本項には将来に関する事項が含まれていますが、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものです。
(1) 経営基本方針
当グループは「人材重視」「喜ばれる企業」を経営理念としています。
「人材重視」とは、「人こそ企業成長の決め手」と考え、働く者全てが「夢」と「情熱」をもって活き活き働くことができる企業でありたいという私たちの想いを表しています。この想いと共に、安全性のみならず、快適さや感動を与えられる製品をキャビン全体で提供し、社会と共に持続的な成長を続けていくことで、全てのステークホルダーから「喜ばれる企業」であり続けるという強い意思がこの経営理念には込められています。
これを基とした「わたしたちは 常に モノづくりに夢を求めて 無限の可能性に 挑戦し 快適で良質な商品を 競争力のある価格で 世界のお客様に 提供する」という社是を実践し、企業価値の向上に努めています。
(2) 中長期経営計画
当グループはこれまで蓄積してきたシート・内装品に関する多岐にわたる技術を礎に、変化する事業環境の中で、キャビン全体をコーディネートし、お客さまに新たな価値を提供できる企業としてさらなる事業成長を遂げるため、2030年ビジョンに「Innovative quality company - 新たな価値を創造し続ける -」を掲げています。
前身である2020年ビジョンに込めた想いでもある「改革」という強い意志を持ち、ぶれることなく、これまで築いた財務基盤をはじめ、全ての経営資源を惜しみなく投入し、ビジョンの実現に向けて邁進していきます。
最初の一歩となる第14次中期経営計画(2020年4月~2023年3月)では「ESG※1経営による企業進化」を経営方針に、「攻め」の施策である「事業成長に向けた進化」と「守り」の施策である「進化を支える事業体質強化」の2軸を企業重点施策とし、7つの企業施策への取り組みを加速させています。
2年目となる2022年3月期においては、機関設計変更などガバナンス体制の大幅な進化に加え、サステナビリティ推進体制や拡販に向けた生産体制の強化に努めました。品質体質の向上などに一部課題が残りましたが、2023年3月期において確実な潰しこみを行い、第15次中期での飛躍につなげていきます。

(3) 優先的に対処すべき課題
①サプライチェーンマネジメントの強化
2022年3月期の自動車市場は、長引く原材料供給不足による影響が、各自動車メーカーの生産活動へ大きく影を落とす1年となりました。また、さらなる原材料価格の高騰や一部地域での人件費上昇、中国でのロックダウン影響など引き続き厳しい状況が続いています。
このような中でも、当グループでは世界14か国にまたがる生産体制を活かした拠点間の連携や相互補完、各取引先との連携強化により、安定した生産活動を維持してきました。今後もサプライチェーンマネジメントの強化を図り、さまざまなリスクに対応可能な柔軟性ある供給体制の構築に努めていきます。
②拡販に向けた体制強化
事業活動に対する外部環境変化による収益減少リスクを、より一層低減するためには、新たな顧客の獲得とその商権拡大が急務です。これに対し、ポーランドにシート製造子会社を新設し、欧州事業の拡大に努めるなど、さまざまな取り組みを加速させています。2023年3月期からは拡販機能と欧州事業の管理・統制を図るため新たに「新事業統括本部」を設置することで、営業活動を強力に展開し、さらなる事業成長につなげていきます。
③ 資本効率の向上
当グループは、盤石な財務基盤をもつ一方で、この資本をいかに効率的に活用していくかが重要な課題であると認識しています。これまでも成長投資やM&Aに資金を惜しみなく投下してきました。また、2021年3月期から2期連続で自己株式を取得するなど、株主還元の強化にも努めており、今後も資本効率の向上と機動的な資本政策により、中長期的な企業価値向上へつなげていきます。
④ 次世代を見据えた企業変革
自動車業界は大変革期の真っ只中にあり、ユーザーニーズの変化、熾烈な開発競争、新たな競合の台頭や業界再編等、事業環境の変化がさらに進んでいます。
また、EV化・コネクテッド・自動運転など、次世代モビリティに向けた技術革新は、自動車の価値観を大きく変え、プライベート空間の提供やさまざまなシーンでの車そのものと車室の活用、さらには生活を豊かにするアイテムとしてその価値を変化させています。自動車メーカーや我々内装システムサプライヤーにとって、ユーザーが車内で過ごす時間に何を提供できるのかが重要となっています。
これまで当グループは、事業をシートとドアに集中し、安全、安心で快適な製品を、効率的に開発・生産をすることで収益拡大を追求してきました。しかしながら、自動車がもつ役割がシフトする時代においても、さらなる事業成長を遂げていくためには、キャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに対し、新たな価値を提案できる企業への変革が不可欠です。独自技術の進化に加え、ニーズに応える新たな価値創造を、異業種とのコラボレーションやスタートアップ企業との共同開発で実現していきます。
⑤ サステナビリティ取り組みの強化
当グループが持続的な成長を遂げるためには、企業としての社会的責任を積極的に果たし、事業を通じた社会課題の解決に取り組んでいくことが不可欠であるという考えの下、2018年3月期から、いち早く「ESG」を経営方針に掲げ、さまざまな取り組みを加速させています。
2022年3月期には、監査等委員会設置会社への機関設計変更や任意の指名・報酬委員会の設置など、事業運営の透明性を向上させるべく、ガバナンス改革に取り組みました。また、社内外に点在する課題を改めて整理し、ステークホルダーにとっての重要性、ならびに当グループにとっての重要性の観点で優先順位付けを行い、社会・環境・企業基盤の3つの側面から社会と共に持続的な成長を遂げるためのマテリアリティを特定し、2030年を見据えた具体的な目標を定めました。あわせて、サステナビリティ委員会やサステナビリティ推進専任部門の設置といった推進体制強化に取り組んでおり、目標達成に向け、グループ全体で諸施策への取り組みを今後さらに加速させていきます。
特に環境面では、CO2排出量※2ゼロを2050年目標として掲げ、開発・生産効率の向上や省エネルギー・再エネルギー設備の導入などに努めています。また、軽量化技術による自動車のCO2排出量削減に加え、リサイクル可能素材活用や原材料のバイオマス化※3など、サーキュラーエコノミー※4の実現に向けた研究開発にも取り組んでおり、イノベーションをもって新たな価値を生み出すことで、次世代での市場競争力向上につなげていきます。
これらの取り組みが評価され、世界的な社会的責任投資評価会社である米 S&P Global社の「Sustainability Awards 2022」において、「Sustainability Yearbook Members」※5および「Industry Mover」※6に選定されました。また、年金積立金管理運用独立行政法人のESG投資におけるパッシブ運用ベンチマークとして採用される「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されるなど、高い評価をいただいています。
今後も外部からの評価や指標を通じ、社会的要請を正しく把握することで、サステナビリティ取り組みの有効性を高め、当グループの企業価値向上と持続的な成長を実現していきます。
※1 Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)
※2 当グループの事業活動に伴うCO2排出量(Scope1+2)
※3 再生可能な生物由来の資源を使用すること
※4 バイオマス化などによりリサイクルを前提とした製品を製造・販売することで、社会全体での
廃棄物発生量を最小限化する概念
※5 調査対象のうち、S&P Global 社が評価するESGスコアが各業界上位15%以内にあたる企業に与えられる賞
※6 「Sustainability Yearbook Members」のうち、業界で最もスコアが向上した企業に与えられる賞
<マテリアリティ>

<マテリアリティKPIと2030年目標>

当グループでは、リスク管理の統括責任者として、代表取締役よりリスクマネジメントオフィサーを選任するとともに、経営会議の諮問機関として「グローバルリスク管理委員会」を設置し、事業を運営する上で顕在化する可能性のある、あらゆるリスクの抽出・評価・予防活動に取り組んでいます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、別途記載がない限り、当連結会計年度末現在における判断によるものです 。
(1) 製品製造・販売に関するリスク
① 本田技研工業株式会社及びそのグループ会社に対する販売依存度について
当グループの連結売上収益に占める本田技研工業株式会社及び同社関係会社(以下、同社グループ)に対する比率は89.6%(同社グループの取引先への売上収益を含めた最終販売先が同社グループとなる売上収益の比率は92.4%)に達しています。従って、同社グループの事業戦略や購買方針の変更、同社グループにおける生産調整、特定車種の生産拠点移管、生産拠点再編成、当グループの製品を採用した車種の販売開始時期の変更や販売動向、同社グループ及び同社グループ取引先におけるリコールやその他重大な問題による販売動向への影響等は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、同社グループとの定期的な意思疎通の機会を通じ、同社向けビジネスの維持・拡大を図るとともに、当該リスクの低減とさらなる事業成長に向け、オリジナル技術やコスト競争力等、当社の強みを最大限に活かした営業活動を強力に推進し、新規顧客の獲得に努めています。
② 競合の状況について
新たな競合先の台頭や既存競合先の競争力向上により、市場におけるシェアが低下する可能性があります。
当グループは、あらゆる面での競争力向上施策に加え、キャビン全体をコーディネートし、顧客に新たな価値を提案できる企業を目指し、次世代技術開発を加速させ、独自技術のさらなる進化とともに、異業種とのコラボレーションやスタートアップ企業との連携によって、顧客の潜在ニーズを引き出す魅力ある商品の開発に取り組んでいます。
③ 購買取引先の信用リスクについて
当グループは、主力製品の構造上、数多くの取引先から原材料・部品を調達しており、取引先における財務状況の悪化や経営破綻等が発生した場合には、サプライチェーンが寸断され、製品製造に遅れや停止が生じる可能性があります。
当該リスクに対しては、取引先の経営状態について定期的に確認を行い、取引先とともに財務体質の強化に取り組むほか、特定の取引先への依存度が高い部品を把握し、有事の代替策をあらかじめ策定しておくなど、リスクの最小化に努めています。
④ 製品の欠陥への対応について
当グループは、自動車部品の中でも乗員の身体に直接触れ、かつ保護する役割を持つ安全上重要な部品を製造しており、リコール等が発生した場合には、多額の賠償費用、製品保証引当金の計上や信用の低下等が発生する可能性があります。
当グループは、開発段階からの仕様品質の熟成や製造工程内品質保証体制の構築に努めるとともに、ISO9001/IATF16949等の国際標準規格に基づく品質マネジメントシステムを運用する等、製品欠陥の発生予防に努めています。また、製造物責任賠償に繋がるような製品欠陥の発生に備え、影響範囲を速やかに把握するトレーサビリティ(製造履歴の追跡)システムを導入する等、迅速な対応を可能とする品質管理体制の強化に努めています。
⑤ 災害・事故・感染症・戦争・ストライキ等による事業活動への影響について
当グループの所在地において、大規模な地震等の自然災害及び感染症、戦争、テロ、ストライキ等により、物的、人的被害及びインフラの遮断等、操業を中断する事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、各社で事業中断リスクの評価を行い、高リスク事象に対しては、事業の早期復旧を図るための対応手順書の整備や訓練に取り組んでいます。また、当該リスクが顕在化した場合に備え、継続的な事業を行うために留保すべき運転資金が定められた「安全資金ガイドライン」をグループ全体に適用する等、有事でも円滑な事業運営と雇用維持を可能とする資金管理体制の構築に努めています。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の継続、ウクライナをめぐる情勢悪化による影響範囲が拡大した場合等には円滑な事業運営が困難となることも予測され、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)国際情勢や経済動向等の外部経営環境に関するリスク
① 市場環境の変化について
当グループは、日本、中国、その他のアジア地域、北米、南米、欧州において事業を展開しています。これらの国々における経済の低迷や、物価等の動向による消費者の購買意欲の低下は、二輪車及び四輪車等の販売減少につながり、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、顧客の多様化を図るとともに、開発効率の向上、生産の自動化、管理体制の強化等、あらゆる角度から効率性の向上、原価低減に努めることで高収益体質づくりに取り組んでいます。
② 原材料や調達部品の市況変動等の影響について
当グループの主要製品である四輪車用シートは、鋼材、樹脂材、ウレタン、表皮材等の原材料及び、機構部品等の調達部品で構成されており、これらを取り巻く規制の変化、調達先の減産、価格の市況変動等に起因して、当社が対応または吸収できない原材料や半導体などの調達部品の供給不足によるサプライチェーンの混乱、急激な価格上昇等が発生した場合には、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、原材料や部品の調達において、供給元との基本取引契約をベースに安定的な調達に努めるとともに、市況変動影響を取引価格へ機動的に反映できる取引形態を採用しています。
③ 為替変動の影響について
当グループはグローバルに事業活動を展開しており、各国間で部品相互補完等のために行う外貨建取引において、為替変動の影響を受けます。
当グループは、主要通貨間における為替予約などの為替ヘッジ取引を行い、外貨建取引における為替相場の変動リスクを最小化しています。なお、当グループにとっての主要通貨はUSドルおよび人民元であり、それらの平均為替レートは「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」に記載しています。
(3)法的規制・訴訟に関するリスク
① 知的財産権保護について
当グループは、自社が製造する製品に関連した技術とノウハウを蓄積してきましたが、将来にわたって知的財産権が有効に活用できない可能性があります。また、知的財産権が違法に侵害されることによって、当グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当グループの開発した製品・技術が第三者の知的財産権を侵害していると判断された場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、中長期的視点の知的財産戦略に基づき、知的財産ごとに独占化やライセンス化等の判断を行い、ノウハウの流出防止や、事業及び収益の拡大に努めています。また、知的財産部門が他社製品の構造を解析し、当社の知的財産権侵害がないかを随時確認するとともに、当社が他社の知的財産権を侵害しないよう、製品・技術開発に際しては先行調査を実施する等、十分な注意を払っています。
② 訴訟等への対応について
当グループは、原材料・部品の調達や顧客への製品販売をはじめ、事業運営に必要な各種取引を行なっていますが、取引条件の疑義から発生する訴訟等の法的手続きにおいて、当グループの主張が認められなかった場合には、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、事業に関連する法規の制定・改正情報のタイムリーな把握や対応に努めるとともに、契約締結時の審査体制の整備や、弁護士等の専門家との連携を通じ、問題の未然防止に努めています。
③ 国際的活動に潜在するリスクについて
当グループは、北米、南米、中国、その他のアジア地域、欧州に生産子会社を設立し、海外での事業展開に積極的に取り組んでおり、それらの拠点間における国際間取引は年々、複雑・多様化しています。予期しない法律・規制の制定及び変更、移転価格税制等における当局との見解相違、関税・輸出入規制の強化等は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、当社からグループ各社に重要な法規の制定・改正情報の配信を行なうとともに、グループ各社で現地関係機関からの積極的な情報収集に努め、変化への円滑な対応を図っています。また、移転価格税制においては、取引規模の大きい日米間のグループ内取引について、両国税務当局間であらかじめ当グループ内における取引価格の設定などを事前承認するAPA(事前確認制度)を活用しています。
④ 製品への法規制について
当グループは、事業を展開する各国において、自動車等に関する安全、環境等のさまざまな法的規制の適用を受けています。さらなる法的規制の強化または新たな規制の制定に際し、それらを遵守できなかった場合、当グループの事業活動を制限される可能性があります。また、これらの法的規制の強化または新たな規制の制定は、コスト増につながる可能性があります。
当グループは、常に自動車等に関連する最新の法規を把握し、これを遵守した事業活動を行っています。また、欧米を中心とする自動車の最新の法規動向を注視し、今後の法的規制にも対応が可能な開発体制を整えています。
(4)その他のリスク
① ESGへの取り組みについて
企業のESGに対する取り組みの重要性は、今後ますます高まることが予測されます。取り組みの遅れや誤った対応が発生した場合、地域社会との関係性悪化や投資家や市場からの信頼を損ない、当グループのレピュテーションが低下することにより、株価の下落やビジネスチャンスを逃す可能性があります。
当グループは、刻々と変化する社会の期待に応えながら企業価値の最大化を図っていくために、ESGの観点で経営を行い、持続可能な社会の実現に貢献することが必須であると考えています。社内外の諸課題を整理し策定した重要課題(マテリアリティ)に取り組み、2030年目標達成に向けて各施策を積極的に推進しています。
② 情報漏洩リスクについて
当グループは技術情報や従業員の個人情報、顧客から受け取ったさまざまな重要情報を保有しています。予期せぬ事態により機密情報の滅失、改ざんもしくは社外への漏洩が発生した場合には、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、損害賠償責任等が発生する可能性があります。
当グループは、これらの情報が外部へ流出することを防止するため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムやネットワーク監視体制の強化等、情報管理の徹底に努めています。
③ 退職給付債務について
当グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等の前提条件に基づいて算出しています。従って、実際の結果が前提条件と異なった場合、または前提条件が変更となった場合は、当グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、従業員の年金資産運用に際しては、適宜外部専門家の意見を得るほか、審議会等の機関を設置するなど、各社で適切かつ慎重な審議を経て行っています。
当連結会計年度における当グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
2022年3月期の事業環境は、半導体や原材料供給不足が自動車メーカーの生産活動に影を落とし、当グループの受注台数減少につながるなど厳しい状況となりました。また、さらなる原材料価格の高騰や一部地域での人件費上昇に加え、足元では中国でのロックダウン影響が顕在化するなど依然として不透明な状況が続いています。
そのような中でも、新たな顧客の獲得とその商権拡大に向けた欧州子会社の新設や、主要顧客のシェア向上に向けた積極的な営業展開、未来を見据えた次世代技術開発やさらなる高品質・高効率な生産体制の構築など、将来の成長につながる諸施策を着実に推進してきました。また、キャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに対し、新たな価値を提案できる企業への変革に向け、異業種とのコラボレーションやスタートアップ企業との共同開発を進めています。
当連結会計年度における売上収益は、自動車市場におけるサプライチェーンの混乱を受けた客先の減産影響はありましたが、機種構成の良化や為替換算効果等により、3,499億58百万円と前連結会計年度に比べ38億9百万円(1.1%)の増収となりました。利益面では、徹底した合理化による諸経費抑制などの原価低減に努めましたが、減産影響等により、営業利益は229億98百万円と前連結会計年度に比べ37億43百万円(14.0%)の減益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期に生じた負ののれん発生益の解消等により、124億16百万円と前連結会計年度に比べ83億24百万円(40.1%)の減益となりました。
USドル/円平均為替レート・・・前連結会計年度累計平均:106.1円⇒当連結会計年度累計平均:112.4円
人民元/円平均為替レート・・・前連結会計年度累計平均: 15.7円⇒当連結会計年度累計平均: 17.5円
セグメントごとの事業概況及び業績は次のとおりです。
(日本)
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
※売上収益について、株式会社ホンダカーズ埼玉北を前第1四半期末から連結子会社とし、前第2四半期から
同社収益を連結業績に取り込んだことで、連結業績取り込み期間の差異による増収効果が生じています。
(米州)
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
(中国)
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
(アジア・欧州)
(単位:百万円)
前連結会計年度との主な増減理由
また、事業別の売上収益については下記のとおりです。
(単位:百万円)
※前期に対し「二輪事業」および「その他事業」が大きく増加しています。
二輪事業 :シート生産台数の増加等により増収となりました。
その他事業:自動車販売等を行う株式会社ホンダカーズ埼玉北を前第1四半期末から連結子会社とし、
前第2四半期から同社収益を連結業績に取り込んだことによる連結業績取り込み期間の差異等
により増収となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は販売価格により算出しました。
3 上記の金額には、仕入実績が含まれています。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 当連結会計年度の受注高および受注残高は、半導体供給不足や中国でのロックダウン等による自動車市場におけるサプライチェーンの混乱を受けた客先の減産影響等により大きく減少しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、4,159億85百万円と前連結会計年度末に比べ255億6百万円の増加となりました。これは、自己株式取得のための預託金の増加等によりその他の流動資産が増加したこと、及び設備投資の増加や為替換算影響等により有形固定資産が増加したことが主な要因です。
(負債)
負債合計は、904億1百万円と前連結会計年度末に比べ13億74百万円の増加となりました。これは、英国子会社における引当金の支払等により引当金が減少したものの、為替換算影響等により営業債務及びその他の債務が増加したことが主な要因です。
(資本)
資本合計は、3,255億83百万円と前連結会計年度末に比べ241億32百万円の増加となりました。これは、当期利益の計上により利益剰余金が増加したこと、及び在外営業活動体の換算差額の増加等によりその他の資本の構成要素が増加したことが主な要因です。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度に比べ134億49百万円減少し、当連結会計年度末残高は1,395億85百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、200億18百万円と前連結会計年度に比べ51億33百万円の減少となりました。これは、営業債権及びその他の債権の増減額が158億63百万円の増加から43億1百万円の減少となったものの、税引前利益が104億8百万円の減少となったこと、営業債務及びその他の債務の増減額が61億92百万円の増加から34億22百万円の減少となったこと、及び棚卸資産の増減額が32億62百万円の増加から63億39百万円の増加となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、171億96百万円と前連結会計年度に比べ54億87百万円の増加となりました。これは、持分法で会計処理されている投資の取得による支出が71億99百万円の減少となったものの、有形固定資産の取得による支出が83億21百万円の増加となったこと、及び定期預金の預入及び払戻による純増減額が40億25百万円の収入から30億53百万円の支出となったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、236億38百万円と前連結会計年度に比べ89億90百万円の増加となりました。これは、自己株式取得のための預託金の増減額が78億70百万円の増加となったこと等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当グループの資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、税金の支払い、新機種に対応する生産設備や金型投資等であり、主に営業活動から生み出されるキャッシュ・フローにより充当しています。また、想定される自然災害などのリスクに対応するための資金は、自己資金を基本としています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 ⑤連結財務諸表注記 2 連結財務諸表作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。
該当事項はありません。
当グループは、製品を通じてお客さまに「喜び」を提供するために、二輪車および四輪車のシート・内装品の製品開発と、より魅力のある高機能な製品実現に向け「魅力・快適」「環境」「安全」の3つの要素を基軸とした先進技術の研究開発を、常にチャレンジングな姿勢で行っています。
日本、米国、中国、アジア、欧州に開発拠点を構え、各地域に適した製品を効率良く開発することで、世界のお客さまの多様化するニーズに応えています。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は
事業ごとの研究開発活動の状況は以下の通りです。
(二輪事業)
① 環境対応技術
二輪車用シートにおける構成材料の研究により、生産時のCO2排出量削減や製品の軽量化などに取り組んでいます。また、廃棄物削減に向け、分解しやすい組立構造を追求するなど、リサイクル率の向上や再資源化につながる研究開発にも注力しています。
② 魅力・快適技術
多彩なデザインを演出できる加飾技術のさらなる進化や、快適な乗車姿勢や停車時の足着きをサポートする機構を備えたシートなど、魅力ある製品の開発を進めています。
(四輪事業)
① 魅力・快適技術
次世代自動車を見据え、キャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに対し、新たな価値を提案できる企業への変革に向けた取り組みを加速させています。独自技術の進化に加え、異業種とのコラボレーションやスタートアップ企業との共同開発を進めています。
より魅力ある商品を目指し、ユーザー目線に立った使い勝手の良い多彩なシートアレンジを実現するためのロングスライドレールや回転デバイスの開発や、安全・快適をサポートする各種電子制御デバイス部品の開発、製品に高質感を与える加工技術、加飾技術の開発、さらに、快適性の追求として産学共同で生理学の基礎研究などを展開しています。
② 環境対応技術
シートフレーム構造の徹底的な見直しによる設計の最適化と部品点数の削減により、自動車の燃費を高めCO2排出量削減に貢献しています。また、天然由来のバイオマス素材※を利用した製品開発や、リサイクル材の研究にも取り組んでいます。
さらに、電気自動車の普及を見据え、自動車の電費向上に貢献する低電力で効率的に人や空間を暖める空調・ヒーターシステムの開発に取り組むなど、さまざまな観点からカーボンニュートラルに寄与する製品開発を行っています。
※ 再生可能な生物由来の資源を原料にした素材
③ 安全技術
世界各国の安全に関する法規対応だけでなく、アセスメントなどの先行情報から、より高い安全性能を備えた製品を研究・開発しています。全方向からの衝突に対する、乗員への衝撃軽減機能や乗員の状態を検知することによる事故防止などの研究を行い、製品開発へ展開しています。前席だけではなく、後席にも乗員検知システムやサイドエアバッグを内蔵し、安全性を高めたシートを順次上市しています。
(その他事業)
二輪事業および四輪事業の各研究開発による成果をベースに、その他事業分野の特性に合わせた技術開発を行い、商品デザインを含めた高品質・高機能な製品を商品化しています。
これら研究開発活動をさらに進化させ、世界のお客さまに満足していただける魅力ある商品を創出していきます。