(Ⅰ) 会社の経営の基本方針
アシックスグループは、「ASICS SPIRIT」に掲げた創業哲学「健全な身体に健全な精神があれかし- "Anima Sana In Corpore Sano" 」を基本に、ビジョン「Create Quality Lifestyle through Intelligent Sport Technology-スポーツでつちかった知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」の実現に向けて、「アシックスの理念」をもって事業運営を行っております。
(Ⅱ)さらなる成長に向けた行動計画「アクションプラン」の実行
アシックスは、さらなる成長に向けた行動計画「アクションプラン」を策定しました。このアクションプランに基づき、本社のカテゴリートップが企画・開発からマーケティング、販売までを統括するカテゴリー基軸の経営管理体制のもと、以下の重点施策を着実に実行しております。また、2020年12月期の連結業績の見通しは、売上高4,000億円、営業利益90億円、営業利益率2.3%、経常利益80億円、親会社に帰属する当期純利益40億円です。
重点施策
(ⅰ)パフォーマンスランニングで勝つ
◇全てのランナーに向けてラインナップを拡充
・新しいお客様に向けた価値ある商品の提供
◇ランニング専門店でのサービス向上
・ランニング専門店限定商品の販売
・テックレップによる店舗スタッフ教育やテクノロジーの発信
(ⅱ)デジタル
◇デジタルドリブンカンパニーの実現
・お客様視点の追求により、EC売上高成長
・デジタルサービスを強化し、顧客価値の最大化
◇ランニングエコシステムの構築
・RACE ROSTERの活用
・ランナーとのタッチポイントを拡大
◇スマートランニングシューズの開発
・CES2020(デジタル見本市)にて、先進的なデジタル技術をアピール
◇先進的なサービスを開発(カシオ計算機株式会社との協業)
・カシオのデジタル技術×アシックスのランニングサイエンス
・パーソナライズされた独自のランニング体験の提供
・国内最大規模の展示会 ウェアラブルEXPOにアシックスとして初出展
(ⅲ)オニツカタイガー
◇プレミアムファッションブランドへ
・ブランド価値を高める活動に注力し、高利益水準を維持
・デジタルツールを駆使したブランド発信
・インフルエンサーとの協業
・メディアイベントでブランド価値認知度向上
◇ブランドの世界観を発信
・世界の主要地域での大型店開店
中国:広州、成都
欧米:ロンドン、ミラノ、ニューヨーク、ロサンゼルス
東南アジア:バンコク
・国内外でのファッションショー開催
(ⅳ)成長市場の拡大 東南アジア、インド、中東
◇東南アジア
・ベトナム、インドネシアに注力
・パフォーマンスランニング、オニツカタイガーに注力
・若者へのアプローチ強化
◇インド
・インフルエンサーを活用し、ブランド認知向上
・パフォーマンスランニングに加え、クリケットなどにも注力
・パートナーストア、ECビジネスの拡大
◇中東
・モノブランドストアの展開
・ECビジネスの拡大
・ランニングでのポジショニング確立
(将来に関する記述等についてのご注意)
有価証券報告書に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
会社の支配に関する基本方針について
① 会社の支配に関する基本方針の内容
当社は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。特定の者による当社株式の大規模な買付行為等に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
一方で、当社および当社グループは、株主の皆様をはじめ、お客様、取引先および従業員等のステークホルダーとの間に築かれた良好な関係を基本として、スポーツを核とした事業領域で当社が長年つちかってきた「技術」、「製品」、「ブランド」に対する信頼こそが強みであり、これを維持し促進することが当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資すると考えます。従って、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては、これらに関する十分な情報や理解がなくては、将来実現することのできる当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する可能性があり、不適切であると考えます。
② 当社の状況および企業価値向上に向けた取り組み
当社は、「健全な身体に健全な精神があれかし」を創業哲学とし、「スポーツを通して、すべてのお客様に価値ある製品・サービスを提供する」ことを理念に、お客様の求めるものを徹底的に追求し、世界のスポーツをする選手、スポーツを愛するすべての人々や健康を願う方々の役に立つよう、技術とものづくりに対するこだわりを持ち続けてまいりました。
当社は、さらなる成長に向けた行動計画「アクションプラン」を策定しました。このアクションプランに基づき、本社のカテゴリートップが企画・開発からマーケティング、販売までを統括するカテゴリー基軸の経営管理体制のもと、重点施策を着実に実行しております。
また、2020年の先を見据え、アシックスのビジョンである「スポーツでつちかった知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」を実現するために、「既存商品領域」に加え、「トレーニング・サービス領域」、「健康領域」を新たなビジネス領域として設定し、中長期的な企業価値向上のため経営改革に取り組んでおります。
また、当社グループは、企業価値を継続的に高め、株主の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーからさらに信頼される会社となるために、スピードある透明性の高い経営を実現するためのコーポレートガバナンスを目指し、その中で、経営管理体制の整備を行うとともに、企業経営に関する監督および監査機能・内部統制の充実、コンプライアンスの徹底、経営活動の透明性の向上などに努め、株主の視点を経営に反映させることを心がけております。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2020年3月27日開催の定時株主総会において、当社株式の大規模な買付行為への対応方針の一部を改定して3年間継続することを決定いたしました(以下、改定後の当社株式の大規模な買付行為への対応方針を「本対応方針」といいます。)。
本対応方針の概要は次のとおりです。
当社取締役会は、大規模買付者による情報提供及び大規模買付行為に対する取締役会の意見の公表に関する合理的なルールに従って大規模買付行為が行われることが、当社の企業価値・株主共同の利益に資すると考え、事前の情報提供に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定いたしました。
大規模買付ルールの概要は次のとおりです。
(ⅰ)大規模買付者には、大規模買付行為の前に、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断および当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)を書面で提供していただきます。当社取締役会は、取締役会による評価、検討、意見形成等のため必要かつ十分な本必要情報が大規模買付者から提出されたと判断した場合には、直ちにその旨大規模買付者に通知するとともに、速やかに当社株主の皆様に公表します。なお、大規模買付者からの情報提供の迅速化と当社取締役会が延々と情報提供を求めて情報提供期間を引き延ばす等の恣意的な運用を避ける観点から、この情報提供期間は意向表明書の受領から最長60日とし、延長は行いません。
(ⅱ)当社取締役会は、取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了したと公表した日の翌日から、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を設定します。取締役会評価期間の延長は行いません。
従って、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。当社取締役会は、取締役会評価期間中、独立委員会に諮問し、必要に応じて外部専門家等の助言および監査役の意見を参考に、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、独立委員会からの勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動または不発動を含め、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめて決議し公表します。
次に大規模買付行為がなされた場合の対応方針の概要は次のとおりです。
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守する場合、当社取締役会は、大規模買付行為に対する対抗措置の発動要件を満たすときを除き、当社株主の皆様に対して、当該買付提案に対する諾否の判断に必要な判断材料を提供させていただくにとどめ、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。
当社取締役会は、大規模買付ルールを遵守しなかった場合のほか、大規模買付ルールが遵守された場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当であると判断したときに限り、株主総会において株主の皆様に承認を得たうえで、当社株主の皆様の利益を守るために、当該大規模買付行為に対する対抗措置として、無償割当てによる新株予約権を発行することができるものとします。なお、当社取締役会が当該判断を行う場合には、外部専門家等および当社監査役の意見を参考に、提供された本必要情報を十分に評価・検討したうえ、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。また、当社取締役会は、対抗措置を発動するに際し、株主総会の開催が著しく困難な場合を除き、株主総会を招集し、対抗措置に関する当社株主の皆様の意思を確認するものとします。かかる株主意思確認のための株主総会において、出席株主の議決権の過半数の賛同が得られなければ、対抗措置の発動は行いません。その場合、大規模買付者は、当社株主の皆様の意思を確認し、対抗措置の発動・不発動が決定されるまで、大規模買付行為は開始できないものとします。
④ 上記取り組みが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
まず、本対応方針は、会社の支配に関する基本方針に沿って、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを当社株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、当社株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。
次に、本対応方針は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合や、大規模買付ルールを遵守する場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当であると判断したときに限り、株主総会において株主の皆様の承認を得たうえで、対抗措置が発動されるように設定されており、当社取締役会による恣意的な対抗措置の発動を防止するための仕組みが確保されています。
また、本対応方針における対抗措置の発動等に際しては、独立社外取締役によって組織された独立委員会に諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。また、その判断の概要については当社株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本対応方針の公正・透明な運用が行われる仕組みが確保されています。
最後に、本対応方針は、株主総会における当社株主の皆様の承認を条件に継続されるものであり、その継続について当社株主の皆様の意向が反映されることとなっております。また、本対応方針は、株主総会において本対応方針の変更又は廃止の決議がなされた場合には、当該決議に従い変更又は廃止されることになります。従って、本対応方針の継続、廃止または変更の是非の判断には、当社株主の皆様のご意向が反映される仕組みとなっております。
さらに、当社取締役の任期は1年間となっており、毎年の取締役選任手続を通じて本対応方針の継続、廃止または変更の是非の判断に当社株主の皆様の意向が反映されます。
これらの措置により、本対応方針は、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
当社グループの事業、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、主として以下を認識しています。記載内容のうち将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
なお、当社は、リスクマネジメント委員会を設け、これらの中から定期的に経営戦略に伴うリスクの分析・評価を行い、リスク対応策を講じることで全社的なリスクを低減し、危機の発生を回避、もしくは危機発生時の損失を最小化しています。もし、危機を認知した場合は、クライシスマネジメント規程に定められた方針に則り、速やかに対応いたします。
(1)グローバルでの事業拡大に伴う、バリューチェーンにおけるリスク
当社グループは、世界5極体制でグローバルな事業展開をしており、更なる市場拡大を目指しています。生産につきましても、OEM生産を手掛ける多くの海外工場と協力して、東南アジアおよび中国など各地域での生産を進めています。
グローバルでの事業拡大には、バリューチェーンである調達、生産、販売において、以下に掲げるリスクが内在しており、経営戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。
① CSR(人権・環境)に関するリスク
a.当社グループは、生産委託先工場に対し、各国および国際的な労働基準を遵守し労働者に公正で安全な労働環境を提供するよう厳しく要求しています。しかし、当社の生産委託先工場が、人権NGOから労働基準の非遵守を指摘された場合、事実関係に関わらず、当社グループの企業イメージを損なうリスクがあります。
b.当社グループは、製品および製造工程の有害・制限化学物質管理を進めていますが、原材料や工程で有害・制限化学物質の非遵守使用があった場合、業績や企業イメージに悪影響を及ぼす可能性があります。
② サプライチェーンに関するリスク
当社グループは、東南アジアを中心とした委託工場での生産から各販売地域を結ぶサプライチェーンにおいて、自然災害や事故等があった場合の物損に備えて、物流保険に加入しております。一方で、サプライチェーンが寸断され、商品の到着遅延による売上減があった場合は、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 信用リスク
当社グループはグローバルで販売チャネルの管理を強化していますが、代理店や小売店の経営破たんや債務不履行があった場合、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)季節的変動に係るリスク
当社グループが取扱う製品には、季節性の高いものが含まれており、季節により業績に偏りが生じる場合があります。そのような製品については、需要見通しの上で仕入・販売計画を策定しておりますが、気候条件による季節的な影響を正確に予測することは困難であり、実際の気候が予測と異なることにより、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)外部への生産委託に関するリスク
当社グループは、製品の生産の一部を外部の協力工場に委託しております。これらの外注先の選定にあたっては、技術力や供給能力などについて、あらかじめ厳しく審査を行い、信頼できる取引先を選定しておりますが、納入の遅延や製品の欠陥をはじめとした、生産面でのリスクが生じる可能性を否定できず、外注先の生産能力不足や自然災害による外注先の操業停止などにより、当社グループが十分な製品供給を行えない可能性があります。
(4)原材料の仕入価格の変動について
当社グループが生産委託先工場に生産を委託しているフットウェア製品の原材料の仕入値は国際的な原油価格と関係があるため、原油価格の大幅な価格変動が数ヶ月後の原材料価格動向に影響を及ぼす傾向があります。フットウェア製品は、売上高の大部分を占めており、国際原油価格に著しい変動が発生した場合には、仕入価格も変動し当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、リスクマネジメント委員会の下部組織として、情報セキュリティ委員会を設け、セキュリティ専任チームが情報セキュリティの強化を進め、個人情報や営業秘密等の情報管理に努めています。しかし、高度化したサイバー攻撃により、これらの情報が万一漏洩・流出した場合、または、販売オペレーションが停止した場合には、お客様などからの損害賠償請求、売り上げの機会損失、および信用の失墜等により、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)個人情報の取扱いに関するリスク
当社グループは、グローバルレベルで顧客や従業員の個人情報を保有しています。欧州および各国における個人情報保護法の施行に対応するため、社内体制とプロセスを整え、当該部署への教育を強化するなどしてリスクを低減しています。特に欧州に関しては、EU一般データ保護規則違反により万一制裁金が課された場合、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある為、当社グループ共通ルールを定めた拘束的企業準則(Binding Corporate Rules)をEU当局に申請しています。
(7)知的財産権に関するリスク
当社は、国内外において、多くの特許権・商標権等の知的財産権を所有しております。知的財産権に関する侵害事件の発生など、商品開発への悪影響やブランドイメージの低下等を招く可能性があります。
知的財産権に関する侵害訴訟は解決までに相当な時間と費用を要し、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)人財育成及び確保に関するリスク
当社グループにとって人財は経営の基盤であり、特にグローバルな事業活動を一層進める中で、それらの環境で活躍できる人財の育成・確保が急務であり、国内外での積極的な採用活動、研修・教育の充実、コア人財の流出の防止などの施策を講じています。これらの施策にも拘わらず、当社グループの人財育成・確保、適材適所の配置が計画通り進まなかった場合、長期的視点から当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)競合と技術革新に関するリスク
当社グループの事業に関連する製品は、国内外の市場で競合他社との激しい競争にさらされております。当社グループの競合先には、研究開発や製造、販売面で有力な企業が存在しております。現在、当社グループのブランド力および製品は、こうした競合先との競争力を十分に有しておりますが、このことが、将来においても競合他社に対し有利に競争し続け得ることを保証するものではありません。また、取引先における技術革新によって当社製品の販路が縮小され、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)新規事業に係るリスク
当社グループが新規事業に取り組む場合には、事前に十分な検討を行った上で事業計画が策定され、取締役会における承認の上で行われます。新規事業の展開には先行投資が必要となるケースが多く、当該事業が安定して収益を計上するまでには一定の時間を要することが予想されるため、一時的に当社グループの利益率が低下する可能性があります。
(11)M&Aに関するリスク
当社グループは新規市場への展開を行う中で、M&Aをその有効な手段のひとつとして位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針でありますが、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明する場合や、M&A実施後の事業展開が計画通りに進まない可能性があり、その場合は当社グループが当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることも考えられ、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)経済環境・消費動向の変化のリスク
当社グループが事業活動を展開している各国における経済環境や消費動向の変化により、売上の減少や過剰在庫が発生し、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)海外拠点での事業活動に係るリスク
当社は、事業活動の相当部分を米国、欧州および中国を含むその他地域で行っております。こうした海外市場で事業を行うにあたって、以下のような特有のリスクがあります。
・ゼネスト等の労働紛争
・アジア等における労働力不足と賃金水準の上昇
・政治不安
・貿易規制や関税の変更
・一般的に長期の債権回収期間
・法律や規制の予想し得ない制定または改正
・文化、商慣習の相違
・関税、輸送費用、その他の価格競争力を低下させる負担費用
・投資効果の実現までに要する長い期間と多額の資金
(14)減損に係るリスク
当社は、今後買収を通じてさらにのれん等を保有する可能性があり、これらの資産につき収益性の低下が発生した場合、当社は減損を認識しなければならず、当社の財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15)見積り前提条件の変動リスク
当社グループは連結財務諸表を作成するに際して、売上債権の回収可能性、たな卸資産の評価、投資有価証券の減損、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付制度などに関して見積りを行っております。これらの見積りは将来に関する一定の前提に基づいており、その前提が実際の結果と相違する場合には、予期せぬ追加的な費用計上が必要となり、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(16)為替レートの変動に伴うリスク
当社グループは、グローバルで製品の製造販売を行っております。各地域における現地通貨建の財務諸表を円換算して連結財務諸表を作成しており、換算時の為替レートにより、円換算後の価値に影響が出る可能性があります。製品仕入につきましては大部分を米ドル建で行っており、米ドルに対する他通貨の為替レートの変動などに伴う製造原価の上昇などにより、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、実需の範囲内で短期および長期の為替予約取引により、為替変動リスクを低減していますが、必ずしも為替リスクを完全に回避するものではありません。
(17)税務に関するリスク
当社グループを構成する事業法人は、各国の税法に準拠して税額計算し、適正な形で納税を行っております。なお、適用される各国の移転価格税制などの国際税務リスクについて細心の注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違により、結果として追加課税が発生する可能性があります。
(18)株価下落のリスク
当社の発行済株式は、東京証券取引所にて売買可能であり、大株主による当社株式大量の市場売却や、そのような売却の可能性は、当社株式の市価を低下させる可能性があります。また、当社は当社株式に転換可能な有価証券を発行する可能性もあり、これらの事態が発生した場合、株式価値が希薄化し、株価に悪影響を与える可能性があります。
(19)製造物責任に関するリスク
当社グループは、厳密な品質基準を設けて生産および仕入れを行っております。製造物責任賠償保険に加入しておりますが、すべての賠償額を保険でカバーできるという保証はありません。製造物責任問題発生による社会的評価、企業イメージの低下は、当社製品に対する消費者の購買意欲を減少させる可能性があります。これらの事象は財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(20)法令違反リスク
当社グループは、「アシックスグローバル行動規範」を定め、内部統制の体制を整え、グループ一丸となって法令順守および倫理行動規範の徹底に努めております。それにもかかわらず、当社グループの役員または従業員が法令に違反する行為を行った場合には、当社グループの事業活動が制限され、財政状態および経営成績が悪化する可能性があります。
(21)紛争・訴訟リスク
当社グループと、取引先、顧客等との間に紛争や訴訟が発生した場合、当該紛争解決に多額の費用がかかり、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(22)大規模自然災害等に関するリスク
想定外の自然災害、政治経済状況の変化、感染症・伝染病等の流行、法律・規制の変更、テロ・戦争・その他社会情勢の混乱などが、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
特に、グループ全体の経営管理機能を集約している本社が所在する兵庫県神戸市で大規模自然災害が発生した場合、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、大規模自然災害が本社地域および主要営業所に発生した場合に適用する「事業継続計画(BCP)」を策定しております。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度の主要な取り組み
1.ゴールデン・スポーツイヤーズにおけるブランドアピール
◇ Rugby World Cup 2019でのブランド露出
アシックスは南アフリカ共和国代表チーム「SPRINGBOKS(スプリングボクス)」およびオーストラリア代表チーム「WALLABIES(ワラビーズ)」をサポートしており、「SPRINGBOKS(スプリングボクス)」が見事に優勝を果たしました。両代表チームには、選手と意見交換を行いながら開発した最先端の技術が活用されたジャージを提供し、レプリカジャージ等も発売しました。
◇ 「国立競技場 ASICS FIRST RUN」の開催
2019年12月21日に新国立競技場がオープンしました。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の応援プロジェクトとして、国立競技場(オリンピックスタジアム)内のトラックを、一般の方々が世界で初めて走ることができるイベント「国立競技場 ASICS FIRST RUN」を実施しました。
※アシックスは、東京2020オリンピック・パラリンピック ゴールドパートナー(スポーツ用品)です。
2.アクションプランの実行
アシックスのさらなる成長に向けた行動計画「アクションプラン」(2018年8月策定)に基づき諸施策を着実に実行しております。
◇ カテゴリー基軸の経営管理体制への移行
機能ごとに分かれていた組織を統合し、それぞれのカテゴリートップが商品の企画から開発、生産、マーケティング、販売に至るまで責任を負い、コミットした目標の達成に向け邁進しました。
◇ 重点施策の実行
以下の4つを重点施策に設定し、グローバルレベルでの顧客基盤の拡大、ブランド価値の向上を図ってきました。
① パフォーマンスランニングで勝つ
アシックスの強みはなんといってもパフォーマンスランニング分野にあります。この分野での圧倒的な
シェア獲得に向け尽力しました。
■ 当社史上最も革新的な機能を搭載したランニングシューズ「METARIDE(メタライド)」や「GLIDERIDE
(グライドライド)」などを市場投入しました。
■ 東京、パリ、無錫(中国)、ゴールドコーストなどの世界各地のマラソン大会に協賛しました。
また、ロサンゼルスマラソンのスポンサーを再度獲得いたしました。
② オニツカタイガーの拡大
オニツカタイガーを真のプレミアムファッションブランドに育てるため社内カンパニー化し、ブランドポジションの確立を図りました。
■ ドレッシーとコンフォートを兼ね備えた日本製の高価格シリーズ「THE ONITSUKA」(ジ オニツカ)を投入しました。
■ 俳優/映画プロデューサーであるウィル・スミス氏とのコラボレーションムービーを発表しました。
③ 中国本部により成長を加速
2019年に「健康中国」達成のため行動計画や「スポーツ強国建設綱要」を発表するなど、国家レベルで健康志向が高まっている中国。そんな中国ではスポーツトレンドが到来しており、市民マラソンの大会数、ランナーが急増しております。大いに成長の余地がある地域だと認識し、注力しています。
■ 中国市場向けの独自の商品など、現地のニーズを反映した商品を迅速に投入しました。
■ 無錫マラソンに加え、参加者数3万人超の西安マラソンとスポンサー契約を結びました。
④ デジタルを新たな成長ドライバーに
アシックスにとってもデジタルは極めて重要な分野です。製品・販売チャネルへの取り組みの強化のみならず、デジタルを用いたサービスを強化し、お客様の体験価値を最大化することで、当社のビジネスを成長させていきます。
■ レース登録プラットフォーム北米3位の「Race Roster」を買収しました。
【「Race Roster」の事業概要 】
・2019年の米国での取り扱いレース数は約5,000
・登録ランナー(約130万人)は女性や若いランナー層が多い
■ 世界最大級のテクノロジー展示会「CES 2020」に出展を決定し、ランニングサイエンス分野について発表しまし
た。この分野にも継続フォーカスし、製品、サービスにてデジタルシフトを進め新たな顧客価値を創造します。
◇ 戦略的マーケティングの強化
① 重点施策におけるマーケティング
■ カテゴリー体制強化によるマーケティングの効率化を図りました。
■ メディア投資拡大による商品認知の向上に取り組みました。
② 国際的イベントにおけるマーケティング
■ グランドスラムにおいて、男子プロテニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手の意見を
取り入れた商品を発売しました。
■ 東京マラソンでの新しいテクノロジーの公開とエキスポ売上の最大化を図りました。
③ 販売に直結した店頭及びデジタルを使用したマーケティング
■ ブランドヒートを狙ったコラボレーションによる取り組みを行いました。
( KIKO KOSTADINOV、 Vivienne Westwood、 隈研吾 など)
■ 店頭などで試履きによる履き心地の訴求、専門店との連携強化などの草の根活動の強化に尽力
しました。
3.サステナビリティ(ESGの向上)
サステナビリティは企業経営の中心に据えて取り組むべき課題だと認識しています。アシックスは、世界の代表的なESG投資指標である「Dow Jones Sustainability Indices」の「Asia/Pacific Index」対象銘柄に5年連続で選定されました。主要な取り組みは以下の通りです。
◇ 環境への配慮
① 2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指し、2030年に向けたCO2排出量削減目標を設定
② スポーツメーカーで世界初「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明
③ 2020年から全世界の直営店で使い捨てプラスチック製ショッピングバッグを廃止し、環境配慮型紙製ショッピングバッグ
へ順次切り替え
◇ 人と社会への貢献
① 持続可能性に配慮した調達を推進するため「サプライチェーンCSRセミナー」を開催
② 「PRIDE指標2019」において最高位であるゴールドを受賞
③ 日本の一般事業会社で初めてサステナビリティボンドを発行
当連結会計年度の財政状態および経営成績は、次のとおりです。
① 財政状態
当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産316,115百万円(前連結会計年度末比3.8%増)、負債の部合計163,791百万円(前連結会計年度末比19.0%増)、純資産の部合計152,323百万円(前連結会計年度末比8.7%減)でした。
② 経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高は378,050百万円と前年同期間比2.2%減の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合3.5%減)、営業利益は10,634百万円と前年同期間比1.1%増の増益、経常利益は10,101百万円と前年同期間比15.3%増の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は7,097百万円(前年同期間は親会社株主に帰属する当期純損失20,327百万円)となりました。
報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
a. 日本地域
売上高は120,950百万円(前年同期間比2.3%増)、セグメント利益は4,895百万円(前年同期間比21.3%増)となりました。
b. 北米地域
売上高は78,959百万円(前年同期間比0.2%減、前年度の為替換算レートを適用した場合1.2%増)、セグメント損失は5,969百万円となりました。
c. 欧州地域
売上高は95,605百万円(前年同期間比9.5%減、前年度の為替換算レートを適用した場合3.7%減)、セグメント利益は2,866百万円(前年同期間比43.8%減、前年度の為替換算レートを適用した場合40.2%減)となりました。
d. 中華圏地域
売上高は39,448百万円(前年同期間比0.6%減、前年度の為替換算レートを適用した場合4.3%増)、セグメント利益は、5,398百万円(前年同期間比13.7%減、前年度の為替換算レートを適用した場合9.3%減)となりました。
e. オセアニア地域
売上高は18,446百万円(前年同期間比4.6%増、前年度の為替換算レートを適用した場合13.5%増)、セグメント利は、1,944百万円(前年同期間比27.9%減、前年度の為替換算レートを適用した場合21.8%減)となりました。
f. 東南・南アジア地域
売上高は11,304百万円(前年同期間比18.8%増、前年度の為替換算レートを適用した場合21.2%増)、セグメント利益は789百万円(前年同期間比20.0%減、前年度の為替換算レートを適用した場合18.0%減)となりました。
g. その他地域
売上高は36,306百万円(前年同期間比4.5%減、前年度の為替換算レートを適用した場合5.4%増)、セグメント利益は810百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローにおきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、37,985百万円と前連結会計年度末比27,892百万円減少しました。
キャッシュ・フロー指標のトレンド
|
|
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
|
自己資本比率(%) |
57.8 |
58.3 |
57.3 |
54.1 |
48.0 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
139.5 |
129.3 |
97.9 |
87.1 |
105.0 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.1 |
1.0 |
0.9 |
2.5 |
5.4 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
18.8 |
48.5 |
69.0 |
13.8 |
11.5 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループは、生産実績の割合が僅少であるため記載を省略しております。また、受注状況につきましても、受注生産を行っている割合が僅少であるため記載を省略しております。なお、報告セグメント別の売上高につきましては、「第2 「事業の状況」 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(経営成績等の状況の概要)(1)財政状態及び経営成績等の状況」をご参照ください
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、記載内容のうち将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表作成にあたり、当社グループが採用している会計方針において使用されている重要な会計上の見積りおよび前提条件は、以下のとおりであります。
① 貸倒引当金
当社グループは、支払実績および信用情報等を査定して販売先に対して与信限度額を設定しており、貸倒懸念債権等特定の債権につきましては個別に債権の回収可能性を勘案し、回収不能見込額につきましては貸倒引当金を計上しております。
販売先の財務状況および支払能力に重要な変動が生じた場合、これらの貸倒引当金の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。
② たな卸資産
当社グループは、たな卸資産の貸借対照表価額につきましては収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により計上しております。
将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これらたな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 投資の評価
主として当社は、余資の運用および長期的な取引関係の観点から株式等を所有しております。当社は、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施しております。すなわち、時価のある「その他有価証券」につきましては期末時価が帳簿価額を30%以上下回った場合に、また、時価のない「その他有価証券」につきましては評価対象となる純資産額が帳簿価額を50%以上下回った場合に減損処理を実施しております。
将来の株式市場の動向、投資先の業績動向によりこれら投資の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり、今後の事業計画および将来減算(加算)一時差異の解消スケジュール等を基にいわゆるタックス・プランニングを検討し、将来の課税所得等の予測を行っております。その結果将来実現が困難と判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。
将来の業績および課税所得実績の変動により、繰延税金資産の計上に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 退職給付費用および債務
当社の従業員退職給付費用および債務は、年金数理計算上で設定される前提条件に基づいて計上しております。この前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率が含まれており、退職給付債務を計算する際に用いる数理上の前提の変更、年金制度の変更による未認識の過去勤務費用の発生等により、退職給付費用および債務の算定に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 減損損失
主として当社は、収益性の低下や時価の下落といった兆候の見られる固定資産につきましては、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて減損処理を実施しております。
将来の収益性の低下や時価の下落等により、これら固定資産の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態
当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産316,115百万円(前連結会計年度末比3.8%増)、負債の部合計163,791百万円(前連結会計年度末比19.0%増)、純資産の部合計152,323百万円(前連結会計年度末比8.7%減)でした。
a. 流動資産
現金及び預金などの減少により、214,517百万円(前連結会計年度末比10.1%減)となりました。
b. 固定資産
使用権資産の計上などにより、101,597百万円(前連結会計年度末比54.2%増)となりました。
c. 流動負債
新株予約権付社債を償還したことなどにより、81,113百万円(前連結会計年度末比15.7%減)となりました。
d. 固定負債
固定負債は、社債の新規発行およびリース債務の増加などにより、82,678百万円(前連結会計年度末比99.9%増)となりました。
e. 株主資本
自己株式の取得などにより、155,461百万円(前連結会計年度末比5.7%減)となりました。
f. その他の包括利益累計額
為替換算調整勘定の減少などにより、△3,754百万円(前連結会計年度末は△28百万円)となりました。
今後更なる在庫管理の徹底や、売掛債権・買掛債務の継続的モニタリング体制強化により、運転資本の改善を図ります。
② 経営成績
当連結会計年度における売上高は378,050百万円と前年同期間比2.2%減の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合3.5%減)、営業利益は10,634百万円と前年同期間比1.1%増の増益、経常利益は10,101百万円と前年同期間比15.3%増の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は7,097百万円(前年同期間は親会社株主に帰属する当期純損失20,327百万円)となりました。
a. 売上高
現地通貨ベースでパフォーマンスランニングおよびオニツカタイガーが好調に推移しました。ただし、アパレル・エクィップメントが低調であったことに加え、為替換算レートの影響により売上高は378,050百万円と前年同期間比2.2%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合3.5%減)となりました。
b. 売上総利益
原価率の改善などはありましたが、円高による為替換算レートの影響などにより、売上総利益は179,681百万円と前年同期間比0.5%の減益となりました。
c. 営業利益
積極的なマーケティング投資を実行しましたが、前連結会計年度末に実施した事業構造改革の効果などにより販売費及び一般管理費が169,047百万円と前年同期間比0.6%の減少でした。よって、営業利益は10,634百万円と前年同期間比1.1%の増益となりました。
d. 経常利益
営業外収益の増加および為替差損の大幅な減少などにより、経常利益は10,101百万円と前年同期間比15.3%の増益となりました。
e. 親会社株主に帰属する当期純利益
翌連結会計年度から適用予定の国内連結納税に伴い繰延税金資産を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は7,097百万円となりました。
カテゴリー別の業績は、次のとおりです。
各カテゴリーには、間接費を一定の方法で配賦しております。
なお、一部カテゴリー区分を当期変更したことに伴い、前期実績を組み替えて表示しております。
また、当連結会計年度よりグループ会社に対するECプラットフォーム使用料等を各カテゴリー別の業績に含めておりますが、これらを除いたセグメント利益を前年同基準として表示しております。
|
(単位:百万円) |
|
(カテゴリー) |
売上高 |
営業利益 |
||||
|
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減額 (△は減) |
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減額 (△は減) |
|
|
パフォーマンスランニング |
170,765 |
170,150 |
△614 |
8,568 |
3,964 |
△4,603 |
|
スポーツスタイル |
39,006 |
34,272 |
△4,733 |
192 |
△405 |
△598 |
|
コアパフォーマンススポーツ |
41,175 |
41,737 |
562 |
△1,123 |
△1,336 |
△213 |
|
アパレル・エクィップメント |
45,234 |
39,227 |
△6,007 |
赤字 |
赤字 |
- |
|
オニツカタイガー |
42,882 |
45,597 |
2,715 |
7,486 |
8,303 |
816 |
a. パフォーマンスランニング
売上高は、日本、北米、オセアニア、南米が好調であったものの、欧州が低調であったことに加え、為替換算レートの影響などにより170,150百万円と前年同期間比0.4%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合4.4%増)となりました。
営業利益につきましては、3,964百万円(前年同期間比53.7%の減、前年度の為替換算レートを適用した場合49.2%減)でした。
なお、前年と同基準とした場合のカテゴリー別業績は営業利益5,896百万円(前年同期間比31.2%減、前年度の為替換算レートを適用した場合25.9%減)となります。
b. スポーツスタイル
売上高は34,272百万円と前年同期間比12.1%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合7.7%減)となりました。営業損失は405百万円でした。
なお、前年と同基準とした場合のカテゴリー別業績は営業損失7百万円となります。
c. コアパフォーマンススポーツ
売上高は、日本、北米において好調であったことなどにより、41,737百万円と前年同期間比1.4%の増収(前年度の為替換算レートを適用した場合4.4%増)となりましたが、積極的なマーケティング投資を実行したことなどにより、営業損失は1,336百万円でした。
なお、前年と同基準とした場合のカテゴリー別業績は営業損失1,069百万円となります。
d. アパレル・エクィップメント
売上高は、39,227百万円と前年同期間比13.3%の減収(前年度の為替換算レートを適用した場合10.4%減)となり、引き続き営業損失でした。
e. オニツカタイガー
売上高は、日本、東南・南アジア、韓国が好調に推移したことにより、45,597百万円と前年同期間比6.3%の増収(前年度の為替換算レートを適用した場合10.1%増)となりました。
営業利益につきましては、8,303百万円(前年同期間比10.9%増、前年度の為替換算レートを適用した場合14.6%増)でした。
なお、前年と同基準とした場合のカテゴリー別業績は営業利益8,482百万円(前年同期間比13.3%増、前年度の為替換算レートを適用した場合17.1%増)となります。
報告セグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
また、当連結会計年度よりグループ会社に対するECプラットフォーム使用料等を各報告セグメント別の業績に含めておりますが、これらを除いたセグメント利益を前年同基準として表示しております。
a. 日本地域
売上高は、海外販売子会社向けシューズが好調であったことにより、120,950百万円(前年同期間比2.3%増)となりました。
セグメント利益につきましては原価率の改善などにより4,895百万円(前年同期間比21.3%増)でした。
なお、前年と同基準とした場合のセグメント利益は5,622百万円(前年同期間比39.3%増)となります。
今後さらに組織体制を整備しカテゴリーごとの戦略を立案、推進して参ります。また、ECビジネスの加速など成長領域への投資を進めます。
b. 北米地域
売上高は、パフォーマンスランニングとコアパフォーマンススポーツが好調であったことにより、78,959百万円(前年同期間比0.2%減、前年度の為替換算レートを適用した場合1.2%増)となりました。
積極的なマーケティング投資の実行などによりセグメント損失は5,969百万円でした。
なお、前年と同基準とした場合のセグメント損失は4,181百万円となります。
今後につきましては、キーアカウントとの取組みを更に強化することでシリアスランナーと若年層ランナーへの拡大を行い、米国パフォーマンスランニング市場No.1を目指します。さらに、収益改善に向け、原価率の改善および販管費コントロールに努めて参ります。
c. 欧州地域
売上高は、パフォーマンスランニングおよびスポーツスタイルが低調であったことなどにより、95,605百万円(前年同期間比9.5%減、前年度の為替換算レートを適用した場合3.7%減)となりました。
セグメント利益につきましては2,866百万円(前年同期間比43.8%減、前年度の為替換算レートを適用した場合40.2%減)でした。
なお、前年と同基準とした場合のセグメント利益は3,974百万円(前年同期間比22.1%減、前年度の為替換算レートを適用した場合17.0%減)となります。
次年度に向け、パフォーマンスランニングおよびコアパフォーマンススポーツのカテゴリーでの顧客への更なる訴求を図ります。また、戦略的に収益性の高いキーアカウントに集約し、さらにオンライン販売に注力することで収益性の改善を行います。
d. 中華圏地域
売上高は、現地通貨ベースでパフォーマンスランニングおよびオニツカタイガーが好調に推移しましたが、為替換算レートの影響などにより、39,448百万円(前年同期間比0.6%減、前年度の為替換算レートを適用した場合4.3%増)となりました。
セグメント利益につきましては、中国本部の当期本格稼働および積極的なマーケティング投資の実行による販管費の増加などにより5,398百万円(前年同期間比13.7%減、前年度の為替換算レートを適用した場合9.3%減)でした。
なお、前年と同基準とした場合のセグメント利益は5,417百万円(前年同期間比13.4%減、前年度の為替換算レートを適用した場合9.0%減)となります。
今後、中国本部の機能を活用し、現地のニーズに適合した製品の企画・開発を迅速に進めます。加えて、パフォーマンスランニング機能訴求など、セレブリティを通じた積極的なマーケティング投資を継続することで更なる成長に繋げて参ります。
e. オセアニア地域
売上高は、パフォーマンスランニングが好調であったことなどにより、18,446百万円(前年同期間比4.6%増、前年度の為替換算レートを適用した場合13.5%増)となりました。
セグメント利益につきましては、原価率の悪化などにより1,944百万円(前年同期間比27.9%減、前年度の為替換算レートを適用した場合21.8%減)でした。
なお、前年と同基準とした場合のセグメント利益は2,335百万円(前年同期間比13.5%減、前年度の為替換算レートを適用した場合6.1%減)となります。
翌期以降、No.1パフォーマンスブランドの地位をより盤石なものとするため、オンライン販売に注力するとともに積極的なマーケティング投資を実行して参ります。
f. 東南・南アジア地域
売上高は、パフォーマンスランニングとオニツカタイガーが好調であったことなどにより、11,304百万円(前年同期間比18.8%増、前年度の為替換算レートを適用した場合21.2%増)となりました。
セグメント利益につきましては積極的なマーケティング投資を実行したことなどにより789百万円(前年同期間比20.0%減、前年度の為替換算レートを適用した場合18.0%減)でした。
また、インドの売上高は現地通貨ベースでの前年同期間比でおよそ30%の高成長を維持しております。
なお、前年と同基準とした場合のセグメント利益は792百万円(前年同期間比19.7%減、前年度の為替換算レートを適用した場合17.7%減)となります。
今後さらに、東南アジアにおいてパフォーマンスランニング、オニツカタイガーに注力し、インドにおいては主にパフォーマンスランニングの成長に注力して参ります。さらに、パートナーストア、ECビジネスの拡大を行うなど、東南・南アジア地域の将来の成長を確かなものとして参ります。
g. その他地域
売上高は、南米でパフォーマンスランニングおよび韓国でオニツカタイガーが好調でしたが、為替換算レートの影響などにより、36,306百万円(前年同期間比4.5%減、前年度の為替換算レートを適用した場合5.4%増)となりました。
セグメント利益は前連結会計年度末に実施した事業構造改革の効果などにより、810百万円と大幅に改善しました。
なお、前年と同基準とした場合のセグメント利益は902百万円となります。
今後、南米では、パフォーマンスランニングおよびコアパフォーマンスランニングにおいてキーアカウントを中心に顧客の取り込みを目指して参ります。また、収益改善に向け、原価率の改善に努めて参ります。
③ キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローにおきましては、当連結会計年度末における資金は、37,985百万円と前連結会計年度末比27,892百万円減少しました。引き続き、本社主導で、より精緻にキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)管理を強めることにより運転資本の改善を図ってまいります。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は14,792百万円となり、前年同期間比3,742百万円の収入増加となりました。
収入の主な内訳は、減価償却費12,917百万円、税金等調整前当期純利益10,207百万円であり、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額6,248百万円、法人税等の支払額5,875百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12,185百万円となり、前年同期間比6,718百万円の支出増加となりました。
支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出6,449百万円、有形固定資産の取得による支出4,811百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は29,471百万円となり、前年同期間比15,717百万円の支出増加となりました。
支出の主な内訳は、新株予約権付社債の償還による支出30,000百万円、自己株式の取得による支出10,001百万円、リース債務の返済による支出6,828百万円、配当金の支払額4,531百万円であり、収入の主な内訳は、社債の発行による収入19,910百万円です。
(3)資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの資金運営は、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。また、当社グループは、事業活動を行うための資金の調達に際し、低コストで安定的な資金の確保を重視しております。当連結会計年度末の有利子負債は80,599百万円であります。なお、当連結会計年度より一部の海外子会社において、IFRS第16号(リース)を適用した結果、流動負債の部にリース債務6,133百万円、固定負債の部にリース債務20,359百万円が計上されております。
資金効率の向上と金融費用の削減、ならびに財務面のグループガバナンス強化を目的として、グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム(グローバルCMS)を2016年3月より金融機関と構築しており、グローバルCMS参加グループ会社を一体とみなして資金の預入および借入を行っております。これに伴い、従来当社から行っておりました一部子会社への貸付けを解消いたしました。当該グローバルCMSにおいて、預入金および借入金の相殺表示を行うためのすべての要件を満たしているため、相殺表示を行っております。なお、当連結会計年度末の相殺金額は16,500百万円であります。
また、2019年3月に、スポーツ工学研究所の研究費用等サステナビリティに資する適格プロジェクトに関連する費用等に充当するため、第2回無担保社債を発行し、200億円を調達いたしました。当該社債は2018年11月に関東財務局長に提出した2年間有効の500億円の社債発行登録書を基に発行しております。
(4)今後の見通し
通期連結業績の見通しは以下のとおりです。
|
(単位:億円) |
通期連結業績 |
||
|
2019年12月期(実績) |
2020年12月期(予想) |
増減率 |
|
|
売上高 |
3,780 |
4,000 |
+5.8% |
|
営業利益 |
106 |
90 |
△15.4% |
|
営業利益率 |
2.8% |
2.3% |
△0.5ppt |
|
経常利益 |
101 |
80 |
△20.8% |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
70 |
40 |
△43.6 |
アシックスグループは、2019年に移行したカテゴリー基軸の経営管理体制のもと、それぞれのカテゴリートップがコミットした目標の達成に向けて邁進いたします。さらに、パフォーマンスランニングを中心とした将来成長のため、「走行効率」、「高反発」、「スピード」のそれぞれをコンセプトとする新商品の発売により全てのランナーに向けたラインナップの拡充により品揃えの強化を行います。また、2019年にカナダ企業から事業買収したレース登録サイト「レースロースター」を活用し、ランナーとの直接の接点を広げる仕組み「ランニングエコシステム」の構築を進めます。2020年アシックスグループは、これらの施策を着実に実行して参ります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。
当社グループの研究開発は、経営の基本方針である機能性豊かで質の高いスポーツ用品を提供していくことを基礎とし、蓄積されたスポーツテクノロジーに基づき、パフォーマンスランニング、スポーツスタイル、コアパフォーマンススポーツ、アパレル・エクイップメントおよびオニツカタイガーの各分野おいて、各統括部門および各関係会社が新製品の開発を担当し、スポーツ工学研究所が材料開発、機能設計、製品の機能評価などを通じて、各統括部門および各関係会社の新製品開発の支援業務を行っております。さらには、研究所では、製品設計で得られた多くのデータ、知見をもとに、パフォーマンスの向上やウェルネスケアの分野において、価値あるサービスの提供を目指した研究開発も行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は