当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはなく、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きがみられております。
先行きにつきましては、経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されるものの、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要があります。また、変異株をはじめ感染症による内外経済への影響や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
このような経済環境の下で当社グループは、デジタルトランスフォーメーションによる事業構造の変革がもたらすイノベーションによる新たな成長を果たすべく、その核となるべきシステムソリューション事業の強化を進めつつ、グループの経営資源を有効に活用し、高品質と低コストを兼ね備えた製品を提供するとともに、顧客の抱える課題に対するソリューションを提案することで新たな顧客価値を創造することを通じて、中長期的な展望の下で安定的かつ持続的な成長を実現し、更なる企業価値向上を図ってまいります。
(電子機器事業)
まず、電子機器事業の主要な市場であるパチンコ・パチスロ関連市場におきましては、2021年12月に経済産業省が公表した「特定サービス産業統計調査」(確報)によると、2021年10月のパチンコホールの売上高は2,083億2,100万円で前年の同月比では96.1%、2019年同月比では79.5%となる等、2021年9月末に緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の終了が内閣官房より公示された後も稼働状況に大きな動きが見られず、集客に苦戦を強いられているなか、2022年1月末日までに旧規則機の完全撤去を完遂しなくてはならないなど、ホール企業の機器入替の負担は大きく、遊技機関連施設の買い替え意識の薄れや設備投資の先送りが加速するなど、遊技関連業界全体を取り巻く環境は依然として厳しいものがあります。
このような事業環境に置かれながらも当社は、引き続き既存OEM先顧客との信頼関係を維持強化するとともに、具体的な日程が視野に入りつつある次世代遊技機の市場投入に伴うカードユニットなどや、2024年に予定される紙幣改刷に伴う紙幣識別機などへの特需を最大限に取り込むべく、開発投資を強化しつつ、市場対応の方針を策定し生産体制を確立するために必要な準備を着実に進めております。
また、自社ブランド製品である液晶小型券売機につきましては、コロナ禍及びこれを契機に悪化し続ける人手不足を背景とした非接触型(コンタクトレス)機種への強いニーズを適切に捉えたタイムリーな製品として、飲食店以外への販売チャネルや大口顧客となる新規販売店等の法人をターゲットとした戦略的マーケティングを強化促進するとともに、「券売機プロ」をはじめとしたWebマーケティングの強化に加え、営業支援ツールを効果的に活用した戦略的営業活動や展示会出展等の積極的プロモーション活動に取り組むなど、Operal(オペラル)VMT-600」シリーズの販売にグループ一丸となって取り組みつつ、政府が推進するキャッシュレス決済への社会的潮流を先取りした新製品の開発と市場展開に向けた準備を進めてまいりました。
また、自律走行システム「I-GINS」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりベース機となる車両の納期遅延、営業先へのアプローチが制限される等の厳しい市場環境が続くなか、名門ゴルフコースへの導入で築き上げてきた市場における信頼を追い風として、関東圏における戦略的な営業活動の実践、中部・関西地方における認知度向上を目的とした業界団体へのデモンストレーション、導入保守メンテナンス体制の確立、そして搭載部品の更新や部品点数削減等による既存製品の改良などにも、粘り強く取り組んでまいりました。
(システムソリューション事業)
システムソリューション事業におきましては、当社グループのICTリソースを集約することで、ICTソリューション(システム及び製品)の「調査(市場・特許・技術)」「企画立案」「提案」「インフラ構築」「システム保守」の全てを受託することができる体制の構築を図りつつ、既存顧客との信頼関係の維持強化によるシステム開発案件の安定的な受注に加え、ローコード開発及びAI言語の開発体制の強化充実並びに企画提案・設計開発・保守を一気通貫で請け負うワンストップサービス体制の確立による差別化によって、ソフトウェア開発ベンダとしての競争優位を確立するための取り組みを進めてまいりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業におきましては、総合ゴルフ用品メーカーであるキャスコの国内市場においては、コロナ禍の中でも3密を回避しながら運動不足を解消できるレジャーとしてゴルフ人気の高まりにより、ゴルフ場・練習場を中心とした集客が好調で市場が活況を見せている中で、業務提携やOEMの戦略的な展開によって製造原価低減による利益水準の底上げを図るとともに、バリューチェーン全体の効率化により各工程の付加価値を高めることで、持続的成長を可能とする収益構造の構築に粘り強く取り組んでまいりました。
一方、海外におけるカーボンシャフト事業におきましては、アイアン市場におけるスペック多様化に対応すべく、精悍なブラックボディをもつピンポイントで狙えるアイアン「RECOIL DART」をはじめ、多品種展開によりシェアのアップを図るための戦略的な取り組みを進めてまいりました。
しかし、生産拠点であるバングラデシュでは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により政府から期間を限定したロックダウンが発令されるなど予断を許さない状況が続いていることに加え、税関による通関時のペナルティや指摘事項等の急激な増加など、現地の不安定な治安及び社会情勢に臨機応変に対応する必要があります。このような状況の下、当社は、OEM供給先顧客の受注獲得に向けた諸施策の展開に引き続き貪欲に取り組むとともに、精緻なSCM(サプライチェーンマネジメント)と出荷サイクルの最適化による生産平準化を図り、不良率の減少とリードタイムの短縮等によって、急な受注増にも臨機応変に対応できる製造オペレーションの確立を推進してまいりました。
(不動産事業)
不動産事業におきましては、コロナ禍が長期化する中で、テレワークなど働き方の変化によるオフィスの移転縮小や飲食店の廃業などにより東京都心の賃料下落が続く状況の下、不動産事業子会社であるエフ・アイ興産が所有する不動産を有効かつ効率的に活用し、着実に賃貸収入を確保するとともに新たな収入源となる賃貸物件の拡充、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定めた戦略的な視点から、当社が所有する賃貸用不動産及び販売用不動産の売却を含む有効活用をはじめとする収益拡大に向けた諸施策に貪欲に取り組んでまいりました。
(その他)
当社が匿名組合出資しております「合同会社メガソーラー市島発電所」が運営する太陽光発電設備である「MJSソーラー市島エネルギーファーム」が関西電力株式会社に対して固定価格買取制度(FIT)に基づく電気供給(電力の販売)を行っております。
当社グループは、ESG及びSDGsの視点を経営意思決定の重要な要素と位置付け、クリーンな再生可能エネルギーの供給などの取り組みを通じて、社会に貢献してまいります。
この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は85億10百万円(前年同期比25.9%増)、営業利益は2億42百万円(前年同期は8億95百万円の営業損失)、経常利益は4億4百万円(前年同期は9億14百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億5百万円(前年同期は10億6百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(電子機器事業セグメント)
まず、電子機器事業セグメントは、全日遊連が発表した「組合員加盟店舗の実態調査」結果によると、2021年12月末日の全日遊連加盟パチンコホール店舗数は7,637店舗(前年同月は8,302店舗)となり、2021年1月から12月までの累計では665店舗減少しております。このような厳しい遊技業界の状況に加え、電子部品等の原材料については、生産拠点における災害の発生、世界的なコロナウイルス感染症拡大によるパンデミックや工場閉鎖等で製造ワーカーが減少・流出したことにともなう人手不足、物流コンテナ不足、陸空海運における足止めにより原材料の供給遅延など、供給する側の生産体制が整っていないなかで、需要が急激に回復したことにともないあらゆる面で混乱が生じ、需供バランスが崩れたことにより、原材料、人件費、運送費等は高騰しております。
このような予断を許さない状況に置かれながらも、紙幣搬送システム関連製品を含めた遊技機周辺設備の売上は、部材調達など生産体制を強化した効果もあり好調に推移いたしました。また、電子部品の売上や徹底したコスト削減の効果もあり、一定の利益を確保するにいたりました。
また、自社ブランド製品である液晶小型券売機につきましては、「Operal(オペラル)VMT-600」シリーズの扱い易さが売上集計サービスの利便性とあいまってチェーン店やフランチャイズ店への安定的な販売に繋がり、売上は底堅く推移いたしました。
さらに、ICカードリーダライタについては、世界的な半導体の品薄によるタンクローリー等自動車やタンクローリー制御機器等のリードタイムがさらに長期化している影響で、新ICカード対応石油配送システムの石油元売会社への導入は見合わせ状態が続いているものの、現行石油流通システム用ICカードリーダライタのリプレイス需要により、売上は底堅く推移いたしました。
この結果、電子機器事業セグメントの売上高は、35億61百万円(前年同期比13.1%増)、営業損失は54百万円(前年同期は1億77百万円の営業損失)となりました。
(スポーツ事業セグメント)
スポーツ事業セグメントについては、キャスコの国内事業においては、先述したコロナ特需ともいうべきゴルフ場・練習場の来場者数増加により消耗品であるボールやグローブだけでなく、2021年11月新発売のドルフィンウェッジシリーズ等のクラブ販売が堅調に推移したこともあり、売上は底堅く推移いたしました。
また、海外におけるカーボンシャフト事業におきましては、USTMamiya独自の革新的カーボン積層テクノロジーが搭載された「Recoil(リコイル)」シリーズシャフトの露出度が大手クラブメーカー各社に対する大量のOEM供給によって高まったことで、USTMamiyaブランドの認知度とバリューが強化され高付加価値商品としてのポジションが確立されたこともあり、受注数は好調に推移いたしました。
他方、生産現場では品質管理体制の強化による顧客満足度の向上、安全に配慮した製品開発や従業員が活き活きと仕事に取り組める職場環境を整備する等の、SDGs(持続可能な開発目標)の考え方を重視した諸施策に取り組むとともに、遊休スペースを有効活用することでコンポジット製品の生産能力を増強し多品種展開を図るなど、多角化による事業基盤の強化に取り組むとともに、QMS(品質管理システム)の構築を進め、品質ロスや再生費用などの品質コストの着実な削減、生産体制を平準化した効果もあいまって、輸送費の高騰は依然として続いているものの、受注数を大量に獲得したことにより売上は堅調に推移いたしました。
この結果、スポーツ事業セグメントの売上高は、47億92百万円(前年同期比37.9%増)、営業利益は2億42百万円(前年同期は2億39百万円の営業損失)となりました。
(不動産事業セグメント)
不動産事業セグメントにおきましては、テレワークの定着により上昇を続けていた東京都心5区の11月のオフィス空室率は、一部で賃料下落を好機と捉えオフィスを広げる動きがあり1年9ヶ月ぶりに6.35%と改善したものの、供給過剰の目安である5%を10ヶ月連続で上回っており、平均賃料についても16か月連続の下落となるなど、下げ止まりの兆しは見えない状況となっております。また、住宅設備や建材においても、コロナを契機としてアメリカに端を発したウッドショックによる木材価格の高騰、東アジアでロックダウンが発令されたことにともなう供給の制約や世界的な物流の停滞により、住宅設備機器、建材、内装材の価格は上昇、部材不足が発生するなど、大半を輸入に頼っている日本国内に多大な影響を及ぼしております。
このような状況の下、コロナ禍をむしろチャンスと捉え、不断の情報収集により、働き方改革の進展とテレワークの急速な普及による新たなビジネスチャンスを逃すことなく、アフターコロナにおける景気及び不動産市況の動向を正しく見定め、小規模ホテルや店舗をはじめとする販売用不動産を戦略的視点から仕入れ、ベストタイミングで売却することで収益の極大化を図るとともに、単身者向けかファミリータイプかを問わず、マンションの開発用地及び狭小建売用地の仲介・転売ビジネスの展開にも取り組んでまいりました。
この結果、不動産事業セグメントの売上高は、1億69百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益は54百万円(前年同期は4億77百万円の営業損失)となりました。
また、財政状態の状況については次のとおりであります。
(資産)
当四半期連結会計期間末における流動資産は133億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億90百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が3億23百万円、棚卸資産が9億10百万円増加したことによるものであります。固定資産は100億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億81百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が61百万円、長期貸付金が1億87百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は233億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億8百万円増加いたしました。
(負債)
当四半期連結会計期間末における流動負債は63億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億41百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が4億88百万円、電子記録債務が3億23百万円、1年以内償還予定の社債が7億円増加したことによるものであります。固定負債は48億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億71百万円減少いたしました。これは主に社債が5億70百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は112億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億69百万円増加いたしました。
(純資産)
当四半期連結会計期間末における純資産合計は121億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億38百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当2億18百万円により減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益4億5百万円により増加したものであります。
この結果、自己資本比率は51.6%(前連結会計年度末は53.6%)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループにおいて優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、2億89百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループにおける研究開発活動の状況について、重要な変更はありません。
(5)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループは、海外でのシャフト受注が好調に推移していることを受け、「SDGs(持続可能な開発目標)」の考え方に基づく労働環境の改善により一層の生産性向上を図るべく、第2四半期連結累計期間における新型コロナウイルス感染症の拡大によるロックダウンにより操業を停止していたバングラデシュ工場の操業再開に際し、操業停止時に雇止めした臨時従業員にかわり正規従業員を雇用いたしました。
これに伴い、スポーツ事業の従業員数が150名増加したことなどにより、当社グループの従業員数は146名増加し、1,682名になりました。
なお、従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しについて、重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、電子機器事業における新製品開発及び金型作成費、スポーツ事業におけるゴルフシャフト製造設備への投資並びに不動産事業における不動産の取得及び修繕費等があります。
②財政政策
当社グループの事業活動の維持拡大に要する資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入や社債発行により資金調達を行っております。また支払利息の固定化を図り、支払金利の変動リスクを回避するために金利スワップ取引を行っております。
なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。