本項には将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 会社の経営基本方針
当グループは「人材重視」「喜ばれる企業」を経営理念としています。
「人材重視」とは「人こそ企業成長の決め手」と考え、働く者すべてが「夢」と「情熱」を持って活き活き働くことができる企業でありたいという想いであり、「喜ばれる企業」とは「快適さや感動を与えられる製品」の消費者への提供を通じ社会と融合することで、世界のシート・内装システムサプライヤーとしての地位を確立し、すべてのステークホルダーから喜ばれ、存在を期待される企業でありたいという想いです。
この経営理念に基づき、「わたしたちは 常に モノづくりに夢を求めて 無限の可能性に 挑戦し 快適で良質な商品を 競争力のある価格で 世界のお客様に 提供する」という社是を実践し、企業価値の向上に努めていきます。
(2) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
2019年(2019年1月~12月)の自動車市場は、中国やインドでの新車販売台数が大きく落ち込みましたが、減速傾向であった中国市場にあっても主要客先をはじめとする日系自動車メーカーのシェア拡大が見られました。一方、米国や日本、EUの新車販売台数は前年並みに留まりました。
2020年に入り、世界的に感染が広がった新型コロナウイルス感染症による影響は大きく、各国での操業制限や自動車需要の減退等による大幅な減産が予想され、今後も非常に厳しい市場環境が続くものと見込まれます。
また、自動車業界では技術革新が進み、自動車の概念を変えうる大変革期に突入しました。ユーザーニーズの変化、熾烈な開発競争、新たな競合の台頭や業界再編等、事業環境の変化が急速に進んでいます。
当グループはこれまで蓄積してきたシート・内装システムサプライヤーならではの多岐にわたる技術を礎に、変化する事業環境の中で、これまでにない新たな価値を創造し続け、社会とともに継続的な事業成長を遂げるため、2030年ビジョンのステートメントに「Innovative quality company - 新たな価値を創造し続ける -」を掲げました。2020年ビジョンに込めた想いでもある当グループが持つ「改革」という強い意志を持ち、ぶれることなく引き続き質の高い経営とともに新たな価値を創造し続けていきます。新商品・新技術開発、財務・収益体質、人的資源、社会課題対応といった各領域の目標を達成し「世界で信頼されるシート・内装のシステムサプライヤー」になるべく、これまで築いた財務基盤をはじめ、すべての経営資源を惜しみなく投入し、2030年ビジョン達成に向けて邁進していきます。
最初の一歩となる第14次中期経営計画(2020年4月~2023年3月)では「ESG※1経営による企業進化」を経営方針に、第13次中期経営計画(2017年4月~2020年3月)で残した課題を諸施策に反映し、各組織にブレイクダウンしています。「攻め」の施策である「事業成長に向けた進化」と「守り」の施策である「進化を支える事業体質強化」の2軸を企業重点施策とし、次の7つの取り組みを加速させていきます。

① オリジナル技術の商品化
次世代自動車の開発競争が激化する中、センシング技術を活用し、シートの持つ新たな可能性を示した「愛されるシート※2」や、自動運転時代での新たな車室空間を提案した「イノヴェージ※3」をはじめ、これまでにない価値を社会に提供してきました。将来にわたる収益源泉の確保に向け、次世代技術開発を加速させ、独自技術をもって顧客の潜在ニーズを引き出す魅力ある商品開発に取り組んでいきます。
② 戦略的商権の拡大
当グループは事業ドメインを広く構えつつもコア事業であるシート・内装事業に経営資源を集中させ、システムサプライヤーとしての厚い信頼を獲得し、これを事業基盤として継続的な成長を続けてきました。今後、さらなる事業規模拡大に向けて主要客先のシェア向上を図るとともに、新規顧客・新規商権獲得のため、オリジナル技術やコスト競争力等、当社の強みを最大限に活かした営業活動を強力に推進していきます。
③ 事業体制の最適化
当グループは世界14か国に49か所の生産拠点を有しており、高い商品供給力で世界のお客さまに日々製品をお届けしています。新規顧客への拡販や既存顧客の新たなニーズに応えるとともに効率化とリスク対応の観点から、生産のみならず管理領域も含めたアロケーションを見直し、グループ全体で事業の最適化を図ることで、さらなる資本効率の向上を目指していきます。
④ サステナブル社会への貢献
軽量化技術による自動車のCO2排出量削減等、事業を通じた社会課題の解決に向けた取り組みはもちろん、企業としての社会的責任を積極的に果たすとともに、社会に利益を還元していくことが、持続的成長には不可欠だと考えています。サステナブルな社会の実現に向け、重要課題(マテリアリティ)への取り組みを加速させるとともに、積極的な情報開示を実施していきます。
⑤ 品質No.1評価の獲得
ユーザーの命を守る製品をお届けしている当グループにとって、品質は永続的に追求し続けなければならない課題です。また、高品質製品の安定供給はコスト低減に結び付き、収益性を一層高めることにつながると考えています。製造現場での工程検証・改善はもちろん、取引先の管理体制強化、生産設備の進化、開発段階における仕様の見直し等、あらゆる観点から品質向上を追求し、世界のお客さまから品質No.1の評価獲得を目指します。
⑥ 持続的な収益体質の強化
世界経済の不確実性が高まる中でも、自動車の変化に呼応したオリジナル技術開発など、今後の事業成長に欠かせない分野への徹底した経営資源の投入は不可欠です。IoT・AIの活用による生産自動化、オフショア開発のさらなる活用、管理体制の強化等、あらゆる角度から効率性・収益性を高め、「攻め」の施策展開を支える収益体質の強化を図ります。
⑦ 人・組織の生産性最大化
社員一人ひとりが持つ価値観の多様性を認知し、誰もが活き活きと働くことができる諸制度の整備を進めてきました。今後も取り組みを加速させ、個人の自律を促し、エンゲージメント※4を醸成するための制度や環境整備により、社員の働きがいを高めるとともにさらなる業務効率の向上を図っていきます。
※1 Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)
※2 自動車用シート技術とIoTを融合し、乗員の動きをセンシングし、シートをコントローラーとして活用でき
るシートシステム。詳細は愛されるシート特設サイトへ(https://aisareru.jp/)
※3 呼吸や心拍、運転姿勢等のセンシングや、自動運転を想定したこれまでにないシートアレンジ等、当社が持
つ未来技術を結集し、次世代の車室空間を提案した東京モーターショー2019出展品
※4 会社と社員が信頼し貢献し合う関係
当グループでは、リスク管理の統括責任者として、代表取締役よりリスクマネジメントオフィサーを選任するとともに、経営審議会の諮問機関として「グローバルリスク管理委員会」を設置し、事業を運営する上で顕在化する可能性のある、あらゆるリスクの抽出・評価・予防活動に取り組んでいます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、別途記載がない限り、当連結会計年度末現在における判断によるものです 。
(1) 製品製造・販売に関するリスク
① 本田技研工業株式会社及びそのグループ会社に対する販売依存度について
当グループの連結売上収益に占める本田技研工業株式会社及び同社関係会社(以下、同社グループ)に対する比率は91.7%(同社グループの取引先への売上収益を含めた最終販売先が同社グループとなる売上収益の比率は94.9%)に達しています。従って、同社グループの事業戦略や購買方針の変更、同社グループにおける生産調整、特定車種の生産拠点移管、生産拠点再編成、当グループの製品を採用した車種の販売開始時期の変更や販売動向、同社グループ及び同社グループ取引先におけるリコールやその他重大な問題による販売動向への影響等は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、同社グループとの定期的な意思疎通の機会を通じ、同社向けビジネスの維持・拡大を図るとともに、当該リスクの低減とさらなる事業成長に向け、オリジナル技術やコスト競争力等、当社の強みを最大限に活かした営業活動を強力に推進し、新規顧客の獲得に努めています。
② 競合の状況について
新たな競合先の台頭や既存競合先の競争力向上により、市場におけるシェアが低下する可能性があります。
当グループは、シート・内装システムサプライヤーとしての確固たる地位確保に向け、あらゆる面での競争力向上施策に加え、次世代技術開発を加速させ、独自技術をもって顧客の潜在ニーズを引き出す魅力ある商品の開発に取り組んでいます。
③ 購買取引先の信用リスクについて
当グループは、主力製品の構造上、数多くの取引先から原材料・部品を調達しており、取引先における財務状況の悪化や経営破綻等が発生した場合には、サプライチェーンが寸断され、製品製造に遅れや停止が生じる可能性があります。
当該リスク対しては、取引先の経営状態について定期的に確認を行い、取引先とともに財務体質の強化に取り組むほか、特定の取引先への依存度が高い部品を把握し、有事の代替策をあらかじめ策定しておくなど、リスクの最小化に努めています。
④ 製品の欠陥への対応について
当グループは、自動車部品の中でも乗員の身体に直接触れ、かつ保護する役割を持つ安全上重要な部品を製造しており、リコール等が発生した場合には、多額の賠償費用、製品保証引当金の計上や信用の低下等が発生する可能性があります。
当グループは、開発段階からの仕様品質の熟成や製造工程内品質保証体制の構築に努めるとともに、ISO9001等の国際標準規格に基づく品質マネジメントシステムを運用する等、製品欠陥の発生予防に努めています。また、製造物責任賠償に繋がるような製品欠陥の発生に備え、影響範囲を速やかに把握するトレーサビリティ(製造履歴の追跡)システムを導入する等、迅速な対応を可能とする品質管理体制の強化に努めています。
⑤ 災害・事故・感染症・戦争・ストライキ等による事業活動への影響について
当グループの所在地において、大規模な地震等の自然災害及び感染症、戦争、テロ、ストライキ等により、物的、人的被害及びインフラの遮断等、操業を中断する事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、各社ごとに事業中断リスクの評価を行い、高リスク事象に対しては、事業の早期復旧を図るための対応手順書の整備や訓練に取り組んでいます。また、当該リスクが顕在化した場合に備え、継続的な事業を行うために留保すべき運転資金が定められた「安全資金ガイドライン」をグループ全体に適用する等、有事でも円滑な事業運営と雇用維持を可能とする資金管理体制の構築に努めています。
なお、2020年、年初から感染が広まった新型コロナウイルス感染症は、世界的規模で経済活動に影響を及ぼしています。当グループでは、従業員の安全確保と感染拡大防止のため、衛生管理の徹底や在宅勤務等を活用し事業活動を継続していますが、政府主導による外出制限や操業規制、客先の稼働停止等を受け一部の工場で稼働停止が発生しています。2020年3月期の工場稼働状況は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」のとおりであり、当連結会計年度の連結業績には、売上収益で約164億円、営業利益で約53億円の減収・減益影響があったと概算しています。なお、有価証券報告書提出日現在、ブラジルやアジアの一部工場を除き、稼働停止は解消されています。しかしながら、世界的な感染拡大が継続する場合、円滑な事業運営が困難となることも予測され、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)国際情勢や経済動向等の外部経営環境に関するリスク
① 市場環境の変化について
当グループは、日本、中国、その他のアジア地域、北米、南米、欧州において事業を展開しています。これらの国々における経済の低迷や、物価等の動向による消費者の購買意欲の低下は、二輪車及び四輪車等の販売減少につながり、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、顧客の分散を図るとともに、開発効率の向上、生産の自動化、管理体制の強化等、あらゆる角度から効率性の向上、原価低減に努めることで高収益体質づくりに取り組んでいます。
② 原材料の市況変動等の影響について
当グループの主要製品である四輪車用シートは、鋼材、樹脂材、ウレタン、表皮材等で構成されており、原材料を取り巻く規制の変化、原材料メーカーの減産、原材料価格の市況変動等に起因して、当社が対応または吸収できない原材料の供給不足や急激な価格上昇が発生した場合には、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、原材料や部品の調達において、供給元との基本取引契約をベースに安定的な調達に努めるとともに、市況変動影響を取引価格へ機動的に反映できる取引形態を採用しています。
③ 為替変動の影響について
当グループはグローバルに事業活動を展開しており、各国間で部品相互補完等のために行う外貨建取引において、為替変動の影響を受けます。
当グループは、主要通貨間における為替予約などの為替ヘッジ取引を行い、外貨建取引における為替相場の変動リスクを最小化しています。なお、当グループにとっての主要通貨はUSドルおよび人民元であり、それらの平均為替レートは「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載しています。
(3)法的規制・訴訟に関するリスク
① 知的財産権保護について
当グループは、自社が製造する製品に関連した技術とノウハウを蓄積してきましたが、将来にわたって知的財産権が有効に活用できない可能性があります。また、知的財産権が違法に侵害されることによって、当グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当グループの開発した製品・技術が第三者の知的財産権を侵害していると判断された場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、中長期的視点の知的財産戦略に基づき、知的財産ごとに独占化やライセンス化等の判断を行い、ノウハウの流出防止や、事業及び収益の拡大に努めています。また、知的財産部門が他社製品の構造を解析し、当社の知的財産権侵害がないかを随時確認するとともに、当社が他社の知的財産権を侵害しないよう、製品・技術開発に際しては先行調査を実施する等、十分な注意を払っています。
② 訴訟等への対応について
当グループは、原材料・部品の調達や顧客への製品販売をはじめ、事業運営に必要な各種取引を行なっていますが、取引条件の疑義から発生する訴訟等の法的手続きにおいて、当グループの主張が認められなかった場合には、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、事業に関連する法規の制定・改正情報のタイムリーな把握や対応に努めるとともに、契約締結時の審査体制の整備や、弁護士等の専門家との連携を通じ、問題の未然防止に努めています。
③ 国際的活動に潜在するリスクについて
当グループは、北米、南米、中国、その他のアジア地域、欧州に生産子会社を設立し、海外での事業展開に積極的に取り組んでおり、それらの拠点間における国際間取引は年々、複雑・多様化しています。予期しない法律・規制の制定及び変更、移転価格税制等における当局との見解相違、関税・輸出入規制の強化等は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、当社からグループ各社に重要な法規の制定・改正情報の配信を行なうとともに、グループ各社ごとに現地関係機関からの積極的な情報収集に努め、変化への円滑な対応を図っています。また、移転価格税制においては、取引規模の大きい日米間のグループ内取引について、両国税務当局間であらかじめ当社グループ内における取引価格の設定などを事前承認するAPA(事前確認制度)を活用しています。
④ 製品への法規制について
当グループは、事業を展開する各国において、自動車等に関する安全、環境等のさまざまな法的規制の適用を受けています。さらなる法的規制の強化または新たな規制の制定に際し、それらを遵守できなかった場合、当グループの事業活動を制限される可能性があります。また、これらの法的規制の強化または新たな規制の制定は、コスト増につながる可能性があります。
当グループは、常に自動車等に関連する最新の法規を把握し、これを遵守した事業活動を行っています。また、欧米を中心とする自動車の最新の法規動向を注視し、今後の法的規制にも対応が可能な開発体制を整えています。
(4)その他のリスク
① ESGへの取り組みについて
企業のESGに対する取り組みの重要性は、今後ますます高まることが予測されます。取り組みの遅れや誤った対応が発生した場合、地域社会との関係性悪化や投資家や市場からの信頼を損ない、当グループのレピュテーションが低下することにより、株価の下落やビジネスチャンスを逃す可能性があります。
当グループは、刻々と変化する社会の期待に応えながら企業価値の最大化を図っていくために、ESGの観点で経営を行い、持続可能な社会の実現に貢献することが必須であると捉えており、第14次中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)では「ESG経営による企業進化」を経営方針に定め、各施策を積極的に推進しています。
② 情報漏洩リスクについて
当グループは技術情報や従業員の個人情報、顧客から受け取ったさまざまな重要情報を保有しています。予期せぬ事態により機密情報の滅失、改ざんもしくは社外への漏洩が発生した場合には、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、損害賠償責任等が発生する可能性があります。
当グループは、これらの情報が外部へ流出することを防止するため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムやネットワーク監視体制の強化等、情報管理の徹底に努めています。
③ 退職給付債務について
当グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等の前提条件に基づいて算出しています。従って、実際の結果が前提条件と異なった場合、または前提条件が変更となった場合は、当グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、従業員の年金資産運用に際しては、適宜外部専門家の意見を得るほか、審議会等の機関を設置するなど、各社ごとに適切かつ慎重な審議を経て行っています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当期の世界経済は、米中貿易摩擦による不透明感の高まりや、インドを中心としたアジア経済の鈍化等、引き続き厳しい市場環境となりました。加えて、第4四半期以降は新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、自動車市場においても工場の稼働停止や大幅な減産等、大きな影響が生じました。
当グループにおいては、第3四半期までは中国セグメントでの増産はありましたが、その他セグメントでは経済や客先動向を受けて減産となりました。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による各国政府主導の操業制限等に伴う客先の生産停止を受け、中国を皮切りに、米州やアジア・欧州セグメントにおいて工場の稼働停止が発生するとともに、稼働可能な工場においても自動車需要の減退等による受注台数の減少もあり、中国セグメントを除くすべての地域で前年に対して減産となりました。
そのような中、当グループでは新規顧客・新商権獲得に向けた積極的な営業展開、将来を見据えた次世代技術開発やさらなる高効率体制構築に向けた生産ラインの完全自動化を目指すプロジェクトの推進等に加え、徹底した原価低減を進めてきました。
しかしながら、当連結会計年度における連結業績は、新型コロナウイルス感染症影響等による減産や為替影響により、売上収益は3,596億82百万円と前連結会計年度に比べ523億89百万円(12.7%)の減収となりました。利益面では減収影響に加え、英国主要客先での2021年生産終了の決定を受け、TS TECH UK LTD (以下、TSUK)において現在の事業規模を維持していくことが難しい状況にあることから、従業員解雇を想定した解雇費用引当金等の計上を行ったことにより、営業利益は263億26百万円と前連結会計年度に比べ124億67百万円(32.1%)の減益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は150億64百万円と前連結会計年度に比べ106億86百万円(41.5%)の減益となりました。
USドル/円平均為替レート・・・前連結会計年度累計平均:110.9円⇒当連結会計年度累計平均:108.7円
人民元/円平均為替レート・・・前連結会計年度累計平均: 16.5円⇒当連結会計年度累計平均: 15.6円
セグメントごとの事業概況及び業績は次のとおりです。
(日本)
当期は、ホンダ新型N-WGNや新型FIT用シート等の生産を開始しました。
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
※新型コロナウイルス感染症影響について、 2020年3月末時点で工場の稼働停止等は発生しておらず、当期の
セグメント業績への影響は軽微です。
(米州)
当期は、工程ごとの品質保証能力強化による品質コスト抑制に取り組み、高収益体質の構築に努めました。
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
※新型コロナウイルス感染症影響について、2020年3月下旬より一部の工場を除き稼働を停止したため、当期の
セグメント業績に影響が生じています。
(中国)
当期は、武漢地区でホンダ新型ENVIX用シート、広州地区でホンダ新型BREEZE用シート等の生産を開始しました。
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
※新型コロナウイルス感染症影響について、春節(2020 年1月 23 日)から3月中旬まで工場が稼働を停止し
たため、当期のセグメント業績に影響が生じています。
(アジア・欧州)
当期は、タイでホンダ新型ACCORDや新型CITY用シート等の生産を開始しました。
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
※新型コロナウイルス感染症影響について、2020年3月下旬より一部の工場を除き稼働を停止していますが、当
期のセグメント業績への影響は軽微です。
また、事業別の売上収益については下記のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は販売価格により算出しました。
3 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
※新型コロナウィルス感染症影響について、当期の各セグメントにおける受注残高の影響は以下のとおりです。
日 本:2020年4月において一部の工場で生産調整が発生したため、3月末時点での受注残高に
影響が生じました。
米 州:2020年4月において一部工場を除き稼働停止したため、3月末時点での受注残高に
影響が生じました。
中 国:2020年3月中旬に工場稼働を再開したため、受注残高への影響はありません。
アジア・欧州:2020年4月において一部工場を除き稼働停止したため、3月末時点での受注残高に
影響が生じました。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
3 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、3,418億20百万円と前連結会計年度末に比べ164億45百万円の減少となりました。これは、当期利益の計上等により現金及び現金同等物が増加したものの、主要客先からの受注台数の減少等により営業債権及びその他の債権が減少したこと、及び定期預金の減少等によりその他の金融資産が減少したことが主な要因です。
(負債)
負債合計は、672億68百万円と前連結会計年度末に比べ135億72百万円の減少となりました。これは、主要客先からの受注台数の減少等により営業債務及びその他の債務が減少したことが主な要因です。
(資本)
資本合計は、2,745億52百万円と前連結会計年度末に比べ28億72百万円の減少となりました。これは、当期利益の計上により利益剰余金が増加したものの、在外営業活動体の換算差額の減少等によりその他の資本の構成要素が減少したことが主な要因です。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度に比べ209億81百万円増加し、当連結会計年度末残高は1,496億28百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、441億93百万円と前連結会計年度に比べ3億87百万円の増加となりました。これは、税引前利益が126億56百万円の減少、及び営業債務及びその他の債務の増減額が76億46百万円の減少となったものの、営業債権及びその他の債権の増減額が169億69百万円の減少となったこと、及び引当金の増減額が45億13百万円の減少から21億71百万円の増加となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、53億66百万円と前連結会計年度に比べ129億54百万円の減少となりました。これは、定期預金の預入及び払戻による純増減額が前連結会計年度の86億59百万円の支出から58億円の収入となったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、129億17百万円と前連結会計年度に比べ34億72百万円の減少となりました。これは、配当金の支払額(非支配持分への支払額を含む)が20億41百万円の減少となったこと、及び短期借入金純増減額が前連結会計年度の8億63百万円の支出から0百万円の支出となったこと等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当グループの資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、税金の支払い、新機種に対応する生産設備や金型投資等であり、主に営業活動から生み出されるキャッシュ・フローにより充当しています。また、想定される自然災害などのリスクに対応するための資金は、自己資金を基本としています。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、当連結会計年度末時点において、米州セグメント及びアジア・欧州セグメントでは一部の工場を除き稼働を停止しています。稼働を停止している拠点においては固定費の支出が継続していますが、グループ全体に適用している安全資金ガイドラインに基づく手許資金での対応ができており、資金繰りに問題が生じている拠点はありません。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 ⑤連結財務諸表注記 2 連結財務諸表の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。
該当事項はありません。
当グループは、製品を通じてお客様に「喜び」を提供するために、二輪車及び四輪車のシート・内装品の製品開発と、より魅力のある高機能な製品実現に向け「安全」「環境」「魅力・快適」の3つの要素を基軸とした先進技術の研究開発を、常にチャレンジングな姿勢で行っています。
日本、米州、中国、アジア、欧州に開発拠点を構え、各地域に適した製品を効率良く開発することで、世界のお客様の多様化するニーズに応えております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は
事業ごとの研究開発活動の状況は以下のとおりです。
(二輪事業)
① 環境対応技術
二輪車用シートにおけるクッション材・ボトム材の研究により、生産工程からのCO2排出量削減や製品の軽量化等の環境対応に取り組んでいます。
② 魅力・快適技術
二輪車用シートにおいても快適な乗車姿勢をサポートする機構を備えたシートなど、魅力ある製品の開発を進めています。
(四輪事業)
① 安全技術
世界各国の安全に関する法規・アセスメントへの対応だけでなく、実際の事故データの情報解析等を行ない、より高い安全性能を備えた製品を研究・開発しています。全方向からの衝突に対する、乗員への衝撃軽減機能や眠気を低減することによる事故防止等の研究を行い、製品開発へ展開しています。
② 環境対応技術
環境に配慮した材料の開発や、最適設計による部品の統合、新たな加工技術の開発により製品の軽量化を図っています。
③ 魅力・快適技術
より魅力ある商品を目指し、ユーザー目線に立った使い勝手の良い多彩なシートアレンジ機構の開発や、安全・快適をサポートする各種電子制御デバイス部品の開発、製品に高質感を与える加工技術、加飾技術の開発、さらに、快適性の追求として産学共同で生理学の基礎研究等を展開しています。
また、新たな商品創出の取組みとして、ユーザーが求める“魅力”を模索する社内プロジェクト活動を進めています。
(その他事業)
二輪事業及び四輪事業の各研究開発による成果をベースに、その他事業分野の特性に合わせた技術開発を行い、商品デザインを含めた高品質・高機能な製品を商品化しています。
これら研究開発活動をさらに進化させ、世界のお客様に満足して頂ける魅力ある商品を創出していきます。