「インフラ構築」「システム保

  守」の全てを受託することができる体制の構築を急ぎます。

 ・継続的な収益源となるソフトウェアソリューション事業への戦略的展開を強力に推進し、新規顧客基盤の構築を

  図ります。

 ・既存顧客との信頼関係の維持強化によるシステム開発案件の安定的な獲得に努めます。

 ・ローコード開発及びAI言語の開発体制の強化充実並びに企画提案・設計開発・保守を一気通貫で請け負うワンス

  トップサービス体制の確立による差別化をもって、ソフトウェア開発ベンダとしての競争優位の確保を図りま

  す。

 (券売機事業)

 ・券売機を単なる機能拡充に止まらないICTソリューションのツールへと進化させ、「モノ」や「サービス」を売る

  だけではアクセスできない幅広い市場に訴求するべく、次世代のシステムソリューションを提供することをメイ

  ンとした新たな営業基盤を確立します。

 ・政府が推進するキャッシュレス決済への社会的潮流を先取りした新製品の開発と市場展開を促進します。

 ・コロナ禍を契機に加速する、人手不足における生産性向上志向を背景とした非接触型(コンタクトレス)機種へ

  のニーズを適切に捉えたタイムリーな製品提案活動を強化します。

 ・大口顧客となる新規販売店等の法人をターゲットとした戦略的マーケティングを強化促進します。

 (I-GINS事業)

 ・名門ゴルフコースへの導入実績を重ねることで築き上げた市場における信頼を追い風として、戦略的かつスピー

  ディーな攻めのマーケティングでさらなる事業拡大を図ります。

 ・代理店の活用を視野に入れた販売チャネルの拡大及びサービス網・サービス体制の整備により、営業基盤の充実

  強化を進めます。

 ・搭載部品更新や部品点数削減等による既存製品の改良を進めることで、利益率を向上させ利益体質を確立しま

  す。

 ・将来の新製品への展開を視野に入れ、搭載部品の共通化を進めます。

 ・ホームページやSNS等の媒体を通じた戦略的な発信を通じてI-GINSの革新的意義に対する認知度向上と優秀な人

  材の確保を図ります。

 (ICカードリーダライタ事業)

 ・高速道路料金授受システム等の、多様な開発案件の新規獲得を進めます。

[スポーツ事業セグメント]

 (キャスコ事業)

 ・コアコンピタンスのひとつであるリテールセールスをさらに強化すべく、メーカーを問わず品質本位の幅広い品

  ぞろえを訴求する、国内No.1のセレクトホールセラーを志向します。

 ・アスリートゴルファーや富裕層をターゲットとして、高度なクラブテクノロジー(折り紙構造、ローディングウ

  ェイトシステムなど)だけが生み出せるオンリーワンアイテムを提案するクラブフィッティング事業に本格的に

  参入します。

 ・ニッチャー戦略(エンジョイゴルファーをターゲットとした、ゴルフギアでの「お悩み解決」と「ワクワク感」

  のある商品開発)に基づく、テクノロジーエリアへのR&D資源投入における選択と集中を推進します。

 ・ブランド及びアイテムの認知度アップのため、Kマーク(キャスコ商標)のリブランディングと、商品訴求媒体

  及び手法(SNS、Web、プロ、YouTube)の見直しを進めます。

 ・業務提携やOEMの戦略的な展開によって、製造原価低減による利益水準の底上げを図ります。

 ・バリューチェーン全体の効率化により各工程の付加価値を高め、持続的成長を可能とする収益構造を構築しま

  す。

 (カーボンシャフト事業)

 ・日米に共通して見られる「コロナ特需」ともいうべきゴルフ参加人口の増加を定着させるための戦略的マーケテ

  ィングを展開します。

 ・大きな成果を上げている、大手クラブメーカーへの大量のOEM供給によって露出度を高め、USTMamiyaブランドの

  認知度とバリューを強化し高付加価値製品としてのポジションを確立する戦略的な取り組みを、さらに強化しま

  す。

 ・ウッドのHELIUM及びLIN-Q、アイアンのRECOILシリーズなど、多様化する顧客ニーズを満たすことができる、そ

  れぞれに個性豊かな製品ラインナップで顧客層を拡大します。

 ・アイアン市場におけるスペック多様化に対応すべく、精悍なブラックボディをもつピンポイントで狙えるアイア

  ン「RECOIL DART」の投入など、多品種展開により市場シェアのアップを図ります。

 ・バングラデシュ工場における設備更新のための投資及び東アジア及び東南アジアとの比較で注目されているコス

  トメリットを訴求することで、OEMビジネスを強化します。

 ・精緻なSCMと出荷サイクル最適化による生産平準化を不良率減少とリードタイム短縮等によって、急な受注増に

  も臨機応変に対応できる製造オペレーションを確立する取り組みを徹底することで、競争優位を訴求します。

 ・QMS(品質管理システム)の構築を進め、品質ロスや再生費用などの品質コストを着実に削減するとともに、製

  品の市場競争力を強化します。

 ・遊休スペースを有効活用することでコンポジット製品の生産を増強し多品種展開を図るなど、多角化による事業

  基盤の強化を進めます。

[不動産事業セグメント]

 ・システムソリューション事業部とのコラボレーションによる不動産テック(PropTech)の展開により、新たなビ

  ジネスチャンスの創造を図ります。

 ・コロナ禍をむしろチャンスと捉え、不断の情報収集により、働き方改革の進展とテレワークの急速な普及による

  新たなビジネスチャンスを逃すことなく収益機会に結びつけます。

 ・トランクルーム「プラスワンストレージ」事業の多店舗展開を図ります。

 ・コロナ禍における賃料削減や支払猶予への対応等、賃貸不動産の適切な管理・運用によって既存顧客との信頼関

  係を維持強化することを通じて、新たなビジネスチャンスを見出します。

 ・アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定め、小規模ホテルや店舗をはじめとする販売用

  不動産を、戦略的視点から仕入れ、ベストタイミングで売却することを通じて、収益の極大化を図ります。

 ・再延長された住宅ローン控除の駆け込み需要を取り込むべく、単身者向けかファミリータイプかを問わず、マン

  ションの開発用地及び狭小建売用地の仲介・転売ビジネスを展開します。

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

主要なリスク項目

リスクが顕在化する

可能性の程度

及び時期

当社グループの

経営成績等への影響

対応策

1

特定事業の業績への依存と当該事業環境が悪化する

リスク

可能性の程度:高

 

時期:常時想定

当社グループの連結営業利益に占める電子機器事業セグメントの割合は極めて大きく、当連結会計年度では98.4%に達しております。また、当該事業セグメントにおいて遊技機関連事業に大きく依存する事業構造が依然として続いており、これにより遊技機関連業界の動向等が、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

・OEM先顧客との信頼関係の維

持強化による取引拡大

・自社ブランド製品(小型自動

券売機、非接触式ICカードリーダライタ、自律走行システム「I-GINS」等)の販売拡大に向けた諸施策の強化

・スポーツ事業及び不動産事業

の収益拡大

・新規事業領域の開拓・深耕

2

特定の取引先に対する過度の依存のリスク

可能性の程度:中

 

時期:常時想定

電子機器事業セグメントにおける主要顧客である日本ゲームカード㈱に対する売上比率は、同社との取引関係が極めて良好に推移していることから、当連結会計年度では連結売上高の11.8%に達しております。今後も両社の取引関係を維持・強化することについて両者間で見解の相違はございませんが、このような状況から、日本ゲームカード㈱の業績動向及び取引方針の変化は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

・新規取引先の開拓

・ビジネスモデルの刷新

・自社ブランド製品(小型自

動券売機、非接触式ICカードリーダライタ、自律走行システム「I-GINS」等)の販売拡大に向けた諸施策の強化

・スポーツ事業及び不動産事

業の収益拡大

・新規事業領域の開拓・深耕

・ソリューションなど新たな

 価値の提供によるシェアの

 維持・拡大

3

法的規制等によるリスク

可能性の程度:高

 

時期:常時想定

当社製品のエンドユーザーである遊技場は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」等の法令等の規制対象となっており、当社がOEM供給する台間カードユニット等の使用に際しては、使用許可の取得又は使用届けが義務付けられています。したがって、これら法令等が改正された場合、台間カードユニット等の遊技場への販売・設置に関してマイナスの影響が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

・外部専門家及び有識者の活用

・専門部署による支援強化

・関連各部署による情報収集の

強化

 

 

 

主要なリスク項目

リスクが顕在化する

可能性の程度

及び時期

当社グループの

経営成績等への影響

対応策

4

新製品開発の遅延によるリスク

可能性の程度:中

 

時期:常時想定

当社グループの各事業セグメントは、新技術による新製品開発を継続的に行い市場に投入しております。このような開発の日程につきましては、綿密な管理をしておりますが、予期せぬトラブルによる当該日程の遅延等により新製品の市場投入が遅れた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

・製品開発工程の整備・進捗

管理

・製品開発に係る情報共有の徹

5

工場所在国の

社会情勢の変動

によるリスク

可能性の程度:中

 

時期:常時想定

スポーツ事業における生産拠点であるバングラデシュ人民共和国では、与野党の対立激化等による政情不安やイスラム過激派勢力等によるテロ発生の懸念などから、引き続き現地の社会情勢は予断を許さない状況が続いております。そしてこのような現地の社会情勢等の変動は、製品の製造不能や納期遅延等を生じるリスクがあり、これが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

・現地との連絡系統整備

・工場施設等及び工場運営に

おけるセキュリティ対策の

徹底

・現地の情報に精通した危機

管理業者の活用

6

資金調達に係る財務制限条項抵触のリスク

可能性の程度:中

 

時期:決算期ごと

想定

当社グループでは、シンジケーション方式タームローン契約及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、これらの契約には純資産の維持、利益の維持に関する財務制限条項が付されております。その内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結貸借対照表関係)及び「2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(貸借対照表関係)に記載しております。

なお、これらの財務制限条項に抵触した場合には、当該借入金につき期限の利益を喪失し一括返済を求められることなどにより、当社グループの財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

・銀行借入に加え社債の発行な

ど資金調達手段の多様化による財務体質の安定

・経営資源を有効かつ効率的に

活用することによる安定的かつ持続的な事業利益の拡大

 

 

 

主要なリスク項目

リスクが顕在化する

可能性の程度

及び時期

当社グループの

経営成績等への影響

対応策

7

新規事業への投資によるリスク

可能性の程度:高

 

時期:常時想定

当社グループは、電子機器事業、スポーツ事業等に続く新たな事業領域の確立を目的として、既存事業会社への出資等の多様な手段により、ビジネスモデルの変革を図るべく、様々な事業への投資活動を行っております。ただし、新規投資対象事業が計画どおり進捗しない場合、当初意図していた投資の回収ができず、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

・新規投資対象事業に係る内部

収益率等の投資採算性の検証

・新規投資対象事業から発生し

得るリスクの抽出・管理等の

徹底

8

新型コロナウイルスの影響

可能性の程度:高

 

時期:新型コロナウイルスのワクチン及び治療薬が普及するまでの間、想定

電子機器事業においては、経営環境の厳しい、パチンコホールや券売機の販売先である飲食店等に対し営業自粛要請がなされたことで、今後当該店舗数の減少が予測され、スポーツ事業においては、国内外の経済環境の悪化、ゴルフ場やスポーツ用品販売店等の休業の影響によりゴルファーの購買意欲や購買機会の低下がみられることなどが、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

・在宅勤務の実施や混雑時を避

ける時差出勤の奨励

・役職員の体調管理の徹底

・非対面式による営業活動強化

・部材の調達、人員配置及び生

 産スケジュール調整の徹底

・ICT(情報通信技術)環境の

整備拡充

(注)上記記載の「リスクが顕在化する可能性の程度及び時期」は、当該事業等のリスクに係る、事業環境(当該リスクが顕在化した実績等を含む。)並びに当社グループの経営成績・財政状態及び事業体制等を踏まえ、記載しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響を受け、経済活動の停滞や個人消費の低迷が続く等、依然として厳しい状況が続いております。また、先行きにつきましては、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、持ち直していくことが期待されるものの、感染再拡大による国内外経済の下振れリスクや金融市場の変動等の影響を注視する必要があり、不透明な状況が続いております。

このような経済環境の下で当社グループは、メーカーの原点である「技術と品質」「スピードと革新性」に加え、マーケットインの視点を大切にした真摯な「ものづくり」に取り組むことによりお客様と会社の繁栄を実現するとの経営理念を継承しつつ、デジタルトランスフォーメーションによる事業構造の変革がもたらすイノベーションによる新たな成長を果たすべく、経営資源を有効に活用し、高品質と低コストを兼ね備えた製品とサービスを提供し、あるいはソリューションを提案することで一層の顧客価値を創造するとともに、中長期的な展望の下で安定的かつ持続的な成長を実現し、更なる企業価値向上を図ってまいりました。

そして、当社グループの主力事業である電子機器事業及びスポーツ事業に、不動産事業を加えた事業形態により、グループ一丸となって以下のような諸施策に粘り強く取り組んでまいりました。

(電子機器事業)

ⅰ)電子機器事業の主要な市場であるパチンコ・パチスロ関連市場は、2021年4月に経済産業省が公表した「特定サービス産業動態統計調査」(確報)によると、2021年2月のパチンコホール売上高は2,168億7,000万円と前年同月比マイナス26.2%と7割程度の水準となるなど厳しい結果となりました。また、全日遊連が発表した「組合員加盟店舗の実態調査」結果によると、2021年2月末日の全日遊連加盟パチンコホール店舗数は8,174店舗となり、前年同月比で589店舗減少するなど、遊技業界全体を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。

このような厳しい事業環境に置かれながらも、当社は引き続き既存OEM先顧客との信頼関係の維持強化を推進しつつ、品質管理体制の強化と製造コスト削減の推進に粘り強く取り組んでまいりました。

ⅱ)液晶小型券売機について

自社ブランド製品である液晶小型券売機につきましては、その販売を担うエフ・エス営業所網の整理・統合により営業効率の改善を図りながら、営業支援ツールを効率的に活用した戦略的な営業活動や展示会出展等の積極的なプロモーション活動に取り組むこと等により、液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズの販売にグループ一丸となって積極的に取り組んでまいりました。

ⅲ)その他の事業について

自律走行システム「I-GINS」は、引き続き地域を限定した戦略的な営業活動の実践、関東各所におけるデモンストレーションや導入保守メンテナンス体制の確立に粘り強く取り組んでまいりました。

(スポーツ事業)

ⅰ)スポーツ事業におきましては、総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコの国内市場においては、「Golf with Next Dream 次のゴルフをもっと面白く」をスローガンに、これまで培った「モノづくり」のノウハウを生かしつつ、「良品完成」を信条として生み出されたキャスコ独自の独創的かつ魅力的な新製品の市場投入や、コスト削減の徹底は勿論のこと、製造コスト上昇を踏まえた製品改廃の促進に取り組む一方で、コロナ禍及びアフターコロナに向けた変革を遂げながら挑戦し続ける企業として、新素材及び複合素材の製品への活用や新たな製法の構築で培われた確固たる技術の集積による「モノづくりへの信頼」をベースとした、企画・開発・製造・営業の一貫体制でのスピーディーな対応力で、新たな価値の創造に向け全社一丸となって粘り強く取り組んでまいりました。

ⅱ)カーボンシャフト事業におきましては、USTMamiyaブランド認知度向上に向けた諸施策を強力に推進し、また新素材を使用した製品の開発や製造工程の改善による生産性の向上、コスト削減等にも粘り強く取り組んでまいりました。また、生産拠点であるバングラデシュ工場では、政治イベントに反対するデモが全国各地で発生するなど現地の不安定な治安及び社会情勢に臨機応変に対応しつつ、OEM供給先顧客の受注獲得に向けた諸施策の展開にも引き続き貪欲に取り組むとともに、利益拡大に向けた生産設備の充実や製造環境の整備についても着実に進めてまいりました。

(不動産事業)

不動産事業におきましては、低金利を背景とした不動産価格の高止まり等により優良な収益不動産購入が困難な状況や、金融機関各社の投資用不動産に対する融資の厳格な姿勢が継続していること等により、先行き不透明な状況が続いております。

このような状況の下、不動産事業子会社であるエフ・アイ興産が所有する不動産を有効かつ効率的に活用し、着実に賃貸収入を確保しております。また、当社が所有する販売用不動産の販売に向けた取り組み、転売を目的とする不動産の仕入れや販売等に向けた各種取り組みのほか、不動産仲介など収益拡大に向けた様々な諸施策に貪欲に取り組んでまいりました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は遊技機関連製品の販売が大幅に減少したことから96億17百万円(前期比32.7%減)、損益につきましては、売上の減少などにより営業損失8億66百万円(前期は4億39百万円の営業利益)、経常損失は8億40百万円(前期は3億13百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は14億94百万円(前期は6億71百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

(電子機器事業セグメント)

ⅰ)遊技機関連製品について

当連結会計年度におけるパチンコ・パチスロ関連市場は、警察庁が2020年5月に国家公安委員会規則の一部を改正し、最大2021年1月としていた旧規則機における認定・検定の有効期限について1年間の延長を認めたことや、新規則機に魅力ある機種がないこと等、旧規則機と比較して優位性を訴求できないことによる買い替え意識の薄れ、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の制限や停滞による経営悪化等の影響で設備投資のタイミングを見計らっている状況が続いており、紙幣搬送関連製品を含めた遊技機周辺設備機器及び電子部品の当連結会計年度の販売台数・売上は低調に推移いたしました。

ⅱ)自社ブランド製品である液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600シリーズ」につきましては、積極的な展示会への出展や営業支援ツールの活用並びに券売機専用サイト「券売機プロ」をはじめとしたインターネット上のマーケティング強化の諸施策にグループ一丸となって取り組んだことで、売上は堅調に推移いたしました。

ⅲ)自律走行システム「I-GINS」は、展示会の延期等により当初計画していた売上目標には届かなかったものの、搭載部材のコスト削減を目的とした補正通信方法の変更やユーザビリティの向上に向けたソフトウェアの改善等に粘り強く取り組んでまいりました。

ⅳ)ICカードリーダライタについては、世界的な車載半導体の品薄によるタンクローリー等自動車生産の遅れや新型コロナウイルス感染症拡大による石油元売会社による石油配送システム導入の見合わせ、また、客先の在庫過多による納入先送り等、厳しい状況が続いているものの、石油配送システムの新ICカード発行枚数につきましては堅調に推移いたしました。

この結果、電子機器事業セグメントの売上高は42億13百万円(前期比42.1%減)、営業損失は2億46百万円(前期は4億33百万円の営業利益)となりました。

 

(スポーツ事業セグメント)

ⅰ)キャスコ事業について

キャスコの国内事業においては、コロナ禍での屋外スポーツとして若年層のゴルフ参加が増えたこともあり、初心者用クラブや低価格帯ボールの販売は底堅く推移いたしました。

他方、キャスコの海外事業においては、タイ市場や中国市場における景気減速は底を打ち、緩やかな回復基調で推移したものの、新型コロナウイルス感染症の流行により予断を許さない状況が続いております。また、売上の低迷が続いていた台湾の現地販売会社「Taiwan Kasco Corp.」の解散を決定したことによる損失を計上したこと等により、売上・利益ともに厳しい状況となりました。

ⅱ)カーボンシャフト事業について

海外におけるカーボンシャフト事業につきましては、米国における新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛令により5月までUSTMamiyaにおいてオフィス閉鎖を余儀なくされたものの、USTMamiya独自の革新的カーボン積層テクノロジーが搭載された「RECOIL(リコイル)」シリーズシャフトに対する市場の関心は依然として高く、OEM先顧客である大手クラブメーカーからの受注数は好調に推移いたしました。

他方、生産拠点であるバングラデシュ工場では、8月以降に生産体制を正常化し増産に転じましたが、運輸業界が新型コロナウイルス感染症拡大により、海運では作業員等の不足、荷捌き遅れやコンテナ不足が発生する等、空輸では国際線旅客便の減便・運休により貨物スペースが縮小したこと等により混乱が生じた影響で運送費が高騰する等の逆風に見舞われました。

しかしながら、生産現場では「SDGs(持続可能な開発目標)」の考え方を重視した品質管理体制の強化による顧客満足度向上、安全に配慮した製品開発や従業員が活き活きと仕事に取り組める職場環境を整備する等の諸施策に粘り強く取り組んできたこと、また、原価削減等によるコスト削減の効果もあり、利益面では一定の水準を維持することができました。

この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は、52億21百万円(前期比22.8%減)、営業損失は1億67百万円(前期は70百万円の営業損失)となりました。

 

(不動産事業セグメント)

当連結会計年度における不動産市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、飲食店や物販店舗の閉鎖が進んだことにより、2021年1月時点では三大都市圏における公示価格が8年ぶりに下落いたしました。また、オフィス賃貸につきましてもテレワークの普及により企業のオフィス縮小化が進んでおり、3月の都心5区の空室率は、5.42%(前年は4.49%)と、この1年間で急上昇しております。

このような状況の下、新たな収益源となる不動産物件の情報収集に粘り強く取り組むとともに、当第3四半期連結会計期間に評価損を計上した当社が所有する販売用不動産の販売についても粘り強く取り組んでまいります。

他方、24時間365日出し入れ自由のトランクルームサービス「プラスワンストレージ」は、トランクルームのフロア増設がお客様満足度の向上に繋がり、順調に契約件数を伸ばすなど、引き続き堅調に推移しております。

この結果、不動産事業セグメントの売上高は、2億2百万円(前期比20.9%減)、営業損失は4億52百万円(前期は76百万円の営業利益)となりました。

(注)当第4四半期連結会計期間より、経営管理体制の見直しを行い、所有不動産の有効活用等を目的として、賃貸不動産の一部について「電子機器事業」から「不動産事業」に移行しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の算定方法により作成したものを記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、売上債権の減少による収入等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純損失が12億92百万円(前期は11億85百万円の税金等調整前当期純利益)、仕入債務の減少による支出等により、前連結会計年度末に比べ8億93百万円減少し、当連結会計年度末には54億99百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は4億49百万円(前期比52.0%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失12億92百万円等があったものの、売上債権の減少8億71百万円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2億83百万円(前期は17億52百万円の獲得)となりました。これは主に、貸付けによる支出2億51百万円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1億47百万円(前期比87.0%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入10億40百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出12億85百万円等があったことによるものであります。

 

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

 自己資本比率(%)

53.6

55.7

53.6

 時価ベースの自己資本比率(%)

36.0

26.3

29.9

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

11.6

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

7.8

(注)自己資本比率                :  自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率          :  株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :  有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ  :  営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※ 2020年3月期及び2021年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

ⅰ)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

電子機器事業

3,052,349

△46.3

スポーツ事業

5,125,888

△23.4

合  計

8,178,238

△33.9

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ⅱ)商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

電子機器事業

1,072,384

△1.7

(注)1.金額は実際仕入額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ⅲ)受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

ⅳ)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

電子機器事業

4,209,515

△42.2

スポーツ事業

5,219,997

△22.8

不動産事業

187,771

△22.2

合  計

9,617,284

△32.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額(千円)

割 合 (%)

金 額(千円)

割 合 (%)

日本ゲームカード㈱

3,200,375

22.41

1,331,559

13.85

エムディーアイ㈱

1,795,647

12.57

978,754

10.18

3.上表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり

ます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、繰延税金資産等の算出評価について見積りを行っております。この見積りは当連結会計年度末現在において判断したものであり、見積りには不確実性、あるいはリスクを内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の売上高は96億17百万円(前期比32.7%減)、営業損失は8億66百万円(前期は4億39百万円の営業利益)、経常損失は8億40百万円(前期は3億13百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は14億94百万円(前期は6億71百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

当該経営成績につき、収益性の観点から分析した結果は以下の通りです。

(売上高総利益率)   27.6%(前期比5.0%減)

(売上高営業利益率)  -%(前期は3.0%)

※営業損失となった主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響で売上高が減少したこと及び販売用不動産の評価損を計上したこと等によるものです。

(売上高経常利益率)  -%(前期は2.2%)

(売上高当期純利益率) -%(前期は4.7%)

※当期純損失となった主な要因は、不動産の減損損失を計上したこと及び操業休止による損失を計上したこと等によるものです。

 

③ 財政状態の分析

当連結会計年度末における流動資産は118億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億77百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が8億93百万円、受取手形及び売掛金が9億21百万円、販売用不動産が5億20百万円減少したことによるものであります。固定資産は104億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億11百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が4億24百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は222億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億89百万円減少いたしました。

当連結会計年度末における流動負債は48億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億96百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が6億9百万円減少したことによるものであります。固定負債は54億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億62百万円増加いたしました。これは主に退職給付に係る負債が93百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は102億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億34百万円減少いたしました。

当連結会計年度末における純資産合計は120億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億55百万円減少いたしました。これは主に剰余金の配当4億36百万円、親会社株主に帰属する当期純損失14億94百万円により減少したことによるものであります。

以上の結果として、自己資本比率は前連結会計年度の55.7%から53.6%に減少し、1株当たり純資産は、1,602円98銭から1,378円39銭へと減少しましたが、流動比率、当座比率等についても健全な水準を維持する等、財政状態は堅調に推移しており、持続的な安定成長を支える基盤となっております。

当該財政状態につき、当連結会計年度の経営成績を踏まえ分析した結果は以下の通りです。

(総資産回転率)    0.4 回(前期は0.5 回)

(固定資産回転率)    0.8 回(前期は1.2 回)

※前期と比較して固定資産回転率が減少した主な要因は、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響で売上高が減少したこと等によるものです。

(総資産経常利益率)  -%(前期は1.2%)

 

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は54億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億93百万円減少いたしました。これは営業活動の結果使用した資金が4億49百万円、投資活動の結果使用した資金が2億83百万円、財務活動の結果使用した資金が1億47百万円によるものであります。

上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、フリーキャッシュフローは、収益の落ち込みになどにより営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなったことから、△7億33百万円(前期はプラス8億15百万円)となりました。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、本有価証券報告書の、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであり、当社は、これらのリスクを的確に把握・評価し、その顕在化を回避するための適切な施策を、適宜に立案・実施するよう努めます。

 

⑥資本の財源及び資金の流動性について

ⅰ)資金需要

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、電子機器事業における新製品開発及び金型等、スポーツ事業におけるゴルフ用品製造設備等及び不動産事業における賃貸不動産設備等があります。

ⅱ)財政政策

当社グループの事業活動の維持拡大における資金を安定的に確保するため、金融機関からの銀行借入や社債発行により資金調達を行っております。また、支払金利の変動リスクを回避し、また支払利息の固定化を図るために金利スワップ取引を行っております。

 

⑦経営上の目標の達成状況について

当社グループは、継続的な安定配当等により株主利益の向上を図る観点から各利益の極大化を目指すとともに、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、ROEを経営上の目標の達成状況を判断するための重要な指標と位置付けております。

そして、その具体的な目標数値を5.0%として、経営に邁進してまいりましたものの、新型コロナウイルス感染症等の影響による売上高減少等により当連結会計年度は大幅な親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなり、当該目標数値を達成することができませんでした。

これは、自己資本は、潤沢かつ適正な水準を維持しているものの、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響による売上高減少に加え販売用不動産の評価損を計上したこと等により連結営業損失を計上したこと、また特別損失として不動産の減損損失及び操業休止による損失を計上したこと等が主たる要因と認識しております。

また、前連結会計年度に行ったマミヤビルディングの売却による特別利益の計上に引き続き、利益の拡大を最重要課題と位置づけROEの改善及び向上がなされるように粘り強く取り組んで参ります。

 

⑧セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 なお、具体的な課題認識と解決への方策については、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべ

 き課題等](3)⑤優先的に対処すべき事業上の課題」をご参照ください。

 

[電子機器事業セグメント]

 (1)アミューズメント事業

  遊技機関連市場の長期低落トレンドが続く中、大都市圏を中心とした度重なる緊急事態宣言に伴う遊技場等に

 対する休業や営業自粛の要請、コロナ禍による消費マインドの冷え込み、そして当局による射幸性規制の強化等の

 マイナス要因が重なった結果として売上高が大幅に下落し、大幅な赤字の計上を余儀なくされたものと分析してお

 ります。また、今後につきましては、ワクチン接種の進捗に伴い経済・社会活動が正常化に向かうであろうことを

 踏まえ、遊技場における設備投資意欲の回復、改刷及び次世代遊技機の市場投入などに伴う特需、キャッシュレス

 決済のさらなる拡大、といったビジネスチャンスを貪欲にものにして売上及び利益に結び付けていく取り組みが必

 須であると考えております。

(2)システムソリューション事業

  当社は、デジタルトランスフォーメンションの奔流が産業構造や社会基盤に歴史的な変革をもたらしつつある

 現在こそ、当社が事業構造の抜本的な改革を通じてイノベーションを創生し、新たな成長軌道を見出すための最大

 のチャンスであると分析しております。そして今後は、グループのICTリソースを集約して2021年4月に立ち上

 げたシステムソリューション事業部を牽引車として、総力を挙げてソフトウェアソリューション事業への戦略的な

 展開を強力に推進し、ソフトウェア開発ベンダとしての競争優位を確保していくことが必要であると考えておりま

す。

(3)券売機事業

  液晶小型券売機「Operal(オペラル)VMT-600シリーズ」の売上は、コロナ禍における非接触(コンタクトレ

 ス)及びキャッシュレス決済への需要が高まり、中小零細事業者に対する公的補助金なども追い風となり、比較的

 堅調に推移しており、これには、グループ一丸となったマーケティング活動及びコールセンターの設置を含めたア

 フターサービス体制の運用強化も寄与しているものと分析しております。今後につきましては、自動券売機を単な

 る機能拡充に止まらないICTソリューションのツールへと進化させることを通じて新たな営業基盤を構築すること

 が必要であると考えております。

(4)I-GINS事業

  名門ゴルフ場に対する地道なアプローチを重ねた成果が製品に対する信頼の形で実を結びつつあり、導入保守メ

 ンテナンス体制の構築・整備とあいまって販売につながっているものと分析しております。また今後につきまして

 は、販売チャネルの拡充など営業基盤の強化が下支えする戦略的マーケティングの展開や製品改良による生産性向

 上等が喫緊の課題であると考えております。

 

[スポーツ事業セグメント]

(1)キャスコ事業

  コロナ禍の渦中における小売店への休業や営業自粛の要請に加え消費マインドの後退などのあおりを受け上半期

 の業績は低迷したものの、屋外スポーツであるために若年層をはじめとするゴルフ参加人口が増大するなどのいわ

 ばコロナ特需に恵まれたこともあり、持ち直し傾向にあると分析しております。また、今後につきましては、品質

 本位の幅広い品ぞろえによるリテールセールスのさらなる強化や柔軟なマーケティング戦略の展開、クラブフィッ

 ティング事業への本格参入などによりコロナ特需を定着させ、更なる成長への結び付けていくことが必要であると

 考えております。

(2)カーボンシャフト事業

  マーケティング及び製造の両面において粘り強く取り組んできた各種の施策が徐々に実を結び、売上及び利益の

 増加に結びついているものと認識しており、具体的には、マーケティング面ではブランドバリューの確立・強化、

 製品ラインナップの拡充等、製造面ではバングラデシュ工場における設備更新、カーボン素材の加工技術を応用し

 た製品レンジの拡大といった取り組みが一定の成果を上げているものと分析しております。

  また、コロナ禍による業績の低迷も、米国におけるコロナワクチン接種の進捗につれ正常化しつつあり、屋外ス

 ポーツならではの、いわば「コロナ特需」もあいまって、業績は当面の間、順調に推移するものと判断しており、

 今後につきましても、従前の取組みを着実に積み重ねていくことが必要であると考えております。

 

[不動産事業セグメント]

  増床したトランクルームサービス「プラスワンストレージ」が着実に契約件数を伸ばすなど、保有物件につきま

 しては安定的な稼働率を確保することで、例年通り一定の利益を確保できたものと分析しております。しかしなが

 ら、今後、事業規模拡大に向けての展望を見出すためには、マーケット動向を捉えた戦略的な販売用不動産の仕入

 及び販売等並びに賃貸用不動産の新規取得と適切な管理・運用による安定的な賃料確保の方策を確立することが必

 要であると考えております。

4【経営上の重要な契約等】

当社は、2021年3月29日付で株式譲渡契約を締結しており、持分法適用の関連会社であるJ-NET株式会社の株式104,500株を1億38百万円で追加取得した結果、同社の株式684,500株(2021年3月末日現在における同社に対する議決権比率は36.9%)を所有しております

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、電子機器及びスポーツの両事業セグメントともに、新製品の企画開発、厳しさを増す一方の価格競争に対応するための一層のコスト低減、並びに新分野への事業展開を主たる目的として取り組んでおり、当連結会計年度における研究開発費の総額は367百万円であります。

なお、各事業セグメント別の研究開発活動の内容及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 電子機器事業

当事業セグメントの研究開発費は、自社製品の新規開発体制を強化する中で207百万円となりました。その内容は、自社ブランド製品等のバリエーション増加への取り組み、ICカードリーダライタ技術を応用した新製品の開発、自律走行システム「I-GINS」の開発、新規製品企画等となります。

(2) スポーツ事業

当事業セグメントの研究開発費は159百万円となりました。その内容は、連結子会社であるキャスコ㈱におけるゴルフボールやゴルフクラブ等の開発、ユ-エスティ・マミヤInc.における、「Recoil(リコイル)」及び「Elements(エレメンツ)」シリーズシャフトの開発等となります。