第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中、個人消費など一部に足踏みがみられたものの、持ち直しの動きが続きました。当社インダストリアル機器部門に関連する住宅市場では、貸家や分譲住宅を中心として国内新設住宅着工戸数が前年に対して増加しました。

海外経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、回復基調が続きました。米国は設備投資がやや鈍化したものの、個人消費や住宅着工が緩やかに増加し、欧州は一部で厳しい状況が続いているものの、設備投資や生産などで持ち直しの動きがみられました。

一方で、世界的な原材料価格の高騰や物流コストの上昇、調達や供給面での制約などが、引き続き企業収益に大きな影響を与えました。

 

1 経営方針

当社は、お客様が支持する存在であり続けることで、事業のさらなる成長と企業価値の向上を目指しております。当社の経営理念として、社是を次のように定めております。

 

一、良い製品を責任をもって供給する

一、全従業員の生活の向上と人材の養成に努める

一、社会に奉仕し、文化に貢献する堅実な前進を期する

 

また、当社は、人が尊重され、人が成長することにより、会社も成長すると考えており、社是の実現に向けた経営基本姿勢を次のように定めております。

 

いきいきと楽しく力を合わせ、皆揃って成長していく集団を目指す

1.ガラス張りの経営に徹する

2.全員参画の経営に徹する

3.成果配分の経営に徹する

 

当社の使命は、当社の持てる能力や技術を最大限発揮し、お客様や社会が求める良い製品を創り出し継続的に供給することです。この使命を果たすことを通じ社会の持続性への貢献と堅実に存在し続ける企業の実現を目指しております。

このたび当社は、サステナビリティに関する基本方針を以下のように定めました。

(サステナビリティに関する基本方針)

マックスは事業の成長を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。

人を尊重し、多様な人の能力を引き出し、人を活かします。

継続的に人と技術に投資し、新しいモノ・コトを創造します。

人にやさしく環境に配慮した製品・サービスを世界中の人々に届けます。

成果は公正・適正に分配します。

ステークホルダーと適切に対話を行うとともに、ガバナンスを高め続けます。

 

2 中期経営計画

新型コロナウイルス感染症の拡大等によって世界経済は不透明な状況が続いておりますが、当期は鉄筋結束機事業の大幅伸長により、過去最高の売上高、経常利益及び当期純利益を達成することができました。

更なる高みを目指すべく、「失敗を恐れず、試すことで学び成長する」ことを経営方針に掲げて、鉄筋結束機事業を成長ドライバーとして、売上高及び各利益につき過去最高の更新を狙い、中期経営計画を修正しました。

中期経営計画の基本戦略は、以下に掲げるとおりであります。

 

 ①インダストリアル機器の海外事業の成長:鉄筋結束機事業

鉄筋結束機事業は「TWINTIER(ツインタイア)」の発売以来、成長を続けております。鉄筋結束機事業を含むコンクリート構造物向け工具の当期売上高は229億円となり、当期期初の2024年3月期計画220億円を2期前倒しで達成したため、2024年3月期の売上高計画を280億円へ上方修正いたします。計画の達成に向け販売網の更なる強化とタイ新工場の稼働に向けた活動などを実践してまいります。

 

 ②国内のビジネスモデルの変革による収益性の維持・向上

国内オフィス事業のビーポップ、食品表示用ラベルプリンタなど文字表示事業では、ICT活用による顧客接点の強化及び営業活動の生産性向上により、収益性を維持します。

国内機工品事業では、鉄筋結束機事業での土木市場の開拓などを進めます。

住環境機器事業の浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」では、リフォーム・リプレイスのストックビジネス拡大と工事体制の拡充を進めます。

HCR事業は、中国工場の生産性改善と高付加価値車いすの拡販などを進め、収益性の向上を図ってまいります。

 

 ③コスト増への対応

原材料価格の高騰や輸送費の上昇など、事業環境の変化に対し、当期は売価見直しを実施してまいりました。次期以降も状況に応じて売価の見直しを適宜実施してまいります。

 

 ④新規事業の創出

新規事業の創出に向け、中長期的な研究開発投資や国内外の開拓営業への投資を行ってまいります。また、新製品投入においては、業績拡大につなげる製品の創出を促すことを目的に市場開拓型、ラインナップ拡充型、モデルチェンジ型にわけ、投入の可否を判断することにしました。

市場開拓型の新製品は、未知の領域に挑戦し、挑戦からの学びを促すよう、「将来」を重視して投入の可否を判断します。長期的には、新規事業の創出を戦略的にマネジメントできるよう、新製品における型別の最適投入比率を模索してまいります。

 

 ⑤経営基盤の強化

新型コロナウイルスの影響により、事業環境はもとより人々のライフスタイルやワークスタイルなど、当社グループを取り巻く市場環境は一変しました。このような事から当社グループは、「デジタル技術活用による業務生産性の改善」を進め、「健康で働きやすい企業の実現」を目指します。

また、ESGへの取り組み及びブランド力の強化を図り、経営基盤をさらに強化し、中長期での企業価値向上を目指してまいります。

 

 

3 目標とする経営指標

 目標とする経営指標は、以下のとおりです。

                                        (単位:百万円、%)

 

当期実績

翌期計画

中期経営計画

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

実績

増減率

計画

増減率

計画

増減率

売上高

73,958

+15.5

78,100

+5.6

81,000

+3.7

営業利益

7,498

+12.2

8,200

+9.3

9,400

+14.6

経常利益

8,282

+21.3

8,200

△1.0

9,400

+14.6

親会社株主に帰属する

当期純利益

6,090

+18.2

6,000

△1.5

7,000

+16.7

売上高営業利益率

10.1

△0.3ポイント

10.5

+0.4ポイント

11.6

+1.1ポイント

ROE

7.5

+0.8ポイント

7.2

△0.3ポイント

8.1

+0.9ポイント

 

 

 また、セグメントごとの計画は以下のとおりです。

(単位:百万円、%)

 

2022年3月期
実績

2023年3月期

計画

増減率

2024年3月期

中期経営計画

増減率

オフィス機器部門

 売上高

18,513

19,200

+3.7

19,700

+2.6

 セグメント利益

3,034

3,280

+8.1

3,410

+4.0

 セグメント利益率

16.4

17.1

+0.7ポイント

17.3

+0.2ポイント

インダストリアル機器部門

 売上高

52,569

55,720

+6.0

58,100

+4.3

 セグメント利益

7,739

8,650

+11.8

9,620

+11.2

 セグメント利益率

14.7

15.5

+0.8ポイント

16.6

+1.1ポイント

HCR機器部門

 売上高

2,875

3,180

10.6

3,200

+0.6

 セグメント利益

△126

0

100

 セグメント利益率

△4.4

0.0

+4.4ポイント

3.1

+3.1ポイント

セグメント利益の

調整額

△3,148

△3,730

△3,730

全社 売上高

73,958

78,100

+5.6

81,000

+3.7

全社 営業利益

7,498

8,200

+9.3

9,400

+14.6

全社 営業利益率

10.1

10.5

+0.4ポイント

11.6

+1.1ポイント

 

 

4 今後の見通し

当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限が緩和され、景気は緩やかな回復基調に向かうことが想定されるものの、世界的な原材料価格の高騰や輸送費の上昇、ロシア・ウクライナ紛争の影響など、依然として予断を許さない状況です。

2023年3月期の売上高は78,100百万円(前期比+5.6%)、営業利益は8,200百万円(同+9.3%)、経常利益は8,200百万円(同△1.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,000百万円(同△1.5%)を計画しております。

また、3ヶ年の中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の売上高は81,000百万円、営業利益は9,400百万円、経常利益は9,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7,000百万円を計画しております。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①国内新設住宅着工戸数の動向

当社グループの事業のうち、インダストリアル機器事業の主要製品には、建築市場向けの釘打機、エアコンプレッサ等の空圧機械、充電工具、ステープル・ネイル・ねじ等の消耗品、浴室暖房換気乾燥機、24 時間換気システム等の住環境機器が含まれております。そのため、国内の新設住宅着工戸数の減少は、これらの製品の需要及びインダストリアル機器事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があり、増加は好影響を及ぼす可能性があります。

 

②為替レートの変動

当社グループにおける海外への売上、海外からの調達等の一部には、外貨建取引が含まれています。外貨建の売上と調達を相殺することにより影響を軽減しておりますが、急激な為替レート変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③原材料価格の変動

当社グループの製品のうち、ステープル・ネイル・ねじ及び鉄筋結束機用ワイヤ等の消耗品の原材料として普通線材を使用しております。その普通線材の価格が、鉄鉱石や石炭、石油などの原料不足や他国の需要動向により変動する可能性があります。当社グループでは、収益力の強化に継続して取組んでおりますが、急激な原材料価格の変動は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④製品品質に関わるもの

当社グループでは、製品の品質を重視しており、開発・生産におけるISO9001の認証取得など、品質管理、品質保証の体制を整備しておりますが、全ての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。製品の事故等が発生した場合は、顧客への告知及び製品の点検又は回収などの費用が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤情報の漏洩、情報システムの破壊・破損

当社グループでは、顧客情報の機密性や受注情報の可用性については、「情報セキュリティマネジメントシステ
ム(ISMS)」の認証取得(ISO/IEC27001を2004年4月27日に取得)などを通じ、情報セキュリティ維持向上を目指しております。また、情報セキュリティ基本方針を定めるなど、ISMSリスク対応計画を立案し、人的、組織的、物理的、技術的に顧客情報漏洩対策を実施しております。システムの破壊・破損に対しても、事業継続計画を策定し訓練を実施しておりますが、情報漏洩やシステム破壊・破損が発生した場合、事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥知的財産保護の限界

当社グループでは、他社と差別化した技術・ノウハウの蓄積やお客様のニーズに適合した製品開発等により、マックスブランドを通し、お客様の信頼を高めてきました。また、当社グループにおいて培った知的財産については、その重要性を認識し、保護手続をとっております。しかし、第三者による類似製品の製造を防止できない場合もあり、当社グループの市場競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。また、第三者所有の知的財産を侵害することのないよう細心の注意を払っておりますが、知的財産を侵害しているとされる可能性もあり、そのことにより事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦退職給付債務

当社グループにおける退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。また、割引率は日本の国債の市場利回りを考慮して設定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件を変更した場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。さらなる割引率の低下や運用利回りの悪化は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧カントリーリスク

事業展開地域の一部においては、予期しない法律や規制の変更など、経済的に不利な要因の存在または発生、テロ・戦争・その他の要因による社会的または政治的混乱などのリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来計画に影響を与える可能性があります。

 

  ⑨自然災害や感染症等

地震や台風、洪水等の自然災害や感染症等が想定を超える規模で発生した場合、販売拠点や生産拠点の資産に対する被害や従業員による業務体制維持が困難になるなど、事業に悪影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況ですが、当社グループではワークスタイル等の変革により生産・販売での影響を最小限に抑える取組みを進めております。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大によっては、今後の業績に更なる悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応については、各種事前対策を定めるとともに、状況に応じて臨機応変な対応に努めるなどリスク管理を行ってまいります。

また、「事業継続マネジメントシステム(BCMS)」の認証(ISO22301)を2016年3月25日に取得しており、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に関する情報の開示に向けて準備を進めています。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中、個人消費など一部に足踏みがみられたものの、持ち直しの動きが続きました。当社インダストリアル機器部門に関連する住宅市場では、貸家や分譲住宅を中心として国内新設住宅着工戸数が前年に対して増加しました。

海外経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、回復基調が続きました。米国は設備投資がやや鈍化したものの、個人消費や住宅着工が緩やかに増加し、欧州は一部で厳しい状況が続いているものの、設備投資や生産などで持ち直しの動きがみられました。

一方で、世界的な原材料価格の高騰や物流コストの上昇、調達や供給面での制約などが、引き続き企業収益に大きな影響を与えました。

 

このような状況の下で、当連結会計年度の売上高は73,958百万円(前期比15.5%の増収)、営業利益は7,498百万円(同12.2%の増益)となりました。経常利益は、8,282百万円(同21.3%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,090百万円(同18.2%の増益)となりました。

                                         (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

73,958

64,029

+9,928

+15.5

営業利益

7,498

6,685

+813

+12.2

経常利益

8,282

6,826

+1,455

+21.3

親会社株主に帰属する当期純利益

6,090

5,153

+937

+18.2

1株当たり当期純利益

128.39円

105.79円

+22.60円

営業利益率

10.1

10.4

△0.3ポイント

ROE

7.5

6.7

+0.8ポイント

 

 

なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。

項目

金額

 売上為替差

+1,779百万円

 原価為替差

△1,473百万円

 数量増加

+4,292百万円

 売価増加

+893百万円

 原価増加

△1,428百万円

 販管費増加

△3,251百万円

 

 

 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ6,504百万円増加し、109,043百万円となりました。当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2,065百万円増加し、25,907百万円となりました。当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ4,439百万円増加し、83,136百万円となりました。

                                       (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前連結会計年度末比

増減額

増減率

総資産

109,043

102,538

+6,504

+6.3

純資産

83,136

78,696

+4,439

+5.6

自己資本比率

76.1

76.7

△0.6ポイント

 

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

(a)オフィス機器部門

「国内オフィス事業」は、文具関連製品の販売が減少したことに加え、第4四半期には電子部品不足の影響により文字表示機器の販売が鈍化しました。(売上高:7,284百万円、前年比△2.3%)

「海外オフィス事業」は、欧州において営業活動が一部制限された影響で表示作成機「ビーポップ」の販売が停滞したものの、東南アジアで文具関連製品の販売が増加したほか、中国でチューブマーカー「レタツイン」の販売が好調に推移しました。(売上高:4,644百万円、前年比+18.3%)

「オートステープラ事業」は、オフィス稼働率の緩やかな回復により、機械・消耗品の販売が増加しました。

(売上高:6,584百万円、前年比+15.9%)

この結果、売上高は、18,513百万円で前連結会計年度に比べ1,451百万円(8.5%)の増収、営業利益は3,034百万円で前連結会計年度に比べ295百万円(10.8%)の増益となりました。

オフィス機器事業の資産は、2,659百万円増加し、22,125百万円となりました。

                                      (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

18,513

17,061

+1,451

+8.5

営業利益

3,034

2,738

+295

+10.8

営業利益率

16.4

16.1

+0.3ポイント

 

 

(b)インダストリアル機器部門

「国内機工品事業」は、国内の新設住宅着工戸数の前年に対する堅調な推移を背景に、木造建築物向け工具の消耗品の販売が増加したほか、鉄筋結束機「ツインタイア」の専用消耗品の販売が伸長しました。

(売上高:19,640百万円、前年比+4.7%)

「海外機工品事業」は米国での建設支出額や住宅着工戸数の増加、欧州におけるインフラ需要の拡大など好調な市況を背景として、鉄筋結束機「ツインタイア」及びその専用消耗品の販売が大きく伸長したほか、木造建築物向け工具の販売が増加しました。(売上高:22,590百万円、前年比+45.6%)

「住環境機器事業」は、主力の浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」の販売がリフォーム・リプレイスのストック市場と新築住宅市場でともに伸長しました。

(売上高:10,338百万円、前年比+3.2%)

この結果、売上高は52,569百万円で前連結会計年度に比べ8,269百万円(18.7%)の増収、営業利益は7,739百万円で前連結会計年度に比べ1,087百万円(16.3%)の増益となりました。

インダストリアル機器事業の資産は、8,133百万円増加し、41,523百万円となりました。

 

 

 

 

 

                                      (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

52,569

44,300

+8,269

+18.7

営業利益

7,739

6,652

+1,087

+16.3

営業利益率

14.7

15.0

△0.3ポイント

 

 

(c)HCR機器部門

HCR機器部門は、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部で営業活動の制限を受けたものの、病院・施設向け販売、レンタル卸向け販売が堅調に推移したことで増収となりました。一方で、原材料価格や輸送費の高騰、円安に推移した為替の影響から収益性が悪化しました。

この結果、売上高は2,875百万円で前連結会計年度に比べ208百万円(7.8%)の増収、営業利益は△126百万円で前連結会計年度に比べ162百万円の減益となりました。

HCR機器事業の資産は、451百万円増加し、3.076百万円となりました。

                                      (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

2,875

2,667

+208

+7.8

営業利益

△126

36

△162

営業利益率

△4.4

1.4

△5.8ポイント

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。) の期末残高は、現金及び現金同等物の増減額が1,880百万円増加したことにより、23,302百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、5,629百万円(前連結会計年度は8,798百万円の増加)となりました。主な増加は税金等調整前当期純利益が8,249百万円、減価償却費が2,811百万円、一方で主な減少は、棚卸資産の増減額が2,230百万円、法人税等の支払額が1,703百万円です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,651百万円(前連結会計年度は5,349百万円の減少)となりました。主な減少は、有形固定資産の取得による支出が4,160百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が1,204百万円、一方で主な増加は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が3,900百万円です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、3,274百万円(前連結会計年度は4,483百万円の減少)となりました。主な減少は、配当金の支払額が2,290百万円、自己株式の取得による支出が744百万円です。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

(a)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

オフィス機器

19,040

+13.2

インダストリアル機器

57,637

+22.8

HCR機器

3,068

+15.8

合計

79,746

+20.1

 

(注) 金額は販売価格によっております。

 

(b)受注実績

当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(c)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

オフィス機器

18,513

+8.5

インダストリアル機器

52,569

+18.7

HCR機器

2,875

+7.8

合計

73,958

+15.5

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

1)貸倒引当金

当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

 

2)製品保証引当金

製品の自主回収及び無償保証期間に基づく修理の支払いに備えるため、合理的に見込まれる損失見込額を計上しております。しかしながら、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。

 

3)退職給付関係

当社では、退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。

 

4)繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積り(過去における事業計画の達成状況など)に依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

5)固定資産の減損

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)売上高及び営業利益

当社グループの当連結会計年度の売上高は、73,958百万円で前連結会計年度に比べ9,928百万円(15.5%)の増収、営業利益は、7,498百万円で前連結会計年度に比べ813百万円(12.2%)の増益となりました。

新型コロナウイルス感染症による影響が緩和されて、持ち直しの動きが続いたことによりインダストリアル機器部門を中心に全てのセグメントで売上高は上昇しました。一方、世界的な原材料価格の高騰や物流コストの上昇、調達や供給面での制約などにより費用が増加したものの、売価見直しを実施し、営業利益も増益を確保しました。

 

2)営業外損益及び経常利益

営業外損益は、前連結会計年度に比べ642百万円増加しました。これは、主に期末にかけて急激な円安が進行したことによる為替差益を計上したことによります。この影響により、経常利益は8,282百万円で、前連結会計年度に比べ1,455百万円(21.3%)の増益となりました。

 

3)特別損益、法人税等調整額及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、前連結会計年度に比べ252百万円減少しました。これは、前連結会計年度に過年度関税還付額226百万円を計上したことによるものです。

特別損失は、前連結会計年度に比べ13百万円減少しました。これは、前連結会計年度に構造改革費用33百万円を計上したことによるものです。

これらの影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は6,090百万円で前連結会計年度に比べ937百万円(18.2%)の増益となりました。

 

 ③財政状態の分析

1)資産の部

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ、6,504百万円増加し、109,043百万円となりました。流動資産については、商品及び製品が2,088百万円、現金及び預金が1,880百万円増加したことなどにより、7,683百万円増加しました。固定資産については、有形固定資産が2,235百万円増加しましたが、投資有価証券が3,823百万円減少したことなどにより、1,179百万円減少しました。

 

2)負債の部

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ、2,065百万円増加し、25,907百万円となりました。流動負債については、未払法人税等が1,032百万円、買掛金が662百万円増加したことなどにより、2,251百万円増加しました。固定負債については、資産除去債務が112百万円増加しましたが、退職給付に係る負債が170百万円、長期借入金が150百万円減少したことなどにより、186百万円減少しました。

 

3)純資産の部

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ、4,439百万円増加し、83,136百万円となりました。株主資本は、配当金の支払2,289百万円などがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が6,090百万円あったため、3,017百万円の増加となりました。

その他の包括利益累計額については、為替換算調整勘定が1,537百万円増加したことなどにより、1,418百万円増加しました。

 

 

 ④経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 ⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

1)資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告・販売促進費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。

 

2)財務政策

 運転資金及び設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから得られる資金、金融機関からの借入れにより資金を調達しております。

 

3)投資政策

 当期の主な設備投資の内容は、本社販売関連で20億、国内の生産設備で15億円、タイ工場の生産能力増強で6億円となりました。研究開発では、全セグメント共通の設計室更新工事・計測器・分析設備の投資を行いました。

 

4)配当政策

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要政策のひとつとして位置づけ、事業の成長を図り、事業利益を追求することにより、業績に裏付けされた成果の配分を安定的に行うことを基本方針としております。

 当社はこのたび、株主の皆様に対し、長期安定的に配当を実施するべく、利益配分に関する基本方針を「事業活動による利益を持続的な成長により拡大し、長期安定的に利益配分を行うこと」に変更しました。

 この基本方針の変更にあわせて、配当政策を「連結決算を基準に、純資産配当率3.5%を下限として配当性向50%を目指す」としました。

 新しい配当政策を当期にも適用し、2022年3月期の配当は前期から16円増配の「1株当たり年間配当金64円」としております。

 この結果当期は、配当性向が49.8%、純資産配当率が3.8%となっております。

 

5)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、メカニカル技術とエレクトロニクス技術を融合させた技術の展開と深耕を基本に推進しております。新製品開発の原点として「お客様の声」を的確に捉え、製品が使われる現場でのニーズやウォンツを、お客様の作業の現場をつぶさに観察し、分析することから始める現場主義実践を活動の基本としております。また、これに加えて世の中の先進的技術を複合化させる事で、変化する顧客ニーズに適合させ、創意工夫とオリジナリティに富んだ製品開発、技術研究に取組んでおります。

特に当連結会計年度は、オフィス機器事業の複写機内蔵用オートステープラ・文字表示機器・タイムレコーダ、インダストリアル機器事業の空圧工具・電動工具・結束工具/機器・住宅環境設備機器と、それらに伴う消耗品(ステープル・ネイル・結束ワイヤ・テープなど)の研究開発を推進すると共に、環境と安全対応としての製品アセスメントに積極的に取組み、環境に優しく安全な環境保全の製品化に努めました。徹底した現場主義、顧客主義に基づく顧客ニーズと先端技術動向を的確に捉えるなかで、研究、開発実用化を加速し、これらを基盤にオフィス機器事業・インダストリアル機器事業の新製品展開と、次世代を担う新事業の探索、研究に努めております。

また、開発生産性の面におきましては、3次元CAD/解析ソフトをはじめ無響室、大型環境試験室と各種計測実験装置、及び試作加工設備の拡充により、研究設計作業合理化を進め、3D設計/3Dモデル解析/3Dモデル造形・CAM加工・ハードウエア解析・技術ナレッジシステム活用での研究開発効率の向上を図っております。これらシステムの活用により、技術力の向上、製品設計品質の向上、開発期間の短縮に取組むと共に、今後も継続して固有技術の創出を加速させることによって競争優位の製品開発に取組み、事業の拡大と業績の向上につなげてまいります。

なお、当連結会計年度の研究開発費は、3,404百万円(オフィス機器事業801百万円、インダストリアル機器事業2,082百万円、HCR機器事業36百万円、全社費用484百万円)であります。