第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言などにより経済活動が停滞しました。消費活動の制限・自粛により個人消費は減少したものの、国内外の景気回復基調に伴い企業収益は第4四半期以降、持ち直しの動きがみられました。当社インダストリアル機器部門に関連する住宅市場は、前年に対して新設住宅着工戸数全体では減少が続きましたが、持家の着工戸数は11月以降増加となっています。海外経済は、米国は個人消費の堅調な推移や設備投資の増加などにより急速に回復しているものの、欧州は感染再拡大を受けて経済活動が抑制されました。

 

1 経営方針

当社は、お客様が支持する存在であり続けることで、事業のさらなる成長と企業価値の向上を目指しております。当社の経営理念として、社是を次のように定めております。

 

一、良い製品を責任をもって供給する

一、全従業員の生活の向上と人材の養成に努める

一、社会に奉仕し、文化に貢献する堅実な前進を期する

 

また、当社は、人が尊重され、人が成長することにより、会社も成長すると考えており、社是の実現に向けた経営基本姿勢を次のように定めております。

 

いきいきと楽しく力を合わせ、皆揃って成長していく集団を目指す

1.ガラス張りの経営に徹する

2.全員参画の経営に徹する

3.成果配分の経営に徹する

 

2 経営環境及び対処すべき課題等

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大の収束が見えず、世界経済の混乱が続いている状況を踏まえると、当社グループの関連する市場を含め、先行きは不透明な状況が続くものと思われます。こうした事業環境下において、当社グループは「お客様が支持する存在であり続ける」という経営方針を掲げ、事業活動を通してこれを具現化することで「持続的な企業価値の向上」を図ってまいります。

また、次なる飛躍に向けて「失敗を恐れず、試すことで学び成長する」も経営方針に掲げました。この一年で世界の経済環境は一変しましたが、当社の仕事の進め方を見直す機会にもなりました。この経済環境の変化をチャンスと捉え、当社の持続的成長に向け、役員・社員一丸となって挑戦してまいります。

達成に向けた課題は、以下に掲げるとおりであります。

 

 ①海外でのインダストリアル機器の成長:鉄筋結束機事業、AF(農業・食品)事業

(鉄筋結束機事業)

「TWINTIER(ツインタイア)」の発売以来、急速に事業拡大を続けておりますが、さらなる成長を目指し、重点的にリソースの投入を行います。

営業インフラ投資として営業拠点の増設や人員の増員により販売ボリューム拡大、未開拓エリアでの市場探索により成長のスピードアップを目指してまいります。

また、欧米の主要国でディーラー網を拡充するとともに、セールスをレベルアップさせることで戦力化を進め、販売チャネルの強化を図ります。

(AF事業)

環境保全や農業の生産性向上は、世界的に解決すべきテーマです。AF事業では、食品包装市場での「コニクリッパ」、農業市場での誘引結束機「テープナー」それぞれの消耗品において、環境・社会課題の解決に貢献しながら、世界市場での事業拡大を目指します。

 

 ②国内のビジネスモデルの変革:ICT投資とストックビジネスへのシフト

国内では、ICT投資により営業のデジタル化を進め、ビジネスモデルの変革と営業活動の効率化を支え、ストックビジネスを強化します。

住環境機器事業の浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」では、累計販売台数670万台のストックを活用し、新規販売ルートの探索や登録ユーザーへのアプローチを実施します。

国内オフィス事業のビーポップ、食品表示用ラベルプリンタなど文字表示事業では、ユーザーにとって有用な情報を提供するなど満足度を高める施策により、1ユーザー当たりの使用量等の拡大を目指します。

国内機工品事業では、新設住宅着工戸数の減少トレンドを踏まえ、土木市場など新規市場の開拓を進め、鉄筋結束機などのコンクリート構造物向け工具の販売拡大を目指します。

 

 ③新規事業の創出:業績拡大につなげる製品の創出

新製品投入を市場開拓型、ラインナップ拡充型、モデルチェンジ型にわけ、投入の可否を判断することにしました。

市場開拓型の新製品は、未知の領域に挑戦し、挑戦からの学びを促すよう、「将来」を重視して投入の可否を判断します。長期的には、新規事業の創出を戦略的にマネジメントできるよう、新製品における型別の最適投入比率を模索してまいります。

 

 ④経営基盤の強化

 新型コロナウイルス感染症の影響により、事業環境はもとより人々のライフスタイルやワークスタイルなど、当社グループを取り巻く市場環境が一変しました。このような事から当社グループは、「デジタル技術活用による業務生産性の改善」を進め、「健康で働きやすい企業の実現」を目指します。

また、ESG及びブランド力の強化を図り、経営基盤をさらに強化し、中長期での企業価値向上を目指してまいります。

 

 ⑤「環境保全」への対応

環境に配慮した製品とサービスの提供は、マックスが目指す顧客価値創出の原点であり、社是に掲げる「良い製品を責任をもって供給する」ことの実践そのものです。
 当社グループの企業活動すべてに関わる環境保全取り組みにおける行動の基準として環境方針を定め、環境に優しいもの作りに取り組み、事業と環境の調和を目指します。
 当社グループは、群馬県(玉村、藤岡、高崎、吉井、倉賀野)、茨城県(常磐)の国内全製造拠点、および中国(深圳)、マレーシア、タイの海外工場でISO14001の認証を取得しています。

 

3 目標とする経営指標

 目標とする経営指標は、以下のとおりです。

                                        (単位:百万円、%)

 

当期実績

翌期計画

中期経営計画

2021年3月期

2022年3月期

2024年3月期

実績

増減率

計画

増減率

計画

2022-24/3

平均伸長率

売上高

64,029

△8.1

67,400

+5.3

72,900

+4.0

営業利益

6,685

△11.9

7,100

+6.2

9,000

+12.6

経常利益

6,826

△7.8

7,100

+4.0

9,100

+13.2

親会社株主に帰属する

当期純利益

5,153

△6.5

5,250

+1.9

7,000

+15.5

売上高営業利益率

10.4

△0.5ポイント

10.5

+0.1ポイント

12.3

ROE

6.7

△0.7ポイント

6.6

△0.1ポイント

8.0

 

 

 また、セグメントごとの計画は以下のとおりです。

(単位:百万円、%)

 

2021年3月期
実績

2022年3月期

計画

増減率

2024年3月期

中期経営計画

2022-24/3

平均伸長率

オフィス機器部門

 売上高

17,061

19,000

+11.4

19,500

+1.3

 セグメント利益

2,738

3,400

+24.1

3,550

+2.2

 セグメント利益率

16.1

17.9

+1.8ポイント

18.2

インダストリアル機器部門

 売上高

44,300

45,650

+3.0

50,200

+4.9

 セグメント利益

6,652

6,750

+1.5

8,450

+11.9

 セグメント利益率

15.0

14.8

△0.2ポイント

16.8

HCR機器部門

 売上高

2,667

2,750

+3.1

3,200

+7.9

 セグメント利益

36

50

+36.4

200

+100.0

 セグメント利益率

1.4

1.8

+0.4ポイント

6.3

セグメント利益の

調整額

△2,741

△3,100

△3,200

全社 売上高

64,029

67,400

+5.3

72,900

+4.0

全社 営業利益

6,685

7,100

+6.2

9,000

+12.6

全社 営業利益率

10.4

10.5

+0.1ポイント

12.3

 

 

4 今後の見通し

当社グループを取り巻く事業環境に目を向けると、新設住宅着工戸数の減少による市場縮小や事務作業のIT化と在宅勤務の定着によるペーパーレス化が続くことが想定されます。また、新型コロナウイルス感染症による世界経済の停滞など、先行き不透明な状況が続く見通しです。

2022年3月期の売上高は67,400百万円(前期比+5.3%)、営業利益は7,100百万円(同+6.2%)、経常利益は7,100百万円(同+4.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,250百万円(同+1.9%)を計画しております。

また、3ヶ年の中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の売上高は72,900百万円、営業利益は9,000百万円、経常利益は9,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7,000百万円を計画しております。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①国内新設住宅着工戸数の動向

当社グループの事業のうち、インダストリアル機器事業の主要製品には、建築市場向けの釘打機、エアコンプレッサ等の空圧機械、充電工具、ステープル・ネイル・ねじ等の消耗品、浴室暖房換気乾燥機、24 時間換気システム等の住環境機器が含まれております。そのため、国内の新設住宅着工戸数の減少は、これらの製品の需要及びインダストリアル機器事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があり、増加は好影響を及ぼす可能性があります。

 

②為替レートの変動

当社グループにおける海外への売上、海外からの調達等の一部には、外貨建取引が含まれており、円換算時の為替レート変動により影響を受けております。

 

③原材料価格の変動

当社グループの製品のうち、ステープル・ネイル・ねじ及び鉄筋結束機用ワイヤ等の消耗品の原材料として普通線材を使用しております。その普通線材の価格が、鉄鉱石や石炭、石油などの原料不足や他国の需要動向により変動する可能性があります。当社グループでは、収益力の強化に継続して取組んでおりますが、急激な原材料価格の変動は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④製品品質に関わるもの

当社グループでは、製品の品質を重視しており、開発・生産におけるISO9001の認証取得など、品質管理、品質保証の体制を整備しておりますが、全ての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。製品の事故等が発生した場合は、顧客への告知及び製品の点検又は回収などの費用が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤情報の漏洩、情報システムの破壊・破損

当社グループでは、顧客情報の機密性や受注情報の可用性については、「情報セキュリティマネジメントシステ
ム(ISMS)」の認証取得(ISO/IEC27001を2004年4月27日に取得)などを通じ、情報セキュリティ維持向上を目指しております。また、情報セキュリティ基本方針を定めるなど、ISMSリスク対応計画を立案し、人的、組織的、物理的、技術的に顧客情報漏洩対策を実施しております。システムの破壊・破損に対しても、事業継続計画を策定し訓練を実施しておりますが、情報漏洩やシステム破壊・破損が発生した場合、事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥知的財産保護の限界

当社グループでは、他社と差別化した技術・ノウハウの蓄積やお客様のニーズに適合した製品開発等により、マックスブランドを通し、お客様の信頼を高めてきました。また、当社グループにおいて培った知的財産については、その重要性を認識し、保護手続をとっております。しかし、第三者による類似製品の製造を防止できない場合もあり、当社グループの市場競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。また、第三者所有の知的財産を侵害することのないよう細心の注意を払っておりますが、知的財産を侵害しているとされる可能性もあり、そのことにより事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦退職給付債務

当社グループにおける退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。また、割引率は日本の国債の市場利回りを考慮して設定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件を変更した場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。さらなる割引率の低下や運用利回りの悪化は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧カントリーリスク

事業展開地域の一部においては、予期しない法律や規制の変更など、経済的に不利な要因の存在または発生、テロ・戦争・その他の要因による社会的または政治的混乱などのリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来計画に影響を与える可能性があります。

 

  ⑨自然災害や感染症等

地震や台風、洪水等の自然災害や感染症等が想定を超える規模で発生した場合、販売拠点や生産拠点の資産に対する被害や従業員による業務体制維持が困難になるなど、事業に悪影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況ですが、当社グループではワークスタイル等の変革により生産・販売での影響を最小限に抑える取組みを進めております。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大によっては、今後の業績に更なる悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応については、各種事前対策を定めるとともに、状況に応じて臨機応変な対応に努めるなどリスク管理を行ってまいります。

また、「事業継続マネジメントシステム(BCMS)」の認証(ISO22301)を2016年3月25日に取得しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言などにより経済活動が停滞しました。消費活動の制限・自粛により個人消費は減少したものの、国内外の景気回復基調に伴い企業収益は第4四半期以降、持ち直しの動きがみられました。

当社インダストリアル機器部門に関連する住宅市場は、前年に対して新設住宅着工戸数全体では減少が続きましたが、持家の着工戸数は11月以降増加となっています。

海外経済は、米国は個人消費の堅調な推移や設備投資の増加などにより急速に回復しているものの、欧州は感染再拡大を受けて経済活動が抑制されました。

 

このような状況の下で、当連結会計年度の売上高は64,029百万円(前期比8.1%の減収)、営業利益は6,685百万円(同11.9%の減益)となりました。経常利益は、6,826百万円(同7.8%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,153百万円(同6.5%の減益)となりました。

                                         (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

64,029

69,671

△5,642

△8.1

営業利益

6,685

7,586

△900

△11.9

経常利益

6,826

7,405

△578

△7.8

親会社株主に帰属する当期純利益

5,153

5,510

△357

△6.5

1株当たり当期純利益

105.79円

112.66円

△6.87円

営業利益率

10.4

10.9

△0.5ポイント

ROE

6.7

7.4

△0.7ポイント

 

 

なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。

項目

金額

 売上為替差

△216百万円

 原価為替差

+253百万円

 数量減少

△2,718百万円

 売価増加

+493百万円

 原価減少

+385百万円

 販管費減少

+902百万円

 

 

 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,159百万円増加し、102,538百万円となりました。当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ435百万円増加し、23,842百万円となりました。当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2,724百万円増加し、78,696百万円となりました。

                                       (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前連結会計年度末比

増減額

増減率

総資産

102,538

99,378

+3,159

+3.2

純資産

78,696

75,972

+2,724

+3.6

自己資本比率

76.7

76.3

+0.4ポイント

 

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

(a)オフィス機器部門

「国内オフィス事業」は、文具関連製品や表示作成機「ビーポップ(Bepop)」の販売が減少しました。(売上高:7,452百万円、前年比△8.9%)

「海外オフィス事業」は、表示作成機「ビーポップ」は欧州でサイン需要による増加がみられたものの、東南アジアが中心の文具関連製品の販売が低調に推移しました。(売上高:3,926百万円、前年比△13.2%)

「オートステープラ事業」は、在宅勤務の拡大などによる取引先からの受注減により、機械・消耗品の販売が減少しました。(売上高5,683百万円、前年比△35.5%)

この結果、売上高は、17,061百万円で前連結会計年度に比べ4,453百万円(20.7%)の減収、営業利益は2,738百万円で前連結会計年度に比べ2,156百万円(44.1%)の減益となりました。

オフィス機器事業の資産は、680百万円増加し、19,465百万円となりました。

                                      (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

17,061

21,515

△4,453

△20.7

営業利益

2,738

4,895

△2,156

△44.1

営業利益率

16.1

22.8

△6.7ポイント

 

 

(b)インダストリアル機器部門

「国内機工品事業」は、鉄筋結束機「ツインタイア」の専用消耗品の販売が引き続き堅調に推移しましたが、国内新設住宅着工戸数の減少や、取引先への営業活動の停滞などが影響し、木造建築物向け工具の販売が減少しました。(売上高:18,764百万円、前年比△6.8%)

「海外機工品事業」は、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動に制限があるものの、欧米の鉄筋結束作業の現場は稼働しており、鉄筋結束機「ツインタイア」を中心にコンクリート構造物向け工具の販売が増加しました。(売上高:15,513百万円、前年比+7.9%)

「住環境機器事業」は、主力の浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」の販売は、国内新設住宅着工戸数の減少により、新築向けの販売が減少したものの、リフォーム・リプレイスのストック市場向けの販売は増加しました。換気システムの販売は前年のブランドチェンジの影響により減少しました。(売上高:10,021百万円、前年比△8.1%)

この結果、売上高は44,300百万円で前連結会計年度に比べ1,109百万円(2.4%)の減収、営業利益は6,652百万円で前連結会計年度に比べ1,198百万円(22.0%)の増益となりました。

インダストリアル機器事業の資産は、5,240百万円増加し、33,390百万円となりました。

 

 

 

 

 

                                      (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

44,300

45,409

△1,109

△2.4

営業利益

6,652

5,454

+1,198

+22.0

営業利益率

15.0

12.0

+3.0ポイント

 

 

(c)HCR機器部門

HCR機器部門は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業活動の制限により、売上は減少したものの、高付加価値車いすの販売が堅調に推移したことに加え、固定費も減少し、収益性が改善したことで、増益となりました。

この結果、売上高は2,667百万円で前連結会計年度に比べ79百万円(2.9%)の減収、営業利益は36百万円で前連結会計年度に比べ261百万円の改善となりました。

HCR機器事業の資産は、152百万円増加し、2,624百万円となりました。

                                      (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

2,667

2,746

△79

△2.9

営業利益

36

△224

+261

営業利益率

1.4

△8.2

+9.6ポイント

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。) の期末残高は、現金及び現金同等物の増減額が440百万円減少したことにより、21,421百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、8,798百万円(前連結会計年度は8,330百万円の増加)となりました。主な増加は税金等調整前当期純利益が7,032百万円、減価償却費が2,522百万円、売上債権の減少額が1,042百万円、一方で主な減少は、法人税等の支払額が2,112百万円です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、5,349百万円(前連結会計年度は5,986百万円の減少)となりました。主な減少は、有形固定資産の取得による支出が4,943百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が3,011百万円、一方で主な増加は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が2,848百万円です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、4,483百万円(前連結会計年度は2,411百万円の減少)となりました。主な減少は、配当金の支払額が2,248百万円、自己株式の取得による支出が1,976百万円です。

 

 

なお、新型コロナウイルス感染症の影響が不透明なため、今後のキャッシュ・フローにリスクがありますが、当社グループは流動比率が高く、有利子負債も少額であり、当面問題はないと考えております。但し、新型コロナウイルス感染症の状況とグループ全社の資金状況を注視してまいります。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

(a)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

オフィス機器

16,827

△21.9

インダストリアル機器

46,941

+13.3

HCR機器

2,650

△2.1

合計

66,419

+1.1

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(b)受注実績

当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(c)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

オフィス機器

17,061

△20.7

インダストリアル機器

44,300

△2.4

HCR機器

2,667

△2.9

合計

64,029

△8.1

 

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

1)貸倒引当金

当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

 

2)製品保証引当金

製品のアフターサービスの費用に備えるため、保証期間に従い過去の実績を基に将来の保証見込を計上しております。しかしながら、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。

 

 

3)退職給付関係

当社では、退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。

 

4)繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積り(過去における事業計画の達成状況など)に依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

5)固定資産の減損

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)売上高及び営業利益

当社グループの当連結会計年度の売上高は、64,029百万円で前連結会計年度に比べ5,642百万円(8.1%)の減収となりました。

当連結会計年度の営業利益は、6,685百万円で前連結会計年度に比べ900百万円(11.9%)の減益となりました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言などにより経済活動が停滞し、個人消費が落ち込んだことなどにより、すべてのセグメントで販売が減少したことなどによるものであります。

 

2)営業外損益及び経常利益

営業外損益は、前連結会計年度に比べ321百万円増加しました。これは、主に為替差損が前連結会計年度より317百万円減少したことによるものであります。この影響により、経常利益は6,826百万円で、前連結会計年度に比べ578百万円(7.8%)の減益にとどまりました。

 

3)特別損益、法人税等調整額及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、前連結会計年度に比べ297百万円減少しました。これは、前連結会計年度に投資有価証券売却益315百万円があったことによるものです。

特別損失は、前連結会計年度に比べ476百万円減少しました。これは、前連結会計年度に投資有価証券評価損を288百万円計上したことと、国内販売拠点の解体費用として固定資産廃棄損を212百万円計上したことによるものであります。

これらの影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は5,153百万円で前連結会計年度に比べ357百万円(6.5%)の減益となりました。

 

 ③財政状態の分析

1)資産の部

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ、3,159百万円増加し、102,538百万円となりました。流動資産については、受取手形及び売掛金が898百万円、現金及び預金が428百万円減少しましたが、有価証券が1,102百万円、商品及び製品が524百万円増加したことなどにより、309百万円増加しました。固定資産については、繰延税金資産が444百万円減少しましたが、建設仮勘定が3,063百万円、投資有価証券が270百万円増加したことなどにより、2,850百万円の増加となりました。

 

2)負債の部

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ、435百万円増加し、23,842百万円となりました。流動負債については、未払法人税等が276百万円減少しましたが、買掛金が424百万円、未払金が188百万円増加したことなどにより、236百万円増加しました。固定負債については、退職給付に係る負債が128百万円、リース債務が78百万円増加したことなどにより、198百万円増加しました。

 

3)純資産の部

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2,724百万円増加し、78,696百万円となりました。株主資本については、配当金の支払2,249百万円などがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が5,153百万円あったため、927百万円増加しました。

その他の包括利益累計額については、その他有価証券評価差額金が897百万円、為替換算調整勘定が776百万円、退職給付に係る調整累計額が126百万円増加したことなどにより、1,800百万円増加しました。

 

 ④経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 ⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

1)資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告・販売促進費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。

 

2)財務政策

 運転資金及び設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから得られる資金、金融機関からの借入れにより資金を調達しております。

 

3)投資政策

 当期の主な設備投資の内容は、吉井倉庫及び大阪支店新社屋等本社販売系で28億、国内の生産設備で15億円、タイ工場の生産能力増強で3億円、国内拠点など本社販売関連で2億円となりました。研究開発では、全セグメント共通の耐久試験室・計測器・分析設備の投資を行いました。

 

4)配当政策

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要政策のひとつとして位置づけ、事業の成長を図り、事業利益を追求することにより、業績に裏付けされた成果の配分を安定的に行うことを基本方針としております。

 2019年3月期より、連結決算を基準に「配当性向40%下限、純資産配当率3.0%を目指す」ことを配当方針としております。2021年3月期の配当は、前期より2円増配の48円としております。この結果当期は、配当性向が44.4%、純資産配当率が3.0%となっております。

 

5)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、メカニカル技術とエレクトロニクス技術を融合させた技術の展開と深耕を基本に推進しております。新製品開発の原点として「お客様の声」を的確に捉え、製品が使われる現場でのニーズやウォンツを、お客様の作業の現場をつぶさに観察し、分析することから始める現場主義実践を活動の基本としております。また、これに加えて世の中の先進的技術を複合化させる事で、変化する顧客ニーズに適合させ、創意工夫とオリジナリティに富んだ製品開発、技術研究に取組んでおります。

特に当連結会計年度は、オフィス機器事業の複写機内蔵用オートステープラ・文字表示機器・タイムレコーダ、インダストリアル機器事業の空圧工具・電動工具・結束工具/機器・住宅環境設備機器と、それらに伴う消耗品(ステープル・ネイル・結束ワイヤ・テープなど)の研究開発を推進すると共に、環境と安全対応としての製品アセスメントに積極的に取組み、環境に優しく安全な環境保全の製品化に努めました。徹底した現場主義、顧客主義に基づく顧客ニーズと先端技術動向を的確に捉えるなかで、研究、開発実用化を加速し、これらを基盤にオフィス機器事業・インダストリアル機器事業の新製品展開と、次世代を担う新事業の探索、研究に努めております。

また、開発生産性の面におきましては、3次元CAD/解析ソフトをはじめ無響室、大型環境試験室と各種計測実験装置、及び試作加工設備の拡充により、研究設計作業合理化を進め、3D設計/3Dモデル解析/3Dモデル造形・CAM加工・ハードウエア解析・技術ナレッジシステム活用での研究開発効率の向上を図っております。これらシステムの活用により、技術力の向上、製品設計品質の向上、開発期間の短縮に取組むと共に、今後も継続して固有技術の創出を加速させることによって競争優位の製品開発に取組み、事業の拡大と業績の向上につなげてまいります。

なお、当連結会計年度の研究開発費は、3,128百万円(オフィス機器事業947百万円、インダストリアル機器事業2,147百万円、HCR機器事業33百万円)であります。

なお、上記の金額には消費税等は含まれておりません。