第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当連結会計年度における世界経済は、緩やかな回復基調が継続しました。

国内は、当社インダストリアル機器部門に関連する住宅着工戸数について、持家が前年に対して減少した一方で、賃貸・分譲が底堅く推移しました。米国は、住宅着工が冷え込んだものの、商業ビルや高速道路など非住宅市場に対する建設投資が堅調に推移しました。欧州は、ウクライナ情勢の長期化やインフレに対する懸念などから景気の持ち直しに一部足踏みがみられましたが、各国の経済対策などにより緩やかな持ち直しの動きが続きました。

また、原材料価格の高騰や為替の変動が、企業収益に影響を与えました。

 

1 経営方針

当社は、お客様が支持する存在であり続けることで、事業のさらなる成長と企業価値の向上を目指しております。当社の経営理念として、社是を次のように定めております。

 

一、良い製品を責任をもって供給する

一、全従業員の生活の向上と人材の養成に努める

一、社会に奉仕し、文化に貢献する堅実な前進を期する

 

また、当社は、人が尊重され、人が成長することにより、会社も成長すると考えており、社是の実現に向けた経営基本姿勢を次のように定めております。

 

いきいきと楽しく力を合わせ、皆揃って成長していく集団を目指す

1.ガラス張りの経営に徹する

2.全員参画の経営に徹する

3.成果配分の経営に徹する

 

当社の使命は、当社の持てる能力や技術を最大限発揮し、お客様や社会が求める良い製品を創り出し継続的に供給することです。この使命を果たすことを通じ社会の持続性への貢献と堅実に存在し続ける企業の実現を目指しております。

 

2 中期経営計画

世界経済は、社会経済活動が正常化に向かいながらも、原材料価格の高騰、インフレ等により先行き不透明な状況が続いておりますが、当期は鉄筋結束機事業の伸長により、過去最高の売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益を達成することができました。

更なる飛躍に向け、鉄筋結束機事業を成長ドライバーとして、売上高及び各利益につき過去最高の連続更新を狙い、中期経営計画の最終年度となる次期事業計画を修正いたしました。

中期経営計画の基本戦略は、以下に掲げるとおりであります。

 

 ①鉄筋結束機事業、海外事業の更なる成長

最重要事業として位置付けた鉄筋結束機事業は、「TWINTIER(ツインタイア)」の発売以来、成長を続けています。鉄筋結束機を含むコンクリート構造物向け工具の当期実績は279億円となり、当期に策定した2024年3月期修正計画280億円を前倒しでほぼ達成したため、2024年3月期の売上高計画を310億円へ上方修正いたします。計画の達成に向け欧米での販売網強化、稼働を開始したタイ新工場による確実な供給などを実践してまいります。

 

 ②国内事業のビジネスモデル変革による収益性維持・向上

オフィス事業は、ビーポップ、食品表示用ラベルプリンタなどの文字表示事業でICTを活用した営業活動の効率化、新たなサポートサービスによる顧客満足向上により収益性を維持してまいります。

機工品事業は、鉄筋結束機事業での土木市場の開拓をさらに進め、コンクリート構造物向け工具の販売拡大を目指してまいります。

住環境機器事業は、浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」でのリフォーム・リプレイスのBtoCストックビジネスの拡大に向け、ICTを活用して業務の効率化を進めてまいります。

HCR機器事業は、高付加価値車いすの拡販、海外市場の売上拡大、中国工場の生産性改善により収益性の向上を目指してまいります。

 

 ③コスト増への対応

原材料価格の高騰や輸送費の上昇など、事業環境の変化に対し、当期は売価見直しを実施してまいりました。次期以降も状況に応じて売価の見直しを適宜実施してまいります。

 

 ④新規事業の創出・探索

持続的な事業成長を実現するため、開発本部内に新技術・新規事業を企画する部門、営業本部内に新規事業を推進する部門を置き、新規事業の創出・探索に向けた活動を行います。IoT技術やソフトウェアによる価値創出及び社内公募でのビジネスコンテストなど、将来のマックスの礎となる事業創出に挑戦してまいります。

 

 ⑤経営基盤の強化

経済産業省のDX認定取得に向けた全社デジタル化の活動を通じた具体的な取り組みから「デジタル技術活用による業務生産性の改善」を進め、「健康で働きやすい企業の実現」を目指します。

また、初めて発行した統合報告書作成の過程で認識した課題解決に取り組み、ESGへの取り組み及びブランド力の強化を図り、経営基盤をさらに強化し、中長期での企業価値向上を目指してまいります。

 

 

3 目標とする経営指標

 目標とする経営指標は、以下のとおりです。

 

(単位:百万円、%)

 

当期実績

翌期計画

2023年3月期

2024年3月期

実績

増減率

計画

増減率

売上高

84,316

+14.0

87,800

+4.1

営業利益

9,926

+32.4

10,700

+7.8

経常利益

10,510

+26.9

10,600

+0.8

親会社株主に帰属する当期純利益

7,619

+25.1

7,700

+1.1

売上高営業利益率

11.8

+1.7ポイント

12.2

+0.4ポイント

ROE

8.9

+1.4ポイント

8.5

△0.4ポイント

 

 

 また、セグメントごとの計画は以下のとおりです。

(単位:百万円、%)

 

2023年3月期
実績

2024年3月期

計画

増減率

オフィス機器部門

 売上高

21,482

21,600

+0.5

 セグメント利益

4,287

3,850

△10.2

 セグメント利益率

20.0

17.8

△2.2ポイント

インダストリアル機器部門

 売上高

59,719

62,900

+5.3

 セグメント利益

9,433

10,950

+16.1

 セグメント利益率

15.8

17.4

+1.6ポイント

HCR機器部門

 売上高

3,113

3,300

+6.0

 セグメント利益

△201

100

 セグメント利益率

△6.5

3.0

+9.5ポイント

セグメント利益の調整額

△3,594

△4,200

全社 売上高

84,316

87,800

+4.1

全社 営業利益

9,926

10,700

+7.8

全社 営業利益率

11.8

12.2

+0.4ポイント

 

 

4 今後の見通し

当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響が緩和され、景気が緩やかに持ち直していくことが想定される一方で、世界的な原材料価格の高騰やインフレの進行による消費マインドの低下、ウクライナ情勢の長期化など、先行きに関する不透明さが増している状況です。

2024年3月期の売上高は87,800百万円(前期比+4.1%)、営業利益は10,700百万円(同+7.8%)、経常利益は10,600百万円(同+0.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,700百万円(同+1.1%)を計画しております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)マックスのサステナビリティに関する考え方及び取組

当社が考えるサステナビリティへの取組とは、「社是」の実現に向けた我々の活動プロセスそのものと考えております。

当社の使命は、当社の持てる能力や技術を最大限発揮し、お客様や社会が求める良い製品を創り出し継続的に供給することです。この使命を果たすことを通じて社会の持続性への貢献と堅実に存在し続ける企業の実現を目指し、サステナビリティに関する基本方針を以下のとおり定めております。

 マックスは事業の成長を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。

1.人を尊重し、多様な人の能力を引き出し、人を活かします。

2.継続的に人と技術に投資し、新しいモノ・コトを創造します。

3.人にやさしく環境に配慮した製品・サービスを世界中の人々に届けます。

4.成果は公正・適正に分配します。

5.ステークホルダーと適切に対話を行うとともに、ガバナンスを高め続けます。

 

①ガバナンス

当社は、サステナビリティに関する活動を推進するため、取締役会の監督の下、サステナビリティ戦略決定機関として、サステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長)を、サステナビリティ委員会の下部組織として、サステナビリティに関する諸活動を推進するサステナビリティ推進委員会(委員長:サステナビリティ担当取締役)を設置しております。

サステナビリティ委員会は、認識した課題、審議状況等を取締役会に報告します。また、認識した課題は、中期経営計画及び事業計画に反映させ、サステナビリティに関わる活動と事業戦略を統合して持続的な企業価値向上を実現していきます。

 


https://www.max-ltd.co.jp/about/sustainability/esg/about_sustainability.html

 

②戦略

当社は、サステナビリティ経営を推進する上で、ステークホルダーにとって重要であると同時に、当社にとって経営インパクトの大きい課題として、5つのマテリアリティ「人を活かす企業の実現」、「持続可能な地球環境への貢献」、「『暮らしや仕事を楽に、楽しく』の実現に向けたイノベーションの推進」、「責任ある供給の確保」、「ガバナンスの維持・強化」を設定しました。

これらのマテリアリティを当社が事業を通して取り組むべき重要課題として認識し、解決に向けた活動や事業活動を推進することで、新たな事業成長の機会を見出し、企業価値の向上を図ってまいります。

マテリアリティの特定にあたっては、SDGsや国連グローバル・コンパクト、ISO26000、GRIスタンダード等の国際的な枠組みや、幅広いステークホルダーの視点と、企業へのインパクトの視点の双方を考慮しました。その上で、役職員向けアンケートの実施、社外役員や外部有識者との意見交換等、社内外で積極的に議論を重ね、取締役会での承認を経て、マテリアリティを特定しました。

 

■STEP1 社会課題の抽出

サステナビリティ推進委員会の前身である、執行役員を中心とする「サステナビリティ小委員会」を設置し、ISO26000、GRIスタンダードなどの国際的なガイドライン、SDGsなどを参照・分析し、社会課題を抽出しました。

 

■STEP2 社会課題の重要度評価

STEP1で抽出した社会課題について、「ステークホルダー(社会)にとっての重要度」と「当社グループにとっての重要度」の2つの視点から重要度が高い課題を特定しました。

 

■STEP3 施策の検討と妥当性評価

STEP2で特定した課題に対して、中期経営計画との関連性も踏まえながら施策を検討するとともに、評価の妥当性を確認するため、外部有識者にも意見を伺い、課題の見直しを実施しました。

 

■STEP4 マテリアリティ(重要課題)の特定

取締役会での審議・検討のもと、当社が事業を通して取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を以下のとおり定めました。

 

特定したマテリアリティ(重要課題)

重要課題

重点テーマ

目指す姿

主なKPI及び

モニタリング指標

実績

(当連結会計年度)

人を活かす

企業の実現

・人材育成

・ダイバーシティ

・人権の尊重

・ワークライフバランス

・労働安全衛生

・「目指す人材像」に掲げる人材の継続的な輩出

・女性の活躍を含めた多様性の確保

・「人」が尊重され、「人」が成長することにより、会社も成長する

・仕事と生活の調和

・長期にわたり活躍できる心・身体の健康づくり支援

・エンゲージメントサーベイ(単独)

・2030年連結女性管理職比率10%

・単独新卒採用女性比率20%

・重大な人権問題発生件数0件

・年間総労働時間1,900時間未満(国内)

・連結女性管理職比率6.1%

・単独新卒採用女性比率18.9%(2023年入社)

・重大な人権問題発生件数0件

・年間平均総労働時間

(国内)1,901時間

 

持続可能な

地球環境への貢献

・環境マネジメント・コンプライアンス

・環境配慮型製品の開発

・気候変動への対応

・資源循環/廃棄物

・事業と環境の調和

・環境配慮型製品の開発推進

・温室効果ガス(CO2)排出量の削減

・3R視点での廃棄物削減

・排出量、再資源化率(国内)

・CO2排出量 2,821千t

(SCOPE1、2、3)※

「暮らしや仕事を楽に、楽しく」の実現に向けたイノベーションの推進

・イノベーション

・デジタルトランスフォーメーション(DX)

・挑戦を促す環境・風土の形成とイノベーションや新市場開拓に向けた挑戦の継続

・DXビジョン実現に向けた製品・サービスの提供と組織づくり

・R&D比率

・R&D比率 4.5%

責任ある供給の確保

・品質と安全

・サプライチェーンマネージメント

・防災・災害復興

・製品・業務における高品質の確保

・責任ある調達の推進

・大規模な自然災害等からの早期の復旧

・重大な製品事故発生件数0件

・重大な製品事故発生件数0件

ガバナンスの維持・強化

・コーポレート・ガバナンス

・コンプライアンス・リスク管理

・情報セキュリティ

・自律的なコーポレート・ガバナンスの充実

・コンプライアンスの浸透とリスク管理の実践

・情報資産の保護

・取締役会実効性評価の継続

・重大なコンプライアンス違反0件

・取締役会実効性評価の継続

・重大なコンプライアンス違反0件

 

 

※ CO2排出量の数値に関しては、2022年3月期の実績となります。

 

③リスク管理

当社のサステナビリティに関するリスクの識別、評価及び管理は、サステナビリティ委員会の下部組織であるサステナビリティ推進委員会が中心となって推進し、サステナビリティ委員会で審議・決定します。サステナビリティに関する取り組みの進捗・結果は、取締役会に報告するとともに、中期経営計画及び事業計画の検討に反映させつつ、会社の企業倫理、法令遵守、リスク管理等を推進する機関であるコーポレートガバナンス委員会(社外取締役を含む全取締役が出席、年4回開催)と連携を図り、全社のリスク管理と統合します。

 

④指標及び目標

当社のサステナビリティに関する指標と目標は、「(1)マックスのサステナビリティに関する考え方及び取組 ②戦略」に記載しておりますので、ご参照ください。

 

(2)気候変動(TCFD)への対応

当社は、2022年9月に取締役会の決議を経て、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同することを表明し、2022年10月発行の統合報告書において、TCFD提言に沿った情報開示を初めて行いました(以下、本開示)。気候変動問題への対応が重要な経営課題の一つという認識のもと、気候変動に関わるリスクや機会などの特定とその対応等、温室効果ガス(当社から排出される温室効果ガスの殆どがCO2である事を鑑み、以下文中ではCO2と記載しますが温室効果ガスと同義です。)の削減に向けた取り組みと情報開示を推進しております。

 

①ガバナンス

本開示では、外部専門家を活用した全社横断プロジェクト(以下、プロジェクト)が中心となり、CO2排出量の現状把握、シナリオ分析及び戦略並びに指標と目標の素案を作成しました。そして、その素案等をもとに経営会議及び取締役会での論議、並びに2022年9月取締役会での決議を経て本開示を決定しました。

次回以降の開示を含む気候変動に関わる諸活動は、「(1)マックスのサステナビリティに関する考え方及び取組 ①ガバナンス」に記載のように、取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会を中心に推進する体制で行ってまいります。

 

② 戦略

 気候変動のリスク及び機会が当社にもたらす影響について、シナリオ分析を行いました。シナリオ分析においては、外部専門家を活用しながら、気候変動に関するリスクと機会の識別及び重要度評価、シナリオ群の定義、事業/財務インパクトの定量評価、並びにリスクと機会を踏まえた対応策についての検討を、プロジェクトが行いました。また、複数の温度帯のシナリオを選択・設定するため、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、IEA(国際エネルギー機関)等の科学的な情報に基づく以下2つのシナリオにおける世界観を描き、当社グループへの影響を考察しました。

 

項目

気候変動対策・規制等が進む1.5℃シナリオ

気候変動対策・規制等が進まない4℃シナリオ

シナリオ概要

気候変動に対し厳しい対策が取られ、2100年時点において、産業革命前と比較して気温上昇が約1.5℃以下に抑制されるシナリオ。

有効な気候変動への対策が導入されず、2100年時点において、産業革命前と比較して4℃程度気温が上昇するシナリオ。

世界観

政策・規制、市場、技術、評判などの移行リスクが高まるシナリオ。

自然災害の激甚化、海面上昇や異常気象の増加などの物理的リスクが高まるシナリオ。

炭素税の導入など気候変動に関する規制が強化されるとともに、消費者の嗜好も環境重視に変化する。

気象変動により異常気象の激甚化が進み、自然災害が増加する。

インパクトを試算する際のパラメーター

IPCC、IEAの情報を参考にRCP2.6シナリオを使用。

IPCC、IEAの情報を参考にRCP8.5シナリオを使用。

結果概要

主に移行リスク・機会が顕在化。

主に物理リスク・機会が顕在化。

(リスク)

気候変動規制や消費者の嗜好の変化への対応が求められ、コストの増加や環境対応製品の開発が必要となる。

(リスク)

自然災害増加により、工場の操業停止やサプライチェーンが寸断されるリスクがある。

(機会)

ZEH、ZEBの市場拡大や、CO2排出削減効果のある木造建築物など、脱炭素製品のニーズが拡大する可能性がある。

(機会)

建造物をはじめとしたインフラの強靭化ニーズが顕在化する。

対応策

設備投資や研究開発投資は、これまで省エネを中心に行ってきた。今後、脱炭素に向けた規制の強化や環境意識の高まりを踏まえ、省エネだけではなく、製品素材の見直しなどの研究開発投資も推進していく。

これまではBCMS(事業継続マネジメントシステム)により、自然災害等に備えてきた。今後もBCMSの活動を継続し、自然災害へのリスク対応策を強化する。

(共通)

TCFD提言に沿った情報開示の初回である本開示に向けた活動で、気候変動問題を含むサステナビリティに関する活動を推進する体制を整備した。今後、この整備した体制でリスクと機会の磨き上げとともに、対応策をさらに深化させる。

 

 

シナリオ分析の結果、いずれのシナリオのもとでも、当社はレジリエントな経営を行うことが可能と確認しました。

1.5℃シナリオでは、脱炭素化に向けた規制の強化が想定され、炭素税の導入や原材料価格の高騰、より脱炭素を意識した製品・サービスの創出が求められます。一方、4℃シナリオでは物理的リスクの影響が高まり、工場の操業停止やサプライチェーンの寸断といったリスクへの対応とともにインフラの強靭化ニーズへの対応が必要となります。

 

  分析詳細

区分

事象

主な潜在的財務影響

財務影響

発生時期

移行リスク

政策・規制

炭素税の導入

炭素税の導入によりCO2排出によるコストが増加する。

中期

省エネ基準の強化

省エネ法、CO2排出削減目標の強化による移行コストの増加や基準未達により販売が鈍化する。

短期~中期

再生可能エネルギーの導入

再生可能エネルギーの価格上昇によりコストが増加する。

中期

廃棄物の処理規制の強化

廃棄物処理費用の増加やリユースまたはリサイクル可能な製品に移行する。

中期~長期

技術

リスク

環境対応製品の必要性

気候変動対応部品への切り替えによるコスト増や対応遅れにより販売機会を喪失する。

短期~中期

低排出技術への移行

低炭素素材への移行によるコスト増により、製品競争力が減退する。

短期~中期

市場

リスク

製品需要の縮小

環境意識の高まりにより、CO2排出量が多い製品の需要が縮小する。

中期~長期

市場の不確実性

エネルギーコストが予期せず変動する。

中期

原材料コストの上昇

原材料コストの上昇を売価に反映できず利益が減少する。

中期

評判

消費者の嗜好の変化

環境対応の遅れにより、販売機会を喪失する。

中期~長期

消耗品素材による消費者からの忌避

CO2排出量が多い消耗品の場合、使い捨てのイメージから消費者に忌避され販売が減少する。

中期~長期

企業の評判

環境対応が遅れると企業イメージの悪化により、採用が困難になり、株価が下落する。

非算定

短期~中期

物理リスク

急性的

慢性的

自然災害の増加

異常気象による浸水により工場の操業停止やサプライチェーンが寸断する。

短期~中期

慢性的

海面の上昇

海面上昇により、事業拠点が浸水する。

長期

平均気温の上昇

森林火災の増加により木材コストが上昇、また熱中症リスク回避による工期長期化により、木造を中心とした建築物が減少する。

中期~長期

機 会

資源の効率

市場環境の変化

CO2排出量の削減効果のある木造建築物の増加やZEH及びZEBの市場拡大に伴う新築建築物が増加する。

中期

エネルギー源

エネルギーコスト

再生可能エネルギー設備の導入によりコスト変動を低減する。

中期

製品・サービス

需要の変化

再生可能/リサイクル原料などを使用した環境負荷を低減した製品を開発・販売することで競争力が向上する。

中期~長期

市場

ニーズの変化

強靭化のため、建築物の建替えニーズが高まる。

中期~長期

レジリエンス

製品・サービス

気温上昇に伴う建設現場の作業時間短縮のため、省力機器のニーズが高まる可能性が高い。また、災害に備えてサプライチェーン全体のBCPを継続的に強化することでレジリエンスが高まる。

短期~長期

 

 ※ 当社では、気候変動に伴うリスク及び機会の評価にあたり、以下のように時間軸を設定しています。

   短期:~2年程度

   中期:3~10年程度

   長期:10年程度~

 

③リスク管理

上記気候変動に関するリスクの識別及び評価は、プロジェクトで行いました。今後、当社の気候変動に関わる活動は、サステナビリティ委員会の下部組織であるサステナビリティ推進委員会が中心となり、リスクの識別、評価及び管理を推進し、サステナビリティ委員会で審議・決定します。

シナリオ分析においては、定期的に新たな規制上の評価等、各リスクの事業/財務インパクトを定量的に評価し、リスクの管理を行います。

気候変動リスク評価の結果は、取締役会へ報告するとともに、中期経営計画及び事業計画の検討に反映させつつ、会社の企業倫理、法令遵守、リスク管理等を推進する機関であるコーポレートガバナンス委員会(社外取締役を含む全取締役が出席、年4回開催)と連携を図り、全社のリスク管理と統合します。

 

④ 指標と目標

2021年度のCO2排出量は、SCOPE1(事業による直接排出)は1,200t、SCOPE2(電力消費による間接排出)は13,604t、SCOPE3(SCOPE1,2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出))は2,806,049tでした。なお、SCOPE3のうち、カテゴリー11(販売した製品の使用による排出)は2,506,777tでした。

当社は、SCOPE3カテゴリー11でのCO2排出量が多いことを踏まえ、気候変動に関わるリスクの最小化のため、CO2排出量を指標として、以下の中長期目標を掲げております。

 

項目

中長期目標

実績

(2022年3月期)

SCOPE1、2

カーボンニュートラル

1.2030年にCO2排出量を2018年度比50%削減
2.2042年にCO2排出量ネットゼロ(カーボンニュートラル)を達成

14,803t

SCOPE3

カテゴリー11の削減

SCOPE3カテゴリー11の削減(販売した製品の使用に伴う排出量)について、2030年にCO2排出量を2018年度比30%削減

2,506,777t

 

 


 

(3)人的資本

①戦略

当社グループは、「人」が尊重され、「人」が成長することにより、会社も成長すると考えます。この考えのもと、「人を活かす企業の実現」をマテリアリティのひとつに設定し、すべての人材が個々の能力を最大限発揮し、意欲とやりがいを持って働くことができるよう、人材育成制度の充実などの環境整備を図っています。

また、「人に関する基本方針」として、「人を信じ、活かす経営」を基本ポリシーに掲げ、目指す人材像、人事施策運営方針を以下のとおり定めております。

 

目指す人材像

『失敗を恐れず挑戦し続け、共に学び、成長を目指す人』

1. 人を信頼し、人から信頼され、そして信頼に応える人

2. 考え抜き、前に踏み出す人

3. 主体性を発揮し、チームで協働する人

4. 事実を共通価値とし、衆知を集め、未知を既知とする人

5. 先進半歩の精神を持ち、仕事を通じ自己を無限に進化させる人

6. グローバル人材として幅広い知見と専門性を持ち、工夫を怠らない人

 

人事施策運営方針

(人権・人格・個性の尊重)

 人間尊重の精神に基づき、働くすべての人の人権・人格・個性を尊重します。

(基本は人の成長)

働く人が共に育つ「共育」の実現を目指します。成長に向け努力する人に対し投資するとともに、人材の発掘に努めます。

(育成のための評価)

評価の目的は、人材育成と公正な処遇の実現です。評価は、結果のみではなく、意欲、挑戦、行動など、プロセスも加味します。

(処遇)

 100%マキシマムを発揮し挑戦し続けられるとともに、頑張りがいのある制度を目指します。

(強い組織作り)

 会社の持続的な発展のため、環境変化に強く、効率的な組織を追求します。

(職場環境の開発)

 仕事に打ち込みつつ、生活との調和を実現するため、より働きやすい環境をつくります。

(健康の充実)

 社員の健康は会社経営の基盤です。長期にわたり活躍できる、心・身体の健康づくりを支援します。

 

当社グループでは、「人に関する基本方針」に基づき、以下の取り組みを行っています。

1)多様な人材の活躍(ダイバーシティ推進の取り組み)

当社グループでは、多様な人材や価値観を取り入れ、新たな価値創造に活かすことが重要であるとの考えのもと、様々なダイバーシティの推進に取り組んでおります。

当社グループでは、性別及び国籍を問わず採用を行っております。また、海外現地法人では現地の方の登用を積極的に行っており、グループで国籍の多様性を確保しています。中途採用は、その時々の組織ニーズに合わせて行っています。女性の活躍推進については、当社における新卒採用の女性採用比率を高める取り組みを行っています。理系女性の増加を背景に、技術系女性の採用を継続しています。また、女性管理職については、当社グループの女性管理職比率の向上が課題と捉えており、女性管理職比率の向上を目指しております。

 

2)人権の尊重

当社グループは「グループ社員行動規範」において、「個人の尊厳と権利を尊重し、国籍、人種、民族、性別、宗教、年齢、学歴、思想、信条、社会的身分、疾病、障がい、身体的特徴、社会的弱者などのいかなる事由によっても不当な差別を行いません」と定めております。

また、人権尊重はすべての企業に求められるグローバルな行動基準と捉え、「マックスグループ人権方針」を2022年9月12日の取締役会において決定しました。創業以来の基本精神である「人間尊重」に基づき、これまでも人権を尊重した事業活動を行ってまいりましたが、この策定した人権方針に基づき、これまで以上に人権尊重への取り組みを進め、社会から信頼される企業を目指します。「グループ社員行動規範」に、「人格や個人の尊厳を侵害する、セクハラ、パワハラなどの言動は行いません」と定めるとともに、ハラスメントなどをテーマにしたコンプライアンス勉強会も開催しております。

 

3)ワークライフバランスの推進

当社グループでは、多様な人材が働きやすく、能力を最大限発揮できる職場環境づくりを目指し、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みを強化しています。年間総労働時間の低減に向け、残業時間の削減と年次有給休暇の取得率向上を推進しています。ワークライフバランスの推進にあたっては、フレックスタイム制や時間単位の年次有給休暇制度を導入しているほか、育児休業後の時短勤務期間を子どもが中学校に入学するまでとしています。また、19時以降のパソコン使用には申請が必要となる仕組みを運用しております。

 

②指標及び目標

当社グループでは、2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(1)マックスのサステナビリティに関する考え方及び取組 ②戦略の「特定したマテリアリティ(重要課題)」において記載した、「人を活かす企業の実現」について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

連結女性管理職比率

2030年までに10%

6.1%

単独新卒採用女性比率※

20%

18.9%

重大な人権問題発生件数

0件

0件

年間総労働時間(国内)

1,900時間未満

1,901時間

 

※ 2023年4月1日入社の新卒採用者における女性比率の実績です。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①国内新設住宅着工戸数の動向

当社グループの事業のうち、インダストリアル機器事業の主要製品には、建築市場向けの釘打機、エアコンプレッサ等の空圧機械、充電工具、ステープル・ネイル・ねじ等の消耗品、浴室暖房換気乾燥機、24 時間換気システム等の住環境機器が含まれております。そのため、国内の新設住宅着工戸数の減少は、これらの製品の需要及びインダストリアル機器事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があり、増加は好影響を及ぼす可能性があります。

 

②為替レートの変動

当社グループにおける海外への売上、海外からの調達等には、外貨建取引が含まれています。外貨建の売上と調達を相殺することにより影響を軽減しておりますが、急激な為替レート変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③原材料価格の変動

当社グループの製品のうち、ステープル・ネイル・ねじ及び鉄筋結束機用ワイヤ等の消耗品の原材料として普通線材を使用しております。その普通線材の価格が、鉄鉱石や石炭、石油などの原料不足や他国の需要動向により変動する可能性があります。当社グループでは、収益力の強化に継続して取組んでおりますが、急激な原材料価格の変動は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④製品品質に関わるもの

当社グループでは、製品の品質を重視しており、開発・生産におけるISO9001の認証取得など、品質管理、品質保証の体制を整備しておりますが、全ての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。製品の事故等が発生した場合は、顧客への告知及び製品の点検又は回収などの費用が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤情報の漏洩、情報システムの破壊・破損

当社グループでは、顧客情報の機密性や受注情報の可用性については、「情報セキュリティマネジメントシステ
ム(ISMS)」の認証取得(ISO/IEC27001を2004年4月27日に取得)などを通じ、情報セキュリティ維持向上を目指しております。また、情報セキュリティ基本方針を定めるなど、ISMSリスク対応計画を立案し、人的、組織的、物理的、技術的に顧客情報漏洩対策を実施しております。システムの破壊・破損に対しても、事業継続計画を策定し訓練を実施しておりますが、情報漏洩やシステム破壊・破損が発生した場合、事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥知的財産保護の限界

当社グループでは、他社と差別化した技術・ノウハウの蓄積やお客様のニーズに適合した製品開発等により、マックスブランドを通し、お客様の信頼を高めてきました。また、当社グループにおいて培った知的財産については、その重要性を認識し、保護手続をとっております。しかし、第三者による類似製品の製造を防止できない場合もあり、当社グループの市場競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。また、第三者所有の知的財産を侵害することのないよう細心の注意を払っておりますが、知的財産を侵害しているとされる可能性もあり、そのことにより事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦退職給付債務

当社グループにおける退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。また、割引率は日本の国債の市場利回りを考慮して設定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件を変更した場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。さらなる割引率の低下や運用利回りの悪化は業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧カントリーリスク

事業展開地域の一部においては、予期しない法律や規制の変更など、経済的に不利な要因の存在または発生、テロ・戦争・その他の要因による社会的または政治的混乱などのリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来計画に影響を与える可能性があります。

 

  ⑨自然災害や感染症等

地震や台風、洪水等の自然災害や感染症等が想定を超える規模で発生した場合、販売拠点や生産拠点の資産に対する被害や従業員による業務体制維持が困難になるなど、事業に悪影響を及ぼす可能性があります当社グループではワークスタイル等の変革により生産・販売での影響を最小限に抑える取組みを進めてきました。しかし、新型コロナウイルスのような新たな感染症の流行によっては、今後の業績に更なる悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応については、各種事前対策を定めるとともに、状況に応じて臨機応変な対応に努めるなどリスク管理を行ってまいります。

また、「事業継続マネジメントシステム(BCMS)」の認証(ISO22301)を2016年3月25日に取得しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、緩やかな回復基調が継続しました。

国内は、当社インダストリアル機器部門に関連する住宅着工戸数について、持家が前年に対して減少した一方で、賃貸・分譲が底堅く推移しました。米国は、住宅着工が冷え込んだものの、商業ビルや高速道路など非住宅市場に対する建設投資が堅調に推移しました。欧州は、ウクライナ情勢の長期化やインフレに対する懸念などから景気の持ち直しに一部足踏みがみられましたが、各国の経済対策などにより緩やかな持ち直しの動きが続きました。

また、原材料価格の高騰や為替の変動が、企業収益に影響を与えました。

 

このような状況の下で、当連結会計年度の売上高は84,316百万円(前期比14.0%の増収)、営業利益は9,926百万円(同32.4%の増益)となりました。経常利益は、10,510百万円(同26.9%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,619百万円(同25.1%の増益)となりました。

                                       (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

84,316

73,958

10,358

14.0

営業利益

9,926

7,498

+2,427

+32.4

経常利益

10,510

8,282

+2,228

+26.9

親会社株主に帰属する当期純利益

7,619

6,090

+1,528

+25.1

1株当たり当期純利益

161.07円

128.39円

32.68円

営業利益率

11.8

10.1

+1.7ポイント

ROE

8.9

7.5

+1.4ポイント

 

 

なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。

項目

金額

 売上為替差

4,926百万円

 原価為替差

△2,659百万円

 数量増加

1,576百万円

 売価増加

2,942百万円

 原価増加

△2,045百万円

 販管費増加

△2,313百万円

 

 

 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ7,699百万円増加し、116,742百万円となりました。当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,929百万円増加し、27,836百万円となりました。当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ5,769百万円増加し、88,906百万円となりました。

                                       (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前連結会計年度末比

増減額

増減率

総資産

116,742

109,043

+7,699

+7.1

純資産

88,906

83,136

+5,769

+6.9

自己資本比率

76.1

76.1

     ―

 

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

(a)オフィス機器部門

「国内オフィス事業」は、WEBセミナーや展示会を活用した提案活動により、表示作成機「ビーポップ」の販売が増加するなど、文字表示機器の販売が増加しました。(売上高:7,450百万円、前年比+2.3%)

「海外オフィス事業」は、東南アジアを中心に文具関連製品の販売が増加したほか、欧州における営業体制の強化などにより、表示作成機「ビーポップ」の機械・消耗品ともに販売が増加しました。(売上高:6,145百万円、前年比+32.3%)

「オートステープラ事業」は、オフィスへの回帰が進んだことにより機械・消耗品の販売が伸長しました。一方で、第4四半期は、機械・消耗品の販売が鈍化しました。(売上高:7,887百万円、前年比+19.8%)

この結果、売上高は、21,482百万円で前連結会計年度に比べ2,969百万円(16.0%)の増収、営業利益は4,287百万円で前連結会計年度に比べ1,253百万円(41.3%)の増益となりました。

オフィス機器事業の資産は、603百万円増加し、22,728百万円となりました。

                                      (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

21,482

18,513

+2,969

+16.0

営業利益

4,287

3,034

+1,253

+41.3

営業利益率

20.0

16.4

     +3.6ポイント

 

 

(b)インダストリアル機器部門

「国内機工品事業」は、生産性向上を切り口とした提案活動の推進や組織体制の整備により、鉄筋結束機「ツインタイア」とその消耗品の販売が増加したほか、エアコンプレッサ新製品の販売が引き続き好調に推移しました。(売上高:21,312百万円、前年比+8.5%)

「海外機工品事業」は、建設現場における人手不足と商業ビルや高速道路など非住宅市場に対する投資が堅調であったことを背景として、鉄筋結束機「ツインタイア」の消耗品の販売が増加しました。(売上高:27,241百万円、前年比+20.6%)

「住環境機器事業」は、主力の浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」の販売が、注力しているリフォーム・リプレイスのストック市場で伸長したことに加え、新築住宅市場でも伸長しました。(売上高:11,165百万円、前年比+8.0%)

この結果、売上高は59,719百万円で前連結会計年度に比べ7,150百万円(13.6%)の増収、営業利益は9,433百万円で前連結会計年度に比べ1,693百万円(21.9%)の増益となりました。

インダストリアル機器事業の資産は、3,946百万円増加し、45,469百万円となりました。

 

 

                                      (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

59,719

52,569

+7,150

+13.6

営業利益

9,433

7,739

+1,693

+21.9

営業利益率

15.8

14.7

    +1.1ポイント

 

 

(c)HCR機器部門

HCR機器部門は、展示会などを活用した提案により、主力製品である「WAVIT」シリーズの認知度が高まり、レンタル卸向けで車いすの販売が堅調に推移したことから、増収となりました。一方で、円安の影響を受けて、収益性が悪化しました。

この結果、売上高は3,113百万円で前連結会計年度に比べ237百万円(8.3%)の増収、営業利益は△201百万円で前連結会計年度に比べ75百万円の減益となりました。

HCR機器事業の資産は、343百万円減少し、2,732百万円となりました。

                                      (単位:百万円、%)

 

当連結会計年度

前連結会計年度

前期比

増減額

増減率

売上高

3,113

2,875

+237

+8.3

営業利益

△201

△126

△75

営業利益率

△6.5

△4.4

△2.1ポイント

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、現金及び現金同等物の増減額が4,552百万円増加したことにより、26,987百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、8,248百万円(前連結会計年度は5,629百万円の増加)となりました。主な増加は税金等調整前当期純利益が10,300百万円、減価償却費が3,022百万円、一方で主な減少は、棚卸資産の増減額が2,329百万円、法人税等の支払額が2,915百万円です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,085百万円(前連結会計年度は2,442百万円の減少)となりました。主な減少は、有形固定資産の取得による支出が3,387百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が2,603百万円、一方で主な増加は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が4,818百万円です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、3,332百万円(前連結会計年度は3,274百万円の減少)となりました。主な減少は、配当金の支払額が3,024百万円です。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

(a)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

オフィス機器

22,172

+16.4

インダストリアル機器

65,630

+13.9

HCR機器

3,081

+0.4

合計

90,884

+14.0

 

(注) 金額は販売価格によっております。

 

(b)受注実績

当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(c)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

オフィス機器

21,482

+16.0

インダストリアル機器

59,719

+13.6

HCR機器

3,113

+8.3

合計

84,316

+14.0

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

1)貸倒引当金

当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

 

2)製品保証引当金

製品の自主回収及び無償保証期間に基づく修理の支払いに備えるため、合理的に見込まれる損失見込額を計上しております。しかしながら、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。

 

3)退職給付関係

当社では、退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。

 

4)繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積り(過去における事業計画の達成状況など)に依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

5)固定資産の減損

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)売上高及び営業利益

当社グループの当連結会計年度の売上高は、84,316百万円で前連結会計年度に比べ10,358百万円(14.0%)の増収、営業利益は、9,926百万円で前連結会計年度に比べ2,427百万円(32.4%)の増益となりました。

当連結会計年度における世界経済は、緩やかな回復基調が継続しました。
 国内は、当社インダストリアル機器部門に関連する住宅着工戸数について、持家が前年に対して減少した一方で、賃貸・分譲が底堅く推移しました。米国は、住宅着工が冷え込んだものの、商業ビルや高速道路など非住宅市場に対する建設投資が堅調に推移しました。欧州は、ウクライナ情勢の長期化やインフレに対する懸念などから景気の持ち直しに一部足踏みがみられましたが、各国の経済対策などにより緩やかな持ち直しの動きが続きました。
 また、原材料価格の高騰や為替の変動が、企業収益に影響を与えました。

 

2)営業外損益及び経常利益

営業外損益は、前連結会計年度に比べ198百万円減少しました。これは前期より為替差益が減少したことによります。この影響により、経常利益は10,510百万円で、前連結会計年度に比べ2,228百万円(26.9%)の増益となりました。

 

3)特別損益、法人税等調整額及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は、前連結会計年度に比べ39百万円増加しました。これは、主に固定資産売却益33百万円を計上したことによるものです。

特別損失は、前連結会計年度に比べ216百万円増加しました。これは、主に減損損失185百万円を計上したことによるものです。

これらの影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は7,619百万円で前連結会計年度に比べ1,528百万円(25.1%)の増益となりました。

 

 ③財政状態の分析

1)資産の部

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ、7,699百万円増加し、116,742百万円となりました。流動資産については、現金及び預金が4,313百万円、商品及び製品が2,364百万円、有価証券が1,392百万円増加したことなどにより、8,758百万円増加しました。固定資産については、有形固定資産が1,054百万円増加しましたが、投資有価証券が3,065百万円減少したことなどにより、1,058百万円減少しました。

 

2)負債の部

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ、1,929百万円増加し、27,836百万円となりました。流動負債については、賞与引当金が787百万円、未払法人税等が780百万円増加したことなどにより、1,608百万円増加しました。固定負債については、長期借入金が125百万円増加したことなどにより、320百万円増加しました。

 

3)純資産の部

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ、5,769百万円増加し、88,906百万円となりました。株主資本は、配当金の支払3,027百万円などがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が7,619百万円あったため、4,590百万円の増加となりました。

その他の包括利益累計額については、為替換算調整勘定が1,081百万円増加したことなどにより、1,168百万円増加しました。

 

 

 ④経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 ⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

1)資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告・販売促進費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。

 

2)財務政策

 運転資金及び設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから得られる資金、金融機関からの借入れにより資金を調達しております。

 

3)投資政策

 当期の主な設備投資の内容は、本社販売関連で5億円、国内の生産設備で14億円、タイ工場の生産能力増強で15億円となりました。研究開発では、全セグメント共通の設計室更新工事・計測器・分析設備の投資を行いました。

 

4)配当政策

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要政策のひとつとして位置づけ、利益配分に関する基本方針を「事業活動による利益を持続的な成長により拡大し、長期安定的に利益配分を行うこと」としています。

 当社の配当政策は、「連結決算を基準に、純資産配当率3.5%を下限として配当性向50%を目指す」と定めています。

 当期の配当は前期から14円増配の「1株当たり年間配当金78円」を予定しています。

 次期の配当は、業績見通しと配当政策を踏まえ「1株当たり年間配当金78円」を計画しています。

 

5)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、メカニカル技術とエレクトロニクス技術を融合させた技術の展開と深耕を基本に推進しております。新製品開発の原点として「お客様の声」を的確に捉え、製品が使われる現場でのニーズやウォンツを、お客様の作業の現場をつぶさに観察し、分析することから始める現場主義実践を活動の基本としております。また、これに加えて世の中の先進的技術を複合化させる事で、変化する顧客ニーズに適合させ、創意工夫とオリジナリティに富んだ製品開発、技術研究に取組んでおります。

特に当連結会計年度は、オフィス機器事業の複写機内蔵用オートステープラ・文字表示機器・タイムレコーダ、インダストリアル機器事業の空圧工具・電動工具・結束工具/機器・住宅環境設備機器と、それらに伴う消耗品(ステープル・ネイル・結束ワイヤ・テープなど)の研究開発を推進すると共に、環境と安全対応としての製品アセスメントに積極的に取組み、環境に優しく安全な環境保全の製品化に努めました。徹底した現場主義、顧客主義に基づく顧客ニーズと先端技術動向を的確に捉えるなかで、研究、開発実用化を加速し、これらを基盤にオフィス機器事業・インダストリアル機器事業の新製品展開と、次世代を担う新事業の探索、研究に努めております。

また、開発生産性の面におきましては、3次元CAD/解析ソフトをはじめ無響室、大型環境試験室と各種計測実験装置、及び試作加工設備の拡充により、研究設計作業合理化を進め、3D設計/3Dモデル解析/3Dモデル造形・CAM加工・ハードウエア解析・技術ナレッジシステム活用での研究開発効率の向上を図っております。これらシステムの活用により、技術力の向上、製品設計品質の向上、開発期間の短縮に取組むと共に、今後も継続して固有技術の創出を加速させることによって競争優位の製品開発に取組み、事業の拡大と業績の向上につなげてまいります。

なお、当連結会計年度の研究開発費は、3,791百万円(オフィス機器事業936百万円、インダストリアル機器事業2,147百万円、HCR機器事業50百万円、全社費用657百万円)であります。