当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはなく、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症流行の影響により依然として厳しい状況にある中、一部で弱さが増しているものの、持ち直しの動きが続いております。
先行きにつきましても、官民挙げて感染拡大の防止策を講じワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きが続くことが期待されるものの、感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意するとともに、金融資本市場の変動等の影響についても注視する必要があります。
このような経済環境の下で当社グループは、デジタルトランスフォーメーションによる事業構造の変革がもたらすイノベーションによる新たな成長を果たすべく、その核となるべきシステムソリューション事業の強化を進めつつ、グループの経営資源を有効に活用し、高品質と低コストを兼ね備えた製品を提供するとともに、顧客の抱える課題に対するソリューションを提案することで新たな顧客価値を創造することを通じて、中長期的な展望の下で安定的かつ持続的な成長を実現し、更なる企業価値向上を図ってまいります。
(電子機器事業)
まず、電子機器事業におきましては、新型コロナウイルス感染の拡大によるホール経営の悪化や旧規則機の段階的な入替経過措置が1年延長(2021年11月まで)されたことなどが、ホール企業における買い替え意識の薄れによる設備投資の先送りを加速するなど、遊技関連業界全体を取り巻く環境は依然として厳しいものがあります。
このような事業環境に置かれながらも当社は、引き続き既存OEM先顧客との信頼関係を維持強化するとともに、具体的な日程が視野に入りつつある次世代遊技機の市場投入に伴うカードユニットなどや、2024年に予定される紙幣改刷に伴う紙幣識別機などへの特需を最大限に取り込むべく、開発投資を強化しつつ、市場対応の方針を策定し生産体制を確立するために必要な準備を着実に進めております。
また、自社ブランド製品である液晶小型券売機につきましては、コロナ禍及びこれを契機に悪化し続ける人手不足を背景とした非接触型(コンタクトレス)機種への強いニーズを適切に捉えたタイムリーな製品として、飲食店以外への販売チャネルや大口顧客となる新規販売店等の法人をターゲットとした戦略的マーケティングを強化促進するとともに、「券売機プロ」をはじめとしたWebマーケティングの強化に加え、営業支援ツールを効果的に活用した戦略的営業活動や展示会出展等の積極的プロモーション活動に取り組むなど、「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズの販売にグループ一丸となって取り組みつつ、政府が推進するキャッシュレス決済への社会的潮流を先取りした新製品の開発と市場展開に向けた準備を進めてまいりました。
また、自律走行システム「I-GINS」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により営業先への訪問が制限される等の厳しい市場環境のなか、名門ゴルフコースへの導入実績を重ねることで築き上げてきた市場における信頼を追い風として、引き続き地域を限定した戦略的な営業活動の実践、関東各所におけるデモンストレーションや導入保守メンテナンス体制の確立、そして搭載部品の更新や部品点数削減等による既存製品の改良などにも、粘り強く取り組んでまいりました。
システムソリューション事業におきましては、完全子会社であるエフ・エスのシステム開発部門との連携強化によって当社グループのICTリソースを集約することで、ICTソリューション(システム及び製品)の「調査(市場・特許・技術)」「企画立案」「提案」「インフラ構築」「システム保守」の全てを受託することができる体制の構築を図りつつ、エフ・エスの既存顧客との信頼関係の維持強化によるシステム開発案件の安定的な受注に加え、ローコード開発及びAI言語の開発体制の強化充実並びに企画提案・設計開発・保守を一気通貫で請け負うワンストップサービス体制の確立による差別化によって、ソフトウェア開発ベンダとしての競争優位を確立するための取り組みを進めてまいりました。なお、エフ・エスは、2021年7月30日に東京証券取引所において公表いたしました「連結子会社の会社分割(新設分割)に関するお知らせ」のとおり、同日に開催した取締役会において、同社のシステム開発関連事業の全てを、新設分割によって2021年10月1日に設立する予定の新会社に承継する旨を決議しております。
(スポーツ事業)
スポーツ事業におきましては、総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコの国内市場においては、小売店が在庫リスク回避のため春夏商品の仕入れを抑制するなどの厳しい市場環境に置かれながらも、コロナ禍拡大の中でも3密を回避しながら運動不足を解消できるレジャーとしてゴルフ人気が高まり、ゴルフ場・練習場を中心とした集客が好調で市場が活況を見せている中で、業務提携やOEMの戦略的な展開によって製造原価低減による利益水準の底上げを図るとともに、バリューチェーン全体の効率化により各工程の付加価値を高めることで、持続的成長を可能とする収益構造の構築に取り組んでまいりました。
また、海外市場における売上につきましては、欧米における国内同様の理由によるゴルフ市場の活況に加え、中国市場やタイ市場における低迷が底を打ち微増に転じたことで市場が活気づく一方で、生産能力の逼迫によるリードタイム延長やコンテナ手配・通関業務がコロナ禍の影響による人手不足等により逼迫しており、商品供給に関して物流リスクが存在するなどの課題もあり、今後もその動向を慎重に見極めていく必要があります。
一方、海外におけるカーボンシャフト事業におきましては、アイアン市場におけるスペック多様化に対応すべく精悍なブラックボディをもつピンポイントで狙えるアイアン「RECOIL DART」を投入するなど、多品種展開によりシェアのアップを図るための戦略的な取り組みを進めてまいりました。
しかし、生産拠点であるバングラデシュでは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により政府から期間を限定したロックダウンが数回発令されるなど予断を許さない状況が続いていることに加え、政治イベントに反対する小規模なデモが全国各地で発生するなど、現地の不安定な治安及び社会情勢に臨機応変に対応する必要があります。このような状況の下、当社は、OEM供給先顧客の受注獲得に向けた諸施策の展開に引き続き貪欲に取り組むとともに、精緻なSCMと出荷サイクルの最適化による生産平準化を図り、不良率の減少とリードタイムの短縮等によって、急な受注増にも臨機応変に対応できる製造オペレーションの確立を推進してまいりました。
(不動産事業)
不動産事業におきましては、コロナ禍が長期化する中で、テレワークなど働き方の変化によるオフィスの移転縮小や飲食店の廃業などにより東京都心の空室率上昇と賃料下落が続く状況の下、不動産事業子会社であるエフ・アイ興産が所有する不動産を有効かつ効率的に活用し、着実に賃貸収入を確保するとともに、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定めた戦略的な視点から、当社が所有する販売用不動産の売却を含む有効活用をはじめとする収益拡大に向けた諸施策に貪欲に取り組んでまいりました。
この結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は25億32百万円(前年同期比2.2%増)、営業損失は39百万円(前年同期は1億51百万円の営業損失)、経常利益は40百万円(前年同期は1億50百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は0百万円(前年同期は75百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(電子機器事業セグメント)
まず、電子機器事業セグメントは、全日遊連が発表した「組合員加盟店舗の実態調査」結果によると、2021年5月末日の全日遊連加盟パチンコホール店舗数は7,926店舗(前年同月は8,528店舗)となり2021年4月から8,000店舗を下回っております。さらに、2021年7月に経済産業省が公表した「特定サービス産業統計調査」(確報)によると、2021年5月のパチンコホールの売上高は2,141億1,400万円でコロナウイルス感染症拡大の影響を受けた前年の同月比では313.8%であるものの、一昨年の同月比では72.5%となる等、コロナ禍の拡大による経済活動の制約や停滞による経営悪化の影響等を踏まえ設備投資のタイミングを見計らっている状況が続いており、紙幣搬送関連製品を含む遊技機周辺設備機器及び電子部品の売上・利益は、ともに厳しい状況となりました。
また、自社ブランド製品である液晶小型券売機につきましては、「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズの扱い易さが売上集計サービスの利便性とあいまってチェーン店やフランチャイズ店への安定的な販売に繋がり、売上は底堅く推移いたしました。
さらに、ICカードリーダライタについては、世界的な半導体の品薄によるタンクローリー等自動車やタンクローリー制御機器等の生産が遅延している影響で、新ICカード対応石油配送システムの石油元売会社への導入は見合わせが続いているものの、現行石油流通システム用ICカードリーダライタのリプレイス需要が増えたこともあり、売上は底堅く推移いたしました。
この結果、電子機器事業セグメントの売上高は9億45百万円(前年同期比27.2%減)、営業損失は1億6百万円(前年同期は56百万円の営業損失)となりました。
(スポーツ事業セグメント)
スポーツ事業セグメントについては、キャスコの国内事業においては、先述したコロナ特需ともいうべきゴルフ場・練習場の来場者数増加により消耗品であるボールやグローブだけでなく、5月発売の新製品であるUFOドライバーや従前より好評をいただいておりますドルフィンウェッジ等の販売が堅調に推移したこともあり、売上がコロナ禍以前に近い水準まで回復いたしました。
他方、キャスコの海外事業におきましては、欧米ゴルフ市場が国内同様に活況であることを受け海外協力会社の生産キャパシティーが過剰となったことによるリードタイムの延長、海外生産工場からの輸送手配や通関業務・コンテナ手配がコロナ禍の影響による人手不足等のあおりを受け逼迫していることもあり、売上回復は限定的でありコロナ禍以前の水準を回復するには至りませんでした。
また、海外におけるカーボンシャフト事業におきましては、運送費の高騰は依然続いているものの、USTMamiya独自の革新的カーボン積層テクノロジーが搭載された「Recoil(リコイル)」シリーズシャフトの露出度が大手クラブメーカー各社に対する大量のOEM供給によって高まったことで、USTMamiyaブランドの認知度とバリューが強化され高付加価値商品としてのポジションが確立されたこともあり、受注数は好調に推移いたしました。
他方、生産現場では品質管理体制の強化による顧客満足度の向上、安全に配慮した製品開発や従業員が活き活きと仕事に取り組める職場環境を整備する等の、「SDGs(持続可能な開発目標)」の考え方を重視した諸施策に取り組むとともに、遊休スペースを有効活用することでコンポジット製品の生産能力を増強し多品種展開を図るなど、多角化による事業基盤の強化に取り組むとともに、QMS(品質管理システム)の構築を進め、品質ロスや再生費用などの品質コストを着実に削減した効果もあり、利益面では一定の水準を維持することができました。
この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は15億41百万円(前年同期比36.2%増)、営業利益は46百万円(前年同期は1億12百万円の営業損失)となりました。
(不動産事業セグメント)
不動産事業セグメントにおきましては、国税庁が2021年7月1日に発表した2021年1月時点の路線価は、新型コロナウイルス感染症拡大によるインバウンド需要が減少したこと等により全国平均で前年比0.5%のマイナスとなるなど6年ぶりに下落いたしました。また、オフィス賃貸につきましてもテレワークの普及により企業のオフィス縮小化が進んでおり、6月の都心5区の空室率は、6.19%(前年同月は1.97%)と上昇傾向が続いております。
このような状況の下、コロナ禍をむしろチャンスと捉え、不断の情報収集により、働き方改革の進展とテレワークの急速な普及による新たなビジネスチャンスを逃すことなく、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定め、小規模ホテルや店舗をはじめとする販売用不動産を戦略的視点から仕入れ、ベストタイミングで売却することで収益の極大化を図るとともに、再延長された住宅ローン控除の駆け込み需要を取り込むべく、単身者向けかファミリータイプかを問わず、マンションの開発用地及び狭小建売用地の仲介・転売ビジネスの展開に取り組んでまいりました。
この結果、不動産事業セグメントの売上高は49百万円(前年同期比1.9%減)、営業利益は20百万円(前年同期比16.5%増)となりました。
また、財政状態の状況については次のとおりです。
(資産)
当四半期連結会計期間末における流動資産は124億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億48百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が5億84百万円増加したことによるものであります。固定資産は102億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億91百万円減少いたしました。これは主に長期貸付金が1億55百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は227億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億56百万円増加いたしました。
(負債)
当四半期連結会計期間末における流動負債は51億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億22百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が2億62百万円増加したことによるものであります。固定負債は58億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億39百万円増加いたしました。これは主に社債が1億90百万円、長期借入金が94百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は109億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億61百万円増加いたしました。
(純資産)
当四半期連結会計期間末における純資産合計は118億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億5百万円減少いたしました。これは主に剰余金の配当2億18百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は51.6%(前連結会計年度末は53.6%)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループにおいて優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、93百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループにおける研究開発活動の状況について、重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しについて、重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、電子機器事業における新製品開発費及び金型作成費、スポーツ事業におけるゴルフ用品製造設備投資資金並びに不動産事業における不動産の取得資金及び修繕費、等があります。
②財政政策
当社グループの事業活動の維持拡大に要する資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入や社債発行により資金調達を行っております。また支払利息の固定化を図り、支払金利の変動リスクを回避するために金利スワップ取引を行っております。
なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。