文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、創業者の『みんなが豊かな生活に』『世界に二つとない商品を開発しよう』をモットーに、健全な事業活動を通して人を大切にし、優れた製品の提供と質の高いサービスを通じ、社会の発展に貢献することを企業理念としております。
株主・ユーザー・取引先のほか、全てのステークホルダーにとって価値あるべく、常に経営の効率化と収益性の向上を目指した事業活動を展開するとともに、将来に向け新分野、新事業へ展開していくことを経営方針といたしております。
また、顧客志向を第一に考え、『お客様が求める環境作りのために私たち(社員)はお客様の声を起点に農と住の明日を創造する会社を目指します。』を事業骨子と位置付けております。
(2)経営環境、経営戦略等
当社グループを取巻く経営環境は、主要なセグメントに関連する施設園芸業界において、高齢化に伴う後継者不足により小規模農家が減少しているものの、一方で、法人の農業参入が増加しており、施設園芸の大規模化・高度なシステム化が進んでおります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経済の先行き不安から、施設園芸の設備投資が抑制され、厳しい状況となっております。
このような状況でも、質の高い日本の農産物は、ニーズが高く、国内のみならず海外の市場から求められる存在であることに変わりありません。
当社グループは、創業以来、熱と流体を制御する技術を蓄積してまいりました。その技術を駆使し、当社グループが携わる事業領域の一つのセグメントである施設園芸業界において、農業用の暖房機器を展開し、確固たる事業基盤を構築しております。
その事業基盤を活かし、お客様のニーズにあわせて、最新のIoT技術を活用した農業用ICTクラウドサービスである「アグリネット」を展開しております。
当社主力の農業用暖房機器とアグリネットを連携させ、また他社サービスとも連携できるプラットフォームを構
築し、トータル的にお客様の栽培環境を最適化し、高付加価値を生み出すサービスを提供してまいります。
[アグリネットを活用した事業展開]
・製品関連
お客様の栽培環境における課題(病害、温度ムラなど)を明確化し、最適なソリューションをご提供
・サービス関連
機器を常に監視し、安心して機器をご使用いただくための見守りサービスをご提供
・通信関連、新規事業
他社サービスと連携し、労務管理などの新たなサービス、ソリューションをご提供
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、施設園芸業界の変化に伴い、上記経営戦略で記載したサービスをスピード感を持って対応していくため、以下を優先的に対処すべき課題と認識しております。
①最適なIoT製品を開発する体制の強化
変化が早いIoT事業において、お客様のニーズを捉えて、最適なサービスを継続的に開発していくためにも、開発体制の強化が必要となります。
農業ICTクラウドサービスは、近年、他社参入が増加しており、差別化した製品を迅速に開発するためにも、引き続き積極的な投資が必要と考えております。
②人財の育成
上記の展開を行うために、基礎となる人財の育成が重要と考えております。
全従業員への経営理念の徹底は勿論のこと、業務に対する意識の高揚、スキルアップを第一の重点課題として取り上げ、体質改善に取り組みます。また総合力の向上を目的に取り組み、各業務の標準化を進め、情報・ノウ
ハウの共有化を強化すると同時に各部門、各個人間の業務を円滑且つスピーディーに対処できる組織作りに努めます。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、目標とする経営指標を売上高及び営業利益率、自己資本比率と位置付けております。
当連結会計年度における売上高は、コロナ禍による営業活動の制約や先行き懸念による個人農家の設備投資抑制に加えて、前第1四半期における施設園芸用暖房大型工事の完工集中及び前第2四半期における消費税引上前の駆け込み需要等の前期決算特有の増収要因が一巡したこと等により、72億5千7百万円(前年同期比11.9%減)となりました。
損益面においては、コロナ禍における営業活動の制約に伴う活動費等の減少や研究開発投資の一部先送りにより販売費及び一般管理費が大きく減少しましたが、営業利益は2億4千6百万円(前年同期比2.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億6千8百万円(前年同期比11.3%減)と、前年同期を下回る結果となりました。なお、経常利益は為替の影響により2億5千8百万円(前年同期比7.6%増)となりました。
また、営業利益率は3.4%(前年同期3.1%)、自己資本比率は38.6%(前年同期34.6%)と前年より改善いたしました。
引き続き、資本・資産効率をより意識し、収益改善を進め、目標とする経営指標の改善に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
(1)エネルギー情勢への依存度
熱機器事業の施設園芸用温風暖房機は、その燃料の大半を石油に依存しており、原油価格の動向は生産者の設備投資意欲に影響を及ぼす可能性があります。
それに対し、電気を動力とする施設園芸用ヒートポンプの生産・販売を推進することにより、リスク分散をしております。
(2)競争激化による価格競争
熱機器事業の施設園芸用暖房工事について、農業事業の規制緩和による異業種からの参入に伴う価格競争が収益に影響を及ぼす可能性があります。
それに対し、アグリネットの推進などを進めて、特定の事業収益に頼らない体制を構築していきます。
(3)社会情勢
熱機器事業の農用機器については、国内農業人口の減少、高齢化、後継者不足等による新規設備投資の減少、台風等の自然災害による施設園芸用温室の倒壊等による撤退により、施設園芸用温風暖房機等の業績に影響を及ぼす可能性があります。
衛生機器事業については、下水道の普及による簡易水洗便器の市場縮小などが業績に影響を及ぼす可能性があります。
それに対し、弊社の熱と流体を制御する技術を、異なる業界へ転用する用途開発を進め、新たな事業基盤を獲得してまいります。
(4)制度利用
施設園芸業界は、施設園芸農家支援のための国、地方自治体が行う公的資金を利用した事業がかなりを占め、この予算の推移が業績に影響を及ぼす可能性があります。
それに対し、弊社の熱と流体を制御する技術を異なる業界へ転用する用途開発を進め、農用機器売上に依存しない体制を構築してまいります。
(5)季節変動
猛暑及び暖冬が、熱機器事業の施設園芸用温風暖房機の稼働に影響し、メンテナンスサービスによる収益が減少する恐れがあります。
それに対し、弊社の熱と流体を制御する技術を異なる業界へ転用し、不需要期への稼働を促進できる製品開発を進めていきます。
(6)為替の変動
海外取引を拡大することにより、為替の変動が業績に影響を及ばす可能性があります。
それに対し、海外取引が拡大し、金額の重要性が増した場合は、為替予約などのヘッジ手段を取り入れます。
(7)新型コロナウイルス感染症
世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じており、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの社員及び取引先、関係者の健康被害とこれに伴う社会的・経済的影響が危惧され、事業活動の継続が困難になるリスクを有しております。
それに対し、当社グループは、感染拡大を防止するため、「新型コロナウイルス対応ガイドライン」を整備し衛生管理の徹底や、時差出勤・テレワーク等の対策に取り組んでおります。
(8)CO2排出削減への対応
世界的な脱炭素化に向けた議論が進む中、熱機器事業の施設園芸用温風暖房機の大半が化石燃料の燃焼に伴うCO2を排出しており、その排出量の削減が暖房機使用者等より、今後一層求められることが予想されます。
それに対しましては、電気を動力とする施設園芸用ヒートポンプの生産・販売を推進するとともに、化石燃料に代替するエネルギーを利用する新たな施設園芸用暖房機器の開発についても、今後、検討して参ります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の政策により個人消費活動の持ち直しの動きが一時期はみられたものの、その後、新型コロナウイルス感染症の再拡大傾向が強まり、2021年4月には3回目の緊急事態宣言が発令されるなど、先行きについては依然として不透明な状況が続いておりました。
このような経営環境の中で、当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は『お客様が求める環境作りのために私たち(社員)はお客様の声を起点に農と住の明日を創造する会社を目指します』を事業骨子とし、引き続き販売力の強化や新製品の開発に取り組んでまいりました。
当社グループが主力としております熱機器事業の農用機器は、コロナ禍による営業活動の制約や先行き懸念による個人農家の設備投資抑制に加えて、前第1四半期における施設園芸用暖房大型工事の完工集中及び前第2四半期における消費税引上前の駆け込み需要等の前期決算特有の増収要因が一巡したこと等により、売上高は前年より大幅に減少いたしました。
その結果、総売上高は72億5千7百万円(前年同期比11.9%減)となりました。
損益面においては、コロナ禍における営業活動の制約に伴う活動費等の減少や研究開発投資の一部先送りにより販売費及び一般管理費が大きく減少しましたが、営業利益は2億4千6百万円(前年同期比2.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億6千8百万円(前年同期比11.3%減)と、前年同期を下回る結果となりました。なお、経常利益は為替の影響により2億5千8百万円(前年同期比7.6%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績は、以下のとおりとなります。
[熱機器事業]
当社グループが主力としております熱機器事業の農用機器は、コロナ禍による営業活動の制約や先行き懸念による個人農家の設備投資抑制に加えて、前第1四半期における施設園芸用暖房大型工事の完工集中及び前第2四半期における消費税引上前の駆け込み需要等の前期決算特有の増収要因が一巡したこと等により、熱機器事業の売上高は67億2千7百万円(前年同期比12.9%減)となりました。
[衛生機器事業]
衛生機器事業においては、業務用トイレ入替の大規模工事が第4四半期に完工したこと等により、売上高は4億9千4百万円(前年同期比2.2%増)となりました。
[その他事業]
その他事業においては、農産物販売の増加等により売上高は3千4百万円(前年同期比20.6%増)となりました。
また、当連結会計年度の財政状態は、以下のとおりとなります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億6千6百万円減少し、65億4千4百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億3百万円減少し、40億1千7百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億3千7百万円増加し、25億2千6百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、8千2百万円のプラス(前連結会計年度は6億9千7百万円のプラス)となりました。
その主な要因は税金等調整前当期純利益2億5千5百万円、売上債権の減少2億1千8百万円、仕入債務の減少2億4千万円、法人税等の支払額1億8千4百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1億1千4百万円のマイナス(前連結会計年度は1億4千3百万円のマイナス)となりました。
その主な要因は、有形固定資産の取得による支出6千3百万円、無形固定資産の取得による支出6千2百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1千3百万円のプラス(前連結会計年度は4億4百万円のマイナス)となりました。
その主な要因は、借入金の純増による1億2千3百万円のプラス、社債の純減による5千万円のマイナス、配当金の支払による3千5百万円のマイナスであります。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末における残高は、5億1千6百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
熱機器事業 |
6,260,317 |
△7.5 |
|
衛生機器事業 |
490,183 |
1.2 |
|
その他事業 |
30,201 |
27.0 |
|
合計 |
6,780,701 |
△6.8 |
(注)1 金額は標準販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループの受注生産は「熱機器事業」の中の「施設園芸冷暖房工事」、「給湯・暖房工事」、「衛生機器事業」の中の「衛生工事」であり、他は全て需要予測による見込生産を行っております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
熱機器事業 |
1,528,100 |
△32.5 |
60,525 |
△18.6 |
|
衛生機器事業 |
31,272 |
- |
- |
- |
|
その他事業 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
1,559,373 |
△31.1 |
60,525 |
△18.6 |
(注)1 金額は標準販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
熱機器事業 |
6,727,939 |
△12.9 |
|
衛生機器事業 |
494,982 |
2.2 |
|
その他事業 |
34,628 |
20.6 |
|
合計 |
7,257,550 |
△11.9 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
佐藤商事株式会社 |
1,606,240 |
19.5 |
1,263,089 |
17.4 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
[売上高]
当社グループが主力としております熱機器事業の農用機器は、コロナ禍による営業活動の制約や先行き懸念による個人農家の設備投資抑制に加えて、前第1四半期における施設園芸用暖房大型工事の完工集中及び前第2四半期における消費税引上前の駆け込み需要等の前期決算特有の増収要因が一巡したこと等により、売上高は前年より大幅に減少いたしました。
その結果、総売上高は72億5千7百万円(前年同期比11.9%減)となりました。
[営業利益]
損益面においては、コロナ禍における営業活動の制約に伴う活動費等の減少や研究開発投資の一部先送りにより販売費及び一般管理費が大きく減少しましたが、営業利益は2億4千6百万円(前年同期比2.8%減)となりました。
b.財政状態の分析
[流動資産・固定資産]
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ、売上債権が2億1千8百万円、棚卸資産が9千6百万円減少したこと等により、3億5千1百万円の減少となりました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ、無形固定資産が3千万円増加しましたが、有形固定資産が2千4百万円、投資その他の資産が2千1百万円減少したこと等により、1千5百万円の減少となりました。
[流動負債・固定負債]
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ、短期借入金が2億5千万円増加しましたが、仕入債務が2億4千1百万円、未払法人税等が1億5千7百万円、流動負債の「その他」に含まれる未払消費税等が8千8百万円減少したこと等により、3億3千5百万円の減少となりました。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ、長期借入金が1億6百万円、役員退職慰労引当金が5千5百万円減少したこと等により1億6千7百万円の減少となりました。
[純資産]
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ、親会社株主に帰属する当期純利益を1億6千8百万円計上したこと等により、1億3千7百万円の増加となりました。
以上の結果、前連結会計年度末に比べ、総資産は3億6千6百万円減少し、65億4千4百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
[資本調達方法及び状況]
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するために、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達しております。
当社グループは、在庫金額の抑制を図り資金負担を軽減するとともに、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。
[資金需要の動向]
当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料、部品の購入及び設備投資によるものであります。
③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
これらの、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報) (会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は当社が行っております。当社グループの研究開発活動は、顧客ニーズ、市場状況、当社重要技術から開発ロードマップを定め、その方向性に従い製品開発を進めています。また、VE(バリューエンジニアリング)による製品の更なる改良、改善及び新製品開発も行っています。
当連結会計年度における主な研究開発活動は以下の通りです。
・IoTへの対応
近年、IoTによるハードとソフトの融合が進んでいます。農業分野においても農林水産省が次世代の農業「スマート農業」の普及を支援・推奨しており、IoT化が必要不可欠な環境となっています。これに合わせて当社としても農用機器のIoT化を目指し開発を進めています。
具体的な取り組みとしては、当社が提供している暖房機、ヒートポンプ等の農用機器をIoTによって連携させ、農用機器に新しい価値を付けて提供したいとを考えています。そして、使い勝手の良い新しい農用機器を2~3年以内に上市することを目指して開発を進めています。
また、農業用ICTクラウドサービスでは、2020年7月から正式に「アグリネット アドバンス」のサービスを開始しました。現在、このサービスを利用する加入者も順調に増えており、それに伴って利用されているお客様から改善要望も出始めています。そこで今後も継続してお客様のニーズに答えるべくシステムの改良を進めていきます。
更にIoT化を推進して行く上で、他社のシステムを含めた連携を可能とするプラットフォームの開発が欠かせなくなります。そこで当社では、昨年、他社とのシステム連携が行いやすいIoTデータプラットフォーム「Chabu-Dai」を開発しました。そして、汎用性が高いことと様々なデバイスを接続しやすいことが評価されて、74期に自治体の農業プラットフォームに採用されました。
今後は更なるクラウドサービスの拡大を目的に「Chabu-Dai」の販売体制を強化すると共に、運用のための各種ツールの準備を進めていきます。
・施設園芸の大規模化への対応
施設園芸用ハウスの規模は、収量増加を目的に大型化の傾向にあります。そのため従来よりも大幅に伸長した送風ダクトを施工し、屋内を暖房するハウスが増えてきています。
更に、中規模の施設園芸用ハウスでは、送風ダクトをベンチの下に設置することで作業スペースを確保し、屋内の空間を有効利用するハウスも増えてきています。よって、その市場ニーズの変化に合わせ、送風能力を向上させた高静圧対応型の暖房機を開発しました。新規ハウスの設備設計と合わせて導入の推進をしていきます。
・大規模ハウス向け温水ボイラ(型式:SBB-1005)
社会への高効率な機器の普及を推進する為に2020年3月に大規模ハウス向け温水ボイラ(型式:SBB-1005)を開発し、L2-Tech認証製品(環境省の認証制度)とすべく審査を受けました。その結果、認証を得て2021年3月公表の「2020年度L2-Tech認証製品一覧」に本製品が掲載されることになりました。
今後は、低炭素社会の実現に向けて貢献するためにも、本製品の普及活動に積極的に取り組んでいきます。
・大気汚染の防止への対応
工場用温風暖房機(熱風炉)においては、大気汚染防止の手続き上、導入しやすい機器の開発が望まれています。大気汚染防止法においては伝熱面積10m3以上(愛知県条例においては伝熱面積8m3以上)のボイラは、ばい煙発生装置としての届出、および、定期的な ばい煙測定義務が発生します。
当社が開発した工場用温風暖房機(熱風炉)は、大気汚染防止法より厳しい愛知県条例で定められた伝熱面積8m3未満としております。管理・運用面での手間を削減し、導入しやすい機器としながらも、233kW(20万kcal/h)の出力を実現した小型高出力型の工場用対人暖房専用機として販売を開始しました。
・海外への対応
海外に目を向けると東アジアでは、人件費が比較的安く、収益性が高いことから施設園芸は増加傾向にあります。また、施設園芸を積極的に推進している韓国では農業用の電力料金が低く抑えられていることにより、施設園芸の空調に電気式ヒートポンプが導入しやすい市場環境にあります。
当社は継続して市場エリアの拡大に対応するよう施設園芸用ヒートポンプのバリエーションを増やしており、2021年11月には韓国と台湾向けの施設園芸用ヒートポンプとして電源電圧380V,周波数60Hz仕様の製品を上市しました。
今後は東南アジア向けに電源電圧380V,周波数50Hz仕様の製品をラインナップし、グローバル市場に積極的に進出すべく開発を進めています。
当連結会計年度の研究開発費は、