(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業者の『みんなが豊かな生活に』『世界に二つとない商品を開発しよう』をモットーに、健全な事業活動を通して人を大切にし、優れた製品の提供を通して社会の発展に貢献することを企業理念としております。
従いまして、株主・ユーザー・取引先のほか、全てのステークホルダーにとって価値あるべく、常に経営の効率 化と収益性の向上を目指した事業活動を展開するとともに、将来に向け新分野、新事業へ展開していくことを経営の基本方針といたしております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、目標とする経営指標を売上高及び経常利益の拡大、自己資本比率の向上に位置付け、経常利益率の向上と資本・資産効率をより意識し、収益の改善を進めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、熱機器の製造・販売から現在に至っており、その過程の中で熱と流体を制御する技術を蓄積し
てまいりました。その技術を駆使し、当社が携わる事業領域の一つのセグメントである農業界においては、確固た
る事業基盤を構築しております。
また、顧客志向を第一に考え、『お客様が求める環境作りのために私たち(社員)はお客様の声を起点に農と住
の明日を創造する会社を目指します。』を事業骨子と位置付けております。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループを取巻く経営環境は、底打ち感はあるものの施設園芸業界における設備投資の減退、また資材の高騰による原価の上昇により、厳しい状況が続くものと予想しております。以下の重点項目を更に強化することにより収益力の向上及び経営体質の強化を図ってまいります。
① 従業員の育成
全従業員への経営理念の徹底は勿論のこと、業務に対する意識の高揚、スキルアップを第一の重点課題として取り上げ、体質改善に取組みます。また総合力の向上を目的に取組み、各業務の標準化を進め、情報・ノウハウの共有化を強化すると同時に各部門、各個人間の業務を円滑且つスピーディーに対処できる組織作りに努めます。
今後当社グループは栽培ノウハウ(植物生理)を蓄積するべきと定め、既存の「熱と流体を制御する技術」に付加する形で向上させ、競争力の強化を図ります。
② サプライチェーンの強化
NPS(ネポン プル生産システム)プロジェクトにおいて「工場にモノを溜めない」をスローガンに営業情報を基に展開される調達~生産~納品の一連の業務、所謂サプライチェーンを継続して強化します。納品までのリードタイムを圧縮し、機会損失の削減とお客様の要望に少しでも迅速に対応できるよう努めます。また、棚卸資産の圧縮及び棚卸資産の回転率向上に努めます。
③ コスト低減の徹底
先に記載したNPSプロジェクトにおいて、直接、間接部門を問わず全社でコスト削減に取組んでおります。コスト低減を進める一方、品質をより向上させる目的で当社の品質管理システムを見直し、再構築いたします。併せて協力会社等の調達先の監査・指導を強化することにより、品質の向上と協力関係の強化を図ります。
④ メンテナンス・サービスの強化
サービスセンター構想を継続して推進することにより、メンテナンス・サービス部門の人員及びスキルを更に増強し、顧客満足度と収益を向上させ企業価値を高めます。
⑤ マーケティングの拡充
顧客満足度の向上を目的に施設園芸用温風暖房機(ハウスカオンキ)の主要な部品である缶体(燃焼室)の10年保証制度を行っております。この制度を活用することにより、購入した顧客に対し一層の「安心・安全」を提供すると共に、顧客の機械の使用状況、栽培作物等についての情報を体系化し今後の製品開発に活かします。
⑥ 環境問題への取組みについて
CO₂削減とエネルギー使用量の圧縮を実現する為、施設園芸用ヒートポンプ(ネポングリーンパッケージ)の更なる拡販とバイオマス利用の施設園芸用温風暖房機(ペレットハウスカオンキ)が市場に定着するよう注力いたします。今後も環境負荷低減が実現できる製品を開発します。
⑦ 内部統制の取組みについて
当社グループでは「内部監査室」と「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置しております。「コンプライアンス・リスク管理委員会」内部には「情報管理室」、「環境推進室」、「危機管理対策室」を併設し、全ての従業員が法令遵守はもとより、社会規範、倫理観を共有するよう推進します。企業の透明性を高め、全てのステークホルダーから信頼され得る職務の執行、行動を心掛け、健全な企業運営に努めます。
当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
① エネルギー情勢への依存度
熱機器事業の施設園芸用温風暖房機は、その燃料の大半を石油に依存しており、原油価格の動向は生産者の設備
投資意欲に影響を及ぼす可能性があります。
② 競争激化による価格競争
熱機器事業の施設園芸用温風暖房工事について、農業事業の規制緩和による異業種からの参入に伴う価格競争が
収益に影響を及ぼす可能性があります。
③ 社会情勢
熱機器事業の農用機器については、国内農業人口の減少、高齢化、後継者不足等による新規設備投資の減少、台
風等の自然災害による施設園芸用温室の倒壊等による撤退により、施設園芸用温風暖房機等の業績に影響を及ぼす
可能性があります。
衛生機器事業については、下水道の普及による簡易水洗便器の市場縮小などが業績に影響を及ぼす可能性があり
ます。
④ 制度利用
施設園芸業界は、施設園芸農家支援のための国、地方自治体が行う公的資金を利用した事業がかなりを占め、こ
の予算の推移が業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 季節変動による影響
猛暑及び暖冬が、熱機器事業の施設園芸用温風暖房機の稼働に影響し、メンテナンスサービスによる収益が減少
する恐れがあります。
⑥ 為替の変動
海外取引を拡大することによる、為替の変動が業績に影響を及ばす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策の推進等により、企業収益や雇用環境の改善等に緩やかな回復傾向があったものの、米国の経済政策や中国の動向等、世界情勢において先行き不透明な状況が続いております。
このような経営環境の中で、当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は『お客様が求める環境作りのために私たち(社員)はお客様の声を起点に農と住の明日を創造する会社を目指します』を事業骨子とし、引き続きお客様目線に立ち販売力の強化や新製品の開発に取り組んでまいりました。
当社グループが主力としております熱機器事業の農用機器は、積極的な営業活動により施設園芸用温風暖房機が堅調に推移した結果、売上高は80億8千3百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
損益面においては、積極的な開発投資の強化等により営業利益は2億2千9百万円(前年同期比14.9%減)、経常利益は2億1千9百万円(前年同期比12.9%減)となりました。また、特別利益として厚木工場敷地の収用補償金の計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5千万円(前年同期比1.6%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりとなります。
[熱機器事業]
当社グループが主力としております熱機器事業の農用機器は、積極的な営業活動により施設園芸用温風暖房機が堅調に推移しました。また、汎用機器は拡販活動に注力しましたが、厳しい市場環境において売上が伸び悩みました。以上の結果、熱機器事業の売上高は74億6千2百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
[衛生機器事業]
衛生機器事業におきましては、、便槽を中心とした拡販活動等に注力しましたが、簡易水洗便器市場の縮小等により、売上高は5億6千8百万円(前年同期比8.2%減)となりました。
[その他事業]
その他事業におきましては、農産物販売の増加等により売上高は5千1百万円(前年同期比52.8%増)となりました。
また、当連結会計年度の財政状態は、以下のとおりとなります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1千5百万円増加し、68億1千8百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1億7百万円減少し、46億2千5百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億2千2百万円増加し、21億9千3百万円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、2億3千8百万円のプラス(前連結会計年度は2億1千6百万円のマイナス)となりました。
その主な要因は税金等調整前当期純利益2億2千4百万円、減価償却費の計上1億8千2百万円、売上債権の増額1千8百万円、仕入債務の減額1億2千6百万円、法人税等の支払額9千3百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億2千4百万円のマイナス(前連結会計年度は1億2千5百万円のマイナス)となりました。
その主な要因は、有形固定資産の取得による支出1億2千6百万円、無形固定資産の取得による支出9千1百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、7千5百万円のマイナス(前連結会計年度は1億5千2百万円のマイナス)となりました。
その主な要因は、借入金の純増による2億3千万円のプラス、社債の純減による2億4千万円のマイナスであります。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末における残高は、2億3千5百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
熱機器事業(千円) |
7,169,695 |
7.1 |
|
衛生機器事業(千円) |
571,777 |
△6.5 |
|
その他事業(千円) |
42,118 |
47.4 |
|
合計 |
7,783,591 |
6.1 |
(注) 1 金額は標準販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの受注生産は「熱機器事業」の中の「施設園芸冷暖房工事」、「給湯・暖房工事」、「衛生機器事業」の中の「衛生工事」であり、他は全て需要予測による見込生産を行っております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
熱機器事業 |
1,959,038 |
1.1 |
251,309 |
12.8 |
|
衛生機器事業 |
22,187 |
― |
― |
― |
|
その他事業 |
― |
― |
― |
― |
|
合計 |
1,981,225 |
2.1 |
251,309 |
12.8 |
(注) 1 金額は標準販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
熱機器事業 |
7,462,744 |
8.3 |
|
衛生機器事業 |
568,398 |
△8.2 |
|
その他事業 |
51,965 |
52.8 |
|
合計 |
8,083,108 |
7.1 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
佐藤商事株式会社 |
1,476,601 |
19.6 |
1,464,552 |
18.1 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績の分析
[売上高]
当社グループが主力としております熱機器事業の農用機器は、積極的な営業活動により施設園芸用温風暖房機が堅調に推移しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は80億8千3百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
[営業利益]
売上高は増加しましたが、積極的な開発投資の強化等による販売費及び一般管理費の増加により、当連結会計年度の営業利益は2億2千9百万円(前年同期比14.9%減)となりました。
(b) 財政状態の分析
[流動資産・固定資産]
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が6千万円減少しましたが、売上債権が1千9百万円、棚卸資産が4千8百万円増加したこと等により、3千1百万円の増加となりました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ、投資その他資産が5千5百万円増加しましたが、有形固定資産が6千8百万円、無形固定資産が3百万円減少したこと等により、1千6百万円の減少となりました。
[流動負債・固定負債]
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ、仕入債務が1億2千4百万円減少しましたが、短期借入金が1億5千万円増加したこと等により、8百万円の増加となりました。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ、長期借入金が7千3百万円増加しましたが、社債が2億2千万円減少したこと等により1億1千5百万円の減少となりました。
[純資産]
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ、親会社株主に帰属する当期純利益を1億5千万円計上したこと等により、1億2千2百万円の増加となりました。
以上の結果、前連結会計年度末に比べ、総資産は1千5百万円増加し、68億1千8百万円となりました。
(c) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要状況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(d) 財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(e) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
[資金需要]
当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料、部品の購入及び設備投資によるものであります。
[財務政策]
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するために、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達しております。
当社グループは、在庫金額の抑制を図り資金負担を軽減するとともに、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は当社が行っております。当社グループの研究開発活動は、顧客ニーズ、市場状況、当社重要技術から開発ロードマップを定め、その方向性に従い製品開発を進めています。また、VE(バリューエンジニアリング)による製品の更なる改良、改善及び新製品開発も行っています。
当連結会計年度における主な研究開発活動は以下の通りです。
・施設園芸用ハウスの大規模化と、その暖房、CO2供給に利用される暖房機器の高効率化と排ガスのクリーン化に対応するため、大規模施設向け高性能温水発生機開発を進めており、翌連結会計年度の上市を目指しています。
・施設園芸用ヒートポンプは、寒冷地仕様10馬力ヒートポンプの開発を進め、翌連結会計年度の上市を目指しています。
・工場用温風暖房機(熱風炉)の小型高出力型開発を継続して進めています。
・各燃焼機器のコントローラの通信対応と共通化に着手し、ICTを利用したサービス展開とコストダウンを進めています。
・農業ICTクラウド事業における施設園芸栽培現場のモニタリングと環境制御機器の開発を継続して進めています。より扱いやすい、分析しやすい、見やすいをキーワードにモニタリングの機能と画面を開発しています。また、中規模から大規模まで対応可能な環境制御盤の開発を進めており、翌連結会計年度の上市を目指しています。更に、次期環境制御(統合制御)の開発にも進めております。
当連結会計年度の研究開発費は、6億4千8百万円となりました。