⑤ 【連結財務諸表注記】
1 報告企業
テイ・エス テック株式会社(以下、「当社」)は、日本に所在する株式会社です。
当社の連結財務諸表は、2025年3月31日を期末日とし、当社及びその子会社(以下、「当グループ」)並びに関連会社に対する当グループの持分から構成されています。
2 連結財務諸表作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社は、連結財務諸表規則 第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同規則第312条の規定によりIFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
連結財務諸表は、2025年6月18日に当社の代表取締役社長である保田真成によって承認されています。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、注記「3 重要性がある会計方針」に記載の公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨とし、百万円未満を切り捨てています。
(4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の結果は、その性質上、これらの見積りと異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直され、見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識されます。
見積り及び判断を行った項目のうち、以下は当期及び翌期以降の連結財務諸表の金額に重要な影響を与えています。
・連結の範囲-注記3 重要性がある会計方針 (1) 連結の基礎
・無形資産の見積耐用年数-注記3 重要性がある会計方針 (8) 無形資産
・リースを含む契約の範囲-注記3 重要性がある会計方針 (9) リース
・非金融資産の減損-注記3 重要性がある会計方針 (10) 非金融資産の減損
・確定給付制度債務の測定-注記3 重要性がある会計方針 (12) 従業員給付
・引当金の認識及び測定-注記3 重要性がある会計方針 (13) 引当金
・収益の認識-注記3 重要性がある会計方針 (16) 収益
・繰延税金資産の回収可能性-注記3 重要性がある会計方針 (19) 法人所得税
翌期以降の連結財務諸表に重要な影響がある見積り及び仮定は主として以下のとおりです。
① 非金融資産(有形固定資産及び無形資産)の減損
非金融資産に、減損の兆候が存在する場合に、回収可能価額の見積りを行います。回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のうち高い方の金額で算定しています。回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額と回収可能価額との差額を減損損失として純損益に認識しています。
非金融資産の減損について、翌連結会計年度の重要な影響に関する情報は以下のとおりです。
(ⅰ)連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(注)下記のポーランド子会社以外に一部の中国子会社においても減損損失を計上しています。
(ⅱ)見積りの算出に用いた主な仮定
減損認識の要否の判定に用いる将来キャッシュ・フローは、事業計画を基礎とし、客先からの受注予測等を主要な仮定として織り込んでおり、自動車市場の動向や客先の生産計画の変動により、大きな影響を受ける可能性があります。当連結会計年度における将来キャッシュ・フローの見積りは、中国市場における日系自動車メーカーの販売不振に加え、各地域での物価高騰や人件費の上昇など製造コストの上昇、世界的なEVシフトの減速を受けた自動車メーカーの開発計画見直しなど、依然として先行きは予断を許さない状況ではありますが、緩やかに改善していくものと見積っています。
当連結会計年度において、当社のポーランド子会社であるTS TECH Poland sp. z o.o.について、客先の生産状況等により、営業損益が会社設立時の事業計画と比較して著しく悪化したため、減損の兆候があると判断し、減損損失の認識の判定を行いました。その結果、回収可能価額が有形固定資産及び無形資産の帳簿価額合計を下回ったことから、処分コスト控除後の公正価値に基づき減損損失1,487百万円を計上し、減損損失計上後の帳簿価額合計は1,771百万円となっています。なお公正価値は、主に不動産によるものであり、外部の専門家から入手した評価額等に基づき算定しています。
(ⅲ)翌連結会計年度に与える重要な影響
当連結会計年度においては、上記を除き、重要な減損損失を認識していませんが、自動車メーカーでの減産や製造コストの増加が想定を上回ること等により回収可能価額が低下した場合には、翌連結会計年度において重要な減損損失が発生する可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来減算一時差異や繰越欠損金等、将来納付する税金を減額する効果を有するもののうち、将来課税所得に対して使用できる可能性が高い範囲(以下、回収可能性)で認識しています。
回収可能性は、毎期見直しを行い、回収可能性が低下した場合には、繰延税金資産を減額し、純損益に認識します。
繰延税金資産の回収可能性について、翌連結会計年度の重要な影響に関する情報は以下のとおりです。
(ⅰ)連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(注)連結財政状態計算書に計上した上記繰延税金資産の金額は、繰延税金負債相殺後の金額であり、相殺前の金額
については、注記15「法人所得税」に記載しています。
(ⅱ)見積りの算出に用いた主な仮定
回収可能性の前提となる将来課税所得は、事業計画を基礎とし、客先からの受注予測等を主要な仮定として織り込んでおり、自動車市場の動向や客先の生産計画の変動により、大きな影響を受けます。
当連結会計年度における将来課税所得の見積りは、中国市場における日系自動車メーカーの販売不振に加え、各地域での物価高騰や人件費の上昇など製造コストの上昇、世界的なEVシフトの減速を受けた自動車メーカーの開発計画見直しなど依然として先行きは予断を許さない状況ではありますが、緩やかに改善していくものと見積っています。
(ⅲ)翌連結会計年度に与える重要な影響
当連結会計年度においては、重要な繰延税金資産の減額を認識していませんが、自動車メーカーでの減産や製造コストの増加が想定を上回ること等により回収可能性が低下した場合には、翌連結会計年度において重要な繰延税金資産の減額が発生する可能性があります。
③ 退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度を採用しています。確定給付制度の確定給付制度債務は、割引率等の数理計算上の仮定に基づき、予測単位積増方式により算定しています。
確定給付制度債務の算定について、翌連結会計年度の重要な影響に関する情報は以下のとおりです。
(ⅰ)連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(ⅱ)見積りの算出に用いた主な仮定
主要な数理計算上の仮定である割引率について、確定給付制度債務と概ね同じ満期日の優良社債の利回りにより算定しています。
(ⅲ)翌連結会計年度に与える重要
確定給付制度債務の算出に用いる割引率等が変動した場合、翌連結会計年度の連結財務諸表の退職給付に係る資産、負債及び退職給付費用に重要な影響を与える可能性があります。
3 重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当グループにより支配されている企業であり、子会社の財務諸表は、当グループが支配を獲得した日から支配を喪失した日までの間、当社の連結財務諸表に含まれています。
子会社が適用する会計方針が当グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表を修正しています。
当グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表上消去しています。
支配の喪失を伴わない、子会社に対する持分変動は、資本取引として会計処理しています。
当グループの持分及び非支配持分の帳簿価額は、持分の変動に応じ調整され、非支配持分の調整額と、支払対価または受取対価の公正価値との差額は、資本に直接認識し、親会社の所有者に配分しています。
② 関連会社
関連会社とは、当グループが財務及び営業の方針の決定に重要な影響力を有しているが支配はしていない企業であり、当グループが重要な影響力を有することとなった日から喪失する日まで、持分法により処理しています。
持分法の下では、投資額は当初は原価で測定し、それ以後は、関連会社の資本に対する当グループ持分の取得後の変動に応じて投資額を変動させています。その際、関連会社の純損益のうち当グループの持分相当額を純損益として認識しています。また、関連会社のその他の包括利益のうち当グループの持分相当額をその他の包括利益として認識しています。
重要な内部取引に係る利益は、関連会社に対する持分比率に応じて消去しています。
(2) 企業結合
企業結合は取得法により会計処理しています。
取得対価は、当グループが移転した資産、引き受けた負債及び当グループが発行する資本性金融商品の公正価値の合計として測定しています。
取得関連費用は、発生時に純損益として認識しています。
被取得企業から取得した識別可能な資産及び負債は、IFRSで要求されている場合を除き公正価値で測定しています。
取得対価が、被取得企業から取得した識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、のれんとして資産を認識し、下回る場合には、純損益を認識しています。
なお、のれんは償却を行わず減損テストの上、取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示しています。
(3) 外貨換算
当グループ各社の財務諸表は、各社が営業活動を行う主たる経済環境の通貨(以下、「機能通貨」)により作成しています。
また、在外営業活動体の財務諸表は、当社の機能通貨である日本円に換算し連結財務諸表を作成しています。
① 外貨建取引
機能通貨以外の通貨による取引の換算は、取引日の為替レート、または取引日の為替レートに近似するレートを使用しています。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、決算日の為替レートで換算しています。
外貨建貨幣性資産及び負債の換算または決済により生じる換算差額は、純損益として認識しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替レート、収益及び費用については著しい変動のない限り期中平均レートを使用して日本円に換算しています。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額の変動は、その他の包括利益として認識し、為替換算差額の累積額は、その他の資本の構成要素として認識しています。
在外営業活動体を処分し、支配または重要な影響力を喪失した場合は、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額を純損益に振り替えています。
(4) 金融商品
① 金融資産
(i) 当初認識及び測定
当グループは、営業債権及びその他の債権を発生日に当初認識し、その他の金融資産は当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しています。
当初認識時において、すべての金融資産(重大な金融要素を含まない営業債権を除く)は公正価値で測定していますが、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されない場合は、当該公正価値に金融資産の取得に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しています。重大な金融要素を含まない営業債権は、当初認識時において、取引価格で測定しています。なお、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取引費用は、純損益に認識しています。
(ii) 分類及び事後測定
当グループは、保有する金融資産を、(a)償却原価で測定する金融資産、(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産、(c)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しています。この分類は、当初認識時に決定し、金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
当グループが保有する金融資産のうち、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、償却原価で測定する金融資産については、実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除しています。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得または損失は、当期の純損益に認識しています。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当グループは、一部の資本性金融資産については、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行い、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。
当該金融資産は、当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動はその他の包括利益に含めて認識しています。投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産からの配当金については、金融収益として純損益に認識しています。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する金融資産、またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当グループの純損益を通じて公正価値で測定する金融資産としては、デリバティブ資産等が該当します。
当該金融資産は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動は純損益で認識しています。また、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る利得または損失は、純損益に認識しています。
(iii) 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しています。
当グループは、各報告日において、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しています。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定しています。一方で、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しています。
ただし、営業債権等については常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しています。
金融資産の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っています。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・報告日時点で過大なコストまたは労力なしに利用可能である、過去の事象、現在の状況、並びに将来の経済
状況の予測についての合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る金額は、純損益で認識しています。
減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻し入れています。
(iv) 金融資産の認識の中止
当グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または当グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にのみ金融資産の認識を中止しています。
② 金融負債
(i) 当初認識及び測定
当グループは、金融負債を取引日に当初認識しています。
当初認識時において、すべての金融負債は公正価値で測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、公正価値から直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の取引費用は、純損益に認識しています。
(ii) 分類及び事後測定
当グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類しています。この分類は、当初認識時に決定しています。金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
当グループの純損益を通じて公正価値で測定する金融負債としては、デリバティブ負債が該当します。当初認識時において純損益を通じて公正価値で測定する金融負債として、取消不能の指定を行ったものはありません。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しています。
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得または損失については、当期の純損益に認識しています。
(iii) 金融負債の認識の中止
当グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、債務が履行された時、契約中に特定された債務が免責、取消しまたは失効となった時に、金融負債の認識を中止しています。
③ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産及び金融負債は、当グループが残高を相殺する強制可能な法的権利を現時点で有し、かつ、純額で決済するかまたは資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。
取得原価には、購入原価、加工費、及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべての原価が含まれています。
原価の算定は、主として先入先出法によっています。
正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しています。
(7) 有形固定資産
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しています。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用及び原状回復費用等が含まれています。
土地及び建設仮勘定以外の各資産に係る減価償却は、各資産の見積耐用年数にわたり、定額法により行っています。主な見積耐用年数は以下のとおりです。
・建物及び構築物 2~60年
・機械装置及び運搬具 2~25年
・工具、器具及び備品 2~20年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、年度毎に見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(8) 無形資産
無形資産は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しています。
無形資産は、主に開発費であり、開発活動で発生した費用は、以下のすべての条件を有している場合に資産として認識しています。
・使用または売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性があること
・無形資産を完成させ、更に、それらを使用または売却するという意図があること
・無形資産を使用または売却できる能力があること
・将来の経済的便益を創出する可能性が高いこと
・無形資産を完成させ、更に、それを使用または売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他
の資源を有していること
・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力があること
資産として認識した開発費の償却は、対象製品の量産開始時点から開始し、見積耐用年数(主に5年)にわたり定額法により行っています。
なお、見積耐用年数、及び償却方法は、年度毎に見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(9) リース
当グループは、契約の開始時に、当該契約がリースまたはリースを含んだものであるかどうかを判定しています。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるかまたはリースを含んでいます。
① 借手としてのリース
リースの開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しています。使用権資産は開始日において取得原価で測定しています。開始日後においては、原価モデルを適用して、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。使用権資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、定額法により減価償却を行っています。
リース負債は、開始日において同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しています。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減しています。リース負債を見直した場合またはリースの条件変更が行われた場合には、リース負債を再測定し使用権資産を修正しています。
なお、リース期間が12ヶ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについて、リース料をリース期間にわたり主に定額法により純損益として認識しています。
② 貸手としてのリース
リースはオペレーティング・リースまたはファイナンス・リースのいずれかに分類しています。原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合には、ファイナンス・リースに分類し、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものではない場合には、オペレーティング・リースに分類しています。リースがファイナンス・リースなのかオペレーティング・リースなのかは、契約の形式でなく取引の実質に応じて判定しています。
(i) ファイナンス・リース
リースの開始日において、ファイナンス・リースに基づいて保有している資産は、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しています。
(ii) オペレーティング・リース
オペレーティング・リースによるリース料は、主に定額法により純損益として認識しています。
(iii) サブリース
サブリースを分類する際に、中間の貸手は、ヘッドリースが短期リースである場合には、オペレーティング・リースに分類し、それ以外の場合には、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しています。
(10) 非金融資産の減損
当グループは、各年度において資産または資金生成単位の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合に回収可能価額を見積もっています。
回収可能価額は、資産または資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しています。
使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価等を反映した割引率を使用して算定しています。
資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額と回収可能価額との差額を、減損損失として純損益に認識しています。
過年度に認識した減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少の可能性を示す兆候が存在しているかについて評価を行っています。そのような兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産または資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れています。
(11) 売却目的で保有する非流動資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産及び資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産に分類しています。
売却目的で保有する非流動資産は、減価償却または償却は行わず、帳簿価額と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しています。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
当グループは、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
確定給付制度は、各制度ごとに従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付の見積額を現在価値に割引いて算定した確定給付制度債務の額から、制度資産の公正価値を控除した額を連結財政状態計算書に認識しています。
確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用は、予測単位積増方式により算定しています。割引率は、当該制度債務と概ね同じ満期日の優良社債の利回りを使用しています。
確定給付制度債務及び制度資産の再測定による増減は、その他の包括利益として認識しています。
制度改訂または縮小により生じた過去勤務費用は、制度の改訂が生じたとき、または関連するリストラクチャリング費用、解雇給付を認識したときのいずれか早い時期に純損益として認識しています。
確定拠出制度は、当該制度に支払うべき掛金を、従業員が関連するサービスを提供した時点で純損益として認識しています。
② 短期従業員給付
賃金等の短期従業員給付は、従業員が関連するサービスを提供した時点で純損益として認識しています。
賞与は、法的債務または推定的債務を有し、かつ、信頼性のある見積りが可能な場合に負債として認識しています。
有給休暇は、将来の有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供した時点で負債として認識しています。
③ その他の長期従業員給付
永年勤続表彰制度等のその他の長期従業員給付は、従業員が過年度及び当年度に提供したサービスの対価として獲得した将来給付の見積額を、現在価値に割引いて負債として認識しています。
(13) 引当金
過去の事象の結果として現在の法的債務または推定的債務が存在し、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額を信頼性をもって見積ることができる場合に引当金を認識しています。
引当金の貨幣の時間価値が重要な場合には、見積られた将来キャッシュ・フローをその負債に固有のリスクを反映させた税引前割引率を用いて割り引いた現在価値で測定しています。時の経過による引当金の増加は、純損益として認識しています。
(14) 賦課金
賦課金は、政府に対する支払義務が発生した時点で、支払が見込まれる金額を負債として認識しています。
(15) 資本
① 普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に認識し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引費用(税効果考慮後)を含む支払対価を、資本の控除項目として認識しています。なお、自己株式を売却した場合の処分差損益は資本剰余金として認識しています。
(16) 収益
① 顧客との契約から生じる収益
当グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する。
当グループは、主に自動車用シートの製造・ 販売を行っています。 このような製品販売については、顧客との契約に基づき、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を計上しています。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き等を控除した金額で測定しています。
② 利息収益
利息収益は、実効金利法により認識しています。
③ 配当収益
配当収益は、配当を受け取る権利が確定した時点で認識しています。
(17) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得られた場合に公正価値で認識しています。
収益に関する政府補助金は、補助金により補償される費用が認識される期間にわたって、純損益として認識しています。
資産に関する政府補助金は、繰延収益として認識し、当該資産の見積耐用年数にわたって規則的に純損益に振り替えています。
(18) 株式報酬
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、譲渡制限付株式報酬制度を採用しています。譲渡制限付株式報酬は、譲渡制限付株式の付与日における公正価値を測定し、権利確定期間にわたり、費用及び対応する資本の増加を認識しています。
(19) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合に関連する項目、直接資本の部に認識する項目、その他の包括利益として認識する項目を除き、純損益として認識しています。
当期税金は、税務当局に対する納付または税務当局から還付が予想される金額で測定しています。税額は、決算日までに制定または実質的に制定された税率及び税法により算定しています。
繰延税金は、決算日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除(以下、「一時差異等」)に対して認識しています。
繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識し、繰延税金資産は将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除のうち将来課税所得に対して使用できる可能性が高い範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定または実質的に制定された税率及び税法に基づいて一時差異等が解消されるときに適用されると予想される税率で算定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ下記のいずれかの場合に相殺しています。
・法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合
・異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産と当期税金負債を純額ベースで決済することを意図している、もしくは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合
なお、当グループは、IAS第12号法人所得税(2023年5月公表)の改訂を適用しており、第2の柱モデルルールの法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関する認識および開示を免除する一時的な例外規定を適用しています。
(20) 基本的1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。
4 未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設または改訂のうち、当グループが適用していない主な基準等は、以下のとおりです。
IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」においては、主として損益計算書における財務業績の表示及び開示に関する新たな要求事項が設けられています。これらの適用による連結財務諸表への影響については検討中です。
5 セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、毎月取締役会へ報告されているものです。
当社は日本を中心に、各国に子会社を設立して事業活動を展開しています。経営管理上、各社を所在地別に区分、集計して業績の評価を行っています。
報告セグメントの区分は以下のとおりです。
※ハンガリー連結子会社であるTS TECH Hungary Kft.の解散に伴い、当連結会計年度より連結の範囲から除外し
ています。
各報告セグメントに属する製品として「日本」、「米州」、「アジア・欧州」は、主に四輪車用シート及び内装
品等、二輪車用シート及び樹脂部品等の製造販売を行っています。「中国」は、主に四輪車用シート及び内装品等
の製造販売を行っています。
(2) 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、及びその他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3 重要性のある会計方針」における記載と同一です。
セグメント間の取引価格は市場価格、総原価を勘案して価格交渉の上、決定しています。
(3) 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、及びその他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 セグメント利益の調整額△6,344百万円には、セグメント間取引消去△98百万円、親会社の本社管理部
門にかかる配賦不能営業費用△6,245百万円を含んでいます。
2 報告セグメントの利益は、連結損益計算書上の営業利益ベースの数値です。
その他の重要な項目
(注) 減価償却費及び償却費の調整額は、セグメント間取引消去です。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 セグメント利益の調整額△6,566百万円には、セグメント間取引消去△259百万円、親会社の本社管理部
門にかかる配賦不能営業費用△6,306百万円を含んでいます。
2 報告セグメントの利益は、連結損益計算書上の営業利益ベースの数値です。
その他の重要な項目
(注) 減価償却費及び償却費の調整額は、セグメント間取引消去です。
(4) 製品及びサービスに関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
単一の製品・サービス区分の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益のほとんどを占めるため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
単一の製品・サービス区分の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益のほとんどを占めるため、記載を省略しています。
(5) 地域に関する情報
① 売上収益
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
② 非流動資産(金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産、保険契約から生じる権利を除く)
(6) 主要な顧客に関する情報
(注) 日本、米州、中国、アジア・欧州の各セグメントにおいて売上収益を計上しています。
6 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
(注) 連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の残高と、連結キャッシュ・フロー計算書における「現金及び現金同等物」の残高は一致しています。
7 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
(注) 「営業債権及びその他の債権」における金融資産は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
8 その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 預入期間が3カ月超の預金等、短期貸付金、長期貸付金は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
2 資本性金融商品は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
3 デリバティブ資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品として指定した主な銘柄及び公正価値は、以下のとおりです。
当グループが保有する資本性金融商品は、取引先との関係強化、円滑な事業運営の維持継続等を目的としている
ため、当該金融商品の公正価値の事後的な変動を、その他の包括利益に表示するという選択をしています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品からの受取配当金として認識された金額は、以下のとおりです。
9 棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
10 有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額は、以下のとおりです。
取得原価
減価償却累計額及び減損損失累計額
(注)1 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれてい
ます。
2 有形固定資産に含まれている使用権資産の減価償却費は、注記31「リース取引」に記載しています。
帳簿価額
(注)有形固定資産に含まれている使用権資産の帳簿価額は、注記31「リース取引」に記載しています。
11 無形資産
(1) 増減表
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額は、以下のとおりです。
取得原価
償却累計額及び減損損失累計額
(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
帳簿価額
(2) 研究開発費
研究開発費の内訳は、以下のとおりです。
12 減損損失
当グループは、独立したキャッシュ・フローが識別できる最小単位を資金生成単位としています。また、遊休資産は個別資産ごとに減損テストを実施しています。
減損損失は、連結損益計算書上の「その他の費用」に含まれています。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
重要性がないため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
アジア・欧州セグメントの連結子会社であるTS TECH Poland sp. z o.o.において、客先の生産状況等により、営業損益が会社設立時の事業計画と比較して著しく悪化したため、減損の兆候があると判断し、減損損失の認識の判定を行いました。その結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、1,487百万円の減損損失を計上しています。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値を使用しています。公正価値は、外部の専門家から入手した評価額等によっており、観察不能なインプットを含む評価技法(インカムアプローチ)等に基づき算定しています。これは、公正価値ヒエラルキーのレベル3に該当します。
13 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
(注)「営業債務及びその他の債務」における金融負債は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
14 その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
(注) デリバティブ負債は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。
15 法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 純損益を通じて認識された額の合計と繰延税金費用合計との差額は、為替の変動によるものです。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 純損益を通じて認識された額の合計と繰延税金費用合計との差額は、為替の変動によるものです。
連結財政状態計算書の繰延税金資産及び繰延税金負債は、以下のとおりです。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異は、以下のとおりです。
なお、金額は税額ベースで記載しています。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び繰越税額控除の繰越期限別の内訳は、以下のとおりです。
なお、金額は税額ベースで記載しています。
繰延税金負債を認識していない子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異は、以下のとおりです。これらは一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な期間内に解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識していません。なお、金額は所得ベースで記載しています。
(2) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
法定実効税率と、連結損益計算書における平均実際負担税率との差異要因は、以下のとおりです。
16 引当金
引当金の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
17 退職後給付
(1) 採用している退職後給付制度の概要
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
確定給付制度のうち主なものは、当社の規約型企業年金制度であり、ポイント制に基づいた一時金または年金を支給しています。
規約型企業年金制度は、労使合意の確定給付企業年金規約の下に、運用受託機関に制度資産の管理運用を委託することによって運営されています。
また、確定給付企業年金法に従い、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、少なくとも5年毎に掛金の再計算を行うことが規約で規定されています。
(2) 確定給付制度
① 確定給付制度債務(資産)と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債(資産)との調整表
② 確定給付制度債務の現在価値の調整表
(注) 1 勤務費用、利息費用及び過去勤務費用は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
2 数理計算上の差異は、連結包括利益計算書の「確定給付制度の再測定」に含まれています。
③ 制度資産の公正価値の調整表
(注) 1 利息収益は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
2 利息以外の制度資産に係る収益は、連結包括利益計算書の「確定給付制度の再測定」に含まれています。
④ 制度資産の公正価値の主な内訳
⑤ 制度資産の投資方針
当グループの制度資産の投資方針としては、許容されるリスクの範囲内で、伝統的資産を中心にバランスよく分散したポートフォリオを構成し、将来の給付義務を確実に行うことができる水準の収益を長期的・安定的に目指しています。
なお、投資方針については、確定給付型制度の財政状況や運用環境を勘案しながら、必要に応じて見直しを行うこととしています。
⑥ 重要な数理計算上の仮定及び感応度分析
重要な数理計算上の仮定は、以下のとおりです。
数理計算上の仮定が変動した場合に想定される確定給付制度債務への影響は、以下のとおりです。
(注) 割引率以外の変数が一定であることを前提としています。
⑦ 翌連結会計年度における制度資産への拠出額
翌連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)に、578百万円を制度資産へ拠出する予定です。
⑧ 確定給付制度の満期分析
確定給付制度の満期分析は、以下のとおりです。
(3) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、以下のとおりです。
18 資本及びその他の資本項目
(1) 自己資本の管理
当グループは、安定的な配当を継続するとともに、新技術の開発や将来の事業拡大に向けた投資等に活用することを目的として自己資本を管理しています。
当グループが自己資本管理に用いる主な指標は、自己資本比率であり、「親会社の所有者に帰属する持分合計」を「負債及び資本合計」で除して計算しています。
なお、当グループが外部から課された重要な自己資本規制はありません。
(2) 資本剰余金の内容
資本剰余金の内容は、以下のとおりです。
① 資本準備金
日本における会社法(以下、「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本準備金に組み入れることが規定されています。また、会社法では資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
② その他の資本剰余金
自己株式処分差損益、及び株式に基づく報酬取引の資本増加分等です。
(3) 利益剰余金の内容
利益剰余金の内容は、以下のとおりです。
① 利益準備金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損補填に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
② その他の利益剰余金
当グループの獲得した利益の累計額です。
(4) その他の資本の構成要素の内容
その他の資本の構成要素の内容は、以下のとおりです。
① その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得原価と期末時点の公正価値との差額です。
② 確定給付制度の再測定
数理計算上の差異、及び利息以外の制度資産に係る収益です。
③ 在外営業活動体の換算差額
日本円以外の機能通貨で作成された子会社の財務諸表を、日本円に換算することによって生じた換算差額です。
(5) その他の資本の構成要素の増減
その他の資本の構成要素の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(6) 発行可能株式総数及び発行済株式数
発行可能株式総数及び発行済株式数は、以下のとおりです。
(注) 当社の発行する株式は、すべて権利内容に制限のない無額面の普通株式です。
(7) 自己株式
自己株式数は、以下のとおりです。
(注) 譲渡制限付株式付与の内容は、注記29「株式報酬」に記載しています。
19 売上収益
当社は、地域別に「日本」、「米州」、「中国」、「アジア・欧州」の4つを報告セグメントとし、これらの地域にかかる売上収益を表示しています。
また、売上収益は二輪事業、四輪事業(シート、内装品)及びその他事業として事業別に分解しています。これらの分解した売上収益と各報告セグメントの売上収益との関連は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)セグメント間取引については相殺消去し、外部顧客への売上収益を表示しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)セグメント間取引については相殺消去し、外部顧客への売上収益を表示しています。
当グループは、二輪事業、四輪事業(シート、内装品)及びその他事業を有する製造業です。
当グループの主要な顧客である完成車メーカー等に対して計上される収益の履行義務は、当グループの製品が顧客に引き渡された時点で充足されるものであり、この時点で収益を認識しています。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き等を控除した金額で測定しています。
取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
契約残高は、以下のとおりです。
顧客との契約から生じた債権は、受取手形及び売掛金であり、契約負債は、主に顧客からの前受金に関連するものです。連結財政状態計算書において、顧客との契約から生じた債権は営業債権及びその他の債権に含まれており、契約負債はその他の流動負債に含まれています。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益について、期首時点で契約負債に含まれていた金額はそれぞれ、1,502百万円及び2,627百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
当グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
当グループにおいては、顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しています。
20 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価、販売費及び一般管理費の性質別内訳のうち、主要な費目は以下のとおりです。
21 その他の収益及びその他の費用
その他の収益の内訳は、以下のとおりです。
(注)1 前連結会計年度における受取補償金は、主に北米子会社の取引先において発生した火災により、代替部品の調達に要した追加費用に対する補償金610百万円です。
2 前連結会計年度におけるその他は、主にブラジル子会社において、ブラジル連邦最高裁判所にて決定された同国の企業が負担する社会負担金の算出方法見直しを受け、過払いとなっていた税金896百万円を収益として計上したものです。
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
(注)1 当連結会計年度における減損損失の内容は、注記12「減損損失」に記載しています。
2 前連結会計年度における災害による損失は、主に北米子会社の取引先において発生した火災により、代替部品の調達に要した追加費用580百万円です。
22 金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 受取利息は、償却原価で測定する金融資産に係るものです。
2 受取配当金は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係るものです。
金融費用の内訳は、以下のとおりです。
23 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び算定上の基礎は、以下のとおりです。
なお、希薄化効果を有する潜在的普通株式はありません。
24 その他の包括利益
その他の包括利益の各項目の内訳は、以下のとおりです。
25 配当金
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 配当金支払額
(注) 連結持分変動計算書の配当は、配当金の総額から、持分法適用会社が保有する当社株式に係る配当を
控除しています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(1) 配当金支払額
(注) 連結持分変動計算書の配当は、配当金の総額から、持分法適用会社が保有する当社株式に係る配当を
控除しています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
26 財務活動に係る負債の調整表
財務活動に係る負債の調整表は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
27 非資金取引
重要な非資金取引の内容は以下のとおりです。
28 子会社及び関連会社等
(1) 企業集団の構成
「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
当社の連結子会社である総和産業株式会社は、当連結会計年度において株式会社テック東栄を吸収合併しています。これにより、株式会社テック東栄を当連結会計年度より連結の範囲から除外しています。また、総和産業株式会社は、テイ・エス パーツ アンド サービス株式会社に社名変更しています。
当社の連結子会社であるTS TECH Hungary Kft.の解散に伴い、当連結会計年度より連結の範囲から除外しています。
(2) 子会社に関する事項
重要性のある非支配持分を有している子会社に関する事項は、以下のとおりです。
広州提愛思汽車内飾系統有限公司
武漢提愛思全興汽車零部件有限公司
(3) 関連会社に関する事項
当グループは個々に重要な関連会社を有していません。なお、個々に重要性のない関連会社に関する事項は、以下のとおりです。
29 株式報酬
(1)取締役及び執行役員向け譲渡制限付株式報酬制度
① 制度の概要
当社は、当社の取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。以下、「対象取締役」という。)及び当社の取締役を兼務しない執行役員(以下、対象取締役とあわせて「対象取締役等」という。)を対象に、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆さまとの一層の価値共有を進めることを目的として、譲渡制限付株式報酬制度(以下、「本制度」という。)を導入しています。
本制度において、対象取締役等は、当社から支給された金銭債権の全部を現物出資財産として払い込み、当社の普通株式について発行または処分を受けます。
また、本制度による当社の普通株式(以下、「本株式」という。)の発行または処分に当たっては、当社と対象取締役等との間において、(ⅰ)対象取締役等が任期満了または定年その他正当な事由により退任または退職するまでの期間(以下、「譲渡制限期間」という。)、本株式に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他一切の処分を禁止すること、(ⅱ)一定の事由が生じた場合には、当社が本株式を無償取得することなどをその内容に含む、譲渡制限付株式割当契約を締結しています。
② 期中に付与した株数及び公正価値
期中に付与した株数及び公正価値は、以下のとおりです。
(注) 1 公正価値の測定方法は、付与日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値を基礎
として算定しています。
2 上記は、辞任により退任した取締役等に対して付与された株式も含めて記載しています。
③ 連結損益計算書に費用として認識した金額
株式に基づく報酬に関して費用として認識した金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 株式に基づく報酬に係る費用は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。また、費用に対応する資本の増加は、「資本剰余金」に含まれています。
(2) 従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度
① 制度の概要
当社は、設立60周年に際し、当社従業員への福利厚生の増進策としてテイ・エス テック従業員持株会(以下、「本持株会」という。)向け譲渡制限付株式インセンティブ制度(以下、「本制度」という。)を導入しています。
本制度は、本持株会に加入資格のある当社従業員(以下、「対象従業員」という。)に対し、譲渡制限付株式付与のための特別奨励金として、金銭債権(以下、「本特別奨励金」という。)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行または処分を受けることとなります。
また、当社及び本持株会は、本制度による当社普通株式の発行または処分に当たっては、(ⅰ)一定期間(2021年3月26日から2024年3月25日まで)、割当てを受けた株式に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他の処分を禁止すること(以下、「譲渡制限」という。)、(ⅱ)対象従業員が譲渡制限期間中、継続して、本持株会の会員であったことを条件として、当該条件を充足した対象従業員の有する譲渡制限付株式持分に応じた数の本割当株式の全部について、譲渡制限期間が満了した時点で、譲渡制限を解除すること、(ⅲ)対象従業員の自己都合による退職の場合など、一定の事由が生じた場合には、対象従業員の有する譲渡制限付株式持分に応じた数の本割当株式の一部または全部を当社が無償取得することなどをその内容に含む、譲渡制限付株式割当契約を締結しています。
② 期中に付与した株数及び公正価値
前連結会計年度及び当連結会計年度において、期中に付与した株式はありません。
③ 連結損益計算書に費用として認識した金額
株式に基づく報酬に関して費用として認識した金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 株式に基づく報酬に係る費用は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。また、費用に対応する資本の増加は、「資本剰余金」に含まれています。
30 金融商品
(1) 金融商品から生じるリスクの内容及び程度
① 金融商品に対する取組方針及びリスク管理方針
当グループにおける金融商品から生じるリスクについては、信用リスク、市場リスク、流動性リスクに晒されていますが、当該リスクの影響を回避または低減するために、一定の方針に基づくリスク管理を行っています。
資金運用については、元本保証を前提とした定期預金またはそれに準ずる金融商品を基本とし、また、資金調達については、自己資金で賄うことを基本としつつ必要に応じて銀行借入等による方針を採用しています。
デリバティブ取引は、将来の為替変動によるリスク回避を目的としており、投機的な取引は行わない方針を採用しています。
② 信用リスク
(取引先の契約不履行等に係るリスク)
営業債権及びその他の債権等保有する金融資産は、顧客等の信用リスクに晒されています。
当該リスクについては、与信管理規程に従い、顧客ごとの与信限度額を超えていないかを定期的にモニタリングするとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。
なお、営業債権及びその他の債権等は、その多くが本田技研工業株式会社とそのグループ会社に対するものですが、その信用力は高く信用リスクへの影響は軽微です。
デリバティブ取引の利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っています。
連結財政状態計算書に計上されている減損損失控除後の金融資産の帳簿価額は、信用リスクに対する最大エクスポージャーとなります。
③ 市場リスク
(為替の変動リスク)
当グループは、グローバルに事業を展開していることから外貨建の取引を行っており、損益及びキャッシュ・フロー等が為替変動の影響を受けるリスクに晒されています。
当該リスクを回避するために、外貨建の営業債権債務については、先物為替予約をデリバティブ取引として利用しています。
デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限等を定めた社内ルールに従い、資金担当部門が決裁担当者の承認を得て行っています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に保有する金融商品について、日本円が米ドルまたは中国元に対して1%円高になった場合の税引前利益に与える影響は、以下のとおりです。
(注) 米ドルまたは中国元と日本円の為替レート以外の変数が一定であることを前提としています。
(資本性金融商品の価格変動リスク)
当グループは、業務上の関係を有する企業の上場株式等の資本性金融商品を保有しており、その市場価格の変動リスクに晒されています。
当該リスクについては、公正価値や投資先の財務状況等を定期的に把握し、保有状況を継続的に見直すことにより管理しています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に保有する資本性金融商品について、市場価格が1%減価した場合のその他の包括利益に与える影響は、以下のとおりです。
(注) 市場価格以外の変数が一定であることを前提としています。
④ 流動性リスク
(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)
当グループは、必要な資金を主に自己資金で賄っていますが、資金調達環境の悪化等により支払期日にその支払いを実行できなくなる流動性リスクに晒されています。
当該リスクについては、各部署からの報告に基づき、当社経理部が適時に資金繰計画を作成・更新することで流動性リスクを管理しています。
(2) 公正価値測定
公正価値は、その測定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて次の3つに分類しています。
レベル1:同一の資産又は負債についての活発な市場における公表価格
レベル2:レベル1に属さない、直接的又は間接的に観察可能なインプット
レベル3:観察不能な価格を含むインプット
当連結会計年度において、レベル1、2、及び3の間の振替えはありません。
① 公正価値の算定方法
(資本性金融商品)
主に上場株式であり、取引所の価格に基づき算定しています。
(デリバティブ資産及びデリバティブ負債)
先物為替予約の評価額であり、外国為替相場等の観察可能なインプットに基づき算定しています。
(長期貸付金)
将来キャッシュ・フローを国債の利回り等適切な指標に信用スプレッドを上乗せした利率で割り引いた現在価値により算定しています。
(上記以外の金融商品)
償却原価で測定していますが、測定した帳簿価額と公正価値が近似しているため、注記を省略しています。
② 金融商品の帳簿価額と公正価値
(経常的に公正価値で測定する金融商品)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(償却原価で測定する金融商品)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(3) 金融資産と金融負債の相殺
同一取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債の相殺に関する情報は、以下のとおりです。
31 リース取引
(1) 借手としてのリース取引
当グループは、主に土地、建物等の不動産や金型をリースにより賃借しています。当グループにおいては、各社がリース管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっています。延長オプションは、主に土地及び建物に係る不動産リースに含まれており、その多くは、1年間ないし原契約と同期間にわたる延長オプション、また、6ヶ月前までに相手方に書面をもって通知した場合に早期解約を行うオプションとなっています。なお、これらのオプションは、リース契約主体が不動産を事業に活用する上で、必要に応じて使用されています。
① リース契約に係る費用及びキャッシュ・フロー
リース契約に係る費用及びキャッシュ・アウトフローは、以下のとおりです。
(注)1 使用権資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれてい
ます。
2 短期リース及び少額資産のリースに係る費用は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管
理費」に含まれています。
② 有形固定資産の帳簿価額に含まれる使用権資産
有形固定資産の帳簿価額に含まれる使用権資産の帳簿価額及び増加額は、以下のとおりです。
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額はそれぞれ、114百万円及び2,671百万円です。
③ リース負債の期日別残高
リース負債の期日別残高は、以下のとおりです。
(注)リース負債の残高は、連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。
(2) 貸手としてのリース取引
当グループは、主に金型をファイナンス・リースにより賃貸しています。
① リース債権の期日別残高
リース債権の期日別残高は、以下のとおりです。
(注)リース債権の残高は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含まれています。
32 関連当事者
(1) 提出会社と関連当事者との取引
提出会社と関連当事者との間の取引及び債権債務の残高は、以下のとおりです。
取引金額は得意先から仕入れた部品・原材料を控除した金額です。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)1 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品の販売については、個別に見積書を提出し価格交渉の上、決定しています。
2 リース債権
リース債権の未決済残高は、当社製品の販売に含まれる金型代金をファイナンス・リースとして処理したものです。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)1 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品の販売については、個別に見積書を提出し価格交渉の上、決定しています。
2 リース債権
リース債権の未決済残高は、当社製品の販売に含まれる金型代金をファイナンス・リースとして処理したものです。
3 自己株式の取得
自己株式の取得は、2024年5月10日開催の取締役会において決議され、2024年5月13日から2024年6月10日に実施された自己株式の公開買付けによるものです。
(2) 提出会社の連結子会社と関連当事者との取引
提出会社の連結子会社と関連当事者との間の取引及び債権債務の残高は、以下のとおりです。
取引金額は得意先から仕入れた部品・原材料を控除した金額です。
① TS TECH USA CORPORATION
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品の販売については、個別に見積書を提出し価格交渉の上、決定しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品の販売については、個別に見積書を提出し価格交渉の上、決定しています。
② TS TECH ALABAMA, LLC.
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品の販売については、個別に見積書を提出し価格交渉の上、決定しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品の販売については、個別に見積書を提出し価格交渉の上、決定しています。
③ TS TECH CANADA INC.
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品の販売については、個別に見積書を提出し価格交渉の上、決定しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
製品の販売については、個別に見積書を提出し価格交渉の上、決定しています。
(3) 主要な経営幹部に対する報酬
当社の取締役(監査等委員含む)に対する報酬は、以下のとおりです。
33 偶発事象
従業員の金融機関からの借入債務に対して、債務保証を行っています。保証金額は、以下のとおりです。
34 後発事象
当社は、2025年5月14日開催の取締役会において、下記のとおり、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項について決議するとともに、会社法第178条の規定に基づき、自己株式消却に係る事項を決議いたしました。
① 自己株式の取得及び消却を行う理由
株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けており、第15次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期。以下「第15次中期」)においては、株主還元の基本方針を「業績に左右されない、継続的かつ安定的な還元の実施」と定めております。
上記方針の中で、一層の株主還元に向けた方策として掲げている、「第15次中期累計200億円規模の機動的な自己株式取得と適切な消却」に基づき、実施を判断いたしました。
② 取得に係る事項の内容
③ 自己株式消却に係る事項の内容