第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、遵法に徹し、公正な企業活動を行い、素材と技術を通じて、暮らしや産業、社会に貢献することを企業理念としております。グローバルな視野をもって、幅広い分野のお客様との信頼関係を築き、多様なご要望に応え、環境にやさしい、生活を豊かにする製品づくりで社会への貢献を目指しております。そのために、基盤技術の向上により、様々なお客様との接点や対話を増やし、関係を深めていくことに努めております。

(2) 目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、総合力を更に高め、いかなる経済環境にあっても力強く成長を続ける企業集団として、既存事業の競争力を強化し、売上の拡大と利益の向上を図り、また、新事業の創出に会社一丸となって積極的に挑戦しております。資産効率の向上、財務基盤の更なる強化、企業価値の最大化を推し進め、売上高1,000億円、経常利益100億円を早期に達成することを目指してまいります。

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループは、国内外の既存事業領域の拡大や、その周辺事業領域を含めた領域での新事業創出を優先的に対処すべき課題としております。その詳細は以下のとおりとなります。

まず、既存事業領域においては、伸びる市場に照準を合わせた製品開発、徹底した品質管理、販売力強化及び新規顧客開拓に努め、更なる成長を目指します。

具体的には、電子デバイス事業では、自動車用を中心とした入力デバイス製品を成長のけん引役として位置づけて、顧客の需要動向と業界変化に対応いたします。昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大については、当社グループの生産拠点の一部に影響が生じましたが、現在では、ほぼ正常な稼働状況に戻っております。また、北米、中華圏、ASEAN地域とインドにおける販売力及び生産性の向上を図るべく、最適地生産と生産拠点の連携、さらなる合理化に取り組み、事業の持続的成長に努めてまいります。

精密成形品事業では、半導体関連容器・キャリアテープ関連製品の需要増にスピード感をもって対応し、生産・供給体制の拡充を進める一方で、半導体プロセスの微細化や電子機器の小型化に伴うお客様のニーズに的確に対応し、拡販を図ってまいります。OA機器用部品は、レーザープリンター用部品・複合機用部品の需要を確実に取り込んで収益の拡大を図ります。シリコーンゴム成形品は、高透明・複合化等の独自技術を生かし、医療用関連製品のさらなる拡販を推し進めるとともに、新製品開発や新市場開拓にも注力してまいります。なお、当事業における新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるリスクは大きくないと見通しております。

住環境・生活資材事業では、塩ビ関連製品のコスト削減や、新規事業製品の拡充・拡販等により成長軌道に乗せることを目指してまいります。特に、機能性コンパウンドや、導電性ポリマー、薄膜エンプラフィルムなどの高付加価値製品の拡販を推し進め、収益の拡大に努めてまいります。なお、業務用の食品包装材料に関しては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が今後も継続すると予想されます。

また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるリスクについて、関連する事業において、顧客の近くで在庫の積み増し等の措置を講じており、これによって不測の事態が生じた場合の影響を軽減するよう努めております。当社グループは、引き続きサプライチェーンを守る使命を果たしてまいります。

次に、中長期にわたる成長を継続するために、既存事業領域やその周辺事業領域、成長を望める分野における新事業創出が、喫緊の課題であります。「機能性樹脂の配合技術」、「複合化」、「精密・微細加工技術」等の当社の基盤技術をより強化し、AIやシミュレーションを駆使したスピード感のある開発によって、新規テーマの発掘と、特に自動車・半導体分野における次世代の事業拡大に鋭意取り組んでまいります。M&A(合併・買収)については、収益拡大と新事業創出の手段として、引き続き実行してまいります。

また、コンプライアンス、CSRを基本とした経営を推し進め、コーポレートガバナンスの充実を図るとともに地球環境保全への貢献、人権尊重、安全第一への取組みを強化し、企業価値の向上に努めます。

なお、当社グループは、国内外に生産拠点、販売拠点を持ち、従前から必要なリスク管理を行っております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対しても、適切な対応を進めてまいりました。今後も引き続き、現地の行政当局の指示・指導に従いながら、従業員の安全を第一に対応してまいります。

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

2 【事業等のリスク】

 

当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、財務状態など業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクとしては、以下のようなものが考えられます。なお、記載した事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、業績に影響を与えうる要素は、これらに限定されるものではありません。

 

(1) 経済動向について

当社グループの製品の需要は世界に広がっており、当社グループが製品を販売している国又は地域の経済状態の影響を受けます。また、国際社会情勢の急激な変化により、生産、仕入れ及び販売等に支障が生じ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(2) 為替レートの変動について

当社グループの海外事業では、アジア、北米、欧州等の地域において事業活動を行っておりますが、各地域における売上げ、費用及び資産等の現地通貨建ての項目は連結財務諸表の作成時に円貨に換算されるため、換算時の為替レートにより評価価値が変動し、結果として当社グループの財政状態及び業績に影響する可能性があります。

(3) カントリーリスクについて

当社グループの海外拠点では、それぞれの国に多様なリスクが存在し、これらが顕在化した場合には当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来計画に影響する可能性があります。

(4) 原材料価格の高騰・供給不足について

当社グループの製品の多くは、その主原料として石油化学製品を使用しておりますが、原油・ナフサなどの市況変動が、原材料価格の高騰に及び、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、それら供給業者に不測の事態が発生した場合や材料・部材に品質問題又は供給不足が発生した場合は、当社グループの生産活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 他社との競合について

当社グループの関連市場において、海外における競合他社とのシェア及び価格面での競争が激化しており、今後これらの状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 公的規制について

当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入に関する規制、公正な競争に関する規制、環境保護に関する規制及びその他商取引、労働、知的財産権、租税、通貨管理等にかかる法令諸規則の適用を受けています。これらの法令諸規則又はその運用にかかる変更は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 新製品開発に関連して

当社グループが事業展開する電子機器、半導体関連の事業分野は、技術革新とコスト競争が激しい業界です。提案型・開発型企業として新製品開発や生産技術改革に努めておりますが、業界や市場の変化に的確に対応できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 知的財産に関連して

当社グループは、事業を遂行する上で、製品や製造工程における知的財産権を保有し維持管理しています。また、必要に応じて第三者の知的財産権を使用するために相手方からライセンスを取得します。それらの権利保護・維持又は取得が適切に行われない場合、相手方による模倣や訴訟を受ける可能性があり、その結果、費用負担などにより経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 自然災害について

当社グループでは、一部の製品を専門工場において集中生産しております。このため地震、風水害等の自然災害が発生した場合、一部の製品の生産に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 製造物責任について

当社グループでは、原材料をはじめとして、製品設計、製造・出荷など各工程において最適な品質管理に努めておりますが、予期せぬ製品不具合などで製造物責任賠償などが発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 感染症の流行について

新型コロナウイルス感染症等、大規模な感染症の流行が発生した場合、一時的な操業停止やサプライチェーンの停滞等、生産・販売活動等の事業活動が支障をきたし、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症におけるリスク対策として、2020年3月に対策本部を設置し、従業員の安全・健康を最優先とした事業運営を行っております。全世界で未だ感染収束の見通しはたっておりませんが、引き続き衛生管理と働き方の工夫を行い、感染者発生時の即応体制を整えるとともに、万が一の操業停止などに備えたBCP強化に取り組んでまいります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金が5,105百万円、建設仮勘定が500百万円、未収入金が314百万円それぞれ増加し、機械装置及び運搬具(純額)が1,019百万円、商品及び製品が865百万円、建物及び構築物(純額)が597百万円、電子記録債権が305百万円それぞれ減少したことなどにより、108,212百万円(前連結会計年度末比2,834百万円増)となりました。

当連結会計年度末における負債は、未払法人税等が580百万円、電子記録債務が397百万円それぞれ増加し、支払手形及び買掛金が420百万円減少したことなどにより、21,535百万円(前連結会計年度末比695百万円増)となりました。

当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が2,997百万円増加し、前連結会計年度末と比較してEURと人民元を除く海外連結子会社の記帳通貨において円高となった結果、為替換算調整勘定が1,138百万円減少したことなどにより、86,677百万円(前連結会計年度末比2,139百万円増)となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末から0.2ポイント減少し、79.8%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末から25円18銭増加し、1,067円58銭となりました。

 

(2) 経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、長期化する米中貿易摩擦による影響に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため各国が実施した渡航禁止や都市封鎖などにより経済活動が大きく停滞しました。新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、回復のペースは緩やかなものに留まっています。米国では都市封鎖解除後に雇用が回復し個人消費も持ち直しました。欧州では生産及び輸出が4月を底に回復基調にありましたが感染拡大を止められず、再び経済活動が停滞しました。アジアでは世界に先駆けて経済活動を再開した中国で経済の回復が持続しました。

日本経済は、緊急事態宣言解除後は個人消費、生産及び輸出とも持ち直しましたが、企業の設備投資が弱含むなど本格的な回復までには時間がかかる見通しです。

当社グループ関連の事業環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による半導体業界や電子部品業界の需要の落ち込みはほとんどなかったものの、自動車関連分野の需要が低迷し、全体として軟調に推移しました。

このような状況のもと、当社グループは新型コロナウイルス感染症対策をとるとともに、国内外において主力製品及び新規事業製品の拡販に注力した営業活動を継続的に展開し、生産・供給体制の拡充を図ってまいりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は76,904百万円(前連結会計年度比4.2%減)、営業利益は7,217百万円(前連結会計年度比6.9%減)、経常利益は7,021百万円(前連結会計年度比13.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,536百万円(前連結会計年度比27.9%減)となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

① 電子デバイス事業

当事業では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による自動車業界の需要低迷等により、自動車関連入力デバイスを中心に出荷が低調に推移し、全体として売上げは前年を下回りました。

入力デバイスは、薄型ノートパソコン用タッチパッドの出荷が好調に推移しましたが、主力の自動車向けキースイッチの出荷は期の後半回復したものの振るわず、全体として売上げは低調でした。

ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターの出荷が引き続き低調に推移し、光学用途向け視野角制御フィルム(VCF)の出荷も横ばいで、全体として売上げは落ち込みました。

コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターの出荷が順調に推移しましたが、売上げは前年並みとなりました。

この結果、当事業の売上高は18,037百万円(前連結会計年度比8.6%減)、セグメント利益(営業利益)は889百万円(前連結会計年度比45.9%減)となりました。

 

② 精密成形品事業

当事業では、半導体関連容器やキャリアテープ関連製品の堅調な出荷が続きましたが、全体として売上げは前年並みとなりました。

半導体関連容器は、半導体業界の底堅い需要を背景に300mmウエハー用出荷容器などの出荷が堅調に推移し、売上げを伸ばしました。

OA機器用部品は、レーザープリンター及び複写機用ローラの需要が年明けから回復に転じたものの伸び悩み、売上げは低調でした。

キャリアテープ関連製品は、自動車用及びスマートフォン用の電子部品需要が好調を維持し、売上げを伸ばしました。

シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品の出荷が横ばいで、全体として売上げは伸び悩みました。

この結果、当事業の売上高は34,160百万円(前連結会計年度比2.1%増)、セグメント利益(営業利益)は5,517百万円(前連結会計年度比7.6%増)となりました。

 

③ 住環境・生活資材事業

当事業では、塩ビ関連製品の市場環境が非常に厳しい中、価格改定や生産効率化に努め、新規事業製品の拡販を推し進めましたが、食品包装資材や建設資材、自動車関連の素材系製品が需要低迷の影響を受けて、全体として売上げは前年を下回りました。

ラッピングフィルム等包装資材関連製品は、スーパー向けが堅調だった反面、外食産業向けが落ち込み、全体的に出荷が振るわず、売上げは低調でした。

塩ビパイプ関連製品は、国内需要の低迷により受注量を確保できず、売上げは前年を下回りました。

機能性コンパウンドは、ロボットケーブル用の出荷低調が続き、自動車用の需要も減速したため、振るいませんでした。

外装材関連製品は、価格改定、新規取引先への拡販等により秋口まで好調を維持したものの、需要が一段落して、売上げは横ばいでした。

新規事業製品のうち、導電性ポリマーは、スマートフォン部品用途及び自動車用電子部品用途の受注が増え、順調に売上げが伸びました。

この結果、当事業の売上高は17,736百万円(前連結会計年度比6.7%減)、セグメント利益(営業利益)は539百万円(前連結会計年度比6.2%増)となりました。

 

④ その他

工事関連では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による需要低迷の影響により、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件、公共施設の内装物件の受注が減少し、全体として、売上げは前年を下回りました。なお、上記各事業に含まれない新規事業開発関連をその他に含めております。

この結果、その他の売上高は6,969百万円(前連結会計年度比13.6%減)、セグメント利益(営業利益)は272百万円(前連結会計年度比43.2%減)となりました。

 

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電子デバイス

16,113

83.8

精密成形品

32,375

96.0

住環境・生活資材

9,546

91.1

その他

3,540

82.1

合 計

61,575

90.9

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注状況

受注生産はその他の一部においてのみ行っております。

当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

その他

2,918

79.2

522

104.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電子デバイス

18,037

91.4

精密成形品

34,160

102.1

住環境・生活資材

17,736

93.3

その他

6,969

86.4

合 計

76,904

95.8

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先はありません。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報

① 現金及び現金同等物

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、45,948百万円(前連結会計年度末比4,272百万円の増加)となりました。

なお、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は6,905百万円の増加(前連結会計年度は3,059百万円の増加)となりました。

 

② 営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、10,641百万円(前連結会計年度比2,952百万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益6,402百万円、減価償却費3,511百万円、減損損失633百万円の計上、たな卸資産の減少650百万円、仕入債務の増加314百万円などの増加要因のほか、法人税等の支払い1,353百万円、売上債権の増加317百万円などの減少要因によるものであります。

 

③ 投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出2,785百万円、定期預金の増加808百万円による減少などにより、3,736百万円の減少(前連結会計年度比893百万円の支出減)となりました。

 

④ 財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度における財務活動による資金は、主に配当金の支払い1,536百万円により、1,691百万円の減少(前連結会計年度比121百万円の支出減)となりました。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、財務体質の健全性確保と、研究開発投資や生産設備投資及びM&Aなどを行うための資金需要に対応してまいります。

当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は主に当社の親会社である信越化学工業株式会社からの借入により調達を行う方針としております。

当社の配当政策としましては、株主の皆様への利益還元を経営上の課題として認識し、業績に応じた中期的に安定的な配当を継続してまいります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定の策定について、過去の実績や現状に応じて合理的に判断しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は見積り特有の不確実性を有しているため、実際の結果とは大きく異なる可能性があります。このうち、当連結会計年度において特に重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。

その他、当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2021年5月12日の取締役会において、昭和電工マテリアルズ株式会社(以下、「昭和電工マテリアルズ」といいます。)から、新設分割により昭和電工マテリアルズの食品包装用ラッピングフィルム事業を承継する新設会社の株式の全てを取得して子会社化することを決議し、同日付けで株式譲渡契約を締結いたしました

詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発の基本は、お客様との密接なコミュニケーションを通して、お客様のニーズを掘り起こし、暮らしや社会に価値ある製品を提供することにあります。

当社グループの技術展開の核となる基盤技術は、シリコーンや各種プラスチック、導電性素材をキーマテリアルとした「材料・配合」、「設計」、「加工プロセス」、「評価・解析」であります。これらの基盤技術を深耕・応用し、幅広い分野でお客様のニーズにお応えしていくことを研究開発の使命と考えております。

研究開発体制といたしましては、開発本部が中心となり、コア技術のブラッシュアップと新技術の確立を目指して、現業開発を開発第一部から第五部、新規事業開発を新事業開発室がそれぞれ担当しております。営業本部、生産本部と三位一体となって、高付加価値製品の開発へ迅速な対応に努めております。

 

セグメントごとの活動概要は下記のとおりであります。

 

① 電子デバイス事業

当事業では、自動車や電子機器の入力部品、ディスプレイ関連部品やコンポーネント関連製品の開発を行っております。高精細印刷技術をベースとした静電容量方式による入力部品やセンサー部品の開発と、シリコーンゴム加工技術をベースとした異種素材との複合化製品の開発を中心に、車載機器、モバイル機器、家電製品などの各市場における新規需要の開拓に取り組んでおります。

② 精密成形品事業

当事業では、半導体シリコンや電子部品の搬送用資材、OA機器・医療機器部品などの精密成形品の開発を行っております。当社独自の精密加工技術と評価技術をベースに、次世代半導体ウエハー用の搬送容器及び電子部品の微細化や次世代半導体パッケージに対応した搬送テープの開発に取り組んでおります。また、半導電化技術や発泡技術などシリコーンゴム配合技術により、顧客要求に応じたOA機器用部品や自社設計医療機器用部品の製品開発を行っております。

③ 住環境・生活資材事業

当事業では、塩ビ管や食品包装資材などの生活関連製品や自動車部品、電子部品、電線などの中間材料製品の開発を行っております。特に、スーパーエンプラを素材とした薄膜フィルム、導電性・耐熱性を付与する導電性ポリマーの製品開発と需要開拓に取り組んでおります。

 

当連結会計年度における研究開発費の総額は3,588百万円であり、その主なセグメントごとの内訳は、電子デバイス事業1,220百万円、精密成形品事業1,695百万円及び住環境・生活資材事業661百万円であります。なお、セグメントごとの研究開発費には、各事業に関連する中長期的な研究開発費も含まれております。